南極旅行日記
- 準備編 -


11月1日




 10月末にコピー機刷りの「南極クルーズ16日間 速報版」とかいうものは届いた
のだが、とうとう旅行内容に関する詳しい正式パンフレットや契約書が手元に入ら
ないまま、11月に突入してしまった。

 それによると、参加申し込み人数がどうやら思わしくないらしく、主催旅行にな
るか手配旅行になるか微妙な様子。
 とうとう出発日や期間まで変更になってしまった。

 また、電話で聞いた変更船クリッパー・アドベンチャー号は、以前に使われた耐
氷船のアラタラソーワ号が改修されて、名前も変更になったらしい。
 建造は1975年。補修は1998年。
 スタピライザー付きの耐氷船に生まれ変わったそうな。

 速報版によると、船の部屋については電話で聞いた内容と異なり、私の申し込ん
だカテゴリーは3人部屋のよう。
 うーん・・・本当にコロコロと、よく変る・・・・。


 同室を希望してくれていたWさんも、旅行会社側からの度重なる変更や連絡不首
尾に、ここのところ南極ツアー参加に対する意欲が削られつつあるみたい。

 「すごく楽しみにしていただけに、すごく嫌にもなってきている」
そうだ。

 でもこの気持ちは私も全く同じ。

 今までなら“旅行”と言うと、それを決めたと同時に心の中では旅が始まって
いた。
 いざ出発日が来ると、楽しみなことには変わりないものの、半分くらい旅が終わ
ってしまったような気分さえチョッピリあったくらい(笑)。

 しかし今回ばかりは、想像する楽しみや自分なりに予定をたてる楽しみよりも、
イライラさせられること、不安にさせられることの方が多い。
 この後一体どれだけのハードルが待っているのだろう?
 (でも、それをも飛び越えていける人こそ、真実南極に行きたい、行ける資格のある人
  なんだろうナ、とも思えてきた・・・)


 いくら半島部分だけをクルーズ&上陸するだけで、奥地にまでは足を運ばないと
は言っても、やはり南極。

 只者ではない。




 JARE(Japanese Antarctic Research Expedition)のホームページで定期的に更新され
るコンテンツに、《最前線!「昭和基地NOW!!」》というのがある。
 今回は10月19日分として、隊員の個室について。
 狭くはあるが、第1・2居住区とも、なかなか快適そうな住いだ。

 昔の友人で、マグロ漁船に乗っていたため、友人連中から「まぐさん」と呼
ばれていた人を思い出した。
 彼のリッパな体格にも皆驚いたものだが、彼の一人住まいを皆で訪ねた時はもっ
と驚いたっけ。
 風呂なしトイレ共同、ミニキッチン込みの4.5畳部屋に彼は住まっていたのだが、
その狭い空間の、いかに効率的に物が配置されていたことか!いかにせいせいと気
持ち良く住んでいたことか!

 私だったらあれだけの物を詰め込んで4.5畳に住まうことなど絶対できまい。
 空間を利用する技、見習いたいものだ。

  (でも心の中で、「その前に不必要なものを捨てろ」と囁く声が・・・)

 いけんいけん。脱線してもーた。

 今回の更新分の写真のひとつに、隊員のお一人が個室机の上のノートパソコンで
何やら仕事をしていらっしゃるものがある。
 プリンターも携帯用のサイズのもので、モバイルパソコン派の私としては、それ
だけでもついつい親近感を覚えちゃう(笑)。

 なんだ、脱線を修正しようとして、たいしたことは書けないや。