緋道の神器


        第四十九話  淫惑の家



 夢を見ているのだろうか。
 神治はそう思いながら周囲を見回した。
 そこはどこかの家の中、それもかなり大きな家の廊下であるようだった。
 知り合いの家かと思ってみるが、見覚えは無かった。そもそも夢だとすれば、そうした発想自体、あまり意味のないものだろう。
 そんな事を考えていると、不意に声が聞こえてきた。
 小さな声であり、どこかの部屋から漏れている感じだった。
 声のしている方へ近づいていくと、それが何を意味している声であるのか分かったため、少しドキリとする。
 いわゆる女性の喘ぎ声だったからだ。それもまだ若い、というより幼い感じに聞こえる声だ。
 部屋の前へ立つとさらに声は大きくなり、時折喘ぎ声とは別の言葉も聞こえてきて、その内容に思わず興奮を覚える。
(あっ、あんっ……パパ、パパぁっ……いい、いいよぉっ……)
 それは親子である事を匂わせる単語だった。
 とはいえ、赤の他人でも使う事があるので、本当の親子がしているとは限らない訳だが、もし本当の父娘でセックスしているとすれば、なかなかに興奮する事だった。近親相姦には慣れているが、父娘相姦というのはあまり馴染みのないシチュエーションだったからだ。
 緋道村では、女性は多くの男と交わりを持つ事から、妊娠しても誰が父親であるのかハッキリせず、父娘相姦というのが成立しないのだ。ゆえに背徳感的に、あまり味わったことの無い興奮があるという訳だった。
 珍しい状況に興奮を高めつつ、ドアへ顔を近づけ、もっと声を聞こうとしてみる。
 その瞬間、不意に視界が変わったため驚く。
 どうやら部屋の中へ入ったらしい。さすが夢だけあって、場面転換が不意に起こるようだ。
 薄明かりに照らされた室内は、八畳ほどの広さで、ぬいぐるみなどが置かれてある可愛らしい雰囲気の部屋だった。
 壁際に置かれたベッドの上では、中年男性が腰を振っていて、組み敷かれている相手の体つきは小柄、というより幼い感じで、どう見ても小学生だった。
 そして視線を顔へ向けた瞬間、その推測が間違っていない事を理解した。何しろ見知った少女だったからだ。
 とは言っても直接の知り合いという訳ではなく、「テレビで観た事がある」というレベルの話だ。
 彼女の名前は、矢切玲霞(やぎりれいか)。
 テレビなどで活躍している芸能人で、最近天才子役として有名になっている少女だった。
 年齢は十一歳の小学五年生であったため、このような事をしているなどあり得ないのだが、そこはそれ夢であるから、神治自身の願望が出ているのだろう。先日テレビで観た際に、「抱いたらどんな感じなのかな?」と少し考えた覚えがあったからだ。
 母親譲りの顔立ちがそうした想いを助長したのかも知れない。何しろ彼女の母親は、最近神治がよく抱いている桐生玲子だからだ。
 つまりこの夢は、玲子との行為を幼い玲霞に当てはめ、彼女が喘ぎ悶える様を楽しむ状態になっているという訳だ。
 自分がするのではなく、別の男としているのを客観的に見る形になっているのは残念だったが、それはそれで興奮するものがあった。他人の近親相姦を覗く機会などあまり無いからだ。
 父親の顔にしても、先日芸能人とその家族が出演するバラエティ番組で見たばかりであったせいか、本人そのものになっているのも、よりリアルさを感じさせた。
「パパっ、パパぁっ……凄くいい、やぁっ……凄くいいのぉ、あっ、あふっ……」
 玲霞が大きく仰け反り、甘えるようにして喘ぐのに、肉欲が刺激を受ける。
 男の子のような短い髪を振り乱し、小さな体を突っ張らせて喘ぎ悶えるその姿は、性的快楽を十二分に知っているのを感じさせた。小学生でありながら、すでにかなりの経験者なのだ。
 そこら辺は緋道村での記憶が当てはめられているのだろう。あの村の小学生は、セックスの経験が豊富だからだ。
「やっ、やぁんっ……パパ凄い、ああっ……パパ凄いよぉ、あんっ……わたし、おかしくなっちゃうぅっ……」
 玲霞は小学生らしい幼い体を小刻みに震わせ、小学生らしからぬいやらしい喘ぎを漏らし、父親に甘えるようにして抱かれている。
 華奢な肉体が父親の腰の動きと共に前後に動き、それに合わせて胸元の微かな膨らみが揺れる様には、強い興奮を誘うものがあった。
 幼い少女が中年男性に抱かれているという図は、何とも卑猥で背徳的であり、儚げな存在を強い力で破壊してしまうような、悲しさを伴う快感のようなものを感じさせる部分があった。
 幼い少女を抱いた事は何度もあるが、こうして客観的に眺める状態には、己でする時とは異なる興奮が存在したため、何ともいい夢を見ているものだと思った。何より「父親と小学生の娘」という組み合わせは、あまり知らない状況であったため、刺激的であるのも大きかった。
 やはり興奮というのは、未知の存在に対するほど、より強くなるに違いない。実際先日経験した玲子との初体験の頃を思い出させるセックスにしても、そうした興奮があったからだ。
 そんな事を思い出しながら仲の良い親子のセックスを眺めていると、不意に玲霞と目が合った。
 別に夢なのだからどうでもいい事なのだが、何だかこっそり覗いているのを見つかってしまったような錯覚を覚えてドキリとする。
 玲霞は一瞬驚いたような表情を浮かべたが、すぐに面白がっている顔になると、笑みを浮かべて喘ぎ続けた。
 その様子には大人びた色気があり、とても小学生とは思えないいやらしさを感じさせた。
 どこか未迦知神に似た雰囲気がある事から、おそらくそうした記憶が重なっているのだろう。幼い顔が妖艶な笑みを浮かべる状況というのは、未迦知神を抱く際に何度も経験していたからだ。
「あっ、ああんっ……パパっ、パパもう駄目、やぅっ……わたしもう駄目だよぉっ……」
 視線を父親へ向けた玲霞は、歳相応の顔つきに戻ると、年齢に不似合いな喘ぎ声をあげていった。切羽詰まった様子からして、どうやら絶頂が近いらしい。
 父親の腰つきも激しさを増し、くぐもった声が大きくなっており、こちらも射精が近いのが分かる。
 その予想は正しかったようで、少しすると親子の絶叫が部屋に響き、二人は脱力してベッドの上に横たわった。
 父親が愛おしげに玲霞の頭を撫でているのを眺めていると、その親子らしい微笑ましい様子に幸福感を覚える。
 一方、そんな二人が世間では許されない行為をしていた事に、ゾクリとした興奮を覚えた。近親相姦は何度も経験しているが、他人がしているのを見ることで、改めてその背徳性を認識したのかも知れない。やはり親子でセックスするなど、許されざることなのだ。
 明日母や姉妹を抱く際には、いつもより興奮してそうだな、などと思いつつ玲霞の方へ視線を向けた神治は、そこにある彼女の瞳にビクッとなった。
 一見、どこを見ているのか分からないボヤっとした雰囲気でありながら、それでいて強い意思を感じさせる光を放っていたからだ。
 そんな瞳を見ていると、引き込まれるような奇妙な感覚が起き、その事に少し怖さを覚える。
 しかし逆に強く惹き付けられている部分もあり、実際玲霞の瞳を見てからというもの、彼女から目を離せなくなっていた。
 気がつけば体が移動しており、かなり近くまで寄っていたことに驚く。いつの間に移動したのだろう。まあ、夢なのだから気にしても仕方ないのだが。
 その様子を見ていた玲霞は、妖しげな笑みを浮かべると、両手をこちらへ伸ばしてきた。
 まるで「次はあなたが抱いていいよ」と誘っているようなその仕草に、激しい興奮が湧き起こってくる。
 何しろ相手は今をときめく天才子役だ。夢とはいえ、それは実に魅力的な誘惑だったのである。
 玲霞の顔に浮かんでいるのは、何とも色っぽい表情であり、小学生とはとても思えない淫靡なものがあった。
 脳裏に先ほどの喘ぎ悶えている姿が浮かび、自分も彼女を抱けるのだという事に興奮が高まっていく。
 大きく息を吐き出しながら体を寄せていくと、小さな手が両頬に触れてきた。
 その瞬間、ゾクゾクっとした快感が股間に走り抜けた。
(うっ……)
 呻くと同時に意識が真っ白になる。
 射精したのだ。
 夢であるのだが、実にリアルな射精感だった。
 そう意識している間も精は放たれ続け、その快楽に意識が染まっていった。
(気持ち、いぃ……)
 何度も何度も繰り返される射精と、その度に起こる快感に、身も心も蕩け始めていた。
 眼下では、幼い顔に淫靡な笑みを浮かべた玲霞が、嬉しそうにこちらを見つめていた。
 何も身につけていない真っ白な華奢な肉体に、胸元の微かな膨らみが肉欲を昂ぶらせる。
 幼い少女に射精させられているという状況が、強烈な背徳感を呼び起こし、抑えることの出来ない射精の衝動を呼び起こしていく。
 意識せずとも精液が放出され続け、そのあまりの気持ちの良さに頭が朦朧としてくる。
(ああ……何て凄いんだろぉ……)
 僅かに残る意識がそう思った瞬間、体が硬直し、何も考えられなくなっていった。


 神治はテレビ局へ来ていた。
 玲子に招待され、ドラマの撮影現場を見学しているのだ。
 初めて訪れた場所であるので何を見ても新鮮であり、また時折芸能人とすれ違ったりもしたため、実に刺激的な状況だった。
 玲子は少し離れたセットの上で、次のシーンの打ち合わせをしていた。
 ドラマの内容はいわゆる家族モノで、玲子の役は「教育熱心な母親」というものだった。
 小学生の娘を私立中学へ入れるために頑張るが、時折的外れなことをしてしまい、周囲を巻き込んで暴走していく、といったコメディドラマだ。
 先ほど見た収録部分もそうした暴走シーンだったのだが、思わず吹き出してしまうほどであったため、なかなか面白いドラマと言えただろう。
 特に普段キリリとしている玲子が、凄く馬鹿な様子で立ち回る姿は、そのギャップからも魅力的だった。
 まるで素の玲子はそういう人間だと思えてしまうほどに自然な様子であったため、やはり役者というのは凄いものだと思った。いや、玲子が特別凄いのかも知れないが。
 そんな事を考えていると、次のシーンの撮影が開始された。
 今度は娘と喧嘩する内容であり、これもコメディらしく間抜けな雰囲気の喧嘩になっているのだが、予想以上に笑いのツボを刺激されたため思わず吹き出してしまった。
 何より玲子だけでなく、娘役をやっている子役の演技についても大したものに思えた。まだ小学生だというのに、大人以上の演技をしているのが分かるからだ。
 やはり血は争えないといったところだろうか。娘役をやっているのは、玲子の実の娘である玲霞だったからだ。
 先日あのような夢を見たばかりであったため、少々後ろめたさを覚えたりもしたが、それ以上にその可愛さに見惚れてしまった。
 生の玲霞は、テレビで見るよりも格段に愛らしさに溢れており、演技で見せるクルクルと変化する表情にしても実に魅力的だった。
 男の子のような短い髪と、幼さを残す丸っこい顔立ちが中性的な雰囲気を感じさせ、そんな少女が全身で感情を表現する様子には、強く惹き付けられるものがあった。
 こうした演技の素晴らしさが、天才子役としての人気の秘密なのだろう。
 シーンの撮影が終了すると、玲子が一瞬こちらへ視線を向けて微笑んだが、そのまま近くの椅子に腰掛けて台本を読み始めてしまった。この後も出番が続くため、意識を集中しているのだろう。
 その態度に不満は無かったが、少々寂しさを感じたのも事実だった。他に知り合いが居ないため、こうした撮影の合間の時間というのは手持ちぶさたになるからだ。
 どうしたものかと思いつつボーッとしていると、不意に誰かの視線を感じたような気がして、そちらへと目を向ける。
 するとそこには予想外の人物が立っていた。
 玲霞だ。
 先ほどまでセットの傍に居たと思ったのだが、いつの間にか近くまで移動してきていたらしい。しかもニコニコしながらこちらを見つめていたため、誰か知り合いでも居るのかと周囲を見回してみる。
 しかし特に玲霞を見ている人間はおらず、不思議に思って再び視線を向けてみると、彼女はニコリと笑みを浮かべてさらに近づいてきた。
「こんにちは、お兄ちゃん」
「あ、うん。こんにちは……」
 間違えようのない距離で挨拶されたため、これはもう自分に向けられたものだと判断して挨拶を返す。
 少々動揺した感じになってしまったのは、間近で見た玲霞が、思っていた以上に可愛らしかったためだ。
 ずっと美少女だとは思っていたが、これほどのものとは思ってもみなかった。単純に容姿が整っているというだけでなく、表情の作り方や細かい挙動まで、体全体から愛らしさを醸し出している感じだったからだ。
 それはおそらく母親の玲子と同じく、技術によって感じる印象なのだろう。さすが親子だけあって、そういうところも似ているらしい。玲霞が天才子役と言われているのも納得だった。
「ね、お兄ちゃんって、ママの新しい恋人なの?」
(!……)
 続けて発せられた言葉に体が硬直する。
 このように人が大勢居る場所で、冗談であっても言うことでは無かったからだ。
 玲子はすでに離婚しているとはいえ、自分のような高校生と恋人だなどというのは、面白ネタとしてスキャンダルにされかねないからだ。
 誰かに聞かれていないかと、慌てて周囲を見回して確認する。
「大丈夫だよ。みんな忙しいし、これだけうるさいと、私たちの声なんて聞こえないもん」
 玲霞は面白そうな笑みを浮かべると、そう言って両腕を大きく広げた。
 確かに自分たちの周囲には人が居なかったし、少し離れた場所に居る人達にしても、何かの作業をしていて忙しそうであったため、これならば聞かれる心配はないだろう。
「ね、どうなの? 恋人なの?」
 興味津々といった様子で尋ねてくるのに違和感を覚える。
 母親が父親以外の男と付き合うなど、普通子供としては嫌なことだろうに、実に楽しそうにしていたからだ。
「違うよ。恋人じゃないよ」
「え〜〜? そうなのぉ? 何だガッカリ。せっかく面白いと思ったのになぁ」
 神治の答えに、とんでもない感想を述べてきたため、この子は一体何を考えているのだろうと呆気にとられた。
「お母さんに恋人が居ると、面白いの?」
「大人の恋人だったらそうじゃないけどね。でもお兄ちゃんくらいの人だったら面白いじゃない。凄く年下の恋人なんて普通じゃないもん。お兄ちゃんって高校生でしょ?」
「うん。まあ、そうだけど……」
 まるで他人事のように面白がっている様子に困惑しつつ、どうやらこの少女は感性が一般とは違っているのだな、と考える。さすが天才と呼ばれるだけあって、どこか常識がぶっ飛んでいるのだろう。
「そっかぁ、違うのかぁ……でもおかしいなぁ。てっきり恋人だと思ってたんだけどなぁ……」
 玲霞は納得いかない様子でぶつぶつ呟いている。
 そうしている姿も何とも可愛らしく、つい見とれてしまうほどだ。顔立ちが整っているだけに、どんな表情をしていても美しさを感じさせるためだろう。
「ね、それならさ、どうしてこの間ママの部屋でエッチしてたの? 恋人じゃないなら何で?」
(!……)
 不意に告げられた爆弾に息を飲む。
 一瞬、何故その事を知っているのか、と思ったが、すぐに当てずっぽうで述べただけなのではないかと思い直す。鎌をかけているだけとも取れるからだ。そうやって探っているのかも知れないのである。
 だとすれば今の反応はマズかったかも知れない。何しろいかにも図星、といった硬直をしてしまったからだ。
 実際玲霞は、満足そうな笑みを浮かべると、「やっぱりね」と小さく呟いている。
「あの日、ママの部屋でエッチしてたのってお兄ちゃんなんだね? ああ、誤魔化さなくていいよ。別に私は気にしてないから。ママだって女なんだし、男の人が欲しくなる時もあるだろうし、若い男の子ともエッチしたいって思う時もあるだろうから。私としては、ちょっと確認したかっただけなんだ」
 こちらが何か言おうとするのを遮り、玲霞は一気にそう告げてきた。
 小学生とは思えない内容に呆気にとられるが、芸能人であればそうした知識も得ていても不思議ではないのかも知れない。いや、最近の子供はみんなそうなのだろうか。
 何にせよ、こうなっては言い訳のしようがなかった。何とも上手い具合に聞き出されてしまったという感じだ。
「ママの部屋に、見えない壁を作ったのもお兄ちゃん?」
「!……」
 続けて発せられた予想外すぎる質問に、衝撃が走り抜ける。
 玲子とセックスしたまでは当てずっぽうで言えるにせよ、見えない壁、つまり部屋の結界について尋ねてくるなど、普通ではあり得ないからだ。
「作ったんでしょ? 壁を。お兄ちゃんが」
 玲霞はさらに一歩近づいてくると、確認するようにして尋ねてきた。
 クリクリとした黒い瞳に上目遣いで探るように見つめられ、小さく微笑むその顔にドキリとしてしまう。
 この年頃の少女だけが持つ、内に籠もった色気が感じられ、その事に心臓の鼓動が激しくなった。
(この子って、色っぽいんだ……)
 目の前の少女が、突如「女」を感じさせたことに驚きつつ、一方で何故結界の事を知っているのかと考えていく。
「触手のこと、私、知ってるよ」
 さらに告げられた言葉に、震えが走った。
 どうしてこの子はそこまで知っているのか。いくらなんでもあまりに知りすぎていた。まるであの場に居たかのようではないか。
 いや、居ただけでは触手や結界の事など分かるはずもないから、それ以上と言えただろう。
「ふふ、何で私が知ってるのか、教えて欲しい?」
 神治の反応が面白かったのか、玲霞は楽しげに微笑みながらそう尋ねてきた。
