理想の姉


 夏休みが終わり、新学期が始まってしばらくした頃、浩介は自分に姉がいるという事を知った。
 不意に母が「今度お姉ちゃんがアメリカから来るから。一緒に住む事になるけどいいよね?」と言ったのだ。
 最初は母の姉がアメリカに居たのかと思ったのだが、話している内にそれが自分の姉だという事が分かり、驚愕したのである。
 何故今まで姉の存在を知らなかったかと言えば、母が全く話してくれなかったからだ。
 浩介が赤ん坊の頃に両親は離婚しており、その時に姉は父に連れられてアメリカへ行ったらしい。
 その事をどうして話してくれなかったのかと告げると、母は「あれ? そうだったっけ?」と笑いながら答えたため呆れてしまった。
 昔から母にはそうしたところがあり、時折脱力させられるのである。
 自分にはそういう部分は無かったため、おそらく父親似なのだろう。
 父が母と別れたのも、おそらくこうした性格についていけなくなったために違いない、と勝手に思っていたりした。
 という感じで取り合えず姉が居たという事は理解できたのだが、何故一緒に暮らす事になったのかは分からなかった。
 いくら母にとって実の娘とはいえ、長年会っていなかったともなれば、そうそう一緒に暮らす事を承知はしないだろう。
 しかしそれに関しても、再び驚かざるを得ない理由があった。
 何と母は、仕事でアメリカへ行っている時に姉と会っていたらしい。
 アメリカへはちょくちょく行っているため、母にしてみると会えない期間はあるものの、娘としての意識はかなりあったという訳だ。
 そこまで親しくしていたのにも関わらず、自分に対して一言も語らなかった事に浩介は激しく脱力した。
 何故そうした大切な事を話してくれなかったのか。
 いや、母にしてみれば、すでに話していたつもりらしいから仕方がないのかも知れない。
 母は故意に話さなかったのではなく、話さなかった事を忘れていただけなのだから。
 続けて聞かされた姉の年齢は、十六歳の自分より七つ上の二十三歳。
 つい最近大学を卒業して就職したらしく、今回日本へ来る事になったのも、その企業の日本支店に配属となったためだそうだ。
 そしてその事を聞いた母が大喜びで同居を申し出、姉も承諾したという訳だった。
 こちらから持ちかけた上にすでに話がまとまっている以上、今更嫌だとも言えず、浩介は姉との同居を受け入れるしかなかった。
 とはいえ、これまで兄弟のいなかった事を考えると、姉が居たというのは嬉しい事でもあったのだが。


 そうした経緯を経た現在、浩介は仕事で迎えに行けない母の代わりに、駅で姉を待っていた。
 写真が無かったため、こちらからは誰が姉であるのか分からないのだが、自分の写真は渡してあるとの事なので、姉の方から声をかけてくるはずだった。
 せめて事前情報として顔くらいは知っておきたかったのだが、母はどこかにしまった写真を取り出す手間を惜しみ、「お姉ちゃんの方は分かるから大丈夫」と気楽に言って仕事に出かけてしまった。
 そうした性格は自分には全く無かったため、やはり自分は父親似なのだなと浩介は改めて思った。
「あなたが、浩介?」
 そんな事を考えていると、不意に声をかけられたため、浩介はそちらに視線を向けた。
(!……)
 そして次の瞬間には固まった。
 何故なら目の前に、白くて柔らかそうな肉の塊が二つあったからだ。
(お、オッパイ……)
 それは女性の胸の膨らみの谷間だった。
 Tシャツを押し上げるそれは、半分が生の状態で見えていた。
 膨らみが大きすぎるため、Tシャツでは全てを隠しきれないのだ。
 一瞬凝視しそうになり、慌てて相手の顔へ視線を動かす。
(び、美人だ……)
 今度はあまりに美しい顔があったため体が硬直する。
 女優やモデルとして通用しそうなほどに綺麗な顔がこちらを見つめているのだ。
 大きな黒い瞳が覗き込む様にしてくるのに恥ずかしくなり、視線を下に落とす。
(!……)
 すると今度はホットパンツから伸びる白い太ももが目に映る。
 その事に激しく動揺しつつ、女性から視線を外すと、浩介はようやく「は、はい、そうです……」と小さく呟いた。
「私はあなたのお姉ちゃんよ。宜しくね?」
 涼やかな声でそう告げられ、惹かれる様にして視線を顔に戻した瞬間、間近に女性の満面の笑みが広がったため、浩介は一瞬にして何も考えられなくなった。
「あ、は、はい……」
 などと間抜けな返答を返しつつ、急に動きが鈍くなった体をギクシャクさせながら、「こちらへどうぞ」と案内するため歩き出す。
 すると姉が「よろしくね」と笑みを浮かべながら近くに寄ってきたため、さらに体を硬直させてしまった。
(うわ……背が高い……)
 横に並ぶと姉の身長がかなり高い事が分かり、比較的背の低い浩介としては余計に長身に思えた。
 先ほど姉に声をかけられた時に最初に見えたのが胸だったのも、身長差的にちょうど目の高さに来る位置だったからだ。
 チラリと視線を横に向けると、真横に大きな胸の膨らみがあり、歩く振動に合わせて揺れているのが見えたため、激しく心臓を鼓動させてしまった。
 これほど大きな胸を実際に見たのは初めてだったし、何よりこの様な至近距離である事が緊張を嫌がおうにも高めたのだ。
 視線を下に向ければ、スラリとした白くて肉付きのいい太ももが目に映り、その事にも心臓がバクバクと鼓動を打つ。
(こ、こんな人が……僕のお姉ちゃん……)
 素晴らしすぎる肢体をしている女性が自分の姉である事に、何とも言えない喜びが溢れる。
 これからこの女性と一緒に暮らすのだと考えると、思わずいやらしい妄想が浮かび、その事で興奮が高まって肉棒が硬く勃起した。
「ねぇ、こっちじゃないの?」
「え? あ? はい? な、何ですか?」
 いやらしい妄想を逞しくしそうになった瞬間に声をかけられたため、浩介は激しく動揺しながら顔を上げた。
「タクシー乗り場って、あっちじゃないかって……」
「あ、う……そ、そうですね……すみません……」
 母からは姉をタクシーで家まで連れてくる様に言われていたため、タクシー乗り場を目指していたはずなのだが、ついうっかり反対方向へ歩いてしまっていたらしい。
