霊媒師の友人
伊藤友真(いとうゆうま)は、一ヶ月ほど前に高校へ入学した。
その学校は県内でも屈指の進学校であり、友真は猛勉強して受験に望んだため、合格した時は凄く嬉しかった。
中学時代は、自分はそれなりに勉強が出来る方だと思っていたが、入学してからというもの、その自信はかなり無くなっていた。
何しろ周囲に居るのは勉強の出来る人間ばかりだったからだ。
考えてみれば当然の事で、この高校に受かっているのは皆同じ学力水準の者なのだから、そうした人間が多いのは自然の事だったからである。
入学当初はその事で悩んだりもしたが、今はどうでも良くなっていた。
何故なら、結局頭の良さなどというものは、人間関係を構築する際に意味を持たないものだったからだ。
中にはそうではない人間も居るのかも知れないが、自分と友人になった人間の中には、成績がどうとか気にする者は居なかったのである。
ゆえに入学から一ヶ月を経過した現在、友真は数人の友人を作る事が出来ており、それなりに楽しく学校生活を送れていたのだった。
寂しいのはその中に女の子が居ない事くらいで、高校へ入ったら恋人が欲しいと願っていた友真としては、可愛い女の子との出会いが無いのは残念で仕方がなかった。
世の中そう上手くはいかないという事だろう。
そもそもクラスの中でも恋人が居る噂のある人間が皆無である事を考えれば、恋人を得られる確率などというのは、凄く低い事なのかも知れない。
特に運が良い訳ではない自分では、これから三年間の高校生活の中で、果たして恋人が得られるかどうか、というより恋をする事が出来るかどうかすら怪しい感じがしていたのだった。
(っと、危ない……)
などと寂しい事を考えながら放課後に廊下を歩いていると、不意に曲がり角で人とぶつかりそうになった。
素早くかわしたつもりだったが、体がぶつかり合い、互いによろける状態となる。
「す、すみません……」
どちらが悪いという感じでも無かったが、考え事をしていた分、かわすのが遅れたように思えた友真は慌てて謝った。
「こちらこそ、失礼……」
相手も怒らず謝罪してくれた事にホッとしつつ、ふとその顔を見た友真は、その瞬間、心が幸せで満たされるのを感じた。
(か、可愛い……)
目の前に居たのは、何とも友真好みの顔をした可愛い少女だったからだ。
恐ろしいほどに整った顔立ちは、雪のように白い肌で覆われており、それが何とも美しかった。
髪は首筋辺りまでの長さという、友真にとって理想とも言うべき髪型であり、それは顔の造形と凄くマッチしていて可愛らしさを高めていた。
友真より頭一つ分くらい低いその背丈も、思わず抱き締めたくなる愛らしさを感じさせており、その衝動を抑えるのに苦労するほどだった。
何と理想的な少女だろう。
そんな少女とぶつかって出会う。
まるでアニメや漫画のようなシチュエーションだったが、こうした出会いこそがまさに自分の求めていたものだった。
惚れた。
一瞬で惚れた。
一目惚れというのは迷信かと思っていたが、実際にある事なのだ。
友真はどうすればこの少女ともっと親しくなれるだろうかと考えたまま、ジッとその場に立ちつくした。
「大丈夫? ぶつけた所が痛いのかい?」
不意に声をかけられ、ハッと意識を戻す。
あまりの嬉しさのせいで、どうやら意識を失っていたらしい。
目の前では可愛い少女が、心配そうにこちらを見つめており、その事に心臓が激しく鼓動した。
こんな可愛い女の子にジッと見つめられるなんて、何と幸せな事だろう。
(って……あれ? 女の子なのに、何でこんな格好……)
改めて少女を見ると、彼女は何故か男子用の制服を着ていたため、その事を疑問に思う。
「それとも元々具合が悪かったのかな? お腹でも痛いとか?」
少女は心配気にそう言いつつ、覗き込むようにしてこちらを見つめてくる。
その事に心臓が破裂しそうなほど鼓動し、友真は少し後ろへよろけてしまった。
「だ、だ、大丈夫大丈夫。な、何ともないから……」
「そう? それならいいけど。それにしても君、面白いな……」
不意に少女は楽しげに微笑むと、可愛らしく首をかしげた。
「え? 面白い? 俺が……?」
この言葉は好意と受け取って良いのだろうか。
笑い方からして馬鹿にした感じではないし、もしかして好印象を与えたという事なのだろうか。
「うん、面白いよ。僕にここまで見つめられて、平然としてるなんてね……ふむ、こうしても平気かな?」
「!……」
突如少女が触れ合うほどの距離まで顔を近づけてきため、ギョッとなった友真は慌てて体を離した。
「な、な、何を……」
あまりに嬉しいが恥ずかしすぎる急接近に、友真は顔が熱くなるのを感じた。
「ほぉ……やっぱり平気だね。益々面白い。君のような人は初めてだよ」
驚いたようにそう告げてくる少女は、再び少し顔を寄せてくると面白そうに笑った。
その表情は何とも可愛らしく、見ているだけで幸せな気持ちにさせられるものだった。
やっぱり自分はこの娘に惚れた。
好きだ。
大好きなんだ。
心がそう強く叫び、どうすればもっと親しくなれるだろうかという想いが頭の中をグルグル回る。
「良ければこれからも会ってもらえないかな? いや、良くなくてもこちらとしては会いたいんだけど。そういう強引なのは嫌いかい?」
ニヤリと笑いながら告げてきた言葉に、友真は自分が夢を見ているのではないかと思った。
まるでアニメや漫画のようにしてぶつかって出会った美少女は、あろう事か自分と今後も会いたいと言ってきたのだ。
何という幸運。何という幸せだろう。
「嫌いじゃないです。全然全く。会うのはもちろん。会いたいです」
嬉しさから混乱しつつ、しどろもどろになりながら応える。
「そう。それは良かった。こちらとしても嫌がってるのを無理矢理ってのは嫌だったからねぇ。いや、そういうのも良かったりするけどさ……まあ、取り合えず宜しく。ああ、僕は令道真璃迦(れいどうまりか)一年A組だ」
「俺は伊藤友真、一年C組」
そう告げながら、「真璃迦か。真璃迦ちゃんね。可愛い名前だなぁ」などと思う。
改めてその容姿を見ると、体全体から可愛らしさのオーラが感じられて、とんでもなく惹かれている自分を感じた。
これまでテレビに出ているアイドルを可愛いなどと思っていたが、真璃迦と比べれば勝負にならない容姿と言えただろう。
それだけ真璃迦は恐ろしいほどに可愛かったからだ。
こんな可愛い娘と知り合えただなんて、自分は本当に幸せ者だった。
(これで女子の制服を着たら、もっと可愛いだろうになぁ……)
この学校の女子の制服は可愛さでも人気があったため、それを真璃迦が着たらと思うと、その想像だけで興奮が強まった。
実際着た姿が見たいと思いつつ、改めて何故男子の制服を着ているのだろうという事に疑問が起きた。
「えっと……その、ちょっといいかな?」
「ん? 何かな?」
友真が話しかけると、真璃迦は小首をかしげたため、その仕草に恐ろしいほどの可愛らしさを感じてしまう。
仕草一つで何ともドキドキさせられてしまうのだ。
「いや、さっきから気になってたんだけど……何で男子の制服着てるの?」
「え? 何でって、どうしてそんな……あ、なるほど、そうか……なるほどね……ふふ、面白いな……やっぱり君は面白い……」
真璃迦は一瞬怪訝な表情を浮かべた後、楽しげに笑うと、こちらを嬉しそうに見つめてきた。
黒々とした瞳に可愛らしさを覚えつつ、何か妙な事を聞いただろうかと不安になる。
「僕が男子の制服を着ている理由。それは凄く簡単なことさ……それは僕が男だからだね」
「……」
そう告げられた瞬間、何を言われたのか分からず呆然となる。
(男?……こんなに可愛いのに?……何冗談言ってるんだろ……?)
友真は嘘としか思えない発言を、どう処理すればいいのか困りながら、女の子でしかあり得ない真璃迦の可愛らしい顔をジッと見つめ続けた。
「ああ〜〜、それは信じてないね。信じてない顔だ……ふふ、困ったなぁ。僕は男だというのに、君は信じてくれないのか」
「いや、信じるも何も……女の子、でしょ?」
冗談も大概にしないと嫌がらせになるだろうと思いつつ、でもそんな事をしている真璃迦も可愛いな、などと心の中で思う。
「まあ、よく間違えられるけどね。普段着だとしょっちゅうそうだし。でもまさか制服でも女に間違われるとは思ってもみなかったよ」
真璃迦は楽しそうに笑いながらそう告げてくる。
その様子には冗談や嘘を言っている雰囲気は無く、実に淡々と事実を述べているだけに思えた。
そうなってくると、男というのが本当なのではないかと思えてきたため、その信じられない事に友真は動揺しまくった。
やはり男なのか……?
だがそんなことがあり得るのだろうか。
これほど可愛くて男などということが……。
いやいや、あり得ない。そんなはずはない。
やはりこれは冗談に違いないのだ。
こんなに可愛い容姿をした人間が、男などという事があるはずがないのだから……。
「そこまで女だと思い込んでくれるというのも嬉しいかな。君はどうやら僕の事を好きになってくれているみたいだし。強い好意というのは実に心地良いからね」
「!……」
好きだというのが見抜かれている事に、心臓が破裂するのではないかと思えるほどに鼓動する。
そしてそこまで気づいているのだとすれば、それに真璃迦がどう反応してくるのかと思うと、さらに激しく心臓が鼓動した。
「でもいざ行為に及ぶ時に、男だって分かったら悲しいだろ? というかショックを受けるんじゃないかな? それはあまりに酷い事だと思うのだよ。ゆえに僕は、早めに誤解を解いておく事にした訳だ……えっと、人は居ないよな? ちょっとこちらへ来てくれ。僕が男だという証拠を見せるから」
真璃迦は周囲を見回して確認した後、友真を廊下の柱の影へと連れて行った。
「さてご開帳だ。近くば寄って目にも見よ」
そう告げた真璃迦は、ズボンのチャックに手をかけると、勢い良く引き下ろし、中から何かを取りだした。
それは小便をする際に、男が一物を取り出す動作と同じであったため、まさかと思いつつ、出されたモノへ視線を向ける。
(! ち、チンチンが……ある……)
そこにあったのは、見事なまでの男性器だった。
雪のように白い肌にほんのりと赤みが差したそれは、惚れ惚れするほどに整った形をしており、大きさも長さもかなりあって、男として羨むほどの一物だった。
「ほ、本物……?」
「本物だよ。触ってみるかい?」
「う、うん……」
他人の一物など普通であれば触る気にならないが、真璃迦のモノであるせいか、はたまたあまりに美しいせいか、触ることに抵抗感は起きなかった。
実際触れてみると温かみがあり、微かに脈打っていて、触れた瞬間にピクッと反応した点からしても、偽物でない事がハッキリと分かる。
「……本当に……男、なんだ……」
強い脱力感と悲しみが湧き起こり、友真はガックリしながら俯いた。
「うん、男だよ」
そう真璃迦に告げられると、さらに落ち込みが強まった。
生まれて初めて本気で惚れたと思った相手が男だったとは……。
自分は男として大丈夫なのだろうか。
よもやホモの気があるのではないかと不安になってくる。
「まあ、騙す意図は無かったとはいえ、結果的にそうなってしまった事は申し訳なく思うよ。それでどうかな? もう僕と会うのは嫌になったかい?」
「……」
そう言われ、どうすればいいのか悩む。
実は未だに真璃迦に対しては強い好意を抱いていたからだ。
男だと分かっても、好きだという気持ちに変化が無かったのである。
無論、男と分かった以上、抱き締めたいというような感覚には強い抵抗を感じるようになっていたが、もしこのまま会い続けた場合、下手をしたらそのうち、体に触れる事にも抵抗を感じなくなるのではないかという恐れがあった。
実際先ほどは平然と肉棒に触れてしまったのだ。
というより、どこか女性の体に触れるようなドキドキ感を覚えていたような気もする。
このままいくと、ホモになってもおかしくはないだろう。
だが自分はホモにはなりたくなかった。
「悩んでいるようだね……男と分かっても、まだ僕に異性に対するような好意を抱いてくれている訳だ。だけどそんな想いを持つ自分は、ホモなんじゃないかと不安になっている。そんなところかい?」
「!……」
心を見透かされた言葉を告げられ、驚きに体が震えた。
「大丈夫、君はノーマルさ。ホモになる事はないよ。僕が断言してあげよう」
そう言われると、不思議な事にそう思えるような気がしてくるから不思議だった。
真璃迦の言葉には、どこか強く納得させられるような雰囲気があったからだ。
「何しろもうすぐ君は、僕に対するのと同じくらい、好きになる女の子と出会うからね」
「え……?」
もしそれが本当なら凄い事だが、真璃迦に感じたほどの衝撃をまた味わえるとはとても思えなかった。
真璃迦のように可愛らしく、自分好みの女の子がもう一人現れるなど信じられなかったからだ。
真璃迦の可愛さは並ではなく、そんな真璃迦に対する自分の想いも並ではなかった。
だからそれと同等の想いを抱ける女の子が現れるとはとても思えなかったのである。
「こいつは予言さ。実は僕には不思議な力があってね、そういう事が分かるのだよ。何しろ僕は……」
「なぁ〜〜にが予言よ。まったく……」
真璃迦が何か言いかけた時だった。
不意に背後から声が聞こえたため驚く。
そして視線をそちらへ向けた瞬間、友真は己の心が幸せに満たされるのを感じた。
(か、可愛い……)
目の前にいたのは、何とも友真好みの顔をした可愛い少女だった。
彼女は真璃迦にそっくりであったため、一瞬、気がつかない内に移動したのかと思ったくらいだったが、傍に真璃迦が居る以上、別人である事がすぐに分かった。
何より髪の長さが違っていた。
恐ろしいほどに整った顔立ちと、雪のように白い肌は同じだったが、髪は腰の辺りまで伸びており、見事なまでに美しいストレートロングだったのだ。
これまた友真にとって好みである髪型であったため、その事に震えるほどの幸福感を覚える。
さらに少女は真璃迦と違い、女子の制服を着ていたため、その見事なまでの似合いぶりに幸せな想いが強まった。
そして何より胸元が大きく膨らんでいて、女体としての魅力にも溢れているのが素晴らしかった。
何という理想的な少女だろう。
またもや一瞬で惚れてしまった。
一目惚れが迷信でない事が確信出来た。
先ほどまで真璃迦に夢中だったのに、今はこの少女にも夢中になっているとは何とも浮気性のように思えたが、二人はあまりにも似ていたため、そうなっても仕方がないだろう。
「いつまで経っても戻ってこないから、どうしたのかと思って来てみれば……何廊下で丸出しにして、男同士でヒソヒソ話してるのよ。真璃迦、あんた『同性はプラトニックだけ』って言ってなかった? 『ノーマルの人間をアブノーマルに引き込むのは良くない』とか私には偉そうに言ってたくせに。高校に入って宗旨替えしたの? 男の体に目覚めちゃった?」
少女は呆れたような口調でそう呟くと、苦笑気味に微笑んでいる。
「あ、いや、これは別に宗旨替えじゃなくて……この彼、伊藤友真くんと言うんだが、彼が僕を女だと思っていたので、証拠を見せていたのだよ。触ってもらって納得してもらったという訳さ」
「触って……って、そんな事したの? それってマズいじゃないの。私達の体に触れたらおかしくなっちゃうでしょ。あんた人のことは偉そうに批判するくせに、自分も結局してるんじゃない」
「あ、まあ、言われてみれば確かに……そうか、彼が少しおかしくなってるのはそのせいか……いや、でも大丈夫大丈夫。触ったのちょっとだし……それに彼は凄いんだぞ、僕を見ても平気なんだから。ほら、お前も試してみなよ」
「え? そうなの? 本当に?」
二人は訳の分からない会話をすると、続けて同時にこちらを見た。
「えっと……その……どういった人なの?」
あまりにも可愛らしい四つの瞳に見つめられ、友真は激しく動揺しながら尋ねた。
「ああ、その前に紹介しなくちゃね。こいつは僕の双子の姉で、真璃亜(まりあ)さ。どう? 君の好みだろ? 何しろ僕にそっくりだし。それにれっきとした女だからね、安心して好意を持てるという訳だよ」
予想はしていたが、やはり双子だったという訳だ。
ここまで似ていて他人というのも無いだろうから、当然と言えば当然なのだが。
そしてこの真璃亜は、女の子で間違い無いというのだから嬉しくなった。
「何か引っかかる言い方。それだとまるで私が真璃迦の代わりみたいじゃないの。そんな理由で好きになられても嬉しくない」
真璃亜はつまらなそうに顔を背けた。
「そんなこと言うなよ。僕の言い方が悪かった。だけど彼が凄いのは確かなんだから。ほら、お前も試してみなって」
「分かってるわよ。えっと伊藤くんだっけ? ちょっとごめんね」
真璃亜はそう告げると、不意に顔を近くに寄せてきた。
可愛すぎる顔が急激に近づいてきたため、体が硬直して心臓が激しく鼓動する。
「あらホント、平然としてる……面白いわね……」
真璃亜は驚いたようにした後、楽しげに笑った。
「だろ? 彼は僕らに対して普通なんだ。普通にこうして好きになってくれている。僕らの容姿に普通に好意を抱いてくれているんだよ。素晴らしい事じゃないか?」
