父の面影


 その日は父の一周忌だった。
 一年前に突然父が死に、現在達也は母と二人で暮らしている。
 元々母が働いていたことや、保険金がかなり入った事もあって特に以前と変わる生活をしている訳ではない。
 父がいないことを除けば……
 時折達也は父が最後に言った言葉を思い出す。
 あれは母がいない時、二人きりになった時に父が言ってきたのだった。
(達也、父さんはもう長くない。だから後はお前に頼むしかない。お前ももう十六だ、一人前の男だ。お前を男として頼む。母さんを支えてやってくれ)
(母さんを?)
 母は非常に気丈な人で、未熟な自分の支えなど必要には思えなかった。
(母さんはああ見えて弱いところがある。父さんが死んだら耐えられないだろう。そういう精神的に脆い人なんだよ)
(そんな……)
 母がそんな弱い人間だとは達也にはとても見えない。
(今は分からなくてもいい。必ず分かる時がくる。その時に母さんを支えてやってくれ。母さんがちゃんとやっていける様にお前が支えるんだ)
(うん、俺支えるよ。母さんを支えて頑張る)
(そうだ。男としてお前に頼む。お前が父さんの代わりに、母さんが満足できる様に、幸せに暮らせる様にしてくれ)
(うん、俺、母さんが満足できる様に、幸せに暮らせる様に頑張る)
(ああ、頼んだぞ……)
 父の死はそれからすぐだった。
 達也は父の遺言を守って母を支え様と気を張った。
 だが拍子抜けするくらい母は平静を保っていた。
 父の心配は思いすごしだったのではないか、そんな事を思いつつこの一年を過ごしてきたのだ。
 そして今日は父が死んでから一年。
 その特別な日に、母が取り乱すのではないかと気をつけていたのだが、やはり母はいつもと変わらなかった。
 特に何をする訳でもなく一日は過ぎ、達也は安心して布団に横になった。
(ホント、父さんは心配性だったんだなぁ)
 布団で横になりながら、改めて父の心配を苦笑する。
 母はしっかりしている。
 悲しみがあるには違いないが、それによって精神が崩れる弱さは持っていないのだ。  
 母が錯乱したらどうしようと思っていた達也は、ホッとする思いだった。
(あ〜〜、安心したら喉が渇いたな。何か飲んでこよう)
 達也は起き上がると一階へと降りていった。
 居間に入ろうとして、中から何か聞こえたので足を止める。
 それは、母の声だった。
 いや、声というより、すすり泣きだった。
(母さん……)
 母はしゃくり上げる様に涙を流し、父の遺影の前で何かを言っている。
 達也は気づかれない様に部屋に入るとコッソリ近づいた。
「あなたぁ……どうしてぇ……どうして死んじゃったのぉ……わたしっ……わたしっ……一人じゃ耐えられないぃ……」
 母は父に文句を言っている。
 あれほど気丈な母が、死んだ父を責めているのだ。
「あなたがいてくれないと……わたし、おかしくなっちゃうわ……」
 母は延々と父に泣き言を繰り返している。
 達也は、今まで見たことのない母の乱れた様子にどうしていいのか分からなかった。
 その時、達也の頭に父の遺言が響いた。
(お前が母さんを支えるんだ)
 父の言葉に目が覚める思いだった。
(そうだよ、俺が、俺が母さんを支えなきゃ)
「母さん……」
 オズオズと声をかける。
「達ちゃん……起きてたの……」
 母は少し驚いた様子を見せたが、すぐに平静な声になり手で涙を拭き始めた。
「ごめんなさいね、変なところ見せちゃって……母さん大丈夫だから早く寝なさい……」
 その言葉を聞いて、達也は自分が何と愚かだったのかに気づいた。
 母は父の死に耐えられていた訳ではない。
 息子である自分に心配をかけまいと、今までその姿を見せなかっただけなのだ。
「母さんごめんよ……」
「どうしたの? 急に」
 母はいきなり謝ってきた達也を不思議そうに見つめている。
「俺、今まで母さんが辛くしてるの分からなくて……父さんにも頼まれてたのに……」
「お父さんに……?」
 父の話題が出て、母は表情を暗くした。
「うん、お前が支えろって……」
