南極旅行日記
- 本番編 -


2月13日
航海第7日目

05:17 日の出
06:30 コーヒータイム
09:00 朝食
10:00 ブライアン氏による、「南極条約と南極の将来」についての講義(ラウンジにて)
12:30 昼食
14:00 アンディー氏による「南極のくじら」についての講義(ラウンジにて)
17:00 クリスタ氏による「極寒の地でのダイビングと生活の適応」についての講義(ラウンジにて)
19:00 バー・オープン(バーにて)
20:00 夕食
21:00 日入り

*ブエノスアイレスのオプショナルツアー(エビータツアー)へのお申し込みは、本日の夕食前、
 レストラン前にて受け付けしております。
 御希望の方は米ドル55ドルをお申し込み時にお支払い下さい。
 お申し込み後のキャンセルはご返金致しかねますので、ご了承下さい。

 朝食に復帰! (^O^)/

 めでたく本物のコーヒーとスイカにありつく。
 なんだか上陸期間中の方が朝寝坊だったなぁ。

 行きは眠り姫のWALLABYさんも、今やすっかり“やんちゃ姫”全開?
 またしても、今度はセーター!の続きを編んでいる。

 果たして編み上がるのかと眺めていたマフラーも、しっかり編み上げて上陸時に着用なさってたし、きっとこのセーターも下船前には・・・(笑)。

 Made in Antactica かぁ〜。
 貰う人も嬉しかろうて・・・。

 行きのドレーク海峡通過中、何度も転倒なさって怪我をなさった熟年の男性が向かいの席に座られたのだが、「唇は復元力があるから比較的早くに治るけど、それにしたって辛いものが駄目だった」とのこと。
 今は元気に復活なさってる。

 皆、船の揺れになれたのか、今朝の食事出席率は2/3近くだった。
 でもショックなことも・・・。

 大きな揺れが襲った時、医者のローリーさんが椅子ごと後ろに転倒するという衝撃的なシーンを目撃。

 頭を後ろのテーブルの角にぶつけられ脳震盪。
 タンカで運ばれていってしまった。

 ああ、私達の唯一のお医者様・・・。

 また床上生活が始まったのだが、それでも行きよりは、かなり静かなドレーク海峡である。

 (揺れの角度こそ大きいものの、行きほどの激しさは感じない)
 

*朝食に復帰!


 ローリーさんのタンカを囲んで船のスタッフの人達が相談し合っているのを横目に客室に入ると、暫くして船長さんからの船内アナウンス。

 なんでも船のコースを変えるため、大揺れが予想されるとか。
 客室に待避するか何処かに掴まれとの指示が出る。

 むむっ!トイレに行こうと思っていた矢先に・・・。
(-_-;)


 午前中のレクチャーは、少し遅れて始まった。

 今朝転倒したローリーさん、もしかすると首の骨
(げっ!)が折れているかもしれないとのこと。
 比較的揺れの少ないブライアン氏と部屋を交換するため、ただいま荷物の移動中とか。

 船のコースが変わったのも、出来る限り早くにウシュアイアの港へ辿り着けるよう、最短コースを選んだためだそうである。

 帰りは静かだと思ったのになぁ・・・。

 (んでも、揺れてスリリングなドレーク海峡、行きよりも、さらに楽しむ余裕が出てきた私でした)



 これは南極に領土を主張している国の、それぞれの主張地域を表した図。→→→

 その広さだけを単純に足し算してしまうと、いくら大きな南極大陸でも、全く足りない。

 今でこそ領土権問題も棚上げされ、科学的研究のために各国間の協力も盛んだが、この図だけを見ているとキナ臭さが依然として漂っているように見える。

 大抵の国の場合、平和を守るために武器を持つという、抑止力の考え方に基づくものが殆どなことに対して、南極では平和を守るために武器を持たず、最初から平和的な態度で望もうというところが、決定的な違いだそうだ。

 そんな話を聞いていると、「サンクチュアリ」という言葉が頭の中に浮かんでくるし、それにたいして夢を抱きたいような気もするのだが、反面、非常に脆い錯覚のような気もしてしまう。
 願わくは、たとえ錯覚であったとしても、長く長く続きますように・・・。