「そうね。確かに素晴らしいわ」
二人は何やら盛り上がり、嬉しそうに笑い合った。
可愛い二人がそうしている姿は、見ているだけで幸せな気分にさせられたため、友真は何とも言えない幸福感に浸りながらその様子を見続けた。
「さっきは僕の代わりは嫌だとか言ったけど、彼がそんな理由でお前に好意を抱いているなんてもう思わないだろ? だからさ、ちょっと触らせてあげてよ。彼が凄いとはいえ、一応心配だからさ。お前としても彼がノーマルの方がいいだろ?」
「それはそうね。せっかくの男の子だし。珍しくあんたの失敗をフォローするってのも楽しいしね」
「あ〜〜、確かに珍しく失敗しちゃったと言えるかこれは……」
「ふふ、そういうこと」
何やらガックリした様子の真璃迦と、得意げにしている真璃亜を見ながら、友真は二人が一体何を話しているのか分からなかった。
そして続けて真璃亜の口から発せられた言葉に、どう反応していいのか混乱した。
「ねぇ、伊藤くん。私の胸に触ってみて」
思わず目を白黒させて呆然となる。
どうしていきなり真璃亜の胸に触らなければならないのだろう。
「ビックリしたかも知れないけど、これもあなたのためなの。さっき真璃迦のオチンチンに触っちゃったでしょ? ああいう事すると、あなたは真璃迦の体に欲情するようになっちゃうのよ。そういう力が真璃迦にはあって、このままだとホモになっちゃうかも知れないから」
「そ、そんな……」
信じられない話だったが、何となく真実味があるように感じられた。
何より自分自身が真璃迦の体に対して、どこか性的な意識を向けているような気がしたからだ。
「そこで私の出番な訳よ。私の体も真璃迦と同じだから、触れると欲情するようになるの。つまりあなたにとっては元通り、女の子の体に興奮出来るようになるって訳。もちろん絶対じゃないけどね。両刀になっちゃう人もいるから。でもあなたなら大丈夫だと思う。女の子の方が好きだと思うし。だからね、触ってみて」
真璃亜はそう言いながら胸をこちらに突き出してきた。
改めて見ると、かなり大きい胸の膨らみにドキリとする。
制服越しとはいえ、相当の大きさである事が分かり、もし掴んだら柔らかいのだろうと思わせる雰囲気にゴクリと唾を飲み込んでしまう。
この胸に自分が触れる。
いいのだろうかそんな事をして。
だがして欲しいと相手が言っているのだ。
ここは触るべきではないだろうか。
それによく分からないが、これに触れないと自分はホモになってしまうらしい。
そんなのは嫌であるから、積極的に触っておくべきだろう。
うん、そうするべきだ。
そう結論付けた友真は触る決意をした。
「本当にいいの?」
「ええ、どうぞ……」
真璃亜は穏やかな笑みを浮かべ、小さく頷いた。
その可愛らしい仕草にドキリとしつつ、そんな少女の胸に触れることが出来るとは、何と自分は幸せなのかと思う。
大きく息を吸い込み、手をゆっくり伸ばして真璃亜の胸の膨らみへと近づけていく。
指先が制服の布地を感じ、真璃亜の体に触れているのが認識される。
(さ、触った……触ったぞ……)
その瞬間、「女の子の胸に触った」という事実で頭が一杯になり、何が何だか分からなくなった。
少し落ち着いて感触を味わおうと意識を向けると、硬い制服の生地の下に柔らかな肉の感触があるのが何となく伝わってくる。
自分は今、女の子のオッパイに触れているのだ。
しかも超絶可愛い美少女のオッパイに。
そう思うと股間の一物が一気に硬く大きくなった。
呼吸が荒くなり、落ち着かない衝動が湧き起こってくる。
(お、女の子……女の子の体……オッパイ、オッパイって……凄く、いい……)
意識が幸せで一杯になり、女の体の素晴らしさを実感する。
この世に多くの男子高校生は居るだろうが、これほど可愛い少女の胸に触れた男などどれほど居るだろう。
自分はそうした数少ない存在となったのだ。
何と素晴らしい事か……。
「どうやら大丈夫のようだね」
不意に声が聞こえたため、ハッとなって慌てて真璃亜の体から手を離す。
「うん、もう大丈夫。伊藤くんはこれで女の体にしか欲情しないわ」
目の前にある可愛らしい顔が笑みを浮かべるのに、友真はゾクリとした感覚を覚えた。
一瞬、同い年であるはずの少女に、妖艶な熟女のような色気を感じたのだ。
「おいおい、今度は真璃亜の方がやる気出し過ぎじゃないか? ほら、彼がボーッとしちゃってるぞ」
「ふふ、別にそれはいいでしょ、私は女なんだし。伊藤くんが私のことを好きになっても、全然問題ないんだもの」
「それはそうだけどさ。何か納得いかない」
双子の姉弟が何か話しているようだったが、友真にはよく分からなかった。
何故なら手に残る乳房の感触を反芻し、それを味わう事に夢中になっていたからだ。
「取り合えず問題も解決した訳だし、そろそろ帰りましょ? 伊藤くんも一緒にね。どう?」
「え? あ、うん……」
超絶可愛い笑みを向けられ、友真は心が幸せで満ちあふれるのを感じた。
自分は何やらいつの間にか、この可愛い二人と仲良くなれている。
それはつい先ほどまで夢描いていた状況と言えただろう。
恋人に出来るとは限らないが、こうして近くに存在し、楽しく会話をし、一緒に帰るなどという行動が出来るだけで、今までに比べれば天地の差だった。
友真はその事に喜びを噛みしめると、歩き出した双子の姉弟に続いて下駄箱へと向かうのだった。
それから数日が過ぎ、友真は令道姉弟と急速に親しくなっていった。
二人は見た目の美しさだけでなく、勉強やスポーツなどにも優れており、まさに完璧と言える人間であったため、そんな彼らと仲良くなれた事に嬉しさを覚えた。
何より最も強烈であり、驚かされたのがそのカリスマ性だった。
二人と付き合うようになって気づいたのだが、周囲の彼らに対する態度というのがあまりに異常だったのだ。
常に二人の機嫌を伺い、肯定の言葉を言われるだけで喜び、否定の言葉を告げられるだけで恐ろしく落ち込むのである。
彼らを見つめる目には強い執着が感じられ、まるでアイドルに対する熱烈な想いや、新興宗教の教祖に対する狂信的な意識というか、皆、二人に従属しているのが幸せであるかのような態度をとっていたのだ。
友真にしても二人に対しては強い好意を抱いているものの、そこまでの想いは無かったため、その事が異常に感じられた。
特に二人が最初に教室へ友真を呼びに来た時の、クラスメート達の態度が恐ろしかった。
二人に親しげにされている友真を、何とも言えない歪んだ表情で見つめてきたのだ。
それは強烈な嫉妬と呼べるものであり、そこには何をされるか分からない敵意を感じさせるものがあった。
このままでは虐められるのでは、いや、もしかしたら殺されるのではないかと思わせるほどの歪んだ意思が感じられ、どうすればいいのかと恐ろしくなった。
だが実際にはそうならずに済んでいた。
その理由として、真璃迦が教室で告げた「伊藤くんは僕らの大切な友人だ」という言葉が利いているように思えた。
何故ならその言葉を聞いた瞬間、クラスの皆は一様に体を硬直させ、恐ろしいものでも見たかのように恐怖に震え、友真に対する敵意を一瞬にして消し去ったからだ。
何とも異常な状況であり、二人のカリスマ性がそれだけ凄まじい事を感じさせる出来事だった。
その事に友真は驚いたものの、だからと言って二人に対する意識を変える気はなかった。
そもそも二人は気のいい人間であり、彼らを特別扱いしているクラスメートの方が異常に感じられたからだ。
相性もいいのか、一緒に居ると楽しくて仕方なく、今まで付き合った友人の中でも最高だと思える関係だったのである。
初めて会ったあの日から、昼休みには一緒に食事をしたり、放課後一緒に帰り、寄り道などをして遊んだりしたが、退屈するといった事が全く無かった。
元々一目惚れという感じで、二人には恋愛感情を抱いた訳だったが、そういった事を抜きにして友人として捉えても、真璃迦と真璃亜は、友真にとって素晴らしい人間なのだった。
「そういや、君の名前ってのは、僕らに関係しているんだよね。驚いたことに」
昼休み。人気の無い裏庭で三人で談笑している時、不意に真璃迦がそんな事を言ってきた。
「関係? 名前がかい?」
「ああそうさ。まずは名字だが、令道と伊藤、発音が似てるだろ? 『れ』と濁音を抜けば同じになる」
確かに言われてみればその通りだった。
「次に名前だが、全員に『真』の字が入っているのだな」
「あ、そういやそうだ。面白い偶然だなぁ」
友真が改めて気づいた事に驚いていると、真璃迦はその様子を見て楽しげに微笑んだ。
その事に心臓が激しく鼓動してしまう。
あれ以来、真璃迦を男として認識するようになってはいたものの、こうして笑みを向けられると、どうしても一瞬女の子に見えてしまい、ドキリとする事があって困っていたのだ。
さらに困った事に、真璃迦相手なら男でもいいではないか、という意識がふっと起きてしまい、ホモにはなりたくない友真は少々悩んでいたのだった。
「こら、真璃迦。あんたが変に笑顔向けるから、伊藤くん動揺しちゃってるじゃない」
不意に横から真璃亜が真璃迦の頭を軽く叩いた。
「おっと、失礼。どうも伊藤くんに対しては気が緩んでしまうものでね」
真璃迦は叩かれた頭を撫でながら、失敗したとばかりに笑っている。
実際二人に笑みを向けられた人間は、皆こぞって夢見心地になり、全てを委ねてしまうような状態になるのだ。
二人はそうさせないため、普段は気を引き締めているらしいのだが、友真と居る時はつい気が緩んでしまうのだと以前から言っていた。
それは自分だけが二人にとって特別な存在であるように思えて嬉しくなるのだが、何故自分だけがそうして普通に接していられるのかと思うと不思議でもあった。
「それでこの『真』という字だけどね、これは僕らの家にとっては重要な字なのだよ。何しろ男は皆、『真』が付く名前になっているのだから」
「へぇ、そうなんだ。面白いね」
「そう、面白いのだ。そして何故『真』を付けるのかと言えば、一番最初の先祖の名前が『真之助』という名前だった事に由来するからなんだな。それ以来ずっとそう名付け続けているのだね」
「ふ〜〜ん、君たちの家って結構歴史があるんだ」
「うむ、実は歴史がある。商売柄そうした部分を大事にしているからね。昔ながらの慣習などを未だに大真面目に行っている訳だし」
「商売って何やってるの?」
「霊媒師だ」
「霊媒、師……」
突如出てきた非日常的な単語に一瞬呆気に取られる。
今まで物語やテレビ番組などで聞いた事のある単語だったが、それを身近な友人の口から告げられた事に違和感を覚えたのだ。
「驚いた? 変な商売でしょ?」
真璃亜が楽しげに笑いながらそう告げてくる。
首筋にかかった綺麗な黒髪を手で払う仕草が何とも可愛らしく、それだけで心が幸福で満たされた。
「変だとは思わないけど、珍しいね。でも歴史があるって事は、昔からずっとやっているって事だよね?」
「そうなの。うちは代々霊媒師の家なんだよ。これでも結構名家なんだ。業界内では屈指の家柄ってやつ」
「そりゃ凄い」
自慢げに語る真璃亜の言葉に素直に感嘆する。
どんな商売にせよ、名家と呼ばれる家の人間と関わった事などなかったからだ。
「まあ、それほど大したものでもないけどね。この商売、今の世の中じゃ廃れてるし」
真璃迦は肩をすくめながらつまらなそうに呟いた。
確かに霊媒など、繁盛するような商売とは言えないだろう。
友真自身、霊媒師と関わった事など無いし、関わった人に会った事も、関わったという話を聞いた事すら無かったからだ。
「そうなのよねぇ。そんな商売受け継がなきゃならないんだから、ホント困っちゃう」
真璃亜は溜息をつくと、再び髪を払った。
一瞬いい匂いが鼻をくすぐり、その事にドキリと心臓が鼓動した。
思わず抱き締めたくなる衝動が起きるが、それを抑えて平静を装う。
「そうか、君たちは跡継ぎだもんな」
「まあね。だから僕らも霊媒師だったりするのだよ」
「……へ、へぇ……そうなんだ……」
二人が霊媒師だという事に、少々衝撃を受ける。
そのような特殊な存在が、目の前に居るのだという事に動揺したからだ。
「動揺してる動揺してる」
「なかなか良い反応だね。好感が持てるよ」
友真の反応に二人は、顔を見合わせて可笑しそうにしている。
動揺した事で悪印象を与えてしまったかと思っていたため、そうでなかった事に友真は安堵した。
というか、可愛らしい二つの顔が笑顔になっている様を見るのは、それだけで心が幸福感で一杯になったため、この二人と親しくなれた事を改めて嬉しく思った。
「じゃあ君たちは、霊が見えたりするんだ」
「そうだね。学校の中でも時たま見かけるかな」
「え? そうなの?」
その言葉にギョッとなり、思わず周囲を見回してしまう。
「ここには居ない。だから安心したまえ」
「霊が居る場所じゃ私達が落ち着けないから、こうして話す時は居ない場所を選んでいるの」
「なるほど、そりゃそうだ」
自分には見えないが、もし見えたとしたら、そんな場所で談笑なんかしたくはないだろう。
「僕らは特に力が強くてね。離れていても霊を感知出来てしまうから余計かな。あと君も気づいていると思うが、人をやたらと惹き付ける性質もあるから、それのせいで霊なんかも結構寄ってくるのだよ」
「そうそう、嫌になっちゃうよね」
二人は困ったように頷き合っている。
生きている人間を惹き付けるのは知っていたが、まさか霊にまでそれが及んでいるとは驚きだった。
「もしかして霊媒師としての力が強いから、みんなあんな風になってるの?」
前々から気になっていた事を尋ねてみる。
二人に対する周囲の反応は、あまりにも異常だったからだ。
「そうだね。そうなのかも知れない」
「でも本当の理由は別にあってね。これが面白いんだけど……実は私達が、人間じゃないモノの生まれ変わりのせいなんだって」
「え……?」
急に何を言い出すのかと思い、ギョッとなる。
だが生まれ変わりだなんだというのは、霊媒師ともなれば普通の事なのだろうと思い、気を取り直す。
「人間じゃないモノって、動物ってこと?」
「違う違う。いわゆる化け物ってヤツ。魔物」
「魔物って……」
さすがにそれは受け入れがたい事だった。
魔物などというのは、存在自体がフィクションで、実在するとは思えなかったからだ。
「やっぱり信じられないよね。ま、私達も眉唾だし」
「うちの一族にしても、伝承さえ無ければそんな事を思わなかったんだろうけどね。さすがにあれだけきっちり伝えられちゃってると、無視も出来ないからなぁ……」
真璃迦は苦笑しながら空を見上げている。
その表情は少々憂いを帯びており、美少女を思わせる面影だけに非常に魅力的だった。
「そういうのがあるの?」
思わず真璃迦に見とれてしまった視線を慌てて逸らし、魔物の伝承について尋ねてみる。
名家の霊媒師の家に伝わる伝承とは、一体どういう物なのだろう。
「うん、あるの。御先祖様がその魔物、名前もそのものずばり「魔」って言うんだけどね、そいつを滅ぼしたのよ。でもその魔は、しぶとく生き残っていて、私達の先祖に取り憑いたって訳」
「それだけなら単なる昔話なんだがね。これまで先祖に魔の存在を感知した人が結構居て、それで真実味があるって訳だ。かく言う僕らの両親も、魔と会話したってんだからね。んで魔が言ったそうなんだ。今度産まれてくる子供は、自分達自身だって」
「だから私達は産まれた時から、『お前達は魔の生まれ変わりだ』なんて言われて育ってきたって訳。『異性の一卵性双生児』なんて珍しい生まれも、信憑性を持たせちゃってるみたいで、もう大変よ」
「……」
何とも言えない内容に押し黙る。
親にそのような事を言われて育つというのは、どういった気持ちになるのだろう。
「ゴメン……俺、何か面白半分に聞いちゃったよ……ホントゴメン……」
自分の浅はかさに腹が立ち、頭を下げて謝る。
「ああ、そんな気にしないで。私達全然平気だから」
「そうそう、全然平気で育ってきたんだ。というより面白がっている。自分達が人間以外の存在の生まれ変わりだって事にね」
「そうなの……?」
「そうなのよ。面白いの。自分が魔の生まれ変わりだって事が」
二人とも嘘を付いている様子はなく、本当に面白がっているように告げてきた。
「大体こういうのって、親がそれで酷い扱いをするから悲劇になるんであって、普通以上に愛情を注いでくれてるとしたら問題ない訳よ」
「そうそう。うちの親の僕らに対する愛情ってのは、おそらく君の親の君に対するものより強いと思うよ。それだけは自信を持って言えるのだな。僕ら二人は凄く愛されている」
誇らしげにそう言われては、本当にそうなのだろうと思えた。
確かにどのような状態であろうと、親が愛してくれていれば問題はないだろう。
そもそもこの話自体、最初からあっけらかんとされていたのだから、二人が気にしているはずが無かったのだ。
「ここまで話したから言っちゃうけど、さっきの名前に『真』が付いているって事の理由ね、実は魔の存在を忘れないよう、代々男の名前には『真』と付ける事にしたってのが本当の理由なんだよ」
「真璃亜が女なのに、名前に『真』が付いているのは、魔の生まれ変わりだからなんだな。真璃亜なんて、皮肉としか思えない名前だけどね」
