株・デイトレードで生活する方法

読んではみたものの・・・という本

実践 日柄の研究 株式投資実践シリーズ
四方田 勝久 著、2003年8月初版
 株価が周期的に変化するということは、チャートを見れば、誰でも感じることだと思います。テクニカル分析の本を読んでも、日柄分析について書かれているものは少ないので、参考になると思います。
 この本には、著者が分析した日経平均の株価が変化した日が記載されており、それを見ると、「よく当たっている」と感じ、その後に書かれていた日柄分析の仕方や一目均衡表の解釈と解説については、興味を持って読むことができました。
 プロが好んで使うという一目均衡表については、先行線や遅行線を26日先行させたり、遅行させたりするのが、なぜ26日なのか、疑問に思っていたのですが、この本を読んで、なんとなく分かったような気がしました。
 この本は、デイトレード向きではなく、スイングトレード向きだと思います。なお、付属のCD-ROMにソフトウェアが付いており、日柄分析を試してみることができます。

株式投資これだけ心得帖
東保 裕之 著、2004年2月初版
 株式投資の入門者向けにお勧めできる本だと思いました。本のタイトルのとおり、簡潔にまとめられており、1時間程度で読める分量です。投資の心構え、売買テクニック、テクニカル分析の知識、危機回避などが分かりやすく真面目に書かれています。4コマ漫画も載っていますが、本の内容は常識的で、変なことは書いてありません。デイトレードとか長期投資など自分のスタイルをまだつかんでいない人は、こうした素直な本を読むとよいと思います。株式経験が浅い人向けの本。

機関投資家に学ぶ デイトレーダーをカモにする株式投資戦略
 中丸 友一郎 著、2005年12月
私の評価:デイトレーダーには読む価値のない本、バリュー投資家向けにはもっと良い本があると思う
感想
 タイトル「デイトレーダーをカモにする」と内容には、あまり関係がない。最近、デイトレードが流行しているので、エコノミストの著者は警鐘のつもりで注意を惹きたかったのだろう。デイトレーダーは、株式市場のノイズ(雑音)で、パニックになりやすい躁うつ病的だと切って捨てているので、反発を感じる人もいるだろう。
 機関投資家はノイズトレーダーが作り出す本質的な価値との乖離を利用するか、先回りして買い、ノイズトレーダーを誘発するという。そう書いてあるものの一般論止まりだ。具体的にどうカモにするのか、書いていないのは、それこそタイトルを信じて買った人をカモにしている。
 内容の7割くらいは、よくある内容の焼き直しで、引用ばかりだ。私は有名な長期投資家たちの本、ウィリアム・オニール、バフェット、ベンジャミン・グレアムら著書も何冊か読んだが、そちらのほうが数倍良かった。著者の中丸氏の実体験が書かれていないので、心に響いてこない。投資家ではなく、エコノミスト、批評家という立場なのだ。著者は、モルガン、リーマンなど有名どころのエコノミストを経験し、現在は、ヘッジファンド会社を設立しているようだが。。。
 「スマートマネーの資産倍増計画」、「我慢しきれない人のためのスマートマネー式短期投機法」という章もあるが、まるで教科書のような書き方で、とりあえず網羅して書いたという印象であり、これなら他の専門書を読んだほうが良いだろう。(2006/6/26記)

本当にバカ儲けした12人のオリジナル株投資
内容:デイトレードから中長期投資まで勝ち組12人のオリジナル株投資を紹介。6勝4敗で勝つデイトレード、短期売買の達人が明かす掲示板の意外な活用法、中長期投資の心構えなど

・1年半で100万円が4400万円に膨らんだ相場の波に乗る「株ライダー」さんの場合
 朝イチの値上がり率ランキングで出来高が多い銘柄を選ぶ。厚い売り板が次々と消えていくような時に便乗して買う。他の絶好の買いのタイミングは、5分足チャートで25分線が125分線を下から抜くゴールデンクロス。利益確定は3%以上、損切りは2%。
 日出コメント:私は当日ランキングのチェックは面倒なのでしていませんが、大儲けしている人は当日ランキングのチェックをしていることが多いようですね。5分足チャートのクロスは、私は気にしていなかったのですが、あらためてチャートを見れば、結構、有効な気がします