「そう、お父さんがそんな事を……」
 母は表情を少し明るくすると微笑んだ。
「うん、だから母さん一人で悲しまないで。俺が、俺がいるから……まだ子供で何もできないけど、俺、母さんのために何でもするから……母さんが満足できる様に、幸せに暮らせる様に頑張るから……父さんの代わりになって支えるから」
 達也は父に言われた事を思い出しながら、必死になって訴えた。
「ふふっ……ホント達ちゃんはお父さんにそっくりね……」
「え?」
 母はそう言いながら立ち上がると、達也の方に近づいてくる。
「お父さんもそんな事を言ってたわ。ちょうど達ちゃんと同じ高校生の時に……」
「そうなの?」
「ええ、付き合ってくれって言われた時にね……だからお母さんもそんなお父さんが好きになって……それで結婚したの……」
「そうなんだ……」
 両親の馴れ初めを聞いて、父がどうしてああいった言い方をしたのかが分かった。
 今までは駄目だったが、これからキチンと母を支えていこう、達也はそう思った。
「ホント、そっくり……顔もそっくりになって……」
 近くに来た母は、達也の顔に手を当てると顔を近づけてくる。
「か、母さん……?」
 どんどん近づいてくる母の顔に達也は緊張した。
「ああ、あなたぁ……」
「!……」
 唇に柔らかいモノが触れる。
 母の唇が押し付けられたのだ。
(母さん、一体何を……)
 唇が割られ、隙間からヌルリとしたモノが入り込んできた。
 母が舌を入れてきたのだ。
 達也の舌を見つけると、絡ませ吸い付いてくる。
「んっ……んんっ……」
 口内に発生する快感に、達也はなす術もなく支配されていく。
 体中の力が抜け、ずるずると床に腰をついた。
 母は上から達也の顔を押さえ込むように掴み、舌を容赦なく蠢かして口内を蹂躙していった。
(ああ……母さんがこんな事するなんて……あ、これってファーストキスだ……ファーストキスの相手が母さんだなんて……ああ、でも気持ちいい……) 
 達也は快感に意識を朦朧とさせ、母が唇を離したことさえ気づかずに息を乱しながら座っている。
「唇も舌もお父さんとおんなじね……」
 母はトロンとした表情で達也のズボンに手をかけると、パンツと一緒に脱がしてしまった。
「こっちはどうかしら?」
 達也の一物に顔を近づける。
「うふんっ、そっくり……じゃあ、こうしたらやっぱり同じなのかしらぁ……」
 そう言って肉棒を口に含んだ。
(うっ……)
 とんでもない快感が股間から湧き上がり、朦朧としていた意識が回復する。
 驚いて下を向くと、母が自分の肉棒を咥えている姿が目に入る。
「か、母さん、何を……」
 快感に悶えながら尋ねる。
「達ちゃんを気持ちよ〜〜くしてあげてるのよぉ……どう? 気持ちいいでしょう?」
 母は楽しそうに笑った。
「そ、そんな……どうしてこんな事を……」
「だって達ちゃん、お父さんにそっくりなんですもの。お母さん、たまらなくなっちゃった……」
 母は淫蕩な表情でこちらを見上げてくる。
 その今まで見たことのない母のいやらしい表情に、達也の肉棒は激しく震えた。
「がっ……うっ……」
「ふふっ……そんな風にしてる所もお父さんとそっくり……やっぱり親子なのねぇ……」
 母は口をすぼめシュボシュボと上下に動かし始める。
(くっ……な、なんて気持ちいいんだ……温かくてヌルヌルしてて……たまらないっ……)
 達也は体を小刻みに揺らしながら、肉棒から押し寄せてくる快感に震えた。
 下を見ると、こちらを見上げている母と目が合った。
 その切なげないやらしい表情にたまらなくなった達也は、射精感が一気に高まるのを感じた。
「うっ……出るっ……母さん出るよぉっ……」
 叫び声と共に、母の口内に精を放った。
 ドクドクドクと勢い良く発射される精液を、母は美味しそうに飲み込んでいる。
 オナニーしている時とは比べ物にならない量の射精に驚きながら、その快感の凄さに達也は脱力して床にゆっくりと倒れた。
 荒い息が部屋に響く。
「ふふっ……イく時の顔もそっくり……」
 母は嬉しそうに笑うと服を脱ぎ始めた。