魔物である魔の生まれ変わりに、神の子を産んだ女性の名前を付けるというのは、確かに皮肉に思えた。
「ま、そういう訳で、僕らは人間じゃない存在かも知れない訳だ。どうだい? こんな僕らとこれからも付き合ってくれるかな?」
軽い口調で告げてきた割に、二人は真剣な表情をしてこちらをジッと見つめてきた。
おそらくそれだけ自分の返事を重く捉えてくれているのだと感じた友真は、強い嬉しさを覚えた。
これほど魅力的な二人に、自分は友人として求められている。
何と幸せな事なのだろう。
「もちろんさ。俺は過去で人を差別したりしないよ。今がどうなのかが大事だからね」
「そうか、ありがとう」
「ありがとうね、伊藤くん」
安堵の笑みを向けられた友真は、その可愛らしすぎる二人の表情に、心臓が痛いほど鼓動するのを感じた。
男である真璃迦に対してまで異性のような魅力を感じてしまうのは困ったものだったが、真璃亜に対しては別に何も問題は無く、その顔を見ているだけで幸せだった。
可愛い顔、美しい黒髪、大きな胸、細い脚、白い肌……。
何をとっても真璃亜の容姿は完璧だった。
そして性格も明るく快活で、冗談もよく言ったりする何とも素敵な少女であり、友真は最近、真璃亜に完全に惚れている自分を感じていた。
最初に一目惚れして以来、親しく付き合っていく内に、真璃亜に対する気持ちは強まり続け、こうして会話しているだけでも幸せだったのだ。
存在だけで魅了されていると言っていいだろう。
そういった状態になっていたのである。
「それで違う話なんだけど……この間のあれ、分かってる真璃迦?」
「え? ああ、あれか……別に気にする事じゃ無いだろ?」
「気にする事じゃ無いって……私は嫌なのっ」
二人はそのまま別の話を始めていたが、真璃亜に見とれる友真の耳にはあまり聞こえていなかった。
どうやら普段の真璃迦の態度に真璃亜が文句を言っているようだったが、直接自分には関係の無い話のようであるため、余計意識が薄れていく。
怒った真璃亜の顔はとても可愛らしく、時折長い黒髪を手で払う仕草が何とも魅力的だった。
話すたびに揺れる乳房が興奮を誘い、脚を組み替えるたびにスカートから覗く白い太ももにゴクリと唾を飲み込んでしまう。
(可愛くて……エッチで……それで俺を好きでいてくれて……ホント最高だよ令道さん……)
いつの頃からか、夜一人で部屋に居る時、真璃亜の事を想うと股間が疼き、思わず肉棒を擦ってしまう事があった。
それは自己嫌悪に陥る事であったのだが、真璃亜を想って肉棒をしごいていると、信じられないほどの気持ちの良さが起きるため止められない事でもあった。
グラビアアイドルを見てするよりも、真璃亜の微笑み、大きな胸の膨らみ、白い太ももを思い描いてする方が、何十倍も気持ちいいのである。
目の前に居る真璃亜は、清楚で美しく、とてもそうした肉欲の対象にして良い存在とは思えなかったが、だからこそ汚したくなる衝動が強まり、抑えきれずに毎晩のように真璃亜を想って自慰をしてしまっていたのだ。
「伊藤くんも言ってやってよぉ。真璃迦ったら酷いんだよ。もぉ、最悪っ」
不意に真璃亜が体をこちらに寄せ、軽く肩を押しつけて来たため、ドキリとしてしまう。
温かく柔らかい肉の感触と、漂ってくる髪のいい匂いとが、このまま押し倒したくなる衝動を呼び起こした。
「伊藤くんはお前の味方はしないさ。彼は中立。いつもそうだろ?」
(!……)
不意に向けられた真璃迦の視線に、一瞬体が硬直する。
まるで心の中を見透かされ、真璃亜だけに意識を向けるな、と言われたように思えたからだ。
だが実際はそのような事はなく、真璃迦はいつもと同じくただ普通にこちらを見ているだけだった。
今のは何だったのだろうと思いつつ、気のせいだと結論付けた友真は、適当な相づちを打ち、それに真璃亜が不満げに唇を尖らせるのを可愛らしく感じながら、嬉しげに真璃迦が微笑むのにドキリとしてしまった。
真璃亜に対する想いが強まっていても、不意に向けられる真璃迦の微笑みには未だに動揺させられてしまうのだ。
どう見ても女の子、それも超絶な美少女に見えるため、男と分かっていてもそうなってしまうのである。
普段は大丈夫なのだが、気を抜いた瞬間に向けられる笑みには対処出来ないのだった。
とはいえ、自分はホモではないのだから、いくら真璃迦に好意を抱いても、恋愛感情を抱くことはなかった。
その点、真璃亜に対しては、恋人になりたい想いが強くなっていた。
いつか真璃亜と恋人になれたらどんなに幸せだろう。
これほど好かれているのだから、それも夢ではないのかも知れない。
いやいや、友人と恋人では凄まじい差がある。
真璃亜にしても、恋人として自分を受け入れてくれるか分からないのだ。
今のままでは無理だ。
もっと真璃亜の気持ちを自分に向けさせなければ……。
そんな事を思いながら、友真は可愛らしすぎる二人の顔に見とれつつ、いつか本当に真璃亜と恋人となり、真璃迦とも友人としてずっと親しくしていける状況を夢見るのだった。
「これは、凄いな……」
古めかしい屋敷の前に立った友真は、その存在に感嘆していた。
周囲には大きな木が沢山生い茂り、その屋敷を隠すかのような状態になっていて、少し離れた場所に住宅街がある事を忘れさせるほどだった。
敷地はかなり広く、目の前にある屋敷以外にもいくつか建物があり、それぞれがそれなりの大きさを持っていたため、全体としてかなりの規模になっているのが分かった。
何とも独特の雰囲気があり、心の芯が冷えるというか、身が引き締まるような感じがしており、似た雰囲気として、神社や寺のような感覚があったが、この場所はそれ以上に何か目に見えない力のようなモノを感じさせる部分があった。
「驚いたかい? 結構昔から建っているものでね、最近は地震なんかが怖いから、新しい建物にしたいと僕なんかは思っているのだが、なかなか反対が多くてね」
「いや、これだけ立派だと壊すのは勿体ないんじゃない?」
「それはそうなのだな。だから僕としても住む家だけを別にしたいのだけど、それが上手くいかない訳だよ。どうもこの家自体に存在する力が、霊媒の能力を高めるのに必要だという事になっているのでね」
そういった事を聞き、この家の存在を知ると、真璃迦達が霊媒師なのだという話に実感が持ててきた。
この場所には、そうした事を納得させる妙な雰囲気があったからだ。
「泊まるにはちょっと怖いかもね。近所の子からは『化け物屋敷』なんて言われちゃってるし。肝試しに来る小学生とかいるんだよ」
楽しそうに語る真璃亜の言葉に苦笑する。
怖いモノが好きな人間にとっては、確かにこの敷地内の雰囲気はたまらないように思えた。
自分はそうした事に興味は無いが、ここで肝試しをやったら雰囲気がバッチリだと思ったのである。
「そういう訳で、伊藤くんは今日は肝試し的な楽しみも出来るという訳だ。どうだい? 夜中に庭を散策してみては」
真璃迦は小さく笑いながら、そんな事を言ってきた。
「毎日ここで暮らしている人達の前でするの? 何か凄く微妙なんだけど」
「そりゃそうだ。僕らなんか毎日肝試し状態という訳だね」
「その割にお化けなんて一度も見たことないけど」
友真の言葉に、二人は可笑しそうに笑った。
「そもそもこの屋敷には結界が張ってあるから、霊は寄って来られないのだよ。つまりここへ肝試しに来る人達は、自分達の心が見せる恐怖と戦っている訳だ」
「当然じゃない、それを肝試しって言うんだから」
「分かってるよ。今、そうまとめようとしたのに、美味しいところを持っていくんだからな」
真璃迦は言葉を取られた事に少々腹を立てた様子で、真璃亜を軽く睨んでいる。
一方の真璃亜はどこ吹く風といった様子で笑っていた。
そうした言い合いをしていると、二人が仲の良い姉弟なのだと思えて友真は楽しくなった。
自分には兄弟がいないが、もし居たとすればこうした関係になりたいと思ったのだ。
「それじゃ家へ入ってゲームでもしよう。いつもは真璃亜とばかりだから、今日は楽しみだよ。伊藤くんは格ゲー得意なのだろ?」
「まあ、それなりに……でも君たちの実力を知らないから、レベル低いかもよ」
「それならそれで別のゲームをやるさ。さ、化け物屋敷へようこそ。友人としてこの家へ入るのは君が初めてだよ」
「いらっしゃい。大歓迎〜〜」
二人は左右に立ち、友真を促すように屋敷の玄関へと誘った。
その事に嬉しさを感じつつ、促されるまま二人についていく。
(それにしても、ホント立派な家だなぁ……ここに泊まるのかぁ……)
実は今日、友真は真璃迦達の家に泊まる事になっていたのだ。
家族が留守で他に誰も居ないため、子供だけで楽しく過ごそうという計画なのである。
友真としても、他に家族が居ては気兼ねしたが、二人しか居ないとなれば、楽しくなると思ったので招待を受けたのだった。
男とはいえ可愛すぎる真璃迦と、完全に惚れている状態の真璃亜と三人で一夜を過ごす事を考えると、何とも言えない緊張感と期待が高まり、友真は今日のこの日を非常に楽しみにしていた。
真璃亜の湯上がりやパジャマ姿を見られるとすれば、それだけで幸せだと思ったからだ。
一方で、真璃迦のそういった姿に動揺しないようにしなければ、などと思ったりもしていた。
(まあ、そういう事もあるけど、取り合えずは二人と遅くまで遊べるってのが一番の楽しみなんだけどね……)
楽しいに違いない夜の様子を頭に思い描きながら、普通の家とは異なる独特の雰囲気を持つ屋敷に少し緊張しつつ、玄関の中へと足を踏み入れる。
(!……)
その瞬間、不意に自分の意思とは関係なく、体が小さく震えたため驚く。
まるで電気が流れたような衝撃が走ったのだ。
「あ、驚いた? これって結界なんだ。家には特に強い結界が張られているんだよ。普通の人だと感知出来ないんだけど、伊藤くんは力があるから分かったんだね」
「え? 俺って霊媒とかの力があるの?」
産まれてこの方、霊的な事と関わりを持った事がなかったため、その言葉を意外に思う。
「霊媒の力とは少し違うがね。異能の力はあるのだよ。僕らと普通に接していられるのがその証拠さ。それって何の力も持たない人間ではあり得ない事だから」
言われてみれば、自分だけが二人と普通に接していられるのは以前から不思議に思っていたのだ。
それが何か特殊な力のせいだと考えれば、確かに納得出来たのである。
「俺に力ねぇ……何か不思議な感じだ……」
「無意識の内に存在しているからでしょうね。だから私達とも普通に接する事が出来たのよ。それって素敵な事じゃない?」
真璃亜が嬉しそうに微笑んだため、心臓が激しく鼓動してしまう。
特に今のは顔が近くにあったため、死ぬかと思うほどに強烈だった。
「まあ、今後もこの素敵な関係を続けていきたい所だね。今日のお泊まり会は、そのための親睦も兼ねているのだよ。そういう訳で宜しく頼む」
「宜しくね」
「あ、うん……こちらこそ……」
嬉しそうに見つめてくる二人の可愛らしい顔に見とれつつ、自分が何とも大切にされている感覚を覚えて嬉しくなった。
本来ならば多くの人間に好かれている彼らが、自分のような人間と親しくしたがっているとは奇妙な話だったが、それが己の中にあるよく分からない力のおかげなのだとすれば、ありがたい事として考えるべきだろう。
自分では認識出来ていないものであったが、願わくは、その力が無くならない事を祈るばかりだった。
夜。
客間に敷かれた布団に横になった友真は、なかなか眠れずにいた。
あれから二人と楽しく遊び、深夜になってから眠る事にしたのだが、どうにも目が冴えてしまったのだ。
こうしてジッとしていると、頭に浮かんでくるのは二人の可愛い姿だった。
期待した通りに見られた、風呂上がりやパジャマ姿は、予想以上に可愛らしく、特に真璃迦に対しては、久々に男である事を忘れて見とれてしまうほどだった。
自分はやはりホモなのではないかと苦悩したりもしたが、考えてみればこのような状態になるのは真璃迦に対してだけだったし、何より真璃亜の姿にも見とれたのだから、ホモという事は無いだろう。
(だったら両刀ってヤツか……?)
そのようなさらに特殊な性癖なのではないかと考えると、何とも言えない気分になってくる。
どちらにせよ、もう自分はこの二人以外の存在に恋する事は出来ないのではないかと思えるほど、強い好意を抱いていたのだった。
出来れば今のような状態がいつまでも続いて欲しい。
いや、出来れば真璃亜とは恋人になりたかったが、それが無理でもいいからずっと仲良くしていきたい。
そんな風に思っていたのだった。
(それにしても……大きかったなぁ……)
頭に浮かぶのは、少し前に見た、真璃亜の胸の膨らみだった。
以前から大きいと思ってはいたが、パジャマという薄地の服のせいか、さらに大きく見えたのだ。
特に偶然服の隙間から見えた生の膨らみは強烈だった。
白くて柔らかそうで、思わずそのままむしゃぶりつきたくなる衝動を覚えたのである。
これまでもそういった事を真璃亜に対して感じた事はあったが、今日は妙にそうした気分が強くなっていた。
真璃亜を抱き締め、そのまま押し倒し、好き放題にその体を貪りたい欲求が、体の奥底から湧き起こってきていたのだ。
何やら肉欲だけで真璃亜を認識してしまっている事に、友人としての意識が嫌悪感を示すが、いつもならそれで抑えられる衝動が、今日はずっと続いていたのだった。
真璃亜の裸を妄想し、その体にのし掛かっている自分を思い描いてしまうのである。
(したい……したい……したい……)
股間の肉棒は硬く勃起し、自然と腰が動いて布団に擦りつけてしまう。
このまま自慰をしてしまおうかと考えつつ、他人の家でそんな事をするのは恥ずかしすぎるだろうと思いながらも、つい手が股間へ伸び、肉棒を掴んで擦りあげてしまう。
柔らかそうな体、大きな胸、細い太もも……。
一つ一つの部位が頭に浮かび、そこを撫で、舌を這わせていく妄想が広がっていく。
そしてそのままキスをしようと顔を思い浮かべた時だった。
(!……)
その瞬間、友真は体を硬直させた。
何故ならその時浮かんだ顔が、真璃亜ではなかったからだ。
真璃亜なら髪が長いはずだったが、自分が思い描いた顔の周囲にあったのは、短い長さの髪だったのである。
あろう事か、真璃迦にキスをする妄想をしてしまったのだ。
下手をしたら、体を舐め回していたのも真璃迦に対してしていた可能性もあった。
胸だけは大きかったから真璃亜だろうが、他の部分は怪しかった。
何しろ先ほど風呂上がりに会った時は、真璃亜の体に興奮したのと同じく、真璃迦の体に対しても興奮していたのだから。
特にパジャマ代わりに穿いていたショートパンツから伸びている脚は、女性のもののように美しく、色気を感じたため、強い興奮を覚えてしまっていたのだ。
好みのショートカットの髪に、可愛らしい顔、スレンダーな体つきから伸びる、白い脚……。
それらは、友真にとって魅力的過ぎる体だったのである。
男だという認識から慌てて振り払ったものの、本心はその体を欲していたという事なのかも知れない。
今の自分は、真璃迦を押し倒し、女性のように犯したい衝動に囚われていた。
妄想の中での真璃迦は、可愛らしく微笑み、友真に抱かれる事を望み、体を開いていく……。
(!……くそっ、今日の俺はどうかしてるっ……相手は男だぞ男っ……俺はホモじゃないっ、ホモじゃないんだぁっ……)
心の中で絶叫しながら、肩で息をし、起き上がって頭を強く振る。
今までこれほど真璃迦に対して欲情した事は無かったため、何故自分がこのような状態になっているのか不思議だった。
やはり見慣れない色っぽい姿を見てしまったせいだろうか。
ならば泊まりに来たのは失敗だったかも知れない。
このまま真璃迦を意識し続けるとすれば、とてもではないがまともに付き合っていく事は出来ないからだ。
しかしそんな事になれば、二人は悲しむだろう。
あの可愛らしい二人を悲しませることだけはしたくなかった。
(俺が、しっかりしていればいいだけの事なんだよ……)
これまでも真璃迦に対しては、欲情しそうになった事は何度もあった。
そのたびに抑えてきたのだから、これからもそうすればいいだけの話なのだ。
そうやって真璃迦とは、清く正しい男同士の友人関係を続けていこう。
そんな事を思いながら前向きな意識を抱いた友真は、先ほどから感じていた尿意を処理しようと、トイレへ向かうのだった。
(あれ? 何か声が聞こえる。まだ起きてるのかな?)
トイレの帰り、真璃迦達の部屋の近くまで来た友真は、中から何か声らしきものが聞こえたため足を止めた。
二人がまだ起きているのだとしたら、少し話し相手になってもらおうか、などと思いつつ、こんな夜中に二人と会っては、またおかしくなってしまうかも知れないという恐れから、どうしたものかとその場に立ちつくした。
頭に浮かぶのは、真璃亜の大きな胸と、真璃迦の白い太ももだった。
あの柔らかそうな胸を揉みしだき、白い太ももを撫で回したい。
湧き起こった激しい欲求に、「真璃亜はともかく真璃迦はいかんっ」と必死に自分に言い聞かせつつ、早く立ち去ろうと足を動かし出す。
(ん? これって……何、だ……?)
