Last Update 28-JUL-2002
キヤノン キヤノネットQL19
CANONET QL19
Canon Canonet QL19

おことわり
以下はあくまでも聞きかじりの素人仕事です。
はっきり言って、たまたま動いてラッキーだったというレベルです。
間違っても高価なお手持ちのカメラで真似などしないように...

またまた、ジャンクコーナーでキヤノンの金属製カメラを発見!
キヤノネットQL19です。
兄弟仲良く
まずは状態チェック
外観は結構綺麗。
レンズキャップに皮製ケース(別売り \300 でした)もある。
長年使われる事なく、押入れからここ(ジャンク籠)に直行してしまったんでしょうか?

巻上げはできますが、シャッターが切れません。
レンズは少々カビがきてます。
電池が無いのでオート動作検証はできませんが、大丈夫とたかをくくって購入。


電池
電池蓋を開けてみます。
液漏れの痕跡も腐食もなし。
ちなみに電池は MR9 (水銀電池)を使用するようです。
ハイマチック7s 同様 VARTA のアルカリ電池で代用します。
絞りを AUTO に設定しファインダーを覗いて見ると、絞り指針が明暗に応じてちゃんと振れます。
ほっ、これなら無事に直りそう。
電池室


まずはトップカバー
トップカバーはごく普通に外れます。
ただし、巻上げレバー部にカニ目がないのでゴム等を当てて回す必要があります。
金属製のファインダーカバーを外し綿棒で洗浄。
これでファインダーは見違えるほど綺麗になる。
が、綺麗になると今度は2重像が縦横に激しくズレている事が判明。
小さいミラーの後ろのネジで縦調整。
その台座横のネジで横調整ができることを発見。
ファインダー
後ろ側の丸いネジ、アクセサリーシューのカバーを外せばトップカバーを開けなくても調整可能


いよいよシャッター
前から攻めていきます。
まずは一番外周のカニ目を外す。
これでレンズ銘盤等が取れる。
前玉を外し、マイナスネジ3本を外して CDS の載った部品を外す。 (断線注意!)
さらに、その下の金属製の丸い板を外す。

この辺りで、1mm 程度の小さな金属球がポロリと出てきます。
なくさないように注意してください。
金属製の丸い板(真鍮製の板バネの下)に付くパーツだと思います。

サークリップを外し、シャッター速度調整リングを外せばいよいよシャッターにご対面です。
分解途中
チャージ部付近に少量のグリスの様な油汚れが付いていたので清掃。
ごく少量のジッポオイルをこの付近に注して様子を見る。
更にシャッター羽根にジッポオイルをごく少量垂らして綿棒で清掃を繰り返す。
これを繰り返すうち、ゆっくりとシャッターが動き始める。  やったねカトちゃん!
最後にシャッターの各軸受けに、ごく少量の注油をして作業完了。

禁じ手!
ジッポオイルやベンジン等はヘリコイド部にかからないように。
シャッターへの注油は極々少量に。
CRC プシュ〜は厳禁。

レンズもこのタイミングでクリーナーを使って拭いてやると無事綺麗になる。


いじくり倒して気づいたこと
絞り羽根ですが、絞る側へはいつでも動きます。
しかし開く側へはリングを動かしても、絞り羽根が開く時と、開かない時とがあります。
違いは、シャッターチャージの有無。
羽根が設定よりも閉じた状態の時はチャージ動作と同時に設定値に合わせて羽根が開きます。
逆にチャージ済の時は、常に設定に応じて開閉します。
(絞り羽根の動作検証する時はシャッターチャージしてから見るといいかも)

シャッター速度をスロー側に設定する時、それ以上進めないようロックが掛かる場所がある。
例えば、ISO100 に設定すると 1/2 秒でロックが掛かる。
これが、ISO800 に設定すると 1/15秒でロックが掛かる。
これは内蔵露出計の測光範囲が EV2.5〜19 らしいので範囲外だって事なんでしょう、多分。

開放 F1.9 で 1/2 秒なら EV3 の範囲内
ところが F1.9 で 1秒になると EV2 となり範囲外となる (ISO100時)
※ F1.9 は F2 と読み替えてね。

ちなみに鏡胴横のレバーを押しながら回せばロックは解除できます。

そして名前の由来でもある QL (Quick Loading) システム。
フィルムを入れ、その端をマークに合わせて、裏蓋を閉じる。
あとは巻上げレバーを使って巻き上げればフィルムが勝手に装填されるシステム。
確かに簡単ですが、フィルムの装填ってそんなに難しいことなのかな〜
特に失敗した記憶がないんだけど。
クイック・ローディング
キヤノンカメラミュージアム によるとフィルム感度使用域 = ISO 25〜400 となっています。
が、今回入手したこのカメラでは ISO800 までいけます。
初期型 同様マイナーチェンジでもあったのかな?


追記
急に使いたくなって持ち出す。
試写
ILFORD PAN F Plus D-76 (1:1)
外れなく堅実に働く真面目なカメラといった感じでしょうか。

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