緋道の神器


        第四十五話  乱交場



 大きなベッドの上で、神治は美少女三人と裸で絡み合っていた。
 相手は中学時代に生徒会役員だった桜子、翠、乃梨子だ。数日前、偶然再会した時に、後日会う約束をしたのである。
 そして緋道村出身者と会うとなれば、必然的にセックスをする事になるため、こうした状態になっていたのだった。
 久しぶりに味わう三人の肉体は、相変わらず素晴らしく、少し大人びた部分もあるせいか、そんな彼女達を自由にしている事に嬉しさが起きた。
 何よりこうして三人を一度に相手にするという事は最近無くなっていたため、そういう意味でも楽しかった。
 いつもより興奮したため夢中になって抱いてしまい、あまり張り切ったせいか、途中で気絶させたりもしていた。久しぶりに素晴らしい三人を抱いた事でテンションが上がっていたのだろう。
 緋道村の女性、それもかなりの美少女で、肉体的にも優れている三人を一度に相手にするという行為は、興奮をやたらと高めたに違いない。
 そうして自制が効かないところがまだまだ未熟だと反省しつつ、もし未迦知神に知られたらと思うと恥ずかしくてたまらなくなった。
 とはいえ、こうしてたまに思い切り楽しむのも、ストレス発散になって良いのではないかとも思っていたのだが。
「神治くん、何か楽しそうだねぇ」
 股間で肉棒を咥えていた乃梨子が顔を上げ、ニコニコしながら言ってきた。
「そうですね。皆さんとしてるのが楽しいですから。そういう乃梨子先輩も楽しそうですよ」
「そりゃそうだよぉ。乃梨子のこと満足させてくれるの、神治くんだけだもん。さっきしてくれたのなんて、もう意識無くなっちゃうくらい凄くて、乃梨子感動しちゃった。神治くん前より凄くなってるよねぇ」
「駄目よ乃梨子、当主さまとお呼びしなくては。外ではともかく、ここはわたくしたちの部屋なのだから、村に居る時と同じように敬わなければいけません」
 神治の横で首筋に舌を這わせていた桜子が、厳しい表情を浮かべながら指摘している。
「ぶ〜〜、いいじゃん別にぃ。神治くんは神治くんだもん。乃梨子のこと、すっごく可愛がってくれる素敵な男の子なんだからぁ、愛情を込めて『神治くん』って呼びたいよぉ」
「駄目よそんなの。神治さまは友達じゃないのよ。当主さまなのだから、敬意を持って接するべきです。せめてわたくしのように『神治さま』とお呼びしなさい」
「ふんっ、だ。桜子ちゃんだって神治くんのこと愛しちゃってるくせにさ。夢中でしょうがないから『神治さまぁ』とか呼んでるんでしょ? 寝言で『わたくしの神治さま』って言ってるの、何度も聞いてるんだからね」
「な……そ、そのようなこと……わ、わたくしは……い、い、言ってません……」
 桜子は顔を真っ赤にしてしどろもどろになっている。どうやら本当のことらしい。
「寝言なんだから寝てる桜子ちゃんに分かるはずないじゃん。言ってるよねぇ? 翠ちゃん」
「そうだな。私も何度か聞いた覚えがある」
「み、翠……あなたまで……」
 肉棒を咥えていた翠が顔を上げ、あっさりと同意の言葉を述べたことに、桜子は動揺したように顔を震わせている。
「ほらね? 翠ちゃんも知ってるんだよぉ。っていうか、別にいいじゃない寝言で言ってたって。それだけ桜子ちゃんが神治くんに夢中だって証拠なんだしぃ。嬉しいでしょ神治くん?」
「そりゃまあ、嬉しいですね。桜子先輩みたいに素敵な人にそんな風に言われるなんて。男としては最高でしょう」
「あ、ありがとうございます……」
 神治の言葉に桜子は恥ずかしげに頬を染めた。
「ホント凄いよね神治くん。桜子ちゃんをここまで乙女にさせちゃうんだもん。他の男の子の前じゃ女王様なのにさ。普段の桜子ちゃんを見せてあげたいよ。ホント凄いんだよぉ。神治くんは村での桜子ちゃんしか知らないでしょ? こっち来てから凄いんだから。何しろちょっと喋ったり、見ただけの女の子達まで夢中にさせちゃってるんだよ。あれには驚いたなぁ。レズだったらハーレム状態ってやつだねぇ」
「止めて乃梨子。そういうのは話しては嫌よ。同性愛なんて止めてちょうだい」
 慌てたように桜子が止めているのに可笑しくなる。
 普段は感じられるどこか偉そうな雰囲気が無くなり、普通の女の子のような反応をしているからだ。
「え〜〜? どうしようかなぁ? 桜子ちゃんに夢中になってる女の子の話とかぁ、すっごく面白いんだけどぉ」
「止めてお願い。あなたの食べたがってたスイーツ、ご馳走するから」
「うわっ、やったぁ。何か得しちゃったなぁ……ふふ、これ使えるねぇ。また何か頼んじゃおうっと」
 乃梨子は嬉しそうにしながら何かを企むような顔をしている。
 元々が清楚な雰囲気のある美少女であるため、そうした表情をしても可愛さがあるのが何とも良かった。
「乃梨子、次は止めな。こういうのは一回だけにしておくのが友達ってものだよ」
 だがそうした乃梨子の態度を翠が見過ごすはずもなく、厳しい雰囲気で指摘している。
「うぅ……分かったよぉ。友達だもんねぇ、そうだよねぇ、何度も頼んだら酷いよねぇ……」
 相変わらず翠には弱いのか、乃梨子は残念そうに納得の言葉を呟いている。
 神治としても普段の桜子の様子は気になったが、本人があそこまで嫌がっているのだから無理に聞くのは止めた方がいいだろう。
「それより乃梨子、当主さまのをもっと舐めて差し上げないと。せっかくあれだけ気持ち良くしていただいたんだからお返ししないと駄目だよ」
「分かってるよぉ。でも神治くんと話すのも楽しいんだもん。口使ってると喋れないから困っちゃうんだよねぇ」
 そう言いながら肉棒に舌を這わせてくるのに気持ちの良さを覚える。
 それに合わせるように翠も舐めてきたため、さらに快感が高まった。
 桜子もその様子を見ながら首筋に舌を這わせ始め、体を触れさせてくるのに心地良い感覚を覚える。
 女性の体と触れているとそれだけで幸せな気分になれるが、桜子ほどの見事な肢体の持ち主ともなれば、それがさらに強まるのだ。
 肉付きのいい桜子の肉体を片手で抱き寄せ、乳房を掴んだ手に力を入れると、豊満な膨らみが潰れる感触が伝わってきて最高に気持ちが良かった。極上の絹のようなすべらかな桜子の肌は、触れているだけでたまらない良さがあるのだ。
 このような少女を抱けるというだけで幸せであるのに、その相手が自分に夢中だとすればさらに最高だった。
「桜子先輩の体って素晴らしいですね。こうしてると凄くいいですよ」
「ありがとうございます」
 嬉しそうに頬を染める桜子の様子に、この女が自分の物だという実感が湧いてきて気分が良くなった。
「体だったら乃梨子もぉ。乃梨子も素晴らしいって言ってぇ」
 対抗心を燃やしたのか、乃梨子が慌てた様子で抱き付いてきた。
 その途端、強烈な気持ちの良さが溢れたため、肉棒がビクンっと震える。
 乃梨子の体は、触れているだけで相手を射精させるほどの力があるので、そうされているとたまらない良さがあったのだ。
「ねぇ、乃梨子にも言ってぇ。乃梨子の体が素晴らしいって。ねぇ、言ってよぉ、神治くぅん」
 甘えるように言いながら、体を擦り付けてくるのに射精感が急激に高まっていく。
 元々体自体がいやらしい肉付きをしているため、それだけでも気持ちがいいというのに、それに加えて特殊な力があるのだから、乃梨子の体は本当に凄いとしか言いようがなかった。
「乃梨子先輩の体も素晴らしいですよ。こうしてるとホントたまりません。最高です」
 そう言いながら空いている方の手で抱き締め、こちらからも擦り付けるようにすると、さらに快感が高まって蕩けるような気持ちの良さが溢れてきた。
「うわぁい。褒められた。神治くんに褒められたぁ。嬉しいよぉ。神治くん大好きぃ」
 子猫が甘えるようにして顔を擦り付けてくるのに強烈な可愛さを覚える。
 愛らしい容姿をしている乃梨子がそうした態度を取ると、実に可愛さが爆発する感じがしてたまらないのだ。
 左右から美少女二人に裸で抱き付かれている状態というのは、男として満足感が高まるものがあり、嬉しくなって二人を強く抱き締める。
「神治さま」
「神治くぅん」
 二人が首筋をペロペロと舐めてくるのにくすぐったい快感を覚え、うっとりしていると、不意に股間から強烈な気持ちの良さが押し寄せてきた。
 視線を向けると、翠が肉棒を咥え込み、勢い良く吸い上げているのが見えた。
 肉棒が引き抜かれるのではないかという勢いと、舌が絡みついてくるのが絶妙に気持ち良く、思わず射精してしまいそうなほどの良さが溢れてくる。
「う……あ……翠先輩……いい、です……凄い、く……」
 神治の言葉に翠は嬉しそうな笑みを浮かべると、さらに吸引を強くし、舌をいやらしく絡ませている。
「あ〜〜、翠ちゃん一人だけズルいぃ。神治くんのオチンチン独り占めしてるぅ。そういう事しないって約束なのにぃ」
「何てことかしら。翠に美味しいところを持って行かれるなんて」
 神治の肉棒に関しては、一人だけで舐めたりしないという約束が三人の中で決められていた。そうしないと取り合いになるのが分かっていたからだ。
 特に乃梨子は独り占めしかねない部分があったため、そう決めたらしい。
 それを真面目な翠が破るとは珍しいことだった。
「ふふ……乃梨子がオチンチンを放棄したのでね。これは一人でご奉仕しても構わないという意味かと思ったのだよ。それに……私だって当主さまに褒めてもらいたい……」
 最後にポツリと言ってきた言葉に、強い可愛らしさを覚えて嬉しくなった。
 どうやら一人だけ褒められていなかったのが寂しかったようだ。
 普段キリリとした翠だが、たまにこうした可愛い面を見せることがあった。
「う〜〜、乃梨子放棄してないもんっ。神治くんのオチンチンは乃梨子のなんだからぁっ」
 乃梨子は泣きそうな顔をしながら、慌てて肉棒にむしゃぶりついてくる。
「の、乃梨子……あなたその……ず、ズルいですわ……わたくしだって、わたくしだって……」
 桜子はゆっくり体を起こすと、どこか優雅さを感じさせる動きで肉棒に顔を寄せていっている。
 焦っていてもあまりがっつく態度を見せたくないのだろう。そういうところが桜子らしくて可笑しかった。
 見れば三つの美しい顔が肉棒に寄っており、三つの舌がそれに絡みつき、舐め回している様子に強い満足感を覚える。
 女王のような雰囲気のある美形の桜子に、清楚な雰囲気がありながら小動物のような愛らしさを持つ乃梨子。そしてモデルのようなクールな美しさを醸し出している翠。
 三者三様、異なった魅力を持つ美少女達が、己の肉棒を争うようにして舐めている。
 それは実に素晴らしい光景だった。
 考えてみれば、東京でこうして複数の女性と同時に性行為をすることはなかったような気がした。
 あまり派手な行為は出来ないというのもあったが、一般の常識からすれば、そうした行為を受け入れる女性というのはそう居ないから当然ではあるのだが。
 そのためそれが実現している事に何やら嬉しくなり、三人に対して感謝の気持ちが起きてくる。
「もう一度抱きましょうか? 皆さんもっと抱いて欲しいでしょう?」
「え? いいのぉ? 乃梨子は大歓迎っ」
 感謝の気持ちを表すのなら抱くのが良いだろうと思って告げると、早速乃梨子が嬉しそうに微笑んでいる。
「駄目よ乃梨子。今日は神治さまにご奉仕するのが目的なのだから、わたくし達が楽しむのでは……」
「当主さまが抱きたいって仰ってるんだから、いいんじゃないの? それに桜子も当主さま相手なら思う存分自分を出せるでしょう?」
「翠……」
 珍しく翠が桜子をたしなめているのに驚く。
 それと言葉の内容から、どうやら普段の桜子は自分を抑えて抱かれているらしい事が分かった。
 確かに最初に桜子と会った頃、男を試すような抱かれ方をしていたのを思い出す。
 神治には心を開いて普通に抱かれるようになったが、他の男相手では、未だにそうしているのかも知れない。
 先ほど乃梨子が指摘していた女王のような状態というのも、おそらくそういう意味なのだろう。
「そうそう、乙女な桜子ちゃんを見せられるのは神治くんだけなんだし、どんどん抱かれちゃおうよ。たまには全部を委ねちゃうくらい夢中になる方が健康にもいいと思うしぃ。実際さっきの桜子ちゃん、すっごくエッチで、すっごく幸せそうだったよぉ」
「あんなのは……あまりにはしたな過ぎよ。神治さまに恥ずかしい姿をお見せして、申し訳なく思っているのだから……」
 先ほど抱いた際の桜子は、かなり乱れていて、確かにはしたないと言えただろう。
 しかしこちらに夢中であるのが強く感じられたため、神治としては嬉しく思っていたのだ。
「俺は全然構いませんよ。桜子先輩のああした姿、凄く素敵です。これからもどんどん見せて下さい」
「そ、そんな……恥ずかしいですわ……」
 神治の言葉に桜子は顔を真っ赤にして俯いている。
 気位の高い桜子としては、あまり人にあられもない姿は見せたくないのだろう。
 だがそんな桜子だからこそ、そうした姿を自分にだけ見せてくれるというのが嬉しいのだ。
「桜子ちゃんが恥ずかしがっている間に、乃梨子が抱かれちゃおうっと。早くしたいもぉん。ねぇ神治くぅん、いいでしょぉ? 抱かれたがってない桜子ちゃんなんか放っておいて、乃梨子を早く抱いてよぉ」
 乃梨子はそう言いながら甘えるように抱き付いてくる。
 途端、強烈な快感が走り抜けたため、肉棒が大きく震えた。
「だ、抱かれたがっていない訳ではありませんわっ」
「だったら抱かれればいいじゃぁん」
「た、ただその……は、恥ずかしいのよ……」
「散々見せてるんだからいい加減慣れなよぉ。ホント桜子ちゃんは神治くん相手だと奥手だよねぇ。まあ、いいや。桜子ちゃんが慣れなければその分、乃梨子が楽しめるんだから。神治くぅん、早くしてぇ。お願ぁい」
 可愛らしく頬ずりしてくると、その見た目に不似合いな、強烈に淫靡な雰囲気が起きてくるのにゾクリとする。
 清楚で大人しめな容姿とは裏腹に、一旦意識がいやらしい方向へ向くと、乃梨子の肉体は男を強烈に魅了する状態になるのだ。これに耐えられる男はそうは居るまい。
「それじゃ、乃梨子先輩からですね」
 そう言いながら起き上がると、抱き締め返し、ゆっくりとベッドに横たえる。
 豊満な乳房をヤワヤワと揉みしだきつつ、肉付きの良い太ももを抱えるようにして肉棒を近づけていく。
 ズブリ……。
「やぁんっ……ふぁ、ふぅ……凄ぉくいぃ……やっぱりいぃ……神治くんのいぃよぉ……凄くいいのぉ……」
 肉棒が奥へ入り込んでいくと、それに合わせて乃梨子がうっとりとした表情を浮かべた。
 神治にしても強烈な快感を得ていたため、顔がだらしなくなっているに違いない。
 乃梨子の肉体は強烈な気持ちの良さがあるが、特に膣内はそれがさらに強くなるからだ。
 だが以前に比べて射精感が高まらない状態であったため、己の成長を感じて感慨深くなる。
「やっ、やっ、やぁんっ……すっごい、あっ……すっごいよぉ、ああっ……神治くんの、やぁっ……神治くんのオチンチン、あぅっ……すっごいのぉっ……」
 腰を前後させると、乃梨子は目を大きく見開き、口をワナワナさせながら感激したようにして喘いでいる。
「やっぱり、あんっ……前より凄い、ああっ……中学の時より断然、あぅっ……断然凄くなってるぅ、やっ、やんっ……乃梨子、ああっ……乃梨子おかしくなっちゃうよぉっ……」
