Today's Moon -- 今日の月
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月探査、月開発に関するトピックスのまとめページ
 
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2005年4月7日(木) 月面基地計画、最初の障害は「月の塵」(HOTWIRED)

Moon Dust4/6付け、HOTWIRED JAPANに「月面基地計画、最初の障害は「月の塵」?」という記事が出ています。
月の塵は粒子が細かく隙間があれば稼動部分に入り込み機器の動作をおかしくする可能性があるが、それ以前に人体にも影響する可能性があるとかかれています。この記事ではたとえば「珪肺症」に似た症状を引き起こすのでないかと指摘されています。
この分野はまだまだわからないことが多いのでこれから研究が重ねられていくでしょう。
JPLで作った模擬月の砂(レゴリスシュミラント)があとバケツ1杯しかないとは知りませんでした。Ref.「火星の前に月へ」でもレゴリス粒子の影響について書かれていますので参考に。
(写真:宇宙服にまとわりつく月の砂:NASA)

2005年3月21日(月) ESA、インド月探査ミッションに参加(ESA)

SMART-13月17日、パリで開かれた会議で、インド宇宙研究機構(ISRO)とESAの間でインド最初の月探査機、Chandrayaan-1についての協力協定が満場一致で結ばれたとのこと。

ISROは1969年に設立され、最初の衛星を1975年に打ち上げている。以来多くの打ち上げロケットと地球観測衛星、リモートセンシング、通信衛星、気象衛星を開発してきている。ISROスリハリコタ島に打ち上げ施設を所有しているがESAのフランス領ギニアの打ち上げ上からも衛星を打ち上げている。Chandrayaan-1はインド初の惑星科学の探査機となる。

この合意の下、ESAは3つの観測機器を提供する予定。
ESAはISROにSMART-1で得た経験を提供し、科学観測機器を提供すると共に地上運用設備面でも協力する予定とのこと

ESAのSMART-1は各国の「再び月へ」という競争の中で一歩リードをもたらした。インドや日本と同様に中国とアメリカもまた近いうちに月探査ミッションを発表する予定。インドとヨーロッパの科学者の協力は今後も継続するとのこと。
(写真:ESA:SMART-1が撮影した月表面)
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Chandrayaan-1はNASAの観測機器も搭載する予定ですのでとても華やかな月探査機になりそうです。あとChandrayaan-1はインパクタと呼ばれる軟着陸実験機器も搭載する予定で、こちらのほうも興味深いです。

2005年3月8日(火) アインシュタイン、ガリレオ、ニュートンと月面反射板(MOON DAILY)

ERASMUS CenteerMOON DAILY に月面反射板の話が掲載されています。
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(要約)
月面には今までにアポロ11、14、15号で設置されたものとソ連のルノホート2号に搭載されたものの計4つの反射板が設置されている。
ガリレオによって発見された引力の法則は、ニュートンの「プリンピキア」で体系化され、その後アインシュタインの相対性理論でさらに理論的に拡張された。
ガリレオはピザの斜塔で大きさが等しいが重さが異なる木と鉄の玉が同じ様に落下することを示したように、内部に鉄のコアがある重たい地球と、内部にはおそらく非常に小さいコアしか持たない月が太陽に向かって”落ちる”現象を、月に設置した反射板で地球と月の距離を精密に測ることで、重力を表す重力定数を正確に計測できる。重力定数の揺らぎは非常に小さいため、月と地球といったようなとても大きな物体を対象とした精密な計測が必要。
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月に設置された反射板は35年たった今でも何も動力もなしに以前と変わらず機能しています。有人探査が再開したら、きっと月や火星に新しい反射板が設置されるとのことです。
(写真:月面に設置される反射板)

2005年3月7日(月) ロゼッタ探査機地球フライバイ:月を撮影(ESA)

ERASMUS CenteerESAのロゼッタ探査機が3月5日の22:09(GMT)に地球フライバイを行いました。その地球最接近の直前に月を撮影しています。(写真:ロゼッタ探査機が撮影した月:ESA)
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ロゼッタ探査機
ロゼッタ探査機は世界で始めて彗星軌道への投入及び着陸を行うミッションで、オービターと着陸船から構成されている。探査機には11種類の科学観測機器が搭載され、彗星に接近して観測を行う最初のミッションになる。2014年に67/チュチモフ・ゲラシメンコ彗星の軌道に入った後、探査機から射出された小さなランダーは氷で覆われている中心核に着陸する。ロゼッタは彗星軌道上から約1年間観測を行う予定。彗星は太陽系誕生時にできた天体で化学組成もそれからほとんど変化していないと考えられるため、当時の貴重な情報が得られると期待されている。

2005年3月3日(木) 居住基地デザインワークショップ:参加者募集中(ESA)

