緋道の神器
第三十五話 強気なお嬢様
飯塚冴花(いいづかさえか)は、母親の様子に嫌悪感を抱いていた。
どうにもここ最近、妙に明るく楽しげであり、様子がいつもと違うのだ。
それはこれまで何度か経験した事であったため、何が原因であるのかはすぐにピンっときた。
男だ。
母の冴美は、父と死に別れてからというもの、ちょくちょく恋人を作っているのだが、その際にこうして明るく楽しげに振る舞う状態になっていたからである。
これは単純に恋に浮かれてそうなっている訳ではなかった。
母は元来、男に夢中になるという事が無い女で、恋人を作ったとしても、それは一般的な恋愛とは異なっているものだった。
母にとって恋人は、女としてのステータスであり、世間に対し「自分はこれほど優れた男を恋人にしている」といったポーズであり、恋人となった男から得る利益を求めた打算から来るものなのだ。
無論、相手に好意は抱いているから、付き合っている事自体を楽しんではいるようだが、他の女性達のように恋に夢中になる状態にはならないのである。
母は何に対してでも完璧を目指す女性であったため、「恋人の居る女としての振る舞い」というものを意識して行い、恋人が不満を抱かないようにしていた。
自分が本気で好きになっていなくとも、相手に対し「恋している女」を見せる事に余念がなかったのだ。
それゆえ恋人になる男性達は母に心底惚れるようになるため、家へ来た恋人の男性達からは、「君のお父さんになるかも知れないよ」などと恥ずかしそうに言われた事が何度かあった。
母はそれだけ男を夢中にさせる恋愛テクニックを持っており、逆に相手をしている男性達の中には、そういった人間は居なかった。
皆、純粋に母に恋して付き合っているような人達ばかりだったのである。
そもそもそうした男性だからこそ、母は恋人として選んでいるのであり、そうではない、自分と同じく恋愛を技術でするタイプの男は、始めから恋人にはしないのだ。
自分と同じでは、利用されるだけで終わってしまう可能性がある事を分かっているのである。
そうした抜け目の無さが母の凄さであり、「女は男を振り回す立場になるべきで、振り回されては駄目」というのが持論だった。
幼い頃からそうした母に育てられたせいか、冴花自身も男をとにかく従えようとする意識が強まり、小学校時代は男子とよく喧嘩をしたりもした。
いつか自分も母のように、沢山の男を従え、立派な大人の女として生きていきたい。
そんな風に考えていた自分にとり、母は憧れの存在だった。
中学に上がる頃までは……。
性に関する知識を得た事で、母に対する意識は変化した。
母のしている事が、単に恋だけで終わるものではない事を知ったからだ。
母が恋人である男と、いやらしい行為をしている事を知ったのである。
セックス……。
この汚らわしい行為を母は楽しみたいがゆえに、沢山の男を恋人にし、家へ誘っては何度も体を重ね、快楽にふけっているのだ。
父が死んだのをいいことに、多くの男を咥え込み、淫蕩な日々を楽しんでいるのである。
何と汚らわしい事だろう。
冴花の中で、美しく清らかだった母は、一瞬にして汚らわしく厭わしい存在へと変わった。
男に体中を舐められ、その醜い男性器を体に突き込まれ、いやらしく喘ぐ母の姿。
一度見てしまったその光景は、憧れの母をただの女、いや、汚らわしい女へと変貌させた。
あんな淫猥な女に憧れていたとは、自分は何と愚かだったのだろう。
それ以来、冴花は母を軽蔑するようになった。
男を出し抜いて成功したと考えていた事業も、体で男をたらし込み、与えて貰ったものなのではないかと思うようになった。
そしてその利益によって生活している自分は何なのだと、悲しく悔しくなった。
一時期は、家を出てバイトをしながら自活しようかとも考えたが、その状態で一生暮らしていくなど不安であったため止めた。
それよりも、きっちり大学まで卒業し、母よりも成功して、これまでの養育費を全て返す方が良いだろうと考えた。
自分の生活を確立し、その上で母のやり方を否定するのだ。
とはいえ、そうなるまでの資金は母が出す事になるため、結局母の世話になっている事に変わりはなく、最近その事に気づいた冴花は、自分が虚しい事をしているのではないかと思うようになっていた。
結局自分は本気ではないのだ。
本気であれば、将来の不安など気にせず、さっさと家を飛び出して自活しているだろう。
自分は嫌なのだ。
母の与えてくれている豊かな生活を捨てるのが。
自分の嫌悪感などその程度のものなのだろう。
思えば、最初知った時は震えるほどに嫌悪した母の行状も、今ではそれほどの怒りを持っていなかった。
肯定出来る訳ではないが、女が成功するためには仕方の無い事なのかも知れない、と妥協するようになっていたからだ。
とはいえ、あの汚らわしい行為、セックスだけは嫌だった。
あのようなモノに夢中になる母がどうしても許せなかった。
それさえ無ければ、母を許せただろう。
せめて男を家へ連れて来ないでくれれば、汚らわしさを意識しないで済むのだが、母は何故か必ず家へ呼ぶのだ。
そのたびにどれほど嫌な想いをしたことか。
ここ最近はそういった事が無かったため、安堵していたのだが、母はまた男を作った。
男を家へ呼んでまぐわったのだ。
現場を見た訳ではないが、母の寝室からそうした雰囲気を感じたのである。
あの部屋は、普段から近づくと妙な感覚を覚える事があり、それが男が来たと思われる日には強烈になった。
それが何であるのか分からないのだが、ジットリとしたモノが体にまとわりついてくる感覚があって、気持ち悪くて仕方がなかった。
以前、母のセックスを見てしまった時には、体全体にそれが絡み付き、体の中に染み入ってくるように思えて気が狂いそうになった。
それ以来、自分にとってあの部屋は鬼門であり、近づきたくない場所になっているのだった。
それが今後強くなる。
そう思うと嫌で嫌で仕方がなかった。
何とか母と恋人を別れさせる事は出来ないだろうか。
せめて家でセックスする事だけでも止めてもらえればありがたいのだが。
何とか相手に頼めないだろうか。
さすがに「母とセックスしないで下さい」とは言いづらかったが、単に「家へ来ないで下さい」と言うくらいなら出来るだろう。
これならば、娘として母親が父親以外の男と仲良くしているのを嫌う、少女らしい発言になるからだ。
そう考えた冴花は、ある日それを実行に移す事にした。
母はいつも自分が留守の時に男を呼ぶため、出かけると嘘を付いて隠れて待った。
おそらくセックスをするだろうから、その点だけは辛かったが、その後に告げた方が相手の男にしても「子供にセックスしているのを知られている」という恥ずかしさを覚えるだろうから、効果が大きいと考えたのである。
隠れる場所は、普段物置として使っている部屋であり、そこは窓から玄関の様子が見えるため、帰る際に恋人の顔が確認出来るはずだった。
母が玄関から離れたら、すぐに窓から外へ出て後を追い、恋人の男性に直談判するのだ。
そんな事を考えながら待ってどれほど経っただろう。
部屋の外で人の歩く音がし、母と誰かが会話している声が聞こえた。
何を話しているかは聞こえないが、母の口調が甘ったるいものであるのが分かり、その男に従うような態度であるのに腹が立った。
これまで何度かそうした母の声は聞いた事があったが、それは全て演技だと分かったのに、今のそれは完全に本気だと思えたからだ。
母は本気でこの男に惚れている。
全てを委ねるような、女としての媚びを感じさせたのだ。
何という堕落だろう。
あれほど男を従える事に燃えていた母が、今や愚かしい雌でしかないのだ。
冴花は怒りに体を震わせながら、母をそこまで落ちぶらせた男の顔を確かめようと、窓に顔を押しつけ、出てくるのを今か今かと待った。
(え……?)
だが玄関から現れた男の姿を見た瞬間、一体どういう事なのか分からなくなった。
何故ならその男は、冴花と同世代の、中学生か高校生に思える少年だったからだ。
てっきり母と同世代か、せいぜい二十代の青年だと思っていたのに、あろう事か子供だったのである。
だがその少年が母の恋人であるのは間違いないようで、母の少年に対する態度は、信じられないほどにだらしなかった。
まさに骨抜きにされていると言っていいだろう。
普段のキリリとした、働く女性の理想と言える「出来る女」としての面影はどこにもなく、男に甘える媚びに溢れた雌の顔があるだけだったのだ。
(ママ……)
あまりのショックに呆然となってしまう。
さすがにここまで母が落ちぶれているとは思わなかった。
未成年の少年に手を出す中年女。
たまにニュースで見かける破廉恥な女と同じ事を、母がしているとは悲しすぎた。
これまでも二十代の男性が恋人になった事はあったが、母は若作りのせいかあまり気にならず、逆にそれだけ若い男を夢中にさせている事を誇らしく感じたものだった。
だがさすがに自分と同世代の少年が相手では、嫌悪感の方が強かった。
子供に手を出す駄目な女。
そんな女が自分の母親だなんて……。
ガックリと床に腰を落とし、どうすればいいのか思い悩む。
だが答えはあっさり出た。
あの少年を説得するのだ。
これはすでに、自分の嫌悪感だけが問題ではなくなっていた。
母の淫行の問題なのだ。
犯罪なのである。
すぐに止めさせなければならないのであり、そのためには少年を説得するしかないだろう。
本来ならば母を説得すべきなのだろうが、母とは最近険悪な関係になっていたため言いにくかった。
それに元々母の恋人を説得するつもりで待機していたのだから、何も変わっていないのだ。
このまま当初の予定通り、母の恋人である少年に「家へ来ないで」と告げればいいだけの事なのである。
そう決意し直した冴花は、母にバレないようゆっくり窓を開けると、用意しておいた靴を履き、少し前に出て行った少年の後を追っていくのだった。
「ちょっと、そこの……えっと、あなた……ちょっと待って……お願い……」
不意に後ろからかけられた声に、神治は振り返った。
見るとそこには、自分と同じ年頃の少女が立っていた。
髪は金色で、一見染めたかのように思えるが、本物の金髪を毎日見ている神治には地毛である事が分かった。
顔も日本人とは思えない作りであったため、白人とのハーフなのかも知れない。
何とも言えない独特の雰囲気を放っており、整った顔立ちと相まって強烈な可愛らしさを感じさせた。
「何でしょう?」
周囲には他に誰も居なかったため、自分に声をかけたのだと思い、返事をする。
少女は神治の態度にホッとしたようにすると、少し怪訝そうな表情を浮かべてこちらを見つめてきた。
「あなた、よね……あなたで間違いない、んだけど……何かちょっと印象違うかな……」
「何の事ですか? 俺に何か用事でも?」
全く思惑が見えて来ない相手の態度に少し苛つきながら尋ねる。
「あ、ご免なさい。ちょっとあなたに話があって……えっと、私はその……飯塚冴花と言って、あなたの知っている飯塚冴美の娘よ……」
その言葉には驚いた。
確かに冴美には娘が居ると聞いていたが、その当の本人と道端で会うとは思ってもみなかったからだ。
(って、待てよ……こんな家から近い場所で、しかも俺が出てきてすぐに声をかけてくるなんて……もしかして家に居たのか?)
