緋道の神器


        第三話  憧れの従姉



 神治(こうじ)の乗った電車は、まもなく緋道(ひどう)の本家がある村に着こうとしていた。
 山間にあるその村は、緋道村という。
 神治の姓と同じであるが、別に不思議なことではない。
 この村では皆、緋道と名乗っているからだ。
「まもなく〜〜、緋道村〜〜、緋道村〜〜」
 車内のアナウンスが到着の近いことを告げた。
(もうすぐか……)
 ようやく少しは楽になる。
 神治は深い息を吐き出した。
 都心にある家から数時間。
 それまで神治は何とか理性を保っていた。
 家から伯母の家に着くまで、女性を襲わないように気を張っていたのだ。
 母に本家に行くように勧められ、次の日に伯母に連絡をとり、そして今日、ようやく出発したのである。
 出発前、早起きした神治は母を半ば脅すようにして抱かせてもらった。
 母も息子が犯罪者になるよりは、という事で妥協してくれたのだ。
 ただ、一度始めてしまうと母の方が積極的だったのだが。
 肉欲の熱が冷めると、やはり母は自己嫌悪に陥っており、それだけが神治を悲しくさせた。
 それでも始めから積極的より、嫌がる方が母らしくていいと神治は思っている。
 それに、嫌がる母を強引に襲う時、何とも言えない興奮があるのも確かだった。
 電車が減速を始め、やがて停車した。
 ドアが開くのに合わせホームに降りると、無人の改札を通り駅前の広場に出る。
 周囲を見渡しても特に感慨はない。
 四年前まで住んではいたのだが、駅などには来たことが無かったため、記憶に触れるものが何もなかったのだ。
「神ちゃん……」
 さてどうしたものかと思っていると、突然声をかけられた。
 伯母か、と思いつつ、声が若い事に気づく。
 振り向くと、そこに立っていたのは神治より少し年上の美しい女性だった。
「あ……しずねぇ?」
 四年前の面影を残すその顔は、七歳年上の従姉の静だ。
「久しぶり……ふ〜〜ん、大きくなったわね」
 口元を少し上げて笑う従姉は、四年前とは比較にならない美しさがあった。
 当時高校生だった頃も大人びた様子があったが、さらに磨きがかかり、女としての魅力に溢れている。
 タンクトップのシャツを押し上げる胸も、母親ゆずりなのか非常に豊かだった。
 それが目に入った瞬間、神治は股間が一気に硬くなるのを感じた。
(しまった……)
 ようやく着いたという油断が気の緩みを生み、思い切り見てしまったのが失敗だった。
 ムラムラと静を襲いたくなる衝動が生まれる。
 取り合えず胸から視線を外し、何とか治まるよう別のことに意識を向ける。
「ふふっ……元気ね」
「え?」
「何でもないわ。さ、行きましょう」
 股間の盛り上がりを見られたのかどうなのか分からないが、静は口元に笑みを浮かべたまま神治を促した。
「暑くて悪いけど、ちょっと車が無いのよ。まあ、今日は曇ってるから歩きでも大丈夫でしょう?」
「あ、うん……別に平気だよ」
 神治は静の体が目に入らないよう、視線をそらしながら後に続く。
「神ちゃんももう中学生か……時の経つのは早いものね」
「そ、そう?」
「そうよ。あんなに小さかったのに、今じゃ私と同じくらいですもの」
 確かに神治の記憶にある静は背が高く、見上げて話していた覚えがある。
 今はそれが同じくらいの目線だ。
「しずねぇは、大学生?」
「そう。東京の大学に行ってるわ」
「へ〜〜」
 昔から静は頭が良かった。
 運動も出来、美人でキビキビとしてリーダシップもあったため、多くの人に慕われていた。
 神治もそんな完璧な従姉に密かに憧れていたものだった。
 その静が、さらに磨きのかかった美しさで目の前にいる。
 忘れかけていた肉欲が再び起き上がるのを感じて、神治は慌てて頭を振った。
 出発前にあれほど母としてきたというのに、それでもまだ足りないというのだろうか。
 しかし、見なくても脳裏に焼きついてしまった静の姿は、母にはない若い女の魅力に溢れており、抱きしめたくなる衝動を抑えるのに大変だった。
「神ちゃん、勉強の方はどう? ちゃんと出来てる?」
「え? う〜〜ん、まあまあかな」
 静と会話することで、肉欲がある程度治まる。
 話題さえ気をつけていれば、このまま何とか伯母の家まで着くことができるだろう。
「まあまあねぇ……じゃ、スポーツは? 何かクラブ入った?」
「いや、別に……これといって……」
「そう……」
 静はそれから黙ってしまう。
 そして息を大きく吸ったかと思うと、少し怒ったような声で話しだした。
「神ちゃん、四年前、私に言ったこと覚えてる?」
「え?」
 突然の問いとその怒った様子に、何かマズイことを言っただろうかと神治は動揺した。
「多分忘れてるだろうから言うけど、約束したわよね、引っ越す前に」
「え? え?」
 何のことだか思い出せない。
「勉強を沢山して、何かスポーツもして、文武両道の男になるって」
「そ、そうだっけ……」
「思い出せない?」
「うっ……」
 ここで思い出せないとは言えない。
 神治は必死になって記憶を探った。
「ふ〜〜、じゃあヒント。引っ越す寸前のことよ。私と二人きりで話したでしょう」
(しずねぇと二人きり……あっ!)