「これからうちに来てよ。そうしたら教えてあげるから」
 少し顔を近づけながら、囁くように告げてくるのにドキリとする。
 桜色の小さな唇が動くのに視線が集中し、心臓の鼓動が速まっていくのが分かる。
 相手は小学生の少女であるはずなのに、「女」としての淫靡さを感じたのだ。目の前のか細い肉体に、欲情を覚えたのである。
 無論これまでも小学生相手にセックスしてきた事を考えれば、そうした反応をしても何ら不思議は無いのだが、玲霞から感じているのは、幼い子供に対しているとは思えない色香だった。
 これも演技力ゆえのものなのだろうか。演技で色香を感じさせる女優などそれこそ多くいるのだから、天才である玲霞であれば、それを見事に演じていてもおかしくなかった。
「分かった。君のうちへ行くよ」
 動揺を隠しながら答えると、玲霞は満足げに頷いた。
「良かった。それじゃちょっと待っててね。マネージャーに伝えてくるから」
 玲霞は小さく手を振ると、マネージャーが居るらしき方へと足早に去っていった。
 その後ろ姿を見送りながら、何とも手玉に取られてしまったような気になってくる。
 結界や触手について言われた事で動揺したのはともかく、それらとは関係なく、話の主導権を握られていたように思えたからだ。
 そこら辺はさすが玲子の娘という事なのかも知れない。というより、女を感じたことで、圧倒されてしまったとも言えただろう。
(俺は気の強い女性には弱いからなぁ……)
 幼い頃から強気の姉や従姉と暮らしてきたせいか、そうした女性にはどうにも弱いのだ。
 玲霞は年下ではあるが、ある種の覇気のようなものが感じられ、それに圧されてしまったのかも知れない。
 幼い少女にそうなってしまった事に情けなくなりつつも、これは一生治らない部分でもあるだろうな、などと思う。
 それにしても、どうして玲霞は結界や触手のことについて知っているのだろう。
 玲子と自分との関係を問いただすために考えた、というには、あまりに突拍子なさすぎるため、やはり知っているからこそ口にした、とするのが妥当だった。
 玲霞は触手と何か関係しているのだろうか。
 あまり認めたくない推測だったが、母親の玲子が関係していた事を思えば、その娘の玲霞が同じであっても何ら不思議ではないのだ。
 何にせよ、そうした事もこれから彼女の家へ行けば明らかになるだろう。
 そう結論づけた神治は、少し離れたところで、「付いてきて」と手で示している玲霞に頷くと、撮影現場を後にするのだった。


 神治は、玲霞と共に車に乗り、彼女の家へと向かっていた。
 隣の席で運転しているのは、玲霞のマネージャーの女性だ。
 最初に紹介された際、見知った存在であったため驚いた。といっても直接面識があった訳ではなく、一方的にだが。
 彼女の名前は麻生那由花(あそうなゆか)。数年前までグラビアアイドルをしていた女性だ。かなりの巨乳である割に、童顔で大人しげな雰囲気を持っており、そのギャップで人気を得ていた人物である。
 性欲を強く刺激する豊満な肉体でありながら、攻撃的な感じが無く、求められたら断れなさそうなところが男の嗜虐的肉欲を擽るようで、マニア系の男性を中心に絶大な人気を博していた。
 神治にしても、童貞の頃は自慰の対象としてかなりお世話になった。
 グラビアの那由花の水着姿に、何度も精を放ったものだ。誘うようにポーズを取る魅惑的なその姿に、興奮しながら肉棒を擦ったのは懐かしい思い出だった。
 そんな相手がすぐ傍に居るというのは、恥ずかしさを伴う嬉しさを感じさせ、何とも落ち着かない気分にさせられた。
 玲子の時もそうだったが、童貞時代に自慰の対象とした相手に対しては、どうしてもそうなってしまうらしい。自分の初々しい部分を思い出させられるからかも知れない。
 少し前に引退したと聞いていたが、まさか玲霞のマネージャーをしていたとは知らなかった。
 年齢は二十代後半くらいだったろうか。相変わらずの童顔ではあったが、落ち着いた雰囲気が出ているせいか年相応にも見えた。
 スーツ姿であるのがよりそれを感じさせるのだろう。以前には無かった大人の魅力を漂わせているのが新鮮であり、胸元が大きく盛り上がっているのがたまらなかった。
「お兄ちゃん、那由花さんのおっぱいのこと考えてる? おっきいもんねぇ」
 後ろの座席から、乗り出すようして告げてきた玲霞の言葉に心臓が強く跳ねる。
 こちらの内心を見抜いてくるところは、やはり母親譲りなのだろう。
「もう、玲霞ちゃん。そういう事を言うの止めてって、いつも言ってるじゃないですかぁ。恥ずかしいんですよぉ」
 那由花は困ったような表情を浮かべ、身を縮めている。
 グラビアアイドルという肉体を主張する仕事をしていたのに、胸のことを指摘されてそうなるというのは面白かったが、印象通りの大人しい性格なのかも知れない。
 引退する前と変わらない少し舌っ足らずな口調に可愛らしさを覚えつつ、恥ずかしげな表情を浮かべている横顔に、以前には無かった大人びた雰囲気を感じてドキリとする。
 背中まで伸びた黒髪をかき上げる仕草にしても色っぽさを感じさせたため、童顔であってもやはり中身は大人の女性になっているのだな、と思った。
「いいじゃない。那由花さんのおっぱいは男の人の夢なんだから。みんな那由花さんのおっぱいに夢を見てファンやってたんだよ。夢を与えられるおっぱいなんだから、もっと誇りに思うべきだよ」
「そう言われるとそう思いますけどぉ。でも恥ずかしいものは恥ずかしいんですぅ……」
 那由花は困ったような口調で、微妙に体を震わせて呟いている。
 頬を赤くして泣きそうな表情をしているのがたまらず、思わずこのまま押し倒して無茶苦茶にしたくなるような衝動を覚えた。可愛らしい小動物を抱き締めたくなるのに似た、肉欲を刺激する弱々しさと言ったらいいだろうか。そうした感覚が起きたのだ。
「お兄ちゃんもやられちゃってるねぇ。これが那由花さんの凄さなんだよ。もう会う男の人全員、那由花さんに夢中になっちゃうの。目の前で大きなおっぱいが揺れて、それでこの可愛い喋り方でしょ。そりゃみんなイチコロなわけ。だから那由花さんの周りの男の人は、みんなニヤニヤしまくりなんだ」
「うう、否定できないですぅ。私と話す男の人って、みんなニヤニヤしてますからぁ。視線も胸にチラチラいきますしぃ。どころか凝視してる人も居ますしぃ」
「おっかないプロデューサーさんなんかも、那由花さんと話す時はニヤニヤしてるもんね。那由花さんが頼むと、ニヤけながら『いいよいいよ』って何でも頷いてるしさ。だから私の仕事のほとんどは、那由花さんのおっぱいのおかげで取れたようなもんなんだよ」
「そ、それは無いですぅ。仕事のほとんどはぁ、玲霞ちゃんの実力のおかげですぅ。私の胸のせいじゃありませぇん」
「事実なんだから否定しなくていいよ。実際他の人がマネージャーだったら取れなかった仕事って沢山あったし。そりゃ今は天才子役だって言われてるから、それで仕事もくるけど、そうなるまでは那由花さんのおっぱいのおかげなのがほとんどだからね。実際マネージャーが那由花さんに替わるまでは、私の仕事なんて全然無かったんだから。あの頃はママの娘だってのも隠してたし」
 そう言えば、玲霞が玲子の娘だという事は、玲霞が何かの映画で注目されてから公表されたような記憶があった。
 玲霞のような二世芸能人は、普通親の七光りで重要な役を得たりするらしいが、玲霞の場合はそういった事がなかったようなのだ。
 そう考えると、マネージャーが那由花に替わってから仕事が増えた、というのは、まさに彼女のマネージャーとしての能力が高いゆえ、という事になるだろう。玲霞は「おっぱいのおかげ」などと言っているが、いくら胸が魅力的だからといっても、そんな安易に仕事を得られるはずはないからだ。
 一瞬、「枕営業」といった言葉が浮かんだが、それは那由花に対して失礼だろう。そもそもこの純情そうな女性が、そうした事をやれるとも思えなかった。無理矢理襲われる、という事もあり得るだろうが、もしそうした事があったら、この性格からして、耐えられずに仕事を辞めてしまっている気がした。
「だから感謝してるの那由花さんのおっぱいには。毎日こうして拝んじゃうくらい」
 玲霞はそう言うと、那由花の胸に向かって両手を合わせている。
「もう、止めて下さいぃ。感謝してくれるのは嬉しいですけどぉ、それは止めて下さいぃ」
 本当に嫌そうな顔をしながら叫んでいる姿に、妙な可愛らしさを覚えて頬が緩む。
 那由花はこうした困った表情を浮かべていると、どうにも嗜虐的な悦びと癒しをもたらすように思えた。玲霞が面白がってからかっているのも、こうした反応が楽しくて仕方ないのだろう。
 そうしてしばらくの間、那由花がからかわれる形で雑談が続いていき、三十分ほど経った頃だろうか、車は目的地へと到着した。


 玲霞の家は、さすが父親が大企業の社長だけあってかなりの豪邸だった。
 こうした家を訪れることに慣れてきてはいたものの、やはり初めて訪れる場所となると少々緊張する部分があった。
 玲霞に促されて玄関の中へ入ると、那由花は「じゃあ、私はお茶を用意してきますねぇ」と言って、奥の方へと向かっていった。
 彼女はマネージャーだけでなく、この家の家政婦もしているらしい。玲霞の父親が仕事で忙しく、母親も不在であるため、公私ともにサポートしているという訳だ。
「私の部屋は二階だから。こっちだよ」
 そう言って階段を上っていく玲霞に続いて、神治も二階へと向かう。
 長い廊下の先にある一番奥の部屋まで着くと、玲霞はドアを開いて中へ入っていった。
「ここが私の部屋だよ。さ、どうぞ」
 室内は八畳ほどの広さで、ぬいぐるみなどが置いてある可愛らしい雰囲気の部屋だった。
 壁際にはベッドがあり、部屋の中央には小さなテーブルが置かれてあった。
 玲霞はテーブルの前のクッションを指し示すと、「ここに座って待ってて。私ちょっと着替えてくるから」と告げ、部屋から出て行った。
 一人残された神治は、改めて部屋の中を見回した。
 単に物珍しくしている訳ではなく、気になる事があったからだ。
 どうにもこの部屋へ入ってからというもの、妙な既視感を覚えていたのだ。これは見たことがある、以前来たことがある、といった想いが起きていたのである。
 改めて部屋の中を確認すると、やはりここへは来たことのある認識があった。
 だがその認識は、現実の経験によるものではなく、夢の中での話だった。
 先日見た玲霞が出てくる夢。あの時の部屋の様子とこの部屋の様子が、全く同じだったのである。
 これはどういう事なのだろう。もしやあの夢は、夢ではなかったという事なのだろうか。
 だがそのような事があり得るのだろうか。
 とはいえ、部屋の様子がここまで同じとなると、そうとしか思えなかったが。
 原因として考えられる事は一つあった。
 幽体離脱だ。
 あの時の自分は、まるで幽霊のようにドアを擦り抜け、この部屋の中へ入った。その事を、「幽体離脱したゆえ」として捉えるとしっくり来るのだ。
 以前幽体離脱をしたことがあったため、寝ている間にしてしまったとしても不思議ではなかった。自分には時々そうして無意識の内に力を使ってしまう事があるからだ。
 とはいえ、訪れた場所が、面識の無い玲霞の家、それも自分の家からかなり離れた場所である事を踏まえると、何故そうなったのかは謎だったが。
 そんな事を考えていると、不意に部屋のドアが開いた。
「あら? 玲霞ちゃんは居ないんですかぁ?」
 入ってきたのは、ティーカップの乗ったトレーを手にした那由花だった。
 その姿を見ると同時に、心臓がバクンっと跳ねる。
 何しろ彼女の服装が、実に性的な魅力に溢れている状態になっていたからだ。
 キャミソールにショートパンツというラフな格好なのだが、胸元が強烈に押し上げられ、生の乳房の谷間が少し見える状態になっていたのである。
 しかも膨らみの中心部分がプクッと少し膨らんでいる事から、ノーブラであるのが分かったのも大きかった。
「紅茶ですぅ。どうぞぉ」
 那由花は床に膝を突くと、テーブルにティーカップを置いていっている。
 前屈みになったため、キャミソールの隙間から生の乳房が覗き、心臓が激しく鼓動した。
 女性の乳房など見慣れているはずなのだが、相手が昔憧れたグラビアアイドルであるせいか、どうにも興奮してしまっていたのだ。
 何よりさすがと言うべきか、見事な大きさと美しい形の乳房であったため、見惚れている部分もあった。
 この乳房に顔を埋め、好き放題揉んだり舐めたり吸ったりしたら、どれほど気持ちがいいだろう。
 そうした妄想を膨らませながら、ジッと胸の谷間を見続けてしまう。
「あのぉ。さすがにそれだけ見られるとぉ、恥ずかしいですぅ……」
 小さな声で言われ、ハッとなって那由花の顔へ視線を向ける。
 彼女は頬を赤くしながら俯いていた。
 少しモジモジした様子が実に可愛らしく、思わず抱き締めたくなる衝動が起きてくる。
「あ、その……すみません……」
「い、いえ……慣れてますからぁ。大丈夫ですぅ……」
 慌てて謝ると、那由花は笑みを浮かべながらそう応えた。
 その様子も何とも可愛らしく、本当に押し倒したくなってきたため、慌てて意識をそらした。
「それじゃ私ぃ、用事があるんで失礼しますねぇ。ごゆっくりしていって下さぁい」
 那由花はニコリと微笑むと、立ち上がって部屋を出て行った。
 後ろ姿からも肉付きの良さが感じられ、特にぷっくりとした尻などにはたまらなさがあった。太ももも程良い太さと白さがあり、思い切り舐め回したい衝動を覚える。
(グラビアアイドル麻生那由花の凄さは、引退してなお健在ってところだな……)
 生の那由花と接した感想は、まさに「良質の女肉」という感じだった。
 スタイルの良い女性は多く居るが、男の欲情をそそる肉体をしているという意味で、彼女に勝てる女性はそうはいないだろう。それほどまでに魅力的な肉付きをしているのだ。
「お待たせ〜〜」
 勢い良くドアが開くと、今度は玲霞が部屋へ入ってきた。
 そしてその姿を見た瞬間、再びドキリとしてしまう。
 那由花と同じ、キャミソールにショートパンツという服装だったせいだが、興奮させられた理由としては全く異なる部分があった。
 那由花の場合は、その豊満な肉体に欲情を誘われた訳だが、玲霞の場合は、その華奢な体のラインに背徳的な欲望を呼び起こさせられたためだ。
 幼い肉体を陵辱したいとする、歪んだ衝動が湧き起こったのである。 
「あ、那由花さん紅茶入れてくれたんだ。私も飲もうっと」
 玲霞はそう言うと、神治の右斜め前の位置に腰を下ろした。
「あっ、零しちゃった。ティッシュティッシュ……」
 座る動作と同時にティーカップを手にしたせいか、紅茶が少し零れてしまったため、玲霞は慌てて少し離れた所にあるティッシュに手を伸ばしている。
 前屈みになったことでキャミソールの前がたわみ、隙間から微かな胸の膨らみが見える状態になった。
 ほんのりとしか肉の付いていないその丘陵は、少女らしい慎ましさと美しさがあり、大人の女性にはない幼さゆえの魅力を感じさせた。
「あ、見てるね。私の胸、見てるでしょ。ふふ、ロリコンだねぇお兄ちゃん」
「う……」
 クスクス笑いながら告げられるのに少々辛くなる。ロリコンだというのは事実であったが、面と向かって言われると耐え難かったからだ。
「ま、私のファンにも大人の男の人とか多いし、世の中ロリコンが多いって事だよねぇ。だから気にしなくていいと思うよ」
 追い打ちをかけるようにそう言われ、益々辛さが強まった。
「ふふ、何なら見せてあげようか? 見たいんでしょ私の胸。お兄ちゃんになら見せてあげてもいいよ」
 とんでもない事を告げてきたのに動揺してしまう。
 からかっているのは分かるのだが、そうであっても反応してしまうのは男の性、というかロリコンの性だろう。どこか期待しているのだ。
「って、冗談だよ冗談。本気にした?」
 こちらの反応を楽しげに見ながら告げてくるのに力が抜ける。
 玲子もそうだが、どうにもこの親子は人をからかうのが好きらしい。
「まあ、どのみちお兄ちゃんは、私の胸っていうか、裸、もう見てるしね。この間お兄ちゃんは、そこのドアの傍から、私とパパのことを見てた」
 ドアの方を指し示しながらそう告げてくる玲霞の顔を、神治は目を大きく開きながら見つめた。それは先日見た夢の内容だったからだ。
「最初は幽霊かと思ったんだけどね。ドアを擦り抜けてきたし、パパはそっちを見ても全然気づかないし。だから幽霊じゃないかなぁ、って。そしたら今日スタジオに居たからビックリしちゃった。幽霊じゃなくて、生き霊だったんだね」
 続けて告げられた内容は、やはり夢の内容と一致していた。
 こうなると、やはりあれは夢ではなく、幽体で体験した事だとする方が正しいだろう。
 そして幽体であった自分を、玲霞は認識していた。つまり彼女は異能の力を持っているという事になった。
「ね、あれって幽体離脱してたの? そういうのってよくあるの?」
 興味津々といった表情で、迫るようにして尋ねてくるのにドキリとする。
 キラキラとした瞳に見つめられ、その迫力に思わず身を引いてしまう。
「ねぇ、教えてよぉ。お兄ちゃぁん」
 こちらに身を乗り出し、甘えるように告げてくるのに心臓が激しく鼓動する。
 前屈みになったせいか、先ほどと同じくキャミソールの胸元がたわみ、微かな膨らみが目に映った。そして今度はその頂点にある可愛らしい突起までもが見えたため、動揺が激しくなった。