そうなると冴美との関係に気づいた、というか現場を見られたのだろうか。
部屋を覗かなくとも、セックスの声は聞こえるだろうから、それで自分の母親のセックス相手に興味を持って話しかけて来たと考えるのが妥当だろう。
何にせよ困った事になったと思いつつ、神治は相手の出方を待つ事にした。
「私、その……嫌なの。あなたに家に来られるのが……だから止めてもらえない?」
いきなり直球で「嫌」と告げられ、家へ来る事を拒んできた事に呆気に取られる。
もう少し何かしら前置きをしてからそういう事は告げるものではないだろうか。
だが直接的な表現が好きな冴美の娘であれは、そうであってもおかしくはなかった。
よく見れば、顔立ちもどことなく似ており、親子である事を感じさせた。
(胸も母親譲りみたいだしね……っていうか、白人の血かなぁ……)
胸元を押し上げる豊かな脹らみに心の中で嬉しさを覚えつつ、この少女を抱きたくなってきている自分を感じる。
まだ会って少しも経っていないが、目の前に居る冴美の娘は、実に魅力的な少女だったからだ。
腰まで伸びた金髪は何とも美しく、日本人には無い透き通るような肌の白さは、まるで雪のように綺麗だった。
瞳は黒く、顔の作りも日本人的な部分があり、そこら辺で純粋な白人には無い親しみやすさがある一方、微妙に日本人とは異なる作りをしている点から、独特の可愛らしさを感じさせた。
これまで白人の少女を何人か抱いた事はあったが、ハーフの持つこの魅力は初めての良さだった。
このまま抱き締め、体中を舐め回し、肉棒を押し込んで喘がせまくったらどれほど気持ちがいいだろう。
神治の中に「この少女を自分の物にしたい」という強い衝動が湧き起こった。
そのためにはこの場限りで終わりにせず、何とか関係を続ける必要があるだろう。
どうやら彼女は、冴美と自分の関係を気にしているようだから、その事で引っ張るのが良さそうに思えた。
「いきなりですね。どうしてそんな事を言うんですか? 俺は冴美さん、あなたのお母さんに招待されて家へ行っているんですよ?」
「それは分かってる。分かった上で言っているの。あなたとママがどんな関係であるのか分かった上で、それで家に来ないで欲しいって言ってるのよ」
ここまでハッキリ言い切られると、何とも爽快で気持ち良かった。
彼女は「どういう事情があろうが、とにかく家へ来るな」と面と向かって言っているのだ。
並の神経では出来ない事だろう。
そうした気の強さ、ハッキリした物言いに、神治は冴花を、容姿だけでなく人間としても気に入り始めた。
「家に行かなければいいんですか? まあ、それなら止めてもいいですけど。でもそれだけでいいんですか? 今『どんな関係であるのか分かってる』って言ってましたよね? 俺と冴美さんが何をしているのか分かっているのに、それは止めないんですか? 家に行かなくなっても、他で関係を続けるだけですよ」
実際以前はそうだったのだ。
家でセックスをするようになったのは最近の事なのである。
母親がセックスするのを嫌がっているのだとすれば、家へ来るのを止めさせるだけでは足りないだろう。
「家でなければ私は関わらないで済むから。家でされるとその……嫌でも分かっちゃうのよ。ママとあなたが、その……したっていうのが……帰ってくると何となく分かるの……それが嫌なの……」
さすがにセックス関係の事は恥ずかしいのか、冴花は微妙に言葉を濁しながら告げてくる。
だが気になるのは、「嫌でも分かる」という点だった。
どうやら現場を見られた訳では無いようだが、では何故セックスをしたというのが分かるのだろう。
勘でも働くのだろうか。
「どうして分かるんですか? 冴美さんの態度で分かるとか?」
「それもあるけど……家ですると分かるの。雰囲気が強くなるっていうか……あの嫌な雰囲気が強くなって……それが嫌なの……」
「嫌な雰囲気?」
「あ……えっとそうじゃなくて、その……」
冴花は視線を逸らすと、慌てたように言葉を濁した。
何やら「言うつもりの無かった事まで言ってしまった」という感じであり、神治はその事が引っかかった。
「もしかして、あの寝室の事ですか?」
「え? 何で分かるの?」
神治の言葉に、冴花は驚いたように目を丸くしている。
あの家で独特の雰囲気を持つ部屋と言えば、冴美の寝室しかないため、取り合えず尋ねてみたのだが、どうやら正解だったようだ。
あれほど強い淫の「気」を放っている部屋であれば、勘の鋭い人間であれば何かしら感じるだろうから、冴花もそうであるに違いない。
「まあ、何て言うか……俺、そっち系の力があるもんで」
「そっち系って、霊感とか?」
「そうですね。そんなのです。だからあの部屋へ行くと、いつも感じるんですよ。奇妙な力をね」
「奇妙な、力?」
「凄くエッチな事がしたくなるように仕向ける力です」
「なっ……何言ってるのよっ」
冴花は顔を赤くさせ、視線を落ち着き無く動かしている。
これは何とも初心なお嬢さんだと思いつつ、そんな所が可愛いと思った。
「いや、でもホントなんですよこれ。俺、あの部屋ですると、いつもより凄く張り切っちゃいますし、冴美さんにしても凄く乱れて……それがたまらないからあの部屋でするのは楽しいんですけどね。まあ、娘であるあなたが嫌がってるんじゃ、諦めるしかないですけど」
「……」
神治の言葉に、冴花は顔を真っ赤にして、どうしたらいいのか困った様子で俯いている。
基本的にこうした話題が苦手なのだろう。
そう思ってわざと話した訳だが、予想以上に可愛い反応をしてくれた事に嬉しくなった。
この可愛いお嬢さんを好きなようにしたい。
抱きたい。
体中を舐め回して、大きな乳房を揉み回し、肉棒を押し込んで喘がせたい。
沸々と湧き起こる欲情に、神治は思わず胯間の肉棒を硬くした。
「わ、分かってくれたのならいいわ……今後はうちには来ないでよね……」
これ以上セックスの話をしたくないのか、冴花は話を切り上げようとしている。
だが神治としては終わりにしたくなかった。
もっと話を進め、冴花を抱く展開に持っていきたかったからだ。
「分かってます。冴美さんは外で抱きますから。あの部屋で感じる以上に、気持ち良くなってもらえるように頑張ります」
「そっ……そんな事はいいのっ……頑張らなくていいっ……」
「え〜〜? でもそうしないと冴美さんが物足りなくなっちゃいますよ。せっかく凄く気持ち良くなってたんだから。そうじゃなくなるのは可哀想ですし、何よりかなり辛いと思いますしね」
「辛いって……そ、そういうものなの?」
神治が真面目な顔で告げると、冴花は驚いたように尋ねてきた。
「まあ、そうだと思いますよ。俺は男ですからよくは分かりませんけど、聞いた話だと、女性もやっぱり欲求不満で辛くなるみたいですからね。男と違って出せばスッキリするってものでもないみたいですし。そういう意味では男より辛いんじゃないですか? あなたも女性なんだし、そこら辺の事は分かるんじゃないかと思うんですけど。そういう状態になった事ってありません?」
「あ、ある訳無いでしょっ」
神治の言葉に、冴花は顔を真っ赤にして叫んでいる。
「え? でも性欲が強くなって、落ち着かなくなったりとか……」
「無いってばっ。そんな風にならないわよっ」
「そうなんですか。男とは違うんですね。俺なんかもう、毎日出さないと辛くて仕方ないんですよ。てっきり女性もそうなのかと思ってたんですが……」
「出すっ……って、そういうこと言わないでよ……周りに人が居るじゃない……」
冴花は周囲に視線を走らせると、慌てて小声でそう告げてきた。
話している内に、いつの間にか周囲には人影が現れるようになっていたのだ。
夕方になったせいか、買い物にでも出かける人間が増えてきたのだろう。
「ここで話しかけてきたのはあなたの方ですよ」
「わ、分かってるわよ……でも話はもう済んだし、これでいいわ。ちゃんと約束は守ってよね」
「まあ、俺はいいですけどね。冴美さんが何て言うかなぁ。そもそもあの部屋でしようって言い出したの冴美さんですしねぇ。凄く嫌がるんじゃないかなぁ。そうなると俺としても止めるのは難しくなりますねぇ」
「……」
神治がとぼけた感じでそう呟くと、冴花は不機嫌そうに眉根を寄せた。
「あれだけ気持ち良くなれる場所を止めるってのは嫌でしょうからね。多分冴美さん、今までも恋人になった人を連れてきてるでしょう? それってやっぱりあの場所で気持ち良くなりたいからだと思うんですよ。あの部屋の力って凄いから、それに染まっちゃってるんでしょうねきっと」
「何よそれ……どういうこと?」
冴花は不安そうな顔になると、小さな声で尋ねてくる。
「だから、あの部屋の力は凄いから、あそこでセックスしまくっている冴美さんは、あそこ以外でするのは物足りなくなってるんじゃないかって事です。要するにあの場所の力に取り憑かれているって感じですかね。これからもずっとあのまんまなんじゃないかなぁ。何せ毎日あそこで寝起きしている訳ですし、そういう状態での影響力ってのはかなりのものだと思いますから。下手をしたらもっと性欲が強くなって、男を凄く欲しがっておかしくなっても不思議じゃないです」
「!……」
その言葉に冴花は息を飲んだ。
先ほどより不安そうに、落ち着かなく視線を動かし、何かを考えるようにしているのが何とも可愛らしい。
「……それって、何とかならないの?」
「え?」
「あんたって霊感あるんでしょ? 何とか出来ないの?」
その言葉を聞いた瞬間、神治の中で冴花を抱く算段がついた。
少々あくどいやり方だが、最終的に冴花が納得すればいいのだから問題ないだろう。
そして納得させる自信はあった。
これまで女を従わせてきた経験がそう思わせたのだ。
「いや、まあ、何とか出来ないって事も無いですけど……」
「だったら何とかしてよ。あんただってママがおかしくなったら嫌でしょ?」
「いや、でも今の冴美さん、凄くエッチで興奮するから、俺としてはこのままの方が……」
「馬鹿言わないでっ。あんた今、おかしくなるって言ったじゃないっ。私は嫌よそんなのっ。それにもうおかしくなってるのかも知れないし。あんたみたいな若い男を恋人にするなんて今まで無かったんだから……」
「そうなんですか? 俺はてっきり冴美さんは、俺くらいの年齢の男が好きなのかと思ってたんですけど……」
「違うわよっ。ママはもっと大人の男が好みなのっ。あんたなんて本当は好みじゃないんだからっ」
何とも酷いことを言いながら冴花は叫んでいるが、その顔は泣きそうであり、彼女が本当に冴美の事を心配しているのが分かった。
少々脅しすぎたかと思いつつ、このままなら何とか目論見通り、冴花を抱く手だてが出来そうだと神治はほくそ笑んだ。
「分かりました。何とかしますよ」
「ホント?」
神治の言葉に、冴花は嬉しそうに顔を明るくした。
それは何とも可愛らしく、今まで怒った顔しか見ていなかったせいか、そのギャップにドキリとしてしまう。
(こりゃ、喘がせたらもっと可愛くなるな……)
この場で押し倒したくなるくらい肉欲をたぎらせつつ、神治は表面上は平静を装った。
「今度冴美さんが居ない時に呼んで下さい。俺があの部屋を何とかしますから」
「ホント? 本当に出来るの?」
「ええ……俺、こういう事って結構慣れてますから。大丈夫です」
おそらくあの部屋に淀んでいる淫の「気」を処理すればいいだけの事だろう。
やり方に関しては、未迦知神か葉那にでも尋ねれば教えてくれるに違いない。
それにこれは冴花を抱くための口実なのだから、上手くいかなくても問題は無いのだ。
「分かったわ。じゃ、携帯の番号教えてよ。連絡するから」
冴花が携帯電話を取り出したため、神治も東京に住むようになってから購入した携帯電話を取り出すと、電話番号やメールアドレスを交換した。
