幼馴染


 ようやくたどり着いた駅の周りでは激しい雨が降っていた。
 びしょびしょの体を駅の建物の中に入れ、俊春はやっと一息付いた。
「じゃ、俺はそろそろ行くから。お前ら気をつけて帰れよ」
 後ろにいた健二は傘を差したままそう告げると、手を振って歩いて行ってしまった。
 残されたのは自分ともう一人、同じ様にびしょ濡れ状態の恭子だけだ。
「健ちゃん行っちゃったね……」
「ああ……」
 恭子の声に力無く答える。
「これから帰るのかぁ、面倒だねぇ……」
「そうだなぁ……」
 今後の自分たちの行動を想像してうんざりしてくる。
 何しろ外は大雨、台風が上陸して風も凄まじく、ただ歩くだけでも嫌になる状況なのだ。
 これから電車で一時間以上かかる家路を二人で帰らなければならない。
 今日は健二の誘いで、恭子と共に三人共通の好きな歌手のコンサートに来ていたのだが、帰りの時間がちょうど台風とかち合ってしまったのである。
 そういった場所へ行くのに男二人に女一人とは奇妙な組み合わせだったが、俊春たちは昔からそうしてきた。
 三人は幼馴染だったのだ。
 小学生の頃に知り合ってから、何をするにも一緒にしてきた仲良し三人組である。
 中学に上がると周囲から三角関係がどうこうと噂されたが、早々に健二が恋人を作ったためそれはすぐに無くなった。
 そうなると今度は残った二人が恋人関係になる事を期待されたが、俊春たちにその気はなく、たまに健二と三人で出かける程度の関係でしかなかった。
 それは高校生になった今も変わらず、ちょこちょこ恋人を作る健二に比べ、俊春と恭子は「恋人いない歴イコール年齢」な状態が続いていた。
 お互いを意識しないでもなかったが、何しろ小学生の頃からの付き合いだ。
 特にきっかけがないため、仲の良い友人としての付き合いのまま来ていたのである。
 健二はそんな二人を何とかくっつけ様としている節があり、今いなくなったのも帰りを二人きりにする思惑があるのだろう。
 そんな事を思いながら、俊春は横にいる恭子を見つめた。
 顔はそこそこ可愛く、プロポーションもなかなかである。
 水に濡れて服の張り付いた胸は、かなりの大きさがあって思わず唾を飲み込んでしまうほどだ。
(いい女だよな……)
 性格も明るくて元気なのだからモテないはずはないのだが、どういう訳だか恭子には恋人がいない。
 だがそこで「自分に気があるのでは?」と思うほど俊春は自惚れてはいなかった。
 日頃の恭子の態度から、自分が恋人候補として見られていないのが感じられたからだ。
 それは少々寂しい事であったが、俊春にしても恭子に対して恋心を抱いた事はないのでお互い様と言えるだろう。
「あっ! 俊ちゃん大変っ、電車止まってるよっ」
 恭子の声に我に返り、示された方向に視線を向けると、確かに駅の改札に「台風のため只今運転を休止しております」と書かれた看板が出ていた。
「うわ、どうするよ……帰れねぇじゃん……」
「参ったねぇ……」
 二人はガックリと肩を落とした。
「カラオケで徹夜する?」
「そうするか……」
 安上がりな夜明かし方法としてはカラオケか漫画喫茶であろう。俊春たちはしょっちゅうカラオケBOXに行っていたため、すぐさまその事が頭に浮かんだのだ。
「じゃ、探そうか……って、ヤダなぁ……」 
 外の大雨大風を見ると、店を探す行為自体が嫌になってくる。
 しかしそうも言ってはいられない。何をするでもなく駅にいては暇を持て余してしまうに違いないからだ。
「我慢だ我慢……ほら、行くぞ」
「分かったよぉ……えいっ」
 再び傘を差すと、俊春たちはカラオケBOXがありそうな繁華街へ向かって歩き出した。


「こ、ここって……おい、恭ちゃん。何考えてるんだよ……?」