 ようやく思い出した。
 引っ越す前に、確かに静と約束をしていたのだ。
「その様子じゃ思い出したようね、さ、言ってごらんなさい」
「え? 言うの?」
 神治は動揺した。
 その記憶は、凄く恥ずかしい思い出を伴っていたからだ。
「言うの。忘れていた罰よ」
 静にキツク言われ、神治は仕方なく言うことにした。
 幼い頃からのしつけで、逆らう事などできないのだ。
「その……俺が、しずねぇをその……お嫁さんに……欲しいって言って……そしたらしずねぇが……自分を妻にしたいのなら、文武両道のいい男にならなきゃ駄目だって言って……俺は、絶対なる、勉強もスポーツも頑張るから……その……結婚してくれって……」
 神治は真っ赤になって呟いた。
「そう。よく出来ました……で、それを神ちゃんは実践してないのよね。私をお嫁さんにしたいって言ったのは嘘だったのかしら? あ〜あ、騙されたわ。私は凄く楽しみにしてたっていうのに……これは詐欺ね。慰謝料でももらおうかしら」
 一気にまくし立てられ、神治は身のすくむ思いだった。
 あの時は静と別れるのが辛くて、そんな事を言ってしまったのだ。
 今思うと恥ずかしくてたまらない。
 確かに引っ越してすぐは勉強もスポーツも頑張っていたのだ。
 だが元々物事に対する執着が弱い神治は、近くに静がいない事もあってだんだんとやらなくなってしまったのである。
 それを責められれば謝るしかないのだが、たかが小学生の言葉を高校生だった静がどこまで真剣に受け止めていたのかは怪しいところだった。
「いや、その嘘っていうか……何と言うか……え〜〜、ごめんなさい……頑張ろうと思ってたんだけど……そのぅ……」
 しどろもどろに言い訳する神治を見て、静は可笑しそうに笑った。
「ふふっ……別にいいのよ。そんなに怒ってないから……でも残念だったのは本当。何しろ自分に惚れた男が必死になって成長した姿ってのも見たかったし」
「そ、そうなの?」
「ええ。神ちゃんが立派になってたら、こちらから好きになってメロメロになっちゃったかもね」
「う、嘘……」
「何よ? 私が人を好きになっちゃ変?」
「い、いや……何かしずねぇが誰かを好きになってメロメロになる姿って想像できないから……」
「ふふっ……女はいつでもそういう男を待っているものなのよ……」
 楽しそうに笑う静の様子に、神治はこの人がメロメロになる相手とはどんな男なのだろうと思った。
(やっぱ凄くいい男なんだろうなぁ。しずねぇと同じで何でもできるタイプかな……)
 そういう条件を神治に示した所からもそう思えた。
(でもちゃんと約束守ってれば、もしかして本当に俺にメロメロになってたかも知れないんだよね……そしたら、俺、しずねぇと……)
 静とセックスしている様子を想像し、再びムラムラと襲い掛かりたくなる衝動が起こってしまい、慌てて振り払う。
(どうも何か今日はそういう妄想が多すぎるぞ……暑さのせいかな?)
