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TDムービング・アベレージ

 TDムービング・アベレージT(TD TD Moving Averages)とは、「デマークのチャート分析テクニック - マーケットの転換点を的確につかむ方法(原題:New Market Timing Techniques: Innovative Studies in Market Rhythm & Price Exhaustion、トーマス・デマーク:Thomas R. Demark 著)」という本に記載されている移動平均法の一種です。その特徴は、次のように書かれています。
「いったん価格の付き抜けが発生すれば合図し、トレンドを形成しない相場では取引をせずにおとなしく休眠状態を維持する能力である。潜在的にトレンドを形成する市場だけを利用するため、突き抜けとトレンドの確立の見通しが立つ場合にはすぐに作動し、相場の動きがトレンドの継続を確認できないか、取引レンジへ戻る場合にはすぐに停止する」
 移動平均線といっても、通常の移動平均線のように毎日連続したものではなく、トレンドがある場合にだけ、線が描かれるのです。そして、株価が移動平均線を突破すれば、トレンドの反転の可能性があるというのです。私は、この魅力的な言葉にひかれました。

●本に記載されている移動平均線の作り方です。
「その前の12取引日のどの安値よりも高い安値が形成されたかどうかを見極め、それが形成されたならば、安値の5日移動平均を4取引日にわたり計算する。そして、それに続く安値がその前の12取引日の安値よりも高ければ、5日移動平均の計算はその当日を含む4取引日にわたり継続される。連続した4取引日が、新しい13日の安値の高値、つまりその前の12日間すべての安値より高い安値が継続することなく終了したならば、その後、安値のTDムービング・アベレージ1は消滅する。」
 文章が難かしいですね。「それが形成されたならば、安値の5日移動平均を4取引日にわたり計算する」という部分を、私は、「その当日を含めて前の3日分計算する」と最初は勘違いしましたが、「当日を含めて3日後まで計算する」ということです。
 簡単に言うと、安値のTDムービング・アベレージ1は、上昇トレンドの場合です。描かれる線は、それ自体は、安値の5日移動平均線ですが、上昇トレンドの場合だけ描かれるので、断続的な線となります。高値のTDムービング・アベレージ1も同様に計算され、下降トレンドとなります。

●利用の仕方として、次のように書かれています
 「TDムービング・アベレージTは、他の指標と組み合わせることによって、リスクの低い適切な仕掛けを見極めることのみに役立つだけではなく、損切りの規律としても用いることができる」
 「終値が移動平均の上あるいは下にあることが、それに続く価格足の寄り付きによって確認されれば、有効な突き抜けである。」
つまり、
・他の指標と組み合わせるて仕掛ける
・移動平均を突き抜けたら、建玉を損切りする
 他の指標とは、オシレーター、トレンドライン、ブレイクアウトなどで、この本にはトム・デマーク独自の指標が多数書かれています。

 チャートを見ると、日経平均の安値の移動平均は、力強く上昇し続けています。「通常の単純5日移動平均が上昇したら買い」という単純な方法よりは、TDムービング・アベレージのほうが、適切にトレンドを捉えている感じがします。また、移動平均を突き抜けたら損切りというのも、当たっている感じがします。

水戸証券のチャートでも、同様な感じがしますが、日経平均ほどはっきりとは分からない感じです。

●自分で描くには
 TDムービング・アベレージTを描く市販のソフトはないようですので、自分で作ることになるのですが、面倒です。そこで、考えた方法ですが、安値の移動平均は、終値の移動平均とほぼ似た形になりますので、終値の移動平均を紙に印刷してから、明らかに右肩上がりになっている線の部分だけを、適当に安値のところにまで下げて写せば、だいたい似たようなものができます。

 結局のところ、「12取引日のどの安値よりも高い安値となった時には、上昇トレンドが発生した」という単純化された理解だけでも役立つような気がします。