「ね、いいでしょぉ、教えてぇ」
 小首をかしげ、切なげな表情を浮かべながら上目遣いで促してくるのに、心臓が激しく鼓動していく。
 何という可愛さだろう。まさに小悪魔という言葉がピッタリの誘惑ぶりだった。
 大人の女性には不可能な、愛らしさで男を魅了し操る手管といった感じだ。これはロリコンの男であれば、一発で落ちるに違いない。
 先ほど車の中で「仕事を取れるようになったのは、那由花さんのおっぱいのおかげ」と言っていたが、玲霞自身の誘惑によっても得られているのではないだろうか。
 それほどまでにこの誘惑は、見事な小悪魔ぶりだったからだ。
「俺にもその、よく分からないんだけどね……まあ、幽体離脱してたのかも知れないかなぁ……」
 観念してそう告げると、玲霞は満足そうな笑みを浮かべて頷いた。
 その笑みには「してやったり」といった感じがあり、どうにも嫌な印象を覚えた。
 別に幽体離脱していた事を知られたところで問題はないのだが、玲霞には「言質を取られてはいけない」と思わせる雰囲気があったからだ。小悪魔の印象があるせいか、まるで悪魔と契約してしまったような、そんな不安を抱かせたのである。
「それで、どう思った?」
「え?」
「私とパパがエッチしてるの見て」
「どうって言われても……」
 本音であれば「何ら問題ない」と答えるところだが、さすがに一般社会、それも小学生相手にそう答えるのはどうかと思って躊躇する。
「親子でエッチしちゃってるんだよ? 普通じゃないでしょ? そういうのってどう思う?」
「まあ、無理矢理じゃなければ、いいんじゃないかなぁ、と……」
 社会常識と本心の間をとって、そう答えてみる。実際当人同士がそれでいいと思っているのならば、他人が口出しする事では無いからだ。
「へぇ、そうなんだ。ちょっと意外。てっきり『いけないことだ』って言ってくるかと思ったんだけど」
「まあ、世間ではそうだけど、俺は別にいいんじゃないかと思ったんで」
「なるほどね。でもさ、無理矢理じゃなくても、私みたいな小学生としちゃうってのはマズいんじゃない? そこら辺はどう思うの?」
「本人達が幸せなら、いいんじゃないかな」
「ふ〜〜ん、お兄ちゃんはそう考えるんだ。へぇ、面白いね」
 玲霞は楽しげに呟くと、嬉しそうに笑っている。
「じゃ、お兄ちゃんは、本人達が幸せなら、私みたいな小学生とエッチしちゃったりするんだ?」
 覗き込むようにして尋ねてくるのにドキリとする。
 相変わらず胸元からは可愛らしい膨らみが覗いている事もあり、今の言葉がまるで誘っているように聞こえてしまった。本来であればあり得ない事なのだが、すでに父親とセックスしている玲霞なら、そうとも言い切れないのではないかと思えたのだ。
「ね、教えて。私とでもエッチしちゃう? お兄ちゃんのオチンチンを、私に入れちゃう?」
 そう囁きながら、玲霞はこちらへ体を寄せてきた。
 可愛らしくも色っぽい笑みをたたえた顔が迫り、クリクリとした黒い瞳がジッと見つめてくる。
 その事に動揺しつつも、心の片隅で「またからかわれているでは?」という疑念も起きていた。
 何しろ玲霞は、そうしてからかって楽しむのを趣味にしているような所があったからだ。こちらが誘いに乗ったところで、「冗談でした〜〜」と笑いながら告げてくる可能性があったのである。
 そんな結果になるのはご免被りたかったため、今の状況から脱出しようと、体を少し後ろへ下げていく。
 だが玲霞が追いかけるように体を寄せてきたため、逆に先ほどよりも距離が縮まってしまった。
 接触せんばかりの位置に可愛らしい顔があり、どこか色気を感じさせる笑みが迫ってくる。
「いいんだよ、しても……私にエッチなこと、してもいいの……したくないの? ね、お兄ちゃぁん……」
 愛らしさに溢れた甘えた声が耳に響き、肉棒がグンっと力を増す。
 玲霞は小さな手をこちらの胸へ乗せてくると、甘えるように身を寄せ、首筋に息を吹きかけてきた。
 ゾクゾクっとした快感が走り抜け、肉欲が激しくたぎってくる。
 すでに肉棒は痛いほどに勃起し、ズボンの中でビクンビクンと震えていた。
「!……」
 不意に玲霞の手が股間に触れ、強く握ってきたため体が硬直する。
 そのままゆるやかに手を上下させ始めたため、快感のしびれが腰に走り抜けた。
「うふっ。お兄ちゃんのこれ、凄く硬ぁい……パパのより硬いよぉ。それにおっきい……」
 うっとりとした表情を浮かべながら告げてくる玲霞の顔には、妖しい雰囲気が漂っていた。
 とても小学生とは思えない色香が感じられ、異様ないやらしさを伴って肉欲を強烈に刺激してくる。
 呼吸が乱れて、今すぐにでも玲霞を抱き締めたくなっていく。
「ね、おちんちん見せて。いいよね?」
 玲霞は返事を待たずにズボンに手をかけると、ベルトとホックを外し、チャックを下ろしてしまった。
 まさかそこまでするとは思っていなかったため、呆然としながら見ていると、そのままパンツも引き下ろされてしまう。
 硬く大きく勃起した肉棒が顕わになり、脈打ちながらそそり立った。
「ふぁ〜〜、おっきぃ。やっぱり凄いねぇ。元気一杯でパパのとは違うよぉ。ピクピク震えてて凄ぉい」
「ぐっ……」
 そう呟きながら肉棒を掴んできたため、思わず呻いてしまう。
 可愛らしい手が肉棒に絡んでいるのが目に映り、その背徳的な様子に興奮が高まっていく。
「何か凄ぉい……お兄ちゃんのおちんちんって、触ってるだけで感じちゃうよぉ。おかしくなっちゃいそ……」
 大きな瞳を潤ませ、物欲しそうに肉棒を見つめている様子に、ゾクゾクとした興奮を覚える。
 不意にこちらへ顔が向き、「いいよね?」と確認するかのような笑みが浮かんだ、と思った瞬間、小さな唇が大きく開かれ、パクリと肉棒が咥え込まれた。
「うぅ……」
 予想した、いや期待した通りにされた事に悦びを抱きつつ、温かく湿った肉に一物が包まれる気持ちの良さにうっとりとなる。
 眼下では、幼い少女の可愛らしい口に醜悪な肉棒が収まっており、その淫猥な光景に背徳的な悦びが湧き起こった。
 玲霞は一旦口から肉棒を出すと、下から裏筋をなぞるように舐め上げ、亀頭を包む形で舌を這わせてきた。
 続けて再び咥え込むと、口内全体で擦るように激しく上下に動かしてくる。
「うっ……うくっ……」
 熟達した見事なフェラチオに、耐え難い射精感が押し寄せてくる。
 幼い少女に肉棒を咥えられているという背徳的な興奮と、芸能界での成功者である天才子役にされているという優越感が、抑えきれない性の衝動を生んでいた。
 この可愛らしい少女の口に、天才子役の口腔に、己が精液を注ぎ込みたい、飲ませたい。
 そうした爆発的な欲望が湧き起こっていたのだ。
「んぅっ、んっ……んぐんぐっ……んんっ……」
 チュウっと吸い付き、続けて小刻みに吸い付きを繰り返してくるのに、快感が強まっていく。
 幼い顔がいやらしく歪み、一生懸命といった感じで小さな頭が上下に動いていく様には、愛らしさと淫靡さの混じり合った興奮があった。
 これまでも小学生の少女にされる際は同じ感覚を覚えたが、特に玲霞はそれが強いように思えた。可愛らしさは同じだったが、妖艶さというか、大人びた色気のようなものがあるように感じられたからだ。
 それは何ともたまらない、歪んだ色っぽさだった。
「んっ……んんぐっ……」
 不意に玲霞の視線がこちらへ向き、切なげな顔をしながら上目遣いで見つめてきた。
 あまりに愛らしい、それでいていやらしい姿に、心臓が強く鼓動し、射精感が一気に高まっていく。
 その状態を見抜いたように長い吸引が行われ、腰の中身を吸い取られるようなその刺激に、我慢は限界に達していった。
「うぅっ……」
 呻くと同時に精が迸る。
 腰がガクガクと震え、ドピュドピュと、精液が放出されていく。
 玲霞は一瞬辛そうな表情を浮かべた後、嬉しそうな笑みを浮かべ、口内に吐き出される精を飲んでいっている。
 神治はその様子に、玲霞を支配している満足感を覚えつつ、数度射精を繰り返した後、ゆっくりと力を抜いた。
 ハァハァと呼吸を乱しつつ、実に気持ち良かったフェラチオにうっとりとなりながら、玲霞の頭を優しく撫でていく。
 キャミソールの片側の肩紐がずれ、鎖骨の辺りが全て晒されているのが目に映り、その肌の白さにドクンっと心臓が大きく跳ねる。
 こちらへ顔を向けた玲霞は、妖艶な笑みを浮かべると、起き上がってしなだれかかってきた。
 愛らしい幼い顔が迫り、瞼が閉じられ、唇に吸い付かれる。
「んっ……んふっ……」
 舌が入り込んできて絡みつき、口内を刺激してくるのに、肉棒があっという間に回復していった。
 小学生とは思えないねちっこいキスに頭が朦朧とし、逆に肉欲は激しさを増していった。
 欲しい。
 この少女が欲しかった。
 未成熟な小さな肉体を舐め回し、吸い尽くし、幼い割れ目に肉棒を押し込んで、思い切り擦り上げたかった。
 抑えきれない衝動が押し寄せ、理性が吹っ飛んでいくのが分かる。
 神治は鼻息を荒く吹き出しながら、玲霞の体を抱き締めると、そのままベッドへ押し倒していった。
「嫌ぁ……」
 玲霞が抵抗するような素振りをしたため、ゾクッとした興奮が湧き起こった。本気でないにせよ、嫌がる態度を取られたことで獣欲が刺激されたのだ。
 玲霞を支配せずには居られない、無理矢理にでも犯したい衝動が押し寄せ、頭の中が肉欲で一杯になっていく。
 涎と呻き声を漏らしながらキャミソールを引き下ろし、未成熟な肉体を顕わにする。
 真っ白な肌と薄い胸がさらけ出され、その少女らしい肉体に、背徳的な興奮が高まった。
 この幼い体を、これから自分は犯すのだ。
 そう思うと強烈な肉欲が湧き起こり、肉棒が痛いほどに勃起した。
 眼下では、玲霞が潤んだ瞳でこちらを見上げ、困ったように体をクネクネとさせている。
 胸元の微かな膨らみの頂点では、可愛らしい突起がプクッと立っており、まるでこちらの愛撫を待っているかのように見えた。
 たまらない。
 たまらなかった。
 このような愛らしくも淫らな肉体を、抱かずにいるなど不可能だろう。
 神治は押し寄せる衝動に流されるまま、幼い乳首に唇を押しつけていった。
「あっ……やっ、あんっ……」
 チュウっと強く吸い上げると、玲霞が可愛らしい声をあげた。
 それは何とも甘く、下半身に響く音色であり、肉棒がさらにいきり立った。
 強い衝動にせっつかれるようにして、小さな突起を舌先で転がし、何度も吸うのを繰り返していく。
 ほとんど膨らみの無い胸を押しつぶすように舐め回し、空いている方の乳首を指で摘んでは捻る。
「やんっ……やぁっ……あっ、ああっ……」
 玲霞は小刻みに体を震わせ、可愛らしい喘ぎを発し、幼い体を突っ張るようにさせて悶えまくっている。
 父親とのセックスで、すでに男の愛撫に慣れた肉体は、実に敏感でいやらしかった。反応が良いだけでなく、その表情や喘ぎ声、仕草それぞれが、男の肉欲を刺激するものになっているのだ。
 これまでもセックスに慣れた小学生を多く抱いてきたが、これほど魅了される少女というのも初めてだろう。
 何しろとにかく犯さずには居られない、激しい衝動を引き起こす魅力に溢れていたからだ。
「あっ、ああんっ……やっ、やぅっ……んっ、んふぅっ……」
 細い首筋に舌を這わせ吸い付き、続けて愛らしい唇を舐め回していく。
 舌を口内に送り込み、顔を左右に入れ替えて荒々しいキスを繰り返す。
 しばらくして唇を放し、玲霞の顔へ視線を向けると、呼吸を乱して朦朧とした表情を浮かべて脱力している姿が見えた。
 その様子には、雄の支配欲を強く刺激し、今己が抱いている女体を、無茶苦茶にしたいとする衝動を強烈に高めるものがあった。
 呼吸を荒げながら、腰の辺りで丸まっているキャミソールとショートパンツに手を掛け、下着ごと脱がしてしまう。
 眼下には、靴下だけを身につけた裸の美少女がベッドに横たわっていた。
 その姿はあまりに無防備であり、強い庇護欲を呼び起こした。
 そしてそれとは逆に、弱々しさゆえに蹂躙したいとする衝動も強く湧き起こり、嗜虐的な肉欲が爆発的に高まっていった。
 白く細い太ももを両手で掴むと、グイっと左右に広げる。
「いやぁ……」
 恥ずかしそうに玲霞が顔を赤らめるのに、ゾクッとした興奮を覚えつつ、秘所へと顔を近づけていく。
 そこには綺麗なピンク色の割れ目があった。
 まるで処女のような状態の秘所に指先を這わせ、なぞるように刺激を与えていく。
「あっ、あぁっ……」
 玲霞が可愛らしい声を発しながら、小さく震えを走らせて悶える。
 潤んだ瞳がこちらを見上げ、困ったような表情を浮かべる姿は、実に愛らしく、犯したくてたまらない衝動を呼び起こした。
 肉棒はすでに勢い良く勃起しており、今すぐにでも入れたくて仕方のない状態になっていた。
 神治は服を一気に脱ぎ捨て裸になると、屹立した肉棒を持ち、ゆっくりと秘所へ近づけていった。
 ズプッ……。
 膣穴に肉棒が入り込んだ瞬間、強烈な気持ち良さが押し寄せ、そのたまらない快楽に一瞬意識が真っ白になる。
 これは極上な膣だった。
 入れただけでこれほどの快楽が味わえるなど、あまりに素晴らしすぎた。
 さらにズブズブと押し込んでいくと、膣襞が強烈に絡みつき吸い付き、ウネウネと蠢いて刺激を与えてくるのに、腰が抜けそうなほどの気持ちの良さを覚える。
 唇が緩み、思わず涎が垂れそうになるのを抑えながら、最後まで肉棒を押し込んでいく。
 そこで一旦動きを止めて大きく息を吐き出し、視線を玲霞へと向ける。
 そこには悩ましげに眉根を寄せ、困ったような表情であらぬ方向を見ている少女の姿があった。
 幼い顔に、か細い体、そして薄い胸の膨らみが目に映ると、今自分が小学生の少女と繋がっているのだという認識を覚え、背徳的な興奮が湧き起こった。
 膣内の肉棒は強く締め付けられつつも、さすが経験者だけあって男を取り込むような蠢きを感じさせ、それが実にたまらない快感となっていた。
 まだ小学生だというのに、これほどまでに気持ちの良い膣の持ち主というのは、緋道村でもそうは居ないだろう。
 元々性的な事に才能のある肉体だったのかも知れない。
 玲霞の父親が夢中になってしまうのも納得だった。
「あっ、あっ、ああっ……」
 ゆっくり腰を動かし出すと、桜色の唇から甘い吐息が漏れ始め、小さな手がシーツを掴んで震えを走らせた。
 徐々に速まっていく前後運動に、薄い胸の膨らみが揺れ、その様子に幼い少女との行為に対する卑猥さ背徳さを強く認識し、興奮が強まっていった。
「あんっ、ああっ……やっ、やっ、やぁんっ……」
 突き込みに合わせて甘い喘ぎが部屋に響き、その可愛らしくもいやらしい声に肉棒がグンっと力を増していく。
 膣内の刺激は、擦れることで極上さを強め、意識が飛びそうになるほどの良さをもたらしていた。
 これは予想外の素晴らしさだった。
 ここまで玲霞の肉体が良いとは思ってもみなかった。
 天才子役を抱く、というブランド的興奮だけでなく、純粋な肉体の気持ち良さでも楽しめるとは、嬉しい誤算と言えただろう。
 玲霞は女体として、最高の資質を持った存在だったのだ。
 そんな少女と知り合え、さらにセックスを出来ているとは、何と幸運な事だろうか。
 快楽で朦朧とし始めている頭でそんな事を考えながら、さらなる気持ちの良さを味わおうと、腰を前後に激しく動かしていく。
「ああぅっ……あっ、ああっ……おにぃ、あっ……おにぃちゃぁんっ……」
 潤んだ瞳でこちらを見上げ、もっとしてとばかりに呼びかけてくる声に、心臓が鷲掴まれるような感覚を覚える。
 玲霞の淫靡さを含んだ甘え声には、男を狂わす力でもあるのかと思えるほどに、たまらないものがあったからだ。
 自然と腰の動きが速まり、これでもかとばかりに肉棒を叩き付けていく。
「ああっ、もっと……もっとだよぉ、あっ、あんっ……お兄ちゃんの全部、ああっ……お兄ちゃんの全部を私に、あんっ……私に頂戴ぃっ……」
 か細い腕が背中へ回り、グイッと引き寄せられる。
 体の前面が玲霞の肉体に触れ、その少女らしい滑らかな肌と擦れることで、ゾクリとするような快感が走り抜けた。
 大人の女性相手では味わえない、少女特有の肌の気持ち良さ。これがあるから幼い少女とのセックスはたまらなかった。
 触れているだけで狂いそうになるこの肌の心地良さは、青い果実ですらない年齢にしか存在しない素晴らしさと言えただろう。
 たとえロリコンではない男であっても、一度この心地良さを味わってしまえば、虜となるのは必然だった。まさに魔性と言うべき恐るべき魅力があるのだ。
 そして玲霞の肉体は、その魔性さが強烈であるように思えた。
 とにかく気持ち良くてたまらないのだ。この肌に触れているだけで、蕩けてしまうほどの良さがあったのである。
 その上、膣内の感触も最高であり、元々美少女である事も相まって、狂わんほどに求めてしまう衝動が起きていた。
 これほどの素晴らしさでは、玲霞の父親が、近親相姦を止められなくても当然だったろう。実の娘であろうとも、この肉体であれば、虜になってしまっても何ら不思議はなかったからだ。
「やぅっ、やっ、やぁんっ……もっとぉ、はぅっ……もっとお願い、あっ……お兄ちゃんのもっとぉ、ああっ……もっともっと欲しいのぉっ……」
 か細い両脚が腰に絡みつき、グイッと引き寄せられると、肉棒がさらに奥へ入り込んでいった。
 瞬間、膣がキュウっと締まり上がり、蕩けるような快感が脳へ走り抜ける。
