今年の食べ始めは、こゝから。ごま味噌ラーメン(ゆで玉子附)。
このお店はラーメンの味の良さもさることながら、店内に流れてゐるラジオがまた澁くて良い。遲い時間帶なので、ちようど「NHK ラジオ深夜便」が流れてゐる。アンカーが修善寺の 84 歳のおぢいさんから送られた新春のお便りを讀んでゐるなか、すゝるラーメンの美味しさよ。もののあはれと云ふものか。
やはり「演歌でポン!」だとか「ソウルトレイン」では駄目なのだ。味はひが半減して了ふ。
末廣町の『ラーメン創房 玄』でラーメン(ゆで卵附)を食べる。 路地裏にあり矢鱈目立たない場所にある。狹い店内ながら、 お客さんがひつきりなしに入つてゐる。 始めラーメンが出された時これといつて特徴のない普通の醤油ラーメンではないか、と思つた。 スープがこれまた濃ささうな色をしてるが、食べ進むうち氣にならなくなる。
あれゝ。
氣が附いたら、もう食べ終つてゐた。このラーメンはどのやうな味か、分析しようと待ち構へる間もなく流れるやうにドンブリは空になつてゐた。實はすごいラーメンではないだらうか。
私には言葉にするすべがないので、券賣機の横に張られてゐた解説を引いてみる。何でも本物の天然食材のみを使用した(使はれてゐる種類も半端ではない)素材に力を入れてゐるお店なのである。店のお勸めは「超こだわりラーメン」と云ふので、次囘挑戰してみたい(鹽や昔みそラーメンと云ふのも非常に氣になる)。
鹽ラーメン。絶品。
けふの BGM はワグネルの「ニュールンベルグ」だ。
水道橋驛前の屋臺でラーメンを食する。美味しい。
近頃歸りが遲いので、 ちよくちよく利用する。今日本當は、 こゝの近所にある、『まぐろらーめん』へ行く心算だつたのだが、 混んでゐて目的を果たせなかつた。 何故かあちこちのお店もいつもより人が多め。
念願の『千石自慢ラーメン』でラーメンを食べることが出來た。このお店はいつ行つても滿員で、竝んで待つのがいやさに涙を飮んで見送つてゐたものだが、待つたこの日(I am waiting for The Day)、ついに暖簾をくゞつたのだ。
「骨太ラーメン」を食する。トンコツラーメン。卵、チャーシュー、豚の角煮と、具が盛り澤山。麺が矢鱈太い。そしてうはさに違はぬ、こつてこつてのラーメンだ。でも美味しい。スープを飮み干したら胸燒けするかもしれないと思ひきや、食べてゐるときは意外と氣にならない。尤も、こつてり好きの私でも體調如何によつては少し嚴しいものがあるかもしれない、それ程の危ふさを感じさせるラーメンだつた。あと一つ言ふと、このお店には椅子がない。みんな立つたまんまカウンタにもたれてラーメンを食べるのだが、矢張りかなり無理な姿勢になるのは否めない。腰に負擔が掛かり、集中出來ないのが難點。
食べ終へたら、けふは心ゆくまでラーメンを食べたなあと、これ以上ないくらゐそんな氣にさせてくれる。流石に行列を作るだけの味ではある、と感心しました。でも流石に毎日は通へないかも。
再び、末廣町の『ラーメン創房 玄』へ。「超こだわりラーメン」を食する。この間よりもスープのだしが二味くらゐ違ふ。さらにスケールが大きくなつた感じだ。それでゐて、スープだけが突出してゐるでもなく、麺も、チャーシューも、メンマも、それぞれがきちんと收まつてゐる。とても美味しい。
ところで、いつもこのお店の BGM には Miles Davis(このレパートリーとトレーンが吹いてゐることから、1960年の演奏か)が流れてゐる。
けふは、「江戸つ子ラーメン」を食する。
江古田の『ラーメン専門店 太陽』へ。何の豫備知識もなくふらりと入つてみた。 ラーメンを頼むと、普通の醤油ラーメンが出てきた。スープをすゝる。…これは一體? 今まで經驗したことのない味だ。 醤油ベースに何か附け加へてゐるのだがそれが分からない。 麺もこの不思議なスープと組み合はさることにより、 えも言はれぬ味になつてゐる。美味しいのだがまだうまく判斷が下せない。