しかし部屋から聞こえてきた声に妙な感じを覚えた友真は再び足を止めた。
どうにも話をしているようなものではなく、どこか変な、普通ではない雰囲気を感じさせる声だったのだ。
耳をそばだたせ、ゆっくりと部屋の近くまで行くと襖に頭を寄せる。
「あっ……んっ……はっ……」
その瞬間耳に聞こえた声にギョッとなる。
それは何ともいやらしい吐息だったからだ。
女性がエッチな行為をする際に発する声に聞こえたのである。
(ま、まさか……そんな事って……)
二人がエッチな事をしているか、真璃亜が一人で自慰にふけっているのか、という妄想を広げつつ、そのままジッと耳を傾ける。
「あんっ……馬鹿ぁ、そこをそんな、やっ……真璃迦駄目だよぉっ……」
「いいじゃないか。好きなんだろここ」
すると今度はハッキリと、真璃亜が真璃迦に甘えるように告げている声と、それに楽しげに応える真璃迦の声が聞こえた。
これはどう考えても、二人がいやらしい行為をしているとしか思えなかった。
(姉弟で……しちゃってるのかよ……)
その背徳的な行為に、ドクンっと心臓が鼓動し、股間の肉棒が勢い良く勃起した。
その間も真璃亜の甘い声は発せられ続け、それによって肉棒がビクンビクンと反応を示した。
これまで映画などで、こうした女性の声などは聞いた事はあったが、生で聞くのは全然違っていた。
しかも相手はよく知っている友人という事もあって、興奮が段違いだった。
どうせならちゃんと様子を見てみたい。
そう思った友真は、襖に手をかけるとゆっくり開き、少しだけ隙間を作った。
バレないように息を飲み、興奮から震える手を何とか抑えて覗き込む。
(! うぁっ……こんな……)
目の前には、パジャマをはだけて豊満な乳房を半分だけさらし、下半身は何も穿いていない状態の真璃亜の姿があり、その上に真璃迦がのし掛かって腰を振っていた。
二人はちょうど襖と直角の位置に横たわっていたため、友真からはその様子がハッキリと見え、それは映画などで観たことのある、セックスの様子そのものだった。
真璃迦の腰が動くたびに、真璃亜の口から甘い声が漏れ、頭が仰け反るのに心臓が破裂するかのごとく鼓動する。
可愛い真璃亜が、より可愛らしく、いやらしく反応している様は、信じられないほどに素晴らしく、羨ましすぎる光景だった。
さらには真璃迦も、これまた女の子のような甘い声をあげながら腰を動かしており、そちらの様子にも思わず興奮してしまう。
その顔は男には見えず、真璃亜と同じ、快楽に染まった女の顔だったのだ。
「あっ、ああっ……真璃迦もっと、あんっ……もっとだよぉっ……」
「あぅっ……分かってる、あっ……これ凄くいぃ、やっ……凄くいいよ真璃亜ぁっ……」
まるで女の子二人が交わっているようなその光景に、友真の股間は激しくいきり立ち、パンツと擦れるだけで快感を呼ぶほどになっていた。
(したい……二人としたい……)
このまま部屋の中へ飛び込み、真璃迦と真璃亜に襲いかかりたくて仕方がなかった。
すでに真璃迦が男だという意識は吹っ飛び、とにかく自分の性欲を発散させる対象として見ていたのだ。
「ああっ……もう、もぉっ……真璃迦わたしぃっ……」
「僕も、あぅっ……僕もだよぉっ……あっ、ああっ……」
限界が近いらしい二人の動きが激しさを増し、しばらくして絶叫が響き渡ったかと思うと、やがて静かになった。
重なり合う二人の体は、大きく上下し、その体からは何とも言えないいやらしい雰囲気が伝わってきた。
見ているだけで肉棒が強烈に勃起し、おかしくなりそうなのだ。
初めて見た生のセックス。
しかも姉弟の禁断の交わり。
そのとんでもない状況に、友真は呆然と立ちつくした。
何より真璃迦を完全に性欲の対象として見てしまった事にショックを受けてもいた。
やはり自分は真璃迦をいやらしい目で見てしまう。
このようなものを見せられては余計だった。
何しろ真璃迦の姿は、普通にいやらしい女の子の姿そのものにしか見えなかったからだ。
このままではいつか本当に真璃迦を抱きたくなってしまうのではないだろうか。
いや、すでにそうなっているのかも知れない。
男を抱きたいなど、自分はどうしてしまったのか。
その事に激しい苦悩が湧き起こる。
そんな事を思っていると、不意に真璃迦が立ち上がり、こちらへ近づいてきたため慌てる。
覗いていたのがバレていたのだ、と思った時にはもう遅く、勢い良く襖が開かれ、友真は覗いている状態の、何とも情けない体勢のまま二人の前に姿をさらす事となった。
「あ……これはその……えっと……」
どう言い訳すればいいのか分からず固まる。
覗きなど最低の行為だと思えるだけに、それを友人二人に対してしてしまった事に恥ずかしさが湧き起こった。
「待っていたよ。さ、伊藤くん入って入って」
だが真璃迦はそんな事を気にした様子もなく、友真の手を掴むと部屋へ引き入れた。
真璃亜も楽しげにこちらを見ており、そこには覗いていた事を咎めるような雰囲気は無かった。
「実は僕らはこうした関係なのさ。それを君に知ってもらいたくてね。口で告げるより、実際に見てもらった方がすぐに分かってもらえると思った訳だ」
真璃迦はそう告げると、こちらをジッと見つめてくる。
そこには普段は無い妙な色気があったため、思わず目をそらしてしまった。
女の子のように感じていた事もあり、その雰囲気が耐え難かったのだ。
「私達、あなたの事が好きだから、私達の事をもっと理解してもらいたかったの。こういう関係の姉弟って、嫌かな?」
真璃亜が胸をはだけた状態のまま尋ねてきたため、こちらも目を合わせる事が出来ず、また質問の難しさから困ってしまう。
「嫌って事はないけど……でもいけない事ではあるんだよね……」
実際二人の交わっている姿は綺麗であったため、嫌悪感は起こらなかった。
何より姉弟がセックスをするという事自体が、現実離れしていたため、実感を持てないというのが大きかったろう。
そもそも友真は一人っ子であるため、そうした感覚が薄いという事もあったかも知れない。
「そう、これはいけない事なんだよね、一般的には……だけどうちの一族は、こうした行為を何百年と繰り返してきたんだ」
「え……?」
「うちは肉親と子供を作るのが慣習なの。昔から家族の中で結婚してきたんだよ」
「ええ……?」
何とも常識外の事に、どう応えればいいのか分からず固まる。
「そうなったのには理由があってね。ほら、魔について話したろ? あの魔ってのが取り憑いて、近親同士でセックスをさせてくるのだよ」
「え? 何でそんなこと……」
「魔の目的は新しい体を得る事だから……それでその体ってのは、近親の交わりによって汚れた体がいいって事みたい。だから御先祖様は魔に操られて、近親同士で子供を作らされてきたらしいの」
「そしてその肉体再生計画ってのも、ついに成就した訳だよ。僕らという体でね。数百年かけて作ったってんだから、随分と気の長い話じゃないか」
呆れたように呟く真璃迦は、大仰に両腕を左右に広げると楽しげに笑った。
以前聞いた時は、あまり本気で受け取れなかったが、こうして実際に姉弟でセックスをするという異常な光景を見せられると、その魔という存在も本当のように思えてくる。
真璃迦達は、その魔の生まれ変わりという事なのだろうか。
「というのはまあ、言い伝えである話なんだけどね。実際はどうだか怪しい訳だ。魔に取り憑かれたとか、普通信じられないだろ? 僕も信じられなくてさぁ」
「そうそう、怪しすぎるもんね。いくら霊媒師だからって、そこまで怪しい話だと逆に嘘臭くなるっていうか」
「いや全く、何でこんな話になってるのか。僕の推論では、単にうちの一族は近親相姦が好きなだけで、それをもっともらしく正当化するためにこんな話をでっち上げたんじゃないかと思っているのだよ」
「そうそう。あとは力の維持でしょ? よその血を入れると霊媒師としての力が弱まるから、強い力を維持するために、近親での子作りをし続けてきたっていう」
「そうだね。それが最初の目的だったんだろうけど、僕は単純に近親相姦が好きな一族だって方が大きい理由だと思っている訳だ。何しろ僕ら自身、家族とセックスするのが大好きだからね」
「そうね。私も大好きだし。それが理由って感じがするよねぇ」
二人は楽しげに語り合うと、同時に頷き合った。
そのテンポの良い会話と、頷く動作が同時である点から、二人が双子である事を改めて認識させられる。
(……)
友真は、話の内容からどう反応すればいいのか分からず、ジッとしたままだった。
最初の話では、魔によって操られ、近親相姦をさせられてきた、という何ともおぞましい内容だったのが、実はそれが嘘で、単に近親相姦が好きなだけだった、という内容になっていたからだ。
どちらも本当のようでいて、嘘のようでもあり、何とも判断が出来なかったのである。
普通に考えれば後者になるのだろう。
魔がどうこう、などというのは、あまりに常識外れな発想だからだ。
実際真璃迦達もそう思っているようだし、おそらく後者が本当の事なのだろう。
「そういう訳で、僕らは姉弟にも関わらず、こうしてセックスしてきた訳なんだが……最近ちょっと困ったことになっていてね。それで君に協力してもらいたいという事なんだな」
「協力?」
「うむ、要するに一緒にセックスしてもらいたいという事なんだが」
「え……?」
一瞬何を言われたのか分からず固まる。
そして少しして意味を理解した友真は慌てた。
「せ、せ……って、俺にしろっての?」
「まあ、落ち着きたまえ。セックスなぞ、世界中で多くの人間がしている事だ。普通の事だろ? 僕らみたいに近親相姦をしろって言っている訳じゃない。赤の他人である僕らとセックスして欲しいってだけなんだから。それに君自身、セックスはしたいだろ? 男な訳だし」
「そ、それはそうだけど……いきなりだったから動揺したんだよ……それに俺は、その、した事ないし……」
「そうだとは思っていたがね。まあ、安心したまえ。これから僕と真璃亜でじっくり教えてあげるから」
(!……)
そう言われた瞬間、自然と目が真璃亜の方へ向いた。
そこにはパジャマの胸元をはだけ、下半身は裸の状態の真璃亜がおり、何とも色気のある笑みを向けてきたため、肉棒が一気に硬くなった。
「体の方はやる気十分ってところかな。さあ、とっとと真璃亜を押し倒したまえ。最初は好きなように楽しむといいよ」
そう言われ、背中を押されたため慌てる。
憧れであった真璃亜とセックス出来るなど夢のようであったが、さすがに躊躇はあったし、何より真璃迦に見られてするというのにも抵抗があった。
「ねぇ、伊藤くん……して、いいんだよ? 私、ずっとあなたに抱かれたいって思ってたんだから……」
不意に真璃亜が色っぽくそう呟き、ゆっくり近づいてきたため、体が硬直する。
「ほら、触りたいでしょ? 触っていいんだよ。私の胸、伊藤くんに触ってもらいたいの」
真璃亜はそう言いながら友真の手を取ると、胸へあてがった。
その瞬間、手のひらに何とも言えない柔らかな存在が感じられ、少し指に力を入れると、ぬにゅっとした感触が広がったため、友真は頭がおかしくなるかと思った。
(柔らかい……何て柔らかいんだ……)
そのまま鼻息を荒くしながら、真璃亜の乳房をギュッと掴む。
「あっ……んっ……」
すると真璃亜の可愛らしい顔が歪み、甘い吐息が漏れた事に興奮が高まった。
今自分がした事で、真璃亜が感じたのだ。
自分が胸に触った事で、真璃亜がいやらしい反応を示したのである。
それは友真にとり、信じられない出来事だった。
しかしこれは現実だった。
手のひらには確かに柔らかで温かな肉の感触があるし、目の前には可愛らしい真璃亜の顔がある。
これは夢ではないのだ。
そして夢のように好きなようにしていい状況なのである。
ならばしてしまえばいいではないか。
何しろこれは、相手の方からして欲しいと言われている事なのだから。
「令道さんっ……」
そう思った瞬間、体が動いた。
真璃亜を押し倒し、その豊満な胸に顔を押しつける。
柔らかな感触が顔中に広がり、何て気持ちのいい事なのだろうと嬉しくなった。
「あっ……やんっ……ふふ、くすぐったいよ。あっ……」
そのまま首筋に唇を押しつけ、舐めると、真璃亜が可愛らしく体を震わせるのに興奮が高まる。
「令道さんっ……令道さぁんっ……」
友真の動きでパジャマがはだけ、乳房が完全に現れた。
その白い膨らみは、何とも美しく、柔らかで、見ているだけで体の奥底から落ち着かない衝動が湧き起こってきた。
「綺麗だ……令道さんの胸、すっごく綺麗だ……」
そう言いながら頂点にある桜色の突起に吸い付き、チュパチュパと吸い上げる。
「あっ……んっ……名前、名前で呼んで友真……名前を呼び捨てて欲しいのぉ……」
突然名前を呼び捨てられた事に強烈な嬉しさを感じつつ、自分もこれから同じようにするのだと思うと強い興奮が湧き起こった。
「真璃亜っ。凄いよ真璃亜っ……」
名前を呼び捨てた事で、何やら真璃亜を自分のモノにしたかのように思えた。
この女は自分の物。
この可愛らしい女を自分は好きにしていいのだ。
そういった想いが強まり、真璃亜の体を激しく舐め回し、揉みしだいていく。
「あっ、ああっ……やっ、いいよ、あんっ……友真、あっ……」
友真が何かするたびに真璃亜の体が震え、その可愛らしい唇から甘い吐息が漏れる。
もっと真璃亜を感じさせたい、甘く喘がせたい、そうした想いが頭に渦巻き、意識せずとも体が動いていった。
大きな乳房に顔を埋め、乳首を引っ張るようにして吸い上げながら、両手で巨大な膨らみを何度も揉みしだくと、それだけで幸せな気持ちで一杯になった。
「あっ、んふっ……友真ぁ、あぁっ……やっ、はぁんっ……」
真璃亜は瞳を潤ませ、頬を上気させ、たまらないといった表情を浮かべており、その可愛らしくもいやらしい様子に愛おしさが強まっていく。
自然と顔が近づき、小さな唇に吸い付くと、向こうから舌が絡んできて吸われるのに、たまらない気持ちの良さを覚えた。
(俺……キスしてるんだ……)
ある意味乳房に触れた時よりも感動を覚えながら、小刻みに動いて刺激を与えてくる真璃亜の舌にうっとりとなる。
「んっ、んんぅっ……んっ、んっ……」
負けじと舌を動かしつつ、真璃亜の頭に手を当て、サラサラの髪の毛に触れながら、顔を左右に入れ替えつつ、荒々しいキスを繰り返していく。
「んんっ、んっ……んんっ、んぅっ……」
すると真璃亜が強く抱き付いてきたため、柔らかで温かな肉との密着感に蕩けるような気持ちの良さを覚えた。
女の子の体というのは、何と心地良いものなのだろう。
唇を放し、いよいよとばかりに顔を下半身へ移動させる。
(これが、女の子のあそこなんだ……)
両脚を左右に開くと、そこには桜色をした内臓を思わせる割れ目があった。
初めて見る女性器にゴクリと唾を飲み込み、ゆっくりと指を這わせてみる。
「あっ……やっ……」
その瞬間、真璃亜が体をピクッと反応させたため驚く。
今までと異なる敏感な反応に、ここが女性にとって男の肉棒のような部分なのだと理解する。
ならば色々すれば気持ち良くなるに違いない。
そう思った友真は、指を這わせ、舌で舐めていった。
「あっ、ああっ……やんっ……いい、あっ……いいよ友真ぁっ……あっ、ああんっ……」
真璃亜が体を小刻みに震わせ、頭を仰け反らせるのに悦びが湧き起こる。
先ほど乳房を中心に愛撫した時も良かったが、秘所に対する刺激はそれ以上の反応があって良かった。
これぞまさに女を喘がせている事なんだと思いつつ、トロトロに濡れてきた秘所を見ていると、肉棒を入れたくてたまらなくなってきた。
指で割れ目を広げると、ヒクヒクとした肉の穴が見え、これからそこに自分の肉棒を入れるのだと思うと、激しい興奮が湧き起こった。
この温かで柔らかで超絶に気持ち良さそうな穴に入れたら、自分はどうなってしまうのだろう。
そう思いながら膝立ちになると、ズボンとパンツを下ろし、肉棒を持って膣穴へと近づけていく。
「い、入れるから……」
「うん、いいよ……来て……」
動揺から言葉が乱れた事に恥ずかしさを感じつつ、それ以上に真璃亜の可愛らしい誘いに胸を膨らませながら肉棒を押し込んでいく。
ズブリ……。
「う……」
「あぅんっ……」
亀頭の先が膣穴にハマった瞬間、とんでもない快感が体に走り抜け、真璃亜の甘い吐息が聞こえると共に、友真の意識は幸福感で一杯になった。
そのままゆっくり奥へ押し込んでいくと、肉棒が膣襞と擦れ、蕩けるような気持ちの良さが湧き起こる。
「うっ……はぅっ……くっ……」
それは体がおかしくなってしまったのではないかと思えるほど気持ち良く、口からは意味不明の呻きを漏らしてしまう。
これ以上進まない場所まで肉棒を収めると、ホッと息を吐き出して動きを止める。
ドクンドクンといった鼓動が聞こえると共に、肉棒が温かで湿った肉に包まれている心地良さにうっとりとなった。
眼下には笑みを浮かべた真璃亜が見つめていて、「おっきいね。凄く感じるよ友真の」と告げてくるのに、雄としての満足感が込み上げてきた。
「そのまま動かしてみて……もっと気持ち良くなるから……」
真璃亜が優しく言ってくるのに頷き、ゆっくりと腰を引いてみる。
「うっ……」
腰から何かが引き抜かれたかのような感覚が走り抜け、その強烈な快感に思わず頭を仰け反らせる。
(何だこれ?……凄く、気持ちいぃ……)
信じられない快感に驚きつつも感動していると、勝手に腰が動き始め、ピストン運動を開始した。
「あっ、あっ、ああっ……いいっ、いいよ、そうっ……」
真璃亜の可愛らしい声と、褒める言葉に誇らしさが高まると共に、強烈な快感が腰から湧き昇ってくる。
何と気持ちのいい行為なのだろう。
そして何と男心を擽る声なのか。
