欲望と幻想の市場 伝説の投機王リバモア
現代のトップトレーダーの多くが、読むべき本として推薦しています。自伝のような小説ですが、おもしろく読めて、しかもいたるところに、示唆に富む言葉があります。リバモアのことを知らない相場関係者はいないというほど、米国では群を抜いた知名度があります。
●この経験は多くのトレーダーが幾度となく遭遇するもので、おれは次のような法則を提示しておきたい。すなわち、相場が狭い範囲で上下する、値動きの小さい相場では、上昇にせよ下落にせよ、次の大きな動きがどうなるかを予想するのは意味がないということだ。こうした状況で大切なのは、相場をよく観察し、テープの情報から停滞の限界を把握し、その上限下限をブレイクして相場が動くまでは手仕舞いしないことを肝に銘ずることなのだ。投機家たるもの、相場から稼ぐことに集中すべきであって、テープの情報が自分の判断に合致しないことに拘るべきではない。もしそうなっても、その理由を問う必要はない。相場を事後に評価し分析したところで、そこからは、何ら収入は得られないのだから。(139ページより)
コメント:私も、このような経験は何度もあります。もみあっている時は、利益確定も損切りも素早くすること。方向性がでてきたら、我慢して、保持すること。なにより、リバモアも言うように、意味のない上下動では、手を出さないことが重要です。「ちょっと上がったから買う。でも、すぐに下がる」ではなくて、「下限で買って、上限で売る」。もっといいのが、「上限を超えたら買うこと」。上限を超えて高いと思って買いにくくても、さらに高く売れればいいのです。でも、これは、なかなかできません。安く買いたいのが人情だし、高くなったら売りたくなるのは、当たり前ですからね。「トレンドについて行く」ことを、常に心がけたいものです。自分の予想が外れたら、損切りすること。損切りに理由はありません。さらに下がったら、売るに売れなくなり、健康に悪いだけですからね。なお、「テープ」というのは、「チャート」と読み替えていいでしょう。
●綿花では損が明らかだったのに損切らず、小麦では益が見込めたのに手仕舞ってしまった。まったく愚かな行動だった。投機でナンピンすることほど愚かな振舞いはない。損が明らかな時には損切り、利益が見込める時には利食わないのが鉄則だ。そんなことは百も承知だったはずだ(169ページより)
コメント:私は、ナンピンを重ねて百万円の損失を出してから、ナンピンはしないと決めました。その後、損切りも素早くできるようになりました。でも利益を伸ばすのは、難しいですね。利益を伸ばすことは、トレンドに乗るということ。トレンドに逆方向のポジションでは、短期では小さな利益しか望めないのです。考えてみれば、私は小さな利益も追っかけすぎているようです。
●相場で生計を立てていくつもりであれば、自分を、自分の判断を信じなければならない。この信条ゆえにおれは他人の情報を信用しないのだ。他人の情報によって株を買ったなら、売る時もその情報に従わねばなるまい。(途中略す) 他人の言葉に従っている限り、大金を手にすることなどかなうわけがない。経験から言って、自分の判断力に勝る武器はない(37ページ)
コメント:私は、正直に言って、この先ずっと株売買で生計を立てられるか、不安です。でも、自分を信じるしかない。自分を信じないでトレードしていたら、気が変になってしまいそうになります。私のデイトレードは、地味です。華々しく活躍している人とは違うようですが、いきなり、スターのマネなどできそうにないので、コツコツやっています。
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