「それじゃ、今度ママが居ない時に連絡するわ。部屋の件、本当にお願いよ? 嘘付いたら許さないんだから」
冴花は最後に一睨みすると、軽く手を振って去っていった。
何とも迫力のある女の子だと思いつつも、初心なところと母親想いなところが実に可愛いとも思った。
そしてこれからあの抱き心地の良さそうな体を抱けるのだという事に激しい興奮を覚えた神治は、少々浮かれ気味になりながら家へ向かって歩き出すのだった。
数日後。
神治は冴花に呼び出されて彼女の家に居た。
冴美はどうやら仕事で居ないらしく、帰宅にしても夜遅くなるらしいため、時間的余裕はたっぷりとあった。
居間へ通され、出された紅茶を飲んでいると、冴花は落ち着き無さそうに視線をウロウロさせており、その様子が何とも可愛らしかった。
「ところであんたって何歳なの? この間名前は聞いたけど、歳聞くの忘れてたから」
「ああ、そう言えば言ってなかったですね。十五歳です」
「十五……もしかして中学生?」
「ええ。中三です」
「中三……そんなんでママと……その、してるっていうの? 変だと思わないの?」
神治の年齢に驚いたらしい冴花は、眉根を寄せるとそう言ってきた。
「変って言われても……俺くらいの歳の男なら、誰だって冴美さんみたいな女性とセックスしたいと思うでしょうから。別に変だとは思わないです」
「何言ってるのよ。私達からしたらオバさんじゃない。あんたのママと同じくらいでしょ?」
「そうですね。同じくらいです」
「それなのにしたいって……」
「だって魅力的ですから……冴美さんの体って凄く綺麗で、見ているだけで抱きたくてたまらなくなるんですよ」
「そ、そうなの……?」
「はい。それに母親くらいの年齢の女性を抱いていると、自分が凄くなった感じがしてたまらないんですよ。体の感触だって柔らかくて、何か包まれている感じがして、抱き締めているとそれだけで気持ちいいですし。だから何度も抱いちゃって、この間なんか、『もう勘弁して』って言われちゃって、俺、それが凄く嬉しくて……」
「ストップっ。そういう話は止めて。聞きたくないからっ」
セックスを想像させる話をすると、冴花は顔を赤らめながら制止してきた。
よほどこうした話題が苦手なのだろう。
そんな所が可愛くて良かった。
「それより早くあの部屋を何とかしてよっ。今日はそのために呼んだんだからっ」
「分かってますって。それじゃ早速行きましょうか」
そう言いながら立ち上がり、一緒に行くように促すが、冴花は何故か座ったまま動かなかった。
「あれ? 行かないんですか?」
「行きたくないもの。あんただけで行ってよ」
冴花は嫌悪感丸出しの顔でそう言うと、犬を追い払うようにして手を振った。
一体何故ここまで嫌がるのだろう。
やはりあの部屋に溢れる淫の「気」を嫌っているのだろうか。
セックスの話ですらあれだけ嫌っている事を考えれば、セックス自体を感じさせるあの部屋を嫌うのは十分納得出来る事だった。
だがそれでは困るのだ。
冴花を抱くには、二人であの部屋に居る必要があったからである。
「そうは言われても、俺一人じゃ無理ですから」
「え? どういう意味?」
「いえ、あの部屋の淫の『気』……ああ、その淫の『気』ってのがあの部屋の雰囲気を作っている原因なんですけどね、それを浄化するには、あなたの協力が必要なんです」
「何よそれ。聞いてないわよ?」
「そうですね、言ってませんでした。でもこれは必要な事なんです。だから協力して欲しいんですよ」
「一人じゃ出来ないの?」
「出来ないんです。だからこうして頼んでいる訳で」
実際は一人でも浄化する方法はあったが、それを言う必要は無いだろう。
「……分かったわ。協力すればいいんでしょ」
不承不承という感じで冴花は立ち上がり、二階にある冴美の寝室へ付いてきた。
「では中へ入って下さい」
「中って……中にまで入らないと駄目なの?」
「ええ。そうじゃないと意味が無いですから」
「……」
さすがに嫌なのか、冴花は黙ったまま動かなかった。
それも当然だろう、冴美の寝室からは、かなり強めの淫の「気」が漂ってきていたからだ。
神治とのセックスが多くなったため、この部屋に満ちている淫の「気」も、以前より相当強くなっていたのだ。
「入ってくれないのならこのままですけど。それでいいですか?」
「……分かったっ。我慢するわよっ……」
神治が促すと、決心が付いたのか、冴花は嫌そうな顔をしつつ部屋の中へ入った。
その瞬間、体をぶるっと震わせていたが、恐らく淫の「気」が体にまとわりついたせいだろう。
軽い興奮が起きているに違いない。
頬に赤みが差しているところからそれが分かった。
「さて……ではベッドに腰掛けて下さい。あなたの体を使ってこの『気』を浄化しますから」
「それってどういう事? これから何をするのよ」
神治の言葉に、冴花は不安そうに聞き返してくる。
「何、簡単な事ですよ。この部屋に満ちているのは淫の『気』……つまり性的な要素な訳です。そこに性的な要素を持たない存在を置いて、それを利用して浄化を行うんです」
「その存在ってのが、私ってこと?」
「ええ……あ、確認してませんでしたけど、処女、ですよね?」
「! な、な、何を言ってるのよっ……そんな、そんなのっ……もう、止めてよねっ……」
神治が告げた言葉に、冴花はこちらが驚くほどに強烈に反応を示した。
よほどこうした単語が苦手なのだろう。
「いえ、これは大事な事なんです。あなたが処女じゃないとこの浄化は成功しませんから。もしセックスの経験があるとすれば、逆に淫の『気』に取り込まれて、冴美さんみたいになってしまいますので」
「う……なら大丈夫、よ……しょ……だから……」
小さな声過ぎて聞こえなかったが、恐らく「処女」と言ったのだろう。
「分かりました。ではベッドに腰掛けて下さい」
神治が再び促すと、覚悟を決めたのか、冴花はベッドへ腰を下ろした。
その瞬間、ピクピクっと体を震わせたのは、ベッドに強く染み込んだ淫の「気」が体に這い上ってきたせいだろう。
呼吸を乱し、目がどこか虚ろな感じになっているのが何ともいやらしい。
すでに秘所が濡れていてもおかしくないはずだった。
「では浄化を行います。おそらく途中で妙な感覚になると思いますけど、それに逆らわず、身を任せて下さい。気持ちを楽にして、辛くなったら横になってもいいですから」
真面目な顔でそう告げると、冴花は荒い呼吸をしながら小さく頷いた。
もうかなりの興奮状態になっているに違いない。
「いきますよ……」
右手を冴花の方へかざし、神治は部屋の「気」を操り始めた。
漂っている淫の「気」を冴花の体に集めるようにし、まだ開通していない処女の性器へと導いていく。
「あっ……」
冴花は小さく喘ぐと、体をブルブル震わせ、困ったようにしながら自分の体を抱き締めるようにした。
「なに、これ?……あっ……何か体が、あっ……変……あっ、ああっ……」
頬を上気させ、甘い吐息を漏らしながら喘ぐ冴花の姿は何ともいやらしかった。
「それがこの部屋に満ちている淫の『気』です。今あなたの体に集められています。これからそれを天に昇華して、浄化するんです」
そんな事を言いつつ、さらに「気」を操る。
冴花の性器に集まった淫の「気」に流れを作り、上方へと放出するようにしていく。
そのまま一旦流れを作る事により、神治が操作しなくとも「気」が自然と天へ向かっていくようにしているのだ。
この部屋は何故か「気」が停滞する環境になっていたため、それを動かす道を、冴花の体を使って作ったのである。
いわば換気扇を設置したようなものだろうか。
そして流れる「気」の種類が種類なだけに、それを通過させている冴花の体は現在、強烈な肉欲に襲われ、激しく欲情してたまらなくなっているはずだった。
「あっ、あぁっ……やだ、あっ……やだ、やぁっ……こんな、あっ……こんな、あんっ……こんなのぉっ……」
冴花は小刻みに体を震わせると、そのままベッドに倒れ込んだ。
豊かな胸元を大きく上下させながら、だらしなく横たわっているのが何とも色っぽい。
金色の美しい髪が汗で額に張り付き、いやらしい雰囲気を醸し出しているのがたまらなかった。
ミニスカートから伸びる太ももは、透き通るほどに白く、むしゃぶりつきたくなる衝動を強く呼び起こした。
神治は激しい興奮を覚えながらも、表面上は平静を装って「気」を操っていった。
「あんっ、あっ……やっ、やだぁっ……おかし、あっ……おかしいよぉっ……体が、あっ……体が熱い、あっ……熱いのぉっ……」
冴花は頭を左右に振り、太ももを擦り合わせながら、耐え難いように体を震わせている。
おそらく自慰すらしたことが無いため、快感をどう処理して良いのか分からないのだろう。
そんないやらしい冴花の様子に、神治は鼻息を荒くしながらゴクリと唾を飲み込んだ。
「大丈夫ですか? 今強烈な淫の『気』があなたの体を通り抜けてます。辛いでしょうけど、それを受け入れて下さい。このまましばらくすれば、この部屋の淫の『気』は消えますから」
そのこと自体は本当だった。
今行っている方法は、未迦知神に教わったもので、「気」の流れを良くするための術だからだ。
本来は特殊な細工を施した木製の人形や石像などで行うものであり、緋道村にはそういった物が設置されている場所がいくつかあった。
それらの物を用意しようと思えば出来たのだが、伯母などに理由を聞かれるのは嫌だったし、何より冴花を抱くのが目的であったため、こうして生身の体を利用する方法にしたのである。
「あっ、あぁっ……ああっ、あっ……あぐっ、あっ、ああんっ……」
「気」を操り続けながらベッドへ近づくと、冴花はトロンっとした表情をしながら、困ったように見つめてきた。
「あ、熱い……体が熱いの、あっ、んっ……熱いよぉ……」
冴花はそう言いながらセーターを脱ぎ、続けてボタンを外そうとしていたが、上手くいかない様だった。
「俺が外しましょうか?」
「お願い、んっ……熱いから、早く、あっ……早くぅっ……」
急かす冴花に頷きながら、ボタンに手をかけて服の前を開いていく。
すると薄ピンク色のブラジャーに包まれた乳房が顕わになり、そのかなりの量感に肉棒が一気に硬くなった。
「これも、外します?」
「外すっ……熱いから外すのっ……」
ブラジャーを示して尋ねると、冴花は自らそれをズラして外した。
プルンっといった感じで生の乳房がさらけ出され、その白い脹らみの形の良さ、頂点にあるピンク色の二つの突起に興奮が高まっていく。
金髪美少女が服をはだけて乳房を露出している様は、何とも可愛らしくもいやらしく、その雪のように白い肌は、今すぐにでも汚したくなるほどの清純さを感じさせた。
「まだ熱いですか? 熱は大丈夫かな?」
心配する振りをして、額に手を当ててみる。
「ひゃっ……あっ、やぁっ……」
すると冴花が叫び、体を硬直させたため慌てて手を離す。
「どうしました? 痛かったですか?」
「違うの……その……凄く良かったから……」
「え?」
「触ってもらうと、何か熱さが和らぐっていうか……ね、もっと触って。お願い……」
潤んだ瞳で見つめられ、可愛らしく頼まれてはたまらなかった。
「これでいいですか?」
神治はゆっくり手を額に当てると、顔を近づけて、覗き込むようにして尋ねた。
「あっ……うん、いい……それがいい……そうしてくれると、熱いのが……少し、気持ち良くなる……」
冴花はうっとりとした表情を浮かべつつ、どこか物足りなさそうにこちらを見上げている。
「これだけじゃ駄目ですか? もっと何かした方がいいですか?」
「……そうね……もっと色々触ってくれた方が……いい、かも……」
