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確定申告をすると源泉徴収された税金が還付される場合があります



 特定口座「源泉徴収あり」を選択している場合では、確定申告をしなくてもよいのですが、「譲渡損失の繰越控除」がある人は、税負担が少なくなる場合があります。
 しかし、確定申告をすると、株式譲渡益が合計所得金額に加算されるので、配偶者控除を受けられなくなる、各種所得控除への影響、国民健康保険料が高くなることがありますので、総合的に判断する必要があります

 住民税では、株式譲渡益を申告した場合には分離課税されます。源泉徴収済みでも、申告すれば、源泉徴収額を所得割額から控除され、その際に、もし控除しきれなかった場合には、控除不足額として還付されます。株式譲渡所得以外に所得がなく所得控除しきれない場合や、譲渡損失の繰越控除がある場合に、還付となる可能性が高いですが、住民税が還付されても、国民健康保険が高くなることもあるので、やはり、きちんと計算すべきです。

 また、「複数証券会社の損益通算」、「譲渡損失の繰越控除」も考慮せねばなりませんので、各個人の条件で、申告すべきか税額を計算することが必要でしょう。
・複数の証券会社で口座を持ち、利益となった口座と損失となった口座がある場合は、確定申告すれば還付金がもらえます。
・「譲渡損失の繰越控除」を利用するためには、源泉徴収あり・なしにかかわらず、確定申告をする必要があります。

源泉徴収税率
 平成20年12月末までの間の税率は10%(所得税7%、住民税3%)です

平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間(2年間)特例措置
 上場株式や公募株式投資信託の譲渡所得金額のうち500万円以下の部分については、現行税率と同様に7%(住民税と合わせて10%)とされます。 500万円を超えた部分に対しては、所得税15%(住民税と合わせて20%)となります。そして、500万円を超えると、必ず確定申告をしなければならなくなります。
平成20年度税制改正の要綱
 
 500万円を超えたら確定申告となるということで、もし1円だけ超えたらどう なるかといえば、後述するAさんの計算例から分かるように、約30万円(Aさんの場合)も税が高くなってしまいます。

特定口座は、源泉徴収あり・なし どちらを選ぶべきか

 私は源泉徴収ありが良いと思います。その年の損益から、確定申告が有利か、源泉徴収のままが有利かを試算して、もし確定申告が有利なら、源泉徴収ありの場合でも確定申告をすることができます。
 ただし、「源泉徴収なし」にしておけば、源泉徴収される資金を、3月15日までの間、投資に回すことができるので、投資資金が少ない場合には、有利かもしれません。

 特定口座の源泉徴収「なし」から「あり」への変更は、各年の最初の売却を行うまで可能な証券会社もありますが、前年末までに変更届けを提出しなければならない証券会社もあります。特定口座は、受渡日ベースで管理されるので、年末(大納会)の3営業日前より後の売却は翌年の受け渡しとなります。売却後に当年の変更を行うことはできませんので注意してください。源泉徴収「なし」から「あり」に変更する場合は、「特定口座源泉徴収選択届出書」を証券会社に提出します。11月頃から受け付ける証券会社が多いようです。
例えば、2007年分源泉徴収区分の「なし」から「あり」への変更は、
・松井証券:11月1日より受付開始。最初の約定まで変更可能
・立花証券:11月4日より12月22日まで。年度途中の変更は原則できない
・マネックス証券:最初の約定までに変更することができる
 特定口座の源泉徴収「あり」から「なし」への変更は、随時受け付けている証券会社が多いようです。

確定申告をしたほうが有利か試算

 ここでは、株収入だけの人の場合を例にして計算してみます。株収入が500万円の場合で計算 しましたが、この500万円という数字は、平成21年のカギです。
 なお、控除項目が多数あると所得税・住民税の計算はたいへんなので、国税庁などのサイトが無料なので、利用したらいいでしょう。

所得税
国税庁:確定申告書等作成コーナー
 株式の譲渡所得がある人は、「分離課税の申告書」を選びます。途中で「簡易申告口座」という言葉がでてきますが、これは特定口座で「源泉徴収なし」のことです。

単身世帯Aさんの計算例
収入は源泉徴収なしの株式譲渡所得 500万円
国民年金 14万円、国民健康保険 40万円、生命保険料 10万円とします。

所得控除額は、国民年金と国民健康保険が全額控除となるので社会保険料控除54万円、生命保険料控除は5万円、基礎控除は38万円で、控除合計が97万円となります。

収入は株式譲渡所得だけなので、控除額97万円は株式譲渡所得から控除となり、課税対象となる株式譲渡所得は500-97=403万円。株式譲渡所得の税率は、7%なので、所得税は403×0.07=28.21万円となります。