*午前中のレクチャー



 昼食の出席率も2/3。

 行きはずっと寝てらして「大揺れドレーク海峡での食堂食事は初めてだ」という女性の隣になった。
 慣れていらっしゃらないせいか、椅子の座り方やテーブルの掴み方、揺れの予測が付かないらしく、見事に椅子ごと転ばれてしまった。
 そこに丁度、通路を隔てた席からトマトスープが降ってくるという惨事が重なり、その方すっかり茫然自失。

 周囲の勧めで、トマトスープが掛かって赤く腫れた素肌部分を冷やしていらっしゃることになったのだが、今度は席を立って出ていこうとなさった時に、また大揺れ。

 丁度私の後ろに差し掛かるところで、思わず私の座っている椅子に掴まられた。
 皆から「椅子に掴まっちゃ駄目。椅子に座っている彼女までキケン」と声が掛かり、スタッフに支えられつつ、よろよろと食堂を出ていかれた。
 お気の毒に・・・すっかり怯えてしまわれたようだ。

 でも、私も人のことを心配してる場合じゃぁなく、さっきの惨事で足がトマトスープ漬け。
 「熱いっ!」と悲鳴を上げそうになったけど、転倒防止に無我夢中だったよなぁ・・・。


 やれやれ、この揺れの中、また洗濯だぁ〜!!
\(>_<)/

にっくきトマトスープ!
でも味は良かった・・・
ドレーク海峡定番メニュー イチゴとキウィのジェロ

 揺れを考慮してか、デカマグカップには半分も注がれてなかったのに、それでもやっぱり駄目な時は駄目なのね・・・。

*昼食もやはり大騒ぎ


 午後は二つのレクチャーがあったのだけど、洗濯疲れで気乗りがしない。
 だからパスパス。
 ベッドでうたた寝と、あとは船内ウォッチング。


 その船内ウォッチングの最中に、ホテルマネージャーのナイジェル氏負傷の報が!

 なんでもレセプション裏の事務室で、コンピュータごと机が自分の足の上に倒れてきたらしい。
 骨折されたのではないかとの話。

 医者のローリーさんも負傷で部屋で寝ていらっしゃるため、他のスタッフや添乗員さん達が、ナイジェルさんの足をどう固定するかで相談しているところに出くわす。
 どうやらダンボールを巻いて固定する話をしているらしいのだが、巻いた上から貼るガムテープがないんだそうな。

 たまたまその相談の場に居合わせたので、自分のガムテープを提供することにする。
 しかしこの船、ガムテープ置いてないのかぁ???


 暫くしてレセプションを通りかかると、事務室から移動されたパソコンが床の上にごろんちょ。
 その写真を撮っていると、例のイヌイットの船員さんが、事務室の中に「おいでおいで」をしてくれる。

 入っていって中を見たら・・・・。

  
事故後の事務室

破壊されたテーブルは棚に固定されていた


そして事務室のコンピュータはレセプションの床に・・・


 うーん、だいぶ慣れたとは言うものの、恐ろしい〜。

 メインロビーより上の階にある“なんたらスイート”の部屋の人の話では、行きのドレーク海峡は地獄も地獄、身動き一つとれなかったそうだ。

 冷蔵庫まで備え付けてあるのだそうだが、それを開けると中の仕切りが手裏剣の如く飛んでくるとか・・・。
 ベッドも、いわゆる普通のベッドで、私達の二段ベッドのような転倒防止ともなるような枠がついていないため、大変だったそうだ。

 デラックスなお部屋は羨ましいと思ってたけど、今回一番凌ぎやすいのは、ロウデッキあたりのお部屋
(お値段的には一番安いお部屋)なのかも・・・。

*午後のレクチャーをすっぽかして船内散策



シーザーサラダ

アルゼンチン風ステーキ


 夕食はこんなもん。

 酔い止めって効いてるんだろうか?
 今日は昼を飲み忘れたのに、今も全然平気・・・。


 


2月13日