「いいじゃん別に……ここだってホテルに違いないんだからさ……」
 そっぽを向きながら呟く恭子に呆れてしまう。
 あれから俊春たちはカラオケBOXを探したのだが、同じ事を考える人間は大勢いたらしく、全ての店が満室だった。
 次に漫画喫茶を探したところ同じ結果となり、仕方なくホテルに泊まろうと思ったのだがそれも満室。
 ほとほと困り果てたところで恭子が提案してきたのが、今目の前にある建物、ラブホテルだったのである。
「でもここって、ちょっとマズくないか……?」
「どうしてよ? そりゃあ、私たちはそういう関係じゃないけどさ。緊急事態なんだからしょうがないじゃない。それに男同士で入るよりよっぽどマシでしょ?」
 それは確かにそうだった。
 自分たちは男女なのだからラブホテルに入る上で何もおかしな点はないのだ。
 これがもし健二と二人だったら、とてもではないが入る気にはなれないだろう。
「俺はいいけど、恭ちゃんはいいのかよ。年頃の女の子としてはやっぱりマズいんじゃないか? オバさん達にもどう言ったら……」
 幼馴染だけあり、俊春は恭子の両親とも面識があった。
 長い付き合いがあるため信頼はされているものの、さすがにラブホテルに泊まったと知られれば良くは思われないだろう。
「言わなきゃ分からないよ。それに分かったって平気だよ。どうせお母さん達は私と俊ちゃんが付き合ってると思ってるしさ」
「ええっ? そ、そうなのかよ……?」
 意外な言葉に動揺する。
「あれ知らなかったの? うちの親、すっかりその気だよ。俊ちゃんが就職してしばらくしたら結婚するもんだと思ってるよ」
「そ、そうなんだ……」
 何とも困った思い込みをされてしまった様だ。
 しかしそう思われても仕方ないのかも知れない。何しろどちらも恋人を作らず、たまに出かけるとなると一緒なのだから。
 恭子の両親としては俊春が娘の恋人であると思っても当然だろう。
「そういう事だから安心して泊まろ、ね? それにしたいならさせてあげてもいいかなぁ、なんて……きゃはははっ♪」
 冗談めかして言ってくる恭子の言葉に顔が熱くなる。
「ば、馬鹿っ。そういう事は冗談でも言うなっ」
「うっそぉ〜〜、俊ちゃん顔赤〜〜い。うわっ、こりゃ危ないかな? もしかして襲われちゃうぅ?」
 楽しげに笑う恭子に俊春はガックリと力を抜いた。
「分かった……泊まるからもう言うな……俺の負けだよ……」
「最初っからそう言えば問題ないのにさ。全く変なところで遠慮するんだから。ま、そこが俊ちゃんらしいんだけど」
 明るく笑いながら恭子は腕を絡ませてくる。
「さ、行こう。初めてだからドキドキするなぁ」
 腕に当たる柔らかな感触に動揺してしまう。
 中学に入った頃から膨らみ始めた恭子の胸はかなり大きかった。
 普段から同じ様に腕を絡まされ密かに興奮の対象としていたのだが、ラブホテルという場所に入る前にされると、どうにも誘われているのかと勘違いしてしまいそうになる。
(したいならさせて上げてもいいかなぁ……)
 先ほど言われた言葉が頭に響く。
(でも恭ちゃんなら……ホントにヤらせてくれたりして……)
 たとえそういう関係になったとしても誰にも文句は言われないのだ。
 してしまうか、いや駄目だ、といった思考が延々と俊春の頭の中で繰り返された。


 近くでお湯の流れる音が聞こえる。
 恭子がシャワーを浴びているのだ。
 俊春は思わずその様子を想像してしまい、必然的に肉棒が硬く大きくなった。
(うぅ……こりゃ思ったより辛いかも……)
 ホテルに入るまでは、ただ一緒の部屋の同じベッドで寝るだけだと思っていたのだが、どうにも心臓が激しく鼓動して落ち着かないのである。
 頭の中では恭子の体を抱き締め、舐め回す様な妄想が先ほどから繰り返されていた。