 曇っているとはいえ、暑いことには変わりない。
「神ちゃんどこか悪いの?」
「え?」
「何だか辛そうな顔してるから」
「い、いや、大丈夫だよ」
 まさか静を襲いたいのを我慢してるとは言えない。
「そう。でもちょっとそこで休んでいきましょう。あんまり連続で歩くと熱中症になりかねないし。水分も取った方がいいと思うから」
 静は道端にある小屋を示した。
「これって、何なの?」
「ちょっとした休憩所よ。村の人間がよく利用してるね」
 できるだけ早く本家に着き、伯母に肉欲を発散してもらいたかったのだが、心配している静を説得するのは難しそうだった。
「じゃあ、ちょっと休んでいこう」
「ええ、入り口はこっちよ」
 静に促され、小屋に入る。
 中は十畳ほどの広さがあって、ちょっとした台所とトイレがあった。
「今麦茶でも入れるわね。そこに座ってて」
「あ、うん……」
 静はエアコンのスイッチを入れ、台所に向かう。
 涼しい風を肌に感じ、神治は生き返る思いだった。
(しかし、こんな密室にしずねぇと二人きりか……)
 傍には宿泊用か、布団が置いてある。
 思わず肉欲を刺激するようなことを想像してしまい、神治は慌てて頭を振る。
(だ、駄目だ。何考えてるんだ。しっかりしろっ)
 別のことを考えて肉欲を抑えようと、以前学校で習った短歌を思い出そうとした時だった。
「きゃぁっ!」
 台所から静の悲鳴が響いた。
「ど、どうしたの?」
 慌てて駆け寄る。
「あ、ビックリさせて御免ね。ちょっと麦茶をこぼしただけだから……胸にかかったものだから冷たくて……」
 言われて視線を胸にやってしまう。
 そこにはタンクトップを押し上げる豊かな胸の膨らみがあり、濡れたためか微かに透き通って見えた。
(しずねぇ……ノーブラなの、か……?)
 透き通っていてもブラの線は見えず、下のところには、プクッと周辺より少し膨れている場所があった。
(乳首……)
 神治の我慢は限界に達していた。
 あまりにも魅力的な、昔から憧れていた女が、目の前で無防備にも露出の多い服を着てその肉体の一部をさらしているのだ。
 ショートパンツから伸びるスラッとした白い脚も、むしゃぶりつきたくなる衝動を起こさせた。
「もう大丈夫だから、あっちで座って待ってて」
 静が動くと、それに合わせて大きな乳房が揺れた。
 それが合図だった。
「しずねぇ!」
 神治は背後から抱きつくと、その豊かな胸を鷲掴みにした。
「あっ……神ちゃん、なに?」
 それには答えず両手で乳房を激しく揉み上げる。
「あっ、ちょっとっ、やだっ……神ちゃん止めてっ……」
 そう言われて止めることなどできない。
 静の胸は、母や伯母の吸い込まれるような柔からさではなく、押すと跳ね返してくる若い張りに満ちていた。
 母や伯母がクッションのようであるならば、静のはゴムボールであり、気持ちのいい弾力を持っていた。
(ああ……なんて、なんて気持ちいいんだ……)
 神治は憑かれたように静の胸を揉んでいく。
 服の上からでは物足りなくなり、手を差し入れて直接揉み出す。
「あんっ……神ちゃ、あんっ……止めてっ……」
 乳首を見つけると指で軽く摘み上げ、コリコリと動かす。
「あぐぅっ……あっ……駄目よ、あっ……神ちゃん駄目ぇ……」
 だんだんと静の抵抗が弱くなっていく。
 神治は乳房から手を放すと、ショートパンツに手をかけ下着と一緒に一気に引き下ろした。
「あっ……何するの? 止めなさ、あぅんっ……」
 静の叱責は股間をなぞる神治の指によって止められた。
「あっ、ああっ……だ、駄目よ、あんっ……そんなとこ触っ、ああっ……」
 神治は片手で乳房を揉みながら、股間を刺激しつつ首筋に唇を押し付けて吸い上げた。
「いやぁんっ……そこっ、止めてっ……あぅんっ……」
 今まで聞いたことのない静の可愛らしい声に、神治は激しく興奮した。 
 いつもキビキビとしてカッコいい静が、自分の愛撫に悶え、可愛い声を上げている。
 それはたまらない快感だった。
「しずねぇ、首筋弱いの?」
 そう聞きながら首筋を舐め上げる。