微妙に手を動かしながら尋ねると、冴花は顔をこちらに寄せるようにしながらそう呟いた。
「触るっていうと、ここら辺とか?」
手を頬の方まで動かし、優しく撫でる。
「あっ、あんっ……そう、それ……それいい、あっ……もっとしてぇ……」
体をブルッと震わせ、冴花はトロンっとした表情でおねだりしてきた。
その何とも言えない可愛らしさ、いやらしさに肉棒がグンッと力を増す。
「それじゃ、もっと色々触りますね? いいですか?」
「いいわっ。いいからっ。どこでもいいから、早くもっと触ってぇっ」
神治の手を掴み、体に押しつけてくるのに苦笑する。
正常な状態であれば絶対にしないであろう胸元へ、冴花は手を引っ張っているのだ。
体の中を通り抜ける淫の「気」のため、体が興奮から熱くなり、そうせざるを得ない状態になっているのだろう。
「そう、そこっ……そこをもっと……ふぁ、あ……いい、いいよぉ……もっと触って、もっともっとぉっ……」
冴花は落ち着かない様子で神治の手を色々な部分に擦りつけてくる。
淫の「気」によって体が火照っているため、こうして男の手に触れられる事で、熱さが収まり、気持ちの良さが広がっているのだ。
それはきわどい部分へ触れられるほど強くなるため、冴花は徐々に手を、本来男に触れさせてはならない場所まで移動させるようになった。
手が豊満な乳房へグイグイと押しつけられ、回すように動かされると、手のひらにたまらない柔らかさが広がって嬉しくなってくる。
見た目が美しい乳房は、感触としても絶品だった。
さすが冴美の娘だけの事はあった。
(まだ十六歳なのに、この大きさと柔らかさ。凄いね。たまらないよ)
快感のために力が抜けてきた冴花の代わりに、神治は自分の意思で手を動かし出すと、体全体を撫で回すようにしながら、乳房を重点的に触り、揉んでいくようにした。
「あっ……んっ……いい、いいわ……もっと強く、あっ……もっと強くして欲しいのぉ……」
乳房を程良い強さで揉むと、冴花はそれを続けるように促し、うっとりとした表情を浮かべた。
本人の許可も得たため、神治はそのまま張り切って乳房を揉んでいった。
両手に余る大きさの脹らみは、透き通るほどに白い肌で覆われており、頂点にあるピンク色の乳首との組み合わせは、何とも美しくてたまらなかった。
動かすたびにタプンっと波打ち、形を変えるその様は、雄の本能を刺激して強烈に肉棒を高ぶらせた。
「それじゃ、もっと凄くしてあげますね?」
「うん。お願い……もっと凄くして、もっと凄くぅ……」
神治が尋ねると、冴花は甘えるように言ってきたため、その事に興奮を覚える。
先ほどまで高圧的な雰囲気があったにも関わらず、今の冴花はすっかりだらしのない女と化していた。
やはり女は快楽に染まると可愛くてたまらない。
どんな女であろうと、快楽の前ではいやらしい雌に成り下がるのだ。
(このまま一気に……俺の物にしてやる……)
頃合い良しと判断した神治は、思い切り乳房を握りしめ、人差し指と親指の間から乳首を出すと、チュウっと吸い付いていった。
「あんっ、あっ、ああっ……やっ、駄目よそんな、あんっ……吸っちゃ、あっ……駄目ぇっ……」
さすがに口を付けられる事には抵抗があるのか、冴花は体をクネクネと動かしながら抵抗した。
だが強く吸い上げると、「あっ、あっ……」と甘い吐息を吐きながら、泣きそうな顔をして体を硬直させている。
「でもこうすると楽になりませんか? 熱いのが無くなりません?」
「それはそうだけどぉ……でもこんな事するのは、マズいもの……」
「じゃあ、止めますか?」
そう言って手を離す。
「あ、駄目ぇっ……手を離しちゃ駄目ぇっ。熱い……熱いからぁ……」
慌てて神治の手を掴むと、引き寄せ、ホッとしたように息を付いている。
よほど手が離れるのが辛いのだろう。
「分かりました離しません。でも吸うともっと楽になるんですよ? 楽になりたくないですか?」
「楽にはなりたいよ……だけど吸うのは……」
「このままだともっと熱くなっていきますよ? 手で触っているだけじゃ耐えられなくなるんじゃないかなぁ」
そう言いながら部屋に満ちている淫の「気」を、急激に冴花の体に集める。
「あっ、ああぅっ……熱い、熱い、熱いよぉっ……駄目っ、やだっ、やだこんなのぉっ……」
「吸えば楽になりますよ?」
「あっ、やっ……いいわ吸って、あんっ……吸ってお願いぃっ……」
妥協させた事にほくそ笑みながら、可愛らしい乳首に再び吸い付いていく。
チュパチュパと何度も吸い、舌先で乳首を弾いていく。
「やっ、あんっ……いいっ、あっ……熱くなくなって、あぁっ……気持ち良く、あんっ……気持ち良くなったよぉっ……」
うっとりとした表情を浮かべながら、こちらの愛撫に合わせて体を震わせる冴花の姿は、何とも可愛らしくもいやらしかった。
そのまま乳房を好き放題揉みしだき、乳首を荒々しく吸いながら、徐々に乳房以外の場所へも舌を這わせていく。
「あっ、あぁっ……いいよぉっ……気持ちいぃ……それもっと、もっとお願ぁぃ……」
快感に朦朧としている冴花は、すでに何をされているのか分からなくなっているようで、神治が首筋に舌を這わせても何も言わなかった。
「あっ、んっ……やぁっ……あっ、あんっ……」
顎の下を擽るように舐め、強く何度も吸い付いていくと、ピクピクと体を震わせるのが可愛らしい。
ピンク色をした唇が半開きになっており、舌が見えているのにそそられた神治は、そのまま唇を重ねていった。
「んっ……んんっ……んぁっ、んっ、んんっ……」
唇を擦り合わせるようにして動かし、舌を押し込んで口内を舐め回す。
そのまま冴花の舌と絡ませて強く吸うと、ガクリと力を抜いたのに満足感を覚える。
唇を放し、上から見下ろすと、冴花はうっとりとした表情のまま、ハァハァと荒い呼吸を繰り返した。
「キスぅ……しちゃったのねぇ……駄目だよそんなのぉ……」
夢うつつの状態なのか、冴花は本気で怒った様子もなく、こちらをボーッと見つめている。
「すみません。あまりに可愛かったんで、我慢出来なくなっちゃったんです」
「ふふ……やだぁ、そんなこと言っちゃってぇ……」
冴花は嬉しそうにそう言ってくると、完全に神治を受け入れたかのような笑みを浮かべた。
先ほどまでなら怒っていたであろう言葉に笑っている点からして、完全に意識は快楽に染まっているらしい。
「でも本当に可愛いですよ。だからもっとしたいんですけど、いいですか?」
「したいって、何をぉ……?」
「あなたの体から熱さを取り除く事をです。もっと色々すると熱さが無くなるんですよ。俺の体ともっと触れ合わせて、くっつけたりすると、そうなるんです」
「そうなんだぁ。それはいいかもねぇ……実際こうしてくっついているとぉ、すっごく楽だしぃ……ほらぁ、楽ぅ……」
冴花は神治の体を引き寄せると、強く頬ずりしてきた。
柔らかな肉の感触が体の前面に広がり、その気持ちの良さに神治はうっとりとなった。
胯間では肉棒が激しく猛り、今すぐにでも入れろと主張している。
「それじゃ、入れますよ? そうすればもっと楽になりますから。いいですよね?」
「うん。してぇ……楽になるなら何でもしていいからぁ……」
言質を取った事にほくそ笑みながら起き上がった神治は、冴花の体からパンティを引き抜くと、自らもズボンとパンツを下ろしてのし掛かっていった。
秘所は十分に濡れていたため、このまま入れても問題が無いだろうと判断し、ゆっくり肉棒を押し込んでいく。
ズブリ……。
「あっ……何か、あれ?……何これ?……あ……ん……気持ち、いいかもぉ……」
冴花は異物が入った感触に不審な顔をしたが、すぐさまそれが快楽に繋がっていると分かると、安心したように力を抜いた。
実際神治は、肉棒を通じて淫の「気」を強く送り込んでいたため、その挿入は冴花にとって心地良いものになっているはずだった。
破瓜の痛みを抑える「気」も送りつつ、そのまま徐々に肉棒を奥へと進めていく。
「あ……ん……はぅ……何かおっきくて硬いのが……あぁ……私の中に、入ってくるぅ……」
ズブリズブリと押し入った肉棒は、少しすると全てが収まった。
処女らしく窮屈な膣穴は、肉棒を強烈に締め付けて膣襞が絡みつき、蕩けるような快感を与えてきていた。
さらに精神面では、処女を奪ったという感覚が喜びとなって神治の心に溢れていた。
(ここの具合もなかなかいい……このまま俺好みの体にしたいところだね……)
そんな事を思いながら、ゆっくりと腰を動かし出す。
「あっ、あっ、ああっ……何? あっ、やっ……何か凄く、あっ……気持ち良く、あんっ……気持ちいぃっ……」
冴花は顔を蕩けさせ、与えられる快楽に甘い吐息を漏らした。
黒い瞳は虚ろになり、だらしくなく開かれた口からは赤い舌が少し見えている。
透き通るような肌は、上気して桜色になっており、腰の動きに合わせて豊満な乳房が揺れるのがたまらなかった。
(やっぱり金髪はいいなぁ……肌も白くて、凄くいいよ……)
金色の長く美しい髪。
血管が透けて見えるほどの白い肌。
ハーフであるせいか、純粋の白人とは異なる魅力のあるその肉体は、何ともそそられる部分があった。
そうした体の中に己の肉棒を押し込み、喘がせているのだと思うと、強烈な興奮が湧き起こってくる。
「あんっ、あっ、ああんっ……何か凄く、あっ……もっと凄くなってきた、やぁっ……熱いのは治まったけど、あぅっ……違った感じで熱くなって、ああっ……熱いよぉっ……」
神治の強い突き込みに、冴花は可愛らしく喘ぎ、頭を左右に激しく振って悶えた。
金色の髪が乱れ、それが額に貼り付いているのが何とも色っぽい。
不安そうに、それでいて甘えるようにこちらを見上げてくる瞳がたまらず、腰の動きがさらに激しくなっていく。
「やっ、やぅっ……あっ、あんっ……凄いっ、凄いっ、凄いぃっ……私の中が太いのに押されると、あっ……気持ち良くなって、あんっ……訳分からなくなっちゃうぅっ……」
ズンズンと大きく強く突き込むと、冴花は顎を仰け反らせ、シーツをギュッと掴んで甘く喘いだ。
可愛らしい顔が快楽に歪み、若々しい肉体が、さらなる快感を求めるようにして跳ね上がる。
「あんっ、あっ、ああっ……何か駄目、あっ……わたし駄目ぇっ……何か来る、あっ……何か来るよぉっ……やっ、やっ、やぁっ……」
背中に腕が回り、腰に脚が絡みついてグイッと引き寄せられる。
目の前には不安げに見つめる冴花の顔があり、その庇護欲と嗜虐心をそそる表情に、神治はたまらなくなった。
「やんっ、やぅっ……凄いっ、来る、ああっ……凄いの来るよぉっ……あんっ、ああっ……やぅっ、やっ、やぁんっ……」
ギュッとしがみつき、肩に噛みついてくるのに痛みを覚えつつ、初めてでここまで悶え狂っている冴花の様子に、男としての満足感が込み上げてくる。
そのまま一気に昇天させてやろうと思った神治は、さらに肉棒を力強く叩き付けていった。
「あぐっ、あっ、ああっ……もう駄目、もうっ、もう駄目なのぉっ……あっ、ああっ……来ちゃう、あっ……来ちゃうの、あんっ……来ちゃうんだよぉっ……やっ、やっ、やぁああああああああああっ!」
「うぅっ!」
冴花が絶頂に至ると同時に、神治も精を放った。
ドピュッ、ドピュッ、ドクドクドクドクドクドク……。
激しい勢いで精液が放出され、強烈な快感が脳天に響く。
繰り返し射精を行いつつ、そのたびに湧き起こる気持ちの良さにうっとりとなる。
目の前では蕩けた顔をした冴花が、「あ……あぁ……」と微かな喘ぎを漏らしながら快楽に染まっていた。
その様子に射精の勢いを強めながら、しばらくして精を放ち終えた神治は、ゆっくりと力を抜き、冴花の体に身を預けた。
ハァハァと荒い呼吸をしながら、体の下にある柔らかい感触に浸る。
ついに金髪ハーフの美少女である冴花を抱く事が出来た。
