南極旅行日記
- 準備編 -


12月3日




 今までの様々な経緯から、ジェス旅行センターの旅行会社としての実力にも誠意
にも、信頼感を持続できなくなってしまった私とWさん。

 実は、12月に入ってもジェス旅行センター側からキッチリした決め事を含めた積
極的なリアクションがない限り、今回の旅行は見送ることを心の中で決めていたの
だが、10月末にコピー刷りの“南極ツアー速報版”というものが届いたきり音沙汰
無し。
 とうとう正式スケジュールの載ったパンフレットも届かず、主催会社も分からぬ
まま、12月に突入してしまった。


 ・・・なもので、やはり仮予約自体をもキャンセルする電話を入れる潮時かと意
気消沈気味な最近だったのだが、おりしもパソコン通信で“風の旅行社”という旅
行会社の南極ツアー企画が旅行雑誌に載っていることを教えてもらう。

 Wさんとも再度相談した結果、ジェス旅行センターを見限り、風の旅行社に乗り
換えることに決定。
 早速、風の旅行社に申し込みの電話を入れ、ジェス旅行センターにはキャンセル
の電話を入れることになった。



 こちら側には非がないとは言え、キャンセルの電話は気が重かったなぁ・・・。
 ましてや、今まで電話問い合わせをする度、申し訳なさそうに事情説明されてい
た担当者の方の気持ちを考えると・・・ね。

 でも仕方がない。
 かかる金額も金額だし、個人旅行ならまだしも、ツアー旅行でこれほど余計な心
配事を背負い込まされるなど、どう考えても納得しかねる。
 たとえ特殊な地域へのツアーだということを割り引いたとしてもだ。

 ふぅう〜・・・・。

 ま、いいや、気持ちの切り替え切り替え〜♪



 風の旅行社の南極ツアーの内容はどういうものかというと、14日間 47.5万円〜
というもの。
 私達が予約したのは、カテゴリーB
(上下段ベッドの2人部屋ソファー付き)というもの
で、上段49.5万円下段52.5万円だ。

 一番安いカテゴリーCとの違いはソファーが付いているかいないかだけで、差額
は一人2万円也。
 だから二人座って4万円のソファーということになる。
 かなりお高いソファーという気がしないでもないけれど
(笑)、約一週間は船で
の生活だし、座るところがベッドしかないのと、ベッド以外にもあるのとでは、随
分居心地の良さが違ってくると思うのだ。

 よし決めた!絶対に証拠写真を撮ってくるゾ。
 豪華ソファーにドッカリ腰を据えた美女の写真を!

 ・・・なんておふざけな話はさておいて、風の旅行社企画で使うクルーズ船は、
デンマーク国籍で名前をディスコ号と言う。

 今現在ジェスの企画で使われるらしいクリッパー・アドベンチャー号
(元の名はアラ
タラソーワ号)
は、横揺れ抑止のスタビライザーが付けられたそうだが、ディスコ号
には付いていない。
 そして規模も一回り小さい船のようだ。
 となると噂に名高いドレーク海峡の通過時は、かなりの覚悟が必要?

 パソコン通信で聞いたところ、スタビライザーの付いていない頃のクリッパー・
アドベンチャー号でのドレーク海峡通過は、最大傾斜角度が27.?度もあったそう
で、それの揺り返しも含めると、とんでもなく大きな揺れのようだ。

 その揺れ揺れ真っ最中は、ほとんどの人がほぼ船酔いに陥るとかで、食事時間に
なっても食堂に誰も来ないし
(船酔いで食べられないとか)、机の上に置いてあったもの
は、全て床に投げ出されるとか・・・。

 辛うじて食事をしても、食堂を出た途端吐き気をもよおしトイレで吐いた人の話
とか
(でもこの方、なんと吐いた後そのまま踵を返し、再び食事に挑んだそうです・・・ひゃー!)
食事をしている最中の大揺れに椅子の足を掴んで体ごと吹っ飛んでしまった人の
話とか、ちょっと想像を絶するとんでもなさだ。えらいこった。


 物の固定にはガムテープにマジックテープ、荷造り紐の用意と色々な対策が考え
られるが、はて、体の対策はどうしよう?
 南極地域観測隊に参加した方の話では、消化の良い軽い食べ物が効くらしく、リ
ンゴと生姜酒
(しょうがゆ)で一時しのぎされたそうだけど・・・。

 船酔いを軽くすることを主目的とした体の鍛え方ってあるでしょか?
 いつだったか横浜から日の出桟橋までの短い距離の水上バスに乗って、パソコン
をパチパチやってただけで船酔いしてしまった私。
 恐ろしいゾォ〜。



 ところで今日は色々な種類と目的のホッカロンを大量に買ってきた。
 南極旅行のためのお買い物をする気になれたのは、今日が初めてー!
(^o^)/


 それにしても、この南極ツアー、どこの旅行社も似たり寄ったりな内容なのに、
その価格には、かなりのバラツキがある。
 最低価格を見ても、プレイガイドツアーが108万円でしょ?ジェス旅行センター
が69.5万円でしょ?そしてそして風の旅行社は47.5万円でしょ?
 2日くらいの日数差や船のランク差があるにしても、これほど違うのには、さす
がに驚きを隠せない。

 ぶったまげーで目が点々だァ。