アボカドの栽培 観葉植物にしたい!

明るい室内でも成長するので、観葉植物として利用できます。食べるときに取り出した、タネを水に浸けておくか、土に埋めておくと発芽しますので、簡単ですよ。2、3年成長すれば、一時的にはマイナス5℃にも耐えるので、東京でも露地栽培ができるようです。アボカドは、大変に樹勢が強く、東京でも十数メートルに成長することもありますから、観葉植物として育てるのなら、摘芯したり、肥料を少なくしたりして、成長を抑えることが必要です。庭木だと大きくなりすぎて、剪定が面倒だという方がけっこういます。幹は真っ直ぐではなくて、模様木に仕立ててもおもしろいかもしれません。

タネをまいて半年後のもので3本あります。栄養がよかったためか60cmになりました
 ミカンの育つところでは、露地栽培が可能なうえ、実が成ることもあるので、庭木としても利用されていますが、1本だけ植えても、受粉の問題から結実させるのは難しいようです。しかし、わずかですが東京でも露地植えでの結実例もあります。
 アボカドは、両性花で、雌ずいと雄ずいの成熟期が異なる雌雄異熟花です。午前受粉のタイプと午後受粉タイプがあるので、ミツバチによる受粉をさせるには混植した方が効果的です。 アボカドは、花は多数咲かせますが、5000花とか10000花にひとつしか結実しないので、花が咲いても結実するまでには、さらに数年かかるようです。
 種から育てたもの(実生/みしょう)は、実が成りにくいようです。売られているアボカドの実は、他の種類と受粉したものなので、その種を植えたとしても、親と同じにはなりません。結実させることを目的として栽培するならば、接木したものを使います。

リスト記号発芽させるには?
根と茎が出たアボカドのタネ
茎と根が出たこの写真は、5月27日にタネを水につけてから、60日経過したものです。
 種を水に浸けておくか、土に埋めておけば発芽しますので簡単です。アボカドを食べる時に、包丁でぐるっと1周させてタネを取り出した場合には、タネに包丁の傷がついていますが、問題はありません。
 水に浸ける方法は、発芽の様子が見えるので、台所の隅に置いておけば、いつでも楽しむことができます。でも、水をこまめに替えないと腐ってしまうので、ちょっと面倒です。私は、水を腐らせてしまって、ほとんど失敗しています。土に埋める方法は、タネを土に埋めて、土を湿らせておけばいいので、はるかに楽です。

リスト記号水に浸けて発芽させる
プリン容器で発芽 右の写真は、プリンの容器にアボカドの種を入れ、発芽させるものです。発芽温度は、華氏60度から70度の間(15.6℃〜21.1℃)でよく発芽するようです。冷蔵庫の冷蔵室の温度は、一般には3℃〜5℃ですが、強にしたり、場所によっては1℃という低温になっているため、冷蔵庫に入れておいたものは発芽能力が下がっていることも考えられるので、使わないほうがいいです。
 実からタネを取り出したまま放っておいて乾燥させてしまった場合は、発芽しませんので、タネはすぐに水に浸けましょう。
  1. 実から取り出したタネは、実が付着していると水が腐りやすくなるし、吸水性も悪いので、薄い洗剤を使ってよく洗います。油っぽさが残らないようにします。タネの下部にひげ根のようなものが付いていることがありますが、これは根ではありませんので、気にせずに洗ってしまいましょう。
  2. アボカドの発根アボカドに、爪楊枝を刺します。タネには上下があり、平らになっているほうが、割れて、根が出てきます。爪楊枝は水平に刺すと、水を容器に一杯入れなければならないので、斜めに刺しています。下の写真では3本刺していますが、4本のほうが安定します。発根するのは、平らになっているほうで、とがっているほうから芽が出ます。どこから割れるのかは、分からないので、楊枝は適当に刺しておきます。タネが割れる部分を調べたい場合は、タネの底の部分の茶色い皮をめくると、ひびが入っていることもあります。
  3. 種の半分を水に浸すようにします。全部、水に入れてしまうと呼吸ができなくなり、腐ってしまいます。
  4. 水を腐らせないため、容器の内側がぬるぬるにならないように水を替えましょう。
  5. 暖かい場所に置いておきます。ただし、乾燥を避けるため、直射日光には当てないようにします。最低気温は15℃以上にします
  6. まずタネの下の部分が割れます。そして、根が出て来ます。種が割れるには、1〜6週間かかるようです。上の写真の根が出た状態のものは、6月10日に水に付けてから、46日経過したものです。根が出てから、実の上のほうも割れて、芽が出てきます。
  7. 水だけで栽培していても、半年くらいは成長して数枚の大きい葉をつけますが、早いうちに鉢植えにしたほうがよいでしょう。

