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チチャ
・チチャ
 チチャと言えば、一般的には「中南米で飲用されているトウモロコシを醸造した酒で、アンデス高地(ペルー)で最も普及している」とされています。 パナマのクエバ地方の先住民が飲んでいたトウモロコシ酒の名称が、チチャという名称の起源です。 ところが、中南米一帯を支配していたスペイン人は、異なる地域のトウモロコシ酒や別の材料を醸造して作る酒のことも「チチャ」と言うようになったのです。

パナマのチチャ
 パナマでは、チチャといえば酒ではなくて、果物のジュースを水で薄めて、砂糖を加えたものを指しています。 果物やコメを発酵させた酒は、チチャ フエルテ(chicha fuerte)と呼ばれます。

クナ族のチチャ
 少女の成人を祝うチチャの祭りで飲まれる。少女は、出席者にチチャをふるまうことで、社会への仲間入りを乞う。 クナの伝説では、イベオルガンという神の使者が定めたというしきたりによれば、 チチャを飲むことは来世の幸福となるため、全員が酔いつぶれるほど飲まなければ少女は幸せになれないという。 (ちなみに、母系社会のクナ族には男の子には何の儀式もない) 作り方
 料理用バナナ(Platano)をつぶし、水で薄め、火にかけて、炒ったトウモロコシ粉を入れる。 冷えてから壷に移し、ふたをして2,3日待ってから、サトウキビの液を加える。 その後、様子を見ながらサトウキビ液を足して発酵させる。


「あいのり」で放送され、おいしそうと評判のチチャについて、皆様からお便りがありましたので、ご紹介します。
なお、質問内容は、次ぎのとおりです。
「チチャなどパナマや中南米の独自のお酒が飲めるような店が、日本国内にあれば教えていただければと思います。」

◆ハンドルネーム:めーと さんより

毎度ありがとうございます。メルマガ配信してもらってます。

 「チチャ」についてですが、パナマの場合、チチャといえば、果実類の 発酵酒のほかに、普通のジュースのこともチチャと呼びます。

 テレビ番組は見てないのですが、「おいしそうに」のんでいたのならば、 おそらく自転車に乗って鈴振りながら走ってる「チチャ屋」の冷えたチチ ャではないでしょうか? 
 味は、パイン、オレンジ、マンゴー、バナナなどチチャ屋によって様々 です。チチャ屋はその他に必ず「エンパナーダ」という肉詰めパイ等を売 っていて、バス停や、工事現場の前、オフィスビルの前などに朝食、昼食 にする人々が列をなします。

 アルコールのチチャはパナマでは「チチャ・フエルテ」といい、アルコ ール度数は作成者によってまちまちで強いのも、弱いのもあります。初心 者にはそれほどうまい飲み物ではありません。
原料はパイン、ナンセ、米等発酵するものならなんでもチチャの原料です。

 「チチャ・フエルテ」は日本でいう「どぶろく」であり、正規にメーカ ー販売するようなものではないので、自分でつくる以外に日本で入手する のは困難でしょう。

 中南米のお酒が飲める店、というのはラテンバー、サルサバーのほかに、 中米の人だけ集まるような店に行けば出回ってないものも飲めるはずです。
 パナマの独自の酒は、SecoHerrerano、RonCartaViejaなどで、地元のバ ーにいくと、ストレートのほかに、Ronのコーラ割、Ronの亀卵割な どのブレンドで飲みます。いずれにしても日本には輸入されていません。

参考になれば幸いです。

【ひでより】

チチャ屋やエンパナーダの写真は、ひらけーさんのHPにあります

ナンセは、苦味があるフルーツ。写真↓
http://www.hort.purdue.edu/newcrop/morton/nance.html
↓はパナマの果物から作られる飲み物の作り方(英語)で、いろいろなチチャが紹介されています。
http://www.angelfire.com/tx/CZAngelsSpace/beverages.html

Ronはラム酒のことです。

亀卵の採取は、パナマでも禁止されていますが、Bocas Del Toro地方で、 黙認されて売買されているようです。亀卵は病気によく効くといわれているらしい。

◆ハンドルネーム:martinbuho さんより

パナマ情報局を毎号楽しみにしています。
1970年代、1990年代と二回パナマに住みましたがサンブラスに行かなかった愚か者です・

9月2日号で紹介のあったチチャの飲める店があります。但し大阪です。
残念ながらパナマのチチャではなくペルーのものです。
http://www.cuzco.co.jp/shop/shop.htm

関東地方にも同じくペルーのチチャを販売しているところがあります。
ttp://www.sbs-np.co.jp/shimbun/gotenba100/gotenba30.html

チチャはペルーが本場です。次の四国の店でもペルーのチチャを販売しています。
http://www.ii-net.org/health/health9.html

以上martinbuhoでした。

【ひでより】

◆東京近郊のペルー料理店  ご紹介いただいた店の他に、チチャが飲めるかは分かりませんが、 東京近郊のペルー料理店を調べてみました。

・東京 神宮前2-31-7 ヴィラグロリア101 「クリオール」 03-3423-2003

・東京 大田区蒲田5-28-2 フロンティアビル2階 「ベンボス」03-5710-0640

・東京 港区六本木3-14-7 アロービル2F 「ボテギータ」03-3796-0232
 キューバ、ぺルーなど中南米料理の老舗。ライブもある。

・東京 品川区大井1-52-1 「COSTA LATINA」03-5718-5551
 中南米料理

・東京 新宿区新宿3-17-13 KEIビルB1「El BORRACHO」03-3354-7046
 メキシコ・ペルー料理。

・神奈川県 川崎市幸区大宮町15 「インティ・ライミ」044-511-4225

・神奈川県 川崎市幸区中幸町3-32 「アルコ・イリス」044-541-4572


◆ペルーのチチャ

 チチャは、もともとは口噛み酒で、非常に原始的な酒の作り方です。原 料となるとうもろこしを口で噛み、唾液によって糖分を与え、アルコール 発酵をさせます。しかし、現在は口噛み酒ではありません。

 とうもろこしを水に浸して数日放置してモヤシ状にする。これを天日乾 燥して、石臼で粉にし、数時間煮て、甕に入れ、数日放置するとチチャが できる。酸っぱい飲み物のため日本人にはちょっときついようです。


◆パイナップルワインでもいいから日本で飲みたい!