 いきなり失敗した事に浩介はガックリと肩を落とした。
「そんなに落ち込まないで。別に大した事じゃないんだから……ふふ、美人のお姉ちゃんだったんで緊張してるんでしょ?」
 後半は顔を寄せ、囁く様に言ってきたため、浩介は頭がどうにかなりそうなほどの衝撃を受けた。
(息が……息が当たって……)
 生暖かく、そしてどこか甘さを感じさせる吐息が首筋にかかったのだ。
 これまで視覚的な事で興奮しまくりだったところへ、聴覚、触覚的に刺激を与えられたのだからたまらなかった。
 頭が朦朧とし、興奮が最高潮に達する。
 浩介はタクシー乗り場が近づいているのをボンヤリと知覚しながら、自分の意識がどこか遠くなっていくのを感じた。


 気がつくと、駅から家へ向かうタクシーの中だった。
 どうやってタクシーに乗ったのか全く覚えが無いのだから驚いてしまう。
 隣には姉が座っていた。
 長い黒髪のかかった顔は窓の外を眺めており、どことなく憂いを感じさせるその表情は、美しいだけにあまりに魅力的だった。
 そして視線を胸元へ動かせば、横から見るとその大きさがより分かる、豊満な乳房が存在を主張していて、浩介は思わずゴクリと唾を飲み込んでしまった。
 何しろTシャツから生の乳房が半分ほど溢れているのだ。
 グラビアでは何度も見た事はあるが、これほど間近で女性の生の乳房を見た事のなかった浩介にとり、それは頭をどうにかしてしまう魔力に溢れた膨らみだった。
 視線をさらに下へ動かせば、肉付きのいい白い太ももがあり、姉は脚を組んでいたためそれがより強調されていて、むしゃぶりつきたくなる衝動が起きて鼻息が荒くなった。
 心臓がバクバク激しく鼓動し、もうこのまま抱き付いて無茶苦茶にしたくてたまらない状態になっていく。
 自分の姉は何と恐ろしい存在なのだろう。
 見ているだけでここまでおかしくなっている事に、浩介の心は混乱し、どうしたらいいのか困ってしまった。
「……」
 不意に笑いの吐息が聞こえたため視線を上げると、姉が楽しそうな顔をしてこちらを見ていた。
 そして顔を近づけてくると、運転手に聞こえない小さな声で「駄目よ、あんまり見ちゃ」と囁いてきたため体が硬直した。
 姉の体を舐める様にして見ていたのがバレていたのだ。
 これから一緒に暮らす姉に対してそんな事をしてしまい、またそれがバレていたとあっては恥ずかしくてたまらなかった。
 だが姉は本気で怒っている様子はなく、楽しげにしていたためホッと息を付く。
 そしてもう見るのは止めないと、と思いながらも、どうしてもチラチラ視線が姉の体のあちこちにいってしまうのには参った。
 とにかく姉の体は、そうせずには居られないほど魅力的、というか魅惑的なものだったのだ。
 先ほど顔を近づけられた時に嗅いだ甘い体臭もそれを助長していた。
 姉は何と素晴らしく、魅惑的な存在なのだろう。
 これまで持っていた女性観が吹っ飛び、新たな女性観によって姉という存在が美化され、浩介は自分が姉に惹かれていくのが分かった。
 これからそんな姉と一緒に暮らせるのだと思うと、信じられないほどの幸福感を覚え、何とか姉に好かれたいと思う気持ちに溢れていくのだった。


 姉が家にやって来てから数日が経った。
 姉は仕事で昼間は居ないが、夜には早く帰ってきていた。
 日本での仕事はまだ本格的に進んでいる訳ではないため、あまりやる事がないそうなのだ。
 そのおかげで浩介は、忙しい母が留守の時は姉と二人きりという素晴らしい時間を過ごす事が出来ていた。
 姉も自分という弟と過ごす事を好ましく思ってくれているらしく、「一緒に居られて嬉しい」と言ってくれた。
 両親が離婚した当時、浩介は赤ん坊であったため姉の事は覚えていなかったが、すでに七歳になっていた姉は浩介の事を覚えており、ずっと会いたいと思っていたとの事だった。
 そして母から聞かされた話を基に、「自分の弟の浩介」といった人物像を作り上げていた様で、どうやら自分は合格点を上回るほどに理想的な弟だったという事らしい。
 浩介にしても「もし姉がいたら」と想像していた理想的な姉像があったが、姉はその想像以上に素晴らしかったため、何の文句も無い、どころか嬉しくてたまらない状況だった。
 そして何より思春期の少年としては、姉の肉体にも惹かれずには居られなかった。
 姉はTシャツにホットパンツという服装が好きなのか、そうした格好でいる事が多いのだが、肌を覆う部分の少ないその服装は、肉付きの良さと肌の白さが目に付き、十六歳の少年の心臓を激しく鼓動させて肉棒を熱く蠢かせたのである。
 姉が動くと、半分は見えている生の乳房がたゆんと歪み、白い太ももがくねると、どうにかしたくてたまらない衝動が湧き起こり、浩介は自分がおかしくなってしまったのではないかと思った。
 姉は浩介のそんな様子に気づくと、楽しげに「エッチ。見ちゃ駄目よ」と囁き、優しく微笑んできた。
 そうして甘く叱られる事を繰り返すたびに、浩介の心と体は姉の虜となっていった。
 一日中姉の事を考え、姉と一緒に居る幸せを噛みしめる様になり、心と体が高ぶって性欲を抑えられなくなった浩介は、いつしか姉をネタに自慰を繰り返す様になった。
 姉の事を想い、姉の乳房、太もも、体の全てを想像するだけで肉棒は痛いほどに勃起し、それを擦る時の気持ち良さといったらなかった。
 まるで姉がその場にいて、自分の肉棒を擦ってくれているかの様な錯覚を感じ、あっという間に精が放たれるのだ。
 その瞬間の快感に、浩介は夢中になって何度も自慰を繰り返した。
 何しろグラビアなどと違い、目の前の、今にも触れられる距離に存在する女体というのは迫力が違った。
 生物として息づいている存在感が肉の生々しさを強め、それに触れたい、揉みたい、撫で回したい、舐めて吸い付いて肉棒を押し込みたい、といった落ち着かない衝動を高めさせるのである。
 そして最も浩介を狂わせたのは、姉が何かにつけて抱き付いてくる事だった。
「可愛いっ」と大きな声を上げつつ、背後から手を回して体を密着させてくるのだ。