湯島の『麺覇王(メン・バー・ワン)』へゆく。中國料理店である。ラーメン專門店と、定食屋、そば屋のラーメンがそれぞれ違ふやうに、やはりこゝはラーメンと云ふよりあくまで「拉麺」と表記してみたい。普段食べてゐるやうなラーメンとはあくまで別物なのだ。
今囘は特製の百家麺(はつかめん?)を食した。とんこつベースの拉麺。ただ、よくあるやうな、脂の浮いてゐるやうなこてこてのスープと思ひきや、これまた味はつたことのない不思議な味。具に大根が使はれてゐるのにはびつくり。中華四千年の叡智であらうか。いはゆる中華そばと呼ばれてゐた、いにしへのラーメンの面影を感じさせる。
また湯島の『神田小松屋』へ。魚でダシをとつた醤油ベースのラーメンが一番自分の好みなのだと、最近思ひ直す。これまたスープがさつぱりしてゐて良いし、麺もスープに馴染む感じが堪らない。
板橋本町の『まぐろらーめん』へ。まぐろらーめんと云ふ響きには、何が出てくるのか分からない趣きがある。づけ丼のやうに生の切り身が出てくるのか、はたまた角煮風なのか豫斷を許さない。ひよつとして、ドンブリの上に尾頭が鎭座してゐるのかも…。
そしてまぐろみそらーめんを食する。とても美味しかつた。このお店の BGM はなかなか面白い。フィフティーズな雰圍氣だ。
本郷三丁目の『元祖一条流 がんこ十二代目』へ。この系列のお店は、店構へからして獨特である。暖簾が掛けられてゐなければラーメン屋さんとはなかなか分からないだらう。醤油(あつさり)を食する。硬めの黄色みがかかつた麺と、鹽つぱめのスープ。チャーシューをスープに浸すと實にいゝ。とても美味しくいたゞきました。
東京競馬場内馬場の廣場内にあるラーメン屋さん。鐵火場の食事であるので、麺のコシがどうの、スープがどうのと云ふのは野暮だらう。そこそこ量はあるので腹持ちするのが良い。味は濃いけど。あくまでラーメンだけを味はふといふよりも、風景や、雰圍氣を樂しみたい。空は矢鱈廣く高い。表で食べてゐる解放感はこゝならではだらう。
飯田橋の『びぜん亭』でまた支那そばを食する。言ふだけ野暮になりさうな、素晴らしい味。
飯田橋には氣になるラーメン屋さんが多いので機會があれば開拓してみたい。
本郷三丁目の『福のれん』へ。味つき玉子めんと、高菜ごはんを食する。とても美味しい。
ごま味噌ラーメン。玉子、コーン付き。
話は變はるが、この間、桜川で行列が出來てゐるラーメン屋を發見する。お晝時でもないのに結構人が竝んでゐる。これは期待出來るかもしれない。
けふは大盛り醤油ラーメン。何と云ふか、醤油らしからぬこてこてな味だ。この間食べた味噌とベースは變はらないので、かえつて味がよく分かるような。
本郷三丁目、交差點の屋臺へ。屋臺のラーメンは本當に美味しい。何と云ふか、ラーメンらしいラーメンを食べた氣になる。
朝日新聞の夕刊にラーメン王の佐々木 晶さんが取り上げられてゐた。謙遜されてゐるが、千四百軒以上の店を廻り
、普段は食べても日に三、四杯。體調を整へ、食べ歩きをする時でもせいぜい七、八杯
とさらりと言ふあたり流石である。ラーメン道の峻嶮さを垣間見た。一日一麪など甘つたれた兒戯にすら思へる。
環七沿ひの『環七下板橋ラーメン』へ。確かこの場所には「環七土佐つ子ラーメン」があつたやうな。改名したのだらうか?味も同じくこつてこつての豚骨醤油だ。けふは脂がキツイ。
けふは、鹽ラーメンを食する。素晴らしい。鹽ラーメンと思へぬほどの豐穰さがたまらない。刻んだ長ねぎが實にスープと良く合ふ。
ちなみにこのお店は、3/26 にこゝ末広町から引つ越しするみたい。