ERASMUS CenteerESAのオーロラ計画のページに居住基地デザインワークショップ2005の参加者募集が出ています。
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4月、斬新で革新的な宇宙での居住基地の設計について討論するため、30人のヨーロッパの学生たちがオランダのESA欧州宇宙技術研究センター(ESTEC)のエラスムスユーザセンターに集合するだろう。大学院生、ポスドク生を対象にESAの月-火星グループが計画した9日間のプログラムの参加者を募集中。
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現在、ESAのオーロラ探査計画やアメリカのロボットと有人による月、火星探査計画など各国の計画が示されている。それらの月/火星基地建設および探査計画はおそらく20年から40年後の実現をめざしている。したがって今の大学生の年代がこの計画の中軸をなすことは間違いない。
月-火星ワーキンググループ(MMW)は、次世代の有人およびロボット探査に関わる月-火星探査分野の専門家、プログラムマネージャー、工学者、物理学者、生物学者、建築家などを一同に集めることを目的としている。MMWはまたそのような将来計画のフォーラム開催や宣伝も活動目的にしており、今回の居住基地デザイン2005もその目標の第一歩である。

●ワークショップ:
ワークショップは4月2〜9日にエステックのエラスムスユーザセンターで開催され、有人宇宙活動に関する様々な分野の専門家の講義で構成される予定。宇宙科学から工業デザイン、建築わたる専門家達が、プログラムの立案から、講義、討論、デザイン演習などを行い、月、火星、フォボスへの有人ミッションを行う有人拠点をデザインする。

●ワークショップの内容:
参加者は、太陽系の探査、資源利用、居住のためのハイブリッドまたはインフレータブル構造の居住地デザインおよびコンセプトの作成を行う。参加者はチームに別れ、居住地デザイン、システムエンジニアリング、上記3つのミッションに関わる宇宙の環境について学習する。3つのシナリオに必要な建築様式(インフレータブル、折りたたみ構造、空気膜構造など)、新材料、生命維持装置、原地材料の利用、心理学、社会学的考察、人間の生理機能に対する環境の影響などを考慮しデザインを進めることが要求される。

●参加方法:
参加者はヨーロッパの大学院生またはポスドク学生。ESAメンバー各国の学生であればなお良し。意欲のある学部生も採用される可能性あり。MMW事務局に以下のものを郵送。
・履歴書
・1/2ページに参加の意気込みと今までの経験を記述
・3ページ分の今までの研究経歴
・教授またはその他教授に準じる人の推薦書

参加者に選ばれたら、宿舎と昼食と200ユーロ上限の交通費が支給される。締め切りは3/8.(写真:ESTECエラスムスユーザセンター)
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うらやましい限りですね。ヨーロッパの学生であればぜひ参加してみたいです。こういう活動が将来実を結ぶのでしょう。

2005年2月28日(月) 自信を取り戻した日本、2025年までに月面基地建設(MOON DAILY)

Japan'sMOON DAILYにHII-Aの打ち上げ成功に沸く日本からもたらされた、日本の長期ビジョンについての情報が掲載されています。
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日本は2003年の衛星打ち上げの痛手から立ち直り、2025年までに有人月面基地をそして衛星による災害警報システムを構築するとのこと。

「私たちはそれも3月末に宇宙開発委員会に提出する長期ビジョンのひとつの大きな目標だと思っています。」とJAXA関係者は言う。
また2015年までに災害情報を衛星から携帯電話に配信するシステムの構築も目指していると彼はいった。
「私たちはまだ長期ビジョンを作成中です。それに盛り込みたいことはたくさんある」

毎日新聞のレポートによると、JAXAは5年から10年以内にロボットによる月探査を、その後有人月探査技術の開発を目指している。これを実現するために、スペースシャトルのような独自の有人宇宙機の開発を進める。

この日本の積極的な姿勢は土曜日に純国産H-IIAロケットによる運輸多目的衛星の打ち上げ成功によるところが多い。この成功は日本の宇宙関係者の自信、ハイテク国家としての評判を取り戻すことになった。
2003年11月、情報収集衛星を搭載したHII-Aは、2つの補助ロケットの切り離し失敗が原因で、打ち上げ10分後に爆破された。またその1ヵ月後中国がアメリカ、旧ソ連に続く3番目の有人宇宙飛行に成功し自信を喪失していた。

アメリカは2008年までに月衛星を、そしてその次の年には着陸ミッションを予定している。2015年までに有人月探査を、ジーン・サーナン(アポロ17号船長)が月に降り立ジーン・サーナン以来はじめて行う予定。(写真:SRB-1A分離時の画像)
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JAXAが発足して以来取り組んできた長期ビジョンが今月末には発表されます。かなり盛りだくさんな野心的な計画になるのかもしれません。とにかく期待したいものです。

2005年2月17日(木) SMART-1ミッション延長を承認(ESA)

SMART-1 mission extended2005年2月10日、ESAの科学委員会はSMART-1ミッションの1年延長を満場一致で可決したとのこと。これでミッションは2006年8月まで伸びることになった。
延長ミッションは、観測軌道と軌道とそのときの月表面に対する太陽入射角の違いから2つのフェーズに分けられている。最初のフェーズでは、月の南半球の観測を行う。次のフェーズでは北半球の高解像度観測を行う。この観測はその後の月探査機(Selene、Chandrayyan-1、Chang'E、LRO、Moonriseなど)にも利用される予定。
SMRAT-1の電気推進は現在再び点火され、2月末には観測軌道へ達する見込み。
reference -- 参考
moon -- 月 米国新宇宙政策関連
・ブッシュ大統領演説
moon -- 月月探査関連
・火星の前に月へ
 (Sceince@NASA)
Foter -- フッター
Akiary v.0.51