その満足感は、強い悦びとなって神治の心と体を包んでいた。
だがこれだけでは足りない。
もっともっと抱かなければ……。
冴花の心に他の男が映らないほどに、自分に夢中にさせたい。
そんな独占欲を抱いた神治は、起き上がると再び肉棒を押し込んでいった。
「あんっ……あれ? 私どうして?……え? やだ何? どうしてこんな……ちょっと何してるのよっ」
不意にそれまでと違った様子で、冴花が驚きの声をあげた。
セックスに夢中になるあまり、淫の「気」を集めるのを忘れていたため、快楽から意識を取り戻したのだ。
「これってどういう事よっ。何であんたとこんなっ……って……やだっ、嫌ぁっ……早く抜いて、早く抜いてってばぁっ……」
自分の体に肉棒が押し込まれている事に気づいたのか、冴花は嫌悪の声を発し、体を放そうとしている。
それも当然だろう。
ただでさえセックスを嫌っていたというのに、気がついてみれば肉棒を押し込まれていたのだから。
「落ち着いて下さい。これは淫の『気』を浄化するためにしているんですよ」
「嘘言わないでっ。そんな事でこんな事する訳ないじゃないっ。あなた上手いこと言って私を騙したのねっ。本当はこうするのが目的だったんでしょっ。早く抜いて、抜いてよぉっ……」
こちらを睨み付けながらそう言ってくる冴花に苦笑する。
確かにこうするのが目的ではあったからだ。
しかしこれはあくまで合意の下にしたのであって、騙した訳ではなかった。
神治にしても、冴花が嫌がれば止めるつもりだったが、望んだのは冴花なのである。
「嘘じゃないですよ。これは浄化の方法なんです。というか、浄化の際に発生する辛さを解消するための方法ですね。浄化の際に体が熱くなったので、それを何とかして欲しいとあなたが言ったから、俺はこういう事をした訳です」
「私が言ったっ? そんな訳ないでしょっ? だってこれってセッ……じゃない……そんなこと私がして欲しいって言うだなんてあり得ないわっ」
セックスと言うのが恥ずかしいのか、冴花はその部分だけ小さな声で告げてきた。
「それがあり得たんですね。淫の『気』が体に集まると、段々と辛くなっていきますから。それに耐えかねて楽にして欲しいって言ってきたんですよ。覚えてないですか? ちゃんと思い出してみて下さい」
「……」
神治にそう言われた冴花は、少し考えるような顔をしたが、そのまま嫌そうな表情を浮かべた。
「……確かにそんな事を言ったような気もするけど……でもだからってこんな方法は無いでしょ? もっと他にちゃんとした方法……」
そこまで言った冴花は急に押し黙った。
それからギョッとした表情になると、視線をあらぬ方へ向けて宙を見つめた。
「……っていうかこれって……あんたに私のしょ、しょ……しょ……が奪われちゃったって、ことじゃない……」
これまたその部分だけ小さな声になっていたが、おそらく「処女」と述べたらしい冴花は、視線をそらしたまま顔を真っ赤にした。
肉棒が収まっているのに気づいた時点で分かりそうなものだが、相当混乱していたのだろう。
今頃になって気づいた冴花に可笑しさを覚えつつ、神治はそんな彼女を益々可愛いと思った。
「はい、いただかせていただきました。素晴らしかったです。これほど可愛くて、スタイルが良くて、綺麗な金髪で、肌も凄く白くて、言うこと無しの美少女であるあなたの初めてを、ありがたく頂戴させていただきました。俺は凄く幸せ者です。ありがとうございました」
「……」
真剣な顔で神治が賞賛と感謝の言葉を述べると、冴花はそうした応えを予想していなかったらしく、どう反応したらいいのか分からない様子で黙っている。
「という訳で、このまま続けてもいいですよね?」
「なっ……どうしてそうなるのよっ?」
爽やかな笑みを浮かべながら尋ねると、冴花は再び不機嫌そうな顔になって反発してきた。
「でもこのまま部屋を浄化するとなると、また熱くなりますよ? そうなったら辛いでしょう?」
そう言いながら部屋の淫の「気」を集めて冴花の体に送り込む。
「それはそう、だけど、あぁっ……やだ、本当にちょっとこれ、あっ……熱く、やぅっ……」
冴花は呼吸を荒げながら頬を上気させ、辛そうに頭を振った。
「そこで俺がこうすると……ほら、どうです? 楽になったでしょう?」
「あんっ、あっ、あぁっ……って、嘘ぉ……本当に楽になった……」
神治が二、三度腰を振った事で楽になったのだろう、冴花は驚いた顔をしている。
「あなたの体に集まっている淫の『気』を、体の中で集約して放出すると楽になるんです。それは体をさすることでも出来るんですけど、セックスでやった方が効果的なんですよ」
「効果的って……さするだけじゃ駄目なの……?」
「別に駄目じゃないですけど、それで耐えられるかが問題ですね。さっきは耐えられなかったからこういう事になった訳で……」
「……」
神治の言葉に、冴花は困ったような表情を浮かべ、視線を逸らした。
「それってつまり……この部屋を浄化するとしたら、私はあんたとするしかないって事じゃない……」
うんざりした様子で大きな溜息を付く冴花に苦笑する。
先ほどあれだけ気持ち良さそうにしていた様子を考えると、ここまで嫌がるのが奇妙に思えたからだ。
「まあ、そうなりますね。我慢出来れば別ですけど、それが無理ならするしかないですから。一応あなたの体を通じて天に抜ける道はもう出来ましたんで、このまましばらく続けていけば、この部屋の淫の『気』は浄化されると思います」
「何よそれ? しばらくって……そんなにするの?」
冴花は驚いたように目を見開いた。
「ええ。この部屋の淫の『気』はかなりの量ですから、ちょっとしたくらいじゃ無理なんですよ。実際こうしてあなたの体には未だに淫の『気』が集まっているくらいですし」
そう言いながら部屋の淫の「気」を集めると、冴花の呼吸が荒くなった。
「本当……凄く体が熱くなって……やだ熱い……ちょっと駄目よ、こんな熱いの……やだ、何とかして、何とかしてお願いっ……あっ、あっ、ああっ……」
神治が腰を数度振ると、冴花の呼吸が穏やかになった。
「大丈夫ですか?」
「嘘ぉ……あんたにされたら、ホントに楽になった……」
冴花は目を丸くして驚いている。
「うぅ……困るわこんなの……ねぇ、浄化を止めるって出来ないの?」
「止めてもいいですけど、残りますよ淫の『気』が」
「それじゃ困るわ」
「だったら続けるしかないですね」
「……」
神治の言葉に、冴花は困ったように溜息を付きながら視線を逸らした。
「ねぇ、私以外の人がやるんじゃ駄目なの?」
「まあ、処女であれば出来ますけど。でもそんなこと頼める知り合い居るんですか?」
「……居ない……」
「だったらあなたがやるしかないですね。まあ、もしセックスが嫌なら、さするだけにしますけど、それで耐えてみます?」
「う……多分無理……」
「そうでしょうね。さっきも結局辛さに耐えかねて、俺に何とかして欲しいって頼んできた訳ですし」
「……」
神治が告げると、冴花は泣きそうな顔になりながら、何かを考えるようにした。
無意識なのか、金色の髪に触れ、意味もなくいじっているのが可愛らしい。
美少女が服をはだけ、困ったように考え込みながら髪を弄ぶ様は、何とも可愛らしく、また欲情をそそるものがあった。
さらにその間も、膣に収まった肉棒には膣襞が絡み付き、刺激を送ってきているため気持ち良くて仕方がなかった。
このまま返事など聞かず、腰を思い切り振って無茶苦茶にしてやろうかとも考えてみたが、やはり心から従わせるには、本人の了解を得て抱く状態になる事が必要だと思った神治は我慢する事にした。
「いいわ。しても……」
しばらくして、意を決したようにそう答えた冴花は、恥ずかしそうに顔を背けた。
「でも勘違いしないでよねっ。あんたに抱かれるのが嫌じゃなくなったって訳じゃないんだからっ。この部屋を普通にするために仕方なく抱かれるんだからっ。ホントなら今すぐにでもこんなの止めて、あんたをボコボコにしてやりたいくらいなんだからねっ」
顔を真っ赤にしてそう叫ぶ冴花に苦笑する。
何と可愛らしい生き物だろう。
神治はこれまで以上に冴花に対する愛おしさが強まるのを感じた。
「分かりました。俺も『これは楽にさせるためにしているんだ。したくてしているんじゃないんだ』と思って抱くようにしますから」
「……それも何か引っかかるわね。まるで私を抱くのがどうでもいいみたいに聞こえるし……」
「だったら、素敵な冴花さんをありがたく抱かせていただきます、ってのではどうですか?」
「あ、こら、名前で呼ぶなっ。まだそんな関係じゃないでしょっ」
「まだ、って事は、これからそういった関係になると期待してもいいって事ですか?」
「そういう意味じゃないっ。言葉のあやよあやっ」
神治がわざと告げると、冴花はさらに顔を赤くして怒った。
何とも怒るのが可愛らしい人だと思いつつ、その反応が楽しくなった神治は、これからは名前で呼ぶ事にしようと思った。
「それじゃ冴花さん。そろそろ続きを始めますね」
「だから名前で呼ぶなって、あっ、あんっ……こら、まだ話が、ああっ……っていうか、まだ辛くなってないのに何して、ああんっ……」
冴花が可愛すぎたため、思わず抱く方を先にしてしまった神治は、慌てて淫の「気」を操った。
「あっ、急に熱く、あっ……やだちょっと……さっきより熱い、あぁっ……」
急激に「気」を集めたせいか、冴花は今までより激しく喘いだ。
体の火照りも強まっており、かなり体が熱くなっているのが分かる。
膣の中もその熱さによって気持ちの良さが増している感じで、神治はその快感にうっとりとしながら、可愛らしく喘ぐ冴花を見つめつつ、このままもっともっと乱れさせ、自分に夢中にさせてやるのだと決意するのだった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……」
眼下では、何も身に付けていない冴花が、こちらの腰の動きに合わせて体を揺らしている。
いやらしくくねるその体は、透き通るほど白い肌に覆われており、胸元にある大きな脹らみは、揺れに合わせて形を変化させつつも、その美しさを保っていた。
金色の髪は、動くたびに光を放ち、乱れて体に絡みつくのが何ともそそる。
日本人とは微妙に異なる白人的な可愛らしい顔は、肉棒を突き込むたびに歪み、快楽に蕩けた表情を浮かべていた。
そうした視覚的な刺激に加え、耳には甘えるような吐息と、もっとして欲しいとせがむ喘ぎがとぎれる事なく届いていた。
腰の動きの強弱によって大きさの変わる甘く可愛い声は、聞いているだけで胯間に強く響き、肉棒を激しく高ぶらせた。
その肉棒を包む膣の感触も、腰を引けば逃がすまいと吸い付き、押せばさらに奥へと引き込んでくるのに蕩けるような良さがあった。
まだ拙い部分はあるものの、冴花の体は素晴らしさに溢れており、このまま経験を積めば、男を狂わす体になるのは確実だろう。
そうした少女を自分色に染められる事には、何とも言えない悦びがあった。
「あっ、あんっ……いいっ、いいよっ、いいのぉっ……神治、あっ……神治ぃっ……もっとよ、もっとぉっ……もっとしてぇっ……」
あれから何度も抱いたせいか、冴花は快楽に狂い、神治の事を名前で呼び、甘えるようにおねだりしてくるようになった。
ただそれも抱いている間だけで、行為が終わるとすぐに憎まれ口を言ってくるため、そのギャップが何とも可愛かったのだが。
「凄い、あっ……凄いよぉっ……神治凄いのぉっ……こんな、あっ……こんなの凄すぎるぅっ……やっ、やっ、やぁんっ……」
強く頭を仰け反らせ、シーツを掴んで悶える冴花の姿は、可愛らしい容姿であるがゆえに、強烈ないやらしさを感じさせた。