 そのまま頭を激しく左右に振り、ビクンビクンと痙攣しているのを楽しく眺める。
 可愛らしい乃梨子が快楽に狂っている姿は、実にたまらなかった。
 それも普通ではないほどに反応している様は、己の物としている感覚が強まって良かった。
「さすがだね。当主さまに抱かれると乃梨子が普通の女の子みたいだ。普段は男の子を楽しませてばかりで、自分を出せてないからね。だから全てをさらけ出せる当主さまとのセックスは、嬉しくてしょうがないのだろうな。もしかして普段はやっぱり辛かったりするのかな?」
 翠が淡々とした口調で呟いている。
 確かに触れるだけで射精感を高めてしまう肉体であるため、思い切り楽しむことは難しいだろう。
 何しろ体を擦り付けるだけで、相手はあっさり射精してしまうのだから。
 そういう意味で、乃梨子も辛い想いをしているのかも知れない。
「何を言っているの翠。この子はいつも男の子達をあっさり射精させるのを凄く楽しんでいるでしょう? 何度も射精させて、男の子達が辛そうにしているのを見るのが大好きなのだから。自分の体で男の子達がよがっている姿を見ている時の乃梨子は、それはもう、凄く幸せそうです。辛い訳がないでしょう。まったく、そうした事を棚に上げて、わたくしの事を色々言うのだから困ってしまうわ……」
 珍しく怒った様子で桜子が呟いているのを面白く思う。普段こうした部分をあまり見ないからだ。
 それにしても「辛い訳がない」と断定しているのに可笑しくなってしまった。
 確かに乃梨子がセックスで楽しめていない姿はあまり想像出来なかったため、実際辛さは感じていないのかも知れない。それなりに色々楽しんでいるのだろう。
「あ、その……し、失礼いたしました……忘れて下さい……」
 神治の視線に気づいたのか、桜子は慌てたようにしてそう告げると、目をそらしている。
 そうして恥ずかしそうにしている姿は何とも可愛らしく、また普段とのギャップもあったため、神治はそそられるものを感じた。
「まあ、そんな感じで乃梨子は普段と違った楽しみを味わっている訳だ。それを見ている私も興奮してきたのでね、そろそろ抱いてくれるとありがたい」
 そう言いながら翠が体を寄せてくるのにゾクリとする。
 細身でモデルのような容姿をした翠は、色気を感じさせる仕草をすると独特の良さがあった。
 まるで人形に魂が宿ったような雰囲気を感じさせ、それが奇妙な興奮を呼び起こすのである。
「分かりました。じゃあ、次は翠先輩ですね」
「やぁんっ……抜いちゃやぁっ。神治くん抜かないでぇ……」
 腰を引こうとした瞬間、脚が絡みついてきて動きを封じられる。
 それと同時に強烈な快感が湧き起こり、肉棒がビクンビクンと激しく震えた。
「我が儘は無し。順番だよ。それにすぐに同じように感じられるんだから我慢しろ」
「ぶ〜〜、翠ちゃんの意地悪ぅ」
 翠の言葉に、乃梨子は頬をプクッと膨らませて拗ねている。
 高校生にもなってこういう仕草が似合うというのは何とも凄いことだった。
「我々にとって三人同時に抱いてもらえるというのは本当にありがたい。皆、結構独占欲が強いからね。キミを独り占めしたくて仕方がないのだよ」
「翠先輩もですか?」
「それなりに」
 その言葉を意外に思う。どんな事にも冷めた態度で接する印象があったからだ。
「なぁにがそれなりに、だよぉ。翠ちゃんが一番神治くんに執着凄いくせにぃ」
「そうね。翠は他のことはそうでもないけど、神治さまに関してはかなり強い執着があるように思えるわ」
「ハハ、二人にはバレバレだな。その通り。私は当主さまに対して凄い執着がある。ゆえに乃梨子が気持ち良くなっているのを見て、凄く羨ましくなってしまった訳だ。だから早く抱いてもらいたくなって邪魔をした、という訳さ」
「やっぱり意地悪だよぉ」
「順番であるのは間違いないだろう? 私は正当な権利を主張しただけだ。文句を言うのは筋違いだぞ」
「うぅ〜〜、やっぱり意地悪ぅ……」
 泣きそうな顔をしている乃梨子を可愛らしく思う。
 というか、どんな表情をしても可愛いのだから凄いものだった。
「乃梨子みたいに可愛い子も良いだろうが、私みたいなのも良いだろう? 当主さま、どうぞ私を味わって下さい」
 最後を丁寧な言葉で言いつつ、乃梨子から奪うようにして抱き付いてくる。
 その瞳は笑っているようでいて、どこか怖さを感じさせるものがあったため、「凄い執着」という言葉に真実味を感じさせた。
「分かりました。ではいただきます」
 そう答えながら押し倒し、長い両脚を広げて肉棒を押し込んでいく。
「あんっ……はぅ……いいな、やはりいい……本当にいいよ……キミのこれはどうしてこんなに、あぅっ……入れるだけでこんな、あぁっ……たまらない……」
 肉棒が奥へと進むのを感じているのか、翠はうっとりとした表情を浮かべて満足げに微笑んでいる。
「あっ、あっ、ああっ……こんなに凄いから、ああっ……凄くて凄いの、あんっ……駄目、いいっ……良すぎて駄目ぇっ……」
 腰を動かし始めると、強い快感を覚えたのか言葉遣いが女の子らしくなった。
 普段男っぽい印象を持たせる翠が、抱かれると女の子っぽくなるのに何ともそそられる。
 この先輩はこのギャップが実に可愛くて良いのだ。快感を与えれば与えるほどそれが激しくなるため、もっと気持ち良くしようという意識が強まっていくのである。
 先ほどはそのせいで、他の二人よりも早々に気絶させてしまった。
 反応が良い相手というのは、どうしても夢中になってしまうものだ。
「やんっ、やんっ……来た、ああっ……来たよぉ、あんっ……神治くんのが来たぁっ……いいっ、いいっ……凄くいぃっ……」
 隣で乃梨子が先ほどと同じようにして悶え始めた。
 複数人を同時に抱く術を使っているため、肉棒を入れていなくても入れているのと同じ効果が乃梨子に現れているのである。
「あんっ、あっ、やぁんっ……いいっ、いいのっ、いいよぉっ……もっとっ、もっとっ、もっとぉっ……」
 頭を左右に振り、整った顔を快楽で歪めながら悶える翠の姿は、何とも強烈にいやらしかった。
 モデルのようなスラッとした肢体が、こちらの与える刺激に敏感に反応し、ピクピクと弛緩する様子は実にたまらず、何度も強く突いていってしまう。
「はぅっ、はっ、はぁんっ……ああっ、神治さま、あんっ……神治さまぁっ……やっ、やんっ……神治さまお願い、ああっ……もっとしてぇっ……」
 意識が快楽に染まり始めたのか、呼び方が「当主さま」から「神治さま」へ変わっていた。
 以前「神治さま」と呼ばせた際はひどく恥ずかしがっていたのだが、逆にそのせいなのか、快感が強まると勝手にそう呼ぶようになっていた。
「あんっ、ああっ……でも恥ずかしい……やっぱり恥ずかしいよぉ、あっ、ああっ……でも凄いから、ああっ……凄いから言っちゃう、あんっ……神治さまっ、神治さまぁっ……」
 恥ずかしさは残っているのか、そんな事を言いながら悶えまくっている。
 どうやらそうして「恥ずかしい」と思うことが快感に繋がっていて、それを求めてわざとそうしているのではないかと思えた。
 何だかんだで翠も、快楽を求める緋道村の住人という事だろう。
「やんっ、やっ、やぁっ……神治さまいいです、ああっ……神治さま凄いです、あんっ……私の、ああっ……私の神治さまぁっ……」
 そう叫びながら強くしがみついてくるのに、強烈な執着を覚える。
 先ほど抱いた時は気にしていなかったが、確かにこれは強い執着と言えるだろう。
 快感を得ている状態だからそうなっているだけだと思っていたのだが、実は普段からそうした執着があるという事なのだろうか。
 神治は翠の新たな一面を知ったような気がして面白さを覚えた。
 そんな事を思いながら、ふと視線を桜子へ向けると、物欲しそうな顔でこちらを見つめているのが目に映った。
 神治と視線が合うと、慌てた様子で表情を引き締めているのが何とも可笑しい。
 内心はもう抱いて欲しくてたまらなくなっているのだが、それを口に出せないでいるに違いなかった。
 そうした変なところでも気位の高さが出てしまうのが桜子の可愛いところだった。
「それじゃ、次は桜子先輩ですね」
 腰の動きを止め、翠から肉棒を引き抜くと、桜子の方へと寄っていく。
「わ、わたくしはまだいいですわ……その……翠をもう少し気持ち良くしてあげて下さい……」
 視線をそらしながら心にもないことを言ってくるのに苦笑する。
「出た、桜子ちゃんの意地っ張り……はふぅ……こんな気持ちがいいの……何で先延ばししようと……するかなぁ……」
 息を切らしながら乃梨子が言ってくるのに、桜子は黙ったまま拗ねたようにそっぽを向いている。
「そこが桜子の……可愛いところでしょ……乃梨子も桜子のそこが……好きなくせに……」
 やはり呼吸を乱しながら言っている翠は、優しげな笑みを浮かべて桜子を見つめている。
「あ、あなたたち……う、うるさいですわ……わたしくは……わたくしは別に……」
「早く入れてもらいなよぉ……桜子ちゃんは私たちの中でぇ、一番神治くんに夢中なんだからさぁ……執着一番は翠ちゃんでぇ……夢中一番は桜子ちゃん……って、乃梨子は何が一番だろぉ……?」
「淫乱一番だな……」
「あ、それいいなぁ。そう、乃梨子は淫乱一番。これ決定」
「そのような一番を気に入るんじゃありません。翠も面白がって変な風に言っては駄目よ」
「ふぇ? 気に入っちゃ駄目なのぉ? 凄くいいと思ったんだけどぉ」
「普通は相手を侮蔑するために使う言葉です。それを気に入るのだから、まったくあなたって子は……」
「そこが乃梨子の可愛いところでしょ? 桜子もそこが好きなくせに」
「もう、翠……ふふ、でもそうね。乃梨子はそこが可愛くて好きよ」
 困ったようにしながら笑っている桜子は何とも魅力的だった。
 一見性格の合わない三人であり、特に桜子などは乃梨子を毛嫌いしそうにも思えるのだが、凄く仲良くしているのは、こうしたやりとりに居心地の良さを覚えているのかも知れない。
 聞いている神治にしても、温かな想いを抱いたからだ。
「それでは神治さま、わたくしを抱いて下さいまし。遠慮なさらずお願い致しますわ」
「遠慮しないといきなり気絶しちゃうかも知れませんよ。俺、それくらい出来ちゃいそうですから。さっきも抑えていたのに気絶させちゃいましたしね」
 実際、最近は意識して抑えないと相手を快楽で狂わせかねないほどの力はあるように思えた。
 桜子達を先ほど抱いた際も、彼女達なら大丈夫かと思って少し強めにしてみたのだが、調子に乗ってさらに強めたら気絶させてしまったのだ。
「そ、そんなに……さすがは神治さまですわ。しばらくお会いしない間にさらに素晴らしくなられて……わたくしは感激しております……」
 目に涙を浮かべ、本当に感激しているように見えたため、桜子が自分に夢中だというのは相当なもののように思えてきた。
 この感覚は部の民から受けるのと同じであるように思えたため、下手をすると部の民になりかねないだろう。
 桜子が未迦知神の部の民である事を考えると、それはマズいことのように思えたのだが、もしそうなったとしたら未迦知神は何と言うだろうか。
 意識してそうしたのならともかく、無意識にしたとなれば、いつものように呆れられるかも知れない。
 それは何とも恥ずかしく思えたため、出来ればそうしたくはなかったが、無意識の内にしてしまうのが自分であったため、どうしたものかと思った。
「ではわたくしが耐えられる程度に遠慮していただいて……神治さま、どうぞわたくしの体で楽しんで下さいませ」
 神治の想いをよそに、そう言いながら横たわる桜子の裸身は、相変わらず見事なまでに美しかった。
 この素晴らしい女を自分のモノとしている。
 それは男として凄く誇らしいことだろう。
 そんな事を考えながら美しい太ももを抱えて肉棒をズブリと突き込んでいく。
「あぁっ……はぅ……はぁ……神治、さまぁ……素晴らしい……素晴らしいですわぁ……」
 感嘆の声をあげる桜子は、快楽にうっとりとしているように思えた。
 それは部の民が神性を感じている状況とは違っていたため、やはり部の民にはなっていないという事なのだろう。
 その事に安堵しつつ、押し寄せてくる気持ちの良さに頭を仰け反らせる。
 桜子の膣内は、容姿の美しさに劣らない実に素晴らしい具合の良さがあったからだ。
 少し大人へと成長したせいか、以前よりも包み込むような部分が強まっていて、母性を感じさせる雰囲気があった。
 それがまた桜子の女王的な魅力と合っていて、彼女の持つ、従いたくなる衝動を覚えさせる力を高めているように思えた。
 もし自分が普通の人間であれば、否応なしに桜子に夢中になり、下僕のような態度を取っていただろう。実際桜子に付き従う男達は皆そうだという話を以前聞いたことがあった。
 先ほど乃梨子が桜子について、「凄くなっている」として、ただ話したり見たりしただけで相手を夢中にさせている、というような事を言っていたが、それもこうした力によるものなのかも知れない。抱かせずとも、相手を魅了する力が強まっているのだ。
 そこまで考えて、そうした影響を与える力というのは、自分が部の民を目覚めさせるのにも使えるかも知れないな、などと思った。
 女性の部の民候補の場合は抱けば良いが、男の場合はそれが出来ないからだ。
 もし桜子のように、話したり見たりしただけで部の民として覚醒させられれば、男の部の民も増やせるだろう。
 そう考えつつも、そうなると現状の自分ではどのみち出来ないことでもあるな、と思って苦笑する。
 結局今の自分は抱くしか能が無い状態であり、そうなると必然的に女性しか部の民に出来ないという事だろう。
 まあ、だからと言って困る事も無いのだから構わなかったのだが。
「あんっ、あっ、ああっ……いいです、ああっ……いいです神治さまぁ、はぅっ、はんっ……凄いです、あっ……ああっ……」
 そんな事を考えながら腰を動かしていると、桜子が可愛らしく悶えているのが見えた。
 普段の女王然とした偉そうな雰囲気は欠片もなく、神治に媚びを売る姿が何ともいやらしい。
 こんな姿を知っているのは、男では自分だけなのだと思うと嬉しさで一杯になってくる。
 桜子は自分にだけはこうした面を見せるのだ。他の男の前では女王であるにも関わらず。
 そうした特別扱いされていることは、実に気分のいい事だった。
「ああんっ、ああんっ、ああんっ……凄くて、ああっ……たまりません、やぅっ……神治さま、ああっ……神治さま神治さまぁっ……」
 美しい顔を快楽に歪め、美麗な乳房を震わせながら、桜子は悶え狂っていた。
 ウェーブのかかった髪を振り乱し、神治を求めて見つめてくるその瞳は淫靡に潤んでいる。
 小さく開かれた唇の間からは、舌がチロチロと動いているのが見え、それに誘われるようにして口づけていく。
「んんぅっ……んっ、んふっ……んっ、んぁっ……あぁっ……神治、さまぁっ……素敵です、ああっ……素敵ですぅっ……」
 舌を絡ませ、口内を舐め回しながら唇を擦り合わせ、強く吸うと、桜子はうっとりとした表情で見つめてきた。
「やんっ、やっ、やぁっ……いいよぉっ、いいよぉっ……」
「ああっ、あんっ……あっ、ああっ……凄い、ああっ……凄いぃっ……」
 傍らでは乃梨子と翠も甘く喘いでいて、三人の美少女を抱いている事に嬉しさが強まっていった。