「いやぁんっ……な、なに言ってるの、あっ……止めなさい、あんっ……駄目だって、いやぁっ……言ってるで、あああっ……」
 ブルブルと震える静の姿にたまらなくなった神治は、すでに十分濡れ始めている静の股間に己の肉棒を入れたくなった。
 ズボンとパンツを素早く脱ぐと、流しに手をかけさせ腰を抱えて一気に肉棒を押し込む。
 ズブッという感触と共に、気持ちの良さが広がった。
「あぅんっ……こ、こら、あんっ……入れちゃ駄目、はぁんっ……抜いてっ、抜くのよっ……」
 静の制止とは反対に、膣は肉棒の進入を喜ぶように蠢いて刺激を与えてくる。
 母や伯母のそれとは違い、まだ若いためか硬さの残る静の膣は、ギュウッと締め上げるように肉棒を包み込む。
 早く精液をよこせと言わんばかりのその締め付けに、神治はたまらなくなって腰を動かし始めた。
「あっ、あっ……そんな、あんっ……動かしちゃ、あっ……駄目よ、ああんっ……」
 静が止めれば止めるほど、神治の興奮は高まった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……そんなに、あっ……動かしちゃ、あんっ……駄目よぉっ……あぅんっ……私、あっ……おかしくなっちゃう、ああんっ……」
 激しく腰を動かし、静にぶつけていく。
「あぅっ、あっ、はぁんっ……いやっ、あっ……いやぁんっ……こんなのぉ、あっ……いい、あんっ……気持ちいい、ああんっ……気持ちいいのぉっ……」
 静は流しに手を付いたまま頭を左右に動かし、長い髪を振り乱した。
 その様子を見ながら、神治は快感に震えていた。
 今自分はあの静と、あの憧れの静とセックスをしている。
 美人でスタイルが良く、勉強もスポーツも何でもできる従姉。
 決して手の届かない高嶺の花だった静が、今自分の肉棒を咥え込み、可愛らしく悶えているのだ。
 それだけでたまらなかった。
 もっとしたい、静ともっとしたい、そんな思いで神治の頭は一杯だった。
「あふっ、あっ、ああんっ……たまらない、あっ……たまらないわぁっ……神ちゃんもっと、あっ……もっとお願いぃっ……ああっ……もっと激しく突いてぇ……」
 誇らしい静が、自分におねだりをしている。
 それだけでもう神治の我慢は限界だった。
「イくよっ……しずねぇっ……俺っ……イくよっ……」
 そう言いながら腰の動きを加速する。
「ああんっ……出るの? あっ……出ちゃうの? あんっ……神ちゃんのが出るのぉっ……そんな、あっ……神ちゃんのがぁっ……ああっ、信じられない、あんっ……神ちゃんのぉっ……ああああっ……!」
 静の絶叫と共に精を放つ。
 ドクドクドクと激しく精液が放出され、体を震わせながらその気持ちの良さに身を任せる。
 射精の快感に浸りながらも、神治は何か違和感を感じていた。
 いつもなら訪れる、射精をした後の脱力感、それがないのだ。
 しかも肉棒には力がみなぎり始め、ムラムラと性欲も湧いてくる。
 腰も勝手に動き始めた。
(うわっ……なんだこりゃ……)
 これまでもすぐ復活したり連続でしたりもしたが、射精の途中で復活し、しかもしたくてたまらない気持ちにまでなった事はなかった。
「嘘、あっ……神ちゃんイったんじゃ、あんっ……ないのぉ? あっ……どうして、あんっ……まだ硬いのよぉっ……」
 静も不思議そうに悶えている。
 どうして自分はここまで連続というより、継続してセックスができるのだろうか。
 だがその思いは、激しく沸き起こってくる静の肉体に対する肉欲によってかき消されてしまう。
(したい……もっとしたい……この女の体に……もっと精を……精液を……ぶち込みたい……)
 そんなとてつもない欲望が、頭と体を支配し、腰を激しく動かし続けさせる。
「はぅんっ……あっ、あっ、ああんっ……凄い、あっ……こんなの凄いぃっ……あんっ、あっ、はぁんっ……凄すぎるわぁっ……」
 静は流しに掴まるのが限界、といった感じで腕を震わせていた。
 それに気づいた神治は、静の体を背後から抱えるとそのまま移動し始める。
