ピーターマン島周辺のこと


右側ちょちょ切れでゴメンナサイ!


 この、掲載するにはちょっと難ありな写真の島が、ピーターマン島。

 右側に薄っすらとピンク色に見えるのも、左側に薄っすらと緑色に見えるのも、同じ種類の植物で、海草!だそうだ。
 なんでも、この厳しい環境を植物が生き抜くのは、動物が生き抜くよりも過酷なことだそうで、自分で色を変化させながら、光の吸収具合を調整しているのだとか・・・。

 上陸に際しての約束事にも、“苔を踏んではなりません”というのがある。
 もし迂闊に踏んでしまい、その足跡が残ると、それが苔自体の生きる力で修復されるのには想像を絶するほどの時間がかかるそうだ。
 映画『ブロークン・アロー』でも、主人公が国定公園の砂漠の中の苔を、そうとは知らずに踏みつけそうになり、注意されるシーンがあったのを旅行前に環境庁のパンフレットを読みながら思い出し、その時は「へぇ〜、そんなこと、ほんとにあるんだぁ〜」というくらいの感慨しかなかったのが、実際にここまで来て、船の上からでも見える風景、そして指定された範囲の大地に降り立ってみると、いかに貴重な植物なのか、その実感がひしひしと迫ってくる。

 だって、本当に少ないんだもの。
 岩、砂、雪、氷、海、そんな風景の中、植物は本当に目立たない存在だ。

 この写真の風景の中でも、私達が降り立てるのは、ほんの一部。
 上陸時にまず言われることが、「あそこから先に行ってはなりません」の一言。
 その先にはきっと、僅かな観光客からさえ守りたい自然があるに違いない。

 ところで、このピーターマン島周辺は、独探検隊が訪れたのみではなく、仏探検家ジャン・B・シャルコーが重点的に調査測量した地域でもある。
 英国探検家スコットをして「シャルコーは南極の紳士である」と言わしめたほどだそうで、物資も豊かではない時代に、越冬隊の生活面で、より人間的な改革をなした人としても有名だ。

*船のデッキより眺めたピーターマン島

追記
 ピーターマン島には当時の引き綱をつないだ鉄のフックが残っているそうだが、私はそれが何処にあるのか分からなかった。
 一生懸命歩き見て聴いているつもりでも、色々なことを見逃したりしてしまう。
 2時間以内と定められた上陸時間は、自然保護のためには必要なことと言えども、あまりにも短く過ぎるのが残念・・・。


           ↑
          ユナのおっぱい
           (でも・・・おっぱいに見える??)


 こちらは、同じデッキの上から見た風景でも、ルメール海峡北入り口近く、半島側の風景。
 写真中央右寄りの、二つ並んだ岩山の名前、正式にはレナード岬と言うのだが、「ユナのおっぱい」という愛称でも知られているそうな。

 1940年代の英南極観測隊の隊員達が、在フォークランド英国極地研究所の秘書をしていた女性ユナさんの名前から付けたんですって!

 その後ユナさんは隊員のお一人とめでたく御結婚なさり、ニュージーランドに住んでいらっしゃるそうだけど、いやぁ〜不思議でしょうね〜。

 自分のおっぱいが、遥か彼方の南極にあるなんて!

 ちょっとおふざけな想像だけど、歳経るごとに垂れていくのを「あっちはまだまだ健在ね!」なんて喜んでるかも・・・。
(^^ゞ

*船のデッキより眺めたレナード岬


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