緋道の神器


        第三十九話  女友達との関係



 神治は、高校の入学式に参加していた。
 その高校は、神治の学力としては無難な学校であったとはいえ、受験勉強をさほどしていなかったのに合格出来たのは、普通であれば幸運と言えただろう。
 しかし神治は従来の勉強方法とは異なるやり方で学力を高めたため、必然とも言える状態になっていた。
 自分でも驚くほどに試験問題を楽に解けたのであり、それは全て友人の須田柚華(すだゆか)のおかげだった。
 柚華には、無意識の内に世の中の情報が頭の中に流れ込み、それが定着していく特殊な能力があり、その中には勉学に関する事柄もあったため、彼女の学力は相当なものになっていた。
 そんな柚華とセックスをすることで、神治にも彼女の得た知識が定着する現象が起きたため、何度もセックスをし、学力を上げていったのだ。
 気持ちのいい行為をしながら学力が上がるという、何とも楽というか楽しい勉強方法であったため、学校の授業とは比較にならない熱心さで「勉強」に励んだ結果、神治は見事目的の高校に合格する事が出来たのだった。
 無論柚華も合格し、今日から一緒に同じ高校へ通うことになっている。
 残念なことにクラスは別れてしまったが、新しい友人を作るという意味ではそうした環境も悪くは無いだろう。
 そんな事を思いながら周囲を見回すと、真新しい制服に身を包んだ同年代の少年少女が、緊張しつつも楽しそうな表情をして廊下を歩いているのが目に映った。
 それぞれ指定された教室へと向かっているのだ。
 先ほど柚華が自分の教室へ入っていくのを見送った後、神治も少し離れた自分の教室へと向かっていたのである。
 一年C組。
 それが神治のクラスだった。
 さてどんな人間が居るのかと思いながら教室へ入ろうとした瞬間、不意に声を掛けられたため驚く。
「緋道くん……やっぱり緋道くんだよね?」
 そこには、どこか見覚えのある少女が立っていた。
 首筋までの短い髪に、童顔の丸っこい顔。小さな体に不似合いな胸元の大きな膨らみ。そして楽しそうにニコニコしている表情ですぐさま誰であるのか思い出す。
 それは緋道村へ戻る前に通っていた中学で同じクラスだった、未生歩美(みしょうあゆみ)だった。
「あれ、未生さん? 驚いたなぁ、久しぶり」
 神治がそう返すと、歩美は嬉しそうに笑った。
「ホント久しぶりだよ。っていうか、いきなり転校したからビックリしたんだよ? 家の都合だって聞いたけど、ホントいきなりだったからクラス中驚きまくりだったんだから。まさかその緋道くんと高校でバッタリ再会するなんてね。ホント驚き」
「驚いたのはこっちもさ。まさか未生さんと逢うなんてね。もしかして他にも誰か来てる? 俺と仲の良かったヤツとかいるかなぁ?」
 懐かしくなりながら、あの頃の友人の顔を思い浮かべる。もし誰か居たらそれだけで楽しいだろう。
「ううん、ここへ来たのって私だけだよ。同じ中学ってだけなら他にも居るけど、私が知ってる人は居ないから」
「そうか、それはちょっと残念だな。まあ、仕方ないけどね。それより驚いたよ。クラスどこ? 俺はC組なんだけど」
「私もC組。また同じクラスだね。宜しく」
 歩美はそう言いながら軽く腕を叩いてきた。
「こちらこそ。取り敢えず知り合いが居るってだけで気が楽になったよ。まあ、新しく友達も欲しいところだけど、こういうのもいいからね」
「……あ、うん。そうだね」
 神治の言葉に、それまでと違い、歩美は微妙な反応をした。見れば妙に表情が曇っている。
「どうかしたの?」
「……え? ううん、何でもないよ。ただちょっと目眩がしたかなぁって……ふふ、やっぱり緊張してるのかな? 昨日あんまり眠れなかったから」
「そうなんだ。未生さんってあまり緊張しない方だと思ってたけど」
 神治の記憶では、歩美はいつも明るく何に対しても積極的に取り組んでいたため、緊張している感じが無かったのだ。
「あ、何よそれ。私だってしょっちゅう緊張してるんだよ。私の神経は可憐なお嬢さまなんだから」
「ハハ……それ懐かしい。よく言ってたよね」
 歩美は神経が太いというような事を言われると、「可憐なお嬢さまなんだから」と冗談的に返すことがあったのだ。
「これからはまた聞けるからお楽しみに。さ、そろそろ教室に入ろ。もうすぐホームルームが始まる時間だから」
「あ、そうだね」
 神治はそう言いながら教室へと入った。
 一瞬数人の視線がこちらへ向くが、すぐさまそらされる。
 見れば皆大人しく指定された席に座っており、会話している人間は居なかった。
 自分達のように知り合いが居る者ばかりではないのだろう。
 静かな教室の中で自分の席を探して椅子へ腰を下ろそうとすると、すぐ近くの席に歩美が座っているのが見えた。
 名前の順になっているためそうなったのだろう。
 そう言えば、中学時代に歩美と仲良くなったきっかけも、隣の席になったことだった。
 見ればこちらに小さく手を振りながら微笑んでいる。
 それに応えて手を振り返しながら、神治は歩美と出会えたことで、何とも楽しい入学初日になったものだと嬉しくなるのだった。


「ね、一緒に帰ろうよ」
 入学式などが終わり、下校の時間になると歩美がそう告げてきた。
 それに気軽に応じようとしてから、柚華と帰る約束をしていたのを思い出す。
 他に友人が居ないためそう決めていた訳だが、せっかく歩美と再会した訳でもあるし、まださほど話をしている訳でも無いのだから誘いを受けたくなった。
「友達と帰る約束してるんだけど、一緒でもいいならいいよ」
「へ〜〜、友達も来てるんだ。もしかして転校先の友達?」
「いや、そういう訳じゃないよ。こっちで出来た友達」
「そうなんだ。私は構わないよ。知り合いは増やしたいしね」
 歩美が了承したので、そのまま一緒に教室を出る。
 柚華はA組であったため、そちらへ向かって歩き出すと、前方から当人が歩いてくるのが見えた。
 真新しい制服に身を包んだその姿は、ポニーテールの髪型と相まって可愛らしさを強めており、そのせいか周囲からもかなり視線を向けられているのだが、本人はその事に気づいていない。
 昔から男を惹き付けてしまう力のあった柚華は、もっとえげつない肉欲まみれの視線を浴び続けていたため、この程度の視線では意識できなくなっているのだ。
 神治との訓練で力の作用による肉欲まみれの視線を浴びることは無くなったが、普通に注目を集めるほどに可愛らしい少女だったのである。
「え? 嘘……友達ってこの子?」
 自分の目の前で足を止め、視線を向けてくる柚華に、歩美は動揺したように尋ねてきた。
「そうだよ」
「そうだよって、女の子じゃない」
「女の子だけど、それがどうかしたの?」
「緋道くんが友達って言うから、てっきり男の子だとばかり……まさかこんな可愛い女の子と友達だなんて……あ、もしかして彼女だったりする? それなら私は一人で帰るから。邪魔したくないし」
 困ったようにしながらそう言ってくる歩美に苦笑する。
「彼女じゃないよ、友達。だから気にしなくていいんだってば……あ、須田さん、こっちは俺の中学の、と言っても転校する前の中学のね、その時の友達で、未生さんって言うんだ。同じクラスになってさ、まさかこの高校に来てるなんて思わなかったからビックリして、それで一緒に帰ろうって話になったんだ」
 柚華には前に転校した事を話していたので、そう注釈を付けながら説明する。
「そうなんだ。それは凄いね。須田です。宜しくお願いします」
「あ、ああ、はい、こちらこそ……」
 柚華が頭を下げると、それに釣られたようにして歩美も頭を下げている。
「それにしても驚いたなぁ。女の子だもんね。それに凄く可愛い……ね、本当に彼女じゃないの?」
「違うって」
「でもこんなに可愛いのに……私なんか思わず抱き締めたくなっちゃうよ。緋道くんはそうならないの?」
「何言ってるんだか……大体、抱き締めたくなったって別にそれで付き合うことにはならないだろ?」
「でも男の子としては、こんな可愛い子なら彼女にしたいと思うでしょ?」
「う〜〜ん、恋愛感情ってそういうのとは別だと思うからなぁ」
「うわっ、そう来ますか。緋道くんって変わってるねぇ。っていうか、動揺しないのが可愛くな〜〜い。普通こんな可愛い子と付き合うとか言われたら、もっと動揺するよ」
「すみませんね可愛くなくて。さ、馬鹿なこと言ってないで帰るよ。須田さん、こういうヤツだから宜しくね」
「何よこういうヤツって。私は一般的な男の子の反応をしない緋道くんが変だって事を訴えているんだから。普通ドキリとするような相手とは付き合いたいと思うもんでしょ」
「何だよそれ。じゃあ、未生さんはドキリとしたらすぐに付き合うのか?」
「そうだねぇ、そうなるかもねぇ。取り敢えず恋愛感情を持つ可能性は出てくると思うよ」
「可能性を言うなら俺だって否定しないよ。いつどうして恋愛感情を持つかなんて分からないんだからさ」
 そんな事を言い合いながら歩き出した神治と歩美に、柚華も微笑みながら付いてきている。
 入学初日から、何とも楽しいことになったと思いつつ、これからも歩美が居れば毎日飽きずに済みそうだと神治はそんな事を思った。


 そうして一緒に三人で話しながら、とはいっても、主に神治と歩美が話していたのだが、楽しく下校し、途中で方向の異なる柚華と別れたため、歩美と二人きりになった。
 その後も中学時代の思い出を話しながら歩いていたのだが、不意に歩美が妙なことを言ってきた。
「緋道くんってさ。何か変わったよね?」
「え?」
「何て言うか、凄く落ち着いたっていうか、大人びたっていうか。少なくとも私が知ってた緋道くんとは違ってる……転校してから何かあったでしょ?」
「何かって何さ……」
「そうだね……例えば、エッチしちゃった、とか……」
 ニヤニヤしながらそう言ってくるのに、当たりだと心の中で苦笑しつつも平然としたまま応じることにする。
 この程度で動揺しては、その事でからかおうとしている歩美の思うつぼだからだ。
「したらどうなんだよ」
「うん、でもただしたってだけじゃないよね。それだけじゃここまで変わらないと思うし。普通じゃない、何かちょっと変わった、言い方を悪くすると異常なエッチの経験があるとかさ。沢山の人としたとか、いけない相手としちゃったとか」
 ニヤリとしながらこちらに視線を向けてくるのに思わずドキリとしてしまう。まさに図星だったからだ。
「あ、反応した……ふ〜〜ん、恋人云々は平気でも、エッチ関係は動揺するんだ。そこら辺は普通の男の子だね。でも本当に異常なエッチしちゃったの? どうなの?」
 嬉しそうに尋ねてくるのにさらに動揺してしまう。
 それは神治にとって公にしたく無い部分だったからだ。
 多くの女性とセックスした事はともかく、家族との関係だけはマズいだろう。
 一般的に近親相姦などは嫌悪されるものなのだから、それを知ったらさすがの歩美も引いてしまうに違いない。