 そうされると姉の甘い香り、柔らかな肉の感触が体中に溢れ、何とも言えない心地良い状態になった。
 特に背中に当たる乳房の感触は、その場で射精してしまいそうになるほどたまらなかった。
 あの大きくて美しい物体が自分に接触しているのだと思うと、震えるほどの興奮が体に走り抜けるのである。
 そしてその時に姉が見せる、からかっている様な楽しんでいる様な、そんな微笑みがまた魅力的で、浩介はすっかり姉に夢中になってしまっていた。
 まさに身も心も姉の物になってしまったといっても過言ではないだろう。


「おかえりぃ〜〜」
 学校から家へ帰ると、すでに姉が居た事に嬉しくなる。
「どうしたんです? 早いじゃないですか」
「今日はちょっとね。早く帰れる事になったから。ほら、浩介のために夕飯作っておいたよぉ」
 エプロン姿の姉は誇らしげに胸をそらすと、キッチンの方を示した。
 確かに美味しそうな匂いが漂っており、視線を向けると実に美味そうな料理が並んでいるのが見える。
「凄いですね。これは凄い……」
 以前の一人で食べていた夕食とは比較にならない様子に、浩介は嬉しくなってそう呟いた。
「ふふ、浩介ぇ〜〜。かっわいいぃ〜〜」
 姉はいきなり叫ぶとそのまま抱き付いてきた。
(!……)
 突如押し寄せてきた気持ちの良さに、浩介は呆然となった。
 何しろいつもと違い、姉は背後からではなく正面向きに抱き付いてきたからだ。
 身長差の関係から、顔が柔らかな胸に押しつけられ、生の乳房が頬に触れているのが分かる。
(うぁ……き、気持ちいぃ……それに甘い香りが……)
 まさに姉に包まれている状態にクラクラしながら、浩介はその新しい刺激にうっとりと身を任せた。
「ホント可愛いよねぇ。う〜〜ん、やっぱり弟はいいなぁ。浩介って最高よぉ」
 姉はそう言いつつグイグイ体を押しつけてくる。
 そのたびに顔に触れる乳房の弾力が感じられ、もうどうにかしたくてたまらない衝動に浩介は包まれていった。
(!……)
 そして次の瞬間、目一杯勃起していた肉棒に姉の太ももが当たったため体を硬直させる。
 そのまま姉は太ももを動かしたため、肉棒が擦れてたまらない快感が走り抜けた。
 とんでもない気持ちの良さに包まれた頭の中で、このまま射精できたらどれほど素晴らしいだろうと思う。
「それじゃ、早く着替えておいでよ。ご飯にしよ?」
 だがそうした想いは、突如発せられた言葉で遮られた。
 そのまま姉は体を放すと、楽しげに夕食の準備の続きを始めている。
(あぁ……お姉ちゃん……)
 今まで味わっていた温かで柔らかな肉体が離れていった事に、浩介は強い寂しさを覚えた。
 姉の乳房は何と柔らかく、気持ちの良いものであったか。
 初めて顔で触れたが、実に素晴らしく素敵なものだった。
 そしてその初めての感触のせいか、股間では肉棒がはち切れんばかりに勃起し、どうにかしなければ治まらない状態になってしまっていた。
(部屋に行ったら、すぐにしよ……)
 浩介は今やすっかり習慣となっている姉をネタにした自慰をする事にし、少し離れた場所にいる姉をジッと見つめ、その姿を瞼に焼き付けようと必死になった。
 豊満な胸、引き締まった腰、肉付きの良い尻。
 全てが最高のオカズだった。
 それを記憶に留めつつ、慌てて自分の部屋へ向かう。
 自室に着くと制服を脱いでベッドに腰掛け、ティッシュを用意して肉棒を取り出すと激しく擦る。
 脳内には記憶した姉の肢体が浮かび、体には先ほど味わった柔らかな肉の感触が蘇った。
「う……く……」
 数度擦っただけでもう射精しそうだった。
 実際その後何度か擦ると同時に精が迸り、浩介はその快感にうっとりとなった。
 優しい姉の笑顔を思い浮かべ、繰り返される射精に気持ちの良さを味わう。
(はぁ……良かった……)
 射精を終えた浩介は、呼吸を整えて肉棒を綺麗に拭くと、気分を切り替えて立ち上がった。
 憧れの姉を自慰のネタにした事に罪悪感を覚えるが、魅惑的な姉の体を思うと、再び肉棒を擦りたくなってくるのだから困ってしまった。
 冷静な状態の時には「実の姉を相手に自分は何をやっているんだ」と悲しくなるのだが、実際に姉を見ると、その美しく肉感的な体にすぐさま肉欲が激しく高まってしまうのだ。
 その事は浩介にとり、ちょっとした悩みになっていた。
 これが他人であれば、告白して恋人になるのだという前向きな考えも出来ただろうが、相手は実の姉であり、そんな事が出来るはずもなかった。
 それでいて肉体的には求める衝動を抑えられないのだから、真面目な性格の浩介としては、どうしたらいいのか困っていたのだ。
 しかもそうして悩んでいる事が姉にはバレているらしく、「悩み事があれば、いつでも相談に乗るからね?」などと言われてしまっている状態だったのである。
 よもや「あなたを見ると欲情してしまうんです」とは相談出来ず、浩介はどうしたらいいのかと悩んでいたのだった。


 夕飯を食べ終えた浩介は風呂に入った。
 椅子に腰掛けたまま、体を洗うでもなく、先ほどの食事の様子を思い浮かべる。
 姉の手料理は非常に美味しく、何より姉という存在が素晴らしい調味料となって食事自体が楽しくてたまらなかった。
 姉の発する言葉の端々からは、自分の事を可愛く思ってくれている雰囲気が感じ取れ、その事が嬉しい浩介は幸せを噛みしめた。
 ただ男としては「カッコいい」と思われたい部分もあったため、少々悲しくもあったのだが。
(それにしても、帰るなり抱き付かれて食事を作ってもらって風呂に入るなんて、まるで新婚さんみたいだよな……)
 母は仕事が忙しく、ここ数日帰って来てなかったため、余計にそんな想いが強まった。
 新婚となれば、寝るのも一緒、というかセックスをするのだと考えると、肉棒が硬く大きくなっていく。
 先ほど偶然とはいえ太ももで擦られたのはこれまでに無かった快感であり、姉に対する欲情を加速させる要素となっていた。
 このまま姉とセックスできたら、と思うと鼻息が荒くなり、肉棒が激しく蠢く。
 あの素晴らしい体を思い通りに出来たらどれほど気持ちがいいだろう。