 日本では,パイナップルを醸造させて作るお酒は、パイナップルワイン と呼ばれています。沖縄本島のナゴパイナップルパークでは、工場を見学 できます。
また 通信販売をしており、1本1500円です。


◆本場のチチャの作り方

「あいのり」で飲んでいたパイナップルのチチャは、正式にはチチャ・フエルテ・デ・ピーニャというようです。
 作り方は、↓ですが、スペイン語なので、私には難しいのですが、頑張って訳してみました。
http://www.frecuencialatina.com.pe/flweb/programacion/pedrito/receta.asp?ID=193

材料
 1        パイナップルの皮
 1/2キログラム 黒糖(chancaca;棒状の黒砂糖)
 スプーン1    シナモンパウダー
 スプーン1    クローブ(チョウジ)
 4リットル    水

作り方
 パイナップルの皮、黒糖、シナモンパウダー、クローブ、水を素焼きの容器に入れる。
 容器の口を布で覆い、縛る。3、4日放置して発酵させる。
 ろ過してみて、強すぎるようであれば、砂糖(三温糖?)を少し加える。
 飲むときに、挽いたシナモンをふりかける。

【ひでの補足】

┏ アルコール度数

 パイナップルの皮の量は、たぶん1個のパイナップルのものであろう。 ただし、別のHP(英語)では、容器に皮を入れて、ひたるぐらいの水を 入れるとある。1個だけの皮だと、水が多いのでアルコール度数が低くな るであろう。

 非常におおまかではあるが、度数の計算をしてみよう。糖分の半分がア ルコールになるとされているから、パイナップル1個の皮を500グラム とし、その糖分を皮であるから10%と見積もると、パイナップルに含ま れる糖は、50グラムとなる。全体の量はおおよそ5000グラムとすれ ば、全体の糖分は11%となり、その半分の5.5%のアルコール度数と なる。
 (500+50)/(500+500+4000)=550/5000=0.11

┏ 酵母

 果物の皮には、糖分をアルコールに変える酵母が表面にいるため、洗っ てはいけない。また、部分的に腐っているようなものは雑菌がいるのでそ の部分は使わないこと。
 酵母菌は、酸素がなければアルコール発酵し、二酸化炭素を排出するの で、密閉すると高圧になり瓶が割れてしまう。
 酵母菌にとってアルコールは排泄物であり、アルコール濃度が12%を 越えると増殖が悪くなり、20%を越えると死んでしまう。

┏ 酸っぱいお酒 

 温度が30度を超えているようなサンブラス諸島では、酵母より酸を作 る雑菌のほうが優勢だと考えられ、当然ながら酸っぱいお酒になる。


◆パイナップルどぶろくが飲みたい!

 チチャみたいな地酒は、やっぱり現地で飲んでこそおいしいのでしょう が、輸入されていないなら、自分で作るしかありません。ただし、度数1% 以上のアルコール飲料を作ると酒税法違反になるので注意しましょう。

 私の近所のスーパーでは、1個198円のパイナップルと228円のド ライイーストが購入できます。

 パインの皮といっても、残留農薬が心配なので、外側の緑色の部分は捨 てます。普通食べる以外の部分(繊維が多いところ、芯、上のほうのあま り甘くないところ)を使用します。おいしいところは生で食べたいし、こ うすれば廃物利用にもなります。

 パインを本来ならミキサーでジュースにするのがよろしいのですが、ミ キサーがなければぶつ切りでやっちゃいましょう。パインを容器に入れ、 ひたるぐらいの水を入れます。東京の水道水はかなりまずいので、ミネラ ルウォーターがよろしいでしょう。

 表面の皮を捨てるので天然酵母の代わりに、ドライイーストを適当に入 れます。

 アルコール度数は、加える砂糖の量で調整できます。やっぱり風味がい い黒砂糖がいいですね。糖分の半分がアルコールになるという目安を参考 にします。

 酸っぱくないものを作るには、アルコールを早く5%以上にして雑菌が できるだけ増えないようにします。ただし、夏のように温度が高いと酵母 より酢酸菌が優勢で酸っぱくなります。秋なら自然発酵で問題なし。

 イーストを入れると、すぐに発酵が始まり、数次間もたてばぶくぶくと 泡を立てて、パインのいい香が漂ってきて、幸せな気分にひたれることで しょう。

作られた方、どうでしたか? 是非お便りください。


◆酒税法

 日本では、許可なしで1.0%以上のアルコール飲料を作ることは、酒税法 上認められていない。
 酒類を製造する目的で「準備」をするだけでも「1年以下の懲役又は二 十万円以下の罰金」となり、製造した場合は「五年以下の懲役又は五十万 円以下の罰金」となる。さらに、器具、原料、その他副産物を全て没収さ れ、酒税、延滞税、重加算税が科せられる。
 世界に類を見ない悪法であると指摘する人も多く、現在ではビール作成 キットが堂々と売られや自家醸造コンテストが半ば公然と行われるなど、 実態の面から酒税法の改正が必要と言われている。



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