腰を動かすたびに快感が走り抜け、真璃亜の声を聞くたびに満足感が広がった。
「あんっ、あっ、やぁっ……そう、そこ、そこぉっ……いいのっ、いいのっ、いいよぉっ……」
自分が肉棒を突き込むと真璃亜が可愛らしく喘ぎ、顎を仰け反らせて悶えるのが最高だった。
これこそ女を自由にしているという事だろう。
何しろ腰の動きを強くすると喘ぎと悶えが強まり、弱めるともっとして欲しいとばかりにこちらを見つめてくるのだ。
その真璃亜の可愛らしくもいやらしい反応に、友真は夢中になって腰を振りまくっていった。
「やっ、やぁっ……凄い、あっ……凄いの、あぅんっ……友真、初めてなのに、あぁっ……凄い、こんな、ああっ……わたし、おかしくなっちゃうぅっ……」
真璃亜は頭を左右に振り、シーツを掴んで激しく喘いだ。
初めてしたセックスで、ここまで感じさせる事が出来ているとは、自分は男として何と優れているのだろう。
そうした誇らしさが湧き起こり、憧れだった真璃亜が、自分に夢中になってよがっているのを見ると、嬉しくてたまらなかった。
このままもっと、もっと気持ち良くなり、真璃亜を夢中にさせたい。
そんな想いに包まれるが、それとは裏腹に体は限界を告げていた。
初めて味わう快感に、射精感が高まっていたのだ。
「真璃亜、俺っ……もうっ……出る、くっ……出るよっ……」
情けない自分の体に悔しさを覚えつつ、とんでもない快感が押し寄せてきているのにゾクゾクとした興奮を覚える。
このまま真璃亜の中に射精したら、どれほどの気持ち良さが味わえるのだろう。
自慰の時とは比較にならない快感と興奮状態に、友真は怖くなりながらも、その瞬間を早く迎えたいとも思った。
「いいよ、いいっ……出して、ああっ……わたしももう、あっ……友真凄いから、あんっ……わたしももうっ……イく、あっ……イっちゃうぅっ……」
どうやら真璃亜も限界になっている事にホッとしつつ、経験豊富な相手をそこまで気持ち良くさせられたのだと誇らしくなりながら、最後とばかりに腰を大きく強く叩き付けていく。
「やっ、やぅっ……凄いっ、凄いっ、凄いぃっ……わたしもう、あっ……わたしもう駄目、やぁっ……わたし駄目なのぉっ……あっ、あっ、あぁあああああああああっ!」
「うぅっ!」
真璃亜の絶叫と共に、友真は精液を放った。
ドピュッ、ドピュッ、ドクドクドクドクドクドク……。
たまらない開放感と、強烈な快感が押し寄せ、友真は頭を朦朧とさせながら、その快楽に浸った。
股間で肉棒がビクンビクンと鼓動するのに合わせて快感が湧き起こり、そのたびに真璃亜の中に精液が注ぎ込まれていくのを感じる。
自分は今、あの可愛らしい真璃亜の中に射精しているのだと思うと、誇らしさと嬉しさが湧き起こり、何度も何度も射精を繰り返していく。
しばらくして全てを放ち終え、ゆっくり倒れ込むと、柔らかな真璃亜の体が受け止めてくれ、その温かな感触に、友真は安堵の想いを抱いた。
(女の子って……凄く気持ちいぃ……)
初めてのセックスに満足しながら、乱れた呼吸が徐々に穏やかになっていくのを感じる。
目の前には虚脱した真璃亜の可愛らしくもいやらしい顔があり、今自分はこのとんでもない美少女の中に射精したのだと嬉しくなった。
「良かったかい?」
不意に真璃迦が声をかけ、こちらを覗き込むようにしてきたため驚く。
真璃亜に夢中になるあまり、真璃迦が居たことをすっかり忘れていたのだ。
一部始終を見られていたのだと思うと、急に恥ずかしさが込み上げてくる。
「ふふ、僕に見られていたのが恥ずかしくなったのかい? 気にする事はないよ。真璃亜も満足したみたいだし。まずまずの初体験じゃないか」
真璃迦は楽しげに笑うと、顔を寄せてきたため、その事にドキリとしてしまう。
今までずっと抱いていた真璃亜とそっくりの顔であったため、まるで真璃迦を抱いたかのような錯覚を覚えてしまったのだ。
男を抱くなど嫌悪すべき行為なのだが、友真の体はあろう事か真璃迦の可愛らしい顔に反応し、肉棒を硬く大きくさせていた。
そして心も「真璃迦も抱いてみたい」という想いを抱いたため、友真は慌ててそれを振り払った。
いくら真璃迦が可愛くとも、男とそういった事をする気にはならなかったからだ。
「それじゃ、次は僕とだね。宜しく頼むよ」
だが真璃迦は、突然そのような事を言うと、パジャマのボタンを外し始めた。
「ちょっ……何してるんだよっ……」
「ん? どうかしたのかい?」
「どうかって、男とする訳ないだろっ」
平然とセックスをしようとしている真璃迦に動揺する。
何しろ抱き付かれでもしたら、それをはね除ける自信が無かったからだ。
それだけ友真にとって真璃迦の存在は、ノーマルとホモとの境界線に位置していたのである。
「ああ、なるほど……そうだったか……」
真璃迦は初めて気づいたかのように頷くと、ボタンを外していた手を止めた。
どうやら分かってくれたらしい。
いや、もしかすると始めから分かっていて、からかっていたのではないだろうか。
真璃迦ならあり得る事であったため、それに思い切り本気で反応してしまった事に友真は恥ずかしさを覚えた。
「そういう冗談は止めてくれよ。ただでさえ君は女の子みたいなんだから……」
苦笑気味に言いながら、ホッと胸を撫で下ろす。
冗談であっても続けられていたら大変であったため、止めてくれて本当に良かったと思ったのだ。
「いや、冗談というか何というか……ちょっと話すのを忘れていたんだよね。済まない、大切な事なのに君に話すのを忘れるとは、うっかりしていたよ」
「え? 何のこと?」
「実は僕は……女になったのだよ」
「ハ……?」
意味不明の事を言われた友真は、呆気に取られた。
「まあ、驚くのも無理はないがね。少し前に体が女のものに変わったのさ」
「え? 何言ってるんだよ……」
真璃迦の言っている事は無茶苦茶だった。
男の体が女の体に変わるなど、あり得るはずがないからだ。
元々女だったのを誤魔化していた、という方がまだ理解出来るだろう。
しかしそれもあり得ない事だった。
何しろ友真は以前、真璃迦の一物に触れた事があるからだ。
あれは確実に作り物ではなかった。
「前にチンチン見せてくれたじゃん。あれが無くなったって言うの?」
いい加減からかうのは止めて欲しいという気持ちで、少し強めの語気で尋ねる。
「うん、実はそうなのだな。段々と小さくなっていってね。しばらくすると男性器と呼べるものでは無くなってしまったのさ。それとは別に割れ目が出来て、指を入れられるくらいの穴が出来た。つまり女性器になったのだよ」
「……」
友真は訳が分からなかった。
真璃迦はからかうネタをここまで引っ張る人間ではなかったし、口調からも嘘を言っているようには見えなかったため、本当なのかと思いながらも、イマイチ信じられなかったからだ。
「実際見てもらうのが一番かな……ほら、無いだろ?」
真璃迦はショートパンツを下ろすと、股間を近づけてきた。
(あ……無い……)
確かにそこには、以前ならあった見事に美しい突起物が無かった。
代わりに先ほど見た真璃亜の股間にあったものとそっくりな割れ目があった。
これは完全に女性器だろう。
つまり真璃迦の言う通り、あの一物は縮み、この女性器に変わったという事なのだろうか。
「ちなみに胸もちょっと膨らんできてる」
そう言いながら真璃迦はパジャマを脱ぐと、胸を見せた。
確かにその胸は、男ではあり得ない曲線を描いており、ほんのりと乳房を感じさせる膨らみとなっていた。
最近膨らみ始めた、という感じの、初々しい雰囲気がそこにはあった。
(う……綺麗だ……それに可愛いし……エッチだ……)
一糸まとわぬ姿をさらした真璃迦の体は、完全に女の子のものと言えただろう。
いや、顔の可愛らしさ、肌の白さ、均整の取れた肉付きからすると、極上の少女の体と言えた。
真璃亜のような肉による魅力は無いが、内に籠もった背徳的な魅力を感じさせる体だったのだ。
例えるなら美しい雪原のようであり、今友真の中では、その雪原を無茶苦茶にしたい衝動が激しく起きていたのである。
女として未成熟な体であるため、保護欲と嗜虐心とを同時に感じさせる何とも言えない魅惑的な体なのだった。
「そういう訳で、僕は女の体になっているのだよ。なかなか驚きの展開だろ?」
真璃迦は苦笑しながら肩をすくめた。
「だけど……何でこんな……前は確かに男だったんだろ?」
「そうだよ。君を納得させるのに苦労したくらい僕は女の子のように見られていたけど、確実に男ではあった。それはこれまで僕の周囲に居た人間が証明してくれるだろう。君の他にも僕の男性器を見て、触れた人間は沢山居るからね……それが何故急にこうなったのかは分からない」
「何か特殊な力とか……霊とか関係ないの?」
真璃迦達は霊媒師であり、しかも魔の生まれ変わりとまで言われるほど特殊な存在であるのだから、それが何か影響しているのではないだろうか。
「うむ、それは僕も考えた。特に魔についてはね。僕らが生まれ変わりであるかはともかく、それを思わせる強い力があるのは確かだから、それが何か作用している事はあり得る訳だよ。もしそれが理由だとすると、困った事に僕の不用意な想いが原因かも知れない訳だ」
「不用意な想い?」
妙な事を言い出した真璃迦をジッと見つめる。
一体何を想ったのだろう。
「いや、これまた君には話していなかった事なのだがね。実は僕らにはすでに子供が居る」
「え……?」
「僕と真璃亜の子供だね。高校へ入る前くらいに産まれたのだが」
「ええっ……?」
突然予想外過ぎる事を言い出した真璃迦に、どう反応すればいいのか分からず友真は固まった。
「幼い頃から僕らは子供が欲しくてね、だから受精可能になると、子作りに励んだ訳さ。ほら、前に言っただろ、うちの一族は肉親で子供を作るって。それを実践した訳だよ」
確かにその話は聞いていたが、よもや中学生の内に子供を作るとは思ってもみなかった。
「それでまあ、何とか出来た訳なのだが……あまりに確率が低かった訳だ。何しろ十二歳の頃から励んでいたのに、出来たのが中学三年だからね。そこで思ったのが、近親交配による弊害さ。子供が出来にくくなるってヤツ」
それは聞いたことがあった。
あまりに近しい遺伝子で交配し続けていると、そうした現象が起きるらしい。
「だからここは近親での子作りは諦めて、外部から新しい血を入れるべきではないかと思った訳だ。そういう事で選んだのが君さ」
「え? 俺?」
「そう。君は僕らの考えた子作りの相手としての条件を取り合えず備えていたのでね、選ばせてもらった訳だ。さっき真璃亜とセックスしてもらったのも、子作りをする相手として本当に大丈夫かを試すためだったのだよ。君は人格的に問題無いし、性格も容姿も僕ら好みであったから、あとは楽しく気持ち良くセックス出来る相手であるかという事を試した訳さ」
「そ、そんな……」
「まあ、そこでいよいよ何故僕が女の体になってしまったかの原因の説明になる訳だが……実は真璃亜だけが君とセックスするという事に、どうにも腹が立ってね。何せ女の子では君みたいな人が見つからなかったから、僕は相手が居ない訳だよ。一方、真璃亜は君と先ほどのように楽しくセックスをする訳だ。大切な友人たる君とね。そして僕はそれを見ているしかない。それがどうにも腹が立って腹が立って……そこでつい、『女の体になれば君とセックスが出来る』と思った訳だな。さらには『女が二人になれば、さらに子供が作りやすくなるじゃないか』みたいにも思った訳だ……そしてその日から僕の体は変化し始めたという訳さ」
真璃迦はそう語り終えると、困ったように肩をすくめた。
何とも言えない話であり、普通であれば偶然と片付けても良い内容なのだが、そもそも男が女になるという変化自体異常な事であり、偶然だけで納得できない事でもあった。
何より真璃迦には常人には無い不思議な力があり、その事を考えると、意思の力で体を変化させる事も出来るのではないかと思えてしまうのだ。
「結局何が原因かなんて分からないがね。今話したのも勝手に僕が推測しただけの根拠の無いものさ。自分自身が納得出来るってだけの……問題は体が変化した理由じゃなく、変化した後どうするかという事で、僕は受け入れる事にした訳だよ。そもそも受け入れないから元に戻るという事でもないだろうし、それだったら受け入れた方が精神的にいいだろう?」
真璃迦はそう告げるとニヤリと笑った。
何と達観しているというか、前向きな思考なのだろうと思いつつ、目の前に居る真璃迦の体を改めて眺める。
やはりどう見ても女の子の体であり、さらに言えば、友真にとって完璧に好みの女の子だった。
真璃亜も好みではあったが、真璃迦はそれ以上に好みだったのだ。
そもそも最初に一目惚れしたのは真璃迦に対してであり、あの頃は女の子で無かった事を悲しんだくらいだった。
その相手が、今やれっきとした女の子として目の前に居る。
そして自分とのセックスを望んでいるのだ。
その事に思わずゴクリと唾を飲み込んでしまう。
先ほど真璃亜で味わったセックスは最高だったが、それを今度は女の体となった真璃迦と出来るのだと思うと、激しい肉欲が高まった。
「どうやらもう異存は無くなっているみたいだね。僕とセックスする事に」
不意にそう告げられ、ドキリとしてしまう。
内心を見透かされたかと思ったのだ。
「体の方は準備万端みたいよ。もうすっかり大きくなってる」
股間に視線を向けた真璃亜が楽しげに笑っている。
「い、いや、これは……」
「面白いわよぉ。友真ったら、真璃迦が女だって分かった途端、オチンチンが急に硬くなったもの。よほど真璃迦としたくてたまらないんだね。ちょっと嫉妬しちゃうかも」
「それは当然だろう。何しろ彼は元々僕の方が好みなのだから。今までは男同士だという事で忌避していた訳だが、その障害は無くなった訳だよ。そうなれば、純粋に人間として好ましい方に対する欲情が強まるという事さ」
「ったく、即席の女のくせに生意気ぃ。男に抱かれるのは初めてなんだから、せいぜい友真がガッカリしないようにしなさいよ。何しろ最高の女である私を先に抱いてるんだからね」
「大丈夫さ。これまで散々女についてお前で勉強させてもらってきたし、一応擬似的には試しただろ?」
「あんな偽物。本物に比べたら全然違うんだから。それに相手は私、女がしたんだから、男に抱かれるのとはまた違うわよ」
「う〜〜ん、そうなのか。それはちょっと不安かもな。僕の処女を奪った物は、しょせん偽物って訳か……」
真璃迦はそう呟きながら、傍にあった物を取り上げた。
それは細長い棒のようなものであり、ネジのようなへこみが沢山付いているものだった。
「それって……」
「ああ、女同士で楽しむための道具だね。お互いの穴に入れて動くと、どちらも気持ち良くなれるって物さ。僕がこんな体になってからは、ずっとこれで楽しんできたのだよ」
なるほど、先ほど覗いた時に二人が使っていたのはこれという訳だ。
何とも生々しい道具を見せられ、その事に興奮してしまう。
何より先ほどから目の前では、真っ裸の真璃迦が居るのだから落ち着かない事この上なかった。
「ほら、そんな話してないで、とっとと抱かせてあげなさいよ。友真があんたの事、物欲しそうに見てるじゃない」
「え? その……」
「ほほぉ、それは嬉しいな。僕としてもそこまで求められるというのは喜ばしい。では早速、僕の男初体験を貰ってくれたまえ」
真璃迦はそう告げると、手を取って引っ張ってきたため、友真はそれに合わせて体を寄せていった。
密着するほど近づいた後、目の前にある可愛らしい顔にドキリとする。
これまで散々その後「男だから」と誤魔化してきたのを、これからはしなくて良いのだと思うと凄く嬉しくなった。
真璃迦に対する「可愛い」「抱きたい」といった衝動を、隠すことなくぶつけて良いのだ。
それは何と素晴らしい事だろう。
「令道くん、その……」
「真璃迦……僕のことも下の名前で呼び捨ててくれたまえ。何しろこれから君の女として抱かれるのだから」
その言葉に心臓が跳ねる。
この極上の美少女を、自分の物と出来るのだ。
それはとてつもなく嬉しい事だった。
「真璃迦っ……」
名前を呼び捨て、ギュッと抱き締める。
そうすると細身の体が全て包み込め、温かで柔らかな感触に気持ち良さを覚えた。
以前もこうして体に触れた事があったが、このような柔らかさは無かった。
肉付き自体も女性の物に変わっているのだろう。
「友真……僕は男に抱かれるのは初めてなのだ。だからその……出来るだけ優しくしてくれると、嬉しい……」
視線を逸らし、恥ずかしげに呟く姿に、友真の中の獣欲が刺激を受けた。
可愛い。
何と可愛い生物なのだろう。
真璃亜に対してもそれは感じたが、体が未成熟なのとショートヘアのせいか、幼さが強く感じられ、愛おしさが強まった。
「うん。もちろん……もちろんだよっ……」
鼻息を荒くし、抑えきれない衝動をぶつけるようにして押し倒す。
「あっ……」
その衝撃に真璃迦が声をあげ、その女の子である声に益々興奮が高まった。
膨らみの薄い胸に舌を這わし、桜色の突起に唇を寄せると、強く吸い上げる。
「あっ……んっ……やぁっ……友真ぁ、あっ……もっと優しく、あっ……」
可愛らしく悶え、甘い吐息を漏らす真璃迦の様子に、友真の落ち着きは無くなっていった。
普段しっかりとした、落ち着いた印象のある真璃迦だけに、そうした幼い少女のような儚げな素振りは、強烈なギャップとなったからだ。
「あんっ、あっ……はぅっ、やぁっ……あっ、ああっ……やぁんっ……」
真っ白な肌に舌を這わせ、指先で微かな乳房を摘むようにして揉んでいくと、真璃迦は泣きそうな顔になりながら可愛らしく喘いだ。
こちらが刺激を与えるたびに小さな顎が仰け反り、首筋までしかない髪が揺れるのが何ともたまらない。