 強烈な気持ち良さに惚けたように口を開き、あらぬ方向を見上げながら腰を前後に激しく振っていく。
 凄く良かった。
 玲霞の肉体は本当に素晴らしかった。
 考えてみると、ほんの少し前までは面識すら無かったのだから、セックス出来ているなど、やはり幸運過ぎるとしか言いようがないだろう。
 何しろ相手はただの少女ではない。今世の中でもてはやされている天才子役の矢切玲霞なのだ。多くのロリコンがその体を求め、抱きたいと欲している少女なのである。
 それを自分は自由にしている。
 何と凄いことだろう。
 強烈な優越感が押し寄せ、肉棒がいきり立ち、腰の動きに力が入っていく。
 芸能人を抱くようになってから経験するようになったこの感覚は、思っていた以上にたまらないものがあった。
 やはり多くの男が欲する女性を抱いているという実感が、生殖本能を強く刺激するのかも知れない。
 多くの男が種付けしたいと望み、そうは出来ないでいる女性に精を注ぎ込める。
 それは男として、まさに理想とも言うべき状況と言えただろう。
「ああっ、あっ……いいよぉ、あんっ……いいの、ああっ……パパのより凄い、あっ……お兄ちゃん、パパより凄いのぉっ……」
 まるでこちらの想いを見抜いたかのように、玲霞がさらに優越感を刺激する言葉を発した。
 普段抱かれている父親より神治の方が優れていると、男として上であると、そう暗に示す言葉を告げてきたのだ。
 それはまさに、父親から玲霞を奪い取ったように思えて最高だった。
「玲霞ちゃんっ……うぅっ……玲霞ちゃぁんっ……」
 玲霞に対する愛おしさが爆発的に高まり、彼女の名前を叫びながら激しく腰を叩き付けていく。
「お兄ちゃん、ああっ……おにぃ、ああっ……凄い、ああっ……凄いよぉっ……」
 小さな頭を左右に振り、短い髪を乱しながら、玲霞は悶え狂った。
 綺麗な顔がいやらしく歪み、甘ったるい喘ぎを何度も漏らしながら、与えられる快楽に狂ったように体を震わせている。
 それは完全に玲霞を支配下に置いているように思え、強烈な満足感と精神的快楽を呼び起こすものがあった。
 その想いに合わせるように肉体の快楽も高まり、射精感が限界一杯になっているのが感じられていく。
「ああっ……わたし駄目、あっ……わたし駄目なのぉ、あっ、ああっ……もう、あんっ……もうイく、やっ、やぅっ……もうイっちゃうからぁっ……」
 それまで以上に強くしがみつきながら叫んでくる玲霞の姿がトドメだった。
 もう後が無いと思った神治は、このまま一気に射精するのだと、腰の動きに力を入れていった。
「あっ、あっ、ああっ……イく、あっ……イく、ああっ……やっ、やっ、やぁああああああああんっ!」
「うぅっ!」
 玲霞の絶叫と体の硬直を合図に、神治も肉棒の栓を開放した。
 ドピュっ、ドピュっ、ドピュドピュドピュっ……。
 律動と共に精液が迸り、脳へ快楽の塊が打ち上げられていく。
 頭が気持ちの良さで一杯となり、意識が真っ白となって訳が分からなくなる。
 何かが吐き出され、何かが入り込んでくるようなおかしな感覚が押し寄せ、終わることのないような射精が繰り返されていった。
 どれほど経ったろうか。いつもより長く射精していたような時間が過ぎた後、ようやく意識が戻った神治は、力を抜いて玲霞の体へ倒れ込んだ。
 まだ硬さはあるが、柔らかくもある少女特有の女肉の感触にうっとりしながら、その愛らしい肉体を抱き締める。
 ハァハァと呼吸を荒げつつ、玲霞を己の物とした実感に浸っていく。
「お兄ちゃぁん。ふふ、気持ち良かったよぉ」
 玲霞はそう言いながらギュッと抱き付き、甘えるように顔を擦り付けてきた。
 その何とも可愛らしい仕草に、心臓の鼓動を高めながら優しく頭を撫でてあげる。
「ね、お兄ちゃんはどうだった? 私の体、気持ち良かったぁ?」
「気持ち良かったよ。玲霞ちゃんの体は凄いな」
 これはお世辞ではなく本当のことだった。
 多くの女性を抱いてきた経験からしても、玲霞の肉体はかなり上位に含められる気持ちの良さだったからだ。
「そうなんだ。それじゃ、もっとしようよぉ。私、お兄ちゃんにもっともっと抱かれたい。こんなに気持ちいいの初めてなんだもん」
 こちらを見上げながら、可愛らしく告げてくるのに肉棒がビクンっと反応を示す。
 今や玲霞の言動一つ一つが、神治を興奮させる要素になっていた。とにかく愛おしくてたまらないのだ。
「あ、今のはパパには内緒だからね。言ったら落ち込んじゃうから。でもお兄ちゃんの方がおちんちんもおっきいし、エッチも上手いから仕方ないよね」
 いたずらを誤魔化すような口調で言いつつ、肉棒をギュッと掴んできたため体が硬直する。
「ふふ、もうこんな硬くなってる。こういうところもパパより凄い。これなら何回でも出来るよね」
 うっとりとした笑みを浮かべながら、ゆるゆると肉棒をしごいてくるのに気持ちの良さが湧き起こってくる。
「ね、早くしよ。私したくてしたくてたまらないの……」
 切なげな表情を浮かべ、甘く囁いてくる姿に鼻息が荒くなる。
 とても小学生とは思えない色香を漂わせている姿に、平常な状態でいられるはずもなく、神治は勢い良く体を起こすと、幼い肉体に再びのし掛かっていくのだった。


「あっ、あっ、ああっ……」
 可愛らしい喘ぎが部屋に響いていた。
 ベッドの上で四つんばいになった玲霞のか細い腰を持ち、背後から肉棒を叩き付けていると、彼女の体の小ささがより実感できて興奮を誘った。今自分は小学生相手にセックスしているのだという想いが押し寄せ、背徳感が高まるのだ。
 あれからもう何度玲霞を抱いているだろう。
 射精を終えるたびに求められ、いや、自らも欲して繰り返し抱いていた。
 最初は回数を数えていたが、その内分からなくなり、とにかく彼女が欲するのを止めるまでは続けようと抱いていたのだ。何しろ玲霞の体は凄く気持ちが良く、出来ればいつまでも抱いていたかったからである。
 今の自分は、セックスにのめり込んでしまっていた。
 とにかく玲霞の体を貪りたくてたまらず、その胎内に射精したくてたまらず、欲望に流されるまま、何度も何度もその幼い肉体を味わっていたのだ。
「やんっ、やっ……はぅっ、はっ、はぁんっ……」
 肉棒を突き込むたびに小さな頭が跳ね上がり、か細い体がガクガクと震えを走らせる。
 まだ丸みの薄い尻を撫でながら、さらに強く腰を振ると、玲霞は「ああんっ」とより大きな喘ぎを漏らして腕を崩した。
 上半身をベッドへ押しつけ、下半身を持ち上げたその姿勢は、彼女を支配している感覚を強め、肉棒の猛りが激しさを増した。
 この少女をもっともっと己に従わせるのだ、という欲求が高まり、獣欲が満ちていく。
「ああっ、あんっ……やんっ、やんっ、やぁんっ……あぅっ、あぅっ、あやぁっ……」
 ズンっ、ズンっ、と強く肉棒を叩き付けていくと、玲霞は泣きそうな声で喘ぎながら、それでいてもっとして欲しいと言うように甘ったるく悶えた。
 白い肌は桜色に染まり、小さな体がいやらしくくねっている。
 シーツを掴んで引き寄せ、イヤイヤといった感じで頭を振り、短い髪の毛を揺らして乱れるその様は、とても小学生の少女とは思えない淫蕩さがあった。
 だがそれゆえに見た目とのギャップから、強烈ないやらしさを醸し出す要因ともなっており、肉棒がいつまでも猛るのを止めなかった。
 本来性行為をしてはならない年齢の少女。
 その未成熟な肉体を好き放題舐め回し、吸い尽くし、肉棒を押し込んで何度も精液を注ぎ込む。
 幼い顔を快楽に歪ませ、愛らしい唇から淫靡な喘ぎをあげさせまくる。
 何と許されざる行為をしているのだろう。
 小学生の少女を犯すなど、まともな人間のする事ではなかった。
 だがそう認識すればするほど、肉棒は猛り、肉欲は爆発した。
 抑えきれない衝動が押し寄せ、幼い秘所を貪らずにはいられなくなった。
「やっ、やぅっ……あんっ、あんっ、ああんっ……」
 肉棒を突き込むたびに体をヒクヒクと震わせ、与えられる快楽を耐え難いようにして悶える姿に、強烈な嗜虐心が起きてくる。
 幼い少女を無茶苦茶にしていく快感。
 圧倒的な力で、小さな体を、幼い精神を蹂躙していく快楽。
 それは成人女性相手では味わえない、背徳的な悦びだった。
「ああぅっ、あっ……やっ、やっ、やぁっ……」
 玲霞は息も絶え絶えに、与えられる快楽に振り回されるようにして喘ぎ悶えている。
 すでに心も体も快楽で一杯で、何も認識できていないのだろう。
 与えられる刺激、肉棒と擦れるその感触のみが、玲霞の全てに違いなかった。
 少女を完全に支配している実感が押し寄せ、歓喜の想いに満ちていく。
 射精感が限界まで高まり、精液を注ぎ込みたくてたまらなくなった。
「ああっ、あっ、あんっ……はぅっ、はっ、はぁんっ……やっ、やっ、やぁあああああああああっ!」
「うぅっ!」
 玲霞の絶叫の声に合わせて精を放つ。
 ドクドクドクと放出されていく精液を感じながら、押し寄せてくる快楽に身を委ねる。
 他に何も考えず、快楽だけで一杯になりながら腰を動かし、射精を繰り返していく。
 まさに性の快感だけが全てだった。
 玲霞に精液を注ぎ込むことだけが己の存在意義であるかのように、神治は何度も何度も射精を繰り返していった。
 少しして精を放ち終えると、力を抜いてベッドの上へ腰を落とす。
 呼吸を整えながら玲霞の様子を見ると、彼女は四つん這いで下半身を掲げた体勢のまま、小さな肩を揺らして荒い呼吸を繰り返していた。
 その卑猥な姿に、腰の後ろ辺りがドクンっと反応を示し、肉欲が湧き起こってくるのが感じられた。
 一物が痛いほどに勃起し、早く玲霞の中へ戻せと言わんばかりに震えを示していく。
 先ほどからこれの繰り返しだった。射精を終えても、玲霞の姿を見ると、抑えられない衝動が押し寄せてくるのだ。
 何といやらしい少女なのか。
 抱く前もそう思ってはいたが、まさかこれほどまでに男を魅了する資質の持ち主とは思ってもみなかった。一旦抱いてしまえば、止められないほどに求めてしまうのだ。
 今も「もう一度」という想いが押し寄せ、意識せずとも玲霞の腰を再び掴んでしまっている。
 またあの気持ちのいい場所へ肉棒を突き込みたい。
 温かで湿った柔肉へ、もっともっと肉棒を擦りつけたい。
 そうした衝動に押されるまま、ゆっくり膝立ちになると、すでに硬くなっている肉棒を手に持ち、再び秘所へと押し込もうとした時だった。
 トントン。
(!……)
 不意に聞こえたノックの音に、心臓が大きく跳ねて体が硬直した。
 誰か来たのだろうか。
 もしかして那由花だろうか。
 この家には彼女も居るのだから、いつやって来てもおかしくないのだ。
 その事を忘れてセックスに夢中になっていたとは、あまりに愚かすぎる行為だろう。
 何より玲霞は小学生なのだから、高校生が小学生相手にセックスしているなど、犯罪行為になるのである。この状況を見られたら、ただでは済まないのは明らかだった。
 どうすればいいだろう、と誤魔化す思考が働く暇も無くドアがゆっくりと開いていき、那由花が入ってくるのが見えた。
 もうお終いだった。これで自分は小学生を襲った犯罪者として訴えられるのだ。
「あのぉ、玲霞ちゃん。ちょっといいですかぁ?」
 だが予想に反し、那由花はのんびりとした口調で、まるで何事も無いかのように話しかけてきた。
 その事に逆にギョッとなる。この状況を見て平然としているなどおかしすぎるからだ。
「何なのぉ? 今凄くいいところなんだけどぉ」
 玲霞も何も気にした風もなく、暢気に返事をしている。
 ゆっくりと体を起こし、伸びをしながら那由花の方へ顔を向ける様子は、ちょっと昼寝していたところを起こされた、という感じでしかなかった。
「ご主人様が呼んでますぅ。玲霞ちゃんに用事があるそうですよぉ」
 那由花は申し訳なさそうに告げると、困ったように笑みを浮かべている。
「パパが? もぉ、私が楽しんでるって分かってるのに、何で呼ぶかなぁ。那由花さんじゃ駄目だってぇの?」
「そのぉ、思ったよりも調子良かったのでぇ、最後は玲霞ちゃんにして欲しいそうですぅ」
「ったく、しょうがないなぁ。分かった行くから」
 玲霞は少し不満そうな口調で告げると、のろのろとベッドから降りた。
「ごめんね、お兄ちゃん。いいところだったけど、パパに用事頼まれちゃった。一旦休憩ってことで待ってて。すぐに戻ってくるから」
 とろんっとした笑みを浮かべながらそう謝罪してくるのに、訳が分からず機械的に頷き返す。
 それを確認した玲霞は、もう一度「ごめんねぇ」と告げると、のそのそした動きで部屋から出て行った。
 服を一切身につけず、裸のままなのだが良いのだろうか。父親と言えど、裸で会いに行くなど普通あり得ないからだ。
 というより、父親は家に居るのだろうか。だとすればかなりマズいことになるのだが。
 いや、電話やメールという可能性もあったから、そうとは限らない訳だが。
「お邪魔してしまってすみませぇん」
 相変わらずののんびりとした口調で告げてくる那由花に呆気にとられる。何故彼女は今の状況について何も反応しないのだろう。
 こちらは裸でベッドに座っているのであり、つい先ほどまで玲霞とセックスしていたとしか思えない状態なのだ。動揺しまくり、嫌悪感を抱くのが普通だろう。しかしそうした様子が全く無いのである。
 もしかして、こういう事はしょっちゅうあるのだろうか。
 つまり玲霞は家でよくセックスをしていて、その現場を見ることなど日常茶飯事になっているとか。
 実際父親とセックスしているのだから、そうであっても不思議ではなかったが。
 とはいえ、初対面の相手としているとなれば、また別の話になる訳だが。
 もしや他の男ともしているのだろうか? 父親だけでは満足出来ず、男を連れ込んでセックスしている、といったように。
 そうだとすれば、いきなり誘惑された事にも納得出来た。
 まるで欲求不満の熟女みたいだが、小学生だからといってそうならないとは限らないのだ。事実最近知り合った沙璃香などは、幼い頃から性欲が旺盛で、実の兄とセックスをしていたそうだし、それが高じて乱交場を作ったくらいなのだから。
「ホントすみませぇん。せっかくお楽しみでしたのにぃ」
 そんな事を考えていると、那由花が申し訳なさそうな様子で謝罪してきた。
 玲霞とセックスしていた事を理解し、その上で邪魔した事を詫びているのだ。彼女にとり、玲霞が誰かとセックスしている状況は、やはり当たり前になっているという事なのだろう。
「あのぉ、何か飲み物でもお持ちしましょうかぁ?」
 そんな事を口にしながら、ゆっくりと近づいてくる那由花に目が釘付けになる。何しろ薄着であるため、その豊満な肉体が強く意識されたからだ。
 胸元の膨らみと、美麗な腰の凹凸、そして肉付きの良い白い太ももが、強い刺激となって肉欲を昂ぶらせてくる。
 さらに動くたびに二つの大きな塊が、ぷるんぷるんと揺れるのが、震えるほどの興奮を呼び起こし、唾をゴクリと飲み込んでしまった。
 中学時代に憧れ、自慰の対象としていた肉体がすぐ傍に存在している。
 それだけで興奮は高まり、股間の一物が力を持ち始めているのが感じられた。
 裸の状態であるため、その部分が丸見えになっている訳だが、那由花は気づいているのかいないのか、いつもと変わらぬのんびりした雰囲気で目の前に立っていた。
 すぐそこに憧れの乳房が存在している事に、さらに肉棒が硬く大きくなっていく。
 グラビアで何度も見てきた胸の谷間が至近距離に存在している状況は、思っていた以上に刺激を感じさせ、さらにグラビアと違って肉感が強いため、強烈に女肉の魅力が醸し出されており、むしゃぶりつきたい衝動でおかしくなりそうだった。
 つい先ほどまでセックスしていた事もあり、抑えの効かない状態になっているのが分かる。
 玲霞を散々抱いていた後である訳だが、それは未成熟な肉体を蹂躙する欲望であったため、女肉の塊と言える那由花の体に対しては、異なる欲求が生まれていた。
 この理想的な肉に包まれ、圧迫され、擦られ、精を迸らせたい。
 そうした狂わんほどの肉欲が押し寄せていたのだ。
「どうしますぅ? コーヒーでいいですかぁ?」
 目線を合わせる感じで前屈みになって尋ねてきたため、胸の谷間から覗く生の乳房の範囲が広がり、その事に肉棒がドクンっと反応を示す。
 そしてその鼓動は一度で終わることなく、ドクンドクンと続いていった。
 腰の後ろ辺りが熱くなり、肉棒が痛いほどに勃起し、落ち着かない衝動が体中を包み込んでいく。
 犯したい。
 那由花を犯したかった。
 この理想的な、憧れの肉体を己のものにしたかった。
 脳内に肉欲が浸透し、理性を駆逐していく。
 意識が朦朧とし、目の前の女肉だけが認識されていった。
「那由花さんっ!」
 叫ぶと同時に立ち上がり、豊満な肉体に抱き付いていく。
 瞬間、体の前面に女肉が溢れ、柔らかくも弾力のある感触が認識され、その蕩けるような心地良さにうっとりとなった。
 抱き締めているだけで勃起がさらに硬くなり、思わず肉棒を押しつけ、擦るようにしてしまう。
「ひゃ、だ、駄目ですぅ。そんな事しちゃ駄目ですよぉ」
 那由花は恥ずかしそうに叫ぶと、体を硬直させ、顔を赤くしながら視線をあらぬ方向へ向けている。
 だが逃げようとする動きはせず、少し身じろいだ程度だ。
 目の前で唇が小さく震えており、その美麗な造形にゾクゾクとした劣情が湧き起こった。