「……ま、いいや。取り敢えず昔の緋道くんのままな部分もあることが分かってホッとしたよ」
「そうなのか? 俺はよく分からないんだけど、そんなに違ってる?」
「違ってるよ凄く……実はね、最初廊下で見かけた時に、声かけようかどうか迷ったんだ。別人に思えたっていうか、私の知ってる緋道くんじゃないように思えたから……でも話している内にやっぱり緋道くんなんだって思えて、でもやっぱり違うような気もして、訳が分からなくなったんだよ……まあ、本質的には変わってないと思う。こうして接してると分かるし。ただ表面的には凄く変わったよ。大人びたっていうかさ。何かちょっと凄い感じがするんだ。迫力があるっていうか……」
 歩美の様子からは全くそんな事は伺え知ることが出来なかったため神治は驚いた。
 よもやあの自然な雰囲気の中でそうした事を考えていたとは意外だった。
 それにしても、自分はそれほど変わったのだろうか。
 確かにこの一年ほどの経験を考えれば、昔の自分を知っている人間からすれば変わったと感じられても当然だろうが、面と向かってそう言われたことに何やら動揺してしまった。
「ふふ、だからって別に悪い訳じゃないんだから気にしないでよ。迫力あるとか、そういう所はカッコいいと思うし。きっとモテるよこれから。私が保証してあげる。何しろこの私が一瞬ドキリとしちゃったからねぇ」
 神治が気にしたことを悪いと思ったのか、歩美はそんな事を言ってきた。
 からかう様なことをしょっちゅう言ってきたりするが、根は優しく気遣いの出来る少女なのだ。
「そうなのか。じゃあ、俺と付き合うことになる訳? ドキリとしちゃったんだろ?」
「そうなるかもねぇ。私が緋道くんにぞっこんになっちゃうのよ。もう何でも言うこと聞いちゃうっていうか。緋道くんのためなら全てを捧げちゃいますぅ、みたいになっちゃうのね」
 そう笑いながら告げてくる歩美の顔は何とも可愛らしかった。
 転校する前に知っていた頃よりも少し大人びた雰囲気が出たせいか、可愛さが増しているように思える。
 動く度に胸元で揺れる膨らみも、以前より大きくなっているように思え、童顔で小柄な体と相まって、何とも欲情をそそる要素と言えた。
 少し前の自分であれば、このまま何とかセックスに持ち込もうと画策しただろう。
 何しろこれほど仲が良く、可愛らしく、肉体も魅力的な相手なのだから。
 しかし最近そうした意欲は無くなっていた。
 理由はよく分からないが、しいて言うなら、強引に性的な関係へ持っていく事に飽きたのかも知れない。
 何しろ自分の持つ力を使えば、どのような人間であろうと欲情させることが可能なのであり、セックスに至るのが当然すぎる結果であるように思えたからだ。
 やはり何かを成し遂げるには、障害のようなものが存在しないと面白味が無いものだ。
 テレビゲームで例えるなら、絶対に敵にやられない、失敗しない状態みたいなものだろうか。そうした状態というのは、最初は気分がいいだろうが、面白さとしては無くなるものなのである。
 そもそも村の高校へ進学せず、東京の高校を選んだのも、村の「いつでも好きなだけセックスが出来る」という環境に飽きを感じていたからであり、その事によってセックスに意欲が無くなったためだった。
 なのに同じようなことを村の外でもしていては、意味が無くなってしまうし、セックスに対する意欲も以前のように無くなる可能性があった。
 そう考えた神治は、自分からはあまり性的なアクションを起こさないようにしようと思っていたのだ。
 それに性的なことを抜きにした友人というのもいた方が新鮮だろう。
 そうした関係であれば、歩美が言うところの「ドキリとする」ことを感じても、何も手出しが出来ないのであり、それは何とも言えない良さがあるように思えたのである。
 今も歩美の揺れる胸の膨らみを見つめつつ、揉みしだいたらどんな感触なのだろうと妄想しているのだが、その事が激しい興奮となって神治の心を包んでいた。
「あ、何かいやらしい……緋道くんエッチな目で私を見てるね。ふふ、やっぱり胸に触りたい?」
 歩美はそう言うと、両手で胸を抱えるようにして強調してきた。
 そうすると、ただでさえ大きな乳房がさらに大きく見え、制服の胸元が山のように盛り上がった。
「そりゃまあね。それだけ大きいと、男なら触ってみたいと思うさ」
「あ〜〜、そういうことをサラッと言っちゃいますか……年頃の男の子ならそこは動揺するところでしょ。参っちゃうなぁ、ホント……」
 歩美はからかうつもりが、軽く流されたことに脱力している。
 だが神治としては、多くの女性の乳房を自由にしてきた経験があるため、今更乳房を強調された程度では動揺しないのだ。
 とはいえ、もちろん興奮はしていたのだが。
 出来れば歩美の胸を揉み、吸い、舐め回したいとは思っていたのである。
 どころか、セックスをしたいという思いが強く起きてきていた。
 しかし敢えてそこで何もしないでいることが今の神治の方針であり、楽しみでもあった。
 この「したいのに出来ない」という状況は、それだけ強烈な興奮として感じられていたからである。
「ま、そんな緋道くんも面白いからいいや。これから三年間、また宜しくね」
「ああ、こちらこそ宜しく」
 二人はそう言いながら笑い合った。
 思いも掛けない旧友との再会により、神治の高校生活一日目は楽しいものになったのだった。


 入学式からしばらく経ったある日、神治は久しぶりに歩美と二人で下校していた。
 久しぶり、というのは、それぞれ他にも友人が出来たし、何より歩美がクラブ活動を始めたため、あまり一緒に帰らなくなっていたからだ。
「でさ、困っちゃうのよね。部員が入らない入らない。これじゃ潰れちゃうわうちのクラブ」
 歩美は己の所属するクラブに、入部希望者が居ないことを嘆くようにして話していた。
 彼女が入ったのは文芸部であり、どうやら部員は他に居ないらしい。
 話によると、今年誰も入部しなければ潰れる予定のクラブだったそうで、もし来年も入らなかったら潰れることになると、顧問の教師に言われたというのである。
「それにしても、未生さんが文芸部ってのは意外だったよ。あまり本好きってイメージなかったから」
「みんなの前じゃあまり読んでないからね。でも家とかじゃ結構読んでるんだよ。だから高校入学を機に自分でも書いてみようかなぁ、と思って文芸部に入ってみた訳。同じ本好きの友達も出来ると思ったしさ。でも他に部員が居ないんじゃ話にならないよ……」
 ガックリと肩を落としながらそう呟く歩美に、何と言葉をかければいいのか悩む。
 安易な言葉など、余計落ち込ませるだけだろう。
「そういや緋道くんって本読むよね? 中学の時、図書館でちょくちょく見かけたし」
「あ、うん。そうか思い出した、未生さんって図書委員やってたっけ。何かイメージと違うから、本以外が目当てでやってるんだと思ってたけど、実は本当に本好きだった訳か」
「あ、酷〜〜い。まあ、確かにうちの中学の図書委員って別のことで盛り上がってたけどさ。でも私は真面目に仕事やってたんだよ。みんなにはそう思われなかったけど地味にね。という訳で、本好きの緋道くん、ここは一つ友人を助けると思って文芸部に入部しませんこと? 今なら可愛い女子部員と二人きりで活動できるわよん」
 ふざけた感じで言ってはいるが、本心としては本当に入ってもらいたいのだろう。目の奥にある光は真剣そのものだった。
 神治としても、最近本好き、というか本の虫とも言える友人を得ていたため、生来の本好きにかなり拍車がかかっていたのだが、さすがにクラブ活動をするほどの意欲までは無かった。
「ごめん。入る気にならないからさ」
「ああ、いいいよいいよ。謝らなくていいから。こっちが無理言ってるんだもん。でも緋道くんなら本の好みも似てるし、きっと楽しいクラブ活動になると思ったのになぁ。残念……」
 悲しげな表情を浮かべた歩美に思わずドキリとしてしまう。
 普段が明るくニコニコしているだけに、そうした表情に妙な色気を感じたのだ。
「まあ、いいや。それよりこの間言ってたCD、あったから貸してあげるね」
「え? ホント。良かったありがとう」
 少し前、テレビ番組で流れた曲を神治は気に入ったのだが、古い曲であるためどこにも売っていなかったのだ。
 その事を歩美に話したところ、確か持っていたはずだと言い、見つけたら貸してくれると約束していたのである。
「持ってくるの忘れちゃったから、これからうちに来なよ。そんなに遠く無いしさ」
「そういう事ならお呼ばれしますか。家ってどこだっけ?」
 神治の問いに応える歩美の言葉に耳を傾けながら、そういえば女の子の家にお呼ばれするという事も、本来ならもっと動揺すべきことなんだろうな、などと思った。
 そういう意味で自分はかなり女性に慣れているという事なのだろう。
 入学式の日に、歩美に「変わった」と言われたが、こういうところがそうに違いない。転校する前の自分であれば、もっとドキドキしていたはずだからだ。
 そうではなくなった事に少し寂しさを感じつつも、それ以上に幸せな経験を沢山しているのだから、仕方のないことだと神治は思うのだった。


 歩美の部屋には女の子らしい小物やヌイグルミが置かれてあり、本棚にはかなり多くの本が並んでいた。
 そのことでやはり本好きなのだな、と改めて認識する。
「ふふ、どうですか女の子の部屋は。と言っても緋道くんはこういうのも慣れてるみたいだね。いやはや、何だか知らない間に随分と経験積んでるんだなぁ」
 歩美はからかうようにそう言いながら、紅茶を入れたティーセットを床に置いた。
 確かに女の子の部屋というのには慣れている気がする。
 何しろ数人の女の子の部屋でセックスをしているからだ。
「だけどこういうのはどう? 今日は他に誰も居ないんだよ。私と二人きりなの緋道くん。ドキドキしちゃう?」
 ふざけた感じで告げてくる歩美に苦笑する。
 本来ならここで動揺すべきなのだろうが、全くそういう事はなかった。
 やはり慣れているからだろう。
「つまんないの。緋道くんってかなり女の子と経験してるよね。そうじゃなきゃこの落ち着きはあり得ないよ」
「実はそうなんだよ。俺は気に入った女の子とはエッチしまくってるのさ」
 わざと気取った感じで告げ、冗談として笑いを取ろうとしてみたが、何故か歩美はそれに乗ってこなかった。こうした冗談が好きなはずであるのにどうしたのだろう。
 まるで神治の声が聞こえなかったかのように床の一点を見つめ、ジッと何かを考えているようなのである。
「ところでさ、緋道くんって須田さんのこと、どう思ってるの?」
 不意にそんな事を言ってきたため驚く。今更何故そんな事を尋ねてくるのだろうか。
「どうって、友達だよ。前にも言っただろ?」
「そうだけど、あの時は須田さんも居たから……だから改めて聞いてみたの。ね、本心を教えてよ。好き? 嫌い?」
「好きだよもちろん。嫌いだったら友達やってられないだろ」
「そうじゃなく、恋愛的な意味でよ」
「いや、友達だからさ、恋愛的な意味では好きではないよ」
