香津美の部屋


ARIA PRO U
RS  PROTOTYPE

 
ポジションマークは
市販モデルには採用されていない独自のデザイン。
ALEMBICの楕円形がモチーフかも。

 
ARIAお得意のスルーネック仕様
ネックエンドの金属パネル部は
プリアンプ用のバッテリーBOXである。

 
フォン・コネクタとプリアンプの採用
そしてPUセレクター・ノブを下に向けていることが
ALEMBICへの指向をうかがわせる

ナットはブラス製
ペグにはグローバーが奢られている
トラスロッドカバーには「KAZUMI/W」の文字

   

KAZUMI with RS PROTOTYPE
(貴重な写真だ)
  
 70年代後半から80年代前半にかけて渡辺香津美大先生のメインギターはALEMBICであった。このRSのプロトタイプはおそらくそのALEMBICのバックアップ機としての使命を帯びて製作されたであろうと想像される。それは24フレットスルーネックやフォン・コネクタ、プリアンプなどの仕様を採用していることからも明らかである。

 02年春に都内のショップへ多くの機材とともに放出されたものをゲットしたまさしく大先生USEDである。トラスロッドカバーにあるロゴがその証である(ちょっと地味だけどね)。オーバーハイムのケースを改造したデッカいツアーケースが付属していた。
 ライン物のRSでもこのプロトと比べても遜色ないほど造り・仕上げともにしっかりしており、正直言ってかなりのプレミア分が加算されたプライスであった(市販のRSならよほどの極上品でも6万円以下が相場だろうがこのプロトタイプはその倍以上の価格で入手した)。まあケースだけでも買えば数万の価格はするだろうし・・・やっぱり大先生の使用機を見逃すことができようはずはない。

 <SPEC>
BODY
Canadian Ash/Koa/Maple 9 Piece
NECK
Maple/Koa 5 Piece Thru Neck
P.U.
Rythm/Super Distortion、Lead/Dual Sound
指板
Rosewood
年式
1980年代初頭
改造ケ所
プリアンプを外しPick UpをDiMarzioに交換
case
Hardcase (Special Flight case)
 
 ちょうどRS-750DとRS-X80の中間的な仕様となっており、コントロールは750D系でヘッド形状とペグのレイアウトはX80系である。放出時にはすでにプリアンプは外されパッシブの2V.2Tとされており、2つのミニスイッチはダミーである。

 雑誌の記事などでは近年登場していないが、ツアーケースのタグには「Asian Fantasy Orchestra 東南アジア公演」とあり90年代半ばまでは使用されていたのであろう。
 

KAZUMI with RS-850
YMOのLIVEで使用された。

KAZUMI with ALEMBIC
ショートスケール、セミホロー、アクティブ回路など
当時としては画期的かつ独自の仕様となっている

RS-750は国産初のプリアンプ内蔵機

Xtronics-Tサーキットが装備されたRS-X80(LEFT)
  
 
 
 
ARIA PRO U
PE-K200
渡辺香津美MODEL
01/13 NEW!! 


リアPUは断線の為、ダンカンJBに交換されている
光の反射具合からボディの深いアーチが判る。

キャビティカバーもトラ杢の入ったメイプル材が使用され
杢目もうまくマッチングされている

ディープ・ジョイントに違いは無いが
ロングテノンがボディの上に載ってて
ボルトで固定してるだけのような
気がするんですが・・・

トグルSWのキャビティも
前後PUキャビティ同様に
必要最小限の容積しかない。
木製カバーもぴったりサイズだ。

ヘッド表面に段差がつけられたデザインは珍しい。
香津美の「K」が大きく入れられたため
メーカー名はトラスロッドカバーに追いやられている。

トップ、バックともに深いアーチがつけられている。
ボディサイドの厚みはLPスタンダードの6割くらい。

 

 2003年のお年玉は念願のPE−K200 渡辺香津美モデルである。ヘッドに「K」のインレイが入れられているのがその証し。Yオークションに地方の某楽器店からギター講師の所有器として出品されたものをめでたくゲットしたが、20年前のものとしては非常にきれいな逸品であった。(落札価格も新品の店頭価格くらい高かったが)

 アリア自慢のメイプル/マホガニー/メイプルをラミネイトした両面削り出しボディにヒールレスカッタウェイのセットネック。発売当時の定価は200,000円、当時の国産ソリッドギターとしては最高峰の1本である。このスペシャルモデルをもとにデュアルサウンドSW.を追加しながらもコストダウンを達成し、アリア生誕25周年記念モデルとして発売されたのが PE−R150 ANNIVERSARY(定価150,000円)である。
 派生機種とはいえR150とK200のサウンドには大きな違いがある。R150が2本のウォルナットストライプの入ったメイプルネックであるのに対し、K200は2本のメイプル材を挟み込んだマホガニーネックとなっている。R150がブライトでエッジの効いたサウンドであるのに対し、K200はあくまでも甘く、そしてふくよかなアダルト・サウンドに仕上がっている。いかにネック材がサウンドに大きな影響を与えるかが判る。80年代のPEにはグレードによってマホネック、メイプルネックの設定が替えられているのでPE選びの参考にしていただきたい。

