転職のための職業訓練ひろば

職業訓練の受講指示の基準

 全国に共通した基準があります。ただし、受講指示は公共職業安定所長が指示するとされているので、地方毎に運用が異なっている面もあるようです。
 雇用保険受給者の方の訓練受給中の手当の支給対象が、早期に受講を開始した方のみとなります
 適職に就くために公共職業訓練の受講が特に必要な場合として、公共職業安定所長の受講指示を受けて所定の公共職業訓練の受講を開始した雇用保険受給者の方で、所定給付日数の2/3の日数分の支給を受け終わる日(ただし、所定給付日数が90日の場合は90日分、120日または150日の場合は120日分)までに入校された場合、訓練受講中に基本手当の他に受講手当・通所手当が支給されます。
 ただし、それまでに失業認定日に来られない日があった場合等については、この対象にならない場合があります。
(平成14年1月1日以後に離職した受給資格者に適用)
「大阪労働局 公共職業訓練を受講希望の皆さまへ」より抜粋
 つまり、

・所定給付日数が90日〜120日までの人は、入校日に支給残日数が1日でもあればOK!

・所定給付日数が120日〜150日の人は、120日分が支給されるまでに入校すればOK!


 なお、職業訓練受講指示要領(昭和56年6月8日付け職発第320号、訓発第124号)及び職業訓練受講推薦要領(昭和61年1月8日付け職発第11号)という基準があるようですが、詳しくは分かりませんでした。

若年者訓練個人要件確認項目チェック表
 ハローワークで職業相談や受講指示の際に使われているようですので、自分でもチェックしておくといいのではないでしょうか。
・訓練の必要性
@本人の適正、経験、労働市場の状況からみて、職業訓練を受講させることが適当であると認められること。
A受講職種の適性要件からみて十分な訓練効果が期待できること。
B終了後に就職希望職種への就職が見込まれること。

・訓練の修了見込
@求職者自身に学習意欲があること。
A職業訓練を受講するに必要な学力を有していること。
Bコースを修了する見通しがあること。(受講期間中の生計維持に不安がないか。家族の賛成と協力が得られるか。等)

若年者職業能力開発支援事業実施要領(平成17年3月付け)より

訓練延長給付

 「訓練延長給付」という制度は、訓練を受けるために待期している期間、訓練期間中、訓練修了後に、本来の所定給付日数を超えて、基本手当を支給してもらえるものです(雇用保険法第24条による制度)。なお、訓練延長給付は、35歳〜59歳に限っては、2回受けられます(平成19年度末までの措置)。延長給付を受けるには、公共職業安定所長の指示により、公共職業訓練等を受けることが必要です。
 訓練修了後給付は、公共職業安定所長が「就職が困難な人」であると認めることが必要です。なお、平成12年頃までは中高年齢者でなくても、東京都では給付されていた人がいるようですが、雇用保険財政が厳しくなってきており、通常の人ではまず給付されないようですが、とりあえずハローワークに相談しましょう。

延長される日数

  • 公共職業訓練等を受けるために待期している期間(90日が限度)
  • 公共職業訓練等を受けている期間(2年が限度)
  • 公共職業訓練等を受け終わっても、なお就職が困難な人については、受講終了後の期間(30日が限度)【訓練修了後給付】
(参考)
◆雇用対策臨時特例法【平成19年年度末まで
 35歳〜59歳の中高年齢者に限っては、必要と認められる方に対して、訓練延長給付を2回まで(2年以内)受けられるようになっています。
 2回目の訓練受講を利用するには、1回目の訓練終了後に、1回目の訓練の効果の検証と公共職業安定所のカウンセリングを受け、受講指示を受けることが必要です。なお、1回目の訓練の効果の検証、カウンセリングを行うための期間(最長30日)についても、基本手当が支給されます。(平成15年5月1日施行 平成19年3月31日をもって失効)
平成15年5月1日から雇用保険の新制度がスタート:厚生労働省

再訓練

 3ヵ月〜6ヵ月コースの終了後でも、1ヵ月〜2ヵ月のコースを受講できます。なお、3ヶ月以上のコースを受講すると、受講終了後の1年間は他の3ヶ月以上のコースは受講できません。
 なお、訓練終了後1年間は、原則として再入校を認めないことになっていますが、数年前まではチェック体制が甘くて、短期間で再入校をした例があったようです。例えば、東京都では平成12年より各技術専門校の修了者データをチェックしています。
(参考)
複合型受講制度の創設について
「ミスマッチ解消を重点とする緊急雇用対策 H12.5」により、「1人の求職者が、情報通信短期コース(1〜2か月)と既存の他の訓練コース(3〜6か月)の双方を受講できるようにする」となりました。
http://www2.mhlw.go.jp/topics/topics/mismatch/shi_02.htm:厚生労働省

以下は、根拠となる法律の抜粋です

雇用保険法
(訓練延長給付)
第二十四条
 受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等(その期間が政令で定める期間を超えるものを除く。以下この条、第三十六条第一項及び第二項並びに第四十一条第一項において同じ。)を受ける場合には、当該公共職業訓練等を受ける期間(その者が当該公共職業訓練等を受けるため待期している期間(政令で定める期間に限る。)を含む。)内の失業している日について、所定給付日数(当該受給資格者が第二十条第一項及び第二項の規定による期間内に基本手当の支給を受けた日数が所定給付日数に満たない場合には、その支給を受けた日数。第三十三条第三項を除き、以下この節において同じ。)を超えてその者に基本手当を支給することができる。
雇用保険法施行令
(法第二十四条第一項の政令で定める期間)
2 法第二十四条第一項の公共職業訓練等を受けるため待期している期間に係る同項の政令で定める期間は、公共職業安定所長の指示した同項の公共職業訓練等を受け始める日の前日までの引き続く九十日間とする
雇用対策臨時特例法案
(経済社会の急速な変化に対応して行う中高年齢者の円滑な再就職の促進、雇用の機会の創出等を図るための雇用保険法等の臨時の特例措置に関する法律 〉

第二 雇用保険法の特例(第二条関係)

一 中高年齢者である受給資格者(六十歳未満の者に限る。二において同じ。)に対して公共職業安定所長が指示する公共職業訓練等には、当該中高年齢者の申出に基づきその再就職を容易にするものとして公共職業安定所長が特に指示したものを含むものとすること。

二 中高年齢者である受給資格者のうち、公共職業安定所長がその指示した公共職業訓練等を受け終わってもなお職業に就くことができず、かつ、再就職を容易にするために公共職業訓練等を再度受けようとするものであると認めるもの(その者が受ける公共職業訓練等の期間の合計が二年を超えないものに限る。)に対して、当該公共職業訓練等を受け終わった後の失業している日について、政令で定める日数から支給残日数を差し引いた日数を限度として所定給付日数を超えて基本手当を支給することができるものとすること。