「本当に?」
「本当に」
 何故これほど念を押して確認するのかと不審に思いながら見つめていると、歩美は何かを決心したように顔を上げた。
「それじゃ、私とキスしても問題ないよね? キスしよ?」
「ハ……?」
 あまりに突然の言葉に、一瞬思考が停止する。
 少ししてから言っている意味を理解したため、何でそうなるのか訳が分からなくなった。
「ハハハ、緋道くんが動揺してる。ふはっ、やったね大成功。という風に言うとからかっていたと思って安心するかも知れないけど、からかってないよ、本気だから」
 実際そうなのかと悔しく思いかけたため、違うのだという発言に混乱する。一体何を考えているのだろう。
「俺とキスするってどういう事だよ。何でするんだ?」
「私がしたいからだよ」
「だから何でだよ?」
「欲求に理由なんかないでしょ。緋道くんはキスしたいって思うのに理由があるの?」
 そう言われると確かに理由なんかなかった。
 しいて言うなら本能がそうさせていると言うべきか。
 キスは性的行為であり、性的行為は生殖行為を促す本能の働きだからだ。
 しかしだからといってしないのが人間だ。
 性的行為は恋愛感情の発露として行うのであり、その代表的なものがキスだろう。
 緋道村ならともかく、一般社会に育った歩美が「したいからキスをする」と言うのでは納得出来るものではなかった。
「普通キスってのは好きな人とするもんだろ? 特に女の子は大事にするもんだろうが。それを安易にしようっていうんだから驚きもするさ」
「ふ〜〜ん、緋道くんでもそういうところはちゃんとしてるんだね。安心した。実はちょっと試してみたんだよ。どういう反応するのか。ここで喜んでしてきたらそれまでの男だったなぁ、と」
「何だよそれ……結局からかってた訳か?」
「からかってるのとはちょっと違うよ。だって本当にしてきても受け入れるつもりではあったし。ただそうなったら残念だったけどね。私としては、そうじゃない感じでしたいからさ」
「そうじゃない感じって、どういうのだよ」
「う〜〜ん、そうだな。ちゃんと説明した方がいいよね。実は私、キスはもう経験済みなんだよ。ハハ、驚いた?」
 驚きが表情に表れたのだろう、歩美は嬉しそうに笑っている。
「まあ、驚きはしたかな。そうした雰囲気なかったし。でも納得もしてる。未生さん、男友達多いしさ。キスした相手くらいいても不思議じゃないと思うから」
「ブッブ〜〜、外れ外れ。相手は友達じゃないよ。全然知らない人。キスって言ってもね、人工呼吸なんだ。小学生の時、海で溺れて、助けてくれたお兄さんが私のファーストキスの相手って訳」
「人工呼吸かよ……でもまあ、それは確かにキスとも言えるか……」
「そう、キスとも言えるけど、言えないと捉えることも出来るんだな。そもそもファーストキスが人工呼吸だなんて夢が無いもんね。だから私は考えた。キスってのは恋愛的に好きな人とした時、初めて成立するものじゃないかって。というか、そう考えないと辛かった訳よ、可憐なお嬢さまとしては」
「で、それが俺とキスするのにどう繋がるんだ?」
「今言ったように、恋愛感情の無い相手であれば、キスをしてもキスにはならない訳よ。だから恋愛的に好きじゃない緋道くんとしても、それはキスじゃない訳。だから安心してキスが出来るの」
「って、何でそれでキスする事になるんだよ。恋愛的に好きじゃない相手としてもキスじゃないってのは分かるけど、だからって普通しないだろ」
「う〜〜ん、私は普通じゃないんだろうね。私はね、キス、というか性的なことに興味があるの。でもエッチだからしたい訳じゃないよ。ただ純粋に興味があるんだ。多分最初のキスの経験が人工呼吸だったせいじゃないかと思うんだけどね。でも一人じゃ出来ないでしょ? だから緋道くんにちょっと協力してもらおうかなぁって思ったの」
 なるほど興味本位という訳だ。
 と納得はしたものの、それでもただ考えるのと、実際にしてみようとするのでは大きな差があるだろう。
 そこら辺の積極性は歩美らしいとは思ったが、それでもやはり疑問は残った。
「理由は分かった。だけど何で俺なんだ? 他にも男友達はいるだろ? 中学の時に凄く仲良くしてたヤツとかいるじゃん。何でそいつに頼まなかったんだ?」
「他の男の子は駄目だよ。多分キスしたら私のこと好きになっちゃうもん。男の子ってそういうとこあるでしょ? 実際ちょっと優しくしたら『お前、俺に惚れてるんだろ』とか言ってきたの居たし。でも私は相手と付き合いたいからキスする訳じゃないから、そういうのは困るの」
 それは確かにあり得そうな話だった。
 自分も緋道村へ行く前に同じ事を要求されていたら、多分歩美を好きになっていただろう。
「あとそのまま襲いかかられても嫌だしね。キスしたことで興奮して押し倒されたりしたら最悪だよ。エッチには興味あるけど、無理矢理は絶対嫌だもん」
 その言葉は何とも神治の心に突き刺さった。
 何故ならこれまで何度もそうして女性を襲っているからだ。
 実際少し前であれば、キスの申し出をこれ幸いと受け、そのまま押し倒していたに違いない。
「そういうことで緋道くんを選んだ訳。昔の緋道くんじゃ駄目だったけど、今の緋道くんならキスしても私を好きにならないだろうし、襲いかかっても来ないと思うから」
「何でそこまで言い切れるんだよ」
「う〜〜ん、勘かな。何か分からないけどそんな気がするんだ。緋道くんはキスなんて飽きるほどしてるから、そんなんで相手を好きにならないし、エッチも沢山してるから、今更私みたいのを襲う気にもならないんじゃないかって」
 何とも凄い勘だった。キスに関してはまさにその通りだからだ。
 だがそれと襲うかどうかは別問題だろう。
 実際自分はそういう点では信用ならない男と言えたし、少し前までなら確実に襲っていたはずだからだ。
「男は狼って言葉を知らないのか? 俺だっていざとなったら襲っちゃうかも知れないぞ。それくらい未生さんは可愛いし、胸だって見ているだけで興奮しちゃうんだから」
 正直にそう告げる。
 自分はそんな信頼できるような男ではないのだ。
「そうだろうね。でも約束すれば別じゃないかなぁって」
「約束?」
「うん。無理矢理はしないって約束すれば、緋道くんはそれを守ってくれるように思うんだ。ま、それでも普通なら興奮して頭がエッチで一杯になって、約束なんかどっかにいっちゃうだろうけど、慣れてる緋道くんならそんな事もないと思って。つまり約束を守るかどうかは、緋道くん自身の意思で決めることになると思う訳よ。そして緋道くんは約束を守ってくれると思う。緋道くんって昔から約束は守ってくれたから。そういう事に関しては凄く信頼してるんだよ私」
 その言葉に驚く。
 何故ここまで歩美は自分に信頼を抱いているのだろう。
 それほどの信頼を得られるほどのことを自分は何かしたのだろうか。
「ま、そういう訳でキスしよ?」
 そのあっけらかんとした言い様に可笑しくなってくる。
 これまでこんな雰囲気でキスをしようとしたことなど無かったからだ。
 しかしそうした部分は歩美らしくて何とも似合っていた。
 思えば中学時代も、歩美のこうした雰囲気に惹かれていた部分があったのかも知れない。
「分かったよ。そこまで言うならする」
「ありがとう。じゃ、まずは約束して。無理矢理はしないって」
「ああ、無理矢理はしない」
 そう告げると歩美は嬉しそうに微笑み、「それじゃしよ」と言いながらゆっくりと体を寄せてきた。
 可愛い顔と大きな胸が迫るのに少し興奮しつつ、閉じられていく瞳に色っぽさを覚える。
 桜色の唇が迫り、やがてそれが自分の唇と重なっていった。
 触れた瞬間、微かな震えが唇から伝わってくる。
 いつもならそこから舌を入れるのだが、人工呼吸以来のキスをしている歩美相手にはまだ早いだろう。
 少し間を置いてからゆっくり唇を放していくと、目の前では歩美がキスの余韻に浸っているのか、同じ体勢のままジッとしていた。
「……ふぁ……何か凄かった……思ったより良かった……というか、気持ち良かったぁ……」
 歩美はうっとりとした表情を浮かべながら、ぼんやりとした声で呟いている。
 神治としては特に何もしなかったのだが、相性の良い相手となると触れるだけで感じさせることがあるため、歩美もそうなのかも知れない。
 これほど友人として仲良くしているのだから、性的な意味での相性が良くても不思議ではないだろう。
「納得したか?」
「う〜〜ん、良かったのは良かったんだけど……何かあまり分からなかった」
「何だそれ?」
「だってキスした瞬間、気持ち良すぎて訳が分からなくなっちゃったんだもん。頭が真っ白になっちゃったっていうか……こんなに凄いと思わなかったよ」
 どうやらやはり相性はかなり良いらしい。
 単にキスをしただけで訳が分からなくなるほどの状態になるというのは、よほど相性が良くないと起きないからだ。
「相性がいいんだろうな。軽くしただけじゃ普通はそんなに気持ち良くならないと思うし」
「相性? つまり相性のいい緋道くんとのキスだから気持ち良かったってこと?」
「そういうことだね」
「やだ、何それエッチ。緋道くんとだと気持ちいいっての? やだ、エッチだよそれぇ……」
 歩美は視線を落ち着き無く動かしながら困ったように呟いている。
「まあ、キスはエッチなものだからな」
「違うよ違う。緋道くん限定だからエッチなんだってば。それって緋道くんとしなきゃ今みたいな気持ち良さが味わえないって事じゃない。つまり気持ちのいいキスをしたかったら緋道くんとしなきゃいけないってことだもん」
 そう言われると確かにエッチな感じがした。
 要は「自分としたから気持ち良かったのであって、他の男とではそうはならない」と歩美に告げたようなものであり、「気持ちの良さを求めるのなら自分とキスをしろ」と主張したようにもとれたからだ。
「別に俺だけとは限らないから。他にも相性のいい男は居ると思うし……」
「それはそうかも知れないけど……でも私が知ってるのは緋道くんだけだもん。だから今の気持ちの良さをまた味わいたくなったら、また緋道くんとキスしたくなっちゃうって事だよそれ」
「味わいたくなっちゃうのか?」
「なっちゃうねきっとっ。だってすっごく良かったからっ」
 手を握りしめて力説してくるのに苦笑する。
 ここまで気持ちの良さをはっきりと告げてくるというのは、女の子としてどうなのだろうと思いつつも、歩美らしくもあるとは思った。
「という訳でもう一回、しよ? いいでしょ、ね?」
 すぐさま目を瞑り、唇を前に少し突き出すようにしてくるのに苦笑してしまう。
 何とも積極的なことだった。
 だが仲の良い友人が気持ちの良さを求めているのだから、それに応えるべきだろう。
 思えば緋道村では、そうして何度も友人相手にセックスしてきたのだから、神治にとってはお馴染みの行為と言えた。
(そういや、キスしたんじゃもう普通の友達じゃないよなぁ。せっかくそういうの抜きで友達だったのに、何かちょっと失敗かこれ?)