「あっ、ちょっと、はぅんっ……あっ、駄目よ、あっ……こんなのっ……一度抜いてから、あんっ……」
 しかし神治は腰を動かしたまま移動を続けた。
 一度抜いてしまうと逃げられてしまうのではないかという強迫観念があったのだ。
 徐々に移動し、部屋に置いてある布団のところまで着くと、そのまま静を前に押し倒す。
 押された静は、腕が疲れたためか手を付かずに頭で体を支え、尻を持ち上げた姿勢で倒れた。
 神治は静の体からタンクトップを脱がし、己もTシャツを脱いでお互いを全裸にすると、そのまま腰を掴んで激しく突き始めた。
「あぅんっ、あっ、ああっ……ああんっ、あっ、ああっ……はぁんっ、あぐぅっ、あっ……」
 余りにも激しい神治の腰使いに、静は何も言わずに喘ぎ声を上げ続けた。
 白い布団の上に、白い静の肌が映え、さらに美しい黒髪が舞っている。
 その様は、神治に自分が静とセックスしているのだという確信を改めてもたらし、確信が興奮を呼んだ。
「あっ、あぅんっ、ああんっ……凄い、あっ……凄いのぉ、はぁうっ……神ちゃん凄いぃ、ああんっ……」
 激しく悶える静の様子に射精感が強まり、神治は一気に腰の動きを加速させる。
「あんっ、あっ、はぁんっ……いい、あっ……駄目、あんっ……たまらない、はんっ……あぐぅっ、あっ、ああんっ……イく、あっ……イっちゃう、ああっ……イっちゃうのぉっ……あああああっ……!」
 静の絶叫に合わせて精を放つ。
 ドクドクドクと激しい射精が行われる中、神治は射精の快感に浸っていたが、やはりそれが終わるか終わらないうちに、肉棒が硬さを取り戻し肉欲も高まっていった。
 そのまま再び腰が勝手に動き出していく。
「ああんっ、あっ、あぐぅっ……また、あっ……うそ、あんっ……」
 静は息も絶え絶えに悶えている。
 彼女自身も何度かイっているはずなのだが、神治が止めないため休むことができないのだ。
 神治は肉棒を抜くことなく器用に静の体を回転させると仰向けにした。
 正面から見る静の体は、想像していた以上に美しかった。
 母や伯母の体が完成した女の美しさであるのなら、静の体は最も輝いている女の美しさと言えるだろう。
 肉欲を抑えるため、再会してからジックリと見ることのできなかったその顔も、四年前とは比べ物にならないくらい大人の女としての美しさを持っていた。
 腰を動かすたび喘ぎ声が漏れる口からは、チロチロと舌が蠢いているのが見える。
 その動きにたまらなくなった神治は、静の唇に吸い付いていった。
(しずねぇとキスしちゃった……)
 キスをした途端、激しい興奮が神治を襲う。
 目の前に迫る静の顔は、近づいた分その美しさを増しているようで、それが近くにあるというだけで凄まじい興奮があった。
 セックスの快感は確かに凄いのだが、顔が身近にあるというのが精神的な興奮を激しく高めるのだ。
 静の美しい顔を見ながら、舌を絡ませ吸い上げていく。
「んんっ、んっ、んんっ……」
 左右に顔を動かし、激しく唇を合わせていると、静が手を背中に回し、ギュッと抱きしめてきた。
 その事を嬉しく感じながら唇を離すと、今度は先ほど背後から触れはしたが、まだよく見ていなかった乳房に目をやる。
 その膨らみは、母や伯母のそれより大きさ的には小さかったが、やはり若いだけある肌の張りと、なにより桜色の乳首が美しかった。
 乳首に舌を這わせ、吸い付くとポンッと放す。
 ポヨヨンと揺れる乳房がたまらない。
 神治は吸っては放し、吸っては放しを繰り返した。
「あんっ、あっ、ああんっ……あっ……ああんっ……」
 舌先で乳首を弾き吸い付き、その間も乳房を揉み上げていく。
 しばらくそうして乳房を吸ったあと、今度は首筋へと舌を這わせ、激しく吸ったり舐めたりを繰り返す。
「やんっ……ああんっ、あっ……神ちゃん、いやぁんっ……あんっ……あっ……やっ……あっ、あんっ、いやぁんっ……」
 静がとてつもなく可愛らしい声で喘ぐ。
 首筋が弱いことは先ほど分かっていたが、集中的に愛撫するとここまでなるものなのか。
 普段のキリリとした静からは想像もできない可愛さに、神治の興奮は最高潮に達した。