 ブラジャーが外れると、豊かな乳房がぶるんっと揺れ、達也は久々に見る母の乳房の美しさに見とれてしまう。
 続いてスカートとパンティーを脱ぎ全裸になった母は、達也の上着を脱がし裸にしてしまった。
 その時、目の前に母の乳房が近づき揺れ動いたため、あまりにも近い距離で見る乳房に達也は興奮し、ゴクリと唾を飲み込んだ。
 達也が全裸になると、母は体を重ねてきた。
 胸で潰れる乳房の感触がたまらない。
 さらに体中に感じる母の肌の感触と温かい体温が快感を与えてくる。
「ああ、たまらないわぁ……男のからだぁ……」
 母はトロンとした声でそう呟くと起き上がり、達也の肉棒を掴む。
 すでにそれは回復し、硬くそそり立っている。
「熱くて硬い……オチンチン……」
 照準を合わせるように動かすと、一気に腰を下ろした。
 にゅるんと肉棒が何か温かく柔らかいものに包まれる。
 そのあまりの気持ちの良さに、達也は手を握りしめ、体を小刻みに震わせた。
(か、母さんの中に俺のチンチンが……凄い……気持ちいい……)
 あまりにも突然の童貞喪失に達也は衝撃を受けつつも、その凄まじい快感に意識が白くなっていくのを感じた。
「あんっ……いいわぁっ……やっぱりお父さんとそっくりぃ……」
 母はたまらない様に惚けた表情をすると、すぐに腰を上下に動かし始める。
 途端に肉棒に押し寄せる快感が増加した。
 母が動くことで肉棒を包むヒダヒダがうねり、精を吸い出そうと吸い付いてくる。
「ぐっ……あっ……で、出ちゃうよっ……」
 初心者である達也には、母の膣の淫蕩さに対抗する手段などなかった。
 すぐに射精感が高まり、今にも発射しそうになる。
「あんっ、あんっ、ああんっ……達ちゃん、あぅんっ……若いのねっ……そこはまだ、あんっ……お父さんには及ばない、あっ……でも、ああっ……たまらないわぁっ……」
「うあっ……で、出るぅっ……!」
 腰の上で悶える母のいやらしい様子に耐え切れなくなった達也は、一気に精を放った。
 ドピュッドピュッドクドクドク。
 先ほどフェラチオされた時とは比較にならない量が放たれていく。
 とんでもない快感に歯を食いしばり、そのあまりの気持ちよさに達也は悶えた。
 射精が終わると全身の力が抜ける。
(母さんと……しちゃった……)
 初めての女が母親。
 達也はその事に何とも言えない罪悪感を感じつつも、一方で凄まじい興奮も感じていた。
「まだよぉ……もっと、もっとしましょう……お母さんまだ満足できないぃ……」
 すでに普段の様子とはかけ離れた、肉欲に憑かれた母は、若い息子の肉棒を膣にハメたまま腰をグルグルと動かし始める。
 肉壁がじわじわと肉棒を締め上げ、刺激を与える様に揉み上げてくる。
(うっ……す、凄い……)
 そのたまらない感触に肉棒はぐんぐん力を増していき、硬く大きくなっていった。
「うふふっ……大きくなったぁ……硬いのぉ……」
 母は嬉しそうに笑うと、腰を激しく上下に動かし始める。
「あんっ、ああっ、いいっ……いいわぁっ……あぅん、達ちゃんいいのぉっ……」
(な、なんて……エッチなんだろう……)
 長い髪を振り乱し、目はうつろで口はだらしなく開かれている。
 豊かな乳房は、体の動きに合わせて上下に激しく揺れ動いていた。
 そんな母の様子に、セックスとは何て残酷なものなのか、と達也は思った。
 あれだけしっかりとしている母が、セックスをしなかったというだけでここまで乱れてしまっている。
 まるで餓死寸前だった者ががっつく様に自分の肉棒を咥えこんでいるのだ。
 何と恐ろしいことか。
 だが、そういう達也もすでにその快楽に憑かれ始めている。
 初めて母に肉棒を舐められた時に、オナニーをしてきた自分がまるで馬鹿の様に思われるくらい、たまらない快感を得たのだ。
 この快楽を知ってしまったら、もう二度とオナニーでは満足できないだろう。
 そう思った時、達也の頭に響く声があった。
(母さんが満足できる様に……)
 父の遺言。
 あの言葉は、そういった意味も含んでいたのではないのか?