後樂園 WINS のフードショップ(2 F)にてラーメンを食べる。鐵火場といふのも、ひと味違ふ味はひを與へてくれる。時折、怒號や、絶叫が飛び交ふなかの食事だ。實のところラーメンの味よりも、ジャングルポケットの單勝が 2.3 倍しかつかないのが氣になつて仕方ない。
巣鴨驛南口の屋臺。何と創業五十年(つまり昭和二十七年から)。さう思ふと實に懷かしいやうな、中華そばの面影を殘した味はひ。最高だ。そしてひつきりなしに、昔の歌謠曲が流れてゐる。食す合間に、思はずつられて「憧れのハワイ航路」(岡 晴夫)を口づさむ。
水道橋の東口の方の『尾道ラーメン・麺一筋』へゆく。けふは味噌ラーメン。獨特だ。
けふもごま味噌ラーメン。寒いときは何と言つても味噌。
佐々木 晶著『ラーメンを味わいつくす』(光文社新書)、岡田 哲著『ラーメンの誕生』(ちくま新書)二册讀了。それぞれ實に興味深い内容の本だつた。
コーンラーメンを食する。こゝはラーメンの他にも、美味しさうなお酒やおつまみを置いてゐる。いつぺん、ラーメン屋でお酒を飮みながら過ごすことに挑戰してみたい。かういふ時、お酒を飮む習慣のない我が身が恨めしい。
「江戸つ子ラーメン」を食する。
秋葉原驛の眞下にある『ミスター陳』でもやしラーメン(四百圓:サァビスタイム價格)を食する。最近なかなかお目に掛かれない、鷄をたつぷりと使つてダシをとつたラーメンだ。スープを口にした途端、何故か涙が出てきた。
そして、あんで味附けしたもやしがまた最高だ。これ以上にないくらゐの絶妙な取合はせ。一氣に食べ切る。これでこの値段は安いなあ。
環七沿ひの『香味屋』へ。けふは、特選中華そば(七百圓)を食べる。
これは醤油ベースだが、多彩な材料を使つてゐるのか、奧深い豐かな味だ。フト『ラーメン創房 玄』を思ひ起こす。そして以前は見過ごしてゐたが、縮れた平べつたい麺がこの獨特のスープと實に良く合ふ。やうやつと人氣があるのが分かるやうな氣がした。
中山競馬場地下一階にあるお店。本場「柳麺」(五百十圓)を食する。本當にシンプルな醤油ラーメンだ。スープがあつさりしてゐて、バランスがとても良い。鐵火場のラーメンらしからぬ雰圍氣を漂はせてゐる。
再び秋葉原の『ミスター陳』へ。けふはもやしラーメンと半チャーハン(七百五十圓)。鷄のスープが氣に入る。細い固めの麺も良く馴染む。
本郷二丁目の最近オープンしたばかりのお店。トンコツラーメンを食べる。ラーメン專門店と云ふよりも、ラーメンも出す中華料理店といつた鹽梅だ。
最近氣が附くが、かういふお店では、たゞラーメンだけ食べて疾風のやうに店を後にするのは、如何にも詰まらないやうに思へる。他に一品頼んだり、お酒を頼むなどしてみたい。ちなみに、こゝの小高菜丼は美味しい。
東京国際展示場ラウンジのラーメンを食べる。可もなく不可もない出來合ひのラーメン。
久し振りに本郷三丁目の『福のれん』へ。味つき玉子めん(七百圓)と、高菜ごはん(二百圓)を食する。とても美味しい。實は、 こゝで味つき玉子めん以外のラーメンを頼んだことがない。
後楽園東京ドームの『MR. PAO』でみそラーメンを食べた。
原宿の『九州じゃんがららあめん』で、ぼんしゃん味玉(七百三十圓)を食する。秋葉原の本店はいつも行列が絶えないが、こゝは比較的すぐ食べれることが出來た。
こつてこつてのとんこつラーメン。しかし、マイルドと云ふ形容を使ひたくなるやうな、とろみのあるスープだ。麺がまた細く獨特な齒觸り。このマッチングの妙は、福のれんに通じるものがある。成程行列店として名が知られるだけのことはある、そんなレベルの高さを伺はせるラーメンでした。
印象に殘つたのは、次のお店。
「江戸つ子ラーメン」や「映月軒」は別格と云ふことで。『ラーメン創房 玄』の鹽ラーメンも忘れ難い。