 脳裏には、もう何度も見てきた胸の膨らみを始めとする姉の肉体が浮かんでおり、それを揉み、撫で回す妄想が起きた。
(お姉ちゃん……)
 自然と手が肉棒に伸び、このまま自慰に移ろうかと思った時だった。
「浩介ぇ、入るよぉ?」
 不意に声が聞こえたかと思うと、浴室のドアが開いた。
 自慰をしようとしていただけに、浩介は激しく狼狽し、体をギクシャクと動かしながら横にあるドアへ視線を向けた。
(!……)
 するとそこには何も身に付けていない、裸の姉の姿があったため硬直する。
 これまで半分は見えてはいたが、全ては見た事が無い豊満な乳房が存在し、ピンク色をした乳首が目に映る。
 体全体が真っ白な肌に覆われており、その見事なまでの美しさに感動と欲情が激しく高まった。
 芸術的な体の上には、その象徴とも言うべき美しい顔があり、楽しげな笑みを浮かべてこちらを見つめている。
 白い肉体に長く美しい黒髪がまとわりついている様子は、何かで見た有名な絵画を思わせて素晴らしかった。
「う……あ……お姉、ちゃ……何で……?」
 何故真っ裸の姉がそこに居るのか理解できず、浩介は頭を朦朧とさせながら尋ねた。
「何でって、一緒にお風呂入ろうと思ったんだよ。最近浩介って元気ないからさ。何か悩みでもあるのかなぁって……ほら、裸の付き合いってそういう時にするといいって聞いたことあるから」
 確かにそうだろうが、それはあくまで同性限定ではないだろうか。
 異性でそれをしたら落ち着かない事この上ないだろう。
 実際浩介は落ち着かなかったし、何より股間の一物はさらに落ち着きが無くなっていた。
 痛いほどに勃起し、どうにかしてくれと騒いでいるのだ。
 何より自慰をしようとしていた矢先、最高のネタとも言うべき生の女体が現れただけに、その暴れぶりは凄まじかった。
 何しろ無意識のうちに手が股間に伸び、擦りそうになったくらいなのである。
 慌てて手を引っ込めると同時に、その部分が丸見えである事に気づいて今度は急いでタオルで隠す。
 見られただろうか、と思いつつ姉の顔を見ると、姉は優しげな微笑みを浮かべたままであったため、気づいているのかどうなのかよく分からなかった。
「お姉ちゃんが浩介の体、洗ってあげるから」
 そう言うと、姉は近づいてきて肩に手を置き、後ろ向きにさせた。
 取り合えず股間が姉の視界から消えた事にホッとしつつ、触れんばかりの距離に姉の裸体がある事に激しい興奮を覚える。
「洗うって……そ、そんなの……」
 しなくていいよ、と言いかけるが、「してもらいたい」という本心がすぐさま言葉を消した。
「お姉ちゃんが浩介の体、綺麗にしてあげるから」
 再び同じように言うと、姉は浩介の腰からタオルを取り、石けんを付け始めた。
 それによって元気いっぱいの一物が丸見えになった事に動揺するが、姉は特に気にした風もなくタオルで背中を擦り始めた。
「ねえ、浩介……最近ちょっと暗いけど、何か悩みでもあるの? お姉ちゃんで良ければ話を聞かせてよ。っていうか、聞きたいなぁ」
 原因はあなたです、とは言えず、どうしたものかと浩介は思った。
「私たち姉弟なんだし、もっと甘えていいんだよ? 母さんに言いにくいことでも、お姉ちゃんになら言ってくれていいんだから、ね?」
(!……)
 その瞬間、背中に発生した感触に、浩介の体は硬直した。
 姉がいつもの様に抱き付いてきたのだが、何しろ今は裸同士、肌の感触がダイレクトに伝わり、さらには乳房の柔らかさも強烈に感じられたのだ。
 柔らかさの中にポツンと二箇所、硬いものがあるのが分かり、それが乳首だと認識した途端、股間の一物がまるでメトロノームの様にビクンビクンと震え出した。
「もしかしてさぁ……浩介の悩みって、こっち関係?」
「ぐっ……」
 不意に肉棒が掴まれた事に浩介は呻いた。
 姉の柔らかな手が己の肉棒に触れている事にクラクラするほどの快感を感じる。
(あ、やべっ……うぅっ!)
 そして堪え性のない肉棒があっさりと射精してしまった事に、恥ずかしさとたまらない快感を覚えた。
 いくらなんでも掴まれただけで精を放ってしまうとは早漏すぎるだろう。
 とはいえ、これまで何十回とオカズにしてきた姉の肉体が裸の状態で現れ、接触してきたのだから無理もないと言えた。
 浩介の肉棒にとり、姉の体は射精の対象となっていたのだから、その魅力が増せば増すほど射精へのハードルは低くなるからだ。
 放出されていく白濁液をボンヤリ見つめながら、浩介は自分の手で出した時とは異なる快感に体が包まれているのを感じた。
 背後から柔らかな肉体に抱き付かれ、弾力のある心地良い二つの膨らみを背中に感じつつ、耳を擽る吐息に意識を向けながら射精する行為の何と気持ちいい事か。
 しかもいつもはある放った後の虚しさ、それが無いのが驚きだった。
「姉に射精させてもらった」という意識があり、何とも嬉しい気分で一杯だったのだ。
 無論射精を見られた事の恥ずかしさはあったが、それ以上に心も体も気持ち良かったのである。
「ふふ、一杯出たね……悩みってやっぱりこれ関係でしょ? 浩介ってお姉ちゃんの体、いっつもエッチな目で見てたし。色々したくてたまらなくなってるんじゃない?」
「そ、それは……」
 その通りです、と言いたいが、姉に対して言う言葉ではないと思って押し黙る。
 もし赤の他人であるならば、このまま性の手ほどきをしてもらいたいと思うところだが、実の姉に対し、自慰はともかくそこまでしてはマズイだろうという意識があった。
 しかし背中に押しつけられている柔らかな膨らみや、耳を擽る甘い吐息、そして何より未だに肉棒を掴んでいる滑らかな手のひらの感触に、浩介の頭はどうにかなりそうだった。
「あ、また硬くなってきた。もっと出したいんだね? お姉ちゃんが出してあげよっか?」
「ぐっ……」
 そう言うと共に姉が肉棒をしごき出したため、浩介は体を硬直させた。
 そして股間から押し寄せてくる快感にうっとりとした表情を浮かべる。
「どう? 気持ちいい?」
「き、気持ちいいです……で、でも何でこんな事してくれるんですか?」
