南極旅行日記
- 本番編 -


2月11日
航海第5日目

07:00 ルメール海峡を通過します。双眼鏡やカメラを持ってデッキまでお越しください。
07:30 朝食
09:00 ピーターマン島に上陸。(グループ2から上陸)
     アデリーペンギンのルッカリーを観察します。
11:00 ゾディアックの最終便がピーターマン島を出発します。
12:00 昼食(バーベキュー)ルメール海峡の景色をお楽しみ下さい。
15:00 ゴーディエ島に上陸。(グループ3から上陸)
     ジェンツーペンギンのルッカリーがあります。
16:30 ダモイポイントよりポートロックロイへ。
     ポートロックロイには英国南極観測基地博物館があり、そこから日本へのお手紙を出すことが出来、
     おみやげの購入もできます。
20:00 夕食

*本日のみ 日本へお手紙を出すことが出来ます。
*ポートロックロイでのおみやげの購入はすべて米ドル(現金のみ)となっております。
*ペンギンには5M、アザラシには15M以上近づかないで下さい。
*天候や氷の状況により、日程が変更となります。




 やっちまった!
 寝坊をして朝御飯を食いっぱぐれた!

 ぅぅっ!本物のコーヒー!!
 ぅぅっ!スイカぁ〜〜!!



*初めての寝坊・・・



 午前中の上陸予定はピーターマン島。
 私の一番好きなペンギン、アデリーペンギンのルッカリーがある島だ。
 今日は絶対頑張るじょー!



いざ!ピーターマン島へ
(ディスコ号のデッキより、先発グループを撮影)


 1878〜74年の独探検隊により、当時の独地理学者の名前を銘名したピーターマン島。
 (その他フランスやイギリスの探検隊の活躍していた地域でもあるそうです)
 この島にはアデリーペンギンだけではなくジェンツーペンギンもいて、ジェンツー南限の営巣地としても知られているそうだ。

この上陸時のことも、2ページは使ってしまいそうなので、
御興味のおありの方は下のペンギン画像をクリックしてくださいませ。


・・・・・  
ピーターマン島に行くのんよ


 ピーターマン島での約2時間は、本当にアッと言う間!
 そしてディスコ号に戻る時、厨房側船尾のバルコニーでは、ラッパーな厨房兄ちゃんが何やらモクモク焼いていた。

 「そういや今日は、昼食がバーベキューだったっけ!」

 突然オナカがグーグー鳴り出し、さっきまでの感無量な気持ちは何処へやら。
 食べ逃すまじ!とディスコ号のデッキに上がった。

 でで、で?
 ありゃ、デッキの上でのバーベキューではなくなっちゃったの?
 船内放送では、「昼食を食堂で」と告げている。

 むーん。
 でもいいか、まずは腹ごしらえ腹ごしらえ・・・・午後は2ヵ所の上陸が控えているし、ネ!!



ザ・バーベキューなり





 ああ、結構食べたー。
 ソーセージ、ワイルドな味で美味しかったぁー。

 (追記:このソーセージ、写真では野菜の串の下に隠れてしまってました・・・)

 お肉は、まま、あんなもんかな。
 お魚も、まま、あんなもんかな。

 おなかくちいー。
 トイレ行っとこ。

 WALLABYさんが部屋にいた時、ルームクリーニング来たみたい。
 窓開いたー。
 外が見えるって、やっぱ気持ちいいなぁ〜。

*デッキでのバーベキューが食堂になっちゃった昼食後

追記
なんで私は食べるか飲むかすると、こうなちゃうのかなぁ。
ほんとにそう書いてあるんだから、仕方ないけど・・・。


 びっくりした。

 食事後、ついうっかりベッドで寝てしまって、次に起きたのが、
ゴゴゴガガガガゴ!
という轟音がキッカケ。
 とうとうタイタニック号になっちゃうかと、これはマジで心配になり、慌てて窓の外を見ると・・・

 なんとディスコ号の周り全部が氷海!!

 一体、何処に来ちゃったの?
 ディスコ号は、私を何処に連れてっちゃうの??
 ちゃんと船内放送してよー。心配!

 ともあれデッキ。

轟音で目覚めた時の客室窓の外



デッキの外は、こんな!


 いつしかルメール海峡の、これぞ見処!に突入したようだ。
 悪天候なこともあり、海に漂う氷が目一杯集まってきて、海面を覆っている。

 本当ならば、景観もさることながら、地質学的に重要な地域。
 そんな話を聞いて、そんなことを考えながら、そんな風に海峡を通過しているはずなのに、今、目の前に広がっている風景は、ひたすら氷海なのだ。

 船首部分に出て、皆、大撮影大会。
 通訳のルリコさんのお話を聞きながら、船が進む先を見つめる。


 ルリコさんの説明によると、ディスコ号の場合、どこまでも厚い一枚氷をチャージングを繰り返しながら割って進んでいく砕氷船ほどの力はないが、耐氷船ではあるので、こういった小さな(?)氷の寄せ集まった氷海を押して進むくらいの力は持っているそうだ。

 それでも時々、ふと不安を抱くほど、船底を削る氷の大きな音。

 南極は、たった3%地表の露出しているだけで、私達はその部分に上陸を試みている。
 それは事実として、頭の中では分かっているのだけれど、心の中では今一つピンときていない。
 だって、その3%の部分でさえ、私にとっては「あら、南極って、結構地面が沢山露出してるじゃないの」なんて感じだったのだ。
 