 見ているだけで肉欲が刺激され、無性に吸い付きたくてたまらなくなった神治は、衝動のまま唇を押しつけていった。
「んっ……んんっ……」
 荒々しく唇を擦り付け、舌を押し込んでいくと、那由花は逃れようと激しくもがいた。
 それを抑えるために強く抱き締め、奥で縮こまっている舌に絡ませて吸い上げつつ、顔を左右に入れ替え、ねちっこいキスを繰り返していく。
「んふっ……んっ、んっ……んんぅっ……」
 口内を舐め回し、刺激を与えるのを続けていくと、那由花の体から徐々に力が抜けていくのが感じられた。
 完全に抵抗が止んだ後、唇を放しながら、ゆっくりとベッドへ腰を下ろさせる。
 那由花はボーッとした表情を浮かべたまま、荒い呼吸を繰り返していた。
 少し上気した顔が何とも色っぽく、肉付きの良い体が脱力して座っている様子にはいやらしさが溢れていた。
 特に胸元の大きな膨らみはそれが顕著で、今すぐにでもむしゃぶりつきたい衝動を呼び起こした。
 もう我慢できないとばかりに手を伸ばし、その豊満な乳房を鷲掴む。
「あっ……」
 小さく漏らした吐息を耳にしながら、神治は手のひらに起きた感触にうっとりとなった。
 柔らかくも張りのあるその弾力は、実に理想的な乳房の感触だったからだ。
 意識せずとも手が勝手に動き、ムニュムニュと乳房を揉みしだいていく。
「あっ、やっ……駄目ですぅ、あっ……そんな事しちゃ、ああんっ……」
 制止してくる声が聞こえるが、その程度でこの気持ち良さを手放す事など出来なかった。
 何しろ中学時代、ずっと憧れていた乳房なのだ。グラビアを見ながら何度もこうする事を夢見、叶わないことだと諦めていた行為をしているのである。
 まさに今の自分は、至福の時を得ていると言えただろう。
「ああっ、あんっ……やっ、やだぁっ……あんっ、止め、ああっ……」
 後ろに回り込み、背後から両手で包むようにして双乳を揉みしだいていくと、那由花はさらに可愛らしく喘いだ。
 手のひらにはぷよんっとした心地良い感触が溢れ、少し力を込めると指が食い込むが、すぐに押し返してくるのに、痺れるような快感が起きる。
「あっ、やんっ……駄目、駄目ですぅ、あっ……そんな駄目、あぅっ……胸を揉んじゃ嫌ぁ……」
 体を小刻みに震わせ、顔を真っ赤にしながら困ったように喘ぐ那由花の姿は、強烈に肉欲を刺激してたまらなかった。
 手を動かすたびに豊満な乳房が形を変え、その事で益々揉む行為に力が入っていく。
 那由花の唇からは甘い吐息が漏れ続け、刺激に反応するように震えるその様は、強烈に嗜虐心をそそった。
「やっ、やんっ……そこ駄目、あっ……駄目なんですぅ、やっ、やぁんっ……」
 キャミソールの上から乳首を摘み、クニクニと捻るようにすると、那由花は頭を仰け反らせ、悶え喘いだ。
 少し揉む強さを変えるだけで反応が変わるその敏感さは、支配欲を刺激し、もっと自分に従わせたい想いを強めていった。
「駄目、駄目ですぅ、ああんっ……そんなにしたら、あっ、ああっ……やだぁっ……」
 可愛らしく喘ぐ姿に揉む行為に熱が入り、緩んでいたキャミソールの紐が肩から外れていくのが見える。
 その様子に色っぽさを覚えつつ揉むのを続けていくと、徐々にキャミソールがずり落ち、乳房の全てが顕わになっていった。
 グラビアで何度も見たことのある美麗な造形が、何も隠すものの無い状態で今目の前に存在していた。
 初めて見る乳首は、想像していた以上に美しい色と形をしており、そのたまらない光景に興奮が高まっていく。
 何と美しくもいやらしい膨らみなのだろう。
 この肉の塊は、男の性欲を高めるために存在しているとしか思えなかった。
 これを自由に出来るとは、何と幸せなことだろうか。
 神治は強い幸福感に包まれながら、鼻息を荒くし、いよいよとばかりに生の乳房を直接鷲掴み、揉みしだいていった。
「やっ、やぁんっ……もう止め、ああっ……止めて、ああぅっ……やっ、やぁっ……」
 制止してくる言葉を無視して揉み続け、那由花の乳房を思う存分堪能していく。
 今自分は、グラビアアイドル麻生那由花の、生の乳房を見、揉んでいるのだ。
 それは中学時代に夢見た状況であり、その事に強烈な幸福感が起きてくる。
 さらにはグラビアでは見たことのなかった乳首が、目の前に零れ出ているとなれば、感動はひとしおだった。
 揉むたびに位置を変えるピンク色の突起は、想像していた以上に綺麗であり、そのプクッとした形状も、実に吸い付きたい衝動を呼び起こすものになっていた。
 見て、揉んだからには、次は吸い付きたい。
 男であれば当然の欲望を覚えた神治は、その衝動に逆らわず、勢い良く乳首に吸い付いていった。
「あんっ……やっ、そん、ああっ……それ駄目ぇ、あっ、吸っちゃやぁあんっ……」
 チュウっと吸引すると、那由花の唇から可愛らしい喘ぎが漏れ、体に震えが走り抜けた。
 口の中に程良い硬さの突起の感触が感じられ、甘い味わいが広がっていく。
 舌先で回すように舐め、弾くようにしてから、何度も吸い付いては放すのを繰り返す。
「あっ、やんっ……駄目、ああっ……駄目なのに、ああんっ……こんなの駄目なのに何で、やっ、やぁっ……」
 快楽に抗いたいのに抗えない、といった様子で喘ぎ悶える那由花の姿は、強烈に嗜虐心を刺激し、もっと乱れ、狂わせたいといった想いを呼び起こしていった。
 もう我慢出来ない。
 これ以上我慢するなど耐えられなかった。
 自身の衝動を抑えきれなくなった神治は、鼻息を荒くしながら那由花の体をベッドへ押し倒すと、キャミソールとショートパンツに手を掛け、一気に下着ごと引き下ろしていった。
 那由花は荒い呼吸を繰り返しながら、小さく「駄目ぇ……」と呟き、軽く抵抗を示したが、その行為は神治の肉欲を余計に昂ぶらせるだけだった。
 秘所を指で刺激するとすぐに抵抗は止み、「あっ、やっ……」といった可愛らしい喘ぎが漏れた。
 那由花は脱力し、惚けた表情であらぬ方向を見つめながら、荒い呼吸を繰り返している。
 いよいよ入れるのだとのし掛かり、眼下に存在する肉体に視線を向け、その素晴らしさに改めて感嘆の息を漏らす。
 靴下だけを身につけた状態の那由花は、「いやらしい体」という言葉がピッタリなほどに魅惑的な肉体をしていた。男の肉欲を刺激する、性的な体として理想的な肉付きであり、抱いたら凄まじく気持ちいいだろうと思わせる、まさに女肉の魅力に溢れた存在だった。
 真っ白な肌に覆われ、全体的に丸みを帯び、柔らかさと張りを感じさせるその肉体は、のし掛かって身を委ねたくなる衝動を呼び起こし、横になっても形の崩れていない美麗な乳房は、吸い付き揉みしだきたくてたまらない気持ちで一杯にさせた。
 そうした部分は、グラビアで何度も意識してきてはいたが、生で見るとまた一段と強烈な印象があった。熟女の持つねっとりとした淫靡さは無いものの、若い女性としては最高級ないやらしさと美しさを兼ね備えた肉体だったからだ。
 この素晴らしい女肉の中に、己の一物を押し込む事を想像すると、それだけで射精してしまいそうだった。まるで童貞の頃に戻ったかのような高揚が押し寄せ、早く肉棒を入れたくて仕方が無くなっていたのだ。
 ハァハァと呼吸を荒げながら、肉付きの良い両脚を左右に開くと、腰を近づけて挿入の体勢をとる。
 股間に柔らかそうな襞が見え、あともう少しでそこに入るのだという状況に、興奮は最高潮に達した。
 中学時代、グラビアを眺めながら何度も精をぶちまけたその肉体に、これから自分は入るのだ。憧れだった肉体を好きなだけ味わうのである。何と素晴らしいことだろう。
 那由花の顔へ視線を向ければ、上気した童顔がこちらを見上げており、それに不似合いな豊満な肉体が微妙にクネクネと動いているのに、ドクンっと心臓と肉棒が強く跳ねる。
 もう我慢できなかった。
 再びそう思った神治は、はち切れんばかりに勃起した肉棒を手に持つと、潤みまくった秘所へと近づけ、一気に押し込んでいった。
 ズブリ。
 瞬間、肉棒が温かくて湿った肉に包まれる。
 続けて圧迫され擦られるのに、意識が真っ白になった。
 容姿の良さに反しない、素晴らしい膣の感触に感嘆の息が漏れる。中学時代憧れたグラビアアイドルは、女としても優れていたのだ。
「あっ……ああっ……あんっ……」
 そのままズブズブと肉棒を進めていくと、甘い吐息が耳に響き、その可愛らしさに益々興奮が高まっていく。
 いやらしくも可愛らしさに溢れるこの女性は、まさに憧れを裏切らない、素晴らしいアイドルだった。
 そして今自分は、その憧れのアイドルと繋がっているのだ。セックスしているのである。
 その事に何とも言えない感慨が押し寄せてきた。
 グイっと最後まで押し込み、肉棒を全て収めると、一旦動きを止めて大きく息を吐き出す。
 肉棒が熱い肉に圧迫されているのが感じられ、その事に那由花と繋がっている実感を得る。
 眼下には、泣きそうな表情で「入っちゃったぁ……」と呟いている愛らしい顔があり、胸元では見事なまでに美麗な乳房が揺れている事に、改めて感嘆の息を漏らした。
 やはり那由花は素晴らしかった。顔や胸だけでなく、彼女の存在そのものが理想的な肉体なのだ。
 そんな女性に肉棒を入れられている自分は、何と凄いのだろう。
 強い優越感と高揚が押し寄せ、もっと那由花を己の物としたくてたまらない気持ちが湧き起こってきた。
「抜いてぇ……こんなの駄目ですぅ……」
 涙を浮かべながらそう告げつつ、逃げるように上方へ体を動かしていくのを、腰を掴んで引き寄せ、ズンっと突き込む。
「ああんっ、それ駄目ぇ……」
 体を硬直させ、甘ったるい声で喘ぐのに興奮が高まっていく。
 言葉とは裏腹に、膣内は歓迎するように肉棒に絡みつき、取り込もうとするかの様に強く吸い付いてきていた。
 その刺激のせいか、意識せずとも腰が勝手に動き出していく。
「あっ、駄目、やんっ……駄目ですぅ、あっ、あっ、ああっ……」
 那由花の唇から可愛らしい喘ぎが発せられると共に、股間から強い快感が押し寄せてくる。
 それは実に極上で、気を抜くと意識が遠くなりそうなほどの良さがあった。吸い付き逃がすまいと絡みつく膣襞が快感神経を刺激して、腰が溶けてしまいそうな錯覚を与えてくるのだ。
 那由花の膣はかなりの名器と言えただろう。人間としては最上級と呼べるほどの良さだった。よもやここまで見事に性的な魅力に秀でた肉体の持ち主とは思ってもみなかった。
「やんっ、やっ、やぁっ……こんな、あんっ……こんなのぉ、あっ、ああっ……」
 さらに喘ぎ声も単に可愛いだけでなく、切なげな、男の嗜虐心をそそる声になっており、聞いているだけで肉棒がたぎってくる。
「ああぅっ、あんっ……そんなとこ、ああっ……そこ駄目っ、駄目なのぉっ……やっ、やぁんっ……」
 悶える様子も愛らしさといやらしさに溢れており、こちらが与える刺激に敏感に反応を示す様は、支配欲を刺激してたまらなかった。
 中学時代に夢見た那由花に対する想い、「これだけ魅力的な体なら、セックスしたらきっと凄く気持ちいいんだろうな」という理想が、今目の前に存在していた。
 理想が実現した事に対する高揚が肉欲を刺激し、おかしくなりそうなほどに気持ち良くなっていく。
 那由花を抱かずには居られなかった。
 この理想的な女を貪らずには居られなかった。
 腰の動きが激しさを増し、突き込みが強く深くなっていく。
「やっ、やぁっ……こんな、ああっ……こんな気持ちいいの初めて、あんっ……気持ち良過ぎて、ああっ……おかしくなっちゃうぅっ……」
 頭を左右に振り、髪を乱しながら那由花は悶え狂った。
 肯定的な言葉を発した事に、「ついに心まで従わせた」という想いが起こり、益々興奮が高まっていく。
 肉棒をこれでもかと叩き付け、そうするたびに起きてくる快感に頭が朦朧としてくる。
 眼下では、腰の動きに合わせて豊満な乳房がプルンプルンと揺れ、上気した童顔がいやらしく歪んで喘いでいた。
 指はシーツを掴み、苦しそうに、それでいて気持ち良さそうに発する喘ぎが部屋に響き渡った。
「凄い、ああっ……凄いですぅ、あっ、ああっ……凄いの、やんっ……凄いぃっ……」
 那由花は「凄い」しか言えなくなったかのように、同じ言葉を繰り返し、こちらを讃えるようにして悶えまくった。
 憧れのアイドルをここまで快楽で狂わせていることに自尊心が刺激され、支配欲が強烈な悦びをもたらした。
 那由花は自分の物なのだ。
 この素晴らしい女は自分の物。
 かつて手に入れられる訳がないと、抱けるはずがないと諦めていた女を、己の物としたのである。
 その精神的快楽は、強烈な刺激となり、神治の全てを包み込んだ。
 この状態のまま、一気に射精したい。
 己の全てを那由花の中に注ぎ込みたい。
 そうした意識が高まると共に、射精感も一気に限界まで近づいていった。
「ああっ、あんっ……駄目、もう駄目ぇ、やっ、やんっ……イっちゃう、ああっ……イっちゃうの、あんっ……わたしイっちゃうぅっ……やっ、やっ、やぁあああああああんっ!」
 可愛らしい絶叫と共に、豊満な肉体が硬直するのに合わせて精を放つ。
 ドピュッ、ドピュッ、ドクドクドクドクドク……。
 凄まじい気持ちの良さと共に、大量の精液が放出されていくのが感じられる。
 肉棒が律動するたびに、脳に快感が走り抜け、頭が真っ白になっていく。
「あ……あぁ……はふぅ……」
 うっとりとした表情を浮かべながら、那由花は体を震わせていた。
 時折ビクンっビクンっと痙攣しており、そのたびに胸元で大きな膨らみが揺れるのに、今自分はこの素晴らしい肉体に射精しているのだ、という実感を得て最高の気分になった。
 憧れのグラビアアイドル、麻生那由花は自分の物になったのだ。
 中学時代からの夢が実現した瞬間だった。
 何と素晴らしいことだろう。
 少しして射精を終えると、力を抜いて那由花の上へ倒れ込む。
 温かで柔らかな、そして弾力のある肉に受け止められ、そのあまりの心地良さに一瞬意識が遠くなった。
 特に胸元で潰れている膨らみの感触は絶品で、その存在を感知するだけでうっとりとなるほどだ。
 触れているだけで気持ち良くなってくる那由花の肉体は、まさに理想的な女体と言えただろう。
 自分はこの女を己の物としたのだ。
 憧れの女を手に入れたのだ。
 改めて強烈な喜びが、心と体に溢れていくのが感じられた。
 すぐ横では、上気した童顔が荒い呼吸を繰り返しており、その可愛らしくもいやらしい様子に興奮が起きてくる。
 射精したばかりだというのに、もうしたくてたまらなくなっていた。
 この極上の女をもっと味わいたい、逃がしたくないという想いが強まっていたのだ。
 手に入れたがゆえに、逆に抑えが効かなくなっているのかも知れない。
 その素晴らしさを知ったがゆえに、失いたくない気持ちが強まっているのだ。
 今の内に、もっともっと那由花を味わいたかった。
 堪能したい。
 むしゃぶり尽くしたい。
 切羽詰まったような意識と共に強烈な肉欲が高まり、股間の一物が一気に回復していく。
 勢い良く上半身を起こすと、改めて己が抱いた女体を眺める。
 可愛らしい顔がぼんやりと宙を見つめており、呼吸をするたびに大きく上下する胸元が、何とも眩しかった。
 やはり素敵なおっぱいだった。
 自分はこのおっぱいが、欲しくて欲しくてたまらなかったのだ。
 そしてそれを手に入れた。
 脳裏に中学時代にお気に入りだった那由花の水着グラビアが浮かび、目の前の肉体と重なっていく。
 グラビアでは水着だったが、今は乳房が全て見えていた。
 綺麗な乳首も丸見えであり、その事に何と素晴らしいのだろうと感動を覚える。
 両手を伸ばし、豊満な双乳をギュッと掴む。
 那由花の眉根が寄せられ、「あんっ……」という可愛らしい声が漏れた。
 そのまま揉みしだきながら、二つの乳房へ顔を押しつけ、両手で挟むようにしていくと、温かで柔らかな張りのある肉が顔を包み込み、たまらない心地良さが溢れた。
 乳房に顔を擦り付け続けながら、神治は痛いほど勃起した肉棒を手に持つと、再び膣穴へと押し込んでいくのだった。


「あんっ、あんっ、ああんっ……」
 ベッドの上で四つんばいになった那由花の背後から肉棒を突き込んでいると、実に幸せな気分になった。
 豊満な双乳を両手で鷲掴み、無茶苦茶に揉み回すのがたまらず、もう数え切れないほどそうしていた。
 普段のセックスでは、ここまで乳房に執着しないのだが、那由花の胸は特別だった。
 どうしてもそうせずには居られない程に、強い執着が生まれていたのだ。自分でも何故だか分からないが、とにかく那由花の乳房を揉まずにセックスしたくなかったのである。
「やんっ、あっ、やぅっ……そこ駄目ぇ、あっ、ああぁっ……」
 揉みながら乳首を捻り、それに合わせて強く突き込むと、那由花が涙声で喘いだ。
 彼女自身も乳房が弱いようで、刺激を与えると他の箇所より強い反応を示していた。
 ゆえに神治の乳房へ拘る愛撫により、那由花はすでにへろへろの状態になっていた。
 そしてその様子がまた可愛らしかったため、益々乳房への愛撫が多くなっていたのだった。
「あんっ、やっ、やんっ……そんな、あぅっ……そんなしたら、やっ、やぁんっ……」
 両手で双乳を鷲掴みつつ、那由花の上半身を持ち上げるようにして起き上がらせると、乳房に指が強く食い込み、たまらない感触が手のひらに溢れた。
 乳房への刺激が強まったため、那由花は体をぷるぷると震わせながら可愛らしく喘いでいる。