その姿を見ているだけで肉棒がグンッと力を増し、もっと激しく喘がせたくなるのだ。
金色の髪と白い肌の美しい容姿が汗に濡れ、細身ながら肉付きのいい体が弾むようにしてくねるのを見ていると、思わず射精してしまいそうになる。
「あっ、あぅっ……やっ、やぁっ……やだっ、わたしっ、わたしぃっ……駄目っ、駄目だよぉっ……」
両腕両脚が絡み付き、ギュッとしがみつかれると、体の前面が柔らかな肉に覆われ、その心地良さにうっとりとなる。
その状態で腰を動かすと、生の肌同士が擦れ合い、滑らかな肌の感触に涎が垂れそうになるほどの良さを覚えた。
文句の付けようが無いほどに見事な肉体をした冴花は、まさに極上であり、それを自分の物にしているのだと思うと、凄まじい悦びが生まれた。
「もうイくっ……イっちゃう、やっ……イっちゃうのぉっ……神治っ、神治っ、神治ぃっ……あんっ、あっ、ああっ……」
一つ年上のこの少女は、今やすっかり神治に夢中だった。
腰の動き一つで甘え、おねだりし、離れるのを恐れるようにしがみついてくるのだ。
その姿は何とも可愛らしくもいやらしく、神治も冴花に夢中になりつつあった。
この美しい少女をもっと味わいたい。
もっと自分を求めさせたい。
もっと気持ち良くなりたい。
そうした想いが激しく高まっていたのである。
「あっ、あっ、ああっ……やだっ、もう駄目、あっ……もう駄目だよ、ああっ……わたしっ、わたしっ、わたしぃっ……やっ、やっ、やぁああああああああっ!」
「くっ!」
脳天を貫く快感と共に、大量の精液が冴花の中へと放たれる。
肉棒が鼓動するたびに放出される精液は、ドクドクドクと勢い良く注がれていき、それと共に強烈な気持ちの良さを生んだ。
神治はその快感にうっとりとしながら、耳に聞こえる「あ……あぁ……」といった冴花の可愛らしい吐息に聞き入った。
しばらくして射精を終えると力を抜き、その柔らかな肉体に身を預ける。
射精したのはこれで何度目だろうか。
そんな事を考えながら、横にある冴花の顔を見つめ、その可愛らしい唇に吸い付いていく。
「んっ……んんっ……んぁっ……ふぁ……終わった、の……?」
冴花はボンヤリとした表情でこちらを見つめ、ゆっくりと抱き付いてきた。
どことなく楽しげな表情を浮かべているのが、自分に夢中になっている事の証に思えて嬉しくなってくる。
「終わりましたよ。冴花さんが可愛いから、俺、凄く出しちゃいました。何ならもう一度しましょうか?」
「な、何言ってるのよっ。したい訳ないでしょっ……わ、私は辛いから仕方なくあんたに抱かれたんだから……私が聞いているのは浄化の方。どうなの? 終わったの?」
冴花は慌てたように体を放すと、そっぽを向いてキツめにそう叫んだ。
快楽に染まっている間は素直に甘えてきても、理性を取り戻すとツンケンしてくるのが何とも可愛らしい。
本心としてはもっと気持ち良くなりたいだろうに、理性がある間はそういった態度を見せないのだ。
「全部はまだ……さすがに長年溜まっていた『気』ですからね。この程度では無理ですよ」
「え? じゃあ、これからもするってこと?」
「そうですね。何日かかかると思いますから……でも気持ち良くていいでしょう? このまま楽しくセックスを続ければ、その内浄化も終わりますよ」
「わ、私は楽しくなんてないっ。あんたに仕方なく抱かれているんだからねっ。そこは誤解しないでよっ?」
「分かってますって。今のは俺が楽しいって意味ですから。何しろ冴花さんみたいに素敵な人とセックス出来るんですから。まさに役得ってヤツです。出来ればこのまま浄化が終わらなければいいと思えるほどですよ」
「それは困るわ。浄化は終わってもらわないと……」
「もちろん終わらせますから安心して下さい」
「本当でしょうね? 私を抱きたいからってわざと浄化しない、なんて事はないわよね?」
「それはいい考えだなぁ……」
「ちょっとっ」
神治の言葉に気色ばむ冴花は何とも可愛らしかった。
「冗談ですよ冗談。浄化はきっちりしますから……ほら、この部屋の雰囲気も少し和らいだでしょ? 分かります?」
「……言われてみれば確かに……前より楽な感じがするわね……」
セックスを数回している間に、部屋に満ちていた淫の「気」はかなり減っていた。
浄化のやり方を教わったとはいえ、実際に試したことの無かった神治にしても、こうも変化が起きるというのは驚きだった。
「でもまだ完全じゃありませんから、また来ますね。何度か繰り返せば終わると思いますから」
「しょうがないわね。そ、その間は付き合ってあげるわよ……」
恥ずかしげに呟く冴花の様子に、神治は強い可愛らしさを覚えた。
そもそも今の冴花の発言は、「セックスしてもいい」と言っている訳で、それを素直に告げてくるというのは、神治に好意を抱いている証だったからだ。
実際かなりの快楽を与えた事を考えれば、心にまだ躊躇があるにせよ、体の方はすでに神治を求めずには居られない状態になっているはずだった。
「っていうかさ、ちょっと気になってたんだけど……」
「何ですか?」
「私ってあんたに抱かれた訳じゃない? それで浄化って続けられるの? 確かしょ……じゃないと浄化が出来ないとか言ってなかった?」
最初に述べた説明を覚えていたのか、冴花はそんな事を尋ねてきた。
「ああ、それでしたら大丈夫です。処女でないと駄目なのは最初だけなんで。処女という性の要素が封じられた体に道を作って、その道を通じて『気』を誘導するのが浄化の方法なんですよ。つまり一度その道を作ってしまえば、後はそれを利用する事になるので問題ない訳です。要はそうした道を作るのに処女じゃないと駄目って事ですね」
「……よく分からないけど、とにかく問題は無い訳ね。それなら良かった……後は私が何回か我慢すればいいって訳か……」
冴花は大きく溜息を付くと、困ったような表情を浮かべた。
「我慢って……凄く気持ち良くしてあげたじゃないですか。それともあれくらいじゃ気持ち良くなかったって事ですか? 俺は男として役立たずって意味? それって何か悲しいです……」
神治はわざと泣きそうな顔をすると、悲しげに弱々しくそんな事を告げてみた。
「そ、そういう意味じゃ……無いわよ……あんたはその……き、気持ち良くしてくれたし……私としても、その、思っていたよりも良かったと思ったから……だからこれからもしたっていいって思えたんだし……でもそれは体の話であって、心としては嫌なの。そもそもあんたは恋人でも何でも無いんだから、好きでも無い男に抱かれて嬉しい訳ないでしょ? だから我慢する訳よ。分かった?」
神治の態度に慌てたのか、冴花は珍しく穏やかな口調で慰めるように言ってきた。
キツい事ばかり言うが、本質的に優しい性格なのだろう。
「分かりました。それなら良かったです。俺の事を好きになってもらうのは無理でしょうけど、その分、体の方は出来るだけ気持ち良くなってもらえるように頑張りますから……これからも宜しくお願いします」
そう言いながらギュッと抱き締める。
「あ、こらちょっとっ……今日の浄化はもう終わったんだから、そういう事しないでよねっ。勘違いして私に恋人面なんかしたら許さないんだからっ」
「分かってます。今のはちょっとした悪ふざけですから。冴花さんみたいな素晴らしい人と俺とじゃ釣り合わないですからね。そんな人の体だけでも抱けるんですから、俺は凄く幸せですよ」
「わ、分かっていればいいのよ……じゃあ、これからも浄化の方、宜しく頼むわよ?」
「はい」
神治は大きく頷くと、どうやらこれからも冴花の体を味わえる事に嬉しくなった。
もし「浄化なんかいいからもう家に来るな」と言われたらどうしようかと思っていたのだ。
先ほど体に徹底的に快楽を覚えさせたのが利いたのだろう。
このまま何度か抱いて、心の方も自分に夢中にさせたい。
神治はそんな事を思いながらベッドから起き上がると、帰り支度を始めるのだった。
冴花は、今の自分の状態に何とも言えない不快感を抱いていた。
母の恋人である男、それは実際は自分より年下の少年であった訳だが、その恋人である神治に、家での母との行為を止めさせるつもりだったのが、いつの間にやら自分が彼とセックスをする羽目になっていたからだ。
母の寝室に溜まっている、神治曰く「淫の気」というモノを浄化するのに、冴花の体が必要であり、その際に発生する熱さを解消するために、神治に抱かれなければならなくなっていたのである。
それは本来さするだけでも効果があるらしいのだが、それだけでは、とてもではないが耐えられるものではなかった。
神治に乳房を揉まれ、乳首を吸われ、体中を舐め回されるのとでは、苦しさの無くなり具合が全然違うのだ。
さらにあの太くて硬くて大きいモノ、男性器を突き込まれた際の苦しさの消失は、それ以上に気持ちの良さが広がってたまらなかった。
体の全てが蕩け、意識が幸福感で一杯になるあの感覚は、これまでの人生で味わった事のない良さだった。
その良さが忘れられず、本来嫌悪していたはずのセックスを続けてしまっている自分は、何と破廉恥なのだろう。
最初は「母の寝室を浄化するため」という事で抱かれているはずだったのだが、今の自分は、それよりももっと神治に気持ち良くされたいと思っていたのだ。
彼の与える快感をもっと味わいたくてたまらなくなっていたのである。
これでは自分が散々嫌悪してきた母の行状とまるで変わらないではないか。
しょせん自分は母の娘。
一度男を知ってしまえば、こうして男を求め、男に依存して生きるようになってしまうのかも知れない。
今もこうして四つんばいになり、背後から肉棒を突き込まれるなどという、はしたなくも屈辱的な状態に甘んじているのも、その体勢で行うセックスが蕩けるほどに良かったからだ。
正面向きの時とは異なる、体の奥にズンズンと響き渡る刺激。
おそらく子宮に届いているその刺激に、たまらない良さを覚えていたのである。
尻を掴まれ、時折叩かれながら、強く突き込まれる快感は、何もかも忘れて身を委ねたくなる良さがあった。
シーツを強く引き寄せ、涙を流しながら「もっとして、お願い」と可愛らしく懇願してしまう自分。
ああ、男におねだりするなど何と堕落した事か。
男に甘え、男を求める女などというのは、これまでずっと軽蔑してきたはずだったのに、あろう事か今の自分は、まさにそんな女だったのだ。
振り返り、「もっと強くぅ。神治お願いよぉ」と自分でも驚くほどの甘ったるい声でおねだりしてしまう。
そんな自分を見つめる神治は、嬉しそうに微笑みながら「分かりました。これでどうですか?」と丁寧に答え、実に見事に自分の求める箇所へ刺激を与えてくれる。
さらにそれは求めていた以上の良さがあるものであり、そんな事をしてくれる神治に、強く惹かれ始めている自分に気がつく。
神治は、これだけ自分が甘え、従うような態度をとっても、以前と変わらず自分を立ててくれていた。
蔑ろにせず、より気持ち良くなって欲しいとばかりにこちらに奉仕してくれるのだ。
無論、強引にしてくる時もあるが、根幹でこちらを尊重している雰囲気を感じさせるため、それは冴花にとって心地良い態度と言えた。
そしてそうした神治の態度は、これまで自分が抱いていた男に対するイメージを変えさせる効果があった。
今までの自分は、男などというものは、こちらが少し優しい態度を見せれば調子に乗り、女を好きに出来ると考え、理不尽な態度をとってくるものだと考えていた。
実際これまで学校で関わってきた男達は、皆そういう感じだったのだ。
そして自分は、そんな男達に負けず、逆に従えるようになるべきだ、とずっと思ってきたのである。
その理想の姿が母だったのであり、それが壊されたがゆえに母を軽蔑するようになった。
しかし今の自分は、その軽蔑していた母と同じだった。
