南極旅行日記
- 本番編 -


2月9日
航海第3日目

05:28 日の出
09:00 朝食
10:30 ブライアン氏による、「南極探検史」の講義(ラウンジにて)
12:30 昼食
14:00 アンディー氏による、「南極海のくじら」についての講義(ラウンジにて)
16:00 おやつタイム(図書館にて)
17:00 国際南極旅行業協会(IAATO)規約とゾディアックの乗船方法についての説明会。
     ならびに環境庁発行の「南極行為者証」授与(ラウンジにて)
19:00 バー・オープン
20:00 夕食

添乗員の部屋番号
 219 小宮山・木原
 320 吉川・花岡

*今回のクルーズは、かつてないほどドレーク海峡は荒れております。
 体調の悪いお客様にはフルーツなどをお届け致します。
*16:00頃、南極収束線を通過する予定です。
*昼食時にドレーク海峡傾斜度当てクイズを行います。
*潮流が悪く、スピードが出せなかった為、明日の夕方予定していた第1回目の上陸は不可能となりました。
 予めご了承ください。



 がぁぁ〜〜んっ!
 これだよぉ・・・・。

 ぅぅっ!
 明日の上陸は不可能だって?

 エーン、エーン、エーーーーーーンッ!


*日程表の配られた早朝というか深夜
追記                      
日程表中の「明日の夕方」という部分、      
これは多分今日のことを指していたのでしょうね。



おかゆも、このようにして外に出ていこうとする(^-^;))
  
喉が渇いているだけに、スイカが嬉しい!!


 食堂で食べ物写真を撮るという作業、実はかなりの危険を感じる。

 視界がファインダーの中だけとなり、周囲の様子を察知することが出来ないのだ。
 「この間に、誰かが、何かが、飛んで来たらどうしよう?」と、ハラハラドキドキ。

 本当は両手でカメラを持ちたいど、辛うじて片手撮り。

 でも初めてのマトモな朝食。
 味はともかくとして、嬉しかった。
 なんだかやたらと喉が渇くだけに、スイカが美味しい。
 そして、インスタントではない本物のコーヒーが出たっ!

 テーブルの造りはどうなっているかというと、トップ部分は木製だけど、足は鉄製で床に直付け。
 そして椅子は、普通の椅子。
 揺れに備えて掴まるのはテーブル。
 「決して椅子に掴まってはなりません!」という注意、あれはつくづく、聞き逃してよい注意ではなかったことを実感。

 でもってテーブルの上には“滑らずマット”
 最近日本のテレビコマーシャルでもやっているアレだ。
 
(私も普段、車の中で小物置きに使ってまーす)
 背の低い皿ならば、どんなに大きな揺れでも本当に滑らない。
 ただし中身は滑っていく。
 フォークやスプーンも、このマット上にある限りはジッとしているのだが、皿の中に添えておくと飛び出していく。


*食堂オープン以来、初めての朝食
追記                       
天候が許せば朝食はビュッフェスタイルだったそうだ


 部屋に戻ってベッドの隅に、タバコのカートン箱を利用した即席ドリンクホルダーを作って貼り付ける。
 昨日の夕食時、飲み物を聞かれたので缶入りビールを頼み、飲まずにそのまま部屋へ持って帰ってきたのだった。

 部屋の中でも気軽に喉を潤したかったのだが、、飲み口の広いマグカップを持ってくるのは不安。
 缶なら持って帰ってきても、ドリンクホルダーさえあれば、めったなことでは中身がこぼれない。

 揺れを踏ん張りながらの工作はタイヘンだけど、色々な物を作って生活環境に余裕が出てきたせいかしら?
「さて、そろそろ船内の写真を本格的に撮ってくるか」という気持ちになる。


 旅先通信もそろそろチャレンジしてみたい。
 でもキーボードの動作が不安定だからなぁ・・・。
 外付けキーボードを持ってきてはいるけれど、相変わらず揺れが激しいので、気にしなければならないモノを増やしたくない。
 もとい、外付けキーボードをスーツケースから出すという難作業をしたくない。
 いずれにしろ、この激しい大揺れの中、キータイプで両手が奪われてしまうというのが非常に怖い。

 ともかく昼食が終わったら、船内撮影を試みながらラジオ室の通信環境も偵察しよう。

見せるもお恥ずかしやな、ドリンクホルダー!
でも、こんな簡単な工作モノが、うんとうんとうぅーーーん!と、船内生活を快適にしてくれる
他の工作モノは、写真集で公開予定です(^_^;)


*昼食前の客室にて
追記             
レクチャーにも出たけれど、その
内容については長くなるのでパス



 昼食は、ウーム、昨夜と同じヌードルメニュー。
 なんのことはない、昨夜と同じ料理に海老が入っただけ(笑)。
 一口食べて、食欲減退。
 ごめんね、厨房のスタッフの皆様。
 でも、ウーーン、私、おやつタイムの果物やクッキー食べてる方がいいわ・・・。
 ついつい、船内生活最後の夜の、船長さん主催のディナーに望みを託してしまう。



 食事中、恒例の《ドレーク海峡越え・最大傾斜角度当てクイズ》の説明を受ける。

 ということは・・・ついに、ついに・・・

 地獄のドレーク海峡を抜けたんだぁー?!