 母の体を満足させて欲しいと。
 息子の肉棒で、母親の肉体を慰めろと。
 達也にはそう思えた。
(そうか、父さん……父さんは、母さんがこうなる事を分かってたんだね……)
 自分の父は凄い人だ。
 達也はそう思い、今までその意味を汲み取れなかった自分の浅はかさを悔いた。
(でも、俺やるよ……父さんの代わりに母さんを満足させる……俺のチンチンで、母さんを気持ちよくさせるよ……見ていてくれ、父さん……)
 傍にある父の遺影に目をやりながら達也は誓った。
 そして激しく動く母の体に合わせる様に腰を動かし始めた。
「あっ、あんっ……え? なに? ああんっ、あっ……達ちゃんあなた……」
 母は達也の行動に驚いた様な表情をしている。
「母さんっ……俺っ……頑張るよっ……母さんが満足する様にっ……頑張るっ……」
「そ、そんな、あぅんっ……駄目よ、ああんっ……達ちゃんが動いちゃ駄目、ああっ……」
 母の言葉を達也は不審に思った。
 今までさんざんしてきたというのに、なぜ達也が動いてはいけないのか。
「達ちゃんが、あんっ……動いたら、ああっ……近親相姦になっちゃう、あんっ……それは駄目なのよぉっ……」
「ど、どうしてっ……俺が動くとっ……近親相姦なんだよっ……さっきまでだってっ……同じだろっ……」
 腰を動かしながら尋ねる。
「だって、あんっ……さっきまでは、あっ……お母さんが勝手にしてただけだもの、ああぅっ……ただのオナニーよ、あんっ……でも達ちゃんが動いたら、あぅんっ……セックスになっちゃうぅっ……」
 母のよく分からない理屈に戸惑う。
 要するに母は、今まで達也の体を使ってオナニーしていたという事のようだ。
 自分はダッチワイフの男版といったところだろうか。
「な、なんだよそれっ……」
 腹を立てた達也は腰の動きを止めた。
「ご、ごめんなさい……でもそう思うしかお母さん耐えられないの……達ちゃんがお父さんにそっくりだから、思わずあんなことしちゃって……自分の息子のオチンチン入れちゃって……だからそう思わないと耐えられないのぉっ……」
 母の告白。
 肉欲に囚われ、思わずしてしまった実の息子に対するフェラチオ、そしてセックス。
 だが止まらない肉欲は、母に禁断の行為を続けさせてしまう。
 そんな肉体の欲求と、実の息子にしている行為の罪悪感とを、母は自分の中で何とか誤魔化そうとしたのだろう。
 自分がしただけで、息子は動いていない。
 そう、これはオナニーなのだと。
 息子に似た人形を相手にするオナニーなのだと。
「母さん……」
 母の悲しい思いを理解した達也は、自分の不甲斐なさを情けなく思った。
 それほどまでに耐え難い肉欲を今まで母は我慢してきたのだ。
 これまでそれを助けなかった自分は何と愚かなのだろう。
「大丈夫だよ。俺、人形だから。母さんを満足させるために父さんが残した人形なんだ。母さんがオナニーするための人形さ」
 達也の言葉に母は目を見開く。
 達也はそんな母に笑いかけると体を起こし、その体をギュッと抱きしめた。
「達ちゃん……あなた……」
「最近の人形は高性能だから動くけど、それは機械仕掛けで動いてるだけだから気にしないで」
「な、何を言ってるの……」
 達也は一度仕切り直して、自分から母にセックスをしたいと思い、肉棒を抜くと母を横たえる。
 初めて上になった事に興奮しながらも、母の裸体の美しさに改めて溜め息をつく。
「綺麗だよ。母さん」
 母の唇に唇を押し付け、舌を激しく絡ませて吸い上げる。
「んんっ……んっ……」
 左右に顔を動かし、激しく唇を吸う。
 母の唇の何と気持ちのいいことか。
 やがて唇を離した達也は、今度は首筋に舌を這わし吸い付いた。
「あんっ……あっ……ああんっ……」
 母の悩ましい声が聞こえる。
 それまでのものと違い、今発せられている声は自分の愛撫によって起きているものだ。
