アボガドの追熟・保存

 皮が黒くて、軽くにぎって少し弾力のあるものは、中身も柔らかくなっていて食べ頃です。まだ、固いアボカドは、室温で放置しておけば、熟成が進みます。室温が低いほど日数が必要ですので、冬などは暖かい場所に置けば早く追熟します。
 多くの果物と同様にアボカドは、植物ホルモンのエチレンを生成し、それによって更に熟成が進みます。より速く熟成させたい場合は、エチレンガスを発生させるリンゴやメロンなどの果物と一緒の袋に入れておくとよいでしょう。果実は、最初はエチレンを出す量は少ないですが、熟成が進むと多くなるので、腐りかけのものが効果的です。特にリンゴは、エチレンの発生が多く、アボカドもエチレンの発生が多いようですので、他の果物に与える影響にも注意しましょう。
 アボカド、西洋なし、キウィフルーツなどは、樹上では熟しにくいので、追熟が必要となります。つまり、収穫する時には熟していません。ただし、樹上でも放っておけば完熟させることができるようですが、日本ではカラスが食べてしまうこともあります。

リスト記号 保存
 熟成したものをすぐに食べないときは、涼しいところに置いておき、熟成するのを遅らせます。袋に入れておくとエチレンによって熟成が進みますから、そのまま置いておきましょう。8度から12度が保存に適しています。
 アボカドのように暖かいところで育ったものは、低温障害(4.5度以下)によって傷む(皮が黒く変色する)ので、冷蔵庫メーカーでは冷蔵庫へ保存しないようにと言っていますが、夏など室温が高い場合には急速に追熟するので、熟したものは冷蔵庫に入れることを私はお勧めします。
 冷蔵庫の冷蔵室は、「強」にしていたり、機種によっては1℃くらいにまで下がることもあるようですが、私の経験では1週間程度は大丈夫でした。アボカドが凍ると、著しく食味が悪くなるので、凍らせないようにするなら、4.5度以下の低温障害により、皮に黒い小さな斑点が生じたとしても、実までは変色しません。
 アボカドを輸入する業者では、4.5℃〜5.5℃に保ち、約20日間もの長期輸送を可能にしています
 冷蔵庫の中にアボカドやリンゴなどエチレンを多く発生させるものが入っていると、他の果物や野菜を熟成させてしまうので注意が必要ですが、最近の大型冷蔵庫の野菜室にはエチレンガスをカットする製品が多くなっています。