 自分は何と幸せなのだろう。これほどの美少女達を好き放題抱いているのだから。
 肉棒には三人分の膣の感触が押し寄せており、それは蕩けるように気持ちの良いものだった。
 これこそまさに人生の楽しみというものだろう。
 セックスこそが人生だ。
 自分はこれからも女を抱いていく。沢山の女を自分の物としていくのだ。
 そう考えると、腰の動きも自然と激しくなっていた。
 今抱いている桜子達を、もっともっと気持ち良くし、もっともっと自分に夢中にさせていくのだ。
 そうした行為に、神治は幸せな想いを抱いた。
「神治さまぁっ、あっ、あぁっ……わたくし、あっ……わたくしもう、ああんっ……」
 切なげな瞳を向けながら、絶頂が近いことを訴えてくる桜子に笑いかけると、そのままさらに激しく腰を振っていく。
「やぁんっ、やっ、やぁっ……神治くん凄いよぉっ……凄いから乃梨子、ああっ……駄目っ、駄目ぇっ……」
「ああっ、あんっ……神治さま、あっ……神治さまぁっ……私、あっ……私ぃっ……」
 近くで喘ぎ悶える二人も、切羽詰まった声を漏らしながら、絶頂を迎えようとしているのが分かった。
 このまま一気に射精する。
 桜子の中にしか放てないが、気持ち的には全員に精液を注ぎ込むつもりで放つのだ。実際そうすると、女性達は精液を受けているような感覚を覚えるらしい。
 実態の無い物体が存在するように思える感覚。
 考えてみればそれは異常な事であったが、それを普通に使える自分は、やはり人間とは違っているのだという認識を抱く。
 だがそのおかげで、このように素晴らしい体験を出来るのだから嬉しい事だった。
 以前は恐怖を覚えたりもした事だったが、今はかなり受け入れることが出来ていた。
 この力を使って自分に従う女性を増やしていきたい。
 そんな想いを抱きつつ、高まった射精感に押されるまま、神治は美しい桜子の中へ精液を注ぎ込んでいくのだった。


 放課後、神治は一人で校内を歩いていた。
 今日は文芸部の活動も、陽菜に呼び出されもしていなかったため、特にする事も無く、植物園にでも行って琴巴の胸でも鑑賞してから帰ろうか、などと思っていた。
 のんびりと歩きながら、そう言えば雪花に琴巴の事が知られたら凄く大変そうだなぁ、と考える。
 以前に比べれば胸に対するコンプレックスは弱まったものの、あの特大の巨乳を目にしたら、凄まじく落ち込みそうな気がしたからだ。
 雪花は小さい胸だからこそ可愛くて良いと思うのだが、当人にしてみるとどうにも気になるらしく、大きい胸には極端に反応するのである。
 まあ、実際大きい方がインパクトがあって、見た瞬間に惹き付けられるのだから、雪花が気にするのも分かる気がしたが。
 そんな事を思いながら歩いていると、後ろから誰かが歩いてくる気配がした。
 ここから先には植物園しかなく、用事の無い人間が来るような場所ではなかったため、園芸部員の誰かかと思って振り返ってみる。
 しかしそこに居たのは、見覚えのない上級生の男子生徒だった。
 神治が振り返ったことに少し驚いたようにした後、ニヤリと笑って近づいてきたため、知り合いだっただろうかと記憶を探るが、思い当たらなかった。
「よぉ、ちょっといいか?」
 軽い口調で話しかけてきたその上級生は、どことなく嫌な印象を感じさせる部分があった。
 何というか悪さをしそうな、暴力を匂わせる雰囲気があったのだ。
 そのため少し警戒心を覚えた神治は、慎重に応答した方がいいだろうと身構えた。
「何ですか?」
「急に振り返ったから驚いたぜ。俺が後付けてたの、気づいてたのか?」
「え? 後付けてたんですか?」
 予想外の言葉に驚く。
 全く見覚えがない相手に、何故尾行されているのか分からなかったからだ。
「何だ違うのかよ。まあ、そんでもいいさ。お前にちょっと用があってな。お前、矢神の知り合いだろ?」
 その言葉から秋羅の関係者らしい事が分かった。
 もしかしてあの部屋の利用者だろうか。
 部屋に居る時に神治の事を見かけて、それで話しかけてきたとすれば納得できたが、何となく違うような気がした。
 何がどうという訳ではないが、この上級生はあの部屋を利用するのが似合わない感じがしたからだ。
「そうですけど、先輩は矢神先輩の友達ですか?」
「友達、ねぇ。まあ、腐れ縁……いや、ライバルって方がいいかもな。そんな関係だ」
 そう呟きながら上級生は苦笑を浮かべている。
 あまり楽しげでない表情であったため、友好的な関係ではないのかも知れない。
「そんな事はどうでもいいんだけどよ。お前、矢神にいい目見させてもらってるんだろ?」
「え? いい目って……」
「誤魔化さなくていいんだよ。女とヤってるんだろ? 矢神の仲介でさ」
 どうやらこの上級生はあの部屋の事を知っているらしい。
 ただ言い方からして、正確に部屋のことを理解している訳ではないようだった。かなり下品な捉え方をしているように思えたからだ。
「それであいつの下に付いてるんだろうけどよ、俺の方へ付けよ。そうすりゃもっと楽しませてやるぜ。あいつんとこじゃ、一人しかヤらせてもらえてないんだろ? でも俺んとこなら、いい女抱き放題だぜ。好きなだけ沢山ヤらせてやるからよ。あいつの手下止めろって。そんで俺に付けよ」
 どうやらこの上級生は引き抜きをしようとしているらしい。
 何やら神治を秋羅の手下と思っているらしく、引き抜いて己の手下にしようとしているという訳だ。
 どうしてそんな風に思うのか分からなかったが、この上級生の認識ではそういう事のようだった。
「いや、別に手下って訳じゃ。それに沢山抱けなくてもいいですし」
 ただでさえ多くの女性を相手にしているのに、さらに増やすなど面倒過ぎるだろう。しかもどうにも胡散臭い人物が用意した相手ともなればなおさらだった。
「馬鹿だな。女は沢山抱いた方がいいぞ。一人で満足してるなんて勿体ないぜ。一度に二人の女を抱いたりとかスゲェいいからよ。両脇に裸の女が寄り添ってるのを想像してみろよ。女二人にチンポ舐められてるの想像してみな。どうだ? 興奮しねぇか?」
 それは確かに興奮するものがあった。
 つい最近も美少女三人相手に似たようなことをしていただけに、そうした楽しさについては実感があったからだ。
(そういや、こっちではそういうのはほとんどしてないんだよなぁ)
 相手にしている女性は多いものの、一度に複数人を相手にすることは無かったため、今言われたような状況というのは、ある意味してみたい事でもあった。
 思わず部の民の女性達を全員侍らせたら実に楽しそうだ、などと妄想してしまう。
「おっ、乗ってきたな。顔が笑ってるぜ。スケベな顔になってんぞ」
 そう指摘されたため、慌てて恥ずかしくなりながら顔を撫でる。
「気にすんなって、男なら当然の反応なんだからよ。それでどうだ? いいだろそういうの? 俺はそれをお前に体験させてやろうって言ってんだ。だから俺んとこ来いよ」
 そう言われると、何やら興味が湧いてきてしまった。 
 先ほどと異なり、「複数の女性を抱く」という事に意識が向いているせいだろう。
 とはいえ、緋道村でならともかく、一般社会においてそのような事が出来るというのはどういう事なのか。風俗店か何かでそうした事をしていて、この上級生は客引きでもしているのだろうか。
 そうなると金を取るのが目的で誘いをかけているように思えたため、警戒心が強まっていった。
「いやでも、急に言われても……俺、先輩のことよく知らないですし……」
「まあ、そりゃそうだな。知らないヤツに急に言われたらそうだろうよ。金取られるんじゃないかって心配もあるだろうしな。でも俺は金なんか取らねぇぜ。ただ矢神のヤツから離れてくれればそれでいいんだからよ。手下を辞めてくれりゃいいんだ。その礼として、あいつんとこよりいい目を見させてやろうって言ってるんだ」
「いや、別に手下って訳じゃないですから。だから辞めるも何もないんですよ」
「だけど矢神の仲介で女抱かせてもらってるんだろ?」
「いや、それは……別に矢神先輩は関係ないです」
「誤魔化すなって。お前が矢神が仕切ってる旧校舎から出てくるの見てんだからよ。あそこでしてんだろ、女と」
 それは確かにその通りだったが、だからといってそれで秋羅の手下になっている訳ではなかった。その誤解をどう解いたものだろうかと困ってしまう。
 だが改めて考えてみると、この上級生が気に入らないのは、秋羅と親しくしていること自体に思えたため、上手く説明したところで納得してはくれないように思えたが。
「まあ、誤魔化したくなる気持ちも分かるけどよ。俺んとこにも来いよ。それでどんな感じか見れば、俺の方がいいって分かると思うぜ。何しろ女を沢山抱けるんだからな。な、来いよ。いいだろ?」
 そう言われると興味が湧いてきてしまう。複数の女性を抱けるという状況を、どうやって作っているのかが気になったからだ。
 自分が将来緋道村のような環境を作る際の、参考になるのではないかと思えたのである。
「分かりました。取り敢えず行くだけでいいなら行きます」
「おおっ、ようやく分かったか。それじゃ付いてこいよ。案内するからよ」
 そう告げると、上級生は片手で神治の背中を押し、促すようにしながら歩き出した。
 隣でニヤニヤしながら時折こちらを見てくるのに、やはりどうも好きになれない感じだなぁ、と思いつつ、話に乗ってしまうのは良くなかったかな、と少し後悔した。
 とはいえ、こうしたタイプは下手に申し出を断ると恨まれそうな気もしたので、従っておいた方が良いとも思ったのだが。
 それにしても、秋羅には変な知り合いが居るものだと思った。
 もしかしたらこの上級生のように、敵視というか、ライバル視してくる人間が結構居たりするのだろうか。
 まあ、あれだけ美形であれば、嫉妬されても仕方ないとも思えたが。
 そんな事を考えながら歩いていると、どうやら学校の外へ出るようなので、一体どこへ連れて行かれるのだろうと少々不安になる。
 だがどんな事になっても何とかなるだろうと思えているのは、以前に比べて図太くなったという事かも知れない。
 思えば色々な経験をしている訳で、命が危険にさらされた事も何度かある事を考えれば、高校生の呼び出し程度では動揺しなくなっているのだろう。
 そんな自分を頼もしく感じつつ、それでいて未熟な部分もあるのだから気をつけなければいけないな、とも思った。
 変な失敗をすれば、また未迦知神に笑われてしまうだろう。
 いい加減、そういう事は無くしたいものだった。
 失敗を知った際の、未迦知神の少し馬鹿にしたような、楽しげな、それでいて可愛く思ってくれているような笑みを想像すると、やはり自分はまだまだ未迦知神に甘えている部分があるなぁ、などと思うのだった。


 辿り着いたのは高級住宅街にある、大きな一軒家だった。
 どうやらこの上級生、名前は木城実春(きじょうさねはる)というのだが、金持ちであるらしい。
 門扉を開けて入っていくと庭園があり、玄関までの距離が結構ある事に感心すると同時に、またもや金持ちと知り合いになったな、などと思った。
 東京へ出てきてからというもの、あまり庶民の家にお邪魔したことがないのだ。何かそうした相手を引き寄せる力でも働いているのだろうか。
 金に困った時は助かりそうだと思いつつも、借金をするような状況にはなりたくないものだと思ったりもした。
 そんな風に周囲を見ながら家の中へ導かれ、居間らしき部屋へ入った瞬間、ある光景が目に入ったため少し驚く。
 そこでは高校生らしき男二人と、女の子五、六人が裸で絡まっていたからだ。
 男達の腰が動くたびに可愛らしい喘ぎが部屋に響いており、どう見ても乱交している現場だった。
 男達の方はどこにでも居るような普通の容姿だったが、女の子達の方はなかなか可愛い子ばかりであったため、そんな少女達が乱交している状況に思わず息を飲む。
 緋道村では見慣れた光景だったが、村の外でこのような現場に出くわすとは思ってもみなかった神治は、なるほど実春の言っていたことは嘘ではなかったのだと納得した。
「ここは使用中だったな。まあ、ちょうどいいや。こんな感じでヤってる訳よ。どうだ、俺は嘘言ってなかったろ?」
「そうですね」
「あいつらは杉野と川上って言って、別の学校のヤツなんだけどよ。何か普通のセックスじゃ物足りないとか言ってたらしくてな、俺の知り合いが連れてきたんだ。実際一人相手じゃ全然満足しなくてよ。いつもああして五、六人を相手に、二人してヤりまくってるんだ」
「へぇ、そうなんですか」
 緋道村でなくても、そんな人間が居るのだと感心しつつ見ていると、杉野と川上の様子にはどことなく落ち着きがないような感じがあった。
 何というか、切羽詰まってしているような雰囲気があるのだ。
 まるで童貞が初めてしている時のような、とにかく肉棒を擦りまくるような感じなのである。
「何か童貞が初めてしてるみたいだろ? あいつらあれでももう何回もヤってるんだぜ。回数だけならかなりのもんなんだ。でもよ、何でだかずっとあんな感じなんだよな。しかも帰る時にはいつも『物足りない。もっとしたい』とか言ってるんだから呆れるよな」
 それは確かに凄かった。
 精力が強すぎるのだろうか。
 神治にしてもそうした経験があったため、もしそうだとすれば大変だろうと思えた。
 自分の場合は、緋道村で好きなだけ精力が発散できたから良かったものの、そうでなかったら性犯罪者になっていたかも知れないのだ。
 もし彼らが同じ状態であるならば、こうして複数人を相手に出来るこの場所というのはありがたいに違いなかった。
 そんな事を思っていると、不意に杉野と川上が呻き声をあげながら体を硬直させた。
 どうやら射精しているらしい。
 少ししてから脱力したため、終わったのかと思いきや、二人ともすぐさま別の少女の体を抱えて肉棒を押し込んでいっている。
 一見、精力が旺盛で楽しんでセックスをしているような状況だったが、その顔は辛そうで、悲壮感を感じさせるものがあった。
 まるで「そうしていないと死んでしまう」と言わんばかりに腰を振っている感じなのである。
「驚くだろ? あいつら何か辛そうにしてるんだよな。実際ヤってないと苦しいって言ってたしよ。何ていうか、ヤクが切れかけてる状態みたいなんだな。そのくせヤってる最中も辛そうで、いくらヤっても満足しねぇってんだから参っちまう訳よ。俺は楽しませるためにヤらせてるってのによ」
 実春は困ったような顔をして呟いている。
 その間も杉野と川上の腰は動いており、辛そうな顔をしながら女の子達を責め立てている。
 女の子達の方は、そうされるのがたまらないといった感じで喘いでいたため、別に無理矢理ヤらされているという訳ではないようだった。
「まあ、あいつらはともかく、相手してる女共は、激しくされて悦ぶ奴らばかりだから問題無いんだけどな。『激しく何度もしてくれる男は居ないのか』って言われてたから、こっちとしちゃあの二人はありがたかったんだけど。それにしたって、あいつらの辛そうな顔見るたびに、どうしてこんなんなってるんだろなって不思議に思うぜ」
 確かにそれは不思議だった。
 普通精力が強いだけであれば、セックス自体は楽しいはずだからだ。
 回数をこなして、それだけ快楽を得られるのだから当然のことだろう。
 こうして可愛い女の子を何人も相手にしているとなれば、余計にそうなるはずだった。