 腰の動きが早まり、肉棒に快感が集中する。
「やっ……やぁんっ……神ちゃん、やっ……あぅ、やんっ……あっ、いやぁんっ……そんなにしたら、あんっ……変に、やっ……なっちゃう、やぁんっ……」
 静のたまらない可愛い声に、肉棒の栓が一気に開かれ、ドクドクドクと凄い勢いで精液が吐き出される。
 だが、これもまた先ほどと同じように快感に浸っているうちに肉棒はすぐに回復し、肉欲も高まっていく。
 腰は休むことなく動き続けた。
「あぅんっ、あっ、はぁんっ……あっ、ああんっ……」
 最も弱いところを責め続けられ、その快感にかなり疲労してきたと思われる静の喘ぎ声は弱くなっていた。
 しかし神治の体はまだまだ元気だった。
 とにかく静の体に精液をどんどん放ちたい、その思いが頭を支配し、体もそうしようと張り切っているように思えた。


 あれからどのくらい経ったか。
 神治はずっと静の体を抱いていた。
 そしてその間、肉棒が抜かれることはなく、硬さと大きさを保ち続け静を責め抜いていた。
 静の可愛らしい喘ぎ声が気に入ってしまった神治は、ずっと首筋を愛撫し続け、その余りの快感に、静の目はうつろになり、口からは涎をたらしていた。
「やっ……あんっ……やぁんっ……あっ……いやぁんっ……」
 時折口からは肉体の刺激に反応して喘ぎ声が漏れるが、それはもうかなり弱々しかった。
 ビクッビクッと反応する静の体に興奮しながら、神治の腰は動き続ける。
「神ちゃん……」
 弱々しい声で静が何か言ってきた。
「こんな……凄いの……私……初めて……もう……神ちゃん無しじゃぁ……生きていけないぃ……」
 うつろな目で神治を見ながら静は呟いた。
「だから……もう許してぇ……私は……神ちゃんのモノだからぁ……神ちゃんだけにぃ……抱かれるからぁ……」
 神治は信じられない思いで静を見つめた。
 あの静が、プライドの高い静が、自分は神治のモノだと、神治にしか抱かれないと言っている。
 それはまるで、妻になると言っているのと同じではないか。
 あれだけ自分の夫に対するハードルを高くしていた静が、神治の妻になると言っているのだ。
 その事に凄まじく興奮した神治は、もう何度目か分からない精を静の中に放った。
 ドビュドビュドビュ、ドクドクドクドクドク。
 今までにない激しい射精が行われる。
 神治は体をガクガクと動かし、耐え切れないように仰け反った。
「あぅっ、はぁっ……ああんっ……ああああっ……!」
 静も体を小刻みに震わせて悶えている。
 精液が完全に吐き出されると、ようやく神治は射精後の疲労感を感じ始めた。
 肉棒も大きくなることはなく、肉欲も起きなかった。
 とうとうセックスを終えることができるのだ。
 神治は肉棒を抜くと、静の隣に倒れこむ。
 激しい眠気を帯びた疲労感が襲ってきて、神治は意識を失った。


 気がつくと、布団の上で寝ていた。
 傍に静が座っている。
「良かった、ようやく起きたわね」
「あ、あの……」
 自分が何をしたのか思い出し、何と言っていいのか分からず黙り込む。
「もしかして私を襲っちゃったことを気にしてるのなら大丈夫よ。あれは別にしてもいいことだから」
「え?」
 言っている意味が分からない。
「だって、俺は無理やり、その……しずねぇを……」
「そう私とセックスした……」
 言い切る静に神治は驚く。
「そう、そうだよ。それも無理やりだよ。それがどうしてしていい事なのさ」
 自分が強姦されてなぜ平気なのか。
 たとえそれが従弟であっても、無理やりというのはどう考えても受け入れられるものではないだろう。
「ふ〜〜、あなた、自分がどこへ何しに来たのか忘れたの?」
 呆れたように静が尋ねてくる。
「え? どこへって、伯母さんの家に……何しにって、当主になるかどうか……あっ!」
 静の言いたいことに気づく。
「そう、神ちゃん、うちの当主になるかも知れないのよ。だから私とセックスしても誰も文句は言わないの。逆に喜ぶってこと」
 改めてとんでもない慣習だと思った。