 その事に興奮した達也は、舌を母の肌に這わしながら顔を徐々に下に持っていく。 
(お母さんのオッパイ……)
 そこには母の豊かな膨らみがあった。
 たまらず手を伸ばし揉み上げる。
「あっ……あっ、あっ、ああんっ……」
 気持ちのいい感触が手のひらに伝わってくる。
(なんて……なんて柔らかいんだ……)
 達也はそのあまりの柔らかさに夢中になって母の乳房を揉んだ。
「あぅっ、あはぁんっ……」
 母の気持ちの良さそうな声が響く。
 続けてフルフルと揺れる乳首に唇をつけ、チュパチュパと吸い、舌先で弾いた。
「あんっ、あっ、あああっ……」
 母の悶える姿に興奮した達也は、乳首を激しく吸い上げながら、乳房を揉み込んでいった。
「ああんっ、駄目っ……そんなっ……あぅっ、いやっ……あんっ……駄目っ……ああっ、いやぁっ……」
 母は頭を左右に振り、気持ち良さそうにしている。
 そうしてしばらく乳房を愛撫した後、達也は母の艶かしい太ももを持ち上げ吸い付いた。
「あっ、ああっ……あぁんっ……」
 そのまま舌を股間に持っていく。
(うわっ、すごいっ……)
 母の秘所を見つめ、達也は唾を飲み込んだ。
(女のココって、こうなんだ……)
 複雑そうな肉の襞がヌメヌメとしている。 
 今まで己の肉棒が入っていたとはいえ、初めて見る柔らかそうなその部分を見つめている内に、達也は再び肉棒を入れたくてたまらなくなった。
 照準を合わせるように肉棒を掴むと腰を進める。
 先端が触れ、気持ちのいい感触が伝わってきた。
「だ、駄目よっ……やっぱり駄目ぇっ……」
 母が腰を引いて肉棒を避けた。
「どうしてさ。言ったろう、俺は人形だって。だから気にしなくていいんだよ」
「だけど、やっぱり達ちゃんは達ちゃんよ。そんな風に思えない」
「でも俺としなきゃ、母さんずっと満足できないよ」
 その言葉に母は黙り込んだ。
 確かに中途半端なまま止めても余計に肉欲が募るだけだろう。
「で、でも……血の繋がった息子とするなんて……そんな事、許されないわ……」
「何言ってるの、もうしちゃってるじゃない。一度しちゃったんだから気にしてもしょうがないよ」
 母はハッとした表情をして顔を背ける。
「それに俺、もう止められないよ……母さんの体が気持ちいいって……母さんとセックスするのが凄く気持ちいいって知っちゃったから……母さんとセックスしないで過ごすなんてもう無理だ……こんな気持ちのいい事を止めるなんてできないよっ」
 達也はそう叫ぶと一気に腰を押し込んだ。
 ヌプッとした感触と共に、肉棒が母の膣に入り込む。
「ああっ……」
 母の悲しげな声が響く。
「ぐっ……」
 何度入れても気持ちがいい母の膣の感触に達也は仰け反った。
(やっぱすごいっ……)
 肉棒を包む温かさとヌメヌメとした肉襞が強烈な快感をもたらしてくる。
 たまらなくなった達也は腰を動かし始めた。
 初めてまともに動かした腰は、思ったよりスムーズに動き、意識しなくても見事にピストン運動を繰り返した。
「ああっ……駄目、あっ……駄目よぉっ……そんな風に腰を動かしちゃぁ……あんっ……達ちゃん駄目ぇっ……」
 母は頭を左右に振りながら否定の言葉を繰り返す。
 一方達也の方はたまらない。
 すでに一度入ったはずの母の膣だったが、自分から腰を動かすとまた違った感触があり、それに耐えるのに必死だったのだ。
 少し動きを緩めようと思っても、腰は達也の意思を無視して勝手に動き続けてしまう。
(うわっ、止まらないっ、何だこりゃっ……)
 快感に耐えながら、達也は勝手に動く腰を愉快に思った。
「あっ、あっ、あぅんっ……駄目、あっ、ああんっ……駄目なのに、あっ……なんで、あっ……腰が勝手に、あんっ……動いちゃうのぉっ……」
 母の腰も本人の意思を無視して勝手に動き始め、そしてそれによって加速した膣と肉棒の摩擦は、とんでもない快感を達也に与えた。