男に甘え、男に従い、男が与えてくれる快楽に夢中になっている。
あろう事か、このまま自分の全てを自由にされてもいいとまで思ってしまっているのだ。
神治に体を触られ、舐め回され、肉棒で体の中を擦られる事が、そうしても構わないと思わせる原因になっていた。
それだけ彼の与える刺激は気持ち良く、たまらないものがあったのである。
特に肉棒を強く突き込まれると、自分の全てがどこか遠くへ吹き飛ばされるようであり、引き抜かれると、自分の全てが吸い出され、彼の中に入り込んでしまうような錯覚を覚えた。
まさに自分は、神治の動き一つでどうとでもなっていたのだ。
またその状態がたまらなく気持ち良く、蕩けてしまう悦びになっていたのである。
神治にこうして抱かれ続けられるのなら、どうなっても構わない。
逆に抱かれない事になったら、自分はどうなってしまうのか分からなかった。
放したくない。
この快楽を……。
もっと味わいたい。
この悦びを……。
神治に全てを委ね、自分を貰ってもらい、永遠に快楽を与え続けてもらいたい。
そうした強い想いが冴花の中で湧き起こっていた。
一方で、それを受け入れたくない想いもあり、それが今、冴花が不快感を抱いている原因だった。
素直に神治を受け入れ、身を委ね、愛してしまいたいと思う自分と、男は従えるべきものであり、このように甘えた態度を本心からしてしまっているのは、堕落だと考える自分の二人が存在し、争っていたのだ。
それが行為後に神治にキツく当たっている理由だった。
本当は自分でも分かっているのだ。
神治になら、全てを委ねてしまってもいいと。
彼ならそうしても理不尽な事はせず、自分を大切にしてくれるだろう。
だから普段から優しくし、もっと彼に好かれるようにすべきだった。
しかしこれまで染みついた男への嫌悪感、強い女として生きようとする意志が、それを否定し続けた。
全てを委ねた瞬間、自分の中の何かが終わってしまうように思えたのだ。
ゆえに全ては委ねられない。
絶対にそうしたくはない。
そうしてはならないのである。
冴花は最近、ずっとそんな事を考え続けていた。
だがそうした想いも、強烈な突き込みがされ、そのまま大きく強い腰の動きが連続で行われると、あっという間に薄れていった。
太くて硬い神治の肉棒が、体の中をゾリゾリと擦りあげ、心と体の全てを略奪していくかのようにしてくると、どうでもよくなってしまうのだ。
これまでは何とか耐えてきたが、ここ数日、神治に抱かれ続けた事で、そうした意識が徐々に弱まってしまっていたのである。
そしてトドメとばかりに、体の中に熱いモノが注ぎ込まれてくると、強烈な快感が押し寄せ、意識が真っ白になった。
神治の精液が迸っているのだ。
熱くなっている自分の体よりもさらに熱い神治の精液。
彼が感じている気持ちの良さの現れ。
自分の体に対する賞賛の証。
多くの量が凄まじい勢いで吐き出されている事が、神治が飯塚冴花という女を高く評価している事を感じさせた。
それは彼が発する大きな呻きと、体の震え、そして「冴花さんっ、冴花さんっ」と叫びながら見つめてくる真摯な瞳の光からも分かった。
ああ、神治は自分を欲してくれている。
女として、雌として欲してくれているのだ。
それは喜び。
そして悦びだった。
冴花の中に、強烈な嬉しさと気持ちの良さが溢れていく。
このまま言ってしまえ。
今まで言えずにいた一言を……。
そうすれば全てが救われる。
自分の中でハッキリしない想いが救われるのだ。
言え、言うんだ。
あの一言を……。
(でも……言えない……)
馬鹿な自尊心が、素直な乙女心を踏みにじる。
言えばそれで全てが変わるというのに、自分は言えないのだ。
何と情けなく、悲しい事だろう。
これからもそうなのだろうか。
自分はいつまで経ってもこうした女なのだろうか。
だったら自分はもう幸せなど得られないのではないか。
女としての喜び、そして幸せを……。
それは悲しい事だろう。
そんな人生は嫌だった。
ならば言うべきだ。
言うべきなのだ。
さあ、言え、言うんだ。
心が激しく高ぶり、その一言を言ってしまおうかと思う。
でも……。
言えない……。
言いたくても言えない……。
それが自分という女だから……。
あまりに馬鹿な女だから……。
(!……)
そんな想いに浸っていたせいか、不意打ちのように行われた大きな突き込みに衝撃を受ける。
もう射精は終わったものだと思っていたがそうではなく、神治は最後とばかりに思い切り腰を動かしたのだ。
そしてその瞬間、これまで以上に多量で勢いのある精液が膣内に迸り、それが奥まで届いた感触を覚える。
子宮。
そう、子宮に大量の精液が直接叩き込まれたのだ。
(何、これ?……凄い……ああっ、凄すぎるよぉ……)
まるで自分の中にある女の部分全てが陵辱されたかのようだった。
神治という存在が、自分の心と体を覆い尽くし、侵食してくるような感覚。
そこにあるのは女としての悦び。
男を受け入れ、男の物となる快感。
自分がずっと忌避してきた女としての喜びが、心と体の奥底から湧き上がってきていた。
その熱く、蕩けるように気持ちのいい感覚は、冴花の表面的な意識を吹き飛ばし、純粋な女としての想いを一気に溢れさせた。
「ああっ……わたしっ、わたしぃっ……神治、神治ぃっ……」
冴花は抑えきれない感動と喜びに押されて体を起こすと、勢い良く神治に抱き付いていった。
この男を、この存在を逃がしたくないという強い想いに動かされ、両の手脚を強く絡みつかせてギュッと抱き締める。
そうしていると、まるで神治の全てを包み込んだように思え、その事に強烈な幸福感を覚えた。
射精を終えて脱力していたらしい神治は、驚いたような表情を浮かべており、その顔を見た瞬間、冴花の中で全てがどうでもよくなった。
「わたし、わたし……神治が好きっ、神治が大好きなのっ……愛してる、愛してるんだからぁっ……」
まるで宣誓するかのようにそう告げ、初めてこちらから唇を重ねる。
そのまま舌を押し込み、彼の全てを感じようと、荒々しく唇を擦り合わせていく。
今まで否定してきたいやらしい行為を、今自分は自ら行っているのだ。
それも全て神治への想いゆえだった。
彼のためなら何でもする。
彼がして欲しいことなら何でも受け入れる。
自分は神治のモノだ。
神治の所有物なのだ。
冴花の心は幸せで満たされ、自分の全てが神治のモノとなった事に喜びを覚えていた。
これまでの人生で得たことのない幸福感で一杯であり、これからもそれが味わえるのだという事に、冴花の心と体は至高の歓喜に震えていくのだった。
「ああっ……いいよ神治、あっ……」
神治は、自分の下で可愛らしく喘ぐ冴花の姿を見て興奮を高めていた。
二人が居るのは、これまでと違って冴花の部屋であり、彼女は自分の通う高校の制服を身に着けていた。
先日、あの部屋の淫の「気」の浄化が済んだので、なら自分の部屋でしたいと冴花が言ってきたためそうしていたのだ。
あの日、愛の告白をしてきたのは、単に快楽に流されてしたのだと思っていたのだが、どうやら冴花は本気だったらしく、浄化が済んだ後も神治に抱かれる事を求めてきたのである。
実際態度もかなり変わってきており、キツめの雰囲気は変わらないのだが、どこか甘えている部分を感じさせるようになっていた。
「ちょっと、あまり強くはしないでよ? 制服が皺になっちゃうから」
今もこうして下から睨み付け、キツめの言葉で告げてくるが、実際に制服が皺になっても本気で怒らないような雰囲気があった。
「分かってますよ。でも予備とか無いんですか? 俺、どうせなら思い切りやりたいんですけど」
「そりゃ予備くらいあるけどさ。でもあまり思い切りしたら汚れちゃうかも知れないじゃない。この間クリーニング出したばかりだし、また出したらママに変に思われちゃうもの」
「別に『ちょっと汚しちゃった』って言えばいいじゃないですか。だからいいでしょ? 思い切りやらせて下さいよ」
冴花が着ている制服は、有名お嬢様校のものであり、奥ゆかしさを持ちながら可愛さをも感じさせるデザインのものであった。
そのため神治は制服姿の冴花を抱いてみたくなり、何度かお願いして、ようやく今日それが実現したのだった。
実際、金髪で白人顔をした冴花が着ると、何とも独特の雰囲気が起こり、とんでもない可愛さが溢れたため、いつもより強い興奮が起きた神治は、それを抑えて抱くのを辛く感じていたのだ。
制服など引き裂くほどに無茶苦茶にしてみたかったのである。
「あのねぇ。あんたが凄くお願いするから仕方なく着たのよ? そんなこと言うなら脱ぐから」
その言葉に慌てる。
せっかく可愛い制服を着た、いつも以上に可愛い冴花を抱けると思っていたのに、それが出来なくなってしまうのは悲しすぎたからだ。
「……いいです今のままで。大人しくしますんで……」
「宜しい……じゃ、皺にならないように気をつけるのよ?」
「はい……」
ガッカリしながら返事を返すと、その様子を見た冴花は、少し困ったような表情を浮かべた。
彼女はキツい言動をするのだが、芯は優しかったため、こうした表情をすると動揺するのだ。
「……もぉ、分かったわよっ。少しくらいなら激しくしてもいいから。でもあんたのあれ、あれだけは絶対制服に付けないでよ? 匂いが付くとマズいから」
「あれって? 精液の事ですか?」
「! 直接言わないっ。そういうのは隠すのが慎みってものなんだからっ」
「すみません」
もう何度もセックスをしているというのに、未だに冴花は性的な単語を口にするのを嫌がっていた。
そんな所が冴花らしくて良かったし、さらにその事で慌てる姿も可愛かったため、神治は時折こうして性的な事について尋ねるようにしていたのだった。
「でも俺のが付かなくても、冴花さんのが付いちゃうかも知れませんね。スカート、捲っておいた方がいいかも。それとももう濡れちゃってます?」
「そういう事を言わないっ。何度言ったら分かるのっ?」
「すみません。ついうっかり……じゃあ、スカートだけは脱がしておきましょう」
冴花の反応を楽しみつつ、スカートを引き下ろしていく。
丁寧にたたんで床に置いてから冴花に視線を戻すと、そこには何ともいやらしい姿となった冴花が横たわっていた。
制服の上だけの姿となったため、太ももがブラウスなどで少し隠れた状態になっており、それが何ともそそったのだ。
全てが見えてしまうよりも、こうして隠された部分がある方が興奮させられるのである。
「冴花さんっ」
神治は肉棒を今まで以上に硬くすると、たまらないとばかりにのし掛かっていった。
「やっ、もぉ……あんまり強く、あっ……胸をそんな、あぅっ……馬鹿、駄目、あんっ……強くしたら、やぁっ……駄目だってばぁっ……」
神治がブラウスの上から乳房を強く揉みしだくと、冴花はその事に文句を言いつつも止めようとはしなかった。
そうして神治に抱かれるのが好きだからだ。
神治にしても、少し抵抗される事に興奮があったため、その態度にはたまらないものがあった。
ブラウスのボタンを外し、ブラジャーを引き下ろすと、「制服をはだけたいやらしい女子高校生」という風情が出来上がり、それに興奮が高まっていく。
特にブラウスにかかる金色の髪と、服の間から見える透き通るほどに白い肌が、そうした要素をさらに強め、神治は我慢出来ないとばかりにむしゃぶりついていった。
「あんっ……あっ……ちょっ、あんっ……いつもより激し、あっ……落ち着きなさいよ、やぁっ……あんまり強くすると、ああっ……ちょっ、駄目ぇっ……」
神治の荒々しい愛撫に、冴花は困ったようにしながら甘く喘いだ。
口では色々言うが、本当は激しくされるのが好きなため、彼女自身の興奮も高まっているのだろう。