 しかしそれがなければ自分は従姉を襲ったとして、親戚中から白い目で見られたという事だ。
 その想像をして神治は背筋が冷たくなった。
「でも、無理やりってのはやっぱマズイんでしょ。しずねぇだって最初嫌がってたじゃない」
「それはそうね……まあ、いくらしてもいいからって、相手の了解を得ないでするのは良くないわ。それぞれ都合ってものがあるんだし」
「それだけ……?」
「そう、それだけ……神ちゃんは本家から離れてたから分からないと思うけど、セックス自体は問題じゃないのよ。そうねぇ……たとえば神ちゃんが試験勉強をしていて、そこに友達が遊びにきたとする。普段なら別にかまわないけど、試験勉強中じゃ迷惑でしょ。そういう事よ」
「そういう事ですか……」
 何とも納得できるようなできないような事だった。
「でもそれならやっぱり謝らなくちゃ駄目でしょ。俺、しずねぇにしていいか聞かなかったもん……」
「まあ、それはそうなんだけどねぇ……」
 そう言うと静は黙り込んだ。
「神ちゃんって、ジサブロウと一緒なんでしょ?」
「ジサブロウ?」
 聞きなれない名前に首をかしげる。
「政治の治に三郎って書いて治三郎……この人は凄い精力だったのにセックスを全然しなくて、そのうち我慢し切れなくて村の女の子を襲っちゃったっていう私達のご先祖さま」
「あ、それ聞いた。母さんに」
「そう。神ちゃんはこの治三郎と一緒で精力が凄いんでしょ。だから我慢できずに襲っちゃったのはしょうがないわ。それに治三郎と違って自分から禁欲してたんじゃないんだから自業自得って訳でもないし」
 確かに禁欲していたわけではない。
 そう思ったところで神治は、現代日本の一人身男性は皆、禁欲してるようなものなのだという事に気がついた。
(好きな時にできないもんなぁ……)
「しかし凄いわねぇ。予想はしてたけど、ここまで凄いとは思わなかったわ。神ちゃんっていつもあんななの?」
「あんなって?」
「だから、一度もペニスを小さくしないでし続けられるってことよ。連続で出来る人はいるけど、あんな事が可能だなんて驚いたわ」
 静は感心したように頷いている。
「い、いやそれは……普段はできないんだよ……」
「え? そうなの?」
 驚いたように静がこちらを見る。
「うん……何でだか、しずねぇとした時にだけそうなった……」
「私とした時だけ……ふむ、なるほどね……」
 静は何か考えるようにすると、何度も頷いて顔を上げた。
「神ちゃん、あなた、私のこと好きよね」
 突然とんでもない事を聞いてくる。
「う……あ、うん……好きだよ……」
 本当のことなので頷く。
「でも、実際は私と恋人同士になる、もしくは結婚できるとは思っていないでしょう」
「あ、うん……」
 神治はこれにも頷く。
 静のような完璧な人間には、自分のような人間では相手にされないと思うからだ。
 だから先ほどのセックスの時に、「神治のモノになる」と言った静の言葉にひどく興奮したのである。
「やっぱりね。それが原因かな……」
「え? どういうこと?」
「神ちゃんは私とセックスしたくてしょうがなかった。だけど自分は相手にされないと思っていた。ところが突然セックスする機会が訪れた。でも一度だけでは我慢できない。するなら沢山したいと思った。しかし一度抜いてしまったら逃げられてしまうかもしれない。だったら抜かないで済むようにずっとペニスを大きくしておけばいい」
 静は一気に言い切った。
「え? それって……」
「つまり、神ちゃんの肉体は、神ちゃんの欲望を実現するために、そうやって助けてくれたってことね……いえ、というより、肉体の欲求なのかな?」
 静は再び考え込む。
「神ちゃんの肉体は私の体に精液を入れたがった。だけど私のような女とはそうそうできるはずもない。だったらこの機会にできるだけ沢山入れよう。そう本能が判断し、肉体にああいった、ずっとペニスを大きくしているという現象を起こさせたのじゃないかしら」
 何と言うか、そこまで考える静の頭に神治は驚くばかりだった。
 昔から頭が良かったが、瞬時にここまで考えるとは凄すぎる。
