アボカドの成分

 アボカドは、栄養価が高く、コレステロールを下げる不飽和脂肪酸のオレイン酸やリノール酸、リノレン酸をはじめ、老化防止に役立つビタミンEやビタミンA,C、カリウム,マグネシウム,リンなどのミネラルを多く含んでいます。

体力増強に
 アボカドはバナナよりも栄養価が高いのです。各種ビタミン、ミネラルも豊富なので、夏バテなどにいいでしょう。
 ギネスブック(Guinness World Records)では、最も栄養価の高い果物と載っているようです。英語版のギネスブックには、"most nutritious fruit"という項目があるようですが、99-01年日本版には、その項目自体が記載されていませんでした。
 食品成分表を見ると、生食の果物では最もエネルギーが高くなっており、アボカドは187kcalあります。2番目にエネルギーの高いドリアンは133kcal、3番目はバナナの86kcalとなっています。
 ごはん168kcal、食パン264kcalですから、アボカド1個(250g×0.7×1.87=327kcal)は、ごはん1膳140g(235kcal)の約1.4倍のエネルギーになります。

老化防止
 老化防止に効果があるとされるビタミンEを100gあたり3.4mg含んでいます。ビタミンEの目標摂取量は1日あたり、男8mg、女7mgと定められていますので、1個で約3/4が摂取できます。なお、ビタミンEを多く含む食品は、アーモンド31.2mg、大豆油19.5mg、落花生10.9mg、たらこ7.1mgなどあります。なお、ビタミンEは、1日に267mg以上摂取すると死亡率が高まる可能性が指摘されています(ジョンズホプキンズ大学)。サプリメントだと大量に摂取する可能性がありますので、サプリメントよりアボカドを食べましょう!

オレイン酸(不飽和脂肪酸 n-9系)
 LDL(悪玉コレステロール)が活性酸素などで酸化され酸化LDLになると、マクロファージが異物として取り込み、これが血管に付着し動脈硬化症発症の原因となります。 オレイン酸は、HDLを低下させずに、LDLを低下させることが認められています。 アボカドはオレイン酸を9.5%含んでいます。なお、オリーブ油は70%、大豆油は23%含んでいます。

リノール酸(多価不飽和脂肪酸 n-6系)

パンテトン酸
 パンテトン酸も多く含みますが、パンテトン酸は様々な食品に含まれるので、普通は欠乏することはないと考えられています。

飽和脂肪酸
 飽和脂肪酸は、凝固点が高いので、体内で凝固しやすく、血液の粘度が高くなります。アボカドに含まれる飽和脂肪酸は、ほとんどがパルチミン酸で、わずかにステアリン酸が含まれます。アボカドの脂肪酸全体の20%が飽和脂肪酸になります。

アボカドにはコレステロールが含まれていないというのは、本当ですか :食品科学広報センターのHP

肝機能強化
 アボカドを1日約100g摂取することで慢性肝障害を予防する効果が期待されるという研究報告もあります。
アボカドから肝障害を抑制する5つの物質を発見 カゴメ・静岡大学 共同研究

成分表
エネルギー 187kcal ナトリウム 7mg 飽和脂肪酸 3.18g
水分 71.3g カリウム 720mg 不飽和一価脂肪酸 10.85g
たんぱく質 2.5g カルシウム 9mg 不飽和多価脂肪酸 2.15g
脂質 18.7g マグネシウム 33mg
炭水化物 6.2g リン 55mg
灰分 1.3g 0.7mg 廃棄率 30%

ビタミンAレチノール当量 13μg ナイアシン 2.00mg パルミチン酸 3,110mg
ビタミンD 0μg ビタミンB6 0.32mg パルミトレイン酸 1,310mg
ビタミンE 3.40mg ビタミンB12 0mg ヘプタデセン酸 16mg
ビタミンK 0mg 葉酸 84μg ステアリン酸 81mg
ビタミンB1 0.10mg パンテトン酸 1.65mg オレイン酸 9,480mg
ビタミンB2 0.21mg ビタミンC 15.00mg リノール酸 2,020mg
リノレン酸 129mg
イコセン酸 32mg

リンク
ラテックスアレルギーとの関連性が報告された植物 国立医薬品食品衛生研究所 療品部