源泉徴収ありの場合の所得税は、500*0.07=35万円なので、約7万円少なくなりましたね。

住民税
株式会社インテック 税額シミュレーション
 (住民税の計算は北海道庁のものもありますが、株式譲渡所得が計算できません)

株式譲渡所得を申告する人は、「複数の収入がある方」を選びます。
メニューの「分離課税」をクリックすると、「あなたの分離課税収入金額を入力してください」という入力画面になり、その画面の下のほうに「株式等の譲渡」という欄がありますから、スクロールで下のほうに移動します。株式の譲渡収入と必要経費を入力したら、「所得控除」メニューをクリックし、社会保険料控除などを入力し、全て入力が終わったら、画面下のほうにある黄色いボタン「税額計算」をクリックします。

所得税の計算と同じようにAさんの場合で順を追って計算してみると、
所得控除額は、国民年金と国民健康保険が全額控除となるので社会保険料控除54万円、生命保険料控除は3.5万円、基礎控除は33万円で、控除合計が90.5万円となります。

収入は株式譲渡所得だけなので、控除額90.5万円は株式譲渡所得から控除となり、課税対象となる株式譲渡所得は500-90.5=409.5万円。株式譲渡所得の住民税率は、3%なので、住民税の所得割は409.5×0.03=12.285万円となります。

住民税には均等割という一律の税もあり、これが0.4万円。

所得割12.285万円と均等割0.4万円を足すと、12.685万円で、100円未満を切り捨てて、住民税は12.68万円となります。

源泉徴収ありの場合の住民税は、500*0.03=15万円なので、約2万円少なくなりましたね。

国民健康保険税
 国民健康保険制度は、自治体ごとに運営され、税率も自治体ごとに異なり、また、算定方式も複数あります。そこで、最も多くの自治体に採用されている「旧ただし書」方式で計算し、税率は私の住んでいる吉井町の場合とします。再びAさんの場合の例で計算してみましょう。

「旧ただし書」方式では、控除は、なんと基礎控除33万円だけしかありません。

課税対象となる所得は、株式譲渡所得500万円-基礎控除33万円=467万円。

所得割率 7.7%なので、所得割 467×0.077=35.959万円
均等割は、単身世帯なので、2.5万円。
平等割が、一律 2.3万円。

健康保険税の合計 35.959+2.5+2.3=40.759万円

もし、源泉徴収にしていれば、所得割がゼロになり、低所得ということで、均等割・平等割は6割減額されて、合計1.92万円だけです。

Aさんの場合まとめ
 源泉徴収なしとありの場合を比べると、なしの場合は所得税と住民税で約9万円安くなりますが、健康保険税がなんと39万円も高くなり、結局、30万円も違うことになりました。ちなみに、40歳以上の人は、介護保険料も払わなければなりません。

源泉なし確定申告の場合
 所得税28.21万円、住民税12.68万円、国民健康保険税40.759万円
 合計 81.649万円

源泉ありで確定申告なしの場合
 所得税35万円、住民税15万円、国民健康保険税1.92万円
 合計 51.92万円

介護保険料
 私の住んでいる吉井町として、Aさんの場合を計算すると、
所得割率 1.3%なので、所得割 467×0.013=6.071万円
均等割は、1.2万円。
合計6.27万円

(以下の計算は、古い部分があります)
平成18年所得税、平成19年度住民税・国民健康保険料について、確定申告をしたほうが有利なのか次の条件で試算しました。

主な収入が株で譲渡益480万円、副業でアフィリエイトなどの事業をして利益100万円とし、40歳未満の単身者、東京在住を想定しています。
 なお、自分で計算する場合は、次のようなサイトやソフトが参考になります。

 想定した条件では、平成18年は源泉徴収のほうが17万円安くなりました。しかし、株式の譲渡益課税が20%に倍増することが予定されている平成20年では、逆に確定申告のほうが28万円安くなるという試算結果となりました。譲渡益課税の率の影響が大きいですね。
平成18年を想定
確定申告の場合 源泉徴収の場合
株の譲渡益 480 480
事業所得 100 100
国民年金 16 16
国民健康保険料 32 8
生命保険料控除 5 5
単身世帯 基礎控除 38 38
所得税 31 3
株の源泉徴収税額 0 48
住民税 15 2
国民健康保険料 32 8
税・保険料合計 78 61

平成20年を想定(定率減税廃止、源泉徴収20%)
確定申告の場合 源泉徴収の場合
株の譲渡益 480 480
事業所得 100 100
国民年金 16 16
国民健康保険料 32 8
生命保険料控除 5 5
単身世帯 基礎控除 38 38
所得税 34 3
株の源泉徴収税額 0 96
住民税 15 2
国民健康保険料 32 8
税・保険料合計 81 109

※このページを書いた著者は、素人ですので、間違い等があるかもしれませんので、必ずご自身で確認してください。