似非職人工房

MEGA-SCSI FAQ(Frequently Asked Question:よく尋ねられる質問)

1996年7月20日 似非職人工房(ESE Artists' Factory)


 MEGA-SCSIでは32MB以上のパーティションは扱えないのでしょうか? 500MBのハードディスクをフルに使いたいのですが…


 今のところ、MEGA-SCSIではMSX-DOS2の制限から、1ドライブにつき32MBまで、またA〜Hの 8ドライブしか扱うことができません。これ以上の容量のディスクを扱いたい場合には、32MBずつに分けたパーティションを切り替えて使用することになります。

 現在、MEGA-SCSI製品版には MSX-DOS2でCD-ROMを扱えるようにする“CDエクステンション”が添付されていますが、これをさらに拡張して、ハードディスクなどで32MB以上のドライブを扱うことができる“ファイルシステムエクステンション”の開発ができないかどうか検討しています。

 もしこれが完成した場合にはソフトウェアサポートの一環としてユーザーの方々にお届けしたいと思います。



 MEGA-SCSIに接続可能なドライブの機種名を教えてください。


 ハードディスクに関しては、現存のほとんどの製品が使用可能です。相性の問題による動作不良は今まで一件もありません。リムーバブルディスクに関しては、Zipドライブの動作確認がされています。SyQuestなどもおそらく使用可能です。

 MOに関してもほとんどの製品を使用可能です。ただ、内部にリコー製のドライブユニットを採用している機種の場合、使用はできますが、相性の問題によって書き込み時の速度性能を発揮できません。内部のドライブユニットにどのメーカーのものを採用しているかどうかは、販売店で聞くと教えてもらえます。オリンパス製のドライブユニットがおすすめです。

 CD-ROMドライブに関しては、SCSI-2対応の製品の多くが使用可能です。ただし、マルチセッション、CD-ROM XA(フォトCDなど)の使用時やオーディオ再生 (CD-ROMドライブを音楽用CDプレイヤーとして使用する) 時には内部ドライブユニットのメーカーによる相性の差が現れることがあります。

 プレクスター、東芝、ソニー製のドライブユニットに関しては動作確認済みですので、これらの製品を使うようにするとトラブルが少ないです。他のメーカーのドライブユニットを採用しているドライブは、対応にも限界がありますのでなるべく避けた方がいいと思います。

 いずれの場合にも、相性による動作不良があった場合には似非職人工房までご連絡いただければ、ある程度の対応ができることがあります。



 似非通信に、Zipドライブを単独で使用する際にはMEGA-SCSIカートリッジの改造が必要とありますが、なぜですか?


 SCSIのシステムを正常に動作させるためには、SCSIバス (SCSI機器の接続の連なり) の両端にターミネーターと呼ばれる部品を取り付け、さらにSCSIバス上の少なくとも一台のSCSI機器にこのターミネーターに電源を供給させる必要があります。

 MEGA-SCSI製品版は、MSX仕様で定められているカートリッジスロットの電源容量の条件を満たすために、通常の状態ではターミネーター電源を供給していません。したがって、他のSCSI機器 (ハードディスクなど) からターミネーター電源を供給させる必要があります。

 据え置き型のSCSI機器のほとんどは、ターミネーター電源を供給することができるので問題ありませんが、 Zipドライブや、一部の携帯型ドライブはターミネーター電源を供給することができません。

 したがって、例えばMEGA-SCSI製品版とZipドライブのみを接続して使用した場合、どのSCSI機器からもターミネーター電源が供給されないために正常動作しません。 (ターミネーター電源を供給できるSCSI機器を一緒に接続して使用する場合には問題ありません。ただし、ターミネーター電源を供給するSCSI機器の電源を入れておかなければなりません。 例えば、未改造のMEGA-SCSIカートリッジに Zipドライブと据え置き型ハードディスクを接続した場合、たとえハードディスクが接続されていてもハードディスクの電源を切って Zipドライブのみを使用するというようなことはできません)

 これを回避するためには、 MEGA-SCSIカートリッジを改造して、ターミネーター電源を MEGA-SCSIカートリッジから供給させる必要があります。この改造を行うと、MSX仕様で規定されているカートリッジスロットの電源容量をオーバーする可能性がありますが、 通常の使用において、この事が問題になるケースは少ないようです。



 似非RAMとは何ですか? 一度作ってみたいのですが


 似非RAMとは、MEGA-ROM互換のバックアップRAMカートリッジです。MEGA-SCSIからSCSIの機能を取り除いたものと見てよいでしょう。

 これにMEGA-ROMゲームをインストールして遊ぶこともできますし、また、MEGA-SCSIカーネル(似非RAMディスクドライバを含みます)をインストールすると似非RAMディスクやMEGA-SCSIとして使用することができます。

 ただし、ゲームの機能と似非RAMディスクや SCSIの機能は同時に使えませんので注意してください。 (ゲームをインストールした後にSCSIを使う場合には、MEGA-SCSIカーネルを再インストールしなければなりません)

 似非RAMやMEGA-SCSI(自作版)の製作記事は、付属ソフトウェアのディスクに入っています。似非RAMの製作は、ハード製作の中では比較的容易な方なので、興味を持たれた方はぜひ挑戦してみてください。



 バックアップ電池の寿命はどのくらいですか? SRAM容量によって変わったりはしないのですか?