 しかし彼らはこの状態が辛いらしいのだから不思議だった。
「どうも初体験の相手ってのが凄い体だったらしくてよ。他の女を抱いても満足出来なくなってるとか言ってたけどな。でもそんなくらいで普通あんなおかしくはならねぇだろ? だからその女ってのがスゲェ気になるんだけどよ、詳しくは教えねぇんだよな。俺に知られたら横取りされると思ってるらしくてさ。まあ、確かにそんなスゲェ女居たら、一度相手してもらいてぇからな。心配は間違ってねぇんだけど」
 世の中には凄い女性が居るものだ。
 まあ、自分の知り合いにもそうした肉体の女性は居るため不思議ではなかったが、最初に抱いたのがそんな相手では、それ以降は物足りなくてたまらないだろう。ある意味気の毒なことだった。
「ま、あいつらの事は置いといて、お前さんの方を楽しませてやるからよ。こっちに来な。いい女抱かせてやるから。何人がいい? 最初はやっぱり二人くらいにしとくか? 取り敢えず今日は他に男は呼んでねぇから、女共は余ってるからな」
 そう言いながら二階へ上がるように促され、階段を上ってある部屋へと招かれる。
 そこはベッドが二つ置かれていたため、どうやら寝室のようだった。
 そして一つのベッドには、白いセーラー服を身につけた、中学生くらいの女の子達が五人ほど腰掛けていた。
 皆かなり可愛く、アイドルだと言われても信じるほどの美少女ばかりだ。
「何お兄ちゃん、新しい人?」
 真ん中に座っていた少女がそう告げてきたため、どうやら実春の妹らしい。
 腰の辺りまで伸ばした黒髪が美しく、典型的な美少女という雰囲気を漂わせている。
「そうだ。こいつは矢神の手下でな、緋道ってんだ。引き抜いてやろうと思って呼んだんだぜ。緋道、こいつは俺の妹で沙璃香(さりか)。可愛いだろ? 周りに居るのも特別上玉な女ばかりだからな。絶対満足するぞ。しなきゃおかしいって」
 実春は得意げに笑いながら女の子達を手で示している。
「もう、また矢神さんなの? お兄ちゃんも懲りないよねぇ。いい加減矢神さんには勝てないって分かりなよ。その人だってどうせお願いして来てもらったんでしょ? 沢山女を抱かせてやる、とか言っちゃって」
「お、お願いなんかしてねぇよ。ただ俺んとこの方がいいって言っただけだ。それに沢山女が抱けるってのは嘘じゃねぇんだからいいだろ」
「それはそうだけど、女の子の方が嫌がったらどうするのよ。好みってものがあるんだからね。もしそういうの無視して抱かせようとしたら許さないんだから」
「わ、分かってるよ。だからちゃんとこうして事前にお前に会わせてんだろ? お前のチェック抜きの男は入れないって。そこはちゃんと分かってるからよ」
「どうだか。この間、私抜きで女の子に会わせたの知ってるんだからね。その子、後でしつこくされて凄く嫌がってたから、私が話し付けたんだから。そういうのはもう止めてって言ってるの」
「ゲ……いやその、あれはたまたまで……まあ、ちょっとした手違いってヤツだ……悪ぃ……」
 何とも凄い勢いの妹に、あっという間に実春の迫力が萎んでいるのに面白さを覚える。
 この部屋へ入るまでは、暴力臭のする少々怖さを感じさせる雰囲気があったというのに、今ではすっかり強気の妹にたじたじの、情けない兄の姿でしかなかった。
「まあ、この人はいい感じかな?……ふ〜〜ん、何かエッチな雰囲気あっていいじゃない。お兄ちゃんにしては上出来」
「だ、だろ? ちゃんとお前の好みを考えて連れてきてるって。スケベ顔なら分かるからまかせとけ」
「別に私はスケベ顔が好きな訳じゃないんだけど。そこが勘違いしてるって言うの」
「何だよ、エッチな雰囲気ってそういうことだろが」
「何度も違うって言ってるじゃん。単にスケベじゃ駄目なの。分からないかなぁ、エッチな雰囲気ってのは独特なのよ。私にはそれが感じられるんだから。この人も見た目は童貞みたいだけど、凄くエッチな感じだよ。エッチの味を覚えたら凄いんじゃないかな。無茶苦茶激しくしてきそう」
「こいつがか? 普通に大人しくしそうな感じだけどなぁ。こいつも杉野や川上みたいになるってのか?」
「まあね。でもあの人達とはちょっと違うかな。だって凄く落ち着いてるもん。普通私たちみたいな美少女の前に出たら、もっと落ち着き無くすのに、この人はそうじゃないから。凄く慣れてるって感じ」
 実春の妹は、フフっと小さく笑うと楽しげに見つめてきた。
 その視線には何ともねっとりとした淫靡なものが含まれていたため、思わずゾクリとしてしまう。
 体から淫の「気」が放出されており、それが徐々に部屋に広がっていくのが分かる。「エッチな雰囲気が感じられる」と言っていただけに、そうした力が強いのかも知れない。
 その影響を受けたのか、周囲に居る他の女の子達もいやらしい目でこちらを見てくるのに嬉しくなった。
 何しろここに居るのはかなり可愛い子ばかりなのだ。そんな少女達がエッチな雰囲気で見つめてきたら、男であれば思わずニヤけ顔になってしまうだろう。
「ほら、やっぱり。私にこんな風に見つめられて、普通で居られるなんてあり得ないもの。実際お兄ちゃんは狼状態になってるもんね。ふふ、したくてたまらないって感じ?」
 その言葉に実春へ視線を向けると、確かに落ち着きを無くして鼻息を荒くしていた。淫の「気」が部屋に充満しつつあるため、そうなっているのだろう。
 沙璃香は、こうした力に関して自覚があるのかも知れない。
「ヤベェよ。俺、我慢できなくなってきた。お前がこんな風になるなんて珍しいじゃねぇか。よっぽど気に入ったんだな? ならいいよな、こいつは合格ってことで」
「いいよ。みんなも文句無さそうだし」
 その言葉に周囲に居る少女達は頷いている。
「じゃ、じゃあ……もういいよな? 俺、もうヤりたくてたまらんわ。先に俺の相手してくれよ。頼むよ、いいだろ?」
「しょうがないお兄ちゃん。妹に欲情するなんて変態すぎ。まあ、いいよ、抱いても」
「よっしゃぁっ」
 そう叫ぶと同時に、実春は飛びかかる勢いで沙璃香を押し倒していった。
 そしてそのまま首筋に吸い付くと、むしゃぶりつくようにして舐め回し、胸元の膨らみを荒々しく揉みしだいている。
 何とも驚きの光景だった。
 何しろ兄妹であるのに、性的行為をしているのだ。
 緋道村でならともかく、一般社会で近親相姦をしているなど、驚くしかないだろう。
 この兄妹は性的なことに積極的な雰囲気がある訳だが、兄妹でもセックスをしているという事なのだろうか。
 そんな事を考えていると、沙璃香のセーラー服が捲り上げられ、ほんのりとした膨らみが顕わになった。実春は落ち着きのない様子で小さな乳首に吸い付きつつ、スカートを捲り上げ、パンティの上から秘所をなぞっている。
 沙璃香の呼吸が乱れ、「あ……あん……」という可愛らしい喘ぎが部屋に響き始めた。
「驚きました? これでもちゃんと実の兄妹なんですよ? 近親相姦しちゃってるんです」
 呆気にとられてその様子を見ていると、他の少女達が立ち上がり、近くへ寄ってきた。
 周囲に四つの可愛らしい顔が集まり、こちらをジッと見つめてくるのに嬉しくなってくる。
「何でこんな事になってるの? 普通兄妹でしないでしょ」
「そうなんですけどね。何かこの兄妹って、昔からエッチだったらしくって、物心ついたら触りっこみたいにしてたんですって。小学生の頃にセックスもしちゃったって前に言ってました」
 不思議に思って尋ねてみると、四人は顔を見合わせた後、笑いながらそう答えてきた。
「沙璃香ちゃんの傍に居ると、何かエッチな気分になっちゃうから、そのせいじゃないかって私たちは思ってるんですけど。今みたいにお兄さんの方が我慢できなくなると思うから」
 確かにあの淫の「気」を放出されては興奮してしまうだろう。
 とはいえ、普通はそこで「兄妹だから」と止まると思うのだが、そうなっていないところが凄い兄妹だった。
「もぉ、お兄ちゃんがっつきすぎ。ちょっと乱暴だよぉ……って、駄目だってっ。入れるのまだ駄目っ。駄目って馬鹿ぁっ……あぅんっ……入れちゃったぁ。お兄ちゃんの馬鹿ぁ……」
 沙璃香の声に目をやると、実春が強引に肉棒を押し込んでいるところだった。
 とはいえ、放出されている淫の「気」がかなり強いことを考えると、その状態で我慢しろというのも酷な話だろう。
 実際、先ほどまでの実春の表情はかなり切羽詰まっていたし、入れた今も非常にだらしのない顔をして体を震わせており、よほど入れたくてたまらなかったのだというのが伝わってきた。
「今日は何か凄いねぇ。お兄さんがいつもより落ち着き無くなってるよぉ」
「そりゃそうだよ。さっきから沙璃香ちゃん、凄いエッチだもん。こんなんじゃ我慢できなくなっちゃうって」
「そうだよねぇ。私たちだって凄く興奮してるしぃ」
 四人は木城兄妹のセックスを眺めながら楽しげに会話している。
 そして不意にこちらへ視線を向けてくると、嬉しそうに笑った。
「あのぉ、いいですかぁ? 私たちとセックスして下さい」
『お願いしまぁす』
 少女達はそう言うと抱き付いてきた。
 白いセーラー服を身につけた中学生の美少女達に抱き付かれ、興奮は否応なしに高まっていった。
 何しろ皆、凄く可愛いのだ。そして自分とのセックスを望んでいる。
 そのような夢のような状況が存在するとは驚きだった。実春の言っていたことは嘘ではなかったのだ。
 しかしどうしてこのような事をしているのだろう。
 これほど可愛いのだから、何も見ず知らずの男相手にセックスをしなくても、恋人は簡単に作れるはずだからだ。
「それはいいけど……何で君たちはこんな事してるの? 普通しないでしょこういうこと。恋人とすればいいんじゃない?」
「まあ、普通はそうですよね。でも理由があるんです」
「簡単に言えばぁ、私たちエッチなんですよぉ」
「エッチが好きなんです」
「だから恋人とか限定しないで、沢山の気に入った男の子としたいなぁ、って」
「でも普通はそういうの無理ですからね」
「そうしたら沙璃香ちゃんが誘ってくれて」
「何か私たちがエッチなのぉ、分かっちゃったみたいでぇ」
「仕事の息抜きもかねてヤっちゃおうかなぁって」
「そしたら凄く良かったから、ハマっちゃったって感じかなぁ」
 連続して別々の少女から言われるのに混乱してくる。
 誰かがまとめて話してくれればいいのだが、とぎれとぎれに別人が言ってくるので変な感じだった。取り囲まれた状態で、様々な方向から聞こえてくるのもあるだろう。
 というか、気になる単語があったため、それはどういう事なのかと尋ねてみることにした。
「その、仕事の息抜きって何? 君たち働いてるの?」
「ファンションモデルしてるんです」
「沙璃香ちゃんとは、それで知り合って仲良くなったんですよ」
「息抜きに遊びに来るように言われて、それでセックスに誘われたんです」
「最初は驚いたけど、実際してみたら気持ち良かったんで、それからずっとしちゃってます」
 なるほど、かなり可愛い子ばかりだと思っていたが、ファッションモデルな訳だ。
 そうした仕事をしているとなれば、綺麗になる方法も洗練されていくだろうから、可愛さが光っていて当然だった。
「それよりあの、緋道さん、でしたっけ? そろそろしましょうよぉ」
「そうそう、エッチしましょエッチ」
「沙璃香ちゃん達なんてもう凄くなってるじゃないですか」
「私たちも早くしましょう?」
 そう言われて木城兄妹へ視線を向けると、実春が激しく腰を振り、それに沙璃香が可愛らしく悶えている姿が見えた。
「沙璃香っ……沙璃香スゲェっ……やっぱお前は最高だっ……たまんねっ……」
「お兄ちゃん、あっ、ああっ……お兄ちゃんいいよぉ、あんっ……お兄ちゃんいいのぉっ……」
 先ほどの言葉のキツさはどこへやら、沙璃香が甘えるように実春にしがみついているのが何とも微笑ましかった。
 何だかんだ言ってもやはり兄妹なのだろう。
 それに幼い頃からセックスしているともなれば、普通の兄妹よりも関係性は深いに違いない。
 神治は己の姉妹達を思い出して何やら温かい気持ちになった。
「それじゃ、お願いするね。えっと、どうすればいいかな?」
「裸になってベッドに横になって下さい」
「私たちがご奉仕しますから」
「気持ち良くしてあげますからね」
「その後で、私たちも気持ち良くして下さいねぇ」
 手を引かれ、制服を手際よく脱がされた後、ベッドへ横になるよう促される。
 少女達が周囲に座って見つめてきたため、少々恥ずかしさを覚えた。
「うわぁ、何か凄ぉい」
「大きいねぇ」
「元気だよぉ」
「硬さもありそう」
 肉棒に視線を向けながら感嘆の言葉を述べてくるのに、男としての誇らしさが高まった。
 少女達は体に触れてくると、緩やかに撫でてきたため、くすぐったいような気持ちの良さが起きてくる。
 白いセーラー服を身につけた美少女の中学生四人に体を撫でられているというのには、何ともたまらないものがあった。
「緋道さん、やっぱりこういうの慣れてるんですかぁ?」
「え? 何で?」
「だって全然恥ずかしがってないですから」
「普通みんなもっと恥ずかしがりますよぉ?」
「四人でこんな風にしたら、凄く落ち着かない感じになりますもん」
「でも緋道さんは普通にしてるから」
「慣れてるんじゃないかって」
「やだぁ、もしかして普段から沢山の子としてるんですかぁ?」
 少女達はキャッキャッと笑いながら、手の動きを早めてきた。
 触れ方がいやらしさを感じさせるものになっており、気持ちの良さが上がってくる。
「ふぁ、やっぱり硬ぁい」
「ビクンビクンしてるねぇ」
「嘘ぉ、私にも触らせてぇ……うわぁ、元気ぃ」
「ホントだ凄ぉい。迫力あるぅ」
 肉棒に複数の指が絡みつき、強く弱く握ってくるのに快感が起こる。
 美少女達が楽しげに己の肉棒を愛撫してくる姿は、実に気持ちのいい状況だった。
 清純さを感じさせる白いセーラー服を身につけていることが、余計に興奮を誘う効果を発生させているのだろう。
 可愛らしい中学生四人の肉棒への愛撫は、遊びのようにしていて、何とも楽しさを感じさせるものがあった。
「もう我慢できない。私一番ね。あ〜〜ん」
「あ、こらズルいぃ」
「抜け駆けぇ」
「じゃあ、私もぉ」
 一人が肉棒を口に含むと、慌てて他の三人も争うようにして舌を這わせてきた。
 温かく湿った口内に包み込まれる気持ちの良さと、その周囲でチロチロと舌が這ってくる快感に、神治はうっとりとした表情を浮かべた。
 美少女四人が、己の肉棒を争うようにして舐めている姿というのは、実に素晴らしいものがあった。
 やはり複数人を相手にするというのは、一人を相手にした時にはない満足感があって最高だった。
 目の前には瑞々しい肉体が己の肉棒を求めて揺れている姿があり、こちらへ向けられている尻に思わず手を伸ばしていく。
「んんっ……んぁ……やだぁ、触り方上手いですぅ……」
「んっ、んんっ……緋道さんにお尻触られただけで、何かイっちゃいそう……」
 弾力のいい二つの尻を撫で回していると、少女達が可愛らしい顔を快楽に歪ませながら、甘えるように見つめてくるのがたまらない。
 まだ会ってから少ししか経っていないが、この四人に対して愛しい想いを抱くようになっているのは、こうした甘え方の上手さかも知れない。
 これをいつもしているのだとすれば、ハマってしまう男が居ても不思議ではなかった。
(そういや、これってただでやってるのかな?)