他にも、
・確実に板を読みきるミニッツトレードで500万円を荒稼ぎした人
・大口投資家の心理を解読。資産を半年で6倍にしたクールなデイトレーダー
・生活費は株で稼ぐ。女流投資家が考えた安全第一のデイトレード
など様々な人が紹介されていて、気楽に読める本です。

[2006/2記]

株で確実に儲かる唯一の方法 塩づけなし現物取引&追証なし信用取引
長谷川 慶太郎 , 楠 大史 著、2004年
 「株で確実に儲かる唯一の方法」というタイトルに惹かれました。株で儲けるには、損切りが必要である。しかし、個人投資家は、自分では損切りをうまくできない。だから、自動的に損切りしてくれる「塩づけなし現物取引」という新しいシステムを、楠氏は作り、評判が良いという。
 なお、著者の一人は国際エコノミストで有名な長谷川慶太郎氏。長谷川氏の書いた部分についてのコメントを書くと、長谷川氏は、「投資に成功する3条件」として、元金、情報、決断力を挙げています。情報(銘柄選別の基準)は、キャッシュフロー、技術の研究開発投資、従業員の平均年齢を検討すること。四季報は、ぼろぼろになるまで読みなさいと書いてあります。また、長谷川氏の得意な経済・・・勝ち組企業を見抜くポイント、世界経済の行方などが多く書かれています。ファンダメンタル分析が好きな人にはいいかもしれませんが、私はテクニカル派なので、いまひとつ。
 私の意見としては、損切りの重要性は、私も同感です。ですが、自分自身で損切りをすることに意味があると思うのです。損切りをすることの辛さを味わってこそ上達するのではないでしょうか。損失を管理できるから、利益も管理できる、と私は思っています。
 読み終わって、自分の会社のシステムの宣伝といった感じを受けました。なお、楠氏の株の成績は、トータルでは確実に負けていると自ら書いています(164ページ)。

デイ・トレーダー
馬渕一著、1999年10月初版
 1997年に米国株デイトレードを開始した著者のトレード記録やデイトレードの基本テクニック(上昇気流に飛び乗れ、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析、など)、デイトレーダーの心得。デイトレーダーを養成する会社をやっているだけあって、読みやすい文章であり、気楽に読めます。しかし、1999年発行ということで、当時としては先端だったでろう、衛星通信、専用線、専用ソフトウェアを完備したトレードセンターで行うデイトレードの実態も古いものになっているのでは。

株で毎日を優雅に暮らす法 私は毎月10%儲けている
秋津学 著、2001年1月初版
 突っ込みでの買い、天井での売り、なども紹介されている

株のトレーディング教室 3カ月でマスターする投資技術の基本
三木 彰 著、2002年8月初版
 トレーディングとは1,2ヶ月〜数週間の期間の売買で、安く買って高く売るというキャピタルゲインを狙うもの。「株・失敗の本質」など陥りやすい心理的な面の説明、株の需給を基にした売買のノウハウなど分かりやすく、実践的である。ただ、初歩的な用語知識がないと読むのは難しい。著者は投資技術コンサルタント会社を経営している。
 底値圏の出来高が教えるチャンス、資金管理の大前提「株は持つな」、株価の寿命、など

長谷川式投資法ならあなたも株で生活できる 下落相場でも月100万円稼ぐ
長谷川雅一 著、2001年2月初版
 著者は株取引歴1年の方で、下落相場でのカラ売りが当たったので、この本を書いたというような感じを受けました。ちょっと読んで、違和感があったので、流し読みしました。
 本の最初のほうで紹介している「ギャップダウン利用で荒稼ぎ」という例では、カラ売りをした翌日にギャップダウンをしていました。他の本では、ギャップダウンの利用とは、ギャップダウンが発生してから、売買するのに、この本ではそうではないのです。カラ売りをした翌日にギャップが発生したのだからホールドすればいいのに、著者は返済してしまいましたが、その後、株価は下がり続けたのです。うまく利用すれば何倍も儲けられたのに。。
 著者のHPを見ると、著者は会社を作り、トレード教室を開催したり、投資用テクニカルソフトを販売したりしているようなので、本業はトレードではないのだろうと想像しました。