 MEGA-SCSIはスロットからの電源遮断と同時に内部電源に切り替わります。 このとき、バックアップモードに入りますので約1年の稼働(バックアップ)が可能になります。

 取扱い説明書のイントロダクションにもありますが、 MEGA-SCSI製品版のリチウム電池の寿命は約1年です。電池は普通の電気店やスーパー、コンビニエンスストアで売っていますので、電池の寿命が来たら交換してください。

 電池を交換すると、SRAMの内容が消えてしまいますので、あらかじめ似非RAMディスクの内容のバックアップをしておくのを忘れないでください。

 SRAMの容量による寿命の差ですが、どのバージョンも最低1年は持つと思います。なお余談になりますが、8年前に購入した私のFM-PAC(MEGA-SCSI製品版と同等のバックアップ電池を用いています)は今まで一回も電池交換をしていませんが、中のデータはまだ生きています。



 ソフトウェアサポートを一年後以降も受けたいのですが…


 1年後以降のソフトウェアサポートに関しては、現在検討中です。実費による不定期サポートになると思いますが、詳しいことは今後のサポート時にお知らせできると思います。



 SRAMの容量の違いによってどの様な違いがあるのですか?


 MEGA-SCSIのSRAMは、64KBをMEGA-SCSIカーネル (SCSIドライバ、DOS)に使用し、残りを似非RAMディスクに使用します。したがって、SRAM容量の違いによって似非RAMディスクの容量が変わります。



 CD-ROMの辞書ソフトとかは扱えるのでしょうか。


 ISO 9660というフォーマットのCD-ROMなら、データをファイルとして読み出すことができますが、読み出したファイルの構造が分からない場合、それ以上の利用はできませんので解析して対応ソフトウェアを作成する必要があります。



 MEGA-SCSIの回路図が欲しいのですが…


 製品版ではありませんが、 自作版のMEGA-SCSIの製作記事および回路図が付属ソフトウェアのディスクに収録されています。



 SRAM容量1MBへの改造方法を教えてください。


 128KB→256KB、512KB→1MBへの改造は、同種のSRAMチップを増設するだけで可能です。これ以外の改造は、SRAMチップの換装(1Mbits→4Mbits)とジャンパの変更(1ヶ所)が必要になります。

 どの場合でも、改造に失敗してMEGA-SCSIカートリッジを破壊した場合の保証は致しかねます。(最悪の場合、新しく購入するのと同じくらいの修理費用がかかります)



 キットみたいなものがあると助かるのですが…


 製作の難易度が高くなるのと、もし組み立てに失敗した場合のサポートが難しいために、MEGA-SCSIのキット化は行っていません。

 なお、似非RAM用のMEGA-ROM基板(基板のみ、ケースなし)が若干余っていますので (96年7月現在)、似非RAMを製作したい方でMEGA-ROMゲームが入手困難な方には実費にてお分けしています。



 MSXでHDD,MOが使えるなんて夢にも思わなかった!


 よかったですね。ユーザーの方の喜びの声をお聞かせいただけると、とてもうれしいです。



 通信をしていないので情報が入りません


 MEGA-SCSIに関する情報は、パソコン通信だけではなくソフトウェアサポートの一環として確実にお届けしたいと思います。

 MSX全般に関する情報は、いろいろなサークルで情報誌(紙)を発行しているようですので、そちらにどしどし資料請求されるのがいいかと思います。

 これからはユーザーの方からも、あるていど積極的に情報を求めていかければならないでしょう。



 似非職人工房ってどんなサークルなの?


 似非職人工房は2人のメンバーで運営している、アマチュアのサークルです。たまに企業と勘違いされる方もおられますが、企業ではありません。

 似非職人工房では、 MSX用ハードウェアやソフトウェアの開発を行っています。今のところ、 MEGA-SCSIの製品化のみを行っていますが、何かおもしろいハードウェアの企画が見つかれば、そちらの製品化も考えたいと思っています。



 MEGA-SCSI以外のハードウェアの製品化予定を教えてください。


 今現在、似非職人工房が製作・頒布しているのは、“MEGA-SCSI製品版”のみです。

 他のハードウェアの製品化についてですが、

  • 現在、他で入手できない、もしくは既存のものと比べて飛躍的な性能向上が見込めるハードウェア
  • ソフトウェア面での確実なサポートができるハードウェア
  • ある程度安価に提供できるハードウェア
  • ある程度(50〜100以上)の頒布数が見込めるハードウェア
 このようなハードウェアがあれば、製品化を検討したいと思います。



 似非職人工房では、ゲーム製作はしていないのですか?


 メンバー個人としてはゲーム製作に関わりたいとも思っていますが、サークルとしてのゲーム製作は今のところ行っていません。



 似非職人工房は、どうして“似非”なんていう怪しいサークル名なのですか? 変えちゃえばいいのに…


 似非職人工房は、“似非”という言葉の持ついかがわしくてわくわくする雰囲気を大事にしたいと思っています。もちろん活動は真面目に。ということでサークル名を変える予定はありません。


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