GIII が我が家にやってきました。 むやみにカメラを増やさず手持ちの機種で楽しもうと考えてたところだったのに。 ■ まずは状態チェック 電池蓋が割れてます。 (割れた破片有り) マニュアルではシャッターはちゃんと切れますし、絞りも OK。 ファインダーは… 2重像はおろか全ての景色が真っ白け、まるで曇りガラス越しの景色のよう。 ■ 作業開始 電池蓋は接着剤で接着し、薄いプラ板で裏打ちしときました。 強度的に一抹の不安はありますがとりあえずは大丈夫そうです。 続いて 代用電池 を入れてオート動作検証。 ありゃ、動かないですね。 底蓋を外してハンダの腐食を見てみるが、見える範囲では問題なし。 とりあえず電池室横の小さな基盤周りを綿棒で拭いて電池も何度か入れなおす。 すると、あ〜ら不思議。 メーターが無事動き出しました。 どこかの接触に問題があった様です。 続いてトップカバーご開帳。 巻上げレバー部にカニ目がないのは QL19 同様です。 このカバー、バッテリーチェック等が付いているのにリード線で本体と繋がっていません。 メンテナンスはやりやすいですが、接触はちょっと不安ですね さて、ファインダーブロックのカバーを外してびっくり、 なんと曇ってる部分はハーフミラーの蒸着面のみ! しかもクリーナーで拭いても拭いても、それが乾くとまた曇る。 何度やっても曇ってくるので結局またハーフミラーフィルムのお世話になっちゃいました。 何故か2重像が3重像になってしまいピント微調整が難しくなっちゃいました ■ レンズ バルブを使ってレンズをチェックしてみる。 カビやホコリがあちこちに見えます。 まずは外周カニ目を外してレンズ名盤リングと ISO 調整リングを外す。 続いてレンズのカニ目を外すと1枚目のレンズが外れました。 残りの前玉を外そうとして… あれっ? カニ目が入らない。 なんと隙間が狭すぎて工具が上手く入りません。 ゴムを使って回そうとしましたが硬すぎてびくともしません。 何か技がある筈と考えて調査してみると、最初にレンズ群がセットで外れれば問題なし。 もし1枚目のみが外れた場合は隙間に入るよう工具等を加工する必要があるとの情報を入手。 やれやれ、思いっきり大変な方の状況になってしまいました。 ちなみにキャノンでは、これ用の工具があったようです。 絵を見る限り直径 31.3mm 肉厚 1mm のパイプに 0.8mm のカニ目用突起の付いたものです。 簡単に取れそうな汚れなんですけどね〜 とりあえず、一旦ドロップアウトです。 ■ 嘘つき ドロップアウトとか言いながら、 こんな工具を作ってみました。 32mm のパイプを削ってます。 しかし、材質が鉄だったせいで工具の方が曲がちゃいました。 ここでまたまた諦めたんですが… 数日後、酔った勢いでしつこく再々チェレンジ。 カニ目は傷だらけになりましたが今度こそ前レンズ群が外れました! これですんなり上手くいけば良いんですが、実は後部レンズ前面カビが最もひどい事が判明。 こっちもカニ目が奥まってて、またまた工具が届かない。 トホホですな。 こちらもラジオペンチを加工し自作工具を作成し… またまたカニ目に傷をつけちゃいました。 しかも、これだけやってもレンズには汚れが残ったまま。 カビキラーに漬込んでやりたい気分です。 (笑) ■ 面白装備 後姿です。 1 はバッテリーチェック。 2 はフィルム確認窓。 <-- フィルムが入っていると巻上げ時に動く 3 はシャッターチャージ確認窓。 <-- チャージされると赤表示 色々付いてますね、便利な様な、大きなお世話の様な… ■ おまけ ふと気が付いたんだけど、巻止めが効かない時と効く時とがある。 怪しい部分の汚れを取って軽く注油しても現象は再現される。 しばし観察し気が付いた巻止めが効くときと効かない時との違い。 ・裏蓋が開いている時は巻止めは効かない。 ・裏蓋を閉めてからから3回は巻止めが効かない。 ・裏蓋を閉めてから4回目以降は巻止めが効く。 これってちょうど裏蓋開けてフィルムを交換しカウンターが1になるタイミングです。 という事は不具合じゃなくてフィルム装填を楽にする為の仕様ですね。 さらに気が付いた事。 オートで動作中、露出計は開放値を示していても実際の絞りはほんの少し絞られる。 マニュアルで開放に設定した時はそんな事ないんですけどね。 撮影にはたいして影響ないんでしょうけど不思議です。 ■ 試写 コダクロームを使って贅沢な試写としゃれこんでみました。 カメラ屋に持っていったら、 「特殊現像になるので上がりの日時は不明です」 との事。 で現像のためだけに、このフィルムは東京まで旅立っていきました。 地方は辛いのう。 |