(したい……したいけど……しちゃったらマズイよな……)
 理性と肉欲の間で俊春の思考はグルグルと回った。
「あ〜〜、気持ち良かった……」
 そんな事を考えているとシャワーの音が止まり、バスタオルを体に巻きつけた恭子がベッドに近づいてきた。
「俊ちゃんどうぞ〜〜。やっぱりシャワー浴びるとスッキリするねぇ」
「あっ、ああっ……そうだなそうするよっ……」
 恭子の「気持ち良かった」「スッキリする」の言葉に反応してしまい、裏返りそうな声で返事をする。
 目の前にやって来たバスタオル一枚の恭子の姿に慌てて視線をそらし、バスルームへ向かう。
(ふ〜〜、ああヤベぇ……思わず抱き締めたくなっちゃったよ……)
 理性が無くなりかけた事に心臓を激しく鼓動させながら、服を脱いでシャワーを浴び出す。
 体にお湯をかけつつも、意識は部屋にいる恭子に集中していた。
 バスタオル一枚でベッドに腰掛ける恭子の姿が脳裏に浮かぶ。
(俊ちゃん……私……俊ちゃんなら……)
 ゆっくりとバスタオルを外し、誘う様に手を伸ばしてくる妄想に鼻息が荒くなった。
(うぅっ……くそっ……駄目だこんなんじゃっ……)
 股間では一物が痛いほど勃起してしまっている。このままではそのうち恭子を襲ってしまうだろう。
 それは友人としてしてはならない事だと俊春は思った。
(ちょっと抜いとこ……)
 出してしまえば少しは治まるはずだと思い、肉棒を握って激しく上下に擦り出す。
(う……いつもより……気持ちいい……)
 さすが興奮が高まっているせいか、ちょっと刺激を与えただけでもう射精しそうなほどになっている。
(恭ちゃんっ……恭ちゃんっ……)
 先ほど見たバスタオル姿の恭子をネタに擦りまくる。
 ラブホテルに入る時に腕に押し付けられた胸の感触を思い出し、さらに興奮を高めていく。
(あの大きな……恭ちゃんのオッパイ……揉んだらどんなに柔らかいんだろぉ……)
 水着姿で何度か見たことのある恭子の乳房を思い浮かべ、妄想の中で激しく揉みしだく。
(あんっ……俊ちゃん、やっ……気持ちいいよぉっ……)
 頬を上気させて悶え、甘い声を上げる恭子の姿に興奮は最高潮に達した。
(恭ちゃんっ、恭ちゃんっ、恭ちゃぁんっ……!)
 ドピュドピュドピュ……。
 心の中で恭子の名を叫びつつ精を放つ。
 肉棒がビクビクっと震えながら精液を放出していく。
(はぁ〜〜、気持ち良かった……)
 今までしたどんなオナニーよりも今の一回の行為は最高だった。
 これで少しは落ち着くだろうとホッとしながら、俊春はシャワーを浴びていった。


 バスルームから出ると、先ほどの落ち着きはすぐに無くなり心臓が激しく鼓動した。
 いよいよ恭子と一緒に寝るのである。とてもではないが落ち着けるものではなかった。
 少し離れた場所にあるベッドは恭子の体で膨らんでいた。
(恭ちゃん……)
 先ほどの妄想が頭に蘇り、肉棒がビクンと反応した。
 オナニーをしたせいで逆に恭子と射精が結びついてしまったらしい。
 何しろ自慰のネタにした相手がすぐそこで裸に近い格好で寝ているのだ。肉棒が反応してしまっても仕方ないだろう。
(駄目だっ……俺は恭ちゃんの友達だぞっ……)
 襲い掛かりたくなる己を抑えつつ、ゆっくりとベッドに近づいていく。
「恭ちゃん……俺……ってあれ……?」
 何か言おうと呼びかけると、恭子はすでに穏やかな呼吸をしながら寝てしまっていた。
 バスタオルに包まれた胸が上下に動いているのがいやらしく、胸の谷間が少しだけ見えるのがたまらない。
「う、うぅん……」
 恭子が寝返りを打つと共に、バスタオルが乱れて乳房がポロリとまろび出た。
(ち、乳首……)
 そこにはピンク色をした可愛らしい乳首があった。