水だけ、しかも台所の隅に置いても半年は育ちます。高さは50cmになりました。寒くなったので鉢植えにしてやろうかと思っています。

左の写真の根元部分です。プリンの容器が小さすぎて根がぐるぐる巻いています。こんな状態でも立派に育ったのですから、感心します。タネの左側についている黒い小さな点は、爪楊枝を刺したところです。その左側の黒い縦の筋は、アボカドを食べるときに包丁で半分に割ったときにタネについた傷が黒くなったものです。
アボカドの鉢植え
タネを水に浸けてから、発芽後に鉢植えにし、ベランダに置いたら、6ヵ月で高さ38cmに育ちました。葉は大きいもので長さ20cmあります【東京在住】
リスト記号 土に埋めて発芽させる
 種を土に埋めて、土を湿らせた状態に保ちます。実から取り出した種はきれいに洗います。種には上下があるので、平らなほうを下にし、とがったほうを上にします。種に土を全部かぶぜてもよいのですが、ちょっと見えるくらいが、発芽の様子が分かります。発芽するまでに、2〜8週間ぐらいかかるようですが、地温が低い場合にも、種が1℃以下にならなければ、暖かくなってから発芽することもあるので、数ヵ月かかることもあるようです。
 乾燥には弱いので、鉢植えにした場合は注意が必要でしょう。寒い季節は、発芽しませんので、暖かくなるまで待ちましょう。 リスト記号 冬の管理
 冬は、室内に入れ、できるだけ5℃以上にします。気温が下がるようなら、ビニールなどで覆います。一時的にはマイナス5℃にも耐えるようですが、低温が続くと葉ばかりでなく、枝の先端も枯れてしまいます。観葉植物として葉をきれいに保ちたいならば、最低室温を10℃くらいにするとよいようです。室内を加温し、アボカドが成長しているならば、1日に1回の水やりを行います。室内を加温しないならば、成長が止まりますから、土が乾いてきたら少量の水を与えます。低温時に過湿になると、根腐れを起こしますから、水のやりすぎには注意しましょう。
 気温が低くて、冬に葉を全部落としてしまっても、茎が生きていれば、春になればまた葉が出てきますから、捨てないようにしましょう。
 東京都心の2003年の冬(2003年12月から2月)は、暖冬で、最低気温が0度未満になる冬日が11年ぶりに観測されませんでした。暖冬のため、アボカドの葉も茶色くなって枯れるものは少しでした。芯まで枯れなかったので、東京でも夏には、大きなアボカドの樹なら、花が見られるかもしれませんね。

アボカドの木
東京都練馬区で10年くらいで花が咲いたアボカドの木。中央に真っ直ぐに伸びた幹が見えます。水栽培で根が出たら、小鉢に移し、大きくなってから庭に植えたそうです。
リスト記号 東京でも実が成る!
 東京都区南部で庭木として1本だけ植えていたアボカドが、十数年経って結実し、樹上で熟したものを食べたらおいしかったそうです。(石川霜さんより。石川さんのHP[芝草屋]は、イラスト、素材、ネパールなど。アボカドの記事はありません)
 でも東京で結実させるのは、かなり難しいようです。
収穫期は、沖縄では、7月中旬から8月、静岡では11月頃のようです。

リスト記号 アボカドの剪定、病気

リスト記号 リンク集
私のアボカド栽培 和歌山県果樹園芸試験場に勤務している方で、30年以上栽培されているようです。品種は、主にベ−コン、フェルテであり、山頂部の比較的暖い場所ではハス、ピンカートン、グエン。
社長のアボガド栽培 静岡県浜松の露地で1本だけの開花で、5年ほどで結実したそうです。フルーツSHOMEIDO社長
地域特産果樹として有望なアボカド 農林水産技術情報協会 農林水産最新技術情報館
熱帯果樹写真館 沖縄では個人が少量栽培して出荷したり、庭木にしているそうです。
日本大学植物資源科学科 井上教授 我が国のアボカド栽培の基礎研究をしている。伊豆で栽培しているらしい。
食える種蒔図鑑 7年間育てている方
冬はどうしたらよいのでしょうか
●アボカド栽培中の皆さん
Cimanaan:アボカドの写真が大変美しいです
アボカド増殖計画
※アボカドを育てている皆さんのHPを記載します