 神治としては、歩美は性的な関係抜きの友人として仲良くなれていたため、それが今回の事で崩壊したのは少し残念だった。
 とはいえ、自分とのキスをここまで喜び、求めてもらえるというのも嬉しかったため、こうなったら出来るだけ歩美の望みに応えてあげようと思った。
「ん……ふ……」
 再び唇が重なると、歩美は可愛らしい吐息を漏らした。
 そのことに少し興奮しつつ、欲情を抑えるようにする。
 本来ならこのまま抱き締めて色々としたいところだったが、約束があるため何かする訳にはいかなかった。
 普通の友人としての関係は崩れてしまったが、それでもあれほど信頼されたことまで壊す必要はないからだ。
 そんな事を考えながら先ほどより長いキスを終えると、歩美はしばらく宙を見つめたままボーっとしている。
 その様子には何とも言えない色気があり、柔らかそうな体の雰囲気も相まって肉欲が高まってきてしまった。
 思っていた以上に歩美の体はいやらしかったのだ。
 普段はそうでも無いが、意識が性的な方向へ向き出すと、男を誘う「気」が発せられたのである。
 並の男であれば歩美に夢中になるのが間違いないほど、それは強いものだった。
「やだぁ……どうしよ……どうしよぉ……」
 不意に何やら困ったように歩美が呟き始めた。
「どうかしたのか?」
「う〜〜、もっとしたくなってきちゃったの……何かエッチな気分になっちゃってるんだよぉ……そういうつもりじゃなかったのに、今したのはやっぱり失敗だったかなぁ。でもしたくなっちゃったんだからしょうがないよね……」
 大きな溜息をつきながら、肩をガックリと落としているのが何とも可笑しくも可愛らしい。
「エッチな気分になるとマズいのか?」
「マズいよ。だってもっとその……色々としたくなっちゃうし……それはさすがに友達同士でするのはどうかと思うから……」
「キスだって普通はしないだろ」
「いや、まあ、そうなんだけど……緋道くんとならOKだと思ったから……」
「キスはいいけどその先は駄目って事か……分からない理屈だなぁ。キスも普通は駄目だろ?」
「外国だとしてるじゃん、気軽に。でもさすがにそれ以上は気軽にしないでしょ?」
「なるほどそりゃそうだ。それでどうする? これで終わりにするか? それとももっとする? 俺はどっちでもいいけど」
「うは……やっぱり緋道くんは信頼できるね。ちゃんと約束守ってくれてる。普通の男の子ならもう押し倒してるよきっと。そうじゃなきゃ『もっとしよう』って誘ってきてる。そうなったら私もそれに流されちゃっただろうなぁ。だけど緋道くんはそうじゃなかった。私に選ばせてくれてる。ありがと、凄く嬉しいよ」
 そんな風に感謝されると、欲情を抑えて良かったと思った。
 少し前の自分なら、これ幸いと絶対押し倒していただろうから、まさに友情を守れたという訳だ。
「それじゃ、俺はもう帰った方がいいかな? これ以上一緒に居たらしたくなっちゃうだろ?」
「気遣いまで……うぅ、どうしよそんな風にされたらちょっと流されちゃう。緋道くんならいいかな、なんて思っちゃう……どうしよ……」
「我慢は大切だぞ。キスだけならまだ『外国で気軽にしてるから』って言い訳ができるけど、それ以上は無理だからな。抑えなよ。俺も抑えてるからさ」
「抑えてるって……緋道くんも興奮してるの? 私とエッチなことしたくなってるの?」
「そりゃしたいさここまで来たら。でも約束があるからさ。我慢してます」
「うぁ……約束だからって我慢してくれてるの?……うぅ……駄目だよそんな風に言ったら……駄目だって……そんなの聞いちゃったら私……ああん、駄目だってばぁ……」
 歩美は自分の体を抱き締めるようにしながら、頭を軽く左右に振っている。
「うん、もういいや……いいよ緋道くん……してもいい……そこまでしてくれる緋道くんとなら、私いいから……もっとキスしていい……それに他にも色々……エッチなこと……して、いい……気持ちいいこと……して、お願い……」
 歩美は涙目になりながら近づいてくると、細い両腕を背中に回して抱きついてきた。
 目の前に可愛らしい顔が迫り、ゆっくりと瞼が閉じられるのに合わせて唇を重ねていく。
 神治としてもここまで悩んだ結果として誘ってきている歩美の望みを断る気にはなれなかった。
 何より自分自身がもうしたくてたまらなくなっていたのだから、もうしてしまおうと思ったのだ。
「んっ……んんっ……」
 軽いキス以上の事をしていいという了解を得たため、そのまま舌を押し込み口内を舐める。
 舌を絡み合わせ、強く吸いながら激しいキスを繰り返すと、歩美がビクッと体を震わせながら強くしがみついてくるのに興奮を高める。
 押し付けられた体から、柔らかい女肉の感触が伝わり、胸元では大きな乳房が潰れるのに肉棒が硬く大きくなっていった。
 こちらからも抱き締め返し、その気持ちの良い肉体の感触を味わう。
 思っていた以上に快感を感じさせるその肉体に益々興奮は高ぶり、顔を左右に入れ替えながら濃厚なキスを繰り返していく。
「んんっ……んっ……んぁっ、んっ……」
 可愛らしく漏れる吐息を聞きつつ、手をその豊満な乳房へ伸ばし、ギュッと掴む。
「んふっ……」
 その瞬間、歩美の体がビクッと震え、一瞬逃げるようにして体が動いたが、乳房を優しく揉み始めると硬直した。
 手に余るほどの膨らみは、弾力があって何とも揉み心地が良く、手を動かすたびに歩美が小さく悶えるのに愛らしさを覚える。
「んっ、んぁっ……あっ、はふぅ……緋道くぅん……」
 唇を放すと、瞳を潤ませてこちらを見つめ、甘ったるい声で呼びかけてくるのが何とも可愛らしい。
「どう? 気持ちいい?」
 量感のある乳房を揉みながら尋ねると、歩美は泣きそうな表情を浮かべて小さく頷き返してくる。
「じゃあ、もっと気持ち良くしてあげるね……」
 制服のブラウスのボタンを外し、薄ピンク色のブラジャーを押し下げると、大きな乳房がぶるんっと言った感じで現れた。
 頂点では綺麗なピンク色をした乳首がすでに勃起していて何ともいやらしい。
 それにしても綺麗な乳房だった。
 大きいけれど形は崩れておらず、垂れてもおらず、綺麗な丸みを帯びているのが、これぞオッパイと言うべき理想的な造形に思えた。
 以前から大きいとは思っていたが、よもやここまで素晴らしい状態であるのは予想外だった。
「凄いね。綺麗だよ……未生さんの胸って凄く綺麗だ……」
「ありがと……緋道くんにそう言ってもらえると、何か凄く嬉しい」
「そう?」
「だって緋道くんって沢山見てるでしょ、女の子の胸。それで褒めてくれるってのは、私の胸がその中でも上位ってことじゃない……」
「うん、確かにそれはそうだね。ここまで大きくて形がいいオッパイってのは、なかなか無いよ。それが未生さんみたいに可愛い女の子のだとなると余計にさ」
「ふふ、ありがと。嬉しい……」
 恥ずかしそうに微笑む歩美の姿は実に可愛らしかった。
 そして何ともいやらしくもあった。
 小柄で童顔な少女が、制服のブラウスをはだけ、その容姿に不似合いな豊満な乳房を覗かせている様子というのは、独特の淫靡さを感じさせる部分があったからだ。
 まだ中学生、いや小学生のような顔をしているくせに、どうして胸だけはこれほど発育しているのだろう。
 揉み心地にしても、弾力と柔らかさが実に秀逸な感触であり、まさに理想の乳房と言うべき魅力があった。
 さらに先ほどと異なり、生で直接触れていることで手のひらに感じる感触というのも最高であり、その肌と肉の感触には、文句の付け所がないと言うべき素晴らしさがあった。
 よもや歩美の乳房がこれほどのものとは思っていなかった神治は、それに触れることが出来るようになった偶然に嬉しさを覚えた。
「あっ……あんっ……やだ、エッチな声が出ちゃう、あっ……恥ずかしいよぉ……」
 再び乳房を揉み始めると、快感のため自然と出てしまう声が恥ずかしいのか、歩美は顔を赤くして目を背けている。
「恥ずかしくなんかないよ。気持ちいいんだから当然だって。男はね、そうやって可愛い声を出してもらえると凄く嬉しいんだ。未生さんに夢中になっちゃうんだよ」
「そ、そうなの? 緋道くんも私に夢中になってるの?」
「なってるよ。未生さんみたいに可愛い女の子の、綺麗で大きなオッパイを揉んで、可愛らしい声を出させてるってのには凄い興奮があるんだ。それでもっとそうした声を出させたくなってくるんだよ。未生さんを気持ち良くさせて、もっともっと可愛らしい声を出させたいってね」
「やだ、もぉ……何それエッチ……」
「うん、エッチなんだよ。エッチだからいいんだ。未生さんはエッチは嫌い?」
「ふふ、嫌いじゃないよ。エッチなのいい。緋道くんに胸触ってもらってると、私、何か凄く気持ち良くなっちゃうから……」
「それじゃ、こういうのはどう?」
「あっ、あんっ……やっ、そんなの、はぅっ……」
 乳首を軽く摘んで捻ると、歩美は体をビクッと震わせた。
「それからこうして……」
 続けて乳首を口に含むと優しく吸い上げる。
「ああっ……あっ、あっ……やっ、やぁんっ……」
 それまでと異なる粘膜による刺激に、歩美は激しく悶えた。
 そのまま何度も吸い、舐めていくと、可愛らしい声がとぎれる事なく部屋に響いていき、力が抜けたらしい歩美はゆっくりと床に倒れ込んでいった。
(凄いな……たまらないよ……)
 横たわる歩美を上から眺めた神治は、そのいやらしさに激しい興奮を覚えた。
 小学生を思わせる小さな体と幼い顔立ちの少女が、その容姿には不似合いな豊満な乳房を制服のブラウスから覗かせ、快楽から瞳を潤ませて頬を桜色に上気させている。
 それは何とも言えない背徳的な淫靡さを醸し出していた。
 同い年であるはずなのに、童顔・小柄・巨乳という要素が揃ったことで、まるで発育の良い小学生を相手しているような錯覚を覚えるからだろう。
 そうしたまるでいけない事をしているかのような感覚が、肉欲を強く高めているのかも知れない。
 何しろ歩美の横たわる姿は、小学生に高校生の制服を着させて淫らな行為をしているとしても納得出来てしまうからだ。
 数多くの小学生を抱いてきた神治にしても、この奇妙な雰囲気には特別興奮を誘う感覚があった。
「それじゃ、もっと色々するよ。いいね?」
 了承を求めてそう尋ねると、歩美は潤んだ瞳でこちらを見ながら、こっくりと頷いた。
 その仕草がより幼さを感じさせ、神治はたまらなくなりつつ、小さいながらも豊満さのある肉体に覆い被さっていった。
「あっ……あっ……やんっ……」
 首筋に舌を這わせ、チロチロと舐め回すと、甘い声をあげながらピクピクと体を震わせるのが可愛らしい。
 片手でショートカットの髪を優しく梳りながら、もう一方の手で豊満な乳房を揉みしだいていく。
 サラサラの髪は撫でているだけで気持ち良く、乳房は蕩けるような感触があってたまらなかった。
 予想以上の素晴らしいその肉体に、こうして自分が抱けていることの偶然に強い嬉しさが湧き起こった。
 高校では友人は抱かないようにするつもりだったのだから、もし歩美がキスをするように言ってこなければ、この感触は味わえなかったのだ。
 それが今、自分が望んだ訳でもないのに味わえている。
 何と素晴らしいことだろう。
「あんっ、あっ……やっ、そんな、ああっ……ああんっ……」
 特にこの乳房の良さは最高だった。
 大きさ、形、弾力、柔らかさ。
 まさに理想的であり、それをこうして揉みしだき、舐め回すことの快感には、男に生まれてきて良かったと思わせる悦びがあった。
 この悦びを逃して高校生活を過ごしていたのかも知れないと思うと、何ともゾッとしてくる。
「やっ、やぁっ……やんっ、やぁんっ……緋道くん、ああっ……緋道くぅんっ……」
 甘く喘ぎ、求めてくる声に益々興奮が高まっていく。