 今まで水着姿で乳房までは見たことがあったが、乳首を見せられるというのはかなり刺激的だった。
 それまでも興奮する対象であったとはいえ、ある意味肉の塊でしかなかった乳房が、乳首が加わったことにより、いやおう無く女の膨らみとして認識されたのだ。
(す……吸いたい……吸い付きたい……)
 その柔らかそうな膨らみを揉みしだき、思いっきり吸い付いて舐めたい。そんな思いが俊春の頭を支配していった。
 恭子は寝ている。
 少しくらいしてもバレないだろう。
 別にセックスをする訳ではないのだ。
 ただ少し揉み、舐めさせてもらうだけ。
(そうだよ……ちょっとだけ……ちょっとだけだからさ……)
 自分に言い訳をしながら、少しずつ手を恭子の乳房に近づけていく。
「う、うぅん……あ、俊ちゃんお風呂上がったんだ……」
 その時突然恭子が目を開けた。
 俊春は慌てて手を引っ込めると心臓をバクバクと鼓動させた。
(あ……危なかった……)
 もう少しで自分は友人である恭子にとんでもない事をするところだった。
 己の行為に俊春は自己嫌悪に陥った。
「俊ちゃん、触りたいの?」
 突然恭子が乱れたバスタオルを直しながら尋ねてきたため驚く。
「えっ?」
「私のオッパイ……触りたいんでしょ?」
「な、何言ってるんだよ……?」
「だって今触ろうとしてたじゃない」
 どうやらバレバレの様だった。
 何も言い訳はできないだろう。
「ぐ……う……ご、ゴメン……つい……」
 顔を見る事ができず、そっぽを向いたまま謝る。
「別に謝らなくてもいいよ。俊ちゃんなら触られても構わないしぃ……あ、でもこっそり触ろうとしてたのは謝ってもらっていいのか……」
(えっ……?)
 触られても構わない。
 今恭子はそう言ったのではないのか?
 俊春は驚いて恭子の顔を見つめた。
「私たちってさぁ、もう長い付き合いだよね。友達としてだけど……そんでお互い恋人がいなくて、エッチだってしたこと無い……だからさ、せっかく二人でラブホテルに泊まってる訳だし……この際しちゃってもいいかなぁ、なんて……」
「な、何を……」
「いい機会だからさ、してみようって言ってるの。俊ちゃんなら安心だし……どう?」
「ど、どうって……」
 恭子は何を言っているのだろう。
 仲が良いとはいえ、友人でしかない自分とセックスをすると言うのか。
 男としては願っても無い事ではあったが、友人としてはそんな事をしていいのかと俊春は思った。
「エッチしてみたくないのぉ?」
「そ、そりゃ……したいけど……でも恭ちゃんとするなんて……」
 ゴニョゴニョと口の中で呟く。
「そうですかっ。私とするんじゃ嫌ですかっ。何よさっきはオッパイ触ろうとしたくせにっ。酷いんだからっ。もう知らないっ」
 急に怒った様に恭子はそっぽを向いた。
「え、あ、その……いや、そういう意味じゃなくて……したいんだけど、するのはいけないっていうか……う〜〜ん、何て言ったらいいのかな……」
 俊春はオロオロとしながら恭子の怒りを解こうとした。
「じゃあ、私のこと好き?」
「え? そ、そりゃ好きだよ。嫌いな訳ない」
「じゃあ、抱いたっていいじゃん。エッチしようよ」
「だ、だから、そういう事は恋人同士がすることで……俺と恭ちゃんは友達だから……いくら好きでもしちゃいけないというか……」
「もうっ、理屈っぽいんだからぁっ。いいじゃん友達でも。別にこれで恋人になろうとか、結婚しようとか言ってるんじゃないんだからさ。処女と童貞同士、ちょっとエッチを経験して卒業してしまいましょう、って言ってるんじゃないの」
「そ、そういうのはどうかと思うぞ……」
 俊春にとって、セックスはあくまで恋愛の延長としてあるものだった。
