篆刻 案外簡単です! 刻ってみましょう

篆刻作品 朱文・白文全12点の展示もあります。

篆刻作品 参考くだい

用具、用材を揃えよう

1.印材(必須)

印材

印材は金属(志賀島で発見されは「漢委奴国王」の金印は有名)、象牙、水晶、石等が使かわれます。文字が刻れれば何んでもかまいませんが、石印材が一般的です。

石印材は文房具屋さんで手に入れることができます。常時あるわけでわではありませんが、中国物産展でよく置いています。ダイソー(100円均一の店)でも置いているのを見たことがあります。

わたくしは中国物産展やLoftで入手しました。

2.印刀(必須)

印刀 印刀

片鋒(片刃)と中鋒(両刃)がありますが、石印材には中鋒がよく使われます。

長さや太さもいろいろありますが、私は刃の幅が5mmぐらいのものをよく使います。まずは1本あれば間に合います。

線や刻る場所によっては太いものや細いもののほうが使いやすかったり、味もちがってくるので慣れてくるにつれ適宜ためしてみたらよいと思います。

印刀が手に入れにくい場合は、左図のような彫刻刀でも代用可能です。

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3.印床(篆刻台)

印床(篆刻台)

布字(刻るための文字を書き込む)や刻印するときに印材を固定するのに使います。なくてもできますが印材が小さい場合等には便利です。

4.印矩

印矩

印を押すときの定規です。

本来は押印の位置を決めるときに使かいますが、印面をみがいた時の平面度の確認にも使かいます。

簡単に自作もできます。右下のものは定規を2個張り合わせて自作したものです。簡単に作れますので、自分で作ってもよいと思います。平面度の確認は必要なので欲しい用具です。

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5.朱墨と硯、小筆

朱墨と硯、小筆

印稿をつくる時や、それを印材に書き写す(布字)時に使います。

墨と朱墨を使いますので硯は2面必要になります。墨と朱墨を同時にすれる二面硯もあります。

筆も墨と朱墨の2本必要です。

6.ペーパ(紙やすり)

印面をなめらかにするために使います。石印材は通常ワックスがかかっており、これをとるためにも必要です。

7.刷毛

印面を刻ったくずを払うためのもので歯ブラシで代用可能です。

8.手鏡

布字を確認、修正する時につかいます。逆字になっているため、あれば便利です。

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9.字典

字体

篆刻で使われる文字は現在と異なる字体(小篆、印篆、隷書等)がよく使われます。この字体を調べるのに字典が必要です。

頻繁に刻るようになれば必須ですが、時たま刻るだけなら書道の先生等に尋ねれば教えてもらえると思います。

字体を調べられるサイトを見つけました。シヤチハタ株式会社さんのフォント ナビを使うと篆刻でよく使う字体以外にも、楷書体、行書体、角ゴシック体、丸ゴシック体、明朝体、勘亭流 を確認できます。任意の文字を調べられます。参考にフォント ナビで調べた「篆刻」を下に示します。

てん書体

てん書体

隷書体

隷書体

古印体

古印体

(2010/12/03 追記)

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私が時々利用している画箋堂さんが篆刻用品一式をネットで販売していましたので紹介しておきます。京都市内で京阪五条駅より歩いて行ける距離です。

(2006/09/09 追記)

Amazonさんにも篆刻セットを販売していましたので紹介します。

(2010/10/01, 2013/2/15, 2014/8/27 追記)

FireFox をお使いで AdBlockPlus を有効にしている場合、以下の《篆刻セット》は表示されません(2014/8/27)

篆刻セットで検索した結果

Amazonさんでセット以外にも篆刻関連商品を販売していますので一括紹介するページを作っています。

Amazonさんで見つけた篆刻関連用具・用材 一覧

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刻る前の準備

1.印面を作る

印面を作る 印面を作る

刻る面を目の細かいペーパーで平らに磨きます。ガラスの上にペーパーを置き、大きく円を描くようにすると上手くいきます。強く押さえないのがコツです。変に力がかかると角に丸みが付いたようになるので注意して下さい。印面拡大

磨く時は時々印矩で面が平面になっているか確認して下さい。綺麗な平面ができてない場合は、再度ペーパーで平らに磨きます。これを何回か繰り返し、綺麗な面を作って下さい。


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2.印文を決める

篆刻に興味を持ち始めたのは水墨画のなかの落款印からです。モノトーンの白黒の世界に朱があるだけで綺麗で引き締まった感じがします。

初めて刻るには実用性を考え文字数も比較的少なくて済む落款印がいいのではないかと思います。落款印には氏名や名前の一字、または雅号を刻ることになります。

まずは落款印から始め、蔵書印、住所印、すきな言葉など字数を増やしていけばよいと思います。

3.朱文、白文?