 歩美は声も可愛らしく、その発声を聞いているだけで肉欲が高ぶるのだ。
 以前から童顔で小柄な容姿に合った幼さを感じさせる声だと思っていたが、喘がせた事でその魅力は強烈になった。
 幼く可愛い声が淫靡さを伴うことで、蕩けるような刺激が聴覚を襲い、肉棒を硬く大きくさせていくからである。
「未生さん、凄いよ可愛い、たまらない……俺、未生さんがあんまり可愛いから、入れたくなってきちゃった……入れてもいい……?」
 顔を近づけ、囁くようにして最後の一線を越えることの許可を求める。
 歩美もこれほど興奮しているのだから聞くまでもないと思うのだが、「無理矢理はしない」と約束した以上、許可無くする訳にはいかなかった。
 よもや断るとは思わなかったが、断られたとしたら何とか我慢するしかないだろう。
 あれほど信頼してくれた歩美を裏切る気にはなれなかったからだ。
「……入れるって……入れちゃうの?……私と、セックス……したいの?……緋道くんと……しちゃう……緋道くん、私が欲しい、の……?」
 ぼんやりとした口調で、「私が欲しいの?」と尋ねてくる歩美の様子には、何ともゾクリとする色気があった。
 敢えてこちらがセックスしたがっている、自分を欲しているのかと尋ねてくる行為に、どこか女としての悦びの雰囲気を感じたからかも知れない。
「ああ、未生さんとセックスしたい。未生さんが欲しいんだ」
「ふぁ……緋道くん、私が欲しいんだ……やだ、嬉しい……ふふ、いいよ。私をあげる。緋道くんに私をあげるから……もらって、お願い……」
 嬉しそうに微笑みながらそう了承し、さらには逆にお願いしてきた事に激しい喜びが湧き起こる。
 歩美は自分に抱かれることを求めているのだ、して欲しくてたまらないのだ、と思うと、男として強い歓喜が押し寄せてきたのである。
 神治は頷くと、歩美のスカートを捲り上げ、パンティを脱がした。
 見ると秘所はすでにかなり濡れており、歩美が強い快感を得ていたのを感じさせた。
「やぁ……あんまり見ないでぇ……」
 恥ずかしそうにする歩美に、普段の積極的な様子と異なる慎ましさを感じて興奮を覚える。
 今の彼女は、普段冗談として口にしている可憐なお嬢さまの雰囲気があった。
 そんな事を思いながら己のズボンとパンツを下ろした神治は、すでにいきり立っている肉棒を手に持つと、歩美に覆い被さっていった。
「入れるよ、未生さん……」
 そう言いながら肉棒を秘所に接触させると、歩美はピクッと体を震わせた後、こくりと小さく頷いた。
 ズブリと亀頭が膣穴に入り込み、奥へと進んでいく。
 その処女である事を感じさせる中のキツさは、程良い刺激となって肉棒を快感で包み込んだ。
「いぅっ……」
 そのまま腰を進めていくと、ある箇所で歩美が苦しげな声を発し、体を硬直させた。
 処女膜に達したのだ。
 痛がらせては可哀想だと思った神治は、痛みを緩和する「気」を送りながら、ゆっくりと肉棒を押し込んでいった。
「あっ……あぁっ……はぁ……」
 痛みが無くなったことで快感を得たのか、甘い吐息が歩美の唇から漏れる。
 体からも力が抜け、その脱力した様子には何とも言えない色気があった。
 小柄で童顔な少女が、初めて男の肉棒を受け入れ、その容姿に不似合いな豊満な肉体を脱力させる様には、年相応の容姿を持つ他の少女達にはない淫靡な雰囲気が感じられた。
 改めてそんな少女と繋がり合えたことに喜びを覚えた神治は、最後の一押しとばかりに肉棒を押し込んでいった。
「未生さん、全部入ったよ」
「うん、分かる……緋道くんのを凄く感じるもの……私の中でドクンドクンって言ってる……これが、セックスなんだね……」
「そうだよ。でもまだこれは入れただけだから……これからもっと気持ち良くなるよ」
「そうなんだ……じゃ、そうして……緋道くんに任せるから……気持ち良くしてね……」
 小さく笑みを浮かべる顔にドキリとする。
 男を受け入れたことで、すでに女の媚びが表情に表れているように思えたのだ。
 実際肉棒を包む膣襞も、それに合わせるようにいやらしく蠢き始めていた。
 その事に気持ちの良さを感じながら、ゆっくりと腰を動かし始める。
「あっ、あっ、あっ……」
 軽い突き込みに、歩美は小刻みな喘ぎを漏らしながら、初めて経験する快感に浸っているようだった。
 表情も穏やかで、微かに笑みを浮かべているのに色っぽさを覚える。
「あっ、やっ……緋道くん、あんっ……いい、あっ……気持ちいいよ、あぁっ……緋道くん気持ちいいっ……」
 悩ましげに眉根を寄せながら、体をクネクネと動かして歩美は悶えた。
 胸元で豊満な膨らみがタプンタプンといった感じで揺れ動いており、それを見ているだけで興奮が高まっていく。
「あんっ、あっ……やだ、あっ……やだ凄い、ああっ……凄いよそれ、あんっ……それ凄いぃっ……」
 少し強めに突き込むと、気持ちがいいとばかりにそう喘ぎつつ、顎を何度も逸らせている。
 悩ましげに顔が歪み、幼さを感じさせる童顔が大人の表情を見せていくのがたまらない。
 肉棒を締め付ける膣襞も、慣れてきたのか先ほどより感じられる気持ちの良さが高まっているように思えた。
「やっ、やぁんっ……あっ、あっ、ああっ……激し、あっ……激しいよ、ああっ……緋道くぅんっ……」
 腰の動きに力が入ったため、小柄な体が前後に大きく動く。
 細い両腕が伸び、すがりつくようにして背中に回ったかと思うと引き寄せられる。 目の前に可愛らしい顔が迫り、潤んだ瞳がこちらをジッと見つめてきた。
「緋道くん、いいよ、あっ……気持ちいい……あっ、ああっ……凄いね、凄いよ、あんっ……セックスって凄い、ああっ……気持ちいいのぉっ……」
 泣き笑いの表情を浮かべながら、歩美は己が快感に浸っていることを伝えてきた。
 気持ち良くしてあげると約束しただけに、それが守れたのは何とも嬉しかった。
 こうなればもっと気持ち良くしてあげ、最高の初体験にしてあげるべきだろう。
 そう思った神治は、それまで以上に淫の「気」を強め、腰の動きに力を入れていった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……やっ、あっ……何これ、ああっ……やんっ、やっ、やぁっ……こんな、あっ……こんなのぉっ……」
 歩美は頭を左右に振り、強まった快楽に困惑したように悶えている。
 小柄な体ながら強い力で引き寄せられ、抱き締められると、胸元に豊満な膨らみが潰れる感触が伝わり、その肉の存在感に心地良さを覚える。
 何故女性の肉体というのは、ここまで気持ちが良いのだろう。
 歩美のように乳房が大きいことによる快感はあるが、特に大きくなくとも乳房による刺激というのは男を興奮させるものだ。
 肉という意味では男と同じであるはずなのに、どうして女体であるだけでここまで気持ちの良さを与えてくるのだろうか。
 そんな事を思いながら、快楽に染まった童顔な可愛らしい顔をジッと見つめる。
「あっ、ああっ……緋道くぅん……」
 甘えるように呼びかけてくる歩美は、もう限界であるかのように意識が朦朧としているようだった。
 先ほど強めた淫の「気」のせいかも知れない。
 あまりに喜んでくれたため、ついサービスしすぎたのだろう。
 こういうところはまだまだ修行不足だな、などと苦笑しながら、このまま一気に絶頂に至らせてあげようと腰の動きに力を入れていく。
「あっ、あっ、ああっ……やだ、あんっ……わたし、ああっ……わたし、わたしぃっ……何か駄目、あっ……駄目だよ、ああっ……何か駄目なのぉっ……」
 ギュッとしがみつき、すがりつくようにして見つめてくるその瞳は、快楽に染まっていて何も見ていないかのようだった。
 しかしこちらに向けられる視線は、焦点が合っていないにも関わらず強い想いを感じさせた。
 わたしはあなたのものです、と……。
 その瞬間、神治の射精感も一気に高まり、この可愛らしい少女の中に精を放ちたくなった。
 自然、突き込みが激しくなり、強く大きく肉棒を出し入れしていく。
「あんっ、あんっ、ああんっ……はっ、はぅっ、はぁんっ……やっ、イく、あっ……何かイく、ああっ……何かイっちゃうよぉっ……やっ、やっ、やぁああああああああああっ!」
「くっ!」
 歩美が叫び、体を大きく仰け反らせた瞬間、神治は精を放った。
 ドピュッドピュッ、ドクドクドクドクドクドクドク……。
 大量の精液が迸り、小柄な少女の胎内へと注がれていく。
 強烈な快感が股間から湧き登り、気持ちのいい安堵感に包まれる。
 歩美はピクピクと体を震わせながら小さく吐息を漏らしており、その童顔は何とも言えない淫靡な表情を浮かべていた。
 男を知ったことで、その幼い顔立ちにもどこか大人の色気を感じさせる雰囲気が出てきており、女というのは不思議なものだと神治は思った。
 最後の射精を終え、ごろりと床に仰向けに倒れ込む。
 隣で荒い呼吸が聞こえ、しばらくすると穏やかなものになっていった。
「緋道くん……ありがとね……」
 かけられた声に視線を向けると、歩美が幸せそうな表情でこちらを見つめていた。
「これでいいかな? 満足した?」
「う〜〜ん、満足はまだ、してないかな? エッチな気分が残ってるっていうか……もっとしたいっていうか……やだ、わたし、何か凄くエッチな子になっちゃってる。どうしよ……」
 困ったよぅな顔をしている歩美は何とも可愛かった。
「エッチな子でもいいじゃん。未生さんみたいに可愛い子なら、男は大喜びだよ」
「そうなの? 緋道くんも?」
「そりゃそうさ。現に未生さんともっとしたくてたまらないし。今も未生さんを見てるだけでウズウズしちゃってる」
「そうなんだ……じゃ、もうちょっとしてもいい? 私、このままじゃおかしくなっちゃいそうで……」
「分かった。じゃ、もっと気持ち良くしてあげるね……」
 そう言いながら再び歩美にのし掛かり、すでに硬く大きくなっている肉棒を押し込んでいく。
 入れた瞬間、可愛らしい吐息を漏らすのに興奮を高めながら、神治は激しく腰を振っていくのだった。


「あっ、あっ、ああっ……」
 ベッドの上で、何も身に付けていない歩美が激しく悶えている。
 裸になると、その小柄な肉体がより意識され、可愛らしい童顔と相まって、どうにも小学生を抱いているような錯覚に陥りそうになった。
 唯一胸元にある豊満な乳房がそれを否定している訳だが、それも性徴の早さが著しいのだと考えれば受け入れられたため、神治は妙な興奮を覚えていた。
「あんっ、あっ、やぁっ……あんっ、あんっ、ああんっ……」
 肉棒の一突き一突きに合わせて大きな胸がタプンタプンと揺れ、その様子に肉欲がたぎっていく。
 体が小さいせいかより巨大に見えるその膨らみは、動くだけで男心を擽る魔性の存在だ。
「やぁっ、あっ、ああっ……緋道くぅん、あっ、あっ……緋道くんいいよぉっ……ああっ、あんっ……もっとぉ、あっ……もっとぉ、ああっ……もっとお願ぁいっ……」
 背中に腕が回り強く引き寄せられる。
 裸の体同士がくっつき、その滑らかな肌と柔らかな肉の感触にうっとりとなる。
 小柄ながら肉付きのいい歩美の体は、こうしてくっついているだけでもたまらなかった。
「あっぅ、ああぅっ……あぅっ、あっ、ああぁっ……凄い、ああっ……凄い、あんっ……緋道くん凄いよぉっ……」
 泣きそうな顔でこちらを見つめ、たまらないといった感じで甘い声を発する歩美は何とも可愛らしくもいやらしかった。
 普段見ないそうした表情は、歩美の女の部分をさらけ出させているように思えて嬉しかった。
 これは誰も見たことのない、自分だけが知っている歩美の女の部分なのだ。
 自分だけに向けられる、女の媚びに溢れた表情なのである。