 恋していない相手とセックスするなどいけない事だと考えていたのだ。
「頭固いよねぇ、俊ちゃんは……ま、そこが俊ちゃんのいいところなんだけどさ……」
 恭子はガックリとした様な、それでいて嬉しそうな表情をした。
「そういう俊ちゃんだから私は安心して処女をあげようと思ったの。健ちゃんでもいいかなって思ったけど、やっぱりあっちは経験者じゃない? 何か癪に障るんだよね。幼馴染だけに自分の方が遅れてるみたいな感じがしちゃって……でもその点俊ちゃんなら童貞だからお互い初心者って事でOKかなって……」
 同じ事を健二としようとしていたらしい事に俊春は少し腹が立った。
 しかも童貞である事が選ばれた理由となると複雑な気持ちになる。
「あ、怒っちゃった? 健ちゃんともエッチしようって考えたのが気に食わない?」
「そ、そんな事あるかよっ。でも健ちゃんの方がいいんじゃないのか? 初心者同士でするより安心だろ?」
「だからぁ、経験者が相手じゃ嫌なの」
「何でだよ?」
「だって何か変なことしちゃったら恥ずかしいじゃない。あれよ、初めての時の失敗ってやつ?」
 確かにどちらもセックスに対する経験がなければ、無知ゆえの失敗をしても恥ずかしくはないだろう。
 だが相手がセックス経験者で自分が初めてだという状況だとしたら、失敗をしたら恥ずかしいに違いない。
 無論、恋人同士であるのなら失敗したとしても問題はないだろうが、健二は友人だ。
 下手に失敗でもしたら、馬鹿にはされずとも気を使われる可能性はあった。
 恋人ならともかく、友人にそういった事をされたくないのは何となく分かった。
「なるほどな……一理ある」
 俊春にしても恭子と同じ立場になったら、同様の理由で恭子を選びそうな気がした。
(って、そもそも友達同士でセックスするのがおかしいんだよっ)
 一瞬納得しかけ、慌てて頭を振ってその考えを否定する。
「恭ちゃんは何でエッチしたいんだ? 別にそんな慌ててしなくたっていいだろ? 本当に好きな相手ができたらすればいいじゃん」
「そんなの待ってられないよぉ……」
 恭子は唇を尖らせて、まるで子供の様な口調で呟いた。
「でも普通は好きな相手とするもんだろ? そういう相手とした方が幸せな初体験になるんじゃないか?」
「俊ちゃんだったら十分だよ。彼氏ってほどじゃないけど、凄く好きだもん」
「だからぁ、そういう問題じゃなくてだな……って、何で彼氏ができるまで待てないんだよ?」
「だって私……早くエッチしたいんだもん……」
 再び子供がふて腐れているかの様な口調で恭子は呟いた。
「したい、って……」
 その言葉に呆れてしまう。
「私、俊ちゃんが思ってる以上にエッチなんだよ……いつも一人でエッチな事してるんだから……こう見えて一人エッチの経験なら長いんだからね……」
 その告白に俊春は固まってしまった。
 昔からよく知っている幼馴染の少女が、自慰をずっとしていたと言ったのだ。
 思わずその姿を想像してドギマギしてしまう。
「そ、そうなのか……」
「やだ、顔赤くなってる。変な想像したんじゃないでしょうね? 恥ずかしいなぁ」
 恭子は頬を赤くしながら顔に手をやった。
 すると押さえていたバスタオルがはらりと落ち、隠されていた胸が顕わになる。
 再び見えた豊かな乳房に俊春はゴクリと唾を飲み込んだ。
「キャっ……また見られちゃったぁ。俊ちゃんのエッチぃ……」
 言葉とは裏腹に、恭子の声には甘える様な雰囲気があった。
 そもそもそう言いながらも一向に隠そうとしないのだ。
「お、おい、早く隠せよ……」
 俊春は視線をそらしながら慌ててそう告げた。
「別にいいじゃん。これからエッチするんだしぃ……」
「俺はするなんて一言も……」
