転職のための職業訓練ひろば

私が受けた職業訓練

 私が受けた、2002年1月から3ヵ月間、東京都の緊急IT化対応訓練事業委託訓練(シスアドWebマスター養成科)の様子をご紹介します。

なお、私が受けたコース以外の訓練は、緊急IT化対応訓練事業委託訓練全コース(東京都)がありました。

居住地外の訓練を受講できるか

 私が受講したのは、東京都が主催する委託訓練ですが、都外の人も2名受講していました。都外の人が受講できるとは、知りませんでした。そこで、改めて、パンフレットの応募資格を見ると、居住地によって制限するとは書いてありませんでした。そして、居住地外の人も応募できるとも書いてありませんでした。
 なお、職業安定所では、積極的にこうした情報を知らせないようです。職業安定所には、居住地外の委託訓練のパンフレットが置いてないため、わざわざ取りに行く必要があると、一緒に受講している都外の人が話していました。
 なお、雇用・能力開発機構の委託訓練や技術専門校の訓練でも、パンフレットを見ると、居住地外の制限が書いてありませんでした。

選考

 応募書類審査により選考されました。 「応募者多数の場合は、コースの受講要件に合う方の中から、まず、30歳以上60歳未満の非自発的離職者(ただし、離職から2年以内)、中でも45歳以上の非自発的離職者(同)の方を優先します。次ぎに、訓練開始日において雇用保険の受給資格のある方又は受給中の方を優先します。」

入校前説明会(合格者説明会)

 入校前説明会は、入学に先立って開かれるもので、入学手続きや訓練内容の説明などです。入校日の約2週間前に行われました。「公共職業訓練受講ガイドブック」を渡され、訓練中の身分や遅刻・欠席の扱いなどについて説明を受けました。また、事前に郵送されていた「入校手続書類」は記入間違いが多いためか丁寧に説明されました。
 この他、職業訓練生総合保険について保険会社の人から説明を聞き、説明会修了後に加入手続きを希望者は行います。
 開始時間は午後2時で、終了は3時15分でした。

・感想
 2時集合だったのですが、2時の時点では20名ほどしか集まっていなかったので、説明開始は10分ほど遅れました。
 ひどい人は、当日に証明写真と住民票を取ってきて遅刻したようです。なお、住民票は不必要で、本当は住民票記載事項証明書が必要だったのですが。。

授業の様子

◆開講から1ヵ月半ほど経ったときの授業の様子
 Windows2000 Serverのセットアップを5人のグループに分かれて行いました。この作業は、Word、Excelなど違って、普通のパソコンを利用する立場の人には、あまり役に立たないと思われます。そのため、受講生のほとんどの人が「自分には必要ないが、一応先生がやれと言っているので、しかたないな」という感じで、作業していました。
 この作業は、順調にやれば3時間ほどなのですが、設定が比較的難しいので、予定では1日かかるものとしています。つまり、1人が1日かかるので、5人のグループだから、5日間同じことをしました。
 2日目ともなると、かなりの受講生は、すっかり飽きてしまい、「やっても仕方ないから、休もうか」なんて言ってる人もいましたし、やることがないので、インターネットで遊んでいる人も多数いました。
 受講生全員が分かるようにするということを目標にしているため、このように授業が進むのは遅いのだそうです。

◆最後の作業
 3ヵ月間の訓練が終わり、残すところ修了式のみとなりました。最後の作業として、自分が作ったファイルやメールを、使っていたパソコンから削除しました。この作業は、先生の指示によるものでしたが、プライバシーを守るためには非常に大切で、私はいつも気を付けていました。
 訓練の最初にパソコンを使ったときに、前に使っていた人のデータがそのまま残っていたのを見て、私は非常に驚きました。メールも丸見えでしたし。そのうえ、LANでパソコンが接続されているため、サーバーに残っていた各ユーザーのバックアップファイルも見え、住所や電話番号も分かる人もいました。
 つまり、前に行われていた訓練では、まったく削除していなかったのです。

修了後受験可能な資格等

 私が受講した訓練では、【修了後受験可能な資格等】として、初級シスアドと書いてありました。しかし、訓練を開始してすぐに、気が付きましたが、まったく「受験可能と言えないレベル」の内容でした。試験のことは一言も触れなかったように記憶しております。

 先生に聞いたら「試験の6割ぐらいの内容である」と言っていましたが、私は1割以下だと思います。試験に出る1、2割以上の内容であった分野は、わずかにハードウェア、表計算、インターネット、LANぐらいで、他の多くの分野はほとんど触れていません。よくもまあ、【修了後受験可能な資格等】と書いたものだと呆れます。
 
 もっとも、初級シスアドレベルの内容にしてしまうと、付いて行けない人がほとんどで、授業にならないからかもしれません。
 申し込むときの受講要件は、「キーボード操作経験のある方」なのですが、書類選考だけなので、パソコンを始めて触る人でも受かってしまうのです。

委託先の学校

 委託先の学校は、東京科学芸術専門学校という小さな専門学校で、ここは レーシング用の自動車と2輪車のメカニック、ドライバー、デザイナーなど レース関係者の育成を専門としています。
 私が受講したのは、「シスアドWebマスター養成科」であり、パソコンが主体ですから、この専門学校の通常の講義内容とは、かけ離れているように 思います。講師によれば、車体のデザインでCADを使うので、学校にパソコン を置いているとのことですが、委託訓練の講師も学校の職員ではなくて、あ るところから派遣されてきていると講師が話していました。
 私には、この委託訓練は、「カネだけが目当て」で行われているように感じられました。訓練で使われている、Microsoft OfficeXP, WindowsXPは、この訓練のために 購入したと言っていますし。学校側としては、受講生が東京都に文句を言わないようにして、来年も委託訓練を獲得できればいいわけですから、受講生に甘くするというのは必然的なことなのでしょうか。

東京科学芸術専門学校のホームページ http://www.kageisen.ac.jp/
ちなみに、学校の定員は
 高速自動車デザイン学科:2年・男女80名
 高速2輪デザイン学科:2年・男女80名

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