「あふっ、あっ、ああっ……いいよっ、いいっ、いいのぉっ……それもっと、ああっ……それもっとぉっ……緋道くんお願ぁいっ……して、してぇっ……もっとしてぇっ……」
 腰に細い脚を絡みつかせ、逃がすまいとしがみついてくるのに可愛らしさを覚える。
 すっかり自分に夢中になっているその姿は、女としての歩美を蹂躙出来た証拠であり、それは何とも気分のいい状況だった。
「はぅっ、はぁっ……やっ、やっ、やぁっ……わたしの、あぁっ……わたしの中、緋道くんで、あっ……緋道くんでいっぱいぃっ……あっ、ああっ、わたしっ、わたしぃっ……緋道くんの、あぅっ……物だよぉっ……緋道くんのなのぉっ……」
 目の前にある顔は快楽に染まりまくっており、潤んだ瞳は強い光を放っている。
 そこには神治に媚びを売る強烈な想いがあり、己の全てを委ねたい、捧げたいと欲する意識が感じられた。
 それは神治にとってすでに見慣れたものだった。
 神治の中にある神性に感応し、下僕のようになりたがる女性の目だからだ。
 これまで幾人かの女性との間に生じた、自分への依存、執着、所有物となりたがる意識の現れだったのである。
 これは緋道村の女性との間ではあまり見られなかったものだった。
 村の女性達は、セックスの気持ち良さから神治を求め、親しみを持ってくれるようにはなったが、こうした全てを捧げるような意識というものはあまり無かった。
 ある程度は慕ってはくるものの、それは一人の性的能力に優れた男として求める意識によるものであり、神治を強く崇め、全てを捧げるような意識状態にはならなかったのである。
 村の外の女性達だけに何故このような現象が起きるのか、その事を未迦知神に尋ねてみると、それこそが部の民としての資質であり、神治の神としての証左であるという事だった。
 村の女性達は、未迦知神の血を引いていることで、神性に対する耐性があるらしく、またすでに未迦知神の部の民であるため、神治の神性に惹かれることはあまり無いらしい。
 しかし村の外の女性達は、そうした耐性などが無いため、神治の神性に染まりやすいのだという。
 無論、誰もがそうなる訳ではなく、ある程度相性があるらしいのだが、セックスに至るような親しさを持つ相手であれば、部の民となる資質を持っている可能性は高いらしかった。
 そういう意味で歩美のこうした状態は、また部の民となる女性を手に入れたという事で、神として喜ばしいことだったが、高校の友人とは普通に接していこうと考えていたことを思うと、何とも複雑な感じだった。
 とはいえ、セックスをしてしまった時点で、歩美とは普通の友人関係では無くなってしまったのだから仕方ないとも言えただろう。
 こうなれば、とことん歩美を気持ち良くさせ、部の民としての意識を強める方が良いように思えた。
 そうした事を抜きにしても、歩美のように可愛らしく、肉体的にも魅力のある女の子を自分に夢中にさせるのは、男としてたまらない悦びがあった。
 実際、最初に考えていた以上に抱いてしまっているのも、歩美の魅力のせいだった。
 もう止めようと思っていると、歩美が可愛らしくおねだりしてくるため、それに逆らえずに抱いてしまうのだ。
 童顔であることからその仕草には愛らしさがあり、また胸元で揺れる大きな膨らみは、強烈に肉欲を刺激したのである。
 それにはつい「もう一回だけ」と思わせられてしまう、魔性の魅力とも言うべきものがあった。
 まさに歩美は、男を幻惑する恐ろしい才能の持ち主と言えただろう。
「やっ、やっ、やぁんっ……凄い、ああっ……凄いぃっ……緋道くん凄いよ、ああっ……もっと、あぅっ……もっと凄くしてぇっ……もっとぉっ……」
 泣きそうな顔でこちらを見つめ、褒め称えながら甘くおねだりされると、言われた通りにせずには居られなくなった。
 そもそもこのセックスは、歩美のために始めたのだから、歩美が満足するまで続けるべきだろう。
 何より神治ももっと歩美を抱きたかったのだから、止まる訳が無かったのである。
「ああぅっ、あっ、あぁっ……あんっ、あんっ、ああんっ……やだ、ああっ……やだそれ、あぅっ……それ、ああっ……それぇっ……」
 頭を左右に激しく振り、童顔の顔を快楽に歪めながら強く抱きつき、背中に爪を立ててくる歩美の姿はいやらしかった。
 肉棒を包む膣は、この短時間で男を受け入れることに慣れたらしく、すでにかなりの気持ちの良さを与えてくるようになっており、時折思わず呻いてしまうほどの良さがあった。
 まるで熟達した女性の膣内であるかのようにいやらしい蠢きを示し、精を引きだそうと強く吸い付いてくるのがたまらず、その具合の良さに射精感が高まっていった。
「あっ、やっ、ああっ……やぅっ、あっ、ああっ……わらし、もぉ、ああっ……わらしもうらめらよぉっ……あぁっ、あっ、ああんっ……」
 蕩けるような声で言いながら、自ら激しく腰を振って快楽を得ようとしてくる様に何とも言えないいやらしさを覚える。
 この短時間ですっかり淫靡に染まったその姿は、童顔であることのギャップも相まって、見ているだけで射精したくなるほどの色気があった。
 すっかり「女」となっている歩美の状態に、自分がそうさせたのだという誇らしさを覚えた神治は、このまま一気に絶頂させようと腰を激しく振っていった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……やぅっ、やっ、やぁっ……らめっ、らめっ、らめぇっ……イく、あっ……イく、あぁっ……イっちゃうろぉっ……やっ、やっ、やぁああああああああんっ!」
「くっ!」
 叫びと同時に急激に締まった膣に蕩けるような快感を覚えながら、肉棒の栓を解放する。
 ドピュドピュッ、と凄まじい勢いで精液が迸り、歩美の中へと注がれていく。
 肉棒が律動するたびに快感が押し寄せ、その気持ちの良さにうっとりとしながら眼下へ視線を向けると、歩美はピクピクと体を震わせながら、絶頂の快感に浸っているようだった。
 その幼い顔立ちは淫靡に染まっており、少し大人びた表情を浮かべているのが何とも色っぽい。
 そんな顔を眺めながら数度の射精を繰り返した後、最後の精を放った神治は、ゆっくりと歩美の体へ身を預けた。
 柔らかで温かな肉が受け止めてくるのが何とも心地良く、目の前にある脱力したいやらしい童顔を見ていると、また肉棒が硬く大きくなってしまう。
 抱く前はこれほどまでに欲情するとは思っていなかったのだが、実際に抱き、その肉体を味わってしまうと、何度でもしたくなるのだから不思議だった。
 やはり女は抱いてみないと分からないものだ。
「ねぇ……もう一回……緋道くぅん……もう一回お願ぁい……しよ……もっとしよぉ……」
 甘えるように頬を擦りつけてくるのに可愛らしさを覚える。
 そうされていると肉棒がより硬度を増し、再び精を胎内に注ぎ込みたくなってくるため、止める気にはならなかった。
 そもそも歩美を満足させるためにしているのだから、望まれている以上、抱いてやるのが筋だろう。
 そう思った神治は再び肉棒を押し込むと、もう何度目か分からない行為を始めるのだった。


 結局あの日は夜遅くまで歩美を抱き続け、帰るのがすっかり遅くなってしまった。
 本来であれば途中で家族が帰ってきそうなものなのだが、どうやら歩美は家族が誰も居ない日を選んでああいう事をしてきたらしい。
 もしもセックスをする事になってもいいようにと考えていたというのだから苦笑してしまう。
 何とも用意がいいというか、友人相手にセックスする事まで意識していたということに驚きを覚えたが、それには理由があるらしかった。
 どうやら入学式の日から、歩美は神治に対して欲情し、友人以上の想いを意識するようになっていたというのだ。
 あの日教室へ入る直前に、歩美は何気なく神治の腕に触れたが、その瞬間、性的な快感が体を走り抜け、目の前に凄く美しく神々しいイメージが膨らんで、突き抜けるような心地良さに支配されたというのである。
 それから常に神治の事が頭に浮かぶようになり、体が熱くなっておかしくなりそうな状態になる事が多々あったため、何度も神治を思って自慰をしたらしい。
 友人を思い浮かべて自慰をしてしまう事に強い恥ずかしさを覚えつつも、その気持ちの良さに流され、続けてしまったというのだ。
 さらに自慰の際に頭に浮かぶ神々しいイメージはあせることが無く、強烈に歩美を包み込んだため、その結果、神治に対して友人以上の信頼を抱くようになったという。
 神々しさにはそれだけの強い魅力があり、逆らうことが出来ない、全てを捧げたくなるような意識にさせるものがあるらしかった。
 そうした事もあって、歩美は神治に抱かれることを忌避する想いが弱く、逆に抱いてもらいたいという意識になっていたというのである。
 そして実際に抱かれた瞬間、凄まじい快感と神々しさに包まれたため、神治に対して完全に夢中になってしまったと歩美は告げた。
 それは恋愛感情ではなく、もっと高尚な想いであり、自分の全てを貰って欲しいというような、絶対的なものだという。
 神治は似たような事を数人の女性から言われていたため、それが自分の中にある神性に魅了された結果だというのが分かった。
 どうやら歩美には部の民となる資質があったらしい。
 そうした反応は部の民となる人間に表れるものだからだ。
 そんな事があってから数日が経過したが、歩美は表面上、特に変わった様子は見せなかった。
 神治がそうしてくれるよう望んだこともあったが、歩美自身、まだ自分の中の神治に対する想いを整理できていない部分もあるため、そうなっているらしかった。
 そんな訳で、歩美とは表面上はこれまでと変わらない友人関係を結んでおり、今日も何やら用事があるとのことで、柚華と一緒に文芸部の部室に呼び出されていた。
 まさか今更クラブ活動の勧誘でも無いだろうから、何の用であるのだろうと歩美の言葉を待っているのだ。
「今日、来てもらったのはね、二人に文芸部に入部してもらおうと思ったからなの」
 開口一番、歩美がそう告げてきたのに驚く。
 それは無いだろうと思っていただけに予想外だったからだ。
「あ〜〜、やっぱり驚くよね。今更だし。でもこれにはちゃんと理由があるんだよ。二人にとってもいい意味で」
 神治達の反応に歩美は苦笑しながら話を続けている。
「どういう理由なんだ?」
「それはね……えっとそうだなぁ。まず須田さん。あなた、緋道くんのこと普通じゃなく慕ってるでしょ?」
「え……?」
 不意にそう指摘された柚華は、驚いたようにして目を丸くしている。
「恋愛的な意味じゃなく、好きとかじゃなく、もっと違った感じでね。男とか女とか関係なく、とにかく緋道くんに全てを捧げたい、役に立ちたい、自分の全てを貰って欲しい、みたいに感じてない?」
「え、あ……えっとその……」
 柚華は困ったように視線を動かしながら、どう応えたらいいのか分からないようにしている。
「前に私が、緋道くんのことを恋愛的に好きなのかって尋ねた時、あなた否定したでしょ? それで『違った意味で好意を持っている』って応えたけど、その時のあなたの雰囲気に、今言ったみたいなものを感じたんだけど、違うかな?」
 歩美は真面目な顔で柚華をジッと見つめながら、確認するようにゆっくりと語りかけている。
 柚華は大きく息を吸い込んで吐き出すと、何かを決意したように勢い良く顔を上げた。
「その通りだよ。私は緋道くんのこと、凄く慕ってる。恋愛とかじゃなく、もっと高尚な意味で」
「うん、良かった。予想通りだね。これなら問題ないと思う。実は私も同じなの。緋道くんのこと、凄く慕っちゃってるのよ。だからあなたも同じなんじゃないかって、それで確認させてもらったんだ」
「え? あなたも……?」
「そう、私も……」
 二人はしばらく見つめ合うと、どちらともなく微笑んだ。