 ここまでサービスが良くて、言葉も男心を擽るものになっているとなると、仕事としてしているのではないかという疑惑が起きてくる。
 実際、実春に誘われた際はそうした事を疑ったのだ。
 木城兄妹のやりとりのせいでその事を忘れていたが、後で金を要求されてもおかしくはないのである。
 とはいえ、金を払う事に文句が言えないほどに素晴らしい状況でもあった訳だが。
「ねぇ、君たちって、やっぱりこの事でお金貰ってるの?」
「貰ってないですよぉ」
「趣味です趣味」
「その事気にする人多いですけど、私たち好きでやってますから」
「だから気に入らない相手だと断れるんです」
 そう言えば、先ほど沙璃香もそのような事を言っていた。実春が沙璃香に内緒で相手をさせた事を怒っていたのだ。
 つまり彼女たちは、本当にセックスが好きでやっているという事なのだろうか。
「じゃあ、俺は気に入ってもらえたってこと?」
「そうですね。沙璃香ちゃんが褒めた人ですから」
「そういう人ってエッチの相性いいんですよ」
「そうじゃない人とするのとじゃ全然違うのぉ。凄く気持ちいいんですぅ」
「それにそういう人だと、私たちも何か興奮してきちゃって、こんな風に先にご奉仕したくなっちゃうんです」
 なるほど、これまでの経験から、神治とのセックスを楽しみにしているという訳だ。それに加え、沙璃香の放つ淫の「気」の影響で、興奮が高まっているというのも大きいに違いない。
 そうした言葉の内容自体も演技と考えることも出来たが、彼女たちの様子には本気で言っている雰囲気が感じられたため、きっと本当にセックスが好きなのに違いないと思った。
 そうであるならば神治としても、ここまで気分良くさせてもらったお礼として、彼女達を気持ち良くさせてあげたくなった。
「ああんっ。もぉ、我慢できないぃ……お尻気持ち良すぎるよぉ……」
「私も駄目ぇ。何でこんなに気持ちいいのぉ……?」
 尻を撫でられていた二人が、耐えかねた様子で抱き付いてきたのに苦笑する。
 少々強めに淫の「気」を送ったことで快感が高まったのだ。
「緋道さんって上手ですぅ。こんな上手い男の人初めてですよぉ」
「ホントだよぉ。何でこんなに上手いんですかぁ? 私、すっごく感じちゃったぁ」
 美少女二人が左右から顔を寄せ、胸に甘えるように頬ずりしてくるのに愛おしさを覚える。
 何とも可愛らしい少女達だった。
「気持ち良くさせてあげたいって思ったからね。その想いが伝わったんじゃないかな?」
 そう言いながら二人の綺麗な黒髪を指で優しく梳る。
 すると二人は体をピクピクと震わせ、切なげな表情を浮かべた。
「あ……そんな……髪触られても、あ……気持ち、いぃ……」
「凄い……こんなの……初めてぇ……いいよぉ……」
 うっとりとした声で呟きながら、もっとして欲しいとばかりに体を擦り付けてくるのに嬉しさを覚える。
 白いセーラー服を身につけた美少女二人にそうされているのは、実に気分が良くなる状況だった。
 肉棒も激しく猛り、ビクンビクンと震えている。
「二人ばっかりズルいよぉ。私たちは一生懸命ご奉仕してるのにぃ」
「そうだよぉ。私たちも気持ち良くなりたいぃ」
 それまで熱心に肉棒を舐めていた二人が不満そうに告げてきた。
 とはいえ、ただ不満を述べているだけではなく、「だから早く自分たちにもして」と誘っている雰囲気もあるのが素晴らしい事だった。
 この四人は、何とも男を気分良くさせる技術に長けているのだ。
 実際そうした甘える態度をされる事で、四人全員を気持ち良くさせてあげなければ、という意識が高まっていたからである。
「それじゃ、二人にもしてあげるね」
「あ……ホントだ気持ちいぃ……」
「凄いね……緋道さんの手、凄くいぃ……」
 肉棒を舐めている二人の頭を撫でてあげると、うっとりとした表情を浮かべ、ボーッとした状態になった。
「なら私たちは、今度はご奉仕ね」
「うん、緋道さんを気持ち良くしてあげる」
 両脇に居る二人はそう言うと、胸元をペロペロと舐め出した。
 それはくすぐったい感覚と共に、快感を呼び起こしても来たため、実に心地良かった。
「じゃあ、私たちはまたオチンチンだね」
「気持ち良くしてもらったからお返しだよぉ」
 フェラチオ組も再び肉棒に舌を這わすと熱心に舐めてくる。
 美少女二人が桜色の唇を大きく広げ、肉棒を口に含んだり、小さな舌を絡ませてくるのは、何度も見ても最高の気分だった。
 清純さを感じさせる白いセーラー服を身につけている事と、行為の淫靡さとのギャップに、興奮も激しく高まっていく。
「緋道さん、胸、触ります?」
「そうだね、触りたい」
「じゃあ、いいですよ。どうぞ」
 両脇に居た二人が起き上がり、セーラー服をたくし上げてブラジャーに包まれた乳房を顕わにした。
 そのままブラジャーを外すと、程良い膨らみと小さめの膨らみが現れ、その造形の美しさに思わず息をつく。
 まだ性徴途上を感じさせる幼い雰囲気がたまらず、手を伸ばして包むようにして掴んでいく。
「ああっ……あぅっ……凄い、触られただけなのにぃ……」
「あんっ……いぃ……いいよぉ……何でこんなぁ……」
 ビクビクっと体を震わせて快感を示す二人の様子を満足に感じながら、柔らかくも弾力のある、大きさの異なる乳房をフニフニと揉んでいく。
 美少女二人の乳房を揉む行為は、実に素晴らしかった。
 やはり女の子のおっぱいは、揉んでいるだけでたまらないものだと改めて認識しつつ、快感に可愛い顔が歪む様子を楽しく眺める。
 少女達の白い肌が、触れるたびに桜色に染まっていき、指の跡が残る様子に、彼女たちを己のモノにしている実感を得られて最高だった。
「あっ……あんっ……吸って、吸って下さいぃっ……お願いしますぅっ……」
 程良い膨らみの子が、我慢出来ないといった感じで顔に乳房を押しつけてくるのに頷きつつ、ピンク色をした可憐な乳首に吸い付いていく。
「やんっ……はぅ……いぃ……あっ、あっ……ああんっ……」
 乳首を転がすようして舐め、数度強く吸い上げると、少女はピクンっ、ピクンっ、と体を震わせた。
「私もぉ、私もお願いしますぅっ……」
 小さな胸の子が、羨ましげにしながら胸を押しつけてきたため、今度はそちらへ唇を寄せていく。
 慎ましい膨らみに吸い付くと、乳首を押しつぶすようにして舐め、チュッ、チュッ、と小刻みに吸うのを繰り返す。
「あっ、やっ……やぅっ……やっ、やぁっ……」
 頭を左右に振り、気持ち良さげに喘ぐ少女の姿は実に可愛らしくもいやらしかった。
「二人ともいいなぁ……こうなったら私もしちゃうもんねぇ。緋道さん、入れていいですかぁ?」
 肉棒を握りながら尋ねてくるのに、頷いて了承すると、少女は嬉しそうに笑った後、腰を跨いできた。
「あ〜〜、ズルいぃ。私が先にしようと思ってたのにぃ」
「ごめんね。じゃ、お先〜〜……あっ、あぅんっ……」
 肉棒が温かくて湿った肉の中に収まるのが感じられ、ヌメヌメとした襞に絡みつかれるのに快感の吐息を吐き出す。
 美少女達に囲まれ、愛撫し合いながら肉棒を挿入するというのは、何とも気分のいい事だった。
 今入れている少女だけでなく、ここに居る他の少女達にも入れられるのだという想いが悦びを高めているのだろう。
「緋道さん……キス、しよぉ……」
 肉棒を入れられなかった子が、甘えるようにして唇を寄せてきた。
 乳房から口を放し、その子の唇に吸い付いていく。
 舌を出すと、すぐさま小さな舌が絡みついてきて吸ってくるのに、心地良い快感を覚える。
 至近距離に可愛らしい顔が迫っており、そんな少女と唇を重ねているのだと思うと嬉しくなった。
「あっ、あっ、ああっ……いいっ、いいっ、いいよぉっ……」
 腰の上では肉棒を入れた少女が上下に体を跳ねさせ、気持ち良さそうに喘いでいる。
 白いセーラー服を着た美少女が、己の腰の上でいやらしく悶えている姿は実に素晴らしい光景だった。
 肉棒は強く締め付けられ、それでいてヤワヤワと嬲られており、そのなかなかの感触にうっとりとなる。
 さすが経験が多いのか、幼いながらも肉棒に対する食いつきがたまらないのだ。
「緋道さぁん……」
「揉んで、お願ぁい……」
 左右の二人がそう言いながら、一人が首筋に吸い付き、もう一人が揉めとばかりに胸を手に押し当ててきた。
 くすぐったい快感を感じつつ、荒っぽく胸を揉みしだくと、可愛らしい喘ぎがあがった。
「んんっ、んっ……んふぁっ……んっ、んんっ……」
「あんっ、あんっ……あっ、ああっ……凄い、あっ……凄いよぉっ……」
「舐めてても、いい……何か気持ち良くなって……おかしいよこれ……」
「ああっ……胸が、あんっ……変、ああっ……こんなのって、あっ、ああっ……」
 必死な様子で唇を擦り付け吸い付いてくる少女に、快楽に染まったように腰を振りまくる少女。そして舐めることに快感を覚えたらしい少女と、胸を揉まれて激しく悶える少女。
 四人の女の子達は、神治に夢中になりながら気持ちの良さに染まっていっている。
 それはまさに美少女達を己の物としている状況であり、何とも征服欲と支配欲を充足させるものがあった。
「あっ、やっ、ああっ……わたし、ああっ……いいっ、いいのっ、ああっ……こんなの、あっ、あっ……こんなの初めてぇっ……」
 特に肉棒を入れた女の子は、朦朧とした様子で腰を激しく前後に振っており、たまらないのだというのが強く伝わってきた。
 膣内の蠢きもそれに合わせて高まっていて、ウニュウニュと絡みついてくるのが先ほどより激しくなっていた。
「ひ、緋道さぁん、あっ、ああっ……突いて、あっ……突いて下さい、ああっ……わたしもう、ああっ……自分じゃ無理、あんっ……上になって、ああっ……突いてぇっ……」
 耐え難い様子で体を震わせながら、困ったようにしておねだりしてくるのが可愛らしかった。
 どうやらあまりの快感から体を支えられなくなっているようだ。
 それも当然だろう。部屋の中に充満している淫の「気」が強烈になっていたからだ。
 隣でしている木城兄妹の交わりは最高潮になっていたため、沙璃香の放つ淫の「気」は勢いを増していたし、その上神治の肉棒から直接淫の「気」を注がれているとなれば、通常以上に快楽を得ているはずだった。
「じゃあ、上になるね」
 そう言いながら起き上がり、跨っていた少女をベッドへ押し倒す。
「あっ、あっ、ああっ……いいっ、いいっ、いいよぉっ……やっぱりしてもらうと、あんっ……すっごくいい、やっ、やぁっ……」
 腰を動かし出すと、少女が可愛らしく喘ぎ始めた。
 制服をはだけた美少女が、こちらの動きに合わせて悶える姿はたまらなく良かった。
 清純さを感じさせる白いセーラー服だけに、それを汚している感じがして興奮が強まるのだろう。可憐な少女を犯しているという感じがして、実にそそるのである。
「何か凄いです緋道さん」
「緋道さんとするの、凄く気持ち良さそう」
「次、私として下さい。凄くしたいです」
「あ、駄目だよ、次は私だもん」
「え〜〜? 私だってしたいぃ」
 体に抱き付いてきながら、順番を争う少女達に嬉しさが湧き起こる。
 押しつけられる幼い女肉の気持ちのいい感触がたまらず、自然と腰の動きも激しくなっていった。
「やんっ、やっ、やぁんっ……凄い、あっ……凄いの、ああっ……こんな凄いの初めてぇ、あっ、ああっ……もっと、あんっ……もっとだよぉっ……」
 涙を流しながら悶える少女の姿に、肉棒が激しく猛った。
 やはりこうして自分の動きで相手が強い反応を示すというのは、何とも気分の良いものだった。
 それが可愛い女の子ともなれば余計だろう。
 今自分は美少女四人に囲まれ、その瑞々しい肉体に包まれている。弾力のある柔らかな女肉を味わっているのだ。
 それは何とも肉欲を激しく高める効果があった。
「ああっ、あんっ……わたしもう、ああっ……こんなに早く、あんっ……凄い、あっ、ああっ……イっちゃう、あっ……イっちゃうのぉっ……」
 絶頂が近づいているのか、少女は頭を左右に激しく振り、長い黒髪を乱しながら乱れまくっていた。
 肉棒の締め付けも強まっており、ウニュウニュと絡みついては吸い付いてくる刺激に、神治の射精感も高まっていった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……いいっ、いいっ、いいぃっ……もう駄目っ、もう駄目なの、あっ、ああっ……わたしもう駄目ぇっ……やっ、やっ、やぁああああああああんっ!」
 少女の体が硬直すると共に、強烈に締まり上がった膣内に、神治は肉棒の栓を開放した。
 ドピュッ、ドピュッ、ドクドクドクドクドクドク……。
 勢い良く迸る精液を感じながら、ピクピクと弛緩している少女の姿を眺める。
 射精が行われるたびに押し寄せてくる快感に浸り、また可愛らしい少女の中へ精液を注ぎ込んでいることに強烈な満足感を覚える。
 やはりセックスは最高だった。
 この射精の瞬間はたまらなかった。
 膣内に精液を注いでいる状況は、まさに女を己のモノとした実感が得られて素晴らしかった。
 そんな事を考えながら射精を終え、肉棒を引き抜くと、「あ……あぁ……」と可愛らしい吐息が聞こえてくるのに嬉しくなる。
 この少女は自分の行為に満足してくれたのだ。
 きっとこれからも抱いて欲しいと願うようになるだろう。
 それだけの快楽を自分は与えたのだ。
 それは何とも誇らしく、喜びを感じさせることだった。
「緋道さぁん、私としましょう?」
「駄目よ、私とぉ」
「私だってしたいぃ」
 三人の美少女に強く抱き付かれ、求められていることに嬉しさが高まっていく。
 年下の可愛い女の子達が自分に夢中になり、セックスしたいとおねだりしてくる。
 それは何とも愛らしい姿であり、肉欲が高まっていく状況だった。
「それじゃ、次は君ね」