細く長い脚に舌を這わせ、太ももに数ヶ所吸い付くと、「あっ、あっ……」とピクピク震えながら悶えるのが最高だった。
何と可愛い生き物か。
これほど可愛い存在は信じられなかった。
先ほど抱いた真璃亜には、成熟しかけた女の子の魅力があったが、真璃迦は未成熟な少女としての魅力に溢れていた。
高校生でありながら、小学生の体つきがそれを思わせるのだろう。
この幼い肉体をもっと支配したい。
もっと愛撫し、自分の物としたい。
そうした征服欲が強烈に刺激を受け、友真は夢中になって真璃迦の体を貪っていった。
「ああっ、あっ……やっ、やぁっ……やぁっ……友真ぁ、そこは、あっ……そこをそんな、あぁっ……」
細い両脚を広げ、秘所に舌を這わすと、真璃迦はそれまで以上に激しく喘いだ。
生まれたばかりの女性器は敏感なのか、その反応は真璃亜よりも大きかった。
特に小さな突起を刺激すると、顎を仰け反らせ、シーツを掴んで体を硬直させるのが可愛らしい。
ピクピクと体を震わせる真璃迦の姿は何ともいやらしく、友真は股間で猛り狂っている肉棒を入れたくてたまらなくなった。
「真璃迦……入れるよ……?」
一旦体を起こし、上から見下ろすようにして尋ねると、真璃迦はコクリと小さく頷いた。
細い両脚の間に腰を入れ、肉棒を持つと秘所へと近づけていく。
真璃迦の顔を見ると、期待と不安が混ざり合ったような表情を浮かべ、こちらをジッと見つめている。
(そういや、初めてなんだよな。男に抱かれるのは……)
そう考えた瞬間、真璃迦が男であった頃の事が思い浮かんだ。
この数ヶ月、男の友人として付き合ってきた真璃迦。
時折「女であれば良かったのに」と思った事もあったが、男の友人として強い好意を抱いてもいた相手と、これから自分は繋がり合うのだ。
そう考えると、何とも言えない背徳感が湧き起こる。
元々男だった相手とセックスするのだ。
それは微妙な嫌悪感を感じさせると共に、強烈な興奮を呼び起こすものでもあった。
眼下には、以前まで男として見ていた可愛らしい顔があり、こうして見ると、確かに以前より女らしさ、というか可愛らしさが上がっているように思えた。
微妙に顔の線に柔らかさがあり、安堵させるような雰囲気があるのだ。
「友真……来てくれたまえ……」
以前と変わらぬ仰々しい口調で告げられた友真は、今のし掛かっている相手が、これまで自分が友人として付き合ってきた男なのだと実感した。
だがその体はすでに女と化しており、自分の肉棒が入れられるのを待っている。
そんな事を思った友真は、目の前にある潤んだ瞳と上気した頬に誘われるように顔を近づけると、唇を重ねていった。
「んっ……んんっ……んっ、んっ……」
そのまま舌を押し込み、強く絡ませながら吸い上げる。
さすがキスは男時代もしてきたせいか、真璃迦の動きは素晴らしいものがあった。
気持ちのいいその刺激にうっとりしつつ、肉棒を持つとゆっくり秘所へと近づけていく。
「んんっ、んふぅっ……んっ、あっ……あぅんっ……」
唇を放すと同時に亀頭の先を膣穴へと押し込む。
「くっ……」
ズブリといった感触と共に強烈な快感が湧き起こり、友真は頭を仰け反らせると、そのまま一気に奥まで肉棒を押し込んでいった。
「あっ、ああっ……うぁ、大きい……あぁっ……本物は、大きいぃ……それに何かいぃ……いいよぉっ……」
真璃迦は泣きそうな顔になりながら、嬉しそうにそう言うと、ギュッと抱き付いてきた。
肉棒を全て収めた友真は、そのまま動かず、真璃迦の中を感じていた。
温かくて湿った感触が肉棒を包み込み、膣襞が絡みついて刺激を与えてくるのがたまらない。
目の前にある可愛らしい顔と、抱き締めてくる小さな体に愛おしさが強まっていく。
「真璃迦……俺たち繋がったよ……真璃迦の中に、俺が入った……」
「そうだね……友真のが、僕の中に……入ってる……凄い存在感だ……」
いつもの真璃迦らしい言葉で告げられたため、友真は自分が友人とセックスしているのだという意識を強く持った。
元男である可愛い女の子と、自分は今繋がっているのだ。
その何とも言えない背徳的な状況に、興奮が激しく強まっていく。
「あっ、やぁっ……友真ぁ……何か動いてる、おっきくなってるよぉっ……これって何? あっ……何か感じる、感じちゃうぅっ……」
今度はいつもとは違う、甘えるような表情で真璃迦が告げてきたため、そのギャップに肉棒が強く反応し、ビクンっと動いた。
「やんっ……中で動いて、あぁっ……それが凄く良くて……ふぁ……そうか、擦れたからいいんだ、あっ……男の時もそうだったけど、あぅっ……女だとこんな風に、やっ……もっと凄くなって、あんっ……ねぇ、友真……動いて、動いてもっと擦って……僕をもっと、擦りあげて……お願いだよぉ……」
泣きそうになりながら、物欲しそうにこちらを見つめる真璃迦の顔に、激しい肉欲が湧き起こる。
何と可愛らしくいやらしい表情をするのだろう。
こんな事をされては、男が逆らえるはずがないではないか。
「真璃迦っ……真璃迦ぁっ……」
友真は叫ぶと同時に腰を激しく動かし始めた。
「あんっ、あんっ、ああんっ……いいっ、いいっ、いいよぉっ……これ、あっ……これ、あんっ……これが欲しかったのぉっ……」
真璃迦は嬉しそうに叫びながら、頭を左右に振り、うっとりとしながら喘いだ。
「凄い、あぁっ……こんな気持ち良く、あんっ……擦れて、ああっ……奥に当たって、あんっ……凄いっ、凄いよ、ああっ……友真凄いぃっ……」
背中に腕を回し、腰に脚を絡みつかせ、真璃迦は強く求めるようにして自らも腰を振った。
目の前にある可愛らしい顔は快楽に歪み、涙を流して甘く喘いでおり、その乱れた姿は強烈ないやらしさを感じさせた。
「あぅっ、こんなの、ああっ……激し、あっ……激しいよ、あんっ……真璃亜としてる時と、ああっ……全然違う、やっ……友真のが、あっ……僕を、僕を貫いて、ああっ……駄目っ、駄目だ、ああっ……駄目なんだよぉっ……」
涙を流しながら喘ぎ、狂ったように体を震わせる真璃迦の姿は、それだけで友真を高ぶらせた。
自分の腰の動き一つで、あの凛々しかった真璃迦が可愛い女の子として悶えるのだ。
肉棒を一突き一突きするたびに、真璃迦の女の部分を征服しているような感じがし、こうして自分が抱く事によって、真璃迦は完全に女になっていくのではないかと思えた。
実際抱き始めてからの真璃迦は、女の子としか思えない声をあげ、甘えるような言葉を発し、可愛らしく悶えているのだ。
このまま抱き続ければ、真璃迦を女として自分の物に出来るのではないか。
そんな事を思った友真は、さらに激しく腰を振っていった。
「ああんっ、あっ、ああっ……やっ、やぅっ、やぁんっ……凄いよぉ、あっ、はぁんっ……友真っ、友真っ、友真ぁっ……もっと、もっとしてぇっ……」
短い髪を振り乱し、目を虚ろに、口から涎を垂らしながら真璃迦は悶え狂った。
そこには、いつもはある知的な雰囲気は欠片も無く、まさに快楽に身を委ねた雌が居るだけだった。
そうしたのが自分なのだと思うと、嬉しさが込み上げつつ、その自分もまた真璃迦の体に夢中になって、腰を振りまくり、体を貪っているのだという事が強く認識させられた。
意識せずとも腰は勝手に動きまくり、手は柔らかな肉を掴み、舌は滑らかな肌を這い回った。
膣に収まった肉棒は、蕩けるような快楽で一杯になっており、動くたびに溶けてしまうのではないかと思えるほどの快感が湧き起こっていた。
心も体も気持ちの良さで一杯であり、このまま精を放ったらどうなってしまうのかと思えるほどだった。
(そうだ……真璃迦の中に……この気持ちのいい体の中に……俺の全てを……俺の全てを吐き出すんだ……)
愛しい真璃迦を自分色に染め、自分の物とする。
そんな想いが強まり、射精感が高まった友真は、一気に精を放とうと、腰をさらに激しく振っていった。
「あんっ、ああっ……友真、あっ……僕はもう、あっ……僕は、ああっ……もう駄目だ、やぁっ……イく、イっちゃう、ああっ……こんな凄いのでイっちゃうよぉっ……」
限界が近いらしい真璃迦は、友真の体にしがみつき、涙を流しながら悶え狂った。
「やぁっ、あっ……あふっ、あっ、ああんっ……凄いっ、凄いっ、凄いぃっ……僕、あっ……僕もぉっ……やっ、やっ、やぁあああああああああんっ!」
「くっ!」
真璃迦が絶頂に達すると同時に、友真も精を放った。
大量の精液が迸り、強烈な快感が脳天を貫く。
ガクガクと体を震わせながら、次々に精を放ちつつ、呼吸を荒げて快感に浸る。
「あ……あぁ……すごぉぃ……はぁ……」
真璃迦はうっとりとした表情を浮かべ、甘い吐息を漏らしながら、精液が注がれるたびに体をピクッ、ピクッ、と震わせている。
その様子を見つめながら射精を続けた友真は、しばらくして精を放ち終えると、ゆっくり身を横たえた。
ハァハァという荒い呼吸と共に、真璃迦の温かい肉の感触を感じながら安堵の想いに浸る。
(真璃迦と、しちゃった……)
元男だった真璃迦と、自分はセックスをしたのだ。
本来存在しなかった膣の中に、生まれたばかりの膣の中に、精液を注ぎ込んだのである。
それは何とも言えない背徳感と満足感を呼び起こすものだった。
「どう真璃迦。気持ち良かった?」
不意に声が聞こえたため視線を向けると、真璃亜が真璃迦の様子を楽しげに見つめているのが見えた。
「うん……これは凄いね……男に抱かれるって、凄い……女相手じゃ味わえないよこれは……」
「そうでしょそうでしょ」
「友真、ありがとう。僕はこれで女として生きていく決意が固まったよ」
「え? 決意って……?」
「いや、さっきはあんな事を言ったがね、やはり十年以上男として生きてきた訳だし、出来れば元に戻りたいと思ってもいたのだよ。でもここまで気持ちのいい経験してしまったら、戻れなくてもいいやと思ったのさ。君が今後も僕を気持ち良くしてくれれば、それで満足出来るってね」
「いや、それは……」
「嫌なの? 真璃迦を抱くの?」
思わず躊躇した友真に、真璃亜が不安そうな様子で尋ねてくる。
「嫌って事はないけど……俺なんかでいいのかと思ってさ……」
「さっきも話しただろう。君じゃなきゃ駄目なんだよ」
「私も同じよ。友真がいい」
美少女二人にそこまで言われては、嬉しくて仕方がなかった。
その想いに反応するかのように肉棒が強く勃起し、その事で肉欲が激しく高まっていく。
そうなると二人を抱きたくてたまらなくなった。
「じゃあ、もっと抱いてもいいんだね?」
「もちろんさ」
「もちろんよ」
友真の言葉に嬉しそうに頷く二人を見ると、まるで自分のする事が何か素晴らしい事であるかのように思えてくる。
セックスは快楽を楽しむもの。
それをこれから三人で楽しむのだ。
絶世の美少女たる二人と。
それはなんと素晴らしい事だろう。
嬉しさで一杯になった友真は、そのまま二人を抱き締めると、その柔らかな体にのし掛かっていくのだった。
「あっ、あっ、ああっ……」
友真は激しく腰を振り、真璃亜の中に肉棒を突き込んでいた。
お互い裸になった状態で交わると、生の肌に感じる女体の柔らかさ、温かさ、滑らかさがたまらなかった。
先ほどは無かった、体全体が快感に包まれるような感覚があるのだ。
特に女性特有の肉の柔らかさは、蕩けるような心地良さを感じさせ、友真は体を預けるようにして肉棒を突き込みまくった。
「あぅっ……あっ、あんっ……いいよ、いいっ……友真いいのぉっ……」
潤んだ瞳でこちらを見つめ、嬉しそうに褒め称えてくる真璃亜の姿は、それだけで友真をおかしくさせた。
自分は今、この極上の女を自由にしている。
己の物としているのだ。
何と幸せな事だろう。
「やぁっ、やんっ……やぅっ……はっ、はぁっ、はぁんっ……」
幸福感が強まると快感も強まり、友真は荒々しく肉棒を叩き付けた。
こちらが動くたびに豊満な乳房が揺れ、小さな顎が仰け反るのに満足感が湧き起こる。
頭が左右に振られ、美しく長い黒髪が乱れるのが何とも色っぽく、まさに自分が女と交わっている事が意識されてたまらなかった。
「あぅっ、あっ、ああんっ……もう駄目、やぁっ……もう駄目だよぉっ……やっ、やぁっ……友真もう駄目なのぉっ……」
限界を告げてくるのに可愛らしさを覚えつつ、自分も射精感が高まっていた友真は、一気に精を放とうとさらに腰を激しく振った。
「あっ、あっ、あぁああああああああっ!」
「くっ!」
真璃亜がギュウッと抱き締めてくると、膣内も強く収縮し、その刺激に耐えかねた友真は肉棒の栓を解放した。
勢い良く迸る精液を感じながら、セックスとは何と気持ちのいい行為なのだろうとぼんやり思う。
そのまま射精を繰り返した後、力を抜いて真璃亜の体に身を預けると、ハァハァと荒い呼吸を繰り返し、目の前にある可愛らしい顔に見とれる。
この美少女の中に射精したのだという想いから、誇らしさと満足感が湧き起こった。
「じゃ、次は僕だね。頼むよ」
横から真璃迦が顔を寄せ、抱き付いてきた。
そのまま転がるようにして真璃迦の体の上に移動させられると、唇に強く吸い付かれる。
「んっ……んっ、んっ……んふぅっ……ふふ、セックスはいいよね。女になってこれほど幸せだと思えた事はないよ。君のこれ、凄く僕に合ってる。最高さ」
真璃迦は嬉しそうに微笑むと、肉棒を掴んで軽くしごいてきた。
すると力を失っていた肉棒があっという間に回復し、硬さと大きさを取り戻していく。
先ほどから射精した後に二人に触れられると、すぐさま大きくなったのだ。
(俺って……こんな絶倫だったのか……)
我ながら何とも凄い体だと思った。
自慰の時はせいぜい数度しか射精出来なかったのに、今はそれ以上しているのだ。
あれからずっと二人と交わっているのだが、覚えているだけでも十回以上はしているだろう。
それなのにまるで一度も射精していないかのように、肉棒は元気一杯なのである。
「このままずっと朝までしよう……ふふ、君にこうして抱かれるのは何とも幸せな気分だよ。さあ、もっと僕を愛してくれたまえ」
誇らしげな表情で両腕を広げて誘う真璃迦に、友真は頷き、首筋に吸い付いていった。
「あっ、ああっ、やんっ……友真、あっ……いいよ、そこ、あっ……そこいぃっ……」
途端可愛らしい声で喘ぐのに、興奮が強まる。
真璃迦のこうしたギャップは、何度経験してもたまらなかった。
セックスを始めるまでは男時代を思わせる少年のような雰囲気があるのに、こうして愛撫をし始めると、何とも可愛らしい少女の雰囲気に変わるのだ。
「やっ、やぁっ……駄目、あっ……そこをそんな、やぁっ……」
未成熟な体もその事を強く意識させ、膨らみの薄い胸や、華奢な腕や脚は、まるで真璃迦が幼い少女であるかのように思わせた。
微かな膨らみの頂点にある小さな突起に吸い付くと、「やぁんっ……」と特上の甘い喘ぎを漏らし、体をピクッと震わせるのがたまらず、我慢出来なくなった友真は、細い両脚を持つと、一気に肉棒を押し込んでいった。
「あんっ……あっ、あぁっ……」
ズブズブと肉棒が入り込んでいくと、可愛らしい顔がそのたびに仰け反り、首筋までしかない短い髪がサワサワと揺れるのに興奮が高まる。
高校生を抱いているはずなのに、まるで小学生を相手にしているかのような背徳感がそうさせるのだ。
「あっ……んっ……全部入った、ね……」
上気した顔でニコリと微笑む幼い顔は、強烈ないやらしさを感じさせ、友真はそのまま勢い良く腰を振り始めた。
「あっ、あっ、ああっ……いいっ、凄いっ、やぁっ……」
突き込みに合わせて小さな体が揺れ、膨らみの薄い胸が上下に動くのに興奮が高まっていく。
未成熟ながら女を感じさせるその様子は、この体が元は男だったなど全く感じさせなかった。
特に膣内の蠢きは極上で、強く締め付け、ヒダヒダが絡みついてくるのに、すぐさま射精してしまいそうになるほどだった。
「ああっ、あっ、あふんっ……もっとっ、もっとだよ、あっ……もっとお願ぁいっ……」
快楽にかなり染まったらしい真璃迦が、女の子らしい可愛い口調で甘くおねだりしてきたため、自然と腰の動きが激しくなった。
あまりに可愛すぎる態度が雄の本能を刺激したのだ。
この可愛らしい生物の中に精を放ちたい。
そうした欲求が強まったのである。
「やっ、やんっ……いいよ、友真、あっ……いいの、あぁっ……それ、そこ、そこぉっ……」
可愛らしい顔が快楽に歪み、もっとして欲しいと言わんばかりの目で見つめてくる。
それはもはや男だったとは思えない、完全な女としての表情だった。
(男だったのに……何て、何て顔するんだ……可愛すぎるだろ、可愛すぎだよ……そんな顔、やめてくれ……俺、おかしくなっちまう……)
元々真璃亜よりも好みであったせいか、女となった真璃迦は、友真にとって可愛すぎてたまらない存在だった。
特に交わっている最中は、こうして甘ったるい口調で喘ぐため、抑えきれないほどの欲情が湧き起こってしまうのだ。
「あぁっ、あっ……やぅっ、やっ、やぁんっ……友真、あっ……友真ぁ、あぁっ……友真大好きぃっ……」
(!……)
その言葉に心臓が激しく跳ねる。
まさにトドメだった。
以前から好きだとは言われていたが、こうして甘く喘いでいる状態で「大好き」などと言われると、心がそのまま蕩けてしまうのではないかと思えるほどの喜びがあった。
今まで微かに残っていた友真に対する「元男だから」という躊躇が消えて無くなり、強い愛情が湧き起こってくる。
「俺もっ……俺も真璃迦が好きだっ……大好きだぁっ……」
最初に出会った時から胸に秘めていた想いを、一気に爆発させるようにして愛の言葉を告げる。
「あぅっ、あっ、ああっ……凄い、あっ……急に激しく、あんっ……何度もしてるのに、あっ……まだこんな元気で、ああっ……友真凄すぎだよぉっ……」