朱文、白文字そのものを刻るのか(白文)、字を残してまわりを刻るのか(朱文)を決めます。


4.配置を決める

通常、慣習的に上から下へ、右側から左側へと配字します。

配字

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5.印稿を作る

字体

篆刻で使われる文字は現在と異なる字体(小篆、印篆、隷書等)がよく使われます。まず、印文の文字の字体を調べます。

印稿

配置、枠、サイズ等を考慮して印稿を推敲します。私の場合は、まだ角印の経験しかないのですが、まず、白紙に適当な正方形を描きその上で色々な案を描いてみます。最終的に決まったものを実際の寸法で描いて決めます。


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6.布字

布字 布字

印稿を裏側からみた文字を墨で書きます。

白文の場合、印面にをぬっておき墨で文字を入れます。朱文の場合は印面に墨をぬっておきで文字を入れます。

つまり墨の部分を刻ればよいことになります。

裏文字になっていますので、一度手鏡で確認しておきましょう。

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刻ってみよう

印刀は別名「鉄筆」と言われ筆と同じように文字を書くつもりで奏刀するとよいといわれます。私もまだ初心者で、白文の場合はそのようなイメージで刻ることができますが、朱文の場合はどうしても彫刻的になってしまいます。

数をこなし、慣れてくるまでは文字を書くようにイメージしながらもまずは彫ってみたらよいと思います。

具体的には、布字した墨の部分を刻ります。石粉は歯ブラシで取り除きます。

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参 考 資 料

私の参考にした本、字典を載せておきます。

著名 やさしい篆刻入門
著者 鈴木 公碩
発行  
発行所 (株)金園社
著名 篆刻にしたしむ本
著者 牛窪 梧十
発行 平成2年7月30日 第5刷
発行所 (株)二芸社

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著名 図解 篆刻入門
著者 小原 俊樹 勝目 浩司
発行 2000年7月10日 第1版第1刷
発行所 (株)木耳社
著名 篆刻の技法と鑑賞
著者 高畑 常信   神野 雄二
発行 昭和59年5月31日
発行所 (株)明徳出版社

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著名 常用漢字準拠 八体字典
著者 富谷 松雲
発行 1994年3月10日
発行所 (株)有紀書房
著名 篆刻小字典
著者 中西 庚南
発行 平成元年4月10日 初版
発行所 東京堂出版

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著名 逆字篆刻字典
編者 牛窪 梧十
発行 1990年10月31日 初版
発行所 株式会社 二玄社
著名

超かんたん篆刻
「マジック転写法」ですぐに作れる

著者 真鍋 井蛙
発行  
発行所 芸術新聞社
備考 私は読んだことがないのですが、このページを訪れた方が比較的購入されていますので紹介しておきます。

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著名 篆書小字典
原著 安本 春湖
発行 1996年8月20日 第20刷
発行所 株式会社マール社
備考

地名・人名用漢字・常用漢字2979字収録。(表紙より)

著名 小篆字典
編者 綿引 滔天
発行 2014年3月20日 初版
発行所 株式会社 二玄社
備考

常用漢字・人名用漢字2773字収録。

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:一言アドバイス:

Amazonさんへのリンクに変更してみて結構皆さんが本を捜しているのがわかり、つたない私の経験談ですが参考になればと思い追加します。

  • 「逆字篆刻字典」は現在でも使っており、当初は裏文字で便利に感じていました。今では、印稿の推敲は表面よりしますので、同書と同じ編者が編集した標準篆刻篆書字典のほうが良いのではと感じています。今はスキャナーで読み、反転して使っています。 ただし、ちょっとご注意を! 「標準篆刻篆書字典」は私の手元にはなく、書店で捜す時、同じ著者で同じような表紙を見た記憶があり、Amazonさんで著者名で検索し、同書を見つけました。本の商品の説明より間違いないと思いますが、ご確認ください。
  • 「篆刻小字典」は字体は小篆ですが、多くの印影が蒐集されており、イメージを膨らませるのに重宝しています。
  • 「常用漢字準拠 八体字典」は篆書以外にも楷書、行書、草書、隷書、彩雲体(著者の考案のデザイン文字)があり便利です。
  • 言葉で説明してもわかりにくいと思い、各書より1文字だけですが引用して示します。