 神治はそう告げると、左側に絡みついてきていた少女を押し倒した。
「ありがとうござ、あぅんっ……あっ、あっ、ああっ……」
 お礼の途中で肉棒を突き込み、腰を勢い良く振り出すと、少女は嬉しそうに喘ぎ始めた。
 その様子を満足げに眺めつつ、「その次お願いします」と争うようにおねだりしてくる他の二人に微笑みながら、己の体が少女達を魅了している事に満足な想いを抱いた神治は、もっともっと夢中にさせるのだと、張り切って腰を振っていくのだった。


「あんっ、あんっ、ああんっ……」
 四つんばいになった少女の小さな尻を掴み、神治は勢い良く腰を振っていた。
 真っ白な肌を晒した裸身は、幼さを残しながらも、女としての魅力も感じられ、この年頃の少女の、内にこもったような色気を感じさせた。
 そんな少女の中に肉棒を押し込んでいるというのは、実に気持ちが良く、また膣内の感触も蕩けるような良さがあった。
 口には別の少女の乳房が押しつけられており、それを軽く噛みながら乳首を吸うと、その甘い感触にうっとりとなった。
 まだ性徴の余地がある硬さを感じさせる膨らみは、口に含んでいると美味しい飴を味わっているかのような甘さがあった。
 背中には二人の少女の肉体が抱き付き、生の肌同士が擦り合わさることで快感を生んでいる。
 どうして女性の体というのは、触れているだけでこうも気持ちがいいのだろう。
 特に少女の持つ滑らかな肌と弾力のある肉の感触は、男を魅了してやまないものがあるように思えた。
「緋道さぁん……」
「大好きぃ……」
「ねぇ、私を見てよぉ……」
「もっと、もっとしてぇ……」
 四人の少女達は、今やすっかり神治に夢中だった。
 それぞれを一度ずつ抱いただけなのだが、それだけでそんな状態になっているのだ。
 彼女達は神性を感じた訳ではないようだから、これは単にセックスの良さとしてそうなっているのだろう。
 以前「東京へ出てきた緋道村の人間が、セックスで異性を夢中にさせている」という話を聞いていたが、おそらくこれがその状態という訳だ。
 彼女達はセックスが好きなだけに、神治とする良さにハマってしまったに違いない。
 こうした状況というのは、問題が起きる事があったりするため、あまり良くないのだと言われていたのに、自分もしてしまうとは何とも言えなかった。
 とはいえ、以前から相手を夢中にさせる事はしていたのだから、今更ではあったのだが。
 今回に限ってそんな事を感じたのは、これまである程度親しくなってから関係を持っていたのに比べ、彼女達とはさして親しくなっていないのにしているからだろう。
 さほど好意を持っている訳ではない相手、しかも年下の少女達を、ただ何となくといった感じで夢中にさせたことが、宜しくない印象を感じさせたのかも知れない。
 考えてみれば、彼女たちの名前さえ知らないのだ。
 そんな相手とこうして肉体を絡ませているのは、緋道村で手当たり次第女性を抱いていたのを思い出させた。
 そう言えば、今感じている気分の良さというのは、あの時も抱いていたような気がする。
 女性を自分に夢中にさせるというのは、何度経験しても楽しいことだった。
「あっ、あぁあああああああっ!」
 そんな事を考えながら腰を振っていると、不意に肉棒を突き込んでいた少女が大きく喘いで体を硬直させた。
 どうやらイったらしい。
 考え事をしていた神治は、それで射精することもなく、硬いままの肉棒を引き抜くと、次は誰を抱こうかと他の少女達を眺めた。
 皆「自分を抱いて」と言わんばかりの顔で見つめてくるのに嬉しさが起きてくる。
「緋道さんって凄いのね。想像以上だったんで驚いちゃった」
 少し離れた所から聞こえた声に視線を向けると、沙璃香が微笑みながら見つめていた。
 すでに制服を脱いでいたため裸身が晒されており、綺麗な肌が眩しく目に映った。
 ところどころ桜色になっている箇所があるのが、性行為の余韻を思わせていやらしさを感じさせる。
「俺も驚いたぜ。随分と手慣れた感じだな。もしかして矢神のところでも似たようなことしてるのか?」
 実春が心配そうな顔で尋ねてくるのに苦笑する。
 秋羅のところより楽しめる事をしている、として引き抜きをしている実春としては、同じ事をされていては困るのだろう。
 実春も裸であり、股間にはなかなか立派な一物がぶら下がっていた。
「してないですよ。だから凄く楽しんでます」
「おっ、そうか。じゃあ矢神は捨てて、俺に付くんだな?」
「う〜〜ん、どっちに付くっていうより、両方がいいですかねぇ」
「何だよそりゃ。それじゃ意味がねぇっての。矢神から離れないってんなら、こっちで楽しむのも無しだ」
 それは少々残念だった。
 何しろ四人の美少女達とセックスするのは楽しかったからだ。
 緋道村へ行けばいくらでも同じことが出来るが、やはり村の外でしているという状況が良かったし、何より少女達自身も魅力的だったからである。
「別にいいじゃない両方だって。私としてはみんなが楽しんでくれるなら全然構わないし。元々そういう趣旨で始めたんだしね」
「だ、だけどよ。それじゃ矢神のヤツに勝てな……」
「そんなのはお兄ちゃんが勝手にやってるだけでしょ。私は知らないもん」
「うぅ……そりゃそうだけどよぉ……」
 沙璃香に言い負かされている実春を少し気の毒に思う。
 どうやらこの場所の権利を握っているのは、沙璃香の方らしかった。
「それより私も緋道さんに抱いて欲しいな。みんな凄く気持良さそうだったし。抱かれるの凄い楽しみ。お兄ちゃんじゃ物足りなくて」
「お、おい……そりゃねぇだろう……」
 実春は、まさにガックリといった感じで肩落としている。
 男としてはそんな評価をされるのは悲しすぎるので、何ともキツい一言だと思った。
「お兄ちゃんは放っておいて。ね、抱いて下さい。いいでしょぉ?」
 沙璃香が甘ったるい口調で抱き付いてくるのを可愛らしく思う。
 そのまま首に腕を絡ませ、下から切なげな表情で見つめてくるのが何ともいやらしい。
「ふぁ……こうしてると凄い……緋道さんってやっぱり凄いですね。くっついてるだけでどんどんエッチな気分になってきます……」
 こちらを見つめるクリクリとした瞳が徐々に潤んでいくのに興奮を覚えつつ、優しく抱き締め返す。
 生の肌同士が擦れ合い、ゾクゾクとした快感が湧き起こった。
「沙璃香ちゃんもいいよ。こうしてるとエッチな気分になってくる」
「ふふ、やっぱり凄いです。私を抱き締めてそんな程度で済んでるんですから。普通の人ならもっと興奮してますよ。緋道さん、普通じゃないですよね」
「普通じゃないって?」
 そう尋ねながら、ほんのりとした胸を軽く揉んでいく。
「何か特別な力があるって事です……あっ、あんっ……」
 首筋に唇を寄せ、舌を這わせると、可愛らしい顎がそらされるのに興奮を覚えた。
「どうしてそう思うんだい?」
 小さな耳を甘噛みしながら、長く美しい黒髪を指で梳るようにしていく。
「あっ、あぁっ……私も、あんっ……力ありますから、あぅっ……だから感じるんです、やっ……緋道さんも同じような力があるって、あんっ……今もこうしてると、あぁっ……力が伝わってきて、やぅんっ……」
 ビクンっと強く震わせ、しがみついてくるのを可愛らしく思う。
「こうしてると、かい? それじゃこういうのも?」
 桜色の唇に吸い付き、舌を絡め、口内を舐め回していく。
「んっ、んんっ……んっ、んぅっ……んふぁ……はぁ……はい、そうです……」
 少ししてからキスを止めると、沙璃香はポーッとした表情を浮かべて力を抜いた。
「それじゃ、こっちにしたら凄く感じちゃうかな?」
「ああんっ……いぃ、あっ、あっ……凄く、あんっ……感じちゃいますぅ……」
 秘所に手を伸ばして軽くなぞると、激しく体を震わせて悶えた。
 そしてそのまま呼吸を荒げながら、もっとして欲しいとばかりにうっとりと見つめてくる。
「沙璃香ちゃんがあんなんなってる……」
「やっぱり緋道さんって凄いんだ……」
「そりゃそうだよ、凄く良かったじゃない……」
「緋道さんは特別って感じだったもんねぇ……」
 少女達が驚いたようにして呟いている。
 どうやら沙璃香はその特殊な力から、皆に凄い存在であると認識されているらしい。そしてその沙璃香を感じさせている事で、神治も感心されたようだった。
「緋道はお前よりスゲェのか? そうなのか沙璃香?」
「うん、そうだよ……緋道さんは凄い。私なんかよりずっと凄いよ……部屋に入ってきた時に分かったもの。この人は普通じゃないって……それでみんなを抱いてるのを見て確信したの……ああ、この人は特別だって。特別な人なんだって……」
「そうか……」
 沙璃香の言葉に、実春は複雑な表情を浮かべて押し黙った。
 一体どうしたのだろう。何やら凄くショックを受けているように見えるが。
「ね、緋道さん、入れて……私もう我慢できなくなっちゃった……」
「あ、ああ……分かった……」
「ふふ、でもちょっと怖いかな。手で触られてるだけでこんなになっちゃってるんだもの。オチンチン入れられたら、私、どうなっちゃうんだろ? 何か自分が変わっちゃいそうで怖い……」
 それはあり得ることだった。
 他の少女達よりも神治に反応し、異能の力がある事を考えると、部の民の資質があってもおかしくないからだ。
 そうなれば、セックスをすることによってそれまでの自分とは違った、部の民としての意識が目覚める可能性があった。
「怖いなら止めておくかい? 今ならまだ間に合うよ?」
「ううん。怖いけど、でも嬉しいって気持もあるの。緋道さんに抱かれるのが嬉しい……何かずっと会いたいって思っていた人に会えたみたいで……緋道さんに抱かれたら、きっと私は幸せになれる。そんな気がするんだ……」
 泣きそうな、それでいて決意を込めた目をして見つめてくるのにドキリとする。
 それは部の民の女性達が自分に向けるものと同じだった。
 やはり沙璃香は部の民として目覚めつつあるのだろう。
「それじゃ、入れるよ……」
「うん……」
 可愛らしく頷く沙璃香をベッドへ横たえ、細い両脚を左右に広げると、肉棒を秘所へと近づけていく。
 ズブリっといった感覚と共に亀頭が膣穴へと収まり、気持のいい感触が体に走り抜けた。
「あぅんっ……あ……あぁ……あぁあああああああああっ!」
 肉棒を奥へ押し込んでいくと、沙璃香が体をビクビクっと激しく震わせ、最後に硬直しながら叫び、脱力した。
 どうやら絶頂に至ったらしい。
 何ともあまりの反応の良さに驚く。
 姉の佳奈が似たような感じだが、沙璃香も相性が良すぎるということなのだろうか。
 しかもそのまま意識を失っているようで、ピクリとも動かなかった。
「嘘だろおい……入れただけでイっちまったのかよ……」
「気絶しちゃってる……」
「嘘ぉ、沙璃香ちゃんが……?」
「相手の男の子の方がこうなってるのは見たことあるけど……」
「信じられないぃ……」
 実春達が呆気に取られて見ているのに苦笑する。
 神治にしてもここまで反応が良いのには驚くしかなかった。
 姉の佳奈で感じすぎる状態は慣れていたが、さすがに気絶まで至るのは最近なかったからだ。
 このまま続けるのはマズかろうと肉棒を引き抜こうとすると、その刺激に反応したのか沙璃香が目を覚ました。
「ふぁ……緋道さん、綺麗……凄いです……こんなの初めてぇ……綺麗だよぉ……」
 うっとりとした表情を浮かべ、沙璃香がジッと見つめてくる。
 その様子と発している言葉から、神治の神性を感じているのが分かった。
 部の民として目覚めたらしい。
 入れただけでこうなるとは珍しいが、元々異能の力があっただけに敏感に感じられたのだろう。
「お、おい大丈夫か? 何か変だぞ。ちゃんと目ぇ覚めてるか?」
 実春が心配そうに沙璃香の顔の前で手を振っている。
「大丈夫だよぉ……それより凄いよお兄ちゃん。緋道さんって凄い。私分かっちゃった緋道さんのこと……こんな人初めてだよ。凄いの、素晴らしいの……」
 両手を胸の前で組み、感激した様子で呟いている沙璃香に、実春はどうしたものかと困ったようにしている。
「緋道が凄いのは俺にも分かったけどよ。お前は本当に大丈夫なのか? 凄く変だぞ?」
「分かったって、お兄ちゃんにも見えるのこれが? 緋道さんのこの輝いている姿が……これってあれだよね、何て言うんだっけ? そう、後光だよ。後光がさしてるの。お兄ちゃんにも見えてるの?」
「い、いや……見えねぇけどよ……」
「それなら分かるはずないよ。凄いんだからっ。綺麗なんだからっ。もう凄いの素晴らしいのっ。ああ、そうだ、こういうのって神々しいって言うんだよねっ? 緋道さんが神々しいんだよぉっ」
 涙を流しながら沙璃香がうっとりと見つめてくるのに苦笑してしまう。
 部の民の女性達を抱くと、同じ反応をされていたためすっかり慣れていたが、そうだとしてもここまで絶賛されるのに恥ずかしさを覚えたのだ。
 実春達も呆気に取られているのか、二の句が継げない様子で沙璃香を見つめている。
「緋道さん……私、緋道さんの物です。私を貰って下さい。お願いします……」
 必死にそう告げてくるのに、どうしたものかと思う。
 二人きりであればすぐにでも頷いてあげるところだが、事情の分からない実春たちの前でこうした事を受け入れるのは、マズいように思えたからだ。
「駄目……なんですか? 私じゃ駄目? 私じゃ緋道さんの物として認められないんですか?」
 神治が黙っているせいか、沙璃香は拒否されたと思って悲しげに呟いている。
「い、いや、そんな事はないよ。でもほら、お兄さんの前だし、そういう事を了解するのもどうかと思ってさ」
「お兄ちゃんなんか気にしないでいいんです。私はお兄ちゃんの物じゃないんですから。私は私、私自身として緋道さんの物になるんです。だからいいでしょう? 私を貰って下さい。私の全てを緋道さんの物にして下さい……」