勢いづいた腰つきに、真璃迦はシーツを強く掴んで激しく悶えた。
何と可愛い姿だろうか。
その可愛い存在を、今自分は自由にしている。
夢中にさせている。
それはあまりに最高過ぎる状況だった。
「あっ、あっ、あはぁっ……やだ、あんっ……そんな風にされたら僕、あっ……駄目になっちゃう、やぁっ……駄目になっちゃうよぉっ……」
頭をブンブンと振り、目を虚ろにし、口から涎を垂らしながら真璃迦は悶えまくった。
あの凛々しい真璃迦をここまで狂わせている自分は、何と凄いのだろう。
そうだ自分は凄いのだ。
だからもっと凄くしてあげるのだ。
そう思った途端、腰の動きが信じられないほど速くなり、強く大きく真璃迦の体を貫いていった。
「あぐっ、あっ、ああっ……もうっ、もぉっ……やぁっ、駄目、らめぇっ……はぅっ、はっ……はぁっ……」
突き込みに合わせて小さな体がガクガクと揺れ、快感に震える様に射精感が高まっていく。
このまま一気にこの体の中に、愛する真璃迦の中に精液を注ぎ込むのだ。
そうする事でもっともっと真璃迦を自分の物に出来る。
友真はそう思いながら、腰を激しく振っていった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……らめっ、らめっ、らめぇっ……僕、もう、らめなのぉっ……やっ、やっ、やぁあああああああああああんっ!」
「ぐぅっ!」
真璃迦が体を強く硬直させるのと同時に、友真は精液を放った。
十回以上射精したとは思えないほどの量と勢いで精液が放出されていく。
たまらない快感が押し寄せ、ドピュッ、ドピュッ、と射精が行われるたびに、意識が朦朧とするほどの気持ちの良さに包まれていく。
真璃迦は涎を垂らしながら「あ……あぁ……」と吐息を漏らし、体をピクピクと震わせて悶えており、その様子に満足な想いを抱いた友真は、理想の女を手に入れた喜びに浸っていくのだった。
周囲に人影の無い用具室。
そこで友真は椅子に腰掛け、肉棒を舐められていた。
制服に身を包んだ二人の少女、真璃迦と真璃亜が熱心に舌を這わせているのだ。
あれから女になった事を公表した真璃迦は、女生徒として学校に通っていた。
体が完全な女であるため、特例として戸籍も女に変わったらしいのだが、そこら辺の詳しい事情は友真には分からなかった。
どうやら真璃迦達の家は、政財界にも影響力を持っているようで、そうした事が可能となったらしい。
と教えられたのだが、友真は真璃迦達自身の魅力のせいだろうと思っている。
自分以外の人間は皆、真璃迦達の言うことに逆らう事はないからだ。
二人が直接政治家に会い、告げるだけで戸籍の変更は可能になるだろうと思えたのである。
以前はさすがにそのような事はあるまいと思っていたのだが、二人とセックスしてからというもの、そうした事に確信を持つようになっていた。
この二人はやはり常人ではなかったからだ。
魔の生まれ変わりだと言われているが、本当にそうなのかも知れないと思えたのである。
恐ろしいまでに人を惹き付ける魅力。
愛さずには居られない容姿。
圧倒される存在感。
恐れを抱かせる雰囲気。
そうした要素を、友真は最近強く意識するようになった。
以前はある程度は感じていたが、気にならないほどだったのが、それが強く認識されるようになっていたのだ。
無論、だからといって二人に対する想いは変わらないため、付き合う上で何も問題は無かった。
セックスした事により親密度が増したため、二人の事をさらに知りたくなり、その結果としてそうした事に気づくようになったのかも知れない。
そんな事を思いつつ、股間に視線を向けると、熱心に肉棒に舌を這わせる二人の姿が見えた。
首筋までしかない短い髪と、腰まである長い髪をした、そっくりな顔の双子の美少女だ。
肉棒に小さな舌が二つ絡みつき、可愛い唇が這ってくるのは、何とも最高だった。
時折「気持ちいい?」と尋ねるようにして、四つの瞳が上目遣いに見つめてくるのがたまらず、思わず射精してしまいそうになる。
特に女子の制服を着た真璃迦はあまりに可愛らしく、その姿を見ているだけで興奮が強まった。
初めて会った時に見たいと思った女子の制服を着た姿を、こうして眺めることが出来ているのは何とも幸せな気分だった。
もちろん真璃亜も制服姿がよく似合い、そうした二人に肉棒を舐められ、吸われている状況というのは、実に気分が良いものなのだった。
「んぐっ、んっ……んんっ……」
「んんっ、んぁっ……んっ、んぅっ……」
真璃迦が亀頭を口に含み、舌を絡ませるようにして吸い上げ、真璃亜が裏筋に舌を這わせ、チロチロと刺激を与えてくるのに思わず体を硬直させる。
双子だけに二人のコンビネーションは抜群で、蕩けるような刺激が股間に押し寄せてきているのだ。
「くっ……うっ……」
思わず腰を浮かし、射精感に耐える。
二人の頭に手を置き、サラサラの髪を撫でて首筋をさするようにすると、彼女達は気持ち良さそうに、うっとりとした表情を浮かべた。
「そろそろ出すよ……もう我慢出来ない……」
そう告げると、二人は同時に頷き、そのままさらに激しく舌での刺激と吸引をしてきた。
真璃迦の細い指が肉棒に添えられ、亀頭に食らいつくようにして吸い上げてくると、真璃亜が下から裏筋を舐め上げてくる。
続けてチュパチュパと肉棒全体を口に含み、まるで餅つきのように交代で肉棒が吸われていく。
双子だけにそうした事をしても間が空くことがなく、まるで一人が連続で吸っているかのような状態になっており、友真は二人の肩を掴みながらその強い刺激に悶えた。
「んぐっ、んっ、んっ、んんっ……」
「んんっ、んぐっ、んんぁっ……」
「うぅっ!」
真璃迦に強く吸われた瞬間、友真は精を放った。
ドピュドピュっと激しく迸る精液を、真璃迦は美味しそうに飲んでおり、途中で口を離すと真璃亜に交代している。
双子の美少女がうっとりとした表情で精液を飲んでいる姿は何ともたまらず、見ているだけで肉棒が硬度を増した。
「んぐっ、んっ……やんっ……」
「あ、馬鹿……」
硬さが強まったせいか、真璃亜の口から肉棒が外れ、放出していた精液が、二人の顔にかかった。
白い液体が美しい黒髪に降り注ぎ、可愛らしい顔にも付いていく。
美少女二人を汚しているその状況に、友真はさらに興奮を覚えた。
肉棒が最後の放出とばかりに、ドピュッと精液を飛ばし、二人の顔を汚す。
だが真璃迦達はそれを気にした風もなく、逆に嬉しそうに手に取ると舐めている。
「もぉ、駄目じゃないか。精液は飲むって決めてただろ」
「ごめん。急に勢いが増したから、つい口から出ちゃった」
真璃迦は文句を言っているが、さほど怒っている様子でもなかった。
以前もこうして精液を受けた事があるからだろう。
「ほら、二人ともティッシュ。さすがにそのままにしておくと匂っちゃうからね」
「おっと、女の子としてそれはマズいよね。僕みたいな可愛い女の子じゃ余計だ」
「私だって可愛いから当然ね。それにしても真璃迦も女の子ぶりが染まってきたよね。仕草とかすっかりそういう感じだもん」
「日々研究しているからな。友真にもっと可愛いと思ってもらうためにさ」
「あら、それは私だって。友真にもっと愛されたいもの」
『友真ぁ、大好きぃ……』
二人は同時にこちらを向くと、甘えるようにして体を寄せてきた。
豊満な膨らみと、微かな膨らみの感触が、左右の肩に感じられる。
「俺も二人が大好きだよ」
そう応えながら二人の体を抱き寄せ、両手でそれぞれの胸を片方ずつ掴む。
右手には大きな肉の塊が、左手には微かな肉の塊があり、それぞれ心地良い感触を味わわせてくれていた。
『友真ぁ……』
二人は同時に顔を寄せてくると、瞼を閉じ、唇を重ねてきた。
三つの舌が絡み合い、六つの唇が擦れ合う刺激に、肉棒が痛いほどに勃起し、ビクンビクンと揺れ動いた。
『んっ、んんっ……んっ、んふぅっ……』
左右の膝に、真璃迦と真璃亜がそれぞれ跨ぐように腰掛け、背中に腕を回して体を押しつけてくる。
女性特有の柔らかさを感じさせる肉が密着し、その心地良さにうっとりとしながら二人を抱き締め返す。
そのまま唇を激しく絡ませ、体を擦り合わせながら、三人はくねるようにして密着し続けた。
「んんっ、んぁっ……んふぁっ……ね、もうすぐ昼休み終わっちゃうよ。早くしよ。ここまでして出来ないなんて嫌だもん」
「そうだね。取り合えず今なら一人ずつしてもらうくらいの時間はあるだろ。いいよね友真?」
「もちろんさ。俺だってこれで終わりじゃたまんないよ」
友真はそう言うと、真璃亜の腰を持って立ち上がった。
そのまま真璃亜を机にうつぶせにすると、スカートを捲り上げ、パンティを引き下ろして背後から肉棒を押し込んでいく。
「あぅんっ……ふぁ……やっぱいぃ……友真のオチンチン、私の中にジンジンくるよぉ……」
大きな乳房を机で押し潰しながら、真璃亜は振り返って嬉しそうに告げてきた。
「真璃亜のここもいいよ。いつ入れてもたまらない」
そう言いながら腰を動かし出すと、途端、蕩けるような快感が湧き昇ってきた。
「あっ、あっ、ああっ……いいっ、いいっ、いいのぉっ……」
制服のプリーツスカートを揺らし、長い髪の毛を乱して真璃亜は悶えた。
腰の突き込みに合わせて制服の背中が前後し、小さな頭がカクカクと仰け反っていく。
「あんっ、あんっ、ああんっ……そこ、あっ……そこいい、やっ……そこもっとぉっ……」
振り返り、涙ぐみながら告げてくる箇所を集中的に突き込むと、真璃亜は嬉しそうに喘いだ。
大きな乳房が前後に揺れており、それを背後から掴んで揉みしだくと何とも気持ち良く、そのまま上半身を持ち上げるようにしながら揉んでいくと、たまらない心地良さが広がった。
何故女性の胸というのは、ここまで男を魅了する柔らかさを持っているのだろう。
「やっ、あっ、はぁっ……あぅっ、あっ、はぁんっ……駄目、あっ……激し、やっ……凄いぃっ……」
続けて腰をしっかり持ち、勢い良く叩き付けるようにして肉棒を突き込むと、真璃亜は「たまらないよぉ」といった声をあげながら、激しく頭を振った。
長く美しい黒髪が乱れる様に、益々肉棒が猛り、興奮が強まっていく。
「ところで友真。お願いがあるんだが、いいかな?」
不意に真璃迦が体を寄せてくると、囁くようにして尋ねてきた。
その目はいつもと違った雰囲気があり、どことなく淫靡さを感じた友真はドキリとしてしまった。
「別にいいけど。俺は真璃迦の頼みなら何でも聞くから」
「ありがと。そんな友真が僕は大好きさ」
真璃迦は抱き付いてくると、唇を重ね、軽いキスをしてきた。
その表情はやはりどこかいつもと異なり、強いいやらしさを感じさせるものがあったため、自然と腰の動きが強まっていく。
「あぁんっ……やっ、凄い、あぁっ……凄いよ友真、あんっ……それ凄いぃっ……」
意識としては真璃迦に向いているにも関わらず、体は真璃亜を満足させるほどに激しく動いていた。
そのまるで心と体が別々になっているかのような状態に驚きつつ、真璃迦の可愛らしい顔を見つめる。
(あれ?……これって……)
その瞬間、ちょっとした驚きを覚える。
いつもはどこか皮肉気な笑みを浮かべている真璃迦の顔に、表情が全く無くなっていたからだ。
そうした顔がこちらへ向けられ、何かを訴えるようにしてジッと見つめてくる。
「僕のこと、どう思う?」
不意に真璃迦は、無表情のまま、感情の無い声で尋ねてきた。
それはあまりにいつもの真璃迦と違っており、どうしたのかと思うが、少しすると、それも何やら真璃迦っぽいようにも思えたため、気にならなくなった。
というより、無表情なところが逆に可愛らしく思えてきたのだ。
「凄く可愛い」
「え……?」
友真の答えに、真璃迦は一瞬驚いたようにして動きを止めた。
「僕の、今のこの状態でも、可愛いって思うの?」
「可愛いよ。何でそんな顔してるのか分からないけど、それも何だか可愛いからさ」
「そう、なんだ……やっぱり君は凄いな。特別だ……僕らにとって最高の相手だよ」
真璃迦はそう呟くと、無表情だった顔に照れくさそうな笑みを浮かべた。
無表情だったせいか、その笑みは何とも強烈な印象となり、友真は強い興奮を覚えた。
「あっ、やぁっ……また凄い、あんっ……友真凄いよ、ああっ……凄いのぉっ……」
意識したつもりは無いのだが、腰の動きが荒々しくなり、それによって真璃亜は激しく悶えまくった。
「それでお願いなんだけどね……君に僕らの夫になって欲しいのだよ」
「え……?」
その予想外の言葉に、一瞬何を言われたのか分からなくなる。
「結婚して欲しいって事さ。僕と真璃亜の配偶者になってもらいたいんだな」
いつもの皮肉気な笑みをたたえながら、真璃迦は平然とそんな事を言ってきた。
「け、結婚って……俺と?」
「そうだよ。君以外いない。僕らの愛する男はね」
真璃迦はそう言いながら体を密着させてくる。
あまりに驚いたため、頭は思考を停止したのだが、驚くことに体は真璃亜をそのまま責め立てていた。
「あんっ、あっ、ああっ……真璃迦ズルい、あんっ……二人で一緒に言おうって決めてたのに、やっ……一人で言っちゃ、ああっ……酷いよ、やぁんっ……」
真璃亜が快感からなのか悔しさからなのか、涙を流しながら文句を言っている。
「悪い。ゴメンよ。ホント悪かった……いや、友真は僕らの本質に触れても変わらないって確認したら、何だか嬉しくなっちゃって」
真璃迦は珍しく、本気で申し訳なさそうな顔をして謝っている。
この事は、二人にとってよどほ重要な事だったのだろう。
「結婚はともかく……その、本質って何さ?」
今の言葉に妙な単語があったため、気になって尋ねてみる。
「そうだね、ちゃんと話さないといけないな……そうだなぁ、まずは僕らの性質の事から話すか……前にも言ったけど、僕らには人を惹き付ける性質がある。これは君も知っているよね? その一方、僕らは人を畏怖させる部分もあるんだ」
「畏怖?」
「恐怖と言ってもいい。恐れさせ、怯えさせる要素さ。それがさっき言った本質の部分。僕らの本質に触れた人間は、恐怖に囚われることになる。程度は人によって違うけど、まあ、大抵は恐ろしくなって怯えてしまう訳だ」
「そうなんだ……」
それは何となく分かった。
真璃迦達に対する周囲の反応で、そうした怯えるようなものがあったからだ。
「この事に気づいたのは中学に上がった頃かな。何となく気を抜いていた時にだね、近くに居たクラスメートが急に怯えだしたのだよ。どうやらそれまでもそういった事はあったらしいのだが、僕らは気がつかなくてね。それ以来、人前では出来るだけ本質を見せないようにしているのさ」
真璃迦はそう語りながら、体を甘えるように擦りつけてきたため、その気持ち良さから肉棒がグンッと力を増した。
「ああんっ、あっ、ああっ……こら真璃迦、やっ……あまり友真を刺激しないでよ、あんっ……強すぎると私、話聞いてられなく、やっ、あんっ……なっちゃう、ああっ……」
真璃亜が激しく喘ぎながら文句を言っている。
「悪い悪い。あんまり真璃亜が気持ち良さそうにしてるから、ちょっと嫉妬しただけさ……そうそう、この力も本質に関わっているものでね。僕らは人を凄く欲情させる力がある。こうして触れるだけで虜に出来るくらいに」
その言葉に不安がよぎった。
もしや自分も、その力によって虜にされたのではないかと思ったからだ。
何しろ今のように二人に触れられると、信じられないほどに欲情してしまうからである。
もしそうだとしたら、自分の二人に対する想いも、彼らによって無理矢理抱かされたものなのではないかと思え、悲しくなったのだ。
「ああ、友真は違うよ。君の状態の事を言っている訳じゃない。この程度なら特殊な力なんて呼べないさ。思春期の男なら誰でもこれくらいの興奮はするし……まあ、少しは影響しているけど、それはほんの少しでしかない。君のはせいぜい体が強く反応したり、セックスしたくてたまらなくなる程度だろ? 僕が言っているのはもっと違うものさ。意識が無くなって、僕らの言うなりになるようなのだ。君は何度か見ているはずだよ。僕らに従順に従うロボットのような人達を……」
確かにそれは見たことがあった。
誰もが真璃迦達の言うことを聞き、従ってしまう状態。
そうした状態になっている人間を、何度か見た事があったのだ。
「そういう意味で、君は凄い訳だよ。何しろ僕らとこれだけセックスしても普通に接する事が出来る訳だから……そこが僕らの夫としてふさわしいという訳さ。どうだい? 僕らと結婚してくれるかな?」
真璃迦らしからぬ不安そうな表情で見つめてくるのに、心臓が激しく鼓動する。
今までも可愛らしい表情は見てきたが、これは何とも格別なものだったのだ。
「でも、二人と結婚するのは無理だろ。結婚ってのは一人としか出来ないし……」
「まあ、日本の法律ではね。だが僕が言っているのはそうした戸籍上の話じゃない。僕ら個人としての繋がりとしての話さ。戸籍上は僕と結婚して、真璃亜とは内縁の妻って事で結婚して欲しい訳だよ」
「こら、あんっ……勝手に自分と結婚するって、やっ……決めるな、ああんっ……友真は私と結婚、あっ……真璃迦とは内縁、やぁっ……あっ、ああんっ……」
真璃亜が慌てて何かを言ってきたが、友真の突き込みが激しいため、ちゃんとした言葉になっていない。
真璃迦の話に意識を向けているにも関わらず、不思議と腰の動きは必要以上に荒々しくなっていたのだ。
「真璃亜には悪いけど、僕と結婚して欲しい訳だよ。そのために戸籍だってわざわざ変えたんだし……とまあ、その事は取り合えず後での問題としてだ。僕らと君との結婚には何も障害が無いという事は分かってくれたかな? そういう事で考えて欲しいのだよ」
甘えるように頬を擦りつけ、舌で首筋を舐めてくるのにゾクゾクする気持ちの良さを覚える。