「いわば同志ってやつね。私たちは二人して緋道くんのことを慕っている。ううん、崇めていると言っていいと思う。須田さん、そうよね? 間違ってる?」
「ええ、その通りよ。間違ってない。私は緋道くんのことを崇めてるもの。その、神様みたいに思ってる……」
「ふふ、神様か、そうだねそんな感じだよ。私も同じだ……」
 意気投合したように語り合う二人の様子に、神治はどうしたものかと困った。
 それにしても神だと言ってきたのには参ってしまった。
 やはりセックスの途中で見るという、神々しいイメージからそうした印象を持つのだろうか。
 神治自身は見たことは無いが、これまで何人かの女性から似たような状態になる事を聞いていたのだ。
「これって普通じゃないよね。同い年の男の子を神様みたいに崇めちゃうのって。普通じゃないんだけど、この気持ちは確かなの。私は緋道くんを凄いと思ってる。人間以上の存在に思えてる。そして私の全てを捧げたくなってる。こんなこと普通は恥ずかしくて言えないし、思うことも無いだろうけど、抑えられないのよ。爆発しそうなほどにそう思っちゃってるんだから」
「そう、そうなのよっ。未生さん、私も同じ。同じよっ」
 興奮したように柚華が大きな声で賛同を示している。
「ふふ、やっぱり私たちは同志よね。そこで私は思ったの、緋道くんと知り合った私たち二人が、同じように緋道くんを神さまとして崇めている。これって私たちだけなのかなって。他にももっといるんじゃないかって。もしいるとしたらそういった人を集めたいなって」
「集める?」
「うん、集めて話とかしたいの。同じ想いを抱く者同士、一緒に居るのって楽しそうだと思うから。今も須田さんと話してて、私凄く楽しいもの。他の人には絶対言えない、緋道くんに対する想いを語れるのが凄く楽しい」
「私も楽しい。楽しいよ未生さん」
 嬉しそうに微笑みながら、柚華は何度も頷いている。
 歩美もそれに応じるように頷きながら、柚華の傍に寄ると肩に手を置いた。
「だから私はそうした人間の集まりを作ろうと思ったの。本当は独自のクラブ活動としてやりたかったけど、それはさすがに無理だから、文芸部の内部組織として作るつもり。その組織に緋道くんと須田さんに入って欲しいのよ」
「入るっ、入るよっ。私入るっ」
 柚華は興奮しながら歩美の手を取り、何度も頷いている。
「ありがとう。あなたなら絶対そう言ってくれると思ったわ。嬉しい。ホント嬉しい」
 歩美は涙目になりながら両手で柚華の手を包むようにして持つと、上下に揺さぶっている。
 神治はハイテンションになっている二人の様子を呆気に取られながら見ていたが、何やら自分のための組織を作るという事に話が進んでいるのにどうしたものかと思った。
「え〜〜っと、俺は別に自分のことを話したいと思わないんだが……参加しないと駄目なのか?」
「もちろんよ。だって緋道くんのための組織なんだもん。緋道くんが居てくれなきゃ盛り上がらないじゃない。というか、居て欲しいの。放課後、緋道くんと一緒に居たいのよ。じゃないと緋道くんと私たちだけで居られる時間って無いもの。他の人が居ない状態で、緋道くんに対する想いを聞いて欲しい、見て欲しい、私たちという存在を、緋道くんに分かってもらいたいの……お願い、入って。入って。入って……」
 泣きそうな顔になりながら、甘えるように告げてくるのに肉棒がピクリと反応を示す。
 歩美のおねだりを受けたのはセックスをしていた時だったため、条件反射的に興奮してしまったのだ。
「私からもお願い。緋道くん、入って、ね?」
 柚華の声が耳に響いた途端、強烈に肉棒が硬く大きくなった。
 想いが強まったため、普段は抑えている男を欲情させる力が出てしまったのだろう。
 そうなると、いつも抱いている感覚が思い出され、柚華に対する愛おしさが強くなった。
 可愛く思っている二人におねだりされては逆らえるはずもなく、神治は受け入れるしかないと思った。
 とはいえ、二人と放課後一緒に過ごすというのも楽しそうであったため、構わないとは思っていたのだが。
「分かった、入るよ」
『うわぁっ♪』
 神治の返答に、二人は嬉しそうに声をあげた。
「それはいいけど、実際何するんだよ。それに建前上は文芸部なんだろ? そっちの活動もしなきゃいけないんじゃないか?」
「そうだね。それはちょっとやってもらう事になっちゃうかな。でも二人とも本は好きでしょ? だから問題無いと思って。まあ、後は文化祭の時に何か書いてもらう事になると思うけど、何とかなるでしょ。それはその時考えましょ」
「まあ、そうだな。取り敢えずいいか……」
 神治自身、自分でも小説を書いてみたいとは思っていたので、良い機会かも知れない。
 他人に公表するとなると恥ずかしいが、読んでもらわなければ意味が無いのだから仕方ないだろう。
「それで一応組織の名前も考えたんだけどね。ズバリ『ヒジン会』」
 歩美が取り出した紙には、大きく「HIJIN会」と書かれてあった。
「HIJIN会? どういう意味だ?」
「『緋道神の会』を略して『HIJIN会』だよ」
「緋道神……」
 思わず未迦知神の事が頭に浮かび、ドキリとしてしまう。
 未迦知神のフルネームは、「緋道未迦知神」だからだ。
「知ってた? 緋道くんの名字と同じ名前の神様っているんだよ」
「……知ってる。うちの田舎の神様だ」
「あ、そうなんだ。驚くかと思ったのに残念。ま、そういう訳で表向きはその神様を題材にした小説とかを書く専門部門にしようかなって。もちろん神様ってのは緋道くんのことなんだけどね。名前が同じなら誤魔化し効くし、別に神様研究会な訳じゃなくて文芸部、つまり創作するクラブなんだから、嘘でも構わない訳だしさ。つまり私たちの緋道くんに対する想いを小説に書いたりするような事でいい訳よ。凄くいいでしょこれ」
「うわ〜〜、それいい。凄くいいよ。俄然やる気になってきちゃった」
「でしょでしょぉ?」
 二人は凄く盛り上がっている。
 一方、神治は自分は何をすればいいのだろうと考えた。
 緋道の神のことを書くのなら、未迦知神のことを書いてもいいのだろうか。
 名前の由来からすればそちらの方が正当と言えるから問題ないに違いない。
 歩美も言っていたが、正式な研究という訳では無く、創作になる訳だから何を書いても構わないだろう。
 そうなると、未迦知神を主人公にした物語などが頭に浮かんできて楽しくなった。
(そういや、前に見た夢。あれって未迦知さまが出てきたんだよなぁ。あれから想像した話とか書いたら面白いかもな……)
 あの夢で未迦知神は甲冑を身につけていたりしたため、ファンタジー的なノリの話にしたら良いかも知れない。
 そんな事を考えていると、次々と話のネタが思いついてきたため楽しくなってくる。
(無理矢理入らされちゃう感じになったけど、結構楽しいかもな文芸部って……ちょっと小説にチャレンジしてみますか……)
 目の前で興奮しながら盛り上がっている二人を見ながら、神治はクラブ活動を始めることの高揚感を覚えるのだった。


 文芸部に入部してから数日が経った。
 神治達は放課後になると三人で集まり、本の話題やそれ以外のことなど、とにかく何でも話した。
 雑談になる事も多かったが、それでもやはり本好きが集まっていることもあって、本についての話題は事欠かなかった。
 特に神治は本好きの友人である摩箕子からお薦めの作品をよく借りていたため、その作品について話すと二人に喜ばれた。
 あまり一般的ではないが面白い作品というのは、なかなか知る機会が無いからだ。
 摩箕子はそうした作品もよく貸してくれるのである。
 そんな風に三人で毎日過ごしてきた訳だが、今日は柚華が用事で居ないため、歩美と二人だった。
 部室へ入ると、歩美はどこかそわそわした様子で、落ち着き無く部屋の中を見回している。
 そして不意に入り口のドアへ近づくと鍵をかけ、そのまま勢い良くこちらを向いた。
「今日は二人きりだし……気持ちのいいことしよ?」
「ハ……?」
 突然そんな事を言ってきたのに驚く。
「しばらくしてないし。またしたくなっちゃったの。いいでしょぉ、お願ぁい」
 甘い声で呟き、近づくと抱きついてきた。
「ここは学校だぞ。そういう事は駄目だって」
「だけど誰も来ないしぃ。ちょっとくらいならいいじゃぁん」
「ちょっとくらいじゃ満足しないくせによく言うよ」
 以前した時は、何度も求められて結局夜遅くまでしてしまったのだ。
「だってあれはぁ、緋道くんがあんまり気持ち良くするからぁ、たまらなくなっちゃったんだもぉん。今日は大丈夫だよぉ。ちょっとだけで我慢するからぁ。ね、いいでしょぉ?」
「だからって学校じゃ駄目だろ。そもそも恋人でも無いんだから、学校でまでするってのはやり過ぎだ。せめて別の場所にしてくれよ」
 学校では性的行為をしないようにしようと思っている神治にとり、校内でするのは避けたかった。
 歩美との関係が普通の友人から逸脱してしまったのは仕方が無いにせよ、場所に関しては拘りたかったのだ。
「でも他の場所なんて無いし。私の家っていつも兄貴いるから駄目だしさ。そうなるとここしか無いんだもん。だからお願いぃ、しようよぉ。私、何かもう耐えられなくってぇ。緋道くんに色々してもらいたいんだよぉ。自分でするんじゃ全然物足りないのぉ」
 その言葉から、歩美が自慰をしているのだと思った神治は少し興奮を覚えた。
 童顔な歩美が自慰をしているというのは、何とも卑猥なイメージがあったからだ。
 しかしだからと言って校内でする気にはなれなかった。
 歩美は可愛いし、その体をまた味わってみたくもあったが、とにかく校内でするのは止めようと思っていたのである。
「とにかく学校じゃ駄目だ」
「もぉ、そんなこと言ってぇ、意地悪なんだからぁ。ね、お願いだよぉ」
 歩美はそう言いながら体を押し付けてくる。
 柔らかな感触が体の前面に広がり、心地良さと肉欲がたぎってくる。
 特に腹の辺りに感じる乳房の感触は、思わず肉棒が硬くなるほどだった。
 小さな体のくせに、男を魅了する資質に溢れているのが何とも素晴らしい。
「欲求不満の男じゃないんだから我慢しろって。女の子なんだからはしたないぞ」
「それは分かってるけどさ。でも本当に抑えられないんだもん。緋道くんのこと考えてると、自然に体が熱くなって、我慢できなくなっちゃうの。実際こうして会って、しかも二人きりになっちゃうと、それが凄く強くなって、おかしくなりそうになって、抱いてもらいたくてしょうがなくなっちゃうんだよぉ」
 潤んだ瞳で見つめながら、泣きそうな声でそう告げてくるのが何とも可愛らしい。
 神治としてもそこまで言われたら抱いてあげたくはあったが、やはり校内では抱かない決まりは守りたかった。
 そうしないと今後も抱いてしまいかねないからだ。
「それに、須田さんとはしてるんでしょ?」
 不意に言われた言葉にドキリとする。
 確かに柚華とは彼女の家で何度もセックスをしていた。
 両親が不在がちなため、気軽に出来るのは以前から同じだったからだ。
 何より柚華とのセックスは学力向上に繋がるため、勉強の趣旨としても続けていたのである。
「どうしてそう思うんだ?」
「だってたまに二人で一緒に帰ってるじゃん。あれってその後してるんでしょ? 須田さんは緋道くんとの関係じゃ先輩だから譲るけど、でもたまには私もしたいよ。抱いて欲しいよ。そうじゃないと辛いんだもんっ」
 歩美はそう強く述べると押すようにしてきたため、思わず後ろに下がり、すぐ傍にあった椅子に腰を下ろす。
 目線の位置が低くなったことから歩美を見上げつつ、ショートヘアの小さな頭を優しく撫でる。
「ごめんよ。でも俺、学校じゃしたくないんだ。これだけはどうしてもさ」
