アボカドの品種

 アボカドには、千種以上もの品種がありますが、日本に輸入される生のアボカドは、ハス種(HASS)だけです。熟すと皮が黒くなるのは、ハス種の特徴ですが、他の品種は熟しても緑色か暗い緑色になるだけです。ハス種は、おいしいので、世界の産地の主力品種になっています。グアカモレなどのアボカド加工品では、他の品種も使われるようです。
 下の写真は、左からヤルナー(国産)、ハス(メキシコ産)、フエルテ(国産)です。ハスの皮は、他の種と比べるとゴツゴツしていることが良く分かります。
 カリフォルニア大学のアボカドデータベースを使えば、名前から千種以上もの品種の特徴を検索できます。

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植物学的には

 アボカドの和名は、「わになし」で、英名のalligator pearを直訳したものです。
 英名は、alligator pear、つまりワニのようなナシですね。ごつごつして黒い果皮は、ワニの皮に似ています。でも、アボカドの種類によっては、ツルツルした皮で、熟しても緑色のままのものもありますよ。Avocadoという言い方のほうが多いかも。
 学名は、Persea americana。クスノキ科ワニナシ属。高さ6m〜25mに達する、アメリカ大陸原産の熱帯常緑高木です。

ドミニカのアボカドの幼木
 HASS種の幼木。ドミニカ共和国農業省関係の試験圃場にて。プレートは、スペイン語でアボカドのAGUACATE、その下には学名のPersea americana

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品種 特徴 開花
タイプ
食味
ハス
Hass
日本で売られているのは、ほとんどこの種です。脂肪は、18-25%。果肉は滑らかで筋(繊維)はありません。皮は、ゴツゴツとしていますが、あまりゴツゴツしていないものもあります。熟すと皮が黒紫色になります。楕円型ですが、大きなものは西洋ナシ形となることもあります。グアテマラ系の種。 A
フエルテ
Fuerte
西洋ナシ形、滑らかな表面で、薄い緑の皮。香が良い。カリフォルニアの主力種でしたが、今のカリフォルニアの主力種はハスになっています。
グアテマラ系とメキシコ系の交雑種で耐寒性があります。
B
ベーコン
Bacon
皮は滑らかで緑色。楕円形。交雑種 B
ズタノ
Zutano
滑らかな緑の皮。交雑種 B
Jalna 滑らかな緑の皮で、皮は薄い。洋ナシ形で底が丸い。重量は6-7オンス。初秋に熟す。耐寒性がある。メジャーではない品種。メキシコ系の品種であるので、アニス香がある。 A
ピンカートン
Pinkerton
皮はちょっと厚くて緑色でゴツゴツしている。種が小さい。味が良い。グアテマラ系の種。 A
グエン
Gwen
形と皮は、ハスによく似ているが、わずかに大きい。熟すと暗い緑色になる。1982年Hassから作出した登録品種。 A
リード
Reed
大きくて丸い。皮は厚くてゴツゴツしている。味が良い。交雑種 A
メキシコーラMexicola 皮は紙のように薄い。よいナッツの風味。メキシコ系 B

園芸学では3系統に分けられ、これらの交雑種もあります。
系統 特徴
メキシコ系
Mexican
メキシコ高地原産。葉にアニス香(anise)を持つことが特徴。3系統のうち、耐寒性が最もあり、脂肪の量も最も多いが,果実が小さくて堅い。
グアテマラ系
Guatemalan
中央アメリカ高地原産。3系統のうち最も果実が大きい。耐寒性と脂肪量は中間。
西インド諸島系
West Indian
中央アメリカ低地、南アメリカ北部原産。3系統のうち耐寒性が最も弱く、脂肪量も少ない。フロリダの主用栽培種。

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リスト記号 発芽にチャレンジ
 台所の片隅に置いておいたものです。水替えは2日ごとにしたほうがいいでしょう。暑い日はすぐに水が腐ります。
開始日 コメント
2002/5/20 69日経過しても割れ目の幅が4mmのままであり、根が出ないので廃棄する
2002/5/23 66日経過しても割れ目の幅が8mmのままであり、根が出ないので廃棄する
2002/5/27 60日経過して茎が10cmに成長したところで鉢植えにする。6ヵ月後には、高さ38cmとなった。
2002/6/1 58日経過して根が5mmほど出たのだが、根が腐ったので廃棄する
2002/6/3 56日経過して根が8mmほど出た。水替えを1週間忘れたため腐る
2002/6/10 49日経過して根が3cmほど出た。水替えを1週間忘れたため腐る
2002/7/29 16日後に自然に2つに割れてしまい廃棄する。腐ったのかもしれない
※開始日とは、水に浸け始めた日のことです。