 胡座をかいてその上に座らせ、そのまま乳房を揉みながら腰を突き上げていくと、体の前面に強烈な肉感が溢れ、たまらない良さで一杯になった。
「やっ、あっ、はぅっ……こんな、あんっ……こんなの、ああんっ……」
 自身の体重が加わり、突き込みが強く深くなった事で、那由花の喘ぎに震えが起きた。
 目も朦朧としたものとなり、彼女の感じている快感が、かなり強いのだというのが伝わってくる。
「ああんっ、ああんっ、あっ、あっ、ああっ……」
 豊満な膨らみを揉みまくり、勢い良く腰を突き上げると、那由花は苦しげに、だが気持ち良さそうに喘いだ。
 首筋に舌を這わせ、唇に吸い付いて舐め回し、その愛らしい童顔を愛おしむ。
 那由花がグラビアアイドルとして人気を得られたのも、この幼い顔とそれに不似合いな巨乳のためだった。
 神治にとっても好みのこの顔は、間近で見るだけでも幸福感を呼び起こし、舐め回さずには居られない魅力があった。
 そして手はもう一つの魅力である乳房を愛撫しまくり、那由花という女を堪能していく。
 背後から彼女の全てを抱き締め、支配し、陵辱しているこの体位には、実に素晴らしいものがあった。
 中学時代に憧れ欲し、だが手に入れられないと諦めていた高嶺の花を、今自分は自由にしている。
 好きにしているのだ。
 己の女としているのである。
 那由花で自慰をし続けた思い出が蘇り、肉棒が強烈にいきり立つ。
 もう何度も精を放っているにも関わらず、未だ切羽詰まったような射精感は続いていた。
 とにかく肉棒を入れ、射精し続けたくてたまらなくなっていたのだ。
「やっ、やぁっ……しゅごぃ、ああっ……しゅごぃのぉ、やんっ……もうらめぇ……」
 甘ったるい蕩けた喘ぎに、肉欲がさらに刺激を受ける。
 この可愛らしい女の中に、もっともっと精を注ぎ込みたい。
 そうしないでは居られない。
 神治の頭の中はそれで一杯だった。
「ああぅっ、あっ、あんっ……やっ、やっ、やぁっ……イくぅ、あっ……イくよぉ、あっ、ああっ……イっちゃうのぉっ……やっ、やっ、やぁあああああああんっ!」
 幼児のような口調で叫び、頭を仰け反らせて硬直する那由花の中に、思い切り精を放つ。
 ドピュドピュと、衰える事のない勢いと量の精液が放出され、気持ちの良さが体を走り抜ける。
 押し寄せる快感に朦朧としながら射精を繰り返し、何度も何度も精液を迸らせていく。
 たまらない気持ちの良さにうっとりとしつつ、しばらくして射精を終えた神治は、脱力して腰を落とした。
 だがすぐに腰の後ろの辺りでドクンっという感覚がすると共に、肉棒に絡みついた膣襞がウネウネと動き出したため、すぐさま勃起が復活し、肉欲も高まっていった。
 意識はまだぼんやりとしていたが、体は勝手に動き出し、那由花を仰向けに押し倒すと、腰を前後に律動させ始める。
 神治は股間から押し寄せる快感を感じつつ、眼下で豊満な乳房が揺れているのに幸せな想いを抱きながら、まるで何かに操られているかのようにして、激しく腰を振っていくのだった。


 気がつくと、妙な感じだった。
 周囲を確認しようとするが、よく分からないのだ。視界がぼやけていて、ハッキリ見えないのである。
 体の感覚も曖昧で、まるで自分の体ではないかのようだった。
 背中の感触が柔らかい事から、ベッドのようなものに横たわっていることだけは認識できた。
 さらに何かが自分の上に乗っており、断続的に振動が起きているのは分かった。
 これは跨っているのだろう。誰かが腰の辺りに跨り、上下に体を揺らしているのだ。
 その度に股間に快感が走り抜け、微かに喘ぎ声のようなものが聞こえるところから、どうやらその相手とセックスしているらしい。
 そこで記憶が蘇った。
 そうだった。自分は那由花とセックスしていたのだ。
 思い出すと同時に視界が少し回復してくる。
 だが目に映ったのは、那由花ではなく、玲霞の姿だった。
 裸の小さな体が上下に動いており、それに合わせて膨らみかけの胸が揺れているのが見える。
 いつの間に玲霞とセックスしていたのだろう。確かに最初は玲霞としていた訳だが、その後は那由花としていたはずだからだ。
 そんな疑問を抱いていると、こちらの様子に気づいたのか、玲霞が視線を向けてきた。
 口が動いて何か言っているが聞こえない。意識がボーッとしているせいか、耳の調子も良くないようだ。
 その事に気づいたのか、玲霞は顔を近づけてきた。
「これで聞こえる? ちょっとおかしくなっちゃってるのかな? まあ、沢山エッチしたから当然なんだけど」
 ようやく聞こえてきた声に、そう言えばかなりセックスしていたな、と思い出す。
 というか、今もしている訳だが、意識が無かったのに何故こんな状態になっているのだろう。まさか意識が無い状態でしていたのだろうか。いや、これまでの経験からすればあり得る事ではあったが。
「ちょっといたずらのつもりでおちんちん刺激したら、大きくなったから、つい欲しくなってしちゃった。ごめんね?」
 笑みを浮かべながらそんな事を告げてくる玲霞に苦笑する。先ほどかなりセックスしたと思うのだが、まだ足りなかったのだろうか。意識の無い相手とするなど、どれだけ淫乱なのだろう。
「でもお兄ちゃん凄いよね。那由花さんとも沢山してたと思うんだけど、ちょっと刺激しただけですぐに大きくなっちゃうんだから」
 その言葉から、那由花とセックスしていた事を玲霞が知っているのだと分かり、そのくせ平然としているのだから、やはりこの家の性に対する意識は異常であるというのが認識された。
 とはいえ、自分の家庭も似たようなものであるから、あくまでも「一般的に」という意味でだが。
 ぼんやりした頭でそんな事を考えていると、不意に喘ぎ声のようなものが聞こえてきたため、そちらへ意識が向く。
 目の前の玲霞の唇は閉じたままであったから、彼女が発したものではないのは明らかだった。
 他に居るとすれば那由花だが、そうなると彼女は誰かとセックスしているのだろうか。
 気になって声がしたと思われる方へ視線を向けてみるが、視界がぼんやりしていてよく見えなかった。どうにも目が覚めてから、頭がボーッとしていて変なのだ。
「あ、那由花さんのこと気になる? じゃ、次はまた那由花さんとさせてあげるね。今はパパとしてるから、ちょっと待ってね?」
 その言葉にギョッとなる。ここには玲霞の父親も居るのだろうか。
 ぼやけた視界で確認してみるものの、見えたのは那由花の姿だけで、他に人が居るようには見えなかった。
 だが確かにセックスはしているようで、那由花の体が時折仰け反ったりしているのが分かる。
 なのに何故玲霞の父親の姿が見えないのだろう。
「まだ状況が分からないかな? ちょっとヤりすぎちゃったかなぁ。まあ、でもしょうがないよね。お兄ちゃん凄いんだもん」
 楽しげに笑みを浮かべながら告げてくるのに、思わずゾクリとする。年齢に不似合いな、大人びた色気を覚えたからだ。
 やはりセックスしている最中だけあって、女としての魅力が強まっているのだろうか。
「じゃ、頭がボーッとしているお兄ちゃんにも分かりやすく教えてあげるね。ほらこれ、これ見れば分かるでしょ?」
 そう告げた玲霞は、近くにあった何かを手に持つと、目の前に移動させてきた。
 それは何やら太いロープのようなもので、肉色をした柔らかさを感じさせるものだった。
(!……)
 瞬間、記憶が一気に蘇る。
 これは先日、玲子の部屋で見た、アレではないか。
 そう。あの気色悪い、淫妖の触手だ。
 緊張と共に頭がハッキリとし、目と耳が正常な状態になっていく。
 くっきりと見える目の前のそれは、確かにあの触手だった。
 それがどうしてここにあるのか。
 そして何故玲霞はそのようなモノを手にしているのか。
 訳が分からなくなり、頭が混乱していく。
 だが考えてみれば、元々玲霞の招待に応じたのも、彼女が触手について何か知っているような口ぶりだったからだ。それを尋ねるべきなのに忘れていたのは、誘惑され、セックスにのめり込んでしまったせいだった。
「那由花さんを見てみて」
 言われた通りに視線を向けてみると、そこにはとんでもない光景が広がっていた。
 先ほどまではぼんやりとしか認識出来なかった那由花の姿が、今度はハッキリと見えているのだが、その事で彼女が異様な状況に置かれているのが分かったのだ。
 豊満な肉体に何本もの触手が絡みつき、ウネウネと蠢いていて、それはあたかも数匹の巨大な蛇に囚われているような状態だった。
 腕や脚に絡んだ触手によって自由を奪われ、美麗な乳房は強く掴まれることにより形を歪められており、それはまさに女性の尊厳を貶める情景と言えただろう。
 だがそれゆえに、淫猥さが強烈に高まっているとも言え、見ているだけで肉棒が硬くなるのを抑えられなかった。
 股間に入り込んだ触手は、小刻みに蠢きを繰り返し、時折大きく前後に動き、まるで巨大な男性器であるかのように女体を蹂躙していた。
 那由花は快楽に蕩けただらしない笑みを浮かべ、与えられる刺激に恍惚の喘ぎを漏らし、もっとして欲しいとばかりに体を震わせている。
 こちらへ視線が向いても、全く気づいた様子は無く、完全に触手に支配された状態で淫楽の世界に浸っている感じだった。
「気持ち良さそうでしょ? 当然だよね、神様の与える快楽だもん。人間とするのとじゃ大違いだよ」
 不意に告げられた言葉に驚く。
 何故そこで「神」などという単語が出てくるのだろう。もしやこの触手がそうだとでも言うのだろうか。
「分からないって顔してるね。ふふ、教えてあげようか? って、そのために来たんだから当然知りたいよね?」
 楽しそうに笑いながら、玲霞は体を前に倒してのし掛かってきた。
 滑らかな肌と、硬さの残る肉の感触が押し寄せ、心地良さが走り抜ける。
 目の前には、愛らしい美少女の顔があり、大人びた色気を感じさせる表情を浮かべているのに、心臓の鼓動が激しくなっていく。
「だったら約束して? これからも私とエッチするって。そうしたら教えてあげる」
 そのような約束なら、いくらしても構わなかった。むしろこちらからお願いしたいくらいだ。
 了解した旨を伝えようとして口を開けるが、何故か声が上手く出なかった。
「ああ、まだおかしいんだね。ちょっとしすぎちゃったからなぁ。喋れるようになるのはもう少しかかるかも。いいよ頷くだけで。さ、頷いて?」
 その言葉に釣られるようにして、首を縦に振る。
 すると玲霞は、満足したように嬉しそうな笑みを浮かべた。
 その瞬間、背筋にゾクッとしたものが走り抜け、何かしてはいけない事をしてしまったような感覚を覚えた。
 玲霞の笑みがそれまでと違い、どこか嫌な雰囲気を纏ったものに思えたからだ。言質をとられたような、そんな感じがしたのである。
「これでお兄ちゃんは、これからも私とエッチし続けるんだね。ふふ、嬉しい」
 だがそんな疑惑も、甘えるように頬を擦り付けられた事で吹き飛んだ。
 玲霞に対する愛おしさが強まり、触れている肌の全てから快感が走り抜け、肉棒が痛いほどに勃起していく。
「それじゃ、何から話そうかなぁ。やっぱりパパの事かな? 順番に話した方が分かりやすいもんね」
 玲霞は少し体を起こすと、楽しげに微笑みかけてきた。
 その可愛らしい表情に、思わず体が動き、抱き締めてしまう。
 気持ちのいい感触が前面に広がり、このまま玲霞とセックスしたくてたまらなくなった。
「やんっ。まだ駄目だよ。話をするんだから。エッチは話が終わってから、ね?」
 諭すように言われ、確かにその通りだと力を抜く。
 先ほど約束したのだから、玲霞とはいつでも出来るのだ。天才子役の美少女とセックスしていく約束が出来たとは、何と素晴らしいことだろう。
 またしても芸能人のセックスフレンドができたことに、幸福感と優越感が押し寄せてくる。
「私のパパって、結構大きな会社の社長をしてるんだけど、私が生まれる前に、一度倒産しそうになった事があったんだって」
 始まった話に耳を傾ける。
 玲霞の父親の会社はかなり業績が良かったと思ったが、そのような事があったとは知らなかった。
「その時パパは、何とかしたいと思って、ある人に相談したんだけど……神幽会って知ってる?」
 聞き覚えのある名前が出た事に意外感を抱く。何故ここであの宗教団体の名称が出てくるのだろう。
「教祖が阿久津さんって人なんだけど、その人に相談したらしいんだ。で、阿久津さんはパパに言ったんだって。家の地下に神殿を造って、そこに神様を呼びなさいって」
 何とも胡散臭い話だった。神殿を造って神を呼ぶなど、まともな発想ではないからだ。
「それでパパは言われた通りに家の地下に神殿を造って、阿久津さんに神様を呼び出してもらったんだって」
 だが追い詰められた状態であれば、そういう事を受け入れてしまうのかも知れない。詐欺のような宗教が存続し続けている理由だ。
「それで呼び出されたのが、あの触手なの。うちの神様なんだよ。神様が来たおかげで、パパの会社は倒産しないで済んだんだって。それからずっとうちの守り神になってるんだ」
 どうにも胡散臭い話だった。
 そもそもこの触手は、どう見ても神と呼べるほどの力があるとは思えず、ただの淫妖でしかないからだ。人の生命力を吸って生きながらえるだけの、普通の淫妖なのだ。そんな生物に、会社の倒産を防ぐような力があるはずがなかった。
 とはいえ、実際に淫妖が現れた時期に会社の倒産が回避出来たとすれば、それらを繋ぎ合わせて考え、「神によって救われた」と思っても不思議ではなかったが。
 取り敢えず神であるかはともかくとして、あの触手をどうやって呼び出したのかは気になった。目の前に存在している以上、阿久津は何かしら呼び出す方法を知っているという事になるからだ。幽体離脱の件といい、彼には怪しげな部分が多いようだった。
「どう見ても普通の生き物じゃないんだけど、どこに居たのか、どうやって呼んだのか、全然分からないんだよね。パパも教えてくれないし。でも呼び出すのに何が必要かってのだけは分かるよ」
 相変わらずこちらの想いを見透かしたように告げてくるのにドキリとしつつ、後半の内容に興味が湧いた。一体何が必要だと言うのだろう。
「餌だね。神様が来たくなるくらい美味しそうな餌が必要なんだと思う」
 なるほど、獲物を釣るには餌という訳だ。それは理解出来るが、そうなるとどうにも嫌な想像が浮かんだ。
 何故なら淫妖は、生物の生命力を食すからだ。特に好むのが人間の生命力であり、「美味しそうな餌」ということは、人間を餌にしたように思えるからである。
「もう分かったみたいだね。あの神様は人間を餌にここに呼ばれたんだよ。そして阿久津さんは、餌の用意はパパにさせたの」
 その言葉にギョッとなる。まさか玲霞の言う餌というのは……。
「そう。神様の最初の餌になったのは、ママだよ」
 予想はしたが、言葉で聞かされると衝撃的だった。人間を化け物の餌に、それも自分の妻を餌にするとは、何と恐ろしいことだろう。
 そして玲子がつい最近まで淫妖に襲われ続けていた事を考えると、そうし向けた彼女の元夫に強い怒りを覚えた。
「パパって酷いよね。でもそれだけ追い詰められてたって事なんだと思うよ。それに餌って言ったって気持ち良くされるだけだし、特に問題は無いからいいと思うんだ。ママはエッチ大好きだから、むしろ良かったんじゃないかなぁ」
 とんでもない事を言い出した玲霞に愕然とする。
 いくらセックスが好きだからと言って、化け物に犯されて良い訳がないだろう。
「ふふ、怒っちゃった? でも気持ちいいんだから別にいいでしょ? お兄ちゃんだって、小学生の私とエッチしちゃってるんだし。それって誰かが聞いたら怒ることだよね? でもお兄ちゃんはしちゃってる。それって気持ちいいからでしょ?」
 そう言われると反論出来なくなってしまった。一般社会において、小学生がセックスをさせられるなど、酷いことでしかないからだ。そしてそれを自分は、「気持ちいいから」という理由でしているのである。
 無論玲霞も望んだことではあるが、そんな事は言い訳として通用しないのが一般社会というものだ。小学生への性行為は、相手の同意があろうが虐待として判断されるのである。
「でも私たちって、エッチした結果で生まれてきてるんだもんね。気持ちいいことして、それで子供が出来るの。そういう風に体が作られてるんだから仕方ないよ。私だってもう子供が出来る体だしさ。だからお兄ちゃんが私とエッチしたくなっても当然なんだと思うよ」
 目の前の少女がすでに初潮を迎えている、つまり妊娠可能なのだという事に軽い興奮を覚えた。幼い少女が妊娠するというのには、何とも卑猥な印象があったからだ。
「ね、お兄ちゃん。神様との間に、子供って出来ると思う?」
 その問いかけに、すぐさま「可能」という答えが浮かんだ。すでに淫妖との間に生まれた子供を知っているからだ。
 だがそれと同時に、ある疑念が浮かんだため体が硬直する。
 玲子は淫妖に犯されていた。
 つまり、淫妖との子供を妊娠してもおかしくない状況だった。
そして玲霞は、玲子の娘。
 つまり玲霞は、淫妖との間に出来た子供なのではないだろうか。
「そう、私は神様とママとの間に出来た子供なんだよ。私のパパは神様なの」
 玲霞は手に持った触手を優しく撫でながら、嬉しそうに笑った。
 その様子を、驚愕の想いで見つめる。
 すでに実例を知っているとはいえ、それは一般社会とは異なる、非常識の場とも言える緋道村だからこそだった。それが村の外の、一般常識が支配する社会の中で、淫妖の子供だという人間と出くわすとは……。
