またまた、ジャンクコーナーでキヤノンの金属製カメラを発見! キヤノネットQL19です。 ■ まずは状態チェック 外観は結構綺麗。 レンズキャップに皮製ケース(別売り \300 でした)もある。 長年使われる事なく、押入れからここ(ジャンク籠)に直行してしまったんでしょうか? 巻上げはできますが、シャッターが切れません。 レンズは少々カビがきてます。 電池が無いのでオート動作検証はできませんが、大丈夫とたかをくくって購入。 ■ 電池 電池蓋を開けてみます。 液漏れの痕跡も腐食もなし。 ちなみに電池は MR9 (水銀電池)を使用するようです。 ハイマチック7s 同様 VARTA のアルカリ電池で代用します。 絞りを AUTO に設定しファインダーを覗いて見ると、絞り指針が明暗に応じてちゃんと振れます。 ほっ、これなら無事に直りそう。 ■ まずはトップカバー トップカバーはごく普通に外れます。 ただし、巻上げレバー部にカニ目がないのでゴム等を当てて回す必要があります。 金属製のファインダーカバーを外し綿棒で洗浄。 これでファインダーは見違えるほど綺麗になる。 が、綺麗になると今度は2重像が縦横に激しくズレている事が判明。 小さいミラーの後ろのネジで縦調整。 その台座横のネジで横調整ができることを発見。 後ろ側の丸いネジ、アクセサリーシューのカバーを外せばトップカバーを開けなくても調整可能 ■ いよいよシャッター 前から攻めていきます。 まずは一番外周のカニ目を外す。 これでレンズ銘盤等が取れる。 前玉を外し、マイナスネジ3本を外して CDS の載った部品を外す。 (断線注意!) さらに、その下の金属製の丸い板を外す。 この辺りで、1mm 程度の小さな金属球がポロリと出てきます。 なくさないように注意してください。 金属製の丸い板(真鍮製の板バネの下)に付くパーツだと思います。 サークリップを外し、シャッター速度調整リングを外せばいよいよシャッターにご対面です。 チャージ部付近に少量のグリスの様な油汚れが付いていたので清掃。 ごく少量のジッポオイルをこの付近に注して様子を見る。 更にシャッター羽根にジッポオイルをごく少量垂らして綿棒で清掃を繰り返す。 これを繰り返すうち、ゆっくりとシャッターが動き始める。 やったねカトちゃん! 最後にシャッターの各軸受けに、ごく少量の注油をして作業完了。 禁じ手! ジッポオイルやベンジン等はヘリコイド部にかからないように。 シャッターへの注油は極々少量に。 CRC プシュ〜は厳禁。 レンズもこのタイミングでクリーナーを使って拭いてやると無事綺麗になる。 ■ いじくり倒して気づいたこと 絞り羽根ですが、絞る側へはいつでも動きます。 しかし開く側へはリングを動かしても、絞り羽根が開く時と、開かない時とがあります。 違いは、シャッターチャージの有無。 羽根が設定よりも閉じた状態の時はチャージ動作と同時に設定値に合わせて羽根が開きます。 逆にチャージ済の時は、常に設定に応じて開閉します。 (絞り羽根の動作検証する時はシャッターチャージしてから見るといいかも) シャッター速度をスロー側に設定する時、それ以上進めないようロックが掛かる場所がある。 例えば、ISO100 に設定すると 1/2 秒でロックが掛かる。 これが、ISO800 に設定すると 1/15秒でロックが掛かる。 これは内蔵露出計の測光範囲が EV2.5〜19 らしいので範囲外だって事なんでしょう、多分。 開放 F1.9 で 1/2 秒なら EV3 の範囲内 ところが F1.9 で 1秒になると EV2 となり範囲外となる (ISO100時) ※ F1.9 は F2 と読み替えてね。 ちなみに鏡胴横のレバーを押しながら回せばロックは解除できます。 そして名前の由来でもある QL (Quick Loading) システム。 フィルムを入れ、その端をマークに合わせて、裏蓋を閉じる。 あとは巻上げレバーを使って巻き上げればフィルムが勝手に装填されるシステム。 確かに簡単ですが、フィルムの装填ってそんなに難しいことなのかな〜 特に失敗した記憶がないんだけど。 キヤノンカメラミュージアム によるとフィルム感度使用域 = ISO 25〜400 となっています。 が、今回入手したこのカメラでは ISO800 までいけます。 初期型 同様マイナーチェンジでもあったのかな? ■ 追記 急に使いたくなって持ち出す。 外れなく堅実に働く真面目なカメラといった感じでしょうか。 |