 それはまだ経験の少ない少年に耐えうるモノではなく、一気に肉棒の栓が開かれる。
「うっ……出るっ、出るよっ……母さん出るぅっ……!」
 達也の叫びに母が悲鳴を上げる。
「あんっ、ああっ、駄目、あぅんっ……出しちゃ駄目よ、ああんっ……お母さんの中に、ああっ……出しちゃ駄目ぇっ……」
 駄目と言われても止められない。
 それに先ほども母の中に放ったのだ。
 今更どうして出さないでいられようか。
「ううっ……出すよ、出るっ……!」
 達也は腰を激しく動かすと精を放った。
 ドクドクドクと激しい射精が行われる。
 母の膣はその持ち主の意思とは反対に、息子の精液を残らず取り込もうとするかの様に激しく蠢き吸引していく。
 その凄まじい吸い付きに、達也はうめき声を上げ、体をガクガクと震わせた。
 ようやく射精が止まると、全身の力が抜けて母の体の上に倒れこむ。
 荒い呼吸をしながら母の柔らかい肉体に包まれていると、幼い頃に戻ったような心地よさがあった。
 いつの間にか頭に母の手が乗せられ、優しく撫でられている事に気づく。
「母さん……」
「ごめんね……母さんがあんな事しなきゃ、普通の親子でいられたのに……」
 母は悲しそうに呟く。
「何言ってるんだよ。俺、母さんとセックスできて幸せだよ。凄く嬉しい。母さんはそうじゃないの?」
「これはいけない事なのよ……親子が……血の繋がった親子がしちゃいけない事なの……」
「そんなの関係ないよ。セックスって愛し合ってる人がするものなんでしょ? だったら親子でして何が悪いんだよ。俺、母さんのこと愛してるんだから」
「達ちゃん……」
 息子の愛の告白に、母は困った顔をしている。
「俺、父さんと約束したんだ。俺が父さんの代わりに母さんを満足させるって。男として、父さんの代わりをするって。それって母さんとセックスして満足させろってことだろ」 
「な、何を言ってるの……お父さんがそんなこと言うはずがないわ……」
「だけど現実に母さんは満足できてないじゃないか。セックスしないから、我慢できなくなって息子の俺としたんでしょ」
 そう言われて母は黙り込む。
「俺、母さんを満足させられるまで何度でもするよ。まだ下手かも知れないけど、一生懸命するから……」
 達也はそう言うと、乳首に吸い付き乳房を揉み始める。
「あんっ……何言ってるの……お母さんを満足なんてさせなくていいの……達ちゃんが傍に居てくれれば、それだけでお母さんは幸せなんだから……」
「それだけじゃ駄目なんだって、この一年で分かったんだ。俺は父さんの遺言を無視してた。母さんの事をちゃんと支えられてなかった。だからこれからその分も頑張って、早く母さんに満足してもらいたいんだ」
 激しく乳首を吸い、舌先で転がしていく。
「あぅんっ、あっ、はぁんっ……そんな、あっ……お母さんは大丈夫よ、ああんっ……だから、あっ……そんな風にしないでぇっ……」
「いいんだ……やるんだ……俺が父さんの代わりになるんだからっ……」
 母の喘ぐ姿に膣内にハマったままの肉棒に力がみなぎってくる。
 それを感じた達也は腰を動かし始めた。
「あんっ……駄目、あっ……いやっ、止めてぇっ……達ちゃん駄目ぇっ……」
 使命感にかられ、激しく腰を振る。
「あぅんっ……あっ、あっ、ああんっ……こんな、あっ……激しいっ……達ちゃん、あんっ……駄目よぉ、ああんっ……こんな激しいの駄目ぇっ……」
 とにかく早くセックスを上手くなり、母を満足させたい、達也の心はその思いでいっぱいだった。
 そのため自然と腰の動きが早く力強くなっていく。
「あっ、あっ、あああっ……いやっ……あんっ……ま、また腰が、ああっ……勝手にぃっ……」
 母の腰が動きだす。
 先ほどはそれでイってしまったが、今回の達也はまだまだ余裕があった。