実際パンティの上から秘所をなぞると、すでにそこは濡れ濡れで、いつ肉棒を入れても大丈夫なくらいになっていた。
「ふふ、凄く濡れてますよ。俺のこと、欲しいんですね?」
「ばっ……違うわよっ。ちょっと驚いてそうなってるだけっ。別にあんたのなんか欲しくないんだか、やっ、やぁんっ」
顔を真っ赤にしながら、本心ではない憎まれ口を叩いているのが何とも可愛らしい。
それを楽しく聞きつつ、パンティの中に指を入れてクリトリスを刺激すると、さらに可愛らしく喘いだため、より興奮が強まった。
「こうして制服姿で乱れてる冴花さん、スゲェいやらしいです。たまらないですよ」
「そういう事は言わないっ」
「分かってますって……でも本当に、すっごく可愛いです。俺、冴花さんに夢中ですよ」
「!……」
耳元でそう囁くと、冴花はさらに顔を赤くし、恥ずかしげに顔をそらした。
何か言いたげに一度こちらを見たが、目が合うと慌てて逸らしている。
よほど今の言葉が効いたらしく、顔は先ほどから真っ赤なままだ。
「冴花さんっ……最高ですっ」
その様子が可愛らしくてたまらなくなった神治は、我慢出来ないとばかりにパンティを脱がすと、秘所に肉棒を押し込んでいった。
「あっ、やぁっ……入ってくる。神治のが入ってくるよぉ……」
ゆっくり肉棒を奥へ入れていくと、冴花は体を小刻みに震わせながら、うっとりとした表情を浮かべた。
すっかり神治の与える快楽に染まった冴花は、肉棒が入るだけで蕩けるような気持ちの良さを得ているのだ。
「俺と冴花さんが一つになってるんです。凄いですよね。こんな可愛くて素敵な人の体と一つになれてるんだから。俺、最高の気分ですよ」
肉棒を全て押し込み、一旦動きを止めてからそう告げる。
実際、冴花のような金髪で白人的な容姿の美少女の中に肉棒を入れる行為は、どこか幻想的な感覚をもたらし、特別な快感を覚える気がしていた。
これまで白人というと、純粋な人間とは言えない相手ばかり抱いてきた事が、そうした感覚を強めているのかも知れない。
「お、お世辞が上手いんだから……そんなに褒めたって、何も出ないわよ……」
冴花は照れくさそうにしながら、言葉だけは憎まれ口を言っている。
そうした人間臭さが、容姿の幻想的な美しさとのギャップとなり、神治は冴花を抱くのが楽しくて仕方なかった。
そもそも最初は抱かれるのを凄く嫌がっていて、今でも口では抱かれる事を否定したりするくせに、本心は抱かれたくて仕方がないという事が凄く伝わってくるため、それが何とも可愛くてたまらなかったのだ。
「出すのは俺ですからね。思い切り出させてもらいますよ」
「そういうこと言わ、あぁっ……馬鹿っ、まだ言いたい事が、やっ……だから駄目って、あんっ……」
何か言いかけるのを腰を動かす事で黙らせる。
口うるさい冴花を大人しくさせるのには、こうするのが一番だった。
「分かってますよ。早くこうして欲しかったんでしょう? 待たせてしまってスミマセン。その代わり物凄く気持ち良くしてあげますからね」
「違う、ああっ……そうじゃなくて、あっ……私が言いたいのは、やぁっ……言いたい、あんっ……言い、いいっ……それいい、あっ……それいいのぉっ……」
神治が腰を激しく動かし出すと、否定しようとしていた冴花が、いつの間にか肯定の言葉を発しているのに苦笑する。
そうした様子はやはり可愛かった。
一つ年上で、キツめの言葉をよく言うけれど、本質は優しい。
そうした冴花の態度は、神治にとって何とも心地良い、姉的な存在として感じられていた。
思えば姉の佳奈や従姉の静にしても結構口うるさく、自分は昔からそういった女性達に従えられてきたように思えた。
そして今は逆に彼女達を自分に従わせ、夢中にさせている事に悦びを覚えてきた事を考えれば、冴花とのこうした関係が好ましく感じられるのも当然だったのかも知れない。
実際、甘えてくる冴花は可愛かったが、こちらが従いつつ甘えるように出来るのも嬉しかったのだ。
「俺もいいですよっ……冴花さんの体、すっごく気持ちいいですっ……最高ですっ……」
愛しさを込めながらそう告げ、腰を荒々しく振っていく。
「ああっ、あんっ……やっ、やぁっ……わたしも、あっ……わたしもいいっ……神治のこれ、あんっ……おっきくて硬くて凄くいいのぉっ……」
冴花にしては、少々卑猥と思える言葉を叫んでいる事に興奮が高まる。
直接的な単語は言わないが、そうした言葉を言うだけでもそそるのだ。
「俺のいいですかっ? 大きいですかっ? 硬いですかっ? 凄くいいですかっ?」
そう尋ねるのに合わせて、肉棒を大きく強く叩き付ける。
「ああっ、あんっ……やっ、ああっ……凄、あっ……それ凄い、ああっ……凄くいいよぉっ……」
形のいい顎が何度も仰け反り、はだけたブラウスから覗く豊満な乳房が激しく揺れ動く。
冴花の身に付けている可愛いデザインの制服は、本来は清楚さや慎ましさを感じさせるものだったが、今や神治の性欲を高ぶらせるいやらしい存在と化していた。
こうして有名お嬢様校の制服を着せてするのは、思っていた以上にたまらないものがあり、これまで冴花に感じていた「金髪美少女」という要素に、「お嬢様な高校生」というものが加わった事で、さらなる良さが生まれていた。
そんな相手を自分は自由にしている。
金髪で白人容姿で、有名お嬢様校に通う美少女高校生を、好き放題貪っているのだ。
それは何とも興奮を高める事だった。
「あっ、ああっ……あんっ、あんっ、ああんっ……わたしっ、わたしぃっ……やっ、やぁっ……」
金色の髪を乱し、冴花は激しく頭を左右に振った。
そのたびに金髪がキラキラとして、何とも言えない美しさといやらしさを醸し出しており、白いブラウスから覗く透き通るほどに白い肌にも極上の素晴らしさがあった。
こうした肉体を抱けているのだと思うと、強烈な悦びが溢れてくる。
「やんっ、やっ、やぁんっ……はぅっ、はっ、はぁっ……神治っ、神治っ、神治ぃっ……」
冴花は甘えるように叫びながら、求めるようにこちらを見つめ、細い脚を腰に絡ませてきた。
顔を近づけると、泣きそうな表情をした冴花が瞼を閉じたため、神治はそのまま唇を重ねていった。
「んっ、んんっ……んふぅっ……んぁっ……ああっ、神治素敵だよぉっ……神治大好きぃっ……」
背中に腕が回され、強く抱き締められる。
笑顔に包まれた顔がこちらを見つめ、もっと一つになりたいとばかりに体を擦りつけてくるのに、冴花の強い愛情を感じた神治は幸せな気分になった。
それと共に、今まで以上に興奮が強まったため、貫いてしまうのではないかと思えるほどの勢いで肉棒を叩き付けていく。
「ああんっ、あっ……あぐっ、あっ、あやぁっ……ひゃぅっ、ひゃっ、ひゃぁんっ……」
その事で冴花が狂ったような喘ぎを発し、ガクガクと体を震わせている。
神治の放った強烈な淫の「気」が体の中を走り抜けたため、理性が吹っ飛んだのだろう。
これまで部屋を浄化するために、淫の「気」を体に受け入れまくった冴花は、性的な要素に敏感な体になっていたのだ。
ただでさえ常人よりも感じ易い体質になっているのに、そこへ神治の強烈な刺激を与えられては、こうなって当然だった。
普段はそうならないよう、気をつけているのだが、冴花への愛おしさが強まったせいで、つい多くの淫の「気」を流し込んでしまったのである。
「ひゃっ、ひゃうっ……わらし、あっ……わらしぃっ……もうらめ、あぅっ……もうらめらよぉっ……」
慌てて「気」を緩めたものの、一旦受け入れた刺激は冴花をおかしくし、心と体を蕩けさせていた。
目が虚ろになり、だらしなく開かれた口からは涎が垂れている。
だがそうした様子であっても、元が美しいせいか妖しい色気が感じられ、神治は夢中になって腰を振りまくった。
「あひゃっ、やっ、はぅんっ……あやぅっ、やっ、はやぁっ……あぐっ、あっ、あぁんっ……」
両の手脚で強くしがみつき、涙を流しながら喘いでいる冴花の姿に射精感が高まっていく。
このまま一気に精を放とうと思った神治は、さらに腰を激しく振っていった。
「やぐっ、やっ、はやぁんっ……あっ、やっ、はぅっ……わらし、あっ……わらしぃっ……らめっ、らめっ、らめぇっ……やっ、やっ、やぁあああああああああああんっ!」
「くっ!」
ドピュッ、ドピュッ、ドクドクドクドクドクドク……。
勢い良く迸る精液を感じながら、目の前で蕩けるような顔をしている冴花を見つめる。
いつもキツい言葉を述べる口は、だらしなく開かれ、小さな舌が唇を舐めているのにいやらしさを覚える。
その事で強まった興奮に精液の放出も激しくなり、それに伴う快感も脳天にズンっと響いてきた。
もう何百回と経験してきた射精の快感だが、こればかりは何度経験しても飽きる事が無かった。
緋道村の外ではあまり女性を抱いてはいけないと思っていたにも関わらず、現状、かなりの女性と関係を持ってしまっているのも、この快楽のせいだろう。
素敵な女性と知り合うと、どうしても抱きたいという想いを抑えられないのだ。
無論「気」の操作によって性欲は抑えられるが、心はそうはいかず、出来るだけ多くの女性を抱いてみたいと望んでくるのである。
考えてみれば、この冴花との関係にしても、本来ならばセックスをせずに解決する事も出来たはずだった。
浄化を彼女の体でなく、人形を用いてすれば良かっただけなのだから。
それを自分は、冴花の魅力的な体に惹かれ、それを己の物としたくてたまらなくなったため選択肢から除外し、半ば騙すような形でセックスに至った。
苦しさを取り除く方法にしても、「気」を上手く操れば、セックスをせずとも楽にさせられる事も出来ただろう。
だが自分はそれをする事なく、逆に強い気持ちの良さを与える事で快楽漬けにし、己に夢中にさせたのだ。
それは何とも酷いやり方であり、外道な行いだと思うのだが、止められないのも事実だった。
好みの女性を全て抱き、己の物としたい。
そうした衝動が、心の奥底から湧き起こってきていたからだ。
以前も肉体的な意味でそうした衝動はあったが、今は心による衝動として欲していたのである。
心が女を、より多くの女を自分の物にしたいと叫んでおり、それに逆らえない、というより神治自身もしたくてたまらなかった。
「神治ぃ……大好きだよぉ……愛してるのぉ……」
そんな事を考えていると、不意に冴花がボンヤリとした声で囁いてきた。
こちらをうっとりと見つめているのが何とも可愛らしい。
その顔は、神治の物となった事に喜びを抱いている女のものであり、それを見ていると心がゾクリとした感触を覚え、それまで以上に強い衝動が湧き起こってくる。
(ああ、女が欲しい……もっと欲しい……多くの女を俺の物にしたい……)
心の奥底から起きてくる激しい衝動に理性が侵食され、目の前に居る女をもっともっと自分に夢中にさせたくなってくる。
(俺の精を、この女の中に……冴花の中にもっと出すんだ……俺の物である証として……もっともっと……多くの精を、吐き出して……俺の物にするために……)
そんな想いが溢れ、神治の理性は快楽に酔ったような状態になった。
そのまま目の前にある女体にのし掛かっていくと、その女は嬉しそうに微笑み、早く入れて欲しいとばかりに体を大きく開いていく。
それを見る神治の顔に、満足な、いやらしい笑みが自然と浮かぶ。
この女はすでに己の物。
自分に肉棒を突き込まれ、精液を注ぎ込まれる事に悦びを覚える女なのだ。
ならばその望み通りにしてやろう。
それこそが女が求めるものなのだから……。
心と体が男としての悦びで一杯になった神治は、すでに痛いほど勃起している肉棒を、再びその自分の物である膣穴へと押し込んでいくのだった。
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