 神治も自分なりに静の言ったことをまとめてみた。
「要するに、いい女に種付けするチャンスを逃さないよう、沢山精液を出そうと肉体が働いたってことだね?」
「あら、分かってるじゃない。やっぱり神ちゃんは頭がいいわ」
 神治は褒められて嬉しくなった。
「まあ、これはあくまで推論だけどね。実験でもできれば証明できるかもしれないけど……」
 実験と言われて神治は大事なことを思い出した。
「しずねぇ、その治三郎って人が書物を残してるって聞いたんだけど」
「え? ええあるわよ」
「それ、俺読みたいんだけど、読めるかな?」
「そりゃぁもちろん。でも何で読みたいの?」
「その本に、性欲を抑える方法が書いてあるって母さんが言ってたんだ」
 神治がそう言うと静は少し考え込むようにした。
 顎に手を添えるポーズが何とも様になっている。
「なるほどね……よし、私が調べてあげるわ」
「え? いいの?」
 自分で調べようと思っていたのだが、静がしてくれるのならありがたい。
 何しろ自分より頭も要領も良いからだ。
「いいわよ別に。それに治三郎って昔の人よ。神ちゃん、その頃の字を読めないでしょ」
「あっ……」
 確かにそれはそうだった。
 現代の言葉で書いてあるわけがないのだ。
「じゃあ、悪いけど調べてもらえる?」
「ええ、まかせときなさい。神ちゃんには死ぬほど気持ち良くしてもらったから恩返しのつもりで調べてあげる」
 凄いことをサラっと言いながら静は微笑んだ。
「お、恩返しって……」
「無理やりだったけど、私、凄く気持ち良かったわ。あんなの初めて……」
 色っぽい声で囁き、体を寄せてくる。
「さっき言ったことは嘘じゃないのよ……私はもう神ちゃんのモノ……だから、またしてね……」
 その言葉に神治は激しく興奮した。
 先ほどの言葉は、セックスの最中で意識が朦朧としながら言っただけだと思っていたのだが、平静な状態でも言ってきたという事は本気なのだろう。
(し、しずねぇが……俺のモノ……?)
 股間の一物に力がみなぎる。
「しずねぇ、していい? 俺、たまらなくなっちゃった……」
「え? いいけど、その……大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。俺、もうしずねぇとしたくてしたくてたまらないっ」
 そう叫びながら静の体を倒す。
 そして一気に肉棒を膣に押し込んだ。
「あぅんっ……ああっ、ホントに大きい……硬い……嘘でしょ、あんっ……」
 驚く静の首筋に舌を這わす。
「やぁんっ……そこは、やっ……やめ、いやぁんっ……どうして、やっ……そこばっかりぃ……」
 先ほどから首筋ばかりを責めたことを言っているのだろう。
「だって、ここ舐めるとしずねぇが凄く可愛いんだもん」
「か、やんっ……可愛いって、やぁんっ……そんな、やっ……嘘ぉっ……」
 顔を真っ赤にしながら否定する。
「ホント、滅茶苦茶可愛いよ」
 神治は、憧れの従姉が自分の下で可愛らしく悶える姿に興奮しながら、腰を激しく動かしていくのだった。












あとがき

 ようやく若いお姉さんの登場です(笑)
 これまで熟女ばかりでまさに肉欲といった感じでしたが、今回は憧れの従姉が相手という事で、違った興奮が楽しめたと思います。
 特に私はカッコいいお姉さんが好きで、そういった女性が自分に対してだけ甘えてくるのに弱いんですよ。
 普段とのギャップがいいんですな。
「文武両道じゃなきゃ嫁にならない」と言っていたのに、セックスでメロメロになっちゃうのは違うような気もするんですが、そこはそれ、セックスを大事にする一族ってことでご了承下さい。
 勉強やスポーツよりもセックスの上手い男の方が素晴らしいってことですな。
 いや、何とも凄い世界だわ(笑)
 まあ、実際自分を一番気持ち良くしてくれる存在なわけですから、そうなってもおかしくはないと思いますけどね。
(2004.7.20)



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