 

 昼食メニューのデザート。

 その名も『ドレーク・ジェロ』...(((~_~;)

 でもこれが美味しかった。
 はぐはぐ食べた!



 追記
 船内生活最後の方で、パソコンを客室からバーに持ち出し、それまで撮った画像を眺めていた時、アメリカ&カナダ国籍のスタッフの人達が寄ってきて「オ〜!ドレークジェロ〜!」と、口々に感嘆の声をあげていた。
 かなりに好評だったらしい。
 あの味の食事をお替わりする様を見て、「うーん、さすがだっ!」なんて思ってたのに、実はそうでもなかったのか?
 それとも、ジェロ大好きな国出身だから郷愁の念にかられたのか?
 謎だ・・・。

*昼食もヌードルの食堂にて



 午後のレクチャーを終えた後、船内撮影方々ブリッジ(操舵室)に行く。
 このブリッジの後ろにラジオ室があり、インマルサット衛星を利用しての肉声電話やFAXの送受信が行われている。
 船内図で見ると、メインデッキ階にも電話室があり、覗いてみると確かに電話機がかかっているけど、これは利用されていないみたい。
 電話室というより、でぇ〜ん!と置かれたコピー機のための部屋だった。


電話室と名の付いた、
実はコピー室の電話機

(でもインマルサットBの文字が・・・)
     
ブリッジ階のラジオ室
なんとパナソニック製!!のファックス電話機がありました。
この部屋の中のパソコン数は3台。
写真には写っていないが、左側にはE-MAIL
送受信状況の映し出されたモニターがあった!


 とりあえずは試しに、留守宅の夫に向けてFAXを送る。
 お値段の方は、送信にかかった時間から算出されるのだが、A4サイズ1枚の送信に約50秒。
 請求料金は5USドル。
 
(ただし清算は、電話代&飲み物代&クリーニング代&土産物代と、まとめて下船時に行います)

 この時旅先通信のための交渉をしたのだが、肉声&FAX以外は断られてしまった・・・。
 残念!
 モジュラープラグを差し込ませてもらうだけでイイのになぁ・・・。
 脇のパソコンではE-MAIL送受信画面が見えてるだけに、ちょっと悔しい。


*ブリッジ階にて


 大揺れ生活も、だいぶ板に付いてきたような気が・・・。

 とは言っても、厨房スタッフや客室スタッフ、その他のスタッフの足さばきに比べればヒヨッコもいいとこ。
 私達が、言葉の誇張なしに“全身を使って必死にしがみついている”時でも、彼等は何かを両手に持った状態で
(*o*!)スイスイと歩いてゆく。

 とある人懐っこい乗組員のカペラさん
(でも両の腕に、それぞれデザインの違う刺青があって、かなりの迫力!)はイヌイットだとか。
 「グリーンランドに家がある」と、地図を指し示しながら、さらには「今シーズンの仕事が終われば、2ヶ月の休暇が待ってるんだ」と話してくれた。



私達の場合は、やっぱりまだまだこんな・・・
(写真なんか撮っててスミマセン・・・)

 
 この日図書室では、3人の人が揺れに堪え切れず同時に吹っ飛び、ドアに激突。
 かなり頑丈に見えたドアストッパーも、さすがに壊れた。
 幸い大きな怪我人は出ず。
 ただ、唇を切った方がいて可哀相だった。
 何にもしてなくても体力使うのに、あれじゃぁ食べるの辛かろうなぁ・・・。


 夕方予定されていた、国際南極旅行業協会(IAATO)規約とゾディアックの乗船方法についての説明会は、中止になった模様。
 少しがっかり。

 でも、ようやく当初の献立通りの食事になってきた。
 メインディッシュは3種類からチョイス。
 その場で何を食べるかと聞かれるのだが、昼食時に予め受けたリクエストから、大体の数を把握して作っている。
 今日の献立では、イチゴのムースが美味しかった。
 はぐはぐ食べる。
 周囲を見渡しても、デザートだけは、お皿の空な人が多い。

 (それ以外の料理のことは、聞かないでください・・・)

 航海3日目にして、早くも軍配はデザートに上がった!


 そして・・・そして・・・ドレーク海峡越え最大傾斜角度クイズの発表!

  47.8度
 
(過去20年間のうち、2日間でドレーク海峡を抜けられなかったのは5回ですって・・・)


 ものの見事に当てられた方がいて、エクスペディションリーダーのブラッドさんからシャンパンのプレゼント!

 私の推測は、36.2度。
 ものの見事に大外れ。
 揺れは激しいけれど、傾斜角度そのものは、そんなにたいしたことないのでは?と考えたのだ。
 いやぁ〜。
(-_-;)

 ちなみに36.2度は、すなわち私の平熱なのでありました。
(^^ゞ

 

*食堂にて ようやくマトモになった夕食と、最大傾斜角度の発表


 ドレーク海峡を越えたおかげでバーがオープン。
 ツアー参加者は勿論のこと、スタッフの方達も、皆表情が明るい。
 
 明日がとっても楽しみだ。

写真左から、
飲み物担当のニコールお姉さん・厨房スタッフのラッパーな兄ちゃん・ホテルマネージャーのナイジェルさん


 バー入り口の壁にはワインリストが貼ってあった。
 へ〜!この規模の船で提供されるわりには、結構品揃え豊かなんじゃないの?



*やっとオープンしたバーにて


2月9日