「……う〜〜、分かった。緋道くんがそこまで言うなら……でも私が一方的にするのはいいよね。それくらいは許してよね。そうじゃないと私、おかしくなっちゃうっ」
 そう言っていきなりしゃがんだかと思うと、歩美は神治のズボンに手をかけ、チャックを引き下ろした。
「え? おい、ちょっと……」
「いいからいいから。ジッとしてて……ふふ、ご開帳〜〜」
 強引な行動に呆気にとられながら見ていると、歩美は肉棒を取り出し、うっとりとした目で見つめている。
「いただきま〜〜す。んんっ……」
 そのまま小さな口を大きく開いたかと思うと、パクリと口に含む。
 じんわりとした気持ちの良さが股間に広がり、ゆっくりと全身に広がっていく。
「んっ、んんっ……ふぁ、いい……舐めてるだけで最高ぉ……」
 歩美は肉棒に舌を這わしながら、蕩けるような笑みを浮かべている。
 どうやら肉棒に触れているだけで気持ち良くなっているらしい。
「しょうがないなぁ……」
 神治は半分呆れつつ、それでもここまで自分の肉棒に執着している事に嬉しさを覚えた。
 歩美は自分に夢中なのだ。
 触れていないとおかしくなってしまうほどに。
「ごめんね、んんっ……でもホント気持ちいいんだもん緋道くんのこれ舐めてると、んっ、んぐっ……緋道くんはどう? 気持ちいい?」
「ああ、気持ちいいよ。未生さんは可愛いからそれだけで、くっ……かなりいい……」
 テクニック自体はさほどでも無いが、童顔で小柄な歩美が、制服姿で肉棒を咥えている様子というのは実に興奮を誘ったのだ。
 慣れていないだけに一生懸命さが感じられ、初々しい奉仕の姿に肉欲が高ぶるのである。
「良かった……それならもっと頑張るね、んぐっ、んっ……緋道くんに気持ち良くなってもらうから、んっ、んんっ……」
 小さな頭を大きく動かしながら熱心に肉棒を舐めるその姿は、自分に対する強い想いを感じさせ、愛おしさが高まった。
 ここまでしてくれる相手を抱いてあげないというのは何とも可哀想であり、こうなれば今回だけは例外として抱くべきではないかと思った。
 一度例外を作ってしまえば、そのまま今後もしてしまいそうな気もしたが、そうなったら仕方がないではないか。
 そんな言い訳を考えると、一気に気が楽になった。
 神治にしても歩美を抱きたくてたまらなかったからだ。
 そのまま胸元へ手を伸ばすと、大きな膨らみをギュッと掴む。
「あんっ……緋道くん、しないんじゃなかったの?」
「ここまでされたらしょうがないよ。俺もしたくなっちゃったし」
「ホント? やったぁ……じゃ、お願ぁい、気持ち良くしてぇ……」
 嬉しそうに見上げてくる歩美に頷きながら後ろ向きにさせると、膝の上に座らせるようにして背後から抱き締める。
 両手で二つの豊満な双乳を優しく揉みしだきつつ、首筋に舌を這わせていく。
「あっ、んふっ……はぁぅ、やっぱいい、あっ……緋道くんに触ってもらうと、あんっ……気持ち、いいよぉ……」
 トロンっとした表情をしながら、甘い吐息を漏らし、歩美はこちらに身を委ねてくる。
 体重がかかることによってその柔らかな肉の感触が強く伝わり、肉棒が硬く大きくなった。
「あんっ、あっ……や、はぅっ……ああんっ……」
 制服の上から乳房をこねるようにして揉むと、膨らみが形を変えるのに興奮を覚える。
 小学生みたいな体のくせに、どうして胸だけはこれほど大きいのだろう。
 まさに女体の神秘だな、などと思いながらゆっくりと揉み回していく。
「はぁ……あっ、あっ……やぁんっ、ああっ……」
 乳房をギュッと掴み、耳たぶを甘噛みしながら体全体を背後から抱き締める。
 肉付きのいい体は、そうしているだけでも肉欲が高まった。
 この体が自分の物なのだと思うと嬉しくて仕方がない。
 何より歩美は自分に抱かれないとおかしくなってしまうのだ。
 それほど自分に夢中なのである。
(なら、もっと気持ち良くしてあげないとな……)
 起き上がり、近くにあった机に手を付かせると、スカートを捲ってパンティを脱がして腰を掴む。
「じゃ、入れるよ。いいかい?」
「うん、うん……早く入れて。入れてお願い……」
 振り返り、切羽詰まったようにして言ってくるのに苦笑する。
 よほどこの瞬間を待っていたのだな、と思うと、そのつもりは無かったにせよ、結果的に焦らしてしまったのが申し訳なくなってくる。
「あっ、んっ……」
 ズブリと肉棒が膣穴に収まると、歩美が頭を仰け反らせた。
 そのまま押し込んでいくと、「あっ、あぁっ」と甘い吐息を漏らすのが可愛らしい。
 肉棒を全部入れた後、一旦動きを止めてその感触を味わう。
 膣襞が絡みついて吸い付いてくるのが心地良く、ゆっくりと腰を前後に動かし始める。
「あっ、あっ、あっ……あんっ、あんっ、ああんっ……」
 突き込むたびに小さな頭が持ち上がり、細い指が机の表面をひっかく。
 制服に包まれた小柄な体がくねり、スカートから伸びる肉付きのいい脚が震えるのに興奮を覚える。
「やんっ、やっ、やぁっ……はぅっ、はっ、はぁんっ……」
 少し強めに突き込むと、歩美が可愛らしい声をあげ、頭を左右に激しく振った。
 その様子に腰を掴む手に力が入り、さらに強く大きく肉棒を叩き付けてしまう。
 やはり歩美の体は最高だった。
 童顔と小柄な肉体、そして幼さを感じさせる喘ぎは、まるで小学生を相手にしているような錯覚をもたらすにも関わらず、その肉付きの良さは大人顔負けであり、膣内の感触にしても実に素晴らしかった。
「あぅっ、あっ、ああっ……緋道くん凄い、ああっ……緋道くん凄いよぉ、あっ、ああっ……やっぱり緋道くんの凄いのぉっ……」
 何よりこうして自分を褒め称えてくる言葉がたまらなかった。
 歩美の言い方というか声質には、どうにも男心を擽る部分があるのだ。
 ゆえにこうして褒められると、強烈な誇らしさを感じるのである。
「あんっ、あんっ、ああんっ……もっと、ああっ……もっと、あんっ……もっとしてぇっ……」
 体をひっくり返し、正面向きに体勢を変えると、歩美は腕を伸ばして抱きついてきた。
 目の前に迫る幼い顔が快楽に歪み、淫靡な笑みを浮かべているのにゾクリとした興奮を覚える。
 そうした表情を浮かべると、歩美は何とも言えない色気が出てくるのだ。
「そう、ああっ……そうそこ、ああっ……そこいい、ああっ……そこいいよぉ、やっ、やぁっ……そこいいのぉっ……」
 以前の交わりで知った、歩美が特に感じる箇所を重点的に突くと、腰に両脚を絡め、強くしがみついてくる。
 肉棒も膣襞に強烈に吸引されており、蕩けるような快感が押し寄せてきていた。
 歩美は膣の感触も極上であり、そのせいで思わず夢中になってしまうのが困ったところだった。
 神治はそれまで以上に激しく腰を振り、強く大きく肉棒を叩き付けていった。
「あぅっ、あっ、ああんっ……いいっ、いいっ、いいぃっ……緋道くんいいのぉっ……やぅっ、やっ、やぁんっ……」
 ギュッとしがみつかれ、体の前面が女肉の感触に包まれる。
 制服越しであっても伝わる歩美の肉は、快感が高まると柔らかさが増し、まるで吸い付かれているかのようにこちらの体を受け止めるのだ。
 それには実にたまらない、蕩けるような良さがあった。
 何といい体をした少女なのだろう。
 歩美に対する愛着が強まり、もっともっと気持ち良くしてあげようと腰の動きに力が入っていく。
「やっ、やっ、やぁっ……私、ああっ……私駄目、あんっ……もう駄目、あっ……もう駄目だよぉっ……緋道くん、ああっ……緋道くぅんっ……」
 限界が近いのか、歩美が泣きそうな声で可愛らしく叫んでいる。
 その自分を求める言葉に嬉しさを感じつつ、神治は最後とばかりに激しく突き込んでいった。
「あんっ、あんっ、ああっ……イく、あっ……イっちゃう、ああっ……わたしイっちゃうぅっ……緋道くんっ、緋道くんっ、緋道くぅんっ……やっ、やっ、やぁああああああああんっ!」
「未生さんっ!」
 互いを呼び合う声が部屋に響き、次の瞬間、肉棒が解放され、精液が迸った。
 ドピュッ、ドピュッ、ドクドクドクドクドク……。
 肉棒が震えるたびに快感が走り抜け、それに浸りながら神治は何度も何度も精を放ち続けた。
 歩美は体を硬直させながら「あ……ああ……」と甘い吐息を漏らし、己に注がれてくる精液を感じているようだった。
 可愛らしい童顔が淫靡な笑みを浮かべ、小柄な体が震えながら雄の種を受け入れていることに、神治は強い満足感を得ていた。
 やはり歩美とのセックスはたまらなかった。
 射精している最中の今も、その絡みついてくる膣襞の感触が蕩けるように良いのだ。
 今回はこれで終わりにするつもりだったのだが、このままだとそうはいかないように思えてきた。
 何しろすでにまた抱きたくなっているのだから。
 だが誰も居ない部室なのだし、そうなっても構わないだろうとも思う。
 他にこの部室に訪れる人間などいないのだから……。
 そんな事を考えながら周囲を見回すと、この数日で見慣れた部室の様子が視界に映った。
 三人で本について語り合う時に使っている机は、今や簡易のベッドとして、二人の淫靡な行為の発露を受け止め、ガタガタと音を立てている。
 本来このような事をする場所ではない部室で、自分は何をしているのだろうと思うと、何とも言えない背徳感が押し寄せてきた。
 クラブの部室で、部員の女の子とセックスをしている。
 それは普通の高校生ではありえない、非日常的な状況だった。
 つい少し前までは日常だった部室が、非日常的な場となってしまっているのだ。
 自分たちの行為が、日常に非日常を浸食させてしまったのである。
 村の外では、そして高校では、こうした事は控えようと思っていたのだが、どうやら駄目だったようだ。
 しょせん自分は結局こうなってしまうのか。
 そう思うと少し悲しくもあったが、こういう人生もそれはそれでありだろう、などと思ってもみる。
「緋道くぅん……良かったよぉ……やっぱり緋道くんて最高ぉ……素敵ぃ……わたしの神様だよぉ……大好きなのぉ……」
 絶頂の余韻から冷めないのか、トロンっとした表情の歩美がこちらを見つめてくる。
 その様子は実にいやらしくも可愛らしく、射精を終えたばかりの肉棒がすぐさま硬く大きくなっていく。
 そうなると再び入れずには居られなくなるのであり、こうなったら今日は徹底的に歩美を悦ばせてやろう、といった想いが強くなっていった。
 どうせ自分は性的なことから離れられないのだ。
 性の神なのだから仕方ない。
 そう、これは神が部の民に与える施しなのだ。
 そんな事を考えながら、神治は嬉しそうに微笑む歩美の中へ、いきり立つ肉棒を押し込んでいくのだった。












あとがき

 仲の良い女友達と、遊びのような雰囲気でセックスに至ってしまう、という感じの話を書いてみました。
 恋愛的な感情からではなく、興味があるから体験させて欲しい、ってのですね。
 とはいえ、あとで「実はすでに神治に欲情していた」という事になっている訳ですが、読者的には分からないことなので、そういう雰囲気が楽しめたのではないかと思います。
 私はこうしたノリでセックスに至っちゃう展開が結構好きなので、高校一発目としてやってみようかな、と。
 そんで相手としては、一話以前の神治を知る、中学時代の友人ってことにして書いてみた次第。
 歩美自身、ちょっと変な性格ですが、それゆえに飄々とした感じでセックスに至れて良かったのではないかと思っています。
 こんな女友達、居たら素敵ですねぇ(笑)
 変な組織も出来ちゃってますが、これは某小説のネタのオマージュです。
 カリスマ的な魅力のある主人公を慕う女子の集まり、って事でいただきました(笑)
(2012.8.18)

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