逆字篆刻字典を反転

( スキャナーで読み、反転しものです。)

篆書小字典

2012/9/9 追加

※ 『篆書小字典』を新たに追加しました。ついでに参考資料にもありダブりますがサンプル文字の出典書籍名をAmazonさんへのリンクに変更し、上に戻らなくてリンクをたどれるようにしました。

[ 2012/9/9 追加 ]

私的に漫画のPR

私の身近な人の漫画が単行本になったのでここのテーマとは関係ないが少しPR

あなたも死役所に行くかも?? どこの課がいいのか??

この漫画を読めば少し助けになるかも????

ちょっと斜めから社会をみた話が5話ほど。

むか〜し、むか〜しには私も漫画をよく読んでいましたが久しぶりに漫画を読みました。うろ覚えですが「笑うセールスマン」的な雰囲気のある漫画かなと感じています。読んでみてください!!

著者のホームページドラみそずいもありますのでよければ訪問してみてください。

著名 死役所 1
著者 あずみきし
発行 2014年4月15日 初版
発行所 株式会社 新潮社
備考

 

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簡単に刻りたい

下の書を見比べて下さい。落款がある、無しではイメージがかなり変わってきます。簡単な落款でもあると全体が引き締まって美しく見えます。この落款は消しゴムに彫刻刀でさっと刻ったものです。ともかく簡単に1ヶ刻りたいというかたは試してみては.....

落款がある場合の例
落款がない場合の例

[ 2006/3/29 増補改定 ]

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ちょっと追加があります。

印泥の紹介を忘れていました

Amazonさんでの篆刻セット販売の紹介を織り込むため久しぶりにこのページを読んでいて印泥を落としていんるのに気づきました。朱肉でもいいのですが、朱肉は少し明るくオレンジぽいものが多く印泥を一つは用意してはと思います。印泥の色もいろいろあるようですが、一般的には朱肉よりは赤黒い感じで、押す時に朱を付けるために印泥をパンパンと叩くのも心地いいものです。

印泥

用具・用材の通販紹介

Amazonさんでの篆刻セット販売を見つけた時、印刀などの用具・用材もあったのですが、いちいち紹介しているとページも読みにくく、汚くなるのでやめていました。

私のつたない経験談ですが、もともと落款に興味があり、中国物産展で印刀 1個、印材 数個を購入したのが最初です。その後、少し細い印刀が欲しくなったり、印材を買い足そうと思ったのですが、篆刻の用具・用材を扱っている店がなかなか見つからなかったことを思い出しました。比較的大きな文具店・画材店には置いていますが、手に入れにくい方もいると思いますので、Amazonさんで見つけた篆刻関連用具・用材を一括でまとめて紹介します。参考ください。

Amazonさんで見つけた篆刻関連用具・用材 一覧

とは言え、私はできるだけ特に印材は直接見て買うことをお勧めします。サイズや色、模様が多種多用で自分の好みのものを探せばいっそう愛着がわきます。

印材サイズや色、模様が多種多用な印材

私も始めはなかなか見つからなかったのですが、今では数店見つけました。少し大きめの文具店や画材店を見つけたらチョッと寄ってみると見つかることもありますよ。通販で買うとしても店が見つかるまでのつなぎとしたほうが良いのではと思います。

篆刻の用途

よく使われるのは落款ですが、蔵書印もなかなかです。本を購入する人も少なくなっているそうですが、自分の気に入った書籍に蔵書印を押すのも気持ちがいいものです。

篆刻作品(雲)

落款

篆刻作品(恭雄蔵書)

蔵書印

篆刻作品 参考くだい


【 ご参考 】

国立国会図書館のホームページに「蔵書印の世界」をみつけました。新井白石など著名な30人の蔵書家の蔵書印を鑑賞することができます。(別窓で開きます)

蔵書印の世界

「平成3年春に開館した日本で初めての篆刻専門の美術館」をたまたま見つけました。紹介します。(別窓で開きます)

篆刻美術館

まずは「始めてみたい!!」かた、参考になります

まず「とっかかりで」消しゴム印 その1(改定) : 吉永隆山の篆刻(てん刻)教室<NET講座>

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読み終えたら訪ねてみて下さい。
このサイトからはさよならします。