 呼吸を乱しながら、先ほどから気になっている事を尋ねる。
 いくら何でも姉が弟の性処理をするなどおかしすぎるだろう。
「そんなの、お姉ちゃんが浩介の事が可愛いからに決まってるじゃない。可愛い弟がオチンチンを辛そうにしてるんだから、姉としてはそれを楽にしてあげたいと思って当然でしょ?」
「だけど……こんな……」
「こんな気持ちのいいこと、するの嫌?」
 姉はそう問いかけながら、今までよりさらに強く肉棒を擦った。
「はぅっ……い、嫌じゃないですけど……姉弟で、していいのかなって……」
「いいのよ。お姉ちゃんは浩介が好きなんだから……浩介だってお姉ちゃんにこうされて、嬉しくない?」
「う、嬉しいです……」
「だったら気にしないでいいの。お姉ちゃんは浩介に気持ち良くなってもらいたいんだから……浩介が望むなら、もっと色んなこと、してあげるよ……?」
「あぐっ……」
 耳元で甘く囁かれた言葉のいやらしさに、次の瞬間肉棒が再び精を放った。
 ドピュドピュっと勢い良く放たれる精液を見つめながら、「もっと色んなこと」とは一体何だろう、やはりセックスだろうか、と思って興奮する。
 姉とセックスしてはいけない、といった意識はあるが、しょせんは数日前まで存在すら知らなかった相手だ。
 その様な表面上の倫理観など意味は無いに等しかった。
「ふふ、また一杯出たね……でも浩介のここは、まだまだ満足してないみたい。もうこんなに元気だよ?」
 姉は精液にまみれた手で優しく肉棒を擦ると、浩介の体を自分の方へ向かせた。
「お姉ちゃんが、気持ち良くしてあげるね?」
 そう言うなり浩介の股間に顔を寄せると、姉はパクリと肉棒を口に含んだ。
「はぅっ……!」
 突如訪れた強烈な快感に、浩介は体を硬直させ、頭を仰け反らせた。
 湿りを帯びた温かくて柔らかいモノに肉棒が包まれているのがたまらず、もうそれだけでまた射精しそうな感じだった。
「うっ……あっ……はっ……」
 続けて舌が亀頭に絡み、チロチロと舐めてきた事に、体をピクッ、ピクッと震わせてしまう。
 肉棒を出し入れし、口全体で吸い付き、舌で擦ってくる姉の行為に、浩介は頭が真っ白になった。
 何という気持ちの良さだろう。
 女性の口に含まれ舐められるのが、これほどたまらない行為だとは思わなかった。
「あくっ……そっ……あっ……」
 裏筋をペロリと舐め上げられた瞬間、意味を成さない言葉が口から漏れる。
 何も考えられず、浩介は姉の与えてくる刺激に身を任せるしかなかった。
「浩介、気持ちいい?」
 その問いかけに視線を向けると、姉が優しげに微笑みながら、上目遣いでこちらを見上げているのが見えた。
 それは甘えたくなる様でいて、襲いかかりたくもある、何とも言えない愛情といやらしさを感じさせる表情だった。
「き、気持ちい、あぅっ……」
 答えを言う間もなく、姉が強く肉棒を吸い上げてきたため体が硬直する。
 そのまま強烈な吸引と擦りが繰り返され、浩介はもう我慢できない自分を感じた。
(出ちゃうっ……お姉ちゃんの口にっ……僕っ、出しちゃうよぉっ……)
 姉の頭が勢い良く上下に動き、舌が蛇の様に絡みついて肉棒を追い詰めていく。
 童貞の少年にとり、その見事なテクニックは耐えられる限界をあっという間に超えてしまった。
「うっ……あぁっ!」
 次の瞬間には精が迸り、ドピュッ、ドピュッ、と白濁液が放出されていくのが分かる。
 自慰の時とは比較にならない勢い、そして快感を伴った射精はしばらく続き、その間浩介はたまらない気持ちの良さに身を委ねた。
 頬がだらしなく緩み、至福の体験に身も心も快楽で一杯になった。
 少しして射精を終えると、ガックリと力を抜く。
「んんっ、んっ……ふぅ……どう? 気持ち良かった?」
「……はい……気持ち、良かったです……」
 口元を拭きながら尋ねてくる姉にボンヤリと答える。
 自分を信じられない快楽に導いてくれた姉の美しい姿を見ていると、何やら心が温かくなり、さらにその肉付きのいい肢体を見ていると、肉棒が再び力を取り戻すのを感じた。
 何より胸元で揺れる大きな乳房は、今すぐにでもむしゃぶりつき、舐め回して吸い付きたい衝動を呼び起こした。
 このまま姉を押し倒し、肉棒を押し込んだらどれほど気持ちがいいだろう。
 口ですらこの快感なのだから、秘所に入れたらどうなってしまうのか想像も出来なかった。
 その想いが日頃からは信じられない大胆さを呼び起こしたのか、無意識の内に体が動き、姉の肩に手を置いて押し倒そうと力が籠もった。
「ふふ、したいの? そりゃしたいよね? お姉ちゃんと、セックス……」
 姉は妖しげな笑みを浮かべながら、自ら後ろに倒れていく。
 その様子に自分の行動を了承してくれているのだと判断した浩介は、鼻息を荒くしながらのし掛かっていった。
(や、柔らかい……それにあったかくて……何て、気持ちいぃ……)
 体を重ねると、姉の体の柔らかさ温かさが直に感じられ、体中に快感が走り抜けた。
 まるで上質のクッション、いやそれ以上の弾力と柔らかさを持った感触だった。
 これが女の体なのかと思いつつ、思わず肉棒を擦りつけてしまう。
「うっ……」
 するとたまらない快感が走り抜け、肉棒が悦びに蠢いた。
 もし先ほど射精していなければ、精を漏らしてしまったに違いない。
「駄目だよそんな風にしちゃ。擦るのは入れてから、ね?」
 優しく抱き締めてくる姉の言葉にコクリと頷く。
 そうして密着しているだけで、滑らかな肌と擦れて最高に気持ちが良かった。
「浩介のしたい様にしていいんだよ?……お姉ちゃん、何でも許してあげるから……」
 甘く囁かれるのに心臓が痛いほど鼓動する。
 姉ほど美人でスタイルのいい女性とこの様な状態になれている事に、浩介は自分が何と幸せなのかと思った。
 そしてその相手にこれから童貞を捧げるのだと考えると、震えるほどの興奮が押し寄せてくる。
「お姉ちゃんっ……」
 自分では叫んだつもりだったが、実際は擦れた声を吐きながら、浩介は姉の乳房にむしゃぶりついていった。
 会った時からそうしたくてたまらなかった、毎夜毎夜自慰のネタとして想像してきた姉の乳房に、ついに自分は触れたのだ。
