パナマの民族手芸モラ トップへ

モラ教室の紹介

宮崎ツヤ子モラ研究所

 関東を中心に多くの教室を展開している。主宰者は宮崎ツヤ子氏である。

▼ 宮崎ツヤ子モラ研究所の紹介(宮崎ツヤ子氏記)

 クナ族のモラは独特の体系を持つ手芸です。モチーフを囲むアウトライ ンは簡単なワンアウトラインから、最もポピュラーなスリーアウトライン、 のこぎりラインの入るセブンアウトラインなど、その種類はざっと数えて 10ほどあります。
 モチーフとその背景を飾る手法にもスリット、はめ込み三角、掘り下げ 三角、のこぎりライン、らせん、格子など様々なテクニックがありますが、 それらは気まぐれに使われているのではなくて、アウトラインと連動して、 ルールに従って施されています。
 色についても同様で、あれほどたくさんの色が使われているのにモラが 調和を保っているのは、母から娘へと受け継がれた色使いのルールがある からです。彼女たちは赤と黒で絶妙なバランスを取っているのです。
 ボディーペインティングがルーツの2色の迷路モラは線模様モラとも言 われますが、幾何学的な精密さと手書き特有のやわらかなラインがマッチ した美しさは見事で、カラフルモラとは一味違った独特の世界を形作って います。
 前置きが長くなりましたが、宮崎ツヤ子モラ教室では、パナマのモラを お手本にカリキュラムに沿って作品を仕上げながら、現地そのままのテク ニックや色使いをマスターし、モラのルールを身につけていきます。
 線模様モラの制作も特徴の1つで、らせん模様やコの字の連続模様など はフリーハンドでどんどん縫えるようになります。パナマルールのオリジ ナルモラ(創作モラ)制作も指導していきますので、2年に1度の作品展 ではテーマにちなんだ創作モラを発表することが出来ます。作品コンテス ト(公募展)に出品する人も出てきました。
 カリキュラムは、基礎コース、研究コース、特別コースとステップアッ プしていきますが、モラは奥が深いので、縫えば縫うほどおもしろくなっ てきます。それと同時に、難しさもわかり、クナのモラ作者に対する尊敬 の念が生まれます。それほどにモラは複雑であり、しかも系統的、合理的 な手芸といえるでしょう。
 各地のモラ教室の講師名の前に宮崎ツヤ子モラ研究所講師と明記してあ る教室は、本校であるNHK文化センター青山教室と同じカリキュラムです。 一斉授業ではないので、途中から教室に入っても初歩から学ぶことができ ます。生徒それぞれの進み方を大切にしながら、丁寧に個別指導をしてお ります。

▼ 宮崎ツヤ子(みやざきつやこ)略歴

1935年 東京都に生まれる
1959年 東京大学教養学科フランス分科卒業
1973年 第1回パナマ滞在(〜1974年)初めてモラに出合い、コレクションを始める
1984年 第2回パナマ滞在(〜1986年)クナ族と交流。コレクションと研究
1986年 NHK文化センター(青山)にてモラ教室を始める。その後教室を増やし、モラの紹介と普及に努める
この間、中野区のあづみ画廊、豊橋市のギャラリー濫觴(らんしょう)などでモラコレクション展十数回。
現在は、神奈川県川崎市在住

・著書
 『モラ〜カリブの民族手芸を楽しむ』『モラの教科書〜パターン付』など

宮崎ツヤ子モラ研究所の生徒さんからのお便り

中山手芸研究所

 関西を中心に多くの教室を展開している。主宰者は中山冨美子氏である。

 パナマの現代モラに様々な技法を取り入れて発展させ、洗練されたデザインが特徴である。 東南アジアや中近東の手芸にも強い興味を持っておられ、 ミラーワーク、シャドーワークといった技法もモラと組み合わせたりしている。 各種ステッチの多用やアウトラインの上のアプリケなども見られる。
 中山先生が考案したグラデーションモラは、従来のモラよりも絵画的で洗練されたデザインである。 グラデーションモラとは、土台布に同系色の布を濃い色から薄い色に順に並べたり、 黄色、オレンジ、赤、赤紫、紫というように色相順に並べたりするモラです。

【教室の特徴】
 作り方は、基本的に中山先生独自の図案を細部まで写すので、図案に遊びが生まれないので、 高い完成度の作品を容易に作ることができる。

作り手の技術によっては、次ぎのようなこともあるようです。
・使用する布には、プリント柄、ラメ色、蛍光色の布も組み合わせることもある
・ビーズやスパンコールも多用することもある

筆者が独自に情報収集したものです。 誤解している部分もあるかと思いますので、お気軽にご意見をくださるようお願いします。

▼ 中山冨美子(なかやまふみこ)氏の略歴

 京都市在住。
中山手芸研究所主宰。
ファッションデザイナーを経て、刺繍、パッチワーク、モラなど広い分野の手芸作家。

【中山富美子手芸研究所の連絡先】
 〒600-8499 京都市下京区四条通堀川西入唐津屋町528-802号
 Tel 075-811-2211 Fax 075-822-6616 nakayama@io.ocn.ne.jp
 http://www4.ocn.ne.jp/~k-naka/index.html

中山手芸研究所の生徒さんからのお便り

瀬川元子

 東京と埼玉に8ヶ所の教室がある。

▼ 教室の紹介

 「パナマ クナ族の技法を伝える」ことをポリシーにし、現地の縫い方 とモチーフを使っている。ラインの幅、スリットの数などにはこだわらな いが、色については、「モラの色」をとても大事にし、特に伝統模様につ いては基本の色を一切崩さずに教えている。作品は鮮やかな色使いで、華 やかな印象を受ける。