 強い想いを感じさせる目をしながら、沙璃香はジッと見つめてくる。
 同時に体から淫の「気」がブワッと吹き出して神治を包み込んだ。
 肉欲が湧き起こり、肉棒が硬度を増していく。
「私の全て……私の魂を込めて、緋道さんを気持ち良くします……緋道さんに気に入ってもらえるように頑張ります……だから、だからお願いです……私を、私を貰って下さい……」
 そこまで言われ、悲しげにされては、答えを保留しては可哀想だろう。
 そもそも神治には断るつもりはないのだから、すぐに了解してあげるべきだった。
「いいよ。沙璃香ちゃんを貰うから。俺の物にするね」
「うわぁ……わぁ……わぁ……ありがとうございますぅ……ふぁ……嬉しい……嬉しいよぉ……」
 涙を流して喜ぶ沙璃香に嬉しさを感じつつ、実春たちはどう反応しているだろうかと、恐る恐る視線を向けてみる。
 すると案の定、一体何がどうなっているのだろう、といった感じで沙璃香を見ている姿が目に映った。
「沙璃香よぉ……色々訳の分からんこと言ってるけど、結局お前、緋道に告った訳? 付き合うのかこれから」
 実春は、沙璃香の告白を恋愛的なものと判断したようでそんな風に尋ねている。常識的に考えれば、そう受け取るしかないだろうから、当然の判断だった。
「馬鹿っ、付き合うって何よそれっ。そんな低俗なこと言わないでっ。私の想いはそんな軽くないんだからっ。恋愛なんかで判断しないでよっ。私の緋道さんに対する想いはもっと重いの高尚なのっ。魂も全て捧げてるんだからねっ」
「た、魂ってよぉ……お前、自分が何言ってるのか分かってるか? スゲェ痛ぇぞ……」
 実春は呆れたように呟いている。
 それも当然だろう。セックスを始めるかと思ったら、突然魂を捧げたどうこうと言い出したのだから。
「私は何となく分かちゃったけどなぁ。沙璃香ちゃんは恋じゃなく、もっと凄い感じで緋道さんに惹かれちゃったんだよ」
「そうなんだろうねぇ。魂っての凄いよね。沙璃香ちゃんは特別だから、やっぱり特別な感じになってるんだね」
「緋道さんが来てからの沙璃香ちゃん凄かったけど、やっぱりそういう理由があったんだね。自分より凄い人と出会っちゃったんだ。運命ってヤツだよぉ」
「もしかして前世からの繋がりとかあるのかなぁ? ほら、緋道さんが神様で、沙璃香ちゃんがそれに仕えてた眷属の一人とか」
「ラルフリート神人伝? 緋道さんがラルフリートで、沙璃香ちゃんがアルファニアってこと?」
「うわ、そう来たか。でもそれいいね。となると、私たちは眷属仲間ってことだからぁ……じゃあ、私はリリアリアね」
「あ〜〜、ズルい。私もリリアリアが良かったのにぃ。う〜〜、しょうがないから私はナルリシスね。ふふ、ナル様ナル様〜〜」
「私はソルファリス〜〜。ふふ、緋道さんに嫉妬しちゃうんだからぁ」
「やだ、緋道さん刺しちゃう気ぃ? 私はどうしようかなぁ。ニアリアリスにしよぉ」
 突然少女達が始めた妙な会話に呆気に取られる。
 最初は何を言っているのか分からなかったが、出てくる単語を聞いている内に何のことなのかが分かった。
 彼女たちが話しているのは、少女漫画雑誌に連載されている人気漫画の登場人物のことだったのだ。
 神治も妹たちがその雑誌を買っていたため、たまに読んだりしていたのである。
 その少女漫画「ラルフリート神人伝」とは、数千年前に神の世界から追放され、人間に転生した神ラルフリートが、同じく転生してきた眷属の者たちと繰り広げる恋愛模様を描いたものだ。
 最初誰がどの人物から転生したのか分からないため、それが徐々に明らかにされていく事で、過去の出来事やそれに関わる関係性が判明していき、その記憶が蘇ることで恋愛の状況が変化していく面白さのある作品だった。
 どうやらその漫画の内容を、神治と沙璃香の関係に当てはめて盛り上がっているらしい。
「何だよその訳分からねぇの。意味不明だぜ」
 実春は「ラルフリート神人伝」を読んだことがないようで、不可解な表情を浮かべている。
 まあ、もし読んでいたとしても、漫画のキャラを自分達に当てはめている訳だから、どうでもいい遊びではあった訳だが。
 というか、遊びではなく本気だとすれば、かなり痛い行為だろう。
「ね、これからお互いそういう風に呼び合おうか?」
「ええ? リリアリアとか呼んじゃうの? それって恥ずかしくない?」
「ここだけで使うようにすれば大丈夫でしょ。どう? ニアリアリス?」
「うわ〜〜、恥ずかしい。でも何かいいねぇ。私はいいかも、って、私は賛同させてもらうよソルファリス……キャ〜〜」
 途中から口調が変わっているのは、ニアリアリスのものを真似しているからだろう。
 ニアリアリスは真面目で堅苦しい性格なので、そうした喋り方になっているのだ。
 などと、超絶美形なキャラの容姿を思い浮かべながら考えつつ、何やら痛い遊びを始められてしまった事に苦笑する。
「お前ら……訳分かんねぇぞ。何言ってるんだよ……」
 完全に置いてけぼり状態の実春は、気味悪そうに四人を見ている。
「お兄さんは何だろうねぇ。沙璃香ちゃんが大好きだから、アルファニアが大好きってことで、悠斗でいいんじゃない?」
「合ってる合ってる」
「何か雰囲気も似てるし」
「あ、でも陸真の方がいいんじゃない? 兄貴だしさ」
「あ〜〜、それもいいねぇ」
「でも執着具合からすると悠斗の方が合ってるよ」
「だけどシスコンぶりは陸真の方が似てるよぉ」
「それもそうだねぇ。う〜〜ん、どっちがいいかなぁ」
 新しく出てきた名前も漫画の登場人物だった。
 悠斗というのは、アルファニアが人間に転生した少女、空菜のクラスメートで、彼女に惚れているキャラであり、陸真は空菜の兄で、妹を凄く心配しているキャラだった。
 言われてみると、確かに実春は悠斗に雰囲気が似ているし、シスコンぶりも陸真に似ている気がしたため、どちらかに決めるのは難しいだろう。
(って、何考えてるんだか……)
 思わず少女達の遊びの仲間入りをしそうになっているのに苦笑する。
 そう言えば、沙璃香はどう思っているだろうと心配になった。
 何しろ部の民の想いというのは、かなり真剣なものであるため、それを遊び的に扱われたのでは、怒っているのではないかと思ったからだ。
 視線を向けると、何やら嬉しそうな顔をして笑っていたためホッとする。
 しかしどうしてそんなに喜んでいるのだろう。
「私が……アルファニア……それで緋道さんはラルフリート……そうだったんだ……前世から仕えるべき相手だったんだね。うわぁ……」
 感激した様子で頬に両手を当てているのにギョッとなる。
 どうやら沙璃香まで漫画のキャラに当てはめる遊びにハマっているらしい。というか、少々本気が入っているように思えたため怖くなった。
「緋道さん、ううん、ラルフリート。アルファニアはあなたに終生お仕えいたします」
 真顔でそんな事を言ってくるのにどう答えたものかと思う。
 ここはやはりラルフリートの真似をして返した方がいいのだろうか。というか、周囲の少女たちの視線は「真似して答えて」と要望しているように思えたため、苦笑いが起きてしまう。
 もうこうなったらやってしまえ。そうすれば女の子たちは喜んでくれるのだから、気持ち良くしてもらったお礼としてはやるべきだろう。
「アルファニア。私はお前を終生慈しむことを誓うぞ」
『キャァ〜〜っ』
 恥ずかしさを感じつつキャラになりきって言った瞬間、部屋に甲高い歓声が響き渡った。
 何とも強烈な反応に驚きながら、少女達が嬉しそうにしているのに、言って良かったと思った。
 特に沙璃香は顔を真っ赤にして、うっとりとした表情を浮かべ、熱い瞳でジッと見つめてきたため、かなり効果があったように思えた。
「緋道さんも『ラルフリート神人伝』読んでるんですか?」
「あ、うん……妹が雑誌買ってるから」
「ふぁ、まさか緋道さんもやってくれるなんて思わなかったから最高だよぉ」
「沙璃香ちゃんなんて嬉しすぎてボーッとしてるし」
「そりゃそうでしょ。ただでさえ魂捧げたとか言ってたのに、その上ラルフリートにまでなってくれたんだから。もう最高だよ」
「私たちだって興奮だもんねぇ」
「うわ〜〜、私もこんな風にしてくれる人、欲しいよぉ」
「何言ってんの、私たちだって眷属なんだから、緋道さん、ラルフリートに慈しんでもらえるんだよ」
「あ、そうだった。じゃあ沙璃香ちゃんみたいに誓わなきゃね」
「そっか、そうだよねぇ。じゃあ、早速しよ」
「うん、しようしよう」
 少女達は姿勢を正して見つめてくると、先ほどの沙璃香のように「終生お仕えいたします」と言ってきた。
 それに「慈しむことを誓うぞ」と返すと、皆満足げに微笑んで抱き付いてきた。
 その状態に強い嬉しさが込み上げてくる。
 これまでも少女達を己の物とした想いはあったが、言葉で誓われたことでより嬉しさが湧き起こったのだ。
「お前ら……何やってるんだよ……緋道まで仲間入りして、俺は全然訳が分からねぇ……」
「うわっ、悠斗そのまんまっ。やっぱりお兄さんは悠斗だね。こうやって空菜がアルファニアになってくのに苦悩するんだよ」
「え〜〜、でも、妹を獲られちゃう苦悩って方が合ってない? 陸真だって『分からない』っていつも言ってるし」
「ここは『二人が一人になっている』って設定でどう?」
「ああ、その方がいいね。実際雰囲気かぶってるし」
「それで決定。お兄さんは悠斗な陸真ってことで」
 少女達は勝手に実春の設定を決めると、楽しげに笑っている。
 その様子に苦笑しつつ、沙璃香の方へと目をやると、先ほどと同じように熱い眼差しを向けてこちらを見つめていた。
 その状態で固まってしまったかのようにピクリともしないため、大丈夫なのかと心配になってしまう。
「あの、大丈夫?」
「はい。大丈夫です。それよりラルフリート、私を抱いて下さい。もっともっと私をあなたの物にして……」
 首に両腕が絡んできて引き寄せられ、可愛い顔が迫ってくると共に、桜色の唇に吸い付かれる。舌が絡み、口内を舐め回されるのに興奮が高まっていく。
 神治は改めて肉棒を押し込むと、ゆっくりと腰を動かし始めた。
「んっ、んっ……んんぁっ……あっ、あっ、ああんっ……」
 可愛らしい顔が悩ましげに歪み、細い眉根が寄せられるのをいやらしく感じる。
 美少女だけにそうした表情が実に魅惑的であり、肉棒が激しく猛った。
 腰を小刻みに振りながら、ほんのりとした胸の膨らみへ手を伸ばし、フニフニと揉むと、何とも心地の良い感触が手のひらに広がった。
 滑らかな肌は触れているだけでたまらず、雪のようなその白さも、肉体の可憐さを感じさせて最高だった。
 さすがモデルをしているだけあって、均整の取れた体をしており、中学生らしい幼さを残しつつも、どこか大人びた雰囲気があるのがたまらなかった。
 他の少女達も似たような感じではあったが、沙璃香は特に幼さと大人の要素が絶妙なバランスになっていて、実に魅惑的なものを感じさせた。
「あっ、やっ、あんっ……いいっ、いいっ、いいのぉっ……ラルフリート、ああっ……ラルフリートいいよぉっ……」
 セックスの最中でもキャラの名前を口にするのに苦笑しつつ、そう言われることで妙な興奮を覚えてもいた。
 漫画の内容を知っているだけに、作中でラルフリートとアルファニアが結ばれたシーンを思い出し、その前世との繋がりを思わせる幻想的な描写を重ねているのかも知れない。
 ならばこちらもそれに合わせてあげれば、沙璃香も興奮するのではないかと思い、少々恥ずかしいが、またラルフリート的な言葉を言ってみることにする。
「アルファニア、お前は素晴らしい。私の女神だ」
 そう呟いた瞬間、またもや周囲の少女達が「キャァっ」と黄色い声を上げた。
 何とも恥ずかしいことこの上なかったが、目の前の沙璃香の顔が満面の笑みとなり、まさに幸せ一杯といった表情を浮かべていたので、言って良かったと思った。
 何しろ今の沙璃香は凄く可愛らしかったからだ。
 そんな相手を抱けるというのは素晴らしいことだろう。
「やっ、やぁっ……凄い、あっ……こんな凄いの、ああっ……初めて、あんっ……凄すぎて、ああっ……飛んじゃうっ……」
 背中に腕を絡ませ、涙を流しながら叫ぶ沙璃香の姿は、可愛らしくもいやらしかった。
 幼さを感じさせる顔に、女としての淫靡な雰囲気が漂っており、それが興奮を高めていく。
「あんっ、あんっ、ああんっ……わたし、ああっ……わたしもう、あんっ……わたしおかしくなっちゃうぅっ……」
 頭を左右に激しく振り、それによって乱れる黒髪が何とも美麗であり、それが汗で額に張り付く様は色っぽさを感じさせた。
 抱けば抱くほど色気が増していくようだったが、それでいて素振りはまだ子供を感じさせるものがあるため、そうしたギャップが強い興奮を誘っていく。
「イくっ、イくの、ああっ……もうイっちゃう、あっ、あんっ……駄目、やぅっ……駄目なの、ああっ……駄目駄目ぇっ……」
 背中に爪を立て、苦しげに悩ましい表情を浮かべながら喘ぐ沙璃香の姿は、まさに快楽に夢中になっているといった感じであり、そうさせているのが自分だと思うと誇らしくなった。
 腰の動きに合わせてほんのりとした胸の膨らみが前後に揺れているのが目に映り、その性徴途上の女体を自由にしている状況に、肉棒が激しく猛っていく。
 膣内では肉棒が締め付けられ、吸い付かれ、ウニュウニュと絡みつかれ、蕩けるような快感を与えられていた。
 幼いながらもこれほどの良さを持っているのは、小学生の頃から兄である実春とセックスしてきた成果だろうか。
 緋道村の外で近親相姦をしている兄妹と知り合うなど、何と珍しい経験をしているのだろうと思いつつ、他にもそうした兄妹は居るのだろうか、という疑問が浮かぶ。