 感動を覚えつつ、それ以上に押し寄せてくる興奮に促され、豊満な乳房を揉みしだき、桜色をした乳首に吸い付いて舐め回していく。
「あんっ……いいよ、あっ……そう、あぁっ……そうやって、あんっ……」
 姉が優しく告げてくるのに悦びが溢れる。
 自分が姉を気持ち良くさせられているのが、男として一人前になったかの様な感覚を覚えたのだ。
 もっと姉を喘がせたい、姉にいやらしい声をあげさせたい、といった想いに包まれながら、浩介は姉の体を愛撫していった。
(ああ、綺麗だ……凄く柔らかい……何て気持ちいいんだろ……)
 初めて味わう女体の感触に、浩介の頭はどうにかなりそうだった。
 姉の体はどこに触れても柔らかく、何をしてもたまらなかった。
 さらに自分が何かするたびに、美しい唇から甘い吐息が漏れるのが誇らしさを感じさせ、浩介は夢中になって姉の肉体を貪っていった。
「あっ、あんっ……そんなの、やっ……んっ、んんっ……」
 首筋に吸い付き、舐め回した後、耳を甘く噛んで穴に舌を入れると、姉が悶えるのが可愛らしい。
 そのまま桜色をした唇に吸い付くと、優しく舌が絡んできて吸われるのに体が快感に包まれる。
 初めてしたキスはあまりに濃厚なものであり、気持ち良すぎるものだった。
 何より目の前に姉の美しい顔があり、この様な女性と裸で抱き合い、唇を重ねているのだと思うと、誇らしさと嬉しさで一杯になった。
 快感に震えながらゆっくり唇を放すと、二人の間に唾液が垂れて何ともいやらしい。
 そのまま下半身に移動し、肉付きのいい太ももを持つと左右に開いていく。
 そこには肉の襞が存在し、セックスの際に肉棒を入れる穴があるのが見えた。
「ここに、浩介のオチンチンを入れるの……分かる……?」
 姉が指で膣襞を開くと、ヌメヌメとした肉の穴がよく見え、浩介はそこに肉棒を入れたくてたまらなくなった。
 セックスの経験が無いにも関わらず、そこに入れさえすれば凄く気持ち良くなれる事が分かったのだ。
「ほら、おいで……?」
 甘く優しく誘ってくる姉に頷きつつ、震える手で肉棒を掴んだ浩介は、ゆっくりと秘所へ近づけていった。
「うっ……」
 開いたままの膣穴に亀頭の先が触れた瞬間、震えるほどの快感が走り抜け、浩介はそのまま一気に腰を前に押し進めた。
 ズブ……。
「!……」
 亀頭が温かくて湿ったモノに包まれる。
 先ほどの口の中と違うのは、強く圧迫されているという点だ。
 それが女の中に入った証の様に思えた浩介は、自分がついにセックスを、女を知ったのだと理解した。
「そのまま入れて……奥まで……そう、あっ……そうだよ、あぁっ……」
 姉に促されて押し込むと、亀頭が擦れてたまらない快感が湧き起こった。
 肉棒が何かに吸い付かれ、絡みつかれている様に感じられ、その経験した事の無い感触から、信じられない気持ちの良さが起きるのにうっとりとなる。
(うぁ……気持ちいぃ……気持ち良すぎるよぉ……)
 ただ入れているだけで、これまでとは比較にならない快感が股間から湧き昇ってくる。
 女の中とは何と気持ちのいい場所なのだろう。
 浩介は押し寄せてくる快感に呼吸を乱しつつ、何とか全ての肉棒を収めると、大きく息を吐き出して動きを止めた。
「入った、ね……ふふ、浩介のドクンドクンって言ってる……」
 姉が背中に手を回し、優しく抱き締めてくるのに嬉しさが込み上げる。
 ついに自分は姉と、あの憧れの姉と繋がったのだ。
 それは何とも言えない誇らしさと嬉しさを感じさせる事だった。
「じゃ、次は動いて……もっと気持ち良くなろ?」
 姉の言葉に頷き、ゆっくり腰を引いてみる。
(!……)
 途端たまらない快感が湧き起こり、そのまま意識せずとも勝手に腰が動いてピストン運動を開始した。
「あっ、あっ、ああっ……やっ、やっ、やぁっ……」
 とてつもない快感と、姉のいやらしい喘ぎに身も心も快楽に包まれた浩介は、夢中になって腰を振りまくった。
 とにかく肉棒を擦りさえすれば気持ち良かったのだ。
 これほど気持ちのいい行為をするのは産まれて初めてであり、今までこの快感を知らなかった事が悲しくなるほどだった。
「ああっ、いいっ、いいよ浩介、あんっ……そうやって、あっ……そう、あぁっ……」
 何より自分が動くと姉も甘い吐息を漏らし、体をくねらせて悶えるのがたまらなかった。
 豊満な乳房がこちらの動きに合わせて上下に揺れ、一突きごとに姉の表情がいやらしく変化し、もっとして欲しいと言わんばかりに喘いで求めてくるのが最高だった。
 自分は今姉を支配している。
 美人でスタイルのいい、優しくて素晴らしい女性である姉を、自分が自由にしているのだ。
 それは何とも嬉しく、誇らしい事だった。
「やっ、やっ、やぁっ……浩介上手いよ、あんっ……凄く上手、あぁっ……浩介のオチンチン、いいのぉっ……」
 さらに姉に褒められるのがたまらなかった。
 そうして言われる事が、男として認められた様に感じられ、ますます肉棒に力が漲り、腰の動きが激しくなっていく。
 自分の体には姉を従わせる力があるのだという想いが湧き起こり、それが強い自信をもたらして、姉をもっともっと気持ち良くさせてやらなければ、などと思わせた。
「あんっ、あんっ、ああんっ……浩介最高、あっ……こんな気持ちいいの、ああっ……初めてぇっ……いいっ、いいっ、いいぃっ……」
 激しく悶えた姉がギュッと抱き付いてきた瞬間、強烈な締め付けが肉棒に走り、射精感が一気に高まった。
 気分は一人前の男になったつもりでも、体はまだまだ初心者であったため、姉の体が与えてくる強烈な刺激に耐えられないのだ。
 その事に少し悲しさを感じつつも、限界が近い事に浩介は焦った。
 何とか持たせるために腰の動きを緩めようとするものの、体は快感を求めて動くのを止めなかった。
 このままでは後少しで射精してしまうに違いない。
「お姉ちゃんっ……僕っ、もうっ……」
 擦れた声でそう叫びながら、激しく腰を叩き付けていく。
「いいよ、あっ……出して、あぁっ……お姉ちゃんももうイくから、あんっ……浩介出して、あぁっ……浩介出してぇっ……」