 基本的な縫い方としては、上へ上へと重ねて縫っていく現地の方法を採 用している。下へとくり抜いて行く場合は、モチーフやモチーフの外側を 埋める目的で三角やスリット、目の部分のドットなどありますが、モチー フのラインを出すときには使わない。

 色についても、1番上の布は、赤、黒、オレンジ と決まっていてそれ 以外の色が、上にくることはない。それは、それぞれの色が意味を持って いるからで、赤は、血の色、脈、誕生を表し、黒は、魔よけ、悪霊などが 体に入らないように。オレンジは、太陽の色。と言った具合である。 色の重ねかたにもルールがあり、それにのっとって作ることでモラが一層、 生き生きとする。

 教材の布は、モラが一番素敵に見えるようにセットされた色で勉強し基 本通りに仕上げたものを、額に入れたり、小物やバッグにしたり、何枚か つなぎ合わせてタペストリーにしたりする。

【瀬川先生の生徒さんからのお便り】

小林 早苗

 兵庫県に4ヶ所の教室があります。

▼ 教室の紹介(小林早苗記)

 モラ作りを始めて20年以上経ちました。 一目ぼれから恋煩いにかかったようにモラ作りに心囚われてきました。 年月を重ねる間に、モラの魅力を感じていただける方が増えたことで、 私の思いを発表できることにもなりました。
フリーハンドのモラ作り・小林早苗著 暮しの手帖社

 1986年<自分のモラ作りで間違っていないかを確かめたい>と言う一途な思い でクーナ族の元を訪ねました。 そこで確証をつかんだ私は、その年の秋、ある出版社へ、現地のモラに作り方の説明 をつけた本の出版を提案に行きました。 出版社の編集者に対してモラに対する理解と読者のニーズを説明しました。
◎モラを作る人が欲しいのは現地のモラの写真です。
◎拝金主義で毒されていくクーナ族のモラを少しでも早く良い形で残す為にもなる。 ◎フリーハンドで作るモラの説明書が必要。
がポイントでした。

 しかし、教室も持たない、個展も開いた事の無い一主婦の話で出版協力する所は無い。 実績を作り、ある程度認知されなければ出版は難しいと断られました。  その事を機に、1987年に京都で初めての個展を開きました。 また、教えて欲しいと言ってくださる方があり、自宅で<モラ作り教室>を開くこと にもなりました。 以来、各地で開いた<モラ作り教室>へは沢山の方に来ていただきました。

 私の基本的な方針は、モラに親しみ、モラを愛する方なら 誰でも、いつからでもモラの作り方を教え,広めていただきたい、としてきたことで す。 モラを作る楽しみはクーナ族の人達から頂いたものです。 皆で楽しくモラを作りたいのです。 勿論、私のデザインや作品以外の、オリジナルデザインを基本にしていただきます。

 また、<モラ作り教室>という呼び方も1987年以来、私が大切にして来た名前です。 この単純な名前には、モラ作りに対する私の思いを込めています。 これからも、教室に来られる方に喜んでいただけるように、しっかりとしたオリジナ ル教室にしていきたいと思っています。

 <モラ作り教室>では、月2回の講習で一つの作品を用意しています。 クッションやバッグ、タピストリーなど身近な物で楽しむ事が出来るようにと考えて います。 サンプルは用意いたしますが、作り手の自由な発想が基本です。 作り上げていただくお手伝いをするだけです。 定規や型紙などを使わないほうが、モラ作りは簡単だということ。 作り手によって多様なモラが仕上る事など、実際に体験していただけます。 出来あがった作品は複雑に見えますが、フリーハンドでならモラ作りは驚くほど簡単です。 針仕事の苦手な人が作るモラほど、素朴な味があって大好きです。 是非、気楽にご参加下さい。

コープこうべ 生活文化センター Tel 078-431-5273
コープこうべ 西宮北口コープセンター Tel 0798-67-8444
ガレリアかめおか Tel 0771-24-0050(コットンハウスイジリ)
自宅

金久保 通江

▼ 教室の紹介

 この教室紹介は、筆者がいくつかの質問等をして、金久保先生が書かれたものです。

 私の教室では、素朴にモラ作りを楽しむことに加え、様々な種類のパナマのモラを沢山手にとって、 鑑賞して頂くことをモットーにしています。

 以前パナマに暮らして出合った貴重なオールドモラを始めとして、コレ クションの質、量共に喜んで頂けるものが揃っていますので、教材以外の モラもどんどんお見せします。
 忙しくて縫うことが全然進まなかった方も、「鑑賞する」ためにだけで も毎回教室に来て楽しんで欲しいと思っています。

 また、モラはとても奥の深い世界ですが、手芸の技術としては、ほとん ど「たてまつり」だけの世界ですから、針を持つのが苦手と思っている方 も、クナ族のおおらかさと、合理的で無駄のないモラの作り方を通して、 手作りの楽しさを味わって欲しいと思います。

 万が一、布を切り間違えても大丈夫です。それを如何に上手くごまかす かも、クナ族の方達が実際に作ったモラが教えてくれます。  魅力的な教材を豊富に提供していきます。

 「創作」は、あくまでもクナ族流モラの部分に力を入れていますが、希 望に添って、私が今まで楽しんできたように、バックにしたり、タペスト リーにして楽しむお手伝いもします。

教室の場所等
金久保先生の教室で題材とされるモラ

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