GIBSON
LES  PAUL  25/50  ANNIVERSARY '78




     
こいつは日本で最も有名な25TH ANNIVERSARYだ
 
 ニールはレスポールのLIMITED EDITIONを非常に気に入り、よく似たこの25/50アニバーサリー(スラッシュド・ブロック・インレイ、トラ杢メイプルを使用した2ピースTOP&3ピースNECK。BACK材はマホガニー)をサブ機として手に入れた。

 私の所有機は91年リットーミュージック社刊の「THE GIBSON」に掲載されている個体そのもので3段目の写真は本のページを撮ったもの。(「THE GIBSON」は英訳され海外へ輸出されている。世界中の人々が25th ANNIVERSARYの代表としてこのギターを見ていると言うことになる)

 実は昔から25/50アニバーサリーを探していたが以前住んでいた名古屋では現物を見ることすら難しく、雑誌広告などでもなかなか良いものにめぐり逢えなかった。いつもこの本の写真を眺めてはため息をつく日々が続いていた。しかしながら思いがけず東京へ転勤となり、ひまを見つけては楽器屋めぐりをしていた。それでもなかなか程度の良い25/50は見つからず、半ばあきらめかけていた時、ふらっと立寄った大久保の楽器屋で、昨日入荷したばかりというこれを見つけて本当に体が震えた。

 購入時にはゼブラPUに交換されておりコイルタップも効かなかった為オリジナルPUをパーツ屋で探したが見つからず、現在はトム・ホームズの4芯タイプに交換しタップも復活させてある(オリジナルはシリーズZと呼ばれるハイパワーなもの)。
 70年代らしくめちゃくちゃ重く、ギターハンガーにかけておくと自重でネックがハンガーにめり込み塗装が削れてしまうほど。トラ杢のピックガードとエスカッションはファクトリーオリジナルかショップの後付けかは、正直言って不明。なにせ91年ごろに販売したショップが後付けピックガードの得意なところなので、十分怪しい...とは思いつつもそこの店長には確認していない。もともとはJAZZ指向のギターなのでフレットレスワンダーと呼ばれる薄いフレットが打たれておりチョーキングがしづらい。本に掲載された91年当時からペグはグローバー108G(60年代後半から70年中ごろまで生産されていた目ん玉グルグル仕様)に交換され、(オリジナルはシルバーのベグヘッド。ネジ穴の埋め方はいいかげんである。)ストラップピンもロックタイプに交換されている。25/50はテールピースがストップテールピースに交換されるものが多いが、これだけはかろうじてオリジナルのTP−6(今で言うファインチューナー付きのテイルピースだが本来は各弦独立してテンションをアジャストするためのもの。プレイ中に手が触れてチューニングが変わってしまうので交換する人が結構多い。)がつけられている。

 とにかく杢目の素晴らしさは疑いようがなくハニー・サンバーストもこのモデルでは非常にレアなカラーである、ギター自体の価値やオリジナル性は高くなくても私にとっては一生ものの一本。

 ちなみに25/50アニバーサリーとは、ギブソン・レスポール発売25周年とレス・ポール氏の音楽活動50周年を記念したもの。このギターの製作年は'78から'79で('79がメインで計3000本くらいは生産されていると思われる)25年前を逆算すると'54のレスポールカスタムの発売と合致し、このモデルの意匠からカスタムに対するアニバーサリーという人もいるが、実際にはカスタム・シリーズのアニバーサリーとしては'77に LP CUSUTOM 25TH ANNIVERSARY というシルバー・メタリックに塗られたモデルが発売されているので、25/50の25周年とは'52のレスポール発売を対象にしていると考えられる。まあ、企画を考えた頃が25周年ということだろう。なにより当時の販売元の日本ギブソンの雑誌広告にも一切カスタムのアニバーサリーなどとかかれていない。ギブソンのアニバーサリー・モデルの生産は時期が外れていたり複数年にわたるものが多く、対象とする年が曖昧になりがちである。

 2003年には25/50アニバーサリーが発売されて25周年となる(なんのこっちゃ)。人知れずお祝いしてやろっと・・・。
   





ニールの25thはHSASが結成された頃にはニール自身が調合したと言う紺色にリフィニッシュされ、FRTまでも装着された。フェラーリに腰掛け抱きしめているのはHSASのボーカリストSAMMY HAGAR
 あのきれいなトラ目を何でまた、もったいない。そういえばアル・ディ・メオラは本物の58BURSTを黒く塗りつぶしていたっけ。
   
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こちらもレスポール発売の25周年記念モデルであるLES PAUL 25TH ANNIVERSARY。といってもアメリカ国内の大手楽器店からのオーダー品で生産数は非常に少ない。写真ではわかりづらいがシルバー・メタリック・フィニッシュ。77年に生産されている。

英語版の「THE GIBSON」
 



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