 それだけ“南極”と、ひとくくりに言える地域が、遥かに想像を超えた広さだということなのだけど、いざ、こうやって氷海に囲まれてしまうと、さすがに「南極はやっぱり、雪や氷の世界だ」と思わざるを得なくなる。

 今までの過程で、氷山も見たし流氷も見たけれど、このスケールにはかなわない。
 白い氷、青い氷、吹きなぐる風と雪・・・。


 ディスコ号の船長が、慎重に船を進めて行く先に、少しづつ少しづつ、向こうに氷のない海が見えた。
 そして一方、進行方向左側の氷のない海域には、なんと帆船がクルーズをしていたのだった・・・。

 氷海を抜けた時には、思わずブリッジに向かって拍手、拍手。
 ブリッジの窓には船長の姿。
 表情こそは、サングラスをかけていらっしゃるのでハッキリとは見れないけれど、ホッとなさったに違いない。
 ブリッジの中でも、盛んに拍手が起きているようだ。



*ルメール海峡 パックアイスだらけの氷海
65度4分s 63度57w


 ルメール海峡を抜けた後は、イギリス基地のあるゴーディエ島とイギリス南極観測基地博物館のあるポートロックロイ上陸の予定。
 唯一ここから郵便が出せるそうだ。
 
(しかし相手先に届くのは、3〜6ヶ月先の話)
 皆、お手紙書きに余念がない。


 旅行前の説明会で、手紙書きのことについて質問なさっていた方は、
(ここから先は人から聞いた話だが)しっかり宛先を印刷したシールを御用意なさってて、100通とも200通ともあるポストカードを書かれたそうだ・・・。

*午後の上陸前の一時をラウンジにて手紙書き


 がぁぁぁぁ〜んっ!

 午後の上陸が怪しいそうだ。
 強風のため、ゾディアックを降ろせないとか。

 「様子を見守っている状態なので、一旦上陸装備
(防寒防水着)を脱いで楽にしてください」との案内があった。
 そして待ち時間を利用して、食堂でギフトショップがオープンするとか・・・。

 ギフトショップ・・・。
 いやぁんっ! そんなのいいから風おさまってぇ〜〜!!!

 でも泣こうが喚こうが、天候任せ。

 そうとは知らずにサウナ状態の装備で待ってた時は、「早くゾディアックに乗って涼しくなりたいな」と思ってたけど、今となってはいくら暑くても、脱ぐの嫌ぁ。
 脱いだらそのまま神様がソッポ向いてしまいそう・・・。

 

*午後の上陸目指し、メインロビー長待機中


 結局午後の上陸は完全中止になってしまった。

 ギフトショップでは写真集一冊を購入し、買い物に集う人をビデオに収めて退却。


 天候まかせのこととは言え、やっぱり気落ちしている私達。
 そんなムードを察してか、夕食時、食堂スタッフの人がいつもに増して親切な気がする・・・。


 今日のデザートは、洋梨のコンポート 生姜味クリーム添え
 
見た目はイマイチでも、お味の方は、かなりに美味!


 実はこのツアーに新婚さんが2組も。
 ホテルマネージャーのナイジェルさんが、シャンパンをサービス。
 そんな様子を見ていると、気分も随分復活してくる。

 

おめでとうー!!

*食堂にて夕食

追記
帰国後、写真交換会で集まった皆の間での話。
「新婚さん達、もしハネムーンベイビーが出来たら凄いね!南極ベイビーだよ。
いやいやドレークベイビーだよ。いずれにしても絶対乗り物酔いしないコに育つね!」
等と、騒いでいたことを、ここに白状いたします。m(^_^)m


 酔っ払った。

 船が揺れてるのか自分が揺れてるのか分からないくらい、酔っ払った。
 客室の絨毯の、模様が浮いて見える。
 “南極の氷”を使ったオンザロック、何杯飲んだろ?

 WALLABYさんは、まだバーでねばってる。
 さっきビデオ撮ってたんだよね。
 恥ずかしいの映ってなきゃいいな。

 毎日の食事でデザートや、そしてオヤツタイムのクッキーを作ってくれてる厨房のお兄さん、名前はクリスと言うそうだ。
 これからは“私のクッキーマン”と呼ばせてもらうことにしよ。

 「明日のクッキーは、ジンジャークッキーとウォールナッツクッキーだ!」だそうだ。
 わーい!嬉しいな。
 生姜味は大好きだぁー。
 それに生姜は乗り物酔いに効くとも聞いていることだし・・・。

 いずれにしろ、彼は相当自分の仕事にポリシーを持っているみたい。
 デザートのこと、色々教えてくれたのでした。

 何故か初日の頃からずっと目立ってるラッパーな厨房お兄さん、この方は何を作ってくれてるんだろ?
 着ていたベストの基地刺繍入りワッペンが魅力的!
(爆!)
 WALLABYさんと二人でワッペンをせがむと、「これは大事なフィリピーナに作ってもらったんだから駄目ぇー」と断られた。
 わはは。

 いいや。私、寝る。
 FAX送った。
 雪、降ってきた。
 だけど横に降っている〜。

*客室にて 就寝前
追記                            
“南極の氷”は、私達が上陸中に、スタッフの方が氷河の砕け落ちた
もの(つまりは真水の凍ったもの)を拾ってきてくれたのでした。
この夜はバーで南極の氷をタップリ使ったオンザロックが盛大に振
る舞われ、私もWALLABYさんもしたたかに酔い、自分達の酔い加減
までが後々の笑いの対象になりそうなほど、御機嫌に一日が終わっ
たのでした・・・。                    



2月11日