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アルキメデスが判定。王冠は純金でなかった!!

アルキメデスが王冠が純金か否かの判定に浮力を応用したという挿話は広く流布しています。私もいつ聞いた、あるいは読んだか定かではありませんが、気になっていました。

最近読んだ本にこのことが少し詳しいことが載っていましたので記しておきます。

書名は「人物で語る物理入門」(上)です。この本によると、アルキメデスはシラクサ王の援助で研究に励んでいました。ある時、シラクサ王が職人に純金の塊を渡し、王冠を作らせましたが、「出来上がった王冠は金を少し抜いて代わりに銀を混ぜたらしい」という密告が入ります。「王冠を壊さずに金の純度を調べよ」と王様に依頼されたアルキメデスがこれを調べることになります。

では、アルキメデスは具体的にはどのようなことをしたのでしょうか?

彼は金と銀の重さの違いに注目します。体積が同じ場合金は銀のほぼ2倍の重さがあります。従って重さが同じなら体積は銀のほうが金の2倍になります。作られた王冠の重さは当然最初に渡された金の塊と同じに作られています。

さあ、どうすればよいのでしょうか? ・・・・・・・・・ 実はこれは浮力など考える必要はなく、王冠の体積をいかにして測定するかのという問題です。前述のように金と銀では重さが2倍ほど違います。従って銀が混じった王冠なら当然同じ重さの純金より体積が大きくなります。つまり複雑な形状の王冠の体積をいかにして測るかという問題になります。この体積を測定するのに水を満たした器に王冠を浸し、こぼれ出る水の量( 体積 )を測ることで王冠の体積を測ることが出来たということです。

[2007/03/27]

読み終えたら訪ねてみて下さい。
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