 ARIAにはPE、YAMAHAにはSG、そしてIBANEZにはARという80年代前半に人気を博した国産オリジナルギターがある。この3機種の中の最も大きな違いはPEだけがシングルカッタウェイを採用していることにある。レスポールと同様にダブルカッタウェイ・モデルには出せない魅力的なトーンをPEは少なからず持っているのだ。これまでダブルカッタウェイ・モデルのみで勝負してきたPRSがLPユーザー取り込みのために、近年不恰好な(失礼)シングルカッタウェイモデルを投入してきたからも、シングルカッタウェイでなければ到達できないサウンドをLPやPEが持っていることが理解できる。しかもPEは70年代終盤にしてすでにヒールレスカッタウェイによってハイポジションの弾き易さと魅力的なサウンドをハイレベルでバランスさせているのである。


(追記03.06.12)
81/5のGM誌にPER-150/渡辺香津美モデルとして彼自身のリポート記事あり。メイプル+マホ+メイプルのサンドイッチボディは試作1号機が音が硬かったため彼のアイデアにより考案され2号機に取り入れられたと注目すべき記述がある。また3号機はサスティンを増す為にヘッドを重く変更している。彼の所有機はPUはPAFとのこと。


 
 左の写真がPE−K200 with Kazumi Watanabe。市販されたものと違いダブルブラックのPUが付けられている。
 右の写真はポジションマークの形状からPE−R80だと思われるが、ボディTOPにフレイムが見られることから香津美氏用に造られたカスタムモデルかもしれない。
 80年代前半、アリアとエンドース契約していた香津美大先生はアリアPE−R150 ANNIの広告に登場している。


-追記-
 81.06JAZZ LIFEでPEのネック裏が確認できる写真が掲載されている、バリトラであった。香津美氏所有のPEでメイプルネックと言うことはPE−R80である。やはりこのR80は香津美氏用にカスタムメイドされたという可能性が高い。(2002.11.10)
  PE-R150 ANNI ページへ
PE-R80 ページへ
 


GIBSON
LES PAUL 25/50 ANNIVERSARY
LP 25/50 ANNI HB  ページへ
LP 25/50 ANNI NATページへ

これは記念すべきGM創刊号の表紙である
 78年後半に日本に入ってきた最初のロットから入手し、アルバム「KYLYN」('79)、「TO CHI KA」('80)のレコーディングやYMOのツアーなど数多くのLIVEで使用されている。
 オリジナルPUは「ちょっと甘い」とのことでギブソンのダーティ・フィンガーに交換して使用していた。
 
 
 
 
GIBSON
LES PAUL SPECIAL TV MODEL

LP SPECIAL ページへ

バダスブリッジの後ろの黒いパーツは
バダスブリッジ自体に取り付けられる
テンションアジャスターみたいなもの?
  

「TOCHIKA」(80)といえばUNICORN、CMにも使用された
まさに黄色尽くしのLP、EPジャケット
なんせ俺自身が黄色人種だろってことらしい


 この'50s LP SPECIALは大ヒットアルバム「TO CHI KA」のレコーディングに使用されアルバムジャケットにも登場している。
 ジャケ写ではスタッドブリッジのままとなっているがチューニングの正確性や安定性を求めてバダスブリッジ、グローバー・ペグに交換して使用している。
 
 
 
 
GODIN
LG-X
 
LG-X ページへ


('96)
渡辺香津美のGodinといえばMidi Classicと思いがちだが、アルバム『エスプリ』のレコーディングではLG−Xがメインギターの1本として使用されている。 
 
 
 
 
ARIA PRO U
SUPER TWIN
 
SUPER TWIN ST-1512 ページへ

小柄な日本人はダブルネックは座って弾くのが望ましい(笑)
 
12弦+4弦BASSの組み合わせで一体どんな曲を弾いていたのでしょうか。
 
 
 
 
KAZUMI'S BOOK
 
渡辺香津美/頭狂奸児唐眼 監修・渡辺香津美 (リットーミュージック)
渡辺香津美ギター・サウンド <頭狂奸児唐眼> (日音楽譜出版社)
渡辺香津美ギター・サウンド <TO CHI KA>&<KYLYN>ベスト (日音楽譜出版社)