 しかしそうなると、人間の父親とは血の繋がりが無いという事になるのだろうか。そしてその事を、父親は知っているのだろうか。
「あ、人間の方のパパもパパではあるんだよ。ちゃんと血も繋がってるの。私にはパパが二人いるんだ」
 言っている事の意味が分からず混乱してくる。どういう意味なのだろう。
「何でそうなってるのか分からないんだけどね、でもそうとしか思えないんだ。だって私ってパパのママ、お婆ちゃんの子供の頃に似てるし。写真見たら、ホントそっくりなんだもん。ビックリするくらい似てるんだから」
 そういう事であれば、玲霞は人間の父親の娘であるのは確実だろう。そして同時に淫妖の子供ではない事の証明になっているように思えた。
「でもね、私って普通の人間じゃない部分があるんだ。こういうところ、なんだけど……」
 そう言いながら立ち上がった玲霞の姿を見た瞬間、あり得ないモノが目に映ったため、視線が釘付けになった。
 玲霞の股間からは、肉色をしたロープのようなモノ、つまり彼女が手にしているのと同じ、触手が垂れ下がっていたのだ。
 そしてその先端は、こちらの股間にまで伸びており、肉棒を包むような状態になっている。
 つまり今自分が肉棒を押し込んでいる場所は、膣などではなく、触手の中という事になった。この肉色のロープのような物体に咥え込まれていたのだ。
 その事実に強い嫌悪感と恐怖心が湧き起こってくる。
 あのようなモノの中に肉棒が収まっている、いや、取り込まれているなど、何と気色悪いことだろう。
 しかしその想いとは裏腹に、強烈な快感が肉棒を包み込んでいるのも事実だった。
 というより、それはずっと感じている玲霞の膣内の感触と同じであったため、彼女とセックスし始めてから入れていたのは、この触手の中という事なのではないだろうか。
「驚いた? 私にはね、神様と同じ触手が生えてるんだよ。私のここって触手になってて、入れると凄く気持ちいいみたい。パパも『玲霞の中は信じられないくらい気持ちいい』って夢中になってるし」
 下腹部を示しながら玲霞が呟くと、触手がウネウネと蠢き、それと同時に肉棒に強烈な快感が走り抜けた。膣襞がそれまで以上に絡みつき、擦りあげ、締め付けてきたのだ。
 その刺激に、もっと快楽を得ようとするかのように肉棒が勝手に律動する。
「あ……あん……お兄ちゃんのおちんちん、やっぱいいなぁ。こうすると凄ぉくいい感じで応えてくるんだもん。たまんないよぉ……」
 玲霞がうっとりとした表情を浮かべながら、体を小刻みに震わせている。
 それに合わせて触手もピクピクと反応を示したため、それが玲霞の体の一部であるという事が強く認識された。
 可愛らしい肉体に、このような醜悪なモノが生えているなど、あまりに耐え難い事ではあるが、押し寄せてくる快感は、人間の女性とでは味わえない蕩けるような良さがあるのも確かだった。
「こういうのって気持ち悪い? 内臓みたいだもんね。でもこれが私なんだよ。それに一本だけじゃないんだ。ほら……」
 玲霞がそう告げると同時に、股間から新たな触手が伸びてきた。
 右腕にヌメっとした感触が起き、絡みつかれたのが分かる。
 ゾッとする嫌悪感を抱くと共に、それ以上の快感が走り抜けたため力が抜ける。触れられている部分から、たまらない気持ちの良さが押し寄せてきたのだ。見た目とは異なり、強烈な快感を与えてきたのである。
「へぇ、やっぱり平気なんだ。凄いね。パパなんて腕に絡みつかせただけでイっちゃうのに。じゃあ、もう少ししても大丈夫かな?」
 さらにもう一本触手が股間から伸びて左腕に絡みつき、そのまま両方の触手が伸びて胴体に絡んできた。
「!……」
 腹と胸に湿りを帯びた柔らかな感触が起き、そのままズルリズルリと擦られることで、脳天に響く気持ちの良さが走り抜ける。
 片方の触手が目の前に迫ってくると、唇をこじ開けて中に入り込んできた。
 甘い、おかしくなりそうなほどに甘い味が口内に広がり、肉棒がいきり立つと共に、頭が快楽で一杯になっていく。
 全身がふにゃふにゃとした感じになり、少し動くだけで快感が走り抜けていった。
「うわぁ、これだけしてもまだ平気なんだぁ。普通だったらもうおかしくなっちゃってるよ。触手のエキスを口と肌からもらってるんだもん。これって人間を快楽に狂わせちゃう成分が入ってるんだって。あんまり触れてると、気持ち良すぎて頭がおかしくなっちゃうんだよ。でもお兄ちゃんはあんまり効いてないみたいだよねぇ。ふぁ、やっぱり凄いなぁ」
 何やら不穏な単語が聞こえたが、意識が快楽に染まっていたため、「それもいいなぁ」などと思ってしまう。
「ふふ、このままエッチしたら凄く気持ち良さそうだねぇ。触手のエキスをもらってる体って、抱くのも抱かれるのも凄く気持ちいいんだって。それにお香にしてもいいみたい。エキスの匂い嗅ぎながらエッチすると、普通じゃない気持ち良さがあるんだって。前に阿久津さんが言ってたよ」
 そう言えば、神幽会では媚薬の成分があると思われるお香が使われていたが、あれの原料はこれだったという事だろうか。なるほど、これほど効くものが原料になっているとすれば、嗅いだだけでおかしくなるのも納得だった。
「こんなにエキスに染まった相手とするのって初めてだから、何だかドキドキしちゃう。凄く気持ちいいんだろうなぁ」
 年齢に不似合いな色香を帯びた笑みを浮かべながら、玲霞は腰を下ろすと顔を寄せてきた。
 可愛らしい顔に淫靡さが感じられ、その妖しげな美しさに思わず見とれてしまう。
 小さな唇からゆっくりと息が吐き出されるたびに、触手がウネウネと蠢き、擦られた肌からエキスが染み込んでくるような感覚を覚える。
 玲霞が「ふふ……」と微笑みながら指で胸を撫でてくると、そちらにも強い快感が走り抜けた。指からもエキスが出ているのかも知れない。
「どう? これが私がパパの子供だっていう証拠だよ。あ、私、神様のこと『パパ』って呼んでるの。だってパパだもん当然だよね。人間の方のパパも『パパ』って呼んでるから問題ないと思うし。二人ともパパだっていうの、これで信じてくれる?」
 朦朧としかけた頭で、玲霞の凄まじい生い立ちについて考える。
 一言で言えば、「呆然とした」というのが合っているだろう。
 何しろ今まで知っていた淫妖の子供は、見た目は完全に人間でしかなかったのに、玲霞には人間ではあり得ない器官が付いているからだ。
 やはり同じ淫妖でも、種類が違っているせいでそうなっているのだろうか。
 緋道村へ現れる淫妖は姿が見えなかったため、その子供に現れる淫妖の資質も、目に見えない状態になっているが、目に見える触手を持つこの淫妖の子供となると、その特徴的な部分を受け継ぐ状態になっているというか。
「それじゃ、そろそろお待ちかねのエッチだよ。すっごく気持ち良くしてあげるからねぇ」
 いやらしい笑みを浮かべながら玲霞がそう告げた次の瞬間、肉棒を包む襞が一斉に動き出した。
 肉棒に絡み、擦りあげ、嬲ってくる動きに、体を硬直させ、押し寄せる快楽に耐えることしか出来ない。人間の膣ではあり得ない激しい蠢きが起きており、その経験した事のない刺激に、脳内が快楽で爆発しそうになる。
「あっ、ああっ……いい、やっぱりいい、あんっ……これって凄ぉくいいよぉ……」
 子供らしい口調で、子供らしからぬ喘ぎを漏らしながら、玲霞は腰を捻るように動かしている。
 そのたびに極楽とも言える気持ちの良さが押し寄せ、脳内を蹂躙していた。
 思考がバラバラになり、快楽のことしか考えられなくなっていく。
「ああんっ、あっ、やぁっ……素敵、ああっ……お兄ちゃんって素敵だよぉ、あっ、あんっ……いいの、いいのぉっ……」
 幼い肉体が淫らに仰け反り、可愛らしい顔が妖艶に歪んで甘い吐息を漏らし続けている。
 こちらの得ている快楽も凄かったが、玲霞の得ているのも同じように凄いらしく、彼女の乱れ具合は、先ほどした時よりもかなり激しかった。
「ひゃうっ、もう良すぎちゃう、やっ、やんっ……こんなにいいなんて、あっ……お兄ちゃんやっぱり凄い、あんっ……たまんないぃっ……」
 目を虚ろにさせ、涎を垂らし、玲霞は悶え狂った。
 それは十一歳とは思えないいいやらしさであり、幼い容姿だけに強烈な卑猥さを感じさせるものがあった。
 ただでさえ小学生の少女とセックスするなど異常なことだというのに、彼女の股間から生えている触手の存在が異常さをさらに強め、そのとても現実とは思えない状況に、益々興奮が高まっていった。
「ああんっ、凄くて凄い、あっ、ああっ……お兄ちゃんの精液、沢山欲しい、あっ、ああっ……こんないいおちんちんのなら、やぅっ……沢山欲しいよぉっ……」
 玲霞がそう叫んだ瞬間、触手の動きが激しさを増し、肉棒を包む襞がうにゅうにゅと締め付け擦り、吸い上げる動きを行った。
 体に絡みついた触手の動きも活発になり、擦られる肌から蕩けるような快感が染み込んでくる。
 普段のセックスでは、快楽は肉棒に集中しているが、今味わっている快楽は、体の様々な箇所から押し寄せてきていた。
 快楽には慣れているとはいえ、この体験は初めてであったため、対応しきれない状態になっているのが分かる。流され、与えられるものを受け入れることしか出来なくなっているのだ。
「ちょうだい、やぁっ……お兄ちゃん、はぅっ……沢山沢山、あっ、あっ……お兄ちゃんの精液沢山ちょうだいぃ、やっ、やっ、やぁあああああああああんっ!」
 玲霞の絶頂の叫びと共に、触手が激しく蠢き、その強烈な刺激に意識せずとも精液が迸った。
 気がつけば出してしまった、といった感じで、こちらの意思とは関係なく吸い出されたのだ。
 ドクドクドクと放出されていく精液を感じつつ、肉棒が凄い勢いで吸引されていく快感に、涎を垂らして浸っていく。
「あぁ……お兄ちゃんの精液、美味しい。こんな美味しいの初めてぇ……はふぅ、いいよぉ……」
 トロンとした表情を浮かべ、触手をウニュウニュと震わせながら、玲霞は甘ったるい声で喘いでいる。
 吸引した精液を味わっているのだろうか。
 やはり彼女は淫妖の血を引いているという事なのかも知れない。
 そうして意識を朦朧とさせたまま射精を続けていると、しばらくしてようやく精液の放出が止まっているのに気がつく。
 荒い呼吸をしながら、何とも凄い射精だった事に呆然としていると、目の前に可愛らしい顔が寄ってきた。
「どう? 気持ち良かったでしょ? 私も凄っごぉく気持ち良かったぁ。お兄ちゃんってば最高だよ。精液も凄く美味しかったしぃ。何か普通じゃないんだよねぇ。お兄ちゃんの精液吸ってると、おかしくなっちゃうんだ。まるでパパのエキスみたい。もっと欲しくてたまらなくなっちゃう」
 その言葉通り、玲霞が惚けた表情で呟いている間も、肉棒を包む襞がうにゅうにゅと蠢き、吸い上げてきていた。もう射精は終わったというのに、まだ足りないとばかりに吸引を止めないのだ。
 まるで体内の精液全てを吸い取られるような錯覚を覚えてゾッとなる。だが玲霞が淫妖の血を引いているとすれば、それは錯覚とは言い切れないだろう。つまり早々にこの状況から脱出しなければ危険という事になった。
 とはいえ、触手に絡みつかれて自由を奪われていたし、何より玲霞の体から押し寄せてくる快楽は、そうしようとする力と意思を奪い取っていたため、とてもではないが出来そうになかった。
「それじゃ、続けてエッチしよ? お兄ちゃんの精液、たっくさん吸ってあげるからねぇ。ふふ、楽しみぃ」
 その言葉に再びゾッとなる。淫妖に精液を吸われることは、生命力を奪われるのと同義であるため、淫妖の血を引く玲霞も同じなのではないかと思えたからだ。
 途端、目の前の少女が不気味な存在として認識され、恐怖に体が縮み上がった。
 だがその想いとは裏腹に、肉棒はより体積と硬度を増し、次の射精へと準備を万端にしていた。恐怖よりも快楽を得る欲求の方が強いためだろう。何しろ今現在も肉体は、触手によってたまらない気持ちの良さを与えられていたからだ。
「お兄ちゃん、大好きぃ」
 可愛らしい笑みと共に、甘えるように告げられるのに、心臓が強く跳ね、肉棒がいきり立っていく。
 そのあまりの愛らしさに、この少女を否定するなど無理である事が分かる。すでに自分は、心身共に玲霞に従属させられてしまっているのだ。虜にさせられているのである。逆らうなど不可能だった。
「って、え? したいのパパ? 何でよぉ、今いいとこなのにぃ。那由花さんとしてればいいじゃん。って、あ〜〜、まあ、そうなんだけどぉ。大丈夫だよ、ほら、お兄ちゃんだし。私と続けてしても、ね? って駄目? あ〜〜、分かった、分かったよぉ。我慢するからぁ」
 突然玲霞は困ったような声をあげると、ぶつぶつ呟いた後、観念したように脱力した。
「パパに怒られちゃった。続けてするのは駄目だって。しょうがないからちょっと休憩ね。その間私はパパとしてるから、お兄ちゃんは那由花さんとしててね」
 パパ、つまり淫妖の声は聞こえなかったが、どうやら何らかの方法で会話をしていたらしい。
 残念そうな口調で告げた玲霞は、ゆっくりと立ち上がった。同時に触手の口から肉棒がズルリと抜け、体に絡みついていた触手も離れていった。
 解放された肉棒は、痛いほどに勃起しており、まるで極上の女肉の中から出された事を怒るかのように、ビクンビクンと強く震えを示している。
 玲霞はその様子を名残惜しそうに見つめた後、小さく溜め息をつくと、部屋の奥の方へと歩いて行った。
 入れ替わりに、那由花がこちらへ向かってきているのが視界に入ったが、その瞬間、恐怖に体が硬直した。
 何故なら那由花の体に複数の触手が絡みつき、まるで操り人形のようにして彼女を移動させていたからだ。
 那由花自身は意識が朦朧としているのか、虚ろな目とだらしない笑みを浮かべており、完全に快楽でおかしくなっているのが見て取れた。
 異様な光景であるにも関わらず、豊満な肉体に触手が絡みつくことで淫蕩な雰囲気を醸し出していたため、それだけで肉棒の勃起が強まっていくのが感じられた。
「分かりましたぁ。次は緋道くんとしますぅ……」
 やはり淫妖と会話しているのか、那由花はぼんやりとした口調で呟きつつ、こちらを覗き込んできた。
 童顔にだらしない笑みを浮かべ、ゆっくりと跨ってくるのに、心臓と肉棒が跳ねる。
 前屈みになったことで豊満な双乳が目の前に迫り、その事で肉棒がビクンビクンと震えを走らせる。
 先ほどまで玲霞の幼い肉体を味わっていたせいか、那由花の肉付きの良い体は、その存在だけで肉欲を刺激してたまらなかった。この肉の中に入りたい、肉棒を押し込みたいとする衝動が湧き起こってくるのだ。
 だが次の瞬間、那由花の体に絡みついた触手が、こちらへ伸びてきたため硬直する。
 避ける間もなく体に絡みつかれ、ゾッとするような嫌悪感と、強烈な快感が押し寄せてきた。
「わたしとぉ、気持ちいいことしましょうねぇ……」
 那由花が虚ろな笑みを浮かべ、豊満な乳房を顔面に押しつけてきたため、その天国とも言うべき状況に、一瞬で嫌悪感は消え去っていった。
 残っているのは快楽のみであり、脳が肉欲に染まっていくのが感じられる。
 このままではいけない、と心の片隅で思うものの、魅惑的な那由花の肉体から離れることなど出来なかった。そもそも触手に絡みつかれているため、体の自由はすでに無くなっていたのだ。
「ふふ、気持ちいいですかぁ? それじゃぁ、もっともっとぉ気持ちいいことしましょうねぇ……」
 那由花は甘ったるい口調で呟くと、肉棒を掴んできた。
 そのまま腰を上げ、ゆっくりと己の胎内へと咥え込んでいく。
 心地良い締め付けと、温かく湿り気を帯びた肉に包み込まれ、そのあまりの気持ち良さに、もうどうなってもいい、という想いに染まっていく。
 今自分は、憧れの那由花とセックスしているのだ。
 この素晴らしい肉体の中に入り込んでいるのだ。
 それ以外、何を気にする必要があるだろう。
「あっ、あっ、ああんっ……いいですぅ、緋道くんのこれ、あっ……凄ぉくいいですぅ……」
 腰を上下に動かしながら、那由花はいやらしい声で喘いだ。
 体が動くたびに豊満な乳房がぶるんぶるんと揺れており、その存在感を主張する光景に、益々肉棒が猛っていく。
 下から見上げる那由花の肢体は、実に美しくもいやらしく、二つの美麗な膨らみと、キュッとしまった腰のラインの組み合わせには、まさに芸術と言える極上さがあった。
 男として、これほどの肉体を持つ女を抱けているというのは、至高の状況と言えただろう。
「もっと、ああっ……もっと下さい、あんっ……緋道くんのおちんちん、もっとお願いぃ……」
 可愛らしい童顔を悩ましげに歪ませ、前後に荒々しく体を揺らしながら求められると、いくらでも与えたくてたまらなくなってくる。
 自らも腰を動かし、突き上げることで快感も増し、それに那由花がいやらしい反応を示す状況に、狂わんばかりの快楽が感じられていく。
 この素晴らしい女の中に精を吐き出したい。
 思い切り精液を注ぎ込み、己の物としたい。
 そうした想いが駆け巡り、訳が分からなくなりながら腰を激しく突き上げていく。
「ああんっ、あっ、やっ……そんな、あぅっ……そんなにされたらわたしぃ、あっ、ああっ……駄目っ、駄目っ、駄目ぇっ……」
 もう限界だと言うように、那由花は大きく仰け反り、体をピクピクと震わせながら与えられる快楽に浸っている。
 絡みついた触手がウニュウニュと蠢いているのが見え、接触している部分から蕩けるような快感が押し寄せ、膣内の肉棒が強く締め上げられていく。