「しようよ、ね? それともこのまま何もしないで寝るの? せっかくのチャンスなのにさ。今しなかったらいつまたエッチできるか分からないよ?」
 それはその通りだった。
 これまで恋人ができずに暮らしてきたのだ。今後も恋人ができないかも知れない。
 そうしたら自分は一生セックスしないで過ごすかも知れないのだ。
 そんな事は嫌だった。
「ほら、私の体……恥ずかしいけど見ていいから……」
 グイと顔を強引に正面に向かされる。
(う……き、綺麗だ……)
 いつの間にか恭子の体から完全にバスタオルが外されており、その真っ白な体がさらされていた。
 全体的に細身の体に、胸元だけが大きく膨らんでいる。
 白く大きな塊と、その頂点にある桜色の突起が誘う様に揺れていた。
「オッパイ、触ってみる?」
 恭子が手を取り、胸に近づけていく。
 一瞬引っ込めようとするが、雄の本能がそれを拒否した。
 ぷにっといった感触が手のひらに広がり、思わず指がその柔らかな肉を掴む。
「あっ……」
 恭子の色っぽい吐息が漏れ聞こえ、その事が今自分の目の前にいる少女を女に見せた。
 幼馴染であり、幼い頃からずっと仲良く遊んできた恭子。
 その成長した肉体を見、女の象徴とも言える乳房に触れ、甘い吐息を聞いた瞬間、俊春の中の雄が激しく猛った。
「恭ちゃんっ!」
「キャッ……ちょっ、俊ちゃん……」
 欲情した俊春は恭子を押し倒し、その可憐な乳房に勢い良くむしゃぶりついていった。
「あっ……やっ、急に、あんっ……どうしたの、ああっ……」
 両の手で大きな双乳を揉みしだき、チュパチュパと何度も吸い付き放すのを繰り返す。
 するとぽよよんっと乳房が揺れて興奮が高まった。
 舌先で乳首を弾きながら、乳房全体を唾液で染める様にして舐め上げていく。
「あんっ、あっ……はぁっ、俊ちゃ、やぁっ……」
 白い体をクネクネと動かして恭子は悶えている。
 体の奥底から何やら得体の知れない衝動が湧き起こり、俊春は夢中になってその柔らかな塊を弄んでいった。
「あっ、ああんっ……あっ……俊ちゃぁんっ……」
 可愛らしく悶える恭子の姿を見るだけで肉棒がビクンビクンと脈打ち、もっとこの気持ちのいい体を味わえと急かしてくる。
 しばらく乳房を愛撫した俊春は、続けて首筋に舌を這わし、何箇所も吸い付いた後、そのまま体中にキスの雨を降らせていった。
「あっ、やぁっ……はぁんっ……俊ちゃ、あぅっ……ああんっ……」
 自らの愛撫で恭子が甘い声を上げるのを見ていると、征服欲が刺激され、何とも言えない快感を俊春は感じた。
 生の肌と肌が擦れ合うだけでもたまらない気持ちの良さが体中に走り、特に肉棒がその柔らかな肉に触れるたびに射精しそうなほどの高ぶりを覚えた。
 ほど良い太さの両脚を開くと、ついに恭子の女の部分があらわになった。
「ああんっ、あっ、やぁっ……そ、そこぉ、ああっ……いやぁんっ……」
 初めて見るそこはまるで貝の様であり、何かせずにはいられない衝動に任せて舌を這わせると、恭子がそれまで以上に可愛らしい声を上げた。
 男の肉棒と同じ位置にあるだけあって、舐められると気持ちがいいのだと理解した俊春は、そのまま口による愛撫を激しくしていった。
「やっ、やぁっ……はぅっ、はぁんっ……俊ちゃん、あっ……俊ちゃんいいよぉっ……」
 昔からよく知っている呼び声が、今まで聞いた事のない甘ったるい声色になっている事に興奮が高まる。
 舌を這わせるたびに体をビクッビクッと震わせ、クネクネと動かして悶える恭子の姿は見ているだけで射精しそうなほどの快感を感じさせた。
「恭ちゃん俺っ、もう我慢できないっ。入れるからなっ?」
 それに対しコクリと頷くのを可愛らしく感じながら、震える手で肉棒を掴んで左右に開いた恭子の脚の間に腰を進めていく。
(うっ……!)