 切羽詰まっている姉の声に興奮が高まり、それまで以上に腰の動きが強く速くなっていく。
「あっ、あっ、ああっ……駄目、やっ……もう、あぅっ……わたしっ、わたしっ、わたしぃっ……イくっ、イくっ、イっちゃうぅっ……やっ、やっ、やぁあああああああああっ!」
「うっ、うぁっ、うあぁっ!」
 姉の絶頂の叫びと共に膣内が激しく収縮し、それまで以上の吸引が起きた瞬間、浩介は精を放った。
 ドピュドピュっ、ドクドクドクドクドクドク……。
 精液が勢い良く迸り、頭の中が真っ白になる。
 とんでもない気持ちの良さが心と体を包み、肉棒が震えて精液を放出していくのだけが分かった。
(あぁ……き、気持ちぃ……凄いよぉ……はぁ……)
 終わりが無いのではないかと思えるほど肉棒が何度も律動し、姉の中に精液を注ぎ込んでいく。
 今自分は姉の中に射精しているのだと思うと、何とも言えない満足感が押し寄せ、何か凄い事をしているかの様な感覚を覚えた。
 そうしてしばらく射精を続けた後、ようやくそれが治まったのを感じた浩介は、力を抜いて姉の体の上に身を横たえた。
 ハァハァといった荒い呼吸が響く中、自分がセックスをやり遂げたのだという想いに浸る。
 しかも相手はあの素晴らしい姉なのだと思うと、たまらない満足感と達成感が込み上げてきた。
「良かったよぉ、浩介ぇ……」
 そんな事を思っていると不意に姉が抱き付き、優しく頭を撫でてきたのに嬉しくなる。
 それと同時に「姉は、この女は自分の物だ」といった想いが湧き起こり、これまで以上の愛情と執着を感じた。
「お姉ちゃん……」
 それを実感するため、姉の体を強く抱き締める。
「あんっ……もう、浩介ったら甘えん坊なんだからぁ……ふふ、そんなに良かったのぉ? んっ、んぅっ……」
 言葉で答える代わりに唇に吸い付いていく。
 舌を押し込んで絡めると、姉が強く舌を吸ってきたため体が震え、肉棒が一気に回復していくのが分かった。
「んっ、んっ……んんぅっ……ふぅ……もう、浩介ったら可愛いんだからぁ……」
 姉はそう呟くと顔中にキスの雨を降らせてきた。
 それを嬉しく感じながら、こちらも負けじと乳房をギュッと掴んで揉みしだく。
「あんっ……ちょっと待って浩介。続きはベッドでしよ、ね?」
 このまま二回目をしたい、と思ったところで手を掴まれる。
 姉の申し出は理解出来たが、浩介は我慢できなかった。
 女体の味を知ったばかりの少年にとり、少しの時間でも耐えるなど無理な話だったのだ。
 したくなったらその場でしなければ治まらないのである。
「もう一回だけ、いいでしょ?」
「でもここだと落ち着かないじゃない。だからベッドで、あっ……駄目ってもぉ、あんっ……馬鹿ぁ、やっ……あぅんっ……」
 姉の本気とは思えない軽い抵抗を無視し、肉棒を押し込む。
「こらぁ、入れちゃってぇ。もぉ、しょうがない弟なんだからぁ……」
 姉は呆れた様に笑いながら抱き締めて来た。
 それで許してもらえたと思った浩介は、そのまま腰を動かし、姉の中を擦っていくのだった。


 窓の外はすっかり明るくなっていた。
 あれから姉の部屋に場所を移した二人は、ベッドの上で何度も交わっていた。
 思春期の体は限界が無いのか、射精を終えて少し休むと、すぐさま姉を抱きたくなったのだ。
 というより、姉の体を見、その存在を感じると肉棒があっという間に回復するため、終わらせる事が出来なかったのである。
 徹夜をしているにも関わらず浩介は元気一杯であり、まだまだ姉を抱きたくてたまらなかった。
 まさに姉の体は、浩介を肉欲に狂わす魔力を秘めていたと言えただろう。
「あっ、あっ、あぁっ……浩介ぇ、はぅっ……浩介のオチンチン、あっ……凄いよぉっ……」
 姉は横になった浩介の腰に跨り、小刻みに体を揺らして甘い喘ぎを漏らしている。
 体が動くたびに長い黒髪が乱れ、豊かな乳房が上下左右に揺れる様が何ともいやらしい。
「あんっ、あっ……ちょっといきなり、あっ……浩介、やんっ……」
 腰を突き上げると、姉が体を仰け反らせて悶えた。
 そのまま突き上げ続けると、姉は顎を上げたまま「あっ、あはぁっ……」と嬉しそうないやらしい喘ぎを発した。
 何度か交わって知ったのだが、姉は騎乗位で下から突かれるとたまらないらしいのだ。
 さらにそのまま乳房を揉むと悦ぶため、浩介はすくう様にして大きな肉の塊をギュッと掴んだ。
「はぁぅっ……あっ、浩介ぇっ……あぁっ、いいよ、いぃっ……いいのぉっ……」
 腰を強く突き上げ、乳房を揉みしだいていくと、姉はトロンとした表情を浮かべながら自らも腰を振った。
 その様子は美人であるだけにいやらしさも高まり、視覚的な快感としても強まっていく。
 浩介は上半身を起こして体面座位の体勢になると、そのまま桜色の乳首に唇を寄せ、強く吸い上げた。
「あんっ、あっ、ああっ……やっ、それぇっ、やっ、やぁんっ……」
 顎を仰け反らせ、虚ろな瞳で悶え狂う姉の姿は最高に気持ち良かった。
 優れた女を喘がせ、従わせる快感は何度経験してもたまらないのだ。
 女を抱く男は多いだろうが、姉ほどの美女を抱ける男はそう居ない以上、自分は何と幸せなのだろうと改めて思う。
「やっ、やぁっ……浩介ぇ、あんっ……浩介もっとぉっ……」
 潤んだ瞳を向けられ、甘ったるい口調で言われると、姉をさらに気持ち良くせずにはいられなくなった。
 先ほどは姉を支配しているかの様に思ったが、実際はこうして姉の要求に応える形で抱いているのだから、実は自分の方が支配されているのではないかと浩介は思った。
 とはいえ、それはそれで美女に支配される心地良さがあったため構わないのだが。
 そんな事を考えつつ、浩介は姉の体を四つんばいにさせると、背後から肉棒を突き込み、覆い被さる状態になりながら激しく腰を振っていった。
「あっ、あはぁっ……いいっ、いいっ、いいぃっ……浩介いいの、あっ……浩介ぇっ……」
 白い背中に美しい黒髪がかかっているのがいやらしく、興奮を高めた浩介は、肉付きのいい尻を掴んで前後に腰を激しく振っていった。