 動きが連動しているその様子に、もしかしたら今肉棒が収まっているのも触手の中なのではないか? という疑惑が起きる。
 だが別にそれでも構わないと思った。何故ならとにかく気持ち良くてたまらなかったからだ。自分が何の中に入れていようが、こんなに気持ち良いのであれば、それでいいではないか。
「あぅっ、あっ、ああんっ……いいっ、いいっ、いいですぅっ……緋道くんもっと、ああっ……緋道くぅんっ……やっ、やっ、やぁあああああああんっ」
 那由花の絶頂の叫びと共に、肉棒の栓が開き、一気に精液が迸っていく。
 強烈な快感が押し寄せ、頭が真っ白になる。
 精液がドクドクドクと放出されていくのが感じられ、那由花を己の物としている実感を抱く。
 那由花の体に絡みついた触手が、ウニュウニュと蠢き、それに合わせるように強い吸引が行われ、その度に射精が繰り返されていった。
 すでに嫌悪感は遠くなり、湧き起こる快楽で心も体も満たされていた。
 このままずっと、この気持ちの良さに浸っていたい。そうした想いに包まれながら精を放ち続けていく。
 しばらくして精液の放出が止まると、那由花が満足そうな笑みを浮かべながら倒れ込んできた。
 胸に豊かな乳房の潰れる感触が発生し、その気持ち良さにうっとりとなる。
 肉付きの良い那由花の肉体は、こうして触れているだけでたまらなかった。
 すぐさま肉棒が硬さと大きさを取り戻し、再びセックスしたいという衝動が押し寄せてきた。
「いいんですよぉ。わたしとしましょぉ……気持ちのいいことぉ……何度も何度もしましょぉ……」
 甘ったるく囁いてくるのに、肉棒がさらに猛っていく。
 声を聞いているだけでも抱きたくて仕方なくなる那由花は、まさにセックスするのに理想的な女と言えた。
 肉棒を包む襞は激しく蠢いており、その刺激だけでも精を漏らしてしまいそうだった。
 ふと視線が那由花の尻へ向くと、そこに触手が突き刺さるような形でくっついているのが見えた。
 おそらく先端は幽体となって体内に入り込んでいるのだろう。つまり自分が肉棒を入れているのは、触手の中という事なのかも知れない。膣だと思っているのは、触手の感触なのだ。
 そうした認識を得るが、「それがどうした。気持ち良ければいいではないか」という想いが湧き起こり、嫌悪感を感じることはなかった。
 すでに淫妖の術中にハマり、何をされても受け入れる状態になっているのかも知れない。そしてそれすらも「どうでもいいこと」として認識しているのであり、完全に淫妖の虜となっていると言えた。
 そうした状態であるのが淫妖にも分かっているのか、いつの間にか体の拘束が無くなっているのに気がつく。触手は絡みついているものの、動きの自由を縛るものではなくなっているのだ。触れている部分から快楽を与える状態だけになっているのである。
 そうなっても逃げる意識は全く起きなかった。それよりも、もっともっと那由花の肉体を味わいたい、玲霞ともまたセックスしたい、とする意識に染まっていたからだ。
 両手を伸ばし、目の前で揺れている豊満な乳房を鷲掴む。
 手のひらに極上の柔らかさと弾力が押し寄せ、夢中になって揉みしだいていく。
 ああ、自分は何と幸せな状況に居るのだろう。これほどのおっぱいを自由に出来るなど、あまりに幸せすぎることだった。
 もっともっと今の状況を楽しみ、味わっていかなくては。
 そうした想いに浸りながら、淫らに体を揺らしている那由花を眺めつつ、神治は快楽に腰を激しく振っていくのだった。


 ぼんやりとした意識の中で、自分は何をしているのか、と神治は考えた。
 見れば、目の前では白い肉体が揺れており、セックスしているのだという事が何となく理解できた。
 時折それが幼い肉体になったり、豊満な肉体になったりして、実に幸せなことをしているのだという満足感が溢れてくる。
 射精も何度も繰り返され、押し寄せてくる快感にうっとりしつつ、放出するたびに肉棒が気持ちのいい肉にしごかれ、すぐさま勃起させられるのに嬉しくなってくる。
 可愛らしい二つの顔がいやらしく歪み、魅惑的な二つの肉体が悶えていく様に、いつまでもこうしていたいという想いを抱く。
 そう言えば、もうどれくらいこうしているのだろうか。
 というより、自分はいつからこうしていたのだろう。
 そんな疑問も起きてくるが、それよりも今感じている気持ちの良さで一杯になりたい、といった想いが疑問を確かめる意識を奪い、とにかく目の前の女体を味わうことしか考えられなくなっていた。
 快感が走り抜け、射精したのが分かる。
 これも何度目なのか分からない。
 だがそんな事はどうでも良かった。何しろ射精をする事は凄まじく気持ち良かったからだ。
 魅惑的な二人の女を何度も抱く悦び。
 それは男にとってこの上ない快楽だろう。
 自分はそれを繰り返している。
 何と幸せなことなのか。
 このまま死んでしまったとしても、それは実に素晴らしい事なのではないか。
 そんな想いが湧き起こり、実際にそうしてしまっても良いように思えていた。
 このままずっと射精を繰り返し、そのまま果てていくのだ。
 セックスに生きてきた自分にとり、それこそが理想的な死に方のように思えたのである。
 そんな事を想いながら、神治は鈍くなった腰を突き上げ、それによって悶える女体を眺め、甘い吐息を聞きつつ、至高の悦楽に染まっていくのだった。


 どこか遠くで、苦しげな喘ぎが聞こえていた。
 それは言葉になっていない、動物の鳴き声のようなものだったが、何となく「辛い」とか、「苦しい」とか、「止めて」とかいった意思を感じさせるように思えた。
 何故そのような声が聞こえるのか分からなかったが、快楽に浸っている自分にとり、どうでも良いことでもあった。
 何しろとにかく気持ち良くて仕方なかったからだ。
 何度も何度も射精を繰り返し、その度に回復し、快楽を貪っていく。
 意識せずとも勝手に体が動き、気持ちの良さを発生させていく。
 まるでそう設計された機械であるかのように、繰り返し繰り返し腰は動き、肉同士を擦り合わせることで快感を生んでいっていた。
 ああ、たまらない。
 こんな気持ちの良さ、止められるはずがなかった。
 もっともっと、何度でも、気持ち良くなっていくのだ。
 朦朧とした頭はそれだけを考え、押し寄せてくる快楽に身を任せ、悦びに染まっていく。
 痛烈な悲鳴のような声が響き、ドサリと大きな物が落ちるような音が聞こえてくる。
 何かが体の中に入り込んでくるような感覚が起き、それと共に急激に元気が湧いてくるような感じがした。
 疲れていた体に力が漲り、肉棒がいきり立って、さらなる快楽を欲するように腰の動きに力が入っていく。
 体の上に乗っている柔らかな肉を抱き締め、突き上げるようにすると、可愛らしい喘ぎと共に、その肉が蠢いた。
 押し寄せてくる快感に脳が痺れ、この気持ちのいい肉の中へもっともっと入りたいと急かしてくる。
 ああ、何と素晴らしいのだろう。
 この気持ち良さは永遠だ。
 これからも、死んだとしても、これを止めるなんて出来るはずがない。
 もっともっとこの快楽を味わっていきたい。
 まだまだ味わっていくのだ。
 さあ、張り切っていこう。
 元気が溢れてきた体を促して、激しく肉棒を突き上げていく。
 甘い吐息と、悶える肉の感触に、充実感と支配欲を満足させながら、さらに気持ち良くなっていくのだと奮起していく。
 遠くで泣き声のような妙な声が聞こえているのが気になったが、それよりも愛らしい喘ぎが響いてくるため、どうでも良くなっていった。
 徐々に意識が再び白くなっていき、やがて途切れるのを感じながら、神治は蕩けるような快楽の沼へとハマっていくのだった。


 気がつくと、見知らぬ部屋であったためギョッとなった。
 周囲には淫猥な「気」が満ちていたため、その事に動揺が激しくなる。ここまで濃厚な淫の「気」が存在しているなど、尋常な事ではないからだ。
 一体自分はどこで寝ていたのか。そう思いながら部屋を見回すと、両隣に裸の体があったためさらに驚く。
 これは誰だったかと、顔を覗き込み、それが人気子役の矢切玲霞のものであると分かった瞬間、ようやく自分の置かれた状況を思い出した。
 そう、自分は玲霞の家に招待されたのだ。そして彼女と那由花を相手にセックスを楽しんだのだった。
 あれからどれくらい経ったのだろう。
 最後に覚えているのは、確か淫妖の話を聞き、玲霞と那由花を相手に交互にセックスしていった辺りだろうか。
 それもただのセックスではなく、淫妖の触手に取り憑かれながらのものだ。強烈な快楽に意識を奪われ、繰り返し射精を行わされ続けたのだ。しかも自分の意思で「そうしたい」と思いながら。
 それが淫妖の手口であり、取り憑かれたら抜け出せなくなる恐ろしさな訳だが、現状セックスを続けていないところからして、どうやら無事に済んだらしい。
 とはいえ、この淫妖は殺すほどに獲物から生命力を奪わない種類らしいから、助かったのも当然かも知れなかったが。
 この部屋の淫「気」の異常な量も、淫妖が存在しているゆえとすれば納得だった。しかも濃厚なセックスを繰り返したとなれば、何ら不思議なことではないだろう。
 視線を淫妖が居た辺りへ向けると、触手が数本床に横たわっているのが見えた。
 ほとんど動きを示さず、じっとしたままであり、心臓の鼓動のような蠢きが定期的に起きているだけだ。
 まるで寝ているかのようだったが、淫妖も睡眠をとるのだろうか。というか、このような無防備な状態で寝たりするのだろうか。
 この部屋は淫妖の巣と言えるのだろうから、そうであってもおかしくはないのだが、外部の人間が居る状態でそうなるというのは奇妙に思えた。今自分がこの淫妖を殺そうと思えば出来てしまう訳で、そうしかねない相手と同じ場所に居て、安心して寝るなど不用心過ぎるからだ。
 そんな疑問を抱きつつ、さて、どうしたものかと首を捻る。
 恐らく自分は、淫妖によってかなりの生命力を奪われたに違いないのだが、その復讐をするべきだろうか。自分や玲子のような被害者を出さないために、この淫妖を殺してしまう方が良いだろうか。
 実際緋道村では、村人を守るため、淫妖を退治する活動をしている人間がいるくらいであり、淫妖の存在を確認出来た以上、そうした方が良いのではないかと思えたのだ。
 しかしもし殺すのだとしても、一体どうすればいいのだろう。刃物で刺したりすれば良いのだろうか。
 緋道村では、淫妖の生命力を奪い取って殺すらしいが、具体的なやり方としては、あまり知らなかった。それにそもそも種類の違う淫妖相手に有効なのかも分からなかった。
 そうした少々殺伐とした意識に染まりながら、どうしたものかと思考していると、不意に傍から可愛らしい寝息が聞こえてきたため視線を向ける。
 そこには気持ち良さそうな笑みを浮かべ、スヤスヤと眠っている玲霞の姿があった。
 何とも愛らしい寝姿であり、その様子を見ていると、心が穏やかなものに包まれていくのが感じられる。
(うちの神様なんだよ)
 先ほど説明された、玲霞の家の事情が頭に浮かぶ。
 この淫妖は、彼女の父親の事業を救った神であるという。
 それが事実かはともかくとして、そう信じている人間がここには居る。
 だとすれば、無断で殺してしまうのは、この家の人間に対して酷い行為をする事にならないだろうか。
 このような神など気持ち悪いだけだと思うのだが、信仰している人間にとっては大切な存在であるのだから、勝手に殺すなど、許されない事のように感じられたのだ。
 さらに玲霞は、自身がこの淫妖の娘であると認識していた。それが本当かどうかは分からないが、彼女がそう信じている以上、父親である淫妖を殺してしまうのは酷いことだろう。
 このまま淫妖を放置すれば、玲子の代わりに誰かが淫妖の獲物にされてしまう可能性もあったが、この淫妖は獲物を殺すまではしないようであるから、あまり害は無いと言えるのかも知れない。
 ならば殺すまではしなくても良いのではないだろうか。何より淫妖とはいえ、生物を殺す行為などしたくはなかった。
 だとすれば、ここは何もしないで立ち去るのが良いのだろう。そもそも知りもしない「獲物になるかも知れない人間」の心配まで、自分がする必要はないのだから。
 非情な感じもするが、己の知り合いが関わっている訳では無い出来事に、熱心になれないのも事実だった。
 それよりも、すでに愛おしさを感じている玲霞の家庭を壊したくない、という想いの方が強かった。玲霞は淫妖を「パパ」と呼び、それで幸せそうに暮らしているのだから、その生活を破壊することもないだろう。
 ゆえにここはこのまま立ち去るのが一番に思えた。
 そう結論づけると、何やら気分が楽になるのを感じた。やはり「殺す」などという思考は、気を重くさせるものなのだ。
 安堵の息を吐き出すと共に、大きく伸びをし、そろそろ家に帰るか、と考える。
 玲霞と那由花の様子をうかがうと、二人ともぐっすり寝ているようであったため、起こさないようにしてゆっくり立ち上がる。
 挨拶しないで立ち去るのは心苦しかったが、これだけよく眠っているのを起こすのも忍びなかった。
 少し離れた場所に横たわっている淫妖へ視線を向けると、そちらも似た様子で寝ているように見えたため、何やらその事に可笑しくなった。まるで淫妖が、セックスに疲れ果て、眠りこけているように思えたからだ。
 淫妖を疲れ果てさせるほどしたとは思えないが、実際前後不覚な状態で寝ているように見えるのだから、そうした印象を抱いても別にいいだろう。
 そんな事を考えながら、傍に畳んであった服を身につけ、部屋の出口まで歩いて行く。
 ドアを開けると、目の前には階段があった。どうやらここは地下らしい。
 そして部屋を出た瞬間、淫妖の嫌な「気」が消えたのに驚きを覚えた。
 どうやらこの地下室には、結界が張られているようだった。
 淫妖が存在しているにも関わらず、この部屋へ連れて行かれるまで異常を感知出来なかったのは、このせいだったという訳だ。
 おそらく玲霞が話していた「神殿」なのだろう。神である淫妖を迎え入れた神殿なのだ。
 淫妖の存在を公に出来ない以上、結界によって周囲に異常を感知させないようにするのは当然の処置だった。
 何とも見事なものだが、この神殿を造らせたのは、あの阿久津であるというのが引っかかった。
 アイドルグループ「イロス」と、そのマネージャーの梶浦は、阿久津を詐欺師だとして否定していた。それは阿久津の指導していた教義が、全て麻薬によるまやかしだという事からだった。
 しかし阿久津は、実際こうして結界を張る方法を知っているし、幽体離脱する方法も知っている。となれば、麻薬など使わずとも、教義の実践に必要な異能の行為をしていく事も可能なはずだった。
 だが彼は、何故かそれをしていなかった。敢えて麻薬を使用し、詐欺まがいの活動をしているのだ。
 どうして隠すのだろうか。異能の行為を隠さず、全ての会員に教えていけば、信仰心を高められるだろうし、詐欺だとして辞める人間も出にくいだろう。なのに何故公にしないのか。
 その事が気にかかった。
 やはり阿久津には、何か秘密があるのかも知れない。
 二度と関わるまいと思っていた人物だが、こうしてまた引っかかりが出来てしまうと、どうにも気になって仕方なかった。 
 とはいえ、積極的に調べようという気になれないのも事実だったが。
 そんな事を考えつつ、最後に振り返り、玲霞と那由花、そして淫妖の姿を確認する。
 淫妖と、それに関わる女性達。
 特に玲霞は淫妖の娘で、触手を持つ存在だった。
 その肉体は淫妖の血を引いているだけあって、強烈な快楽の塊と言えるものであり、何度でも味わいたくなる魅力に溢れていた。
 那由花にしても、人間の中では極上と言える肉体の持ち主であったし、童貞時代の夢を叶えさせて貰えたことには、何とも言えない感慨を伴う嬉しさがあった。
 淫妖との関わりは気色悪かったが、それ以上に魅力的な女性二人を抱けたことに、強い悦びが湧いてくる。
 またすぐにでも、彼女達を抱く事にしよう。
 そんな事を思いつつ、大きく息を吐き出した神治は、ゆっくり階段を昇ると、玄関へ向かって歩いて行くのだった。












あとがき

 淫妖の話でした。
 玲子の時よりもさらに踏み込んだ内容になったと思います。
 特に玲霞は淫妖の娘という事で、触手を持つ、ある種人外要素なお嬢さんとして登場させてみました。
 こうした普通では無い相手とのセックスというのは好きなので、今回は楽しく書かせていただきました。
 その分難しくもあったので、少々時間がかかってしまいましたが。
 触手だなんだというのは、私の性癖に多大な影響を与えた菊地秀行先生の作品から色々参考にさせていただいております。
 菊地先生のようなグロくもエロスな描写というのは、どうも私は上手く書けないのですが、もし雰囲気だけでも出せていたら嬉しいです。
 化け物との交わりというのは、近親相姦と共に、私にとって重要なエロス要素なので、今後も頑張って書いていきたいと思っています。
 やっぱり触手みたいな存在とのグログロしたセックスってのは、凄く興奮しますからねぇ。
 後は描写を上手く出来るようになれば完璧なのですが、なかなか難しいでございますわ。
(2018.2.28)

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