 もし居るとしたら、やはり自分のように悩んだのだろうか、それとも木城兄妹のように陽気にセックスを楽しんでいるのだろうか。
 その事を気にしながら、絶頂に合わせて精を放とうと、沙璃香の盛り上がりに合わせて射精感を調整していく。
「あんっ、あんっ、ああんっ……もうっ、もうっ、もぉっ……ラルフリートっ、ラルフリートっ、ラルフリートぉっ……やっ、やっ、やぁああああああああんっ!」
「アルファニアっ!」
 最後までキャラになりきっている沙璃香に苦笑しつつ、神治もそれに合わせてキャラの名を叫んで精を放った。
 肉棒が律動するたびに精液が迸り、それと同時に押し寄せてくる快感に頭を仰け反らせる。
 眼下では、沙璃香が体をピクピクと痙攣させながら、「ラルフリートぉ……」とまだ呟いているのに変な意味で感心してしまった。
 ここまで来ると、単に遊びとしてやっている以上の拘りを感じさせたからだ。
 己の気持ちの良さの頂点において、こうした演技が出来るのだから、沙璃香は役者に向いているのかも知れない。
 モデルをやっているのだし、将来的にはそういった事も考えているのだろうか。
 などといった事を思いつつ、射精を終えた神治は、体の力を抜くと沙璃香の上に倒れ込んだ。
 荒い呼吸をしながら横に転がると、周囲の少女達が一斉に溜息を漏らした。
「凄かったですぅ」
「二人ともなりきってて素敵でした」
「ラルフリート達が結ばれるシーンを思い出しちゃった」
「まるで漫画みたい」
 感動的に呟いているのに苦笑しつつ、今日は苦笑ばかりしているな、と思う。
「ね、ラルフリート。今度は私、リリアリアを抱いて下さい」
「あ、駄目だよ。次は私だもん。ナルリシスとするの。ラルフリート、いいでしょう?」
「ここはソルファリスでしょ。何たって目の前でアルファニアが抱かれてたんだから、嫉妬が起きまくりだもん。だからお願ぁい」
「それならニアリアリスも同じだよぉ。抱いてもらわないとねぇ」
 少女達は甘えるように抱き付いてくるが、キャラの名前を言われるとどうにも微妙だった。
 何しろリリアリア以外は全員男のキャラだからだ。
 男のキャラになりきって「抱いて欲しい」と言われるのは、どうにも気色悪かったのである。
 とはいえ、実際は可愛い女の子でしかないので、名前のことを気にしなければ問題はなかったのだが。
 取り敢えず名前に気色悪さのないリリアリアを抱き寄せると押し倒していく。
「ふぁ……ありがとうございますぅ……」
 嬉しそうにそう返してくるのに、微笑みかけながら肉棒を押し込んだ神治は、少女の膣の感触に気持ちの良さを覚えつつ、腰を激しく振っていくのだった。


 二つのベッドの上に、五人の少女が裸で横たわっていた。
 白い肌は快楽から桜色に染まり、あどけない顔は淫靡に緩んでいる。
 あれからしばらくの間、交代で神治に抱かれた結果、少女達は意識を快楽に染め、ぼんやりとした状態になっていた。
 肉棒を入れられている少女は、神治が腰を振るたびに甘ったるい声を上げ、可愛らしく喘いでいる。
 まだ数度しか肉棒を出し入れしていないが、部屋に充満している淫の「気」と、神治から直接与えられる淫の「気」の作用により、すでに絶頂に至りそうな状態になっていた。
 他の少女達も、何もしていなくとも興奮状態になっているらしく、聞こえてくる吐息は、どれもいやらしさを感じさせるものがあった。
 隣のベッドでは、実春が苦しげな、それでいて気持ちの良さそうな呻きを漏らしつつ、別の少女を抱いている。
 こちらもすでに何回も射精しており、そろそろ限界ではないかと思えるほどに体が辛そうに見えた。
 案の定、少しして射精をしたかと思うと、脱力して横たわり、そのまま寝息を立て始めている。
 こちらもそろそろ終わりにするかと、腰の動きを速めつつ、少女が絶頂に至るのを確認してから精を放つ。
 押し寄せる快感に身を委ねながら射精し続け、精を放ち終えてからゆっくりと体をベッドへ横たえる。
 周囲では少女達も眠ったようで、可愛らしい寝息が聞こえてきていた。
 少女達を好き放題抱けたことに満足しつつ、大きく息を吐き出し、今日は美少女を五人も抱けた事に喜びを覚えた。
 隣のベッドで寝ている実春を見ながら、神治はこのような場所がある事に改めて奇妙な想いを抱いた。
 何故実春は、こうした言わば乱交場のような場所を作っているのだろう。
 いや、実際には沙璃香が仕切っているようだから、沙璃香が考えたのだろうか。
 そう思って沙璃香へ視線を向けると、こちらを潤んだ瞳で見つめているのと目が合った。どうやら寝ていなかったらしい。
「緋道さん、今日はありがとうございました」
 そう言いながら近づいてきた沙璃香は、神治の横で寝ている少女を丁寧に動かしてから傍へ腰を下ろした。
 そのまま体を重ねてくると、甘えるように胸元へ頬ずりしてくる。
「お礼を言うのは俺の方だよ。ありがとう」
 小さな頭を優しく撫でながら、触れている滑らかな肌の感触に心地良さを覚える。
「私は緋道さんの物ですから。緋道さんのために尽くすのは当然です。みんなも私ほどじゃないでしょうけど、緋道さんに抱かれて幸せになってると思いますよ。いつもより凄く楽しそうでしたもん」
 クスッと笑いながら周囲の友人達を眺めている沙璃香は、年相応の少女らしさを感じさせて可愛らしかった。
 上半身を起こしたため、その幼さを残す裸身が目に映り、ほんのりとした胸の膨らみの造形の美しさをぼんやりと眺める。
 さして大きい訳ではないが、少女を思わせるその胸のラインは、独特の魅力を感じさせ、見ているだけで興奮が高まるのだ。
 特に沙璃香のような美少女の胸であると、そうした要素が強まり、何度でも触れたくなってくるのである。
「楽しんでもらえたのなら良かったよ。やっぱりセックスは楽しめた方がいいからね。それにしても、どうしてこんな事やってるの? 普通はやろうなんて思わないでしょ?」
 可愛らしい頬を撫でながら尋ねると、沙璃香はうっとりとした表情を浮かべながら体を押しつけてきた。
「私、昔からエッチなことが好きだったんです。だから小学生の頃からお兄ちゃんとエッチなことばかりしてました。それって近親相姦だから、普通はもっと悩んだりすると思うんですけど、私はこれでいいんだって思ってたんですね。お兄ちゃんとエッチするの楽しかったですし」
 それは先ほど誰かに聞かされた話だった。
 とはいえ、いくらエッチなことが好きだと言っても、相手は実の兄なのだから、悩む場合もあろうだろうが、そうならなかったのは沙璃香たちの性格かも知れない。
「それでこんな楽しいことなら、みんなとしたいなぁって思って、友達を誘うようになったんです」
「それって大丈夫だったの?」
 いきなり遊び的にセックスに誘われたら、拒否反応を示す人間も居るだろう。
 男ならともかく、女の子ともなれば嫌がる方が多いように思えるからだ。
「最初は駄目でしたね。男の子は喜んでくれる人が多かったですけど、女の子は話した途端に凄い目で見られて、それから無視されるようになったり、悪口言われるようになりましたから。それで私はエッチを好きなのって良くない事なんだって凄く落ち込んで、学校にも行けなくなっちゃったんです」
 それは何とも大変なことだったろう。
 自分にとっての価値観が絶対ではなかったと知り、さらにそれでいじめられるとすれば辛かったに違いない。
「そんな時に、お兄ちゃんが矢神さんを連れてきたんです」
「矢神先輩を?」
 それは意外だった。実春は秋羅を嫌っているように思えたからだ。
「今はお兄ちゃん、矢神さんのこと毛嫌いしてますけど、昔は大好きだったんですよ。お兄ちゃんって人付き合い下手なところありますから、あんまり友達出来ないんですけど、矢神さんはそういうとこ気にしない人なんで、お兄ちゃんとも仲良くしてくれたんですね。それで私にも凄く優しくしてくれて、『エッチが好きな事は悪い事じゃないよ』って言ってくれたんです。それで私、すっごく楽になれて、また学校へ行けるようになったんです。悪口言われても、私は私で楽しめるからいいって思えるようになって……」
 秋羅は性的なことで苦しんでいる人間が分かる能力があるため、沙璃香のこともすぐに分かったのだろう。
「でもその事があってから、お兄ちゃん、矢神さんのこと嫌いになったみたいで……」
「何でさ? 沙璃香ちゃんを助けてくれたのに?」
「そうなんですけど、それで嫉妬しちゃったみたいなんです」
「嫉妬?」
「実は私、その時に矢神さんの事が好きになったので、お兄ちゃんはそれが気に食わなかったみたいです」
 確かに秋羅はイケメンだったから、そんな男に助けてもらったら、沙璃香が惚れても不思議ではないだろう。
 それで実春は、沙璃香を取られたみたいに思ったという事だろうか。
「ホント、シスコンなんです。私がお兄ちゃん以外の人に抱かれる事自体は平気らしいんですけど、相手の人の事を好きだって思いながら抱かれるのは嫌なんですって。私がそうしていいのはお兄ちゃんだけなんだそうですよ」
 なるほど、確かにそれはシスコンと言えるだろう。まさに独占欲からくる我が儘と言えるからだ。
 自分にしても、妹の舞美が別の男に抱かれるのはともかくとして、惚れた状態で抱かれる姿は見たくなかった。いつまでも「お兄ちゃん大好き」という想いを持っていて欲しいからである。
 実際、以前他の男に舞美が抱かれた事があったが、相手に対する想いが適当であったため、さほど腹が立たなかった。しかしもしそれが「凄く好きだから抱かれたの」とか言われたら、相当苦悩した事だろう。相手の男に対しても憎しみを抱いたかも知れない。
 そういう意味では、目の前で沙璃香が自分以外の男に心を許して抱かれている姿を見てしまった実春は、かなりショックだったのではないだろうか。
 同じシスコンとして気持ちはよく分かった。
「だから今日も凄く暗くなってるんですよね。私、緋道さんに夢中になっちゃったから。そのせいでお兄ちゃん、さっきまでのセックスも、いつもと違って無茶苦茶してましたし。ホント、しょうがないんだから」
 駄目な兄を馬鹿にしたような口調ではあったが、どこか嬉しそうな雰囲気があるのは、実際は実春のそういう所が好きだからなのだろう。
 何しろ幼い頃からセックスしてきた仲なのだから、そうそう嫌いになるはずがないのだ。
「それで、あの、緋道さん……まだ大丈夫ですか?」
「え?」
「その……私とまだ、してもらえます?」
「別にいいけど……君の方は大丈夫なの?」
「はい……っていうか、緋道さんに抱かれたくてたまらないんです。もっともっと緋道さんの物だって思えるようになりたくて……だからお願いです。私をもっと抱いて下さい……」
 どうやら部の民として覚醒したために、強く神治を求める意識が出ているようだった。
 以前歩美が言っていたが、覚醒したばかりであるとそうした意識が強くなるようで、欲求不満状態になるらしいのである。
 とはいえ、そうした事が無くとも、悩ましげな表情を浮かべ、甘えるようにおねだりされては断ることなど不可能だったのだが。
「じゃあ、沢山抱いてあげるね。みんなは寝ちゃったから、凄く抱いちゃうよ」
「嬉しい……お願いします……」
 うっとりとした瞳でそう告げてくる沙璃香を抱き寄せ、その可憐な唇に吸い付いた神治は、この可愛らしい少女を徹底的に己のものにするのだと、勢い良く肉棒を押し込んでいくのだった。












あとがき

 いやはや、何とも凄い集団戦でした(笑)
 最初の元生徒会役員三人は、前回の流れから入れる予定だったので仕方ないのですが、その後の乱交場での描写は、予想以上に広がってしまって大変でしたよ。人数多いですからねぇ。
 さすがに大変なので、後半の四人との行為は省略させていただきました。

 今回の目的としては、一般社会で乱交している人間を出すって事でした。
 乱交場の設定を考えた時に、「秋羅をライバル視しているキャラが作ったことにしよう」と思いついて、そこから「兄妹でセックスしちゃっている事にしたら面白いぞ」と思ったのですな。
 以前読んだ近親相姦小説でそういう設定のが何作かあって、その雰囲気が何か良かったので出したかったのですよ。あっけらかんと兄妹でセックスしているってのが。
 あと兄貴をちょっと馬鹿にしつつも、兄貴と楽しくセックスする妹って設定が良かったのですね。
 沙璃香が異能の力の持ち主ってのは、何か書いていく内に勝手に出てきちゃいました。
 最初は神治を馬鹿にしているタイプにしようと思ったんですけど、流れで何かあんな感じに。

「ラルフリート神人伝」に関しては、完全にその場のノリです(笑)
 あんなの出すつもりは欠片もなかったのに、書いてたらあんなんなっちゃいました(笑)
「神性を感じておかしくなっている姿」ってのを、中学生の女の子が見たらどんな風に感じるのか、と想像した際に、「漫画のネタで妄想に走るんじゃないか」ってのが浮かんだんですね。そしてその妄想を、そのまま現実的なモノとして受け止めるんじゃないか、と。
 いわゆる中2病ってヤツですわ。
 そこからこれまで読んできた少女漫画のネタを思い出して、超絶美形キャラと色恋沙汰を絡ませて、妄想爆発する感じの作品としてイメージしてみた次第。
 その結果、凄まじく痛い状況が出来上がった訳ですが、中学生の女の子であれば、あんな感じになるんじゃないかなぁ、と。
 実際某転生モノの名作少女漫画では、内容を現実の物だと思い込んだ読者があまりに多すぎたので、作者さんが「この漫画はフィクションです」と宣言したくらいですからねぇ。
 女子中学生の感性は恐ろしすぎますわ。
(2014.6.15)

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