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オルパーズのパラドックス


何冊かの本に掲載されていましたので紹介します。

オルパーズのパラドックスとはドイツの天文学者オルパーズが1826年に提唱したものです。

もし、私たちの周りに星が一様、しかも限りなくどこまでも分布しているとすれば、とても暗い夜空など存在できない。空は昼夜の区別なくギラギラまばゆく輝いているはずである。」と言うものです。

時代は少し古くなりますが、ケプラーも同じようなことを言っています。

感度が鈍いせいか、始めはこのパラドックスを理解でき

ませんでした。「昼夜の区別なくギラギラまばゆく輝いているはず」の部分です。遠方の光は地球にほとんど到達しないので、太陽の光が当たる場合が昼、当たらない夜は暗いのが当然で、夜が明るくなるという理由が理解出来ませんでした。説明を聞いて納得です。

確かに、遠くの星ほど到達する光は弱くなり(距離の2乗に反比例)、個別の星からの光は弱くなりますが、遠方ほど星の数が増え、結局、合計すると遠方からの光も弱くなりません。少しわかりづらいので図で示します。

オルパーズのパラドックス

例えば、半径rの球を想定すると、この面積は4πr2となります。半径2rを想定すると面積は4π(2r)2=16πr2となります。つまり2倍遠ざかれば、面積は4倍となります。従って、2倍遠ざかって、光が 1/22 ( = 1/4 ) の強さになっても、一様に星が分布しているとすれば星の数も4倍( 面積が4倍になるので )となり、結局はトータルの光は弱

くなりません。しかも、これが限りなくどこまでも分布しているとの仮定に立てば、とても夜は暗くなることが出来ません。

このパラドックスを回避するのは、限りなくどこまでも無限に続いているというところに問題があり、これは宇宙が有限の大きさであることを示唆しています。

[2006/07/07]

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