 ツプっといった感じで亀頭の先が秘所に触れると、痺れる様な快感が体中に走った。
 それは蕩けるほどの刺激があり、俊春は意識しないまま肉棒を押し込んでいった。
「あっ……」
 恭子がピクッと体を震わせ、腕を掴んでくるのを感じつつ腰を前に進めていく。
「あっ……んっ……んんっ……」
 そのたびに体を小刻みに動かす恭子の反応に興奮を高めながら、股間から湧き上ってくる快感に俊春は頭を仰け反らせた。
(うぅっ……何て……何て気持ちいい……あったかくて、ヌメヌメしてて、ぐっ……気持ち良すぎるぅっ……)
 今までの人生で経験した事のない快感が体中を駆け巡り、呼吸を乱しながら腰を前に進めていく。
「あぅっ……いっ、痛っ……痛い、あぐっ……」
 肉棒がキツイ部分を通り過ぎた瞬間、恭子が辛そうな声を上げた。どうやら処女膜を破ったらしい。
(お、俺が……恭ちゃんの初めての男になったんだ……)
 昔からよく知っている可愛い恭子。
 いつも一緒にいるのが当たり前だと思いつつも、思春期になった頃からいつかどこかの男に取られてしまい、そいつが処女を奪うのだろうという想いを抱いていた。
 それがまさか自分になるとは……。
 俊春は何とも言えない感慨を覚えつつも、どこか嬉しさを感じていた。
「恭ちゃん……入ったよ……全部入った……」
 恭子と一つになった事に喜びを覚えつつ、笑いながらそう告げる。
「うん……凄いね……わたし、今俊ちゃんと繋がってるんだ……俊ちゃんのがドクンドクンって……凄いよぉ……」
 涙ぐみながら恭子はギュッと抱き付いてくる。
 そうされると柔らかな肉の感触が伝わり、肉棒がビクンっと激しく動いた。
「あぅっ……ふふ、俊ちゃんのオチンチン、元気だね。わたしの中で動いてる……」
「恭ちゃんの中は気持ちいいからな。最高だよ。こんな凄いなんて……たまらね……」
 恭子の体を強く抱き締める。
 すると擦れ合う肌から何やらジンワリとした心地良さが伝わり、俊春はうっとりとなった。
(スゲェ気持ちいい……チンチンも気持ちいいけど……こうして抱いてると……恭ちゃんって凄く気持ちいいや……)
 だが自分と違って辛そうに眉根を寄せている恭子の顔を見ると、申し訳なく思う気持ちが湧き起こった。
 自分は気持ちいいだけであるのに、恭子は痛みを伴っているからだ。
 同じ初めてであるのにどうして女には痛みがあるのだろう。
「大丈夫? やっぱ痛いかな?」
「うん、ちょっとね……でも初めてなんだもん、しょうがないよ我慢する……」
 恭子は笑いながらそう告げてくる。
 その言葉に恭子の優しさを感じて俊春は嬉しくなった。
「俺、できるだけ痛くしない様にするから……上手くできるか分からないけど、痛くならない様に努力する」
「ふふ、ありがと……やっぱ俊ちゃんは優しいね……」
 ニコリと微笑む恭子の可愛らしい顔に心臓がドキンっと鼓動した。
(お、俺……今恭ちゃんがスゲェ可愛くてしょうがねぇ……)
 これまでの付き合いでここまで恭子を愛しく感じた事はなかった。心臓が激しく鼓動して止まらないのだ。
「そんでさ、俊ちゃんにお願いなんだけど……キス、してくれない?」
「え……?」
 その言葉にさらに心臓が跳ねる。
「せっかくこうして一つになってるんだし、恋人同士みたいにキスしたいの……そうすれば痛くても我慢できると思うんだ……駄目、かな?」
「そんな事ないっ。俺もっ……俺も恭ちゃんとキスしたいっ」
 恭子の目をジッと見つめながら答えると、そのままゆっくり唇を押しつけていく。
「んっ……」
 唇に柔らかな