「ああんっ、あっ……いいよ浩介、あぅっ……それいぃっ……あっ、あぁっ……」
 振り返り、甘える様にして言ってくる姉の言葉に、浩介の心臓は激しく鼓動した。
 美人でスタイルのいい姉が己の肉棒を咥え込み、一突きごとに甘く喘ぐ姿は、まるで自分が何か凄い存在になったかの様に思えて最高だった。
 出会った瞬間に憧れ、毎日羨望と欲情の対象だった姉が、今や己の支配下にあるのだ。
 それは単に肉体的に気持ちがいいというだけではなく、精神的にも激しい悦びを伴うものだった。
 これだけ素晴らしい女を抱ける男が世の中にどれだけいるだろう。
 よほどモテるか、金持ちでもない限り無理に違いない。
 それを自分は、ただ弟として産まれただけで手に入れたのだ。
 何と幸運である事か。
「あっ、ああっ……やっ、やっ、やぁっ……浩介いいよ、あっ……もっと、あんっ……もっと強くぅ、あぁっ……もっと強くしてぇ、あっ、ああんっ……」
 普段の様子からは想像できない姉の甘ったるいおねだりに、浩介は興奮を高めながら肉棒を思い切り叩き付けた。
「あぅっ、あっ、ああっ……いいっ、いいっ、いいぃっ……浩介凄い、あっ……浩介凄いよぉ、あっ、あっ……浩介凄いのぉっ……」
 姉は腕を崩し、上半身をベッドに投げ出して尻を掲げる体勢になった。
 それが自分の与えた快感の凄さとして認識され、浩介はさらに腰を強く振っていった。
「あぁんっ、あっ、ああっ……たまんない、あっ……たまんないよぉ、あっ、ああんっ……浩介のオチンチン、あぅっ……凄すぎ、あっ……凄すぎるよぉっ……」
 頭を左右に振り、シーツを引き寄せて悶える姉の様子に、浩介は嬉しさで一杯になった。
 セックスを知ってから少ししか経っていないにも関わらず、自分はすでに一人の女を満足させているのだ。
 しかもそれが年上の、大人の女だという点が余計誇らしかった。
 姉ほどの女をここまで悶え狂わせられるとは、自分は何と凄い男なのか。
 浩介は激しい誇らしさ、満足感で満たされながら、姉にもっと快感を与え、支配したい衝動からそれまで以上に肉棒を叩き付けていった。
「はぅんっ、はっ、はぁっ……それいいっ……それいいよぉっ……浩介それもっとぉっ……」
 こちらの与える刺激にすぐさま反応し、甘えの喘ぎを漏らす姉に、浩介の興奮は強烈に高まった。
 美しく、いやらしい肉体をした姉を、今自分は思い通りにしているといった想いに、射精感も限界になっていく。
「お姉ちゃんっ……僕っ、もうっ……」
 肉付きのいい尻をギュッと掴み、我慢できなくなっている事を告げる。
「いいよ、あっ……出していい、あんっ……浩介の好きな時に、やっ……出していい、からぁっ……あっ、あっ、ああっ……」
 優しく告げてくる姉に嬉しさを感じつつ、ラストスパートとばかりに激しく腰を振る。
「あんっ、あんっ、ああんっ……いいっ、いいっ、いいぃっ……浩介っ、浩介っ、浩介ぇっ……やっ、やっ、やぁああああああああああっ!」
「お姉ちゃんっ、お姉ちゃんっ、お姉ちゃぁんっ!」
 姉が絶叫と共に体を仰け反らせた瞬間、浩介も精を放った。
 ドピュドピュッ、ドクドクドクドクドクドク……。
 迸る精液にたまらない気持ちの良さを覚えつつ、何度も何度も射精を繰り返していく。
「あ……はぁ……あぁぅ……」
 小刻みに体を震わせて色っぽい吐息を漏らす姉をいやらしく感じながら、精を放ち終えた浩介はゆっくりと横に倒れ込んだ。
 荒い呼吸を繰り返しつつ、隣にいる姉を見つめる。
 何度見ても美しく、たまらないいやらしさに溢れている女性だった。
「浩介ぇ、気持ち良かったぁ?」
 そう言いながら、優しく抱き締めてくる姉の胸に顔を寄せる。
 柔らかな肉の感触が頬に当たり、何とも心地いい。
「はい……凄く気持ち良かったです……」
「そう、なら良かった。ふふ、可愛い弟が気持ち良くなってくれて、お姉ちゃんも嬉しいよ」
 笑顔で呟く姉の姿は、浩介にとってまさに女神といっても過言ではなかった。
 以前から憧れていたが、信じられないほどの快楽を与えられた事により、姉に対する想いは強烈なものになっていたのだ。
 この美しい女神を自分は自由に、好きな様に貪ったのである。
 それは男としてとんでもなく幸せな事なのではないだろうか。
 そう思うと、もっともっとこの肉体を味わいたくなってくる。
「ふふ、まだしたりないって顔してるね? いいよ、浩介の気が済むまでしていいから……」
 すでに回復した肉棒に気づいたのか、姉はそんな事を言ってきた。
 ただでさえしたくてたまらなくなっているのに、甘く促されては止める理由などない。
 浩介は体を起こすと、肉棒を押し込み、そのまま姉の柔らかな肉体に埋もれていくのだった。












あとがき

 今回は背徳感よりも肉欲メインって感じで書いてみました。
 何となく「姉の魅力に興奮する様子」を書いていたら、そうなってしまったのですな。
 趣旨的には、「突如現れた理想的な女性がセックスさせてくれる」という感じですか。
 萌え系の近親相姦エロゲーによくある設定ですね。
 まあ、そういうゲームだと「突如現れる」訳ではないですけど、取り合えず「家族なのに恋人的な感覚を持っている」という点で同じだと思ったので。
 私的にはそうしたゲームの様に、「家族である意味」が「近くにいる好意を持ってくれている異性」という感じでしかない設定は好きではないのですが、今回は敢えてそういった雰囲気にしてみました。
 普通の家族だと微妙なので、「家族としての認識が薄い」という設定にして、恋人的な姉弟の様子を描いてみた次第。
 そんでそうした設定ゆえに、最初から主人公は姉に対して肉欲丸出し(笑)で体を求める事ばかり考えている状態になっていた訳です。
 家族という意識が薄ければ、年頃の男ならそうなるでしょうからね。
 そういう意味で背徳感は薄いですけど、主人公の興奮としてはストレートな感じに描けたんじゃないかと思います。
(2008.12.9)



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