 快感は激しく押し寄せてくる。
 だがそれを振り払うほどの使命感が達也の射精を引き伸ばしていたのだ。
「あっ、うぐっ、ああんっ……達ちゃん、あんっ……どうしてこんな、あぅっ……あっ、ああっ、ああんっ……」
 達也の激しい腰の動きに、ついに母は頭を左右に振り快楽に悶え始めた。
 その証拠に両腕が背中に回され、両脚が腰に絡みガッチリと固定される。
 達也は母の唇に唇を押し付けると、舌を激しく絡ませた。
「んっ、んっ、んんっ……」
 小刻みに激しく腰を動かしていく。
「あぅんっ、あっ、はあぁんっ……嫌、あんっ……嫌なのにぃ、はぅんっ……どうして、あっ……こんなに、ああっ……気持ちいいのぉっ……」
「俺と母さんはっ……愛し合っているんだからっ……当然だろっ……」
「で、でも、あんっ……親子なのよぉ、あっ……いけないわっ……」
 その言葉を聞いた瞬間、達也の中で快感が増した。
「親子だからっ……母親と息子だからっ……血が繋がってるからっ……余計に気持ちいいんだよっ……」
 背徳感は快感を高めるのだと気づいた達也は、さらにそれを高めようと言葉を吐く。
「そ、そんな、あぅんっ……そんな訳ないわっ……」
「俺を生んでくれたっ……母さんのここだからっ……こんなに気持ちいいんだっ……」
「う、嘘、あぅんっ……嘘よぉっ……」
「母さんだってっ……俺の、息子のチンポだからっ……こんなに気持ち良さそうにっ……してるんだろっ……」
「違う、あんっ……違うわぁっ……」
「こんなに食いついてっ……俺のチンポを締め上げてっ……吸い付いてっ……息子の精液を欲しがってるのにっ?」
「いやぁっ……あっ……言わないでぇっ……」
 母はイヤイヤといった感じで頭を左右に振る。
「俺だってっ……母さんとするのが気持ち良くてっ……たまらなくてっ……腰が激しく動いちゃうんだよぉっ……」
 達也の腰の動きが加速した。
「あっ、あっ、あっ……いやっ、あんっ……こんな、あっ……激しいのっ……されたら、ああんっ……お母さん、あっ……おかしくなっちゃうぅっ……」
 母の悶える様子に興奮した達也はさらに腰の動きを激しくしていく。
「ああっ、あぅっ、あっ……凄い、ああっ……すご、あんっ……凄いぃっ……ああんっ……達ちゃん凄いのぉっ……」
 母に「凄い」と誉められ、達也は誇らしく思った。
 今達也を動かしているのは、母に対する奉仕の思いである。
 そこで言われる母の「凄い」という言葉は、それだけ自分が母を気持ち良くさせている証拠であり嬉しさも高まっていくのだ。
 そして一人の女を悶えさせ、褒め称えられるのは、一人前の男になった気がして誇らしさを感じさせた。
(父さん、俺、きっと母さんを満足させられるよ……)
 父の遺影を見上げながら、達也は自分に自信をもっていくのだった。
「ああんっ……ああっ、あっ、あんっ……いいっ……いいっ……いいぃっ……達ちゃんいいぃっ……あっ、あぅんっ、ああっ……駄目、あっ、もう駄目ぇっ……お母さん、あんっ……イっちゃうぅっ……」
 母の叫びに達也は興奮した。
 ついにイかせる事ができる。
 自分の力で母をイかせることができるのだ。
 興奮が快感を呼び、達也の射精感も高まった。
「俺もっ……イくよっ……母さんの中にっ……出すよっ……イくよっ……いいよねっ……」
「あぅんっ、あっ、あああっ……いいわ、はぅんっ……達ちゃんの、ああんっ……ちょうだい、あっ……精液、あんっ……お母さんにちょうだいぃっ……あああああっ……!」
 母の絶叫、そしてついに自分との行為を認めた言葉に、達也の快感は頂点に達し、一気に我慢の限界を超えた。
 ドビュドビュドビュ、ドクドクドクドク。
 今までで一番激しく、凄まじい勢いで精が発射される。
 達也はその快感に体をガクガクと動かし、口から涎をたらしながら悶えた。