そうすると腰の動きが自然と激しくなり、真璃亜はもうまともに喋れない様子で喘ぎまくっていた。
「つまり、君ら二人を、僕は奥さんに出来るってこと?」
「そういうこと。要は今と変わらないって事さ。こうして僕ら二人と一緒に気持ち良くセックスをして、愛し合っていくんだ。素敵だろ?」
真璃迦はうっとりとした表情を浮かべると、唇を重ね、チュッチュッと軽いキスを繰り返してきた。
「確かにそうだね。それは素敵だ。ずっと二人とこうしていけるなんて……」
友真は真璃迦の太ももを撫で回すと、そのままスカートの中に手を入れ、小さな尻を掴んだ。
「あっ、あんっ……っと、それからもう一つ、君にお願いがあるんだ」
「ん? 何?」
真璃迦の制服の下に手を入れ、直接胸に触れながら尋ねる。
「やっ、あぁっ……僕らのブレーキ役に、あっ……なって欲しいんだよ……や、はんっ……」
「ブレーキ役?」
制服を捲り上げ、可愛らしい膨らみを顕わにし、その頂点にある桜色の突起に吸い付いていく。
「やんっ、やっ……あっ……僕らはちょっとやりすぎちゃう傾向があってね、あぁっ……調子に乗りやすいっていうか、やんっ、あっ、いいっ……人に対する配慮に欠けた部分もあるし、はぅっ、あぁんっ……それを君に注意して、あっ……欲しいんだ、あっ、ああんっ……」
「構わないけど。出来るかなぁ、俺に……」
そう言いながら強く乳首を吸い上げ、指で薄い膨らみを摘むようにして揉みしだく。
「君にしか、あっ……出来ないこと、ああんっ……だよ、あぁっ……何しろ僕らは、あっ……君に夢中、ああっ……君の言う事なら何でも聞く、やぁっ……から……それはもう分かってるだろ? あっ、ああんっ……」
確かにそれはそうだった。
肉体関係を結んでから、二人の自分に対する態度は実に従順なものだったからだ。
「そしてそうなっても君は、あんっ……僕らに理不尽な事はしなかった、やぅっ……いくらでも好きに出来るのに、あぁっ……今まで通り友人として、あんっ……普通に接してきた、やぁっ……」
「まあ、友達に酷い事はしたくないしね。当然だよ」
そう言いながら真璃迦の短い髪に振れ、頬を擦りつける。
「そうじゃない人間も多いのだよ。思い通りになる相手が出来ると、途端に酷い事をする人間もね……でも君はそうじゃない。強い良心を持っているのさ。そこが僕らのブレーキ役としてピッタリという訳だ」
そこまで語った真璃迦は、先ほどのような無表情になると、ジッとこちらを見つめてきた。
その表情を可愛らしく感じながら、この無表情のまま喘がせたらどうなるのかなぁ、などと考える。
「ふふ、君はホント面白いね。今、僕をこのまま抱きたいとか思っていただろう?」
不意に真璃迦は力を抜いて息を吐き出すと、まるでこちらの心を見透かしたかのような事を言ってきた。
「え? どうして分かったの?」
「そりゃそんないやらしい目でこっちを見ていたら分かるよ……だがそんな君だから安心なんだ。僕らの本質を知っても愛してくれる君だからね」
「そうなの?」
「うん。何しろ僕らはこれから、この国を支配するつもりだから」
「え……?」
急に想像外の言葉を言われた友真は、一瞬呆気に取られた。
「真璃迦、あっ……そこまでもう言っちゃうの、ああんっ……少しは私にも何か言わせてよぉ、あっ、あっ、ああんっ……」
真璃亜が甘く喘ぎながら、悔しそうに呟いている。
「支配って……日本を?」
「そう。まあ、支配と言っても戦国武将みたいに戦争を起こして乗っ取る、とかそういう事じゃないから。もっと現代的な意味での支配さ。要は政財界を牛耳るって事だね。金と権力を手に入れる訳だよ。そうすれば支配は可能となる」
「そんな事……」
「出来ないと思うかい?」
思わなかった。
実際この学校は、すでに二人の支配下にあると言って良かったからだ。
誰一人として二人に逆らえないし、言うことを全て聞くからである。
それと同じことを政財界でもやるだけの話だろう。
事実、戸籍の性別をあっさり変えられたほどであり、その事を考えれば、すでに支配は始まっているのかも知れない。
「僕の理想としてはね、影の支配者ってやつなんだ。ほら、小説なんかでよく出てくるだろ? 日本を影で牛耳る謎の大物ってのが。それみたいになりたいんだよ。そしてその夫として、君にはブレーキ役を頼みたい訳だ」
「……」
これにはどう応えて良いのか困った。
先ほどまでなら大した事でないように思えたが、日本の政財界を牛耳るような存在のブレーキ役など、自分に勤まるとは思えなかったからだ。
「そんなに深く考える必要は無いよ。君の良心にとって、良くない事を僕らがしようとしていたら言ってくれればいいんだ。それだけの事さ」
そう言われても、深く考えてしまう。
多くの人に影響する事を自分が決めるように思えるからだ。
「まあ、そこら辺は実際に支配する事になってからでも決めてくれ。僕らは君がブレーキ役になってくれなくても、日本を支配するつもりだし」
何とも夢物語のような話を平然とする真璃迦に驚く。
だがこの二人ならきっと簡単に実現してしまうのだろう。
友真にはそう思えて仕方がなかった。
「あっ、ああっ、ああんっ……わたしもう、あっ……わたしもう駄目、あぅっ……友真っ、友真っ、友真ぁっ……やっ、やっ、やぁああああああああっ!」
「!……」
気がつけば真璃亜が体を硬直させており、その刺激を受けた友真は、まるで無理矢理吸い出されているかのような感覚で精を放った。
その特殊な感覚、そして射精を意識していなかった事から快感は強烈なものとなり、いつもよりも気持ちの良さが脳天に響く感じだった。
歯を食いしばり、押し寄せる快楽にうっとりとしながら射精を繰り返していく。
目の前では真璃亜がグッタリした様子で机に突っ伏し、荒い呼吸を吐いており、その様子を見ながら最後の射精を終えた友真は、肉棒を引き抜くと崩れるようにして椅子に腰を下ろした。
「それじゃ次は僕だね。まだ時間はあるし、目一杯気持ち良くしてくれたまえ。未来の夫としてさ」
息を整えている友真に微笑みかけると、真璃迦は肉棒を軽くしごいてきた。
すると強烈な気持ちの良さが走り抜け、肉棒があっという間に硬く大きくなる。
「ブレーキ役とかは取り合えず置いといて、まずは子供を頼むよ。僕らは子供が欲しいんだ。君とのね」
真璃迦はパンティを脱ぐと、正面向きに友真の膝を跨いで座り、肉棒を膣穴へ入れていった。
「あっ……んっ……はぁ……いぃ……」
徐々に収まっていく肉棒を感じているのか、真璃迦はうっとりとした表情を浮かべて微笑んでいる。
「そうか、そういや君はこれでしたかったんだよね」
真璃迦は不意に無表情な顔になると、無感情な声でそう告げてきた。
その様子を見た瞬間、友真は激しいいやらしさを覚えると共に、肉棒が痛いほどに勃起するのを感じた。
「驚いたな。本質の僕に欲情してるんだね。怖がらずに……やっぱり君は素敵だよ……」
真璃迦は無表情のまま、無感情な声でそう呟くと、ゆっくり腰を動かし始めた。
「あっ、あっ、ああっ……いいっ、いいよ、あっ……友真、いいっ……」
顔は無表情のまま、感情を感じさせない喘ぎを発しつつ真璃迦は悶えた。
それは妙な興奮を誘う部分があり、その事に欲情を高めた友真は、真璃迦の制服を捲り上げると、膨らみの薄い胸をヤワヤワと揉みしだいた。
「ホント面白いよね、友真ってば。この状態でも興奮するんだから……」
真璃亜の無感情な声が聞こえると共に、背中に二つの柔らかな膨らみが押しつけられる。
振り返ってみれば、真璃亜がやはり無表情な顔を浮かべてこちらを見つめていた。
初めて見る真璃亜の無表情は、何とも人形のようであり、やはり妙な色気を感じさせる部分があった。
この無表情のまま喘がせたらどうなるだろうと思うと、興奮が高まっていく。
「あっ、あんっ……やっ、やぅっ……」
真璃亜を抱き寄せ、後ろから豊満な乳房を両手で掴むと、無表情の顔がピクピクと反応し、甘い吐息が漏れた。
「やっ、やぁっ……あんっ、あんっ、ああんっ……」
膝の上では真璃迦が激しく腰を振っており、その可愛らしい喘ぎとは裏腹に、顔は無表情のままなのが何とも言えなかった。
まるで二体の美しい人形を相手にまぐわっているようで、友真はその事に背徳的な興奮を覚えた。
「はぅっ……あっ、友真、いいっ……あんっ……オッパイいいよぉっ……」
真璃亜の制服を捲り上げ、生の乳房を顕わにすると、その圧倒的な量感に嬉しさが込み上げてくる。
何度見ても真璃亜の乳房は美しく、いやらしさを感じさせるものだった。
「あっ、やっ、はぅんっ……あっ、あっ、ああっ……」
目の前では、真璃迦の超絶好みの顔が無表情のまま可愛らしい喘ぎを発しており、その人形のような状態に、強く心臓が跳ねる。
制服を着た可愛い人形は、自らピョコピョコと体を上下させ、肉棒にたまらない刺激を与えてきていた。
「あんっ、ああっ……そんな強く吸われたら、ああんっ……またしたくなっちゃうよぉっ……」
形のいい乳房に顔を埋め、桜色の乳首に吸い付くと、真璃亜は無表情のまま体を震わせて悶えた。
どんなに刺激を与えても、全く表情を変えない二人の様子は、本当に人形のようで面白かった。
「あんっ、ああっ、あはぁっ……凄くいいっ、凄くいいよっ、ああっ……もっと凄くしてぇっ……」
無表情のまま激しく喘ぎ、抱き付いてくる真璃迦に、友真は自らも腰を振り始めた。
体を捻り、真璃亜の大きな乳房に吸い付き、右手は肉付きのいい尻を撫で回し、左手で長く美しい髪をくしけずる。
この二人の美少女と同時にまぐわう状態は、何とも気分が良く、友真はこれからもこうして二人を愛していきたいと思った。
「やっ、あぁっ……あんっ……」
「あんっ、ああっ……はぅっ……」
真璃亜が友真の頭を抱えるようにし、真璃迦が顎を仰け反らせる。
顔が柔らかな乳房に覆われ、肉棒がキュウっと締め上げられる心地良さに、友真はたまらなくなった。
この女体に覆われた状態で思い切り精を放ちたい。
二人の女に自分という存在をぶつけたい。
そう思いながら乳房を吸い、肉棒を叩き付けていく。
「あっ、あっ、あっ……もう駄目、あっ……僕もう駄目、あんっ……イくっ、イくっ、イっちゃうぅっ……やっ、やっ、やぁああああああああんっ!」
「くっ!」
精を放つ瞬間、真璃迦と真璃亜の体を抱き締め、その二つの柔らかな肉の感触を味わう。
二人分の女肉の感触があるせいか、いつもより射精の勢いが激しくなり、快感も強さを増した。
「友真ぁ……んっ、んんっ……」
真璃亜が唇を重ね、舌を絡ませて強く吸い付いてきたため、上下から何かが抜き取られるような快感を覚える。
しばらくして射精を終えた友真は、二人を抱き締めたままの姿勢で荒い呼吸を吐き続けた。
目の前には相変わらず無表情な二人の顔があり、それはまるで精巧な人形のようでありながら、人間を思わせる反応も示していたため、何とも言えない魅力を感じさせた。
これからこの二人は日本を支配するという。
そしてそのブレーキ役として、自分に夫になって欲しいという。
すでにこの二人から離れる事など出来ない自分は、本来関わり合いなどあるはずの無かった権力の世界へ行くことになるのだ。
そしてもし二人が暴走した際は、止めなければならないのである。
果たしてそのような事が出来るのだろうか。
今のように二人に愛されていれば問題ないだろうが、将来も自分は愛された状態でいられるのだろうか。
その事が不安で仕方がなかった。
いつまでも二人に愛されたい。
そして自分も二人を愛し続けたい。
友真はそんな事を思いつつ、腕の中で無表情のままこちらを見つめる可愛らしい二人の顔に、優しくキスをしていった。
『友真ぁ、大好き。愛してるぅ』
無表情な二つの顔が、無感情な声で同時に告げてくる。
その姿を見、声を聞いていると、それだけで幸せな気分になった。
もう何も要らない。
真璃迦と真璃亜さえ居てくれたらそれで良かった。
自分の全ては二人の物だ。
自分は二人のために生きていくのだ。
それだけが自分の存在意義だ。
強い愛情が湧き起こり、その愛を伝えたい想いから、二人を強く抱き締める。
柔らかで温かな感触が腕の中に広がり、この極上の女二人を手にしている事に至高の喜びが溢れる。
肉棒が猛る。
欲情が湧き起こる。
肉欲が心と体を満たしていく。
『友真ぁ……もっと頂戴。精をもっと……もっともっと頂戴ぃ……』
二つの無表情の顔が一転、うっとりとしたものに変わり、潤んだ四つの瞳がこちらをジッと見つめ、甘ったるい声が耳を擽ってくる。
その雰囲気と声の変化に心臓が激しく鼓動し、肉棒が痛いほどに勃起した。
注がなければ。
この二人の中に精液を。
愛する二人の中に。
彼女達が望むままに。
ありったけの精液を。
注いで注いで注ぎまくり、この身が枯れるまで注ぎ込まなければ。
それこそが自分の使命、役割だ。
それこそが自分の生きる価値、彼らに選ばれた者の責務。
愛する二人のために。
そうしなければならないのだ。
『今日はもう授業はいいよね。サボろう。せっかく盛り上がっているし……ここでずっと気持ち良くなろう……三人で一緒に楽しく……ずっと、ずっと、ずっと……』
二人の美しい少女が制服を脱ぎ、その白い肌を晒していく。
豊満な肉体と、未成熟な肉体が、目の前で顕わになる。
異なる魅力に溢れた二つの女体は、絡むようにして抱き付いてくると、その美しい手で友真の体から衣服を剥ぎ取っていった。
そのまま床に敷かれたマットの上に寝かされたかと思うと、二人の少女が身を寄せてきた。
滑らかで熱い女肉の感触が、狂おしいほどに獣欲を刺激し、その柔らかな肉体を蹂躙したくてたまらなくなる。
長い髪をした少女が腰に跨り、いきり立った肉棒を、己が柔肉の中へと咥え込んでいく。
熱く蕩ける女肉の感触に肉棒が覆われ、快楽に全てが満たされていく感覚を覚える。
短い髪をした少女が身を重ね、微かな胸の膨らみを押しつけながら唇に吸い付いてくる。
滑らかな肌と、薄い肉の感触が体中に快感を生み、口内に蕩けるような快楽が発生した。
女だ。
女の体。
気持ちのいい肉。
体の全てが女肉に覆われ、敏感な粘膜が擦れ合う。
蕩ける快感。
全てが溶けていく快感。
体だけでなく心も、魂すらも蕩けていく快楽。
自分がどうなっているのか分からない。
自我が、伊藤友真という自我が、どうにかなってしまいそうな気持ちの良さ。
そう、気持ちの良さを感じているのが伊藤友真なのだ。
それが自分。
俺。
己である事の指標。
薄まる意識の中で、ただ真璃迦と真璃亜の姿だけがハッキリと認識出来、それが世界の中心であるかのような感覚になっていく。
可愛らしい、愛らしい真璃迦と真璃亜。
この愛しい存在のためなら何でもするだろう。
何しろ自分は、二人の物なのだから……。
(そう……君はもう、僕らの物だ……僕らと一つの存在なんだよ……)
(そして私達のために、一生精を注ぐの……異能者であり、格別な力を持つあなたの精をね……)
(僕らに力を与える君の精を……その身が枯れるまで、ずっとずっと……)
(その代わり私達はあなたに、人以上の快楽を与えてあげる……人相手では味わえない、恐ろしいほどの快楽を……)
(逃げることは許さない……君は僕らの物だから……)
(あなたは私達の物……私達に力をくれる存在……)
(でも逃げないだろう? 君は僕らが大好きだから……)
(あなたは愛しているのよね、私達を……)
(もちろん僕らも君を愛している……)
(私達もあなたを愛している……)
(愛し合う者同士が、惹かれ合い、まぐわい、精を与え、快楽を楽しむ……)
(全て自然なこと、当然のこと……)
(だから一生君は僕らと共にある……)
(一生あなたは私達とまぐわい合う……)
(その優れた精を……)
(私達を蕩けさせるその精を……)
(もっともっと注ぎ込んで……)
(もっともっと吐き出して……)
(共に快楽を……)
(死ぬほどの快楽を……)
((味わって生きていく……))
二人の声が心に響く。
彼女達は自分を求めている。
それは何か利用価値があるためらしい。
利用価値があるがゆえに、自分をこうして気持ち良くしてくれているという。
だがその事に悲しさは無かった。
むしろ喜びがあった。
素晴らしい二人のために、自分に出来る事がある。
それは何とも素敵な事だからだ。
先ほど聞いたブレーキ役などより、分かりやすく、嬉しいことなのである。
彼女達が望むなら、いくらでも精を吐き出そう。
彼女達が望むなら、いくらでも子を成そう。
彼女達が望むなら、結婚もブレーキ役も喜んで引き受けよう。
それが彼女達の望みなら、自分は何だってするつもりだった。
そうしていれば、彼女達は自分と共に居てくれる。
愛していてくれる。
真璃迦と真璃亜が、自分を求め、愛し、気持ち良くしてくれるのだ。
それは何とも幸せな事だった。
友真にとってかけがえのない喜びだった。
彼女達が何者でも構わない。
本当に魔という存在の生まれ変わりでも構わない。
自分にとって、真璃迦と真璃亜は愛する存在なのだ。
それで全てが受け入れられる。
愛している。
俺は二人を愛している。
真璃迦と真璃亜を愛しているのだ。
愛しているのだ。
強い想いと決意が心と体に広がり、安堵と興奮で満たされていく。
「愛してるよ……」
「愛しているさ……」
「愛しているわ……」
三人の声が重なり、それと共に精が放たれ、それまで以上の快感が走り抜ける。
可愛らしく淫靡に喘ぐ二人の声と、快楽に蕩ける己の呻き声が耳に響き、友真はそのまま、終わりが無いのではないかと思えるほどに長く精を放ち、押し寄せる快感に体を硬直させ、心と体を快楽に蕩けさせていくのだった。
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