株・買いとカラ売りで年2倍儲ける私の秘密
細川 玖仁彦 著、2002年3月初版
 著者が編み出した1年後の株価を算出して株価の目標値が2倍以上になる銘柄を見つける「ファンダメンタルズ投資2倍法」と「テクニカル投資4割法」というカラ売り手法を紹介しています。著者は、1969年から株売買を始めましたが、バブルの崩壊で資金が1/3に減少し、更に某ケイ線でも大損しましたが、1998年12月に「ファンダメンタルズ投資2倍法」を確立し、「株・失敗続きの私が年2倍儲けるまで」を出版。前著で推薦した銘柄は日経平均が半分になっている状況でも、半分が上昇していました。
 「ファンダメンタルズ投資2倍法」は、1株利益、前期営業利益、など9つのデータを利用して、1年先の目標株価を算出するというものです。単純な計算方法なので簡単に計算できます。もし、本当に1年後に2倍になることが分かるなら、既に大勢の人がやっているはずであり、その方法の価値は既になくなっていると考えるのが私は普通だと思います。具体例を示していますが、同じ時期の予想なのに、市況が悪いからといって6掛けしていたりするので、自分の都合のいい例を紹介しているだけではないかという疑問も感じます。
 著者は、「カラ売りは遊び半分でやっている」と書いているように、自分の売買実績を自慢半分で紹介している感じを受けます。「テクニカル投資4割法」の説明では、「13/26週デッドクロスで乖離がプラス15%以上の時にカラ売りするという」などという簡単なものであり、説明は不十分なうえに、「テクニカル分析がこの本の主目的ではない」と書いていますが、本の題名にカラ売りという言葉を使っているのですから、もっと説明すべきだと感じました。
 著者は、天底が分かり8割以上の的中率と宣伝している高価な某罫線を買って大損した経験や読者の失敗例から、某罫線分析では儲からないと書いています。しかし、テクニカル分析(移動平均線)は、ゴールデンクロス・デッドクロスともに利用すれば儲けられると書いていますが、ファンダメンタルズ投資と相反する投資ではないかと私は感じます。
 全体として分かりにくく、主観的であり、客観的な検証が不十分で、あれこれ書かかれていますが著者の売買方法、特にカラ売りは感情で行っている印象を感じます。ファンダメンタルズ投資はたまたま当たったのではないかという疑問も残りました。仕手株はカラ売りするなと書いているのに、仕手性の株を手がけたりしていて。。。

株の自宅取引で年収を増やし続けている私の方法
間地秀三著、2002年2月初版
 株を始めてやる人のネット取引入門書といった感じの本です。チャートによる売買を薦めています。毎日午後2時45分以降に、その日のローソク足を予想して、買いサインが出ていたら買い、売りサインが出ていたら売るという手法です。
著者は、バブル期には大儲けしたが、バブル崩壊により借金まで背負ってしまう。その後、著作を本業として借金を返済。そして、投資方法を見直し、自宅の株取引で小遣い稼ぎができるようになったといいます。ですから、年収を増やし続けているというよりは、小遣い稼ぎができるようになった方法というべきでしょうか。

当たり屋北浜流一郎のこの株で儲ける−日本再生相場が始まる!!−
北浜流一郎 著、2002年4月出版
 ちょっと検証しただけですのではっきりと言えませんが、当たるもののあれば外れるものもあるということですね。
さらばNTT株:45.3万が5月には55.5万に上昇するも1年後には40万に低迷→予想○
ワールドカップ相場
 オプテックス(6914):1600円から2400円に上昇→予想○
 日本航空(9201):JASと統合
 全日空(9202):360円が230円に下落→予想×
ITミニバブルが始まる ハイテク銘柄
 ミツミ電機(6767):2200円が1年後に1000円に暴落→予想×
 セーラー万年筆(7992):380円が1年後に210円、2003年8月には500円→予想△
 日東電工(6988):4200円が1年後に3500円、2003年8月には5300円→予想△
円安傾向はまだまだ続く 円安メリット銘柄
 TOWA(6315):1800円が1年後に600円に暴落、2003年8月には1000円→予想×
 ミノルタ(7753):コニカと合弁
 島精機(6222):2300円が1年後に3500円、2003年8月には4500円→予想○
日本再生銘柄
 日本コロンビア(6791):150円が1年後に120円、2003年8月には130円→予想×
 藤久(9966):2003年8月東証2部上場
 マツダ(7261):380円が1年後に240円、2003年8月には300円→予想×