 ドビュッドビュッと最後の発射を終えると、いつまでも続くかと思われた長い射精がようやく終わり、脱力した達也は母の体の上に倒れこむと気を失った。


 気がつくと、前と同じ様に母に頭を撫でられていた。
「気がついたのね……」
「母さん……」
「ホント、あなたって子は……上手なんだから……」
「え?」
 母の意外な言葉に驚く。
 強引にしてしまった事を悲しまれるかと思ったのだが、母は明るく微笑んでいる。
「達ちゃん凄いから……もうお母さん、達ちゃん無しじゃ生きていけないわ……」
 ギュッと抱きしめられる。
「俺だって……俺だって母さん無しじゃ生きてけないよ。母さんの体最高なんだもん……」
 達也も抱きしめる。
「でも、これって近親相姦なのよ……分かってる?」
「うん、分かってるよ。でも俺は母さんが大好きで、母さんも俺が好きだろう? だったら愛する二人がセックスして何の問題があるんだよ」
「それは……達ちゃんの言うとおりだけど……」
「要はバレなきゃいいんだよ。親子が一緒に暮らしても別におかしくないんだし。セックスしてるなんて言わなきゃ誰にも分からないよ」
「そうね……その通りだわ……誰にも言わなければいいのよね……」
 母はどうやら納得がいった様だった。
「でも達ちゃん、お母さんみたいなオバサンでいいの?」
「何言ってるんだよ。若いよ母さんは。それに凄くいい女だし。美人でスタイルもいいじゃないか」
 達也の絶賛の言葉に母は顔を赤くする。
「ありがとう……でもそのうち達ちゃんにも恋人ができるだろうから、そしたらきっとお母さんなんか相手にしてくれなくなっちゃうわよね……」
「そんな事ないよ。俺、恋人なんかいらない、母さんがいればそれでいい」
 達也は真剣な表情で母を見つめた。
 母も達也を見つめ返す。
「嬉しいわ……じゃあ、それまで、達ちゃんに恋人ができるまで、お母さんを抱いてちょうだい。お父さんの代わりに、達ちゃんがお母さんのこと満足させて」
「うん……でも恋人なんか作らないから……一生母さんのこと満足させてあげるよ。俺、父さんと約束したんだ、父さんの代わりに母さんを満足させるって」
「あら、それじゃプロポーズよ。一生満足させるだなんて」
 母は可笑しそうに笑った。
「そうだよ、これはプロポーズさ。結婚はできないけど、俺、母さんと二人でずっと一緒に暮らしたい」
「ありがとう……でもホント、達ちゃんはお父さんそっくりね。プロポーズの言葉まで同じだなんて」
「え?」
「今言った『二人でずっと一緒に暮らしたい』っていうの、お父さんのプロポーズの言葉なのよ」
「そ、そうなの……?」
「ええ、全く何から何までそっくりなんだから……」
 母はまた可笑しそうに笑うと達也の口に唇を寄せた。
「母さん、愛してるよ……」
「私もよ、達ちゃん愛してる……」
 二人の唇が合わさり、親子は至福の時を迎えるのだった。












あとがき

 再び母親です。
 前回は息子が襲い掛かる形にしたので、今回は母親からにしようと思いました。
 でも私は男視点が基本なんで、母親の内面描写ができないから、突然襲い掛かる理由づけが難しいんですよね。
 きっかけってのもありますし。
 あと、あんまりヤりたがってる母親だと、背徳感が盛り上がらないのも困り者。
 やはりある程度「いけないこと」という部分がないと近親相姦にしてる意味がないですし。
 下手すると、単なる欲求不満のオバサンになっちゃって興奮しないんですよね。
 と言う訳で、「悲しみと欲求不満でおかしくなった母親が、思わず父親にそっくりな息子を襲ってしまう」という設定を思いついた訳です。
 正気になったら「これはまずい」と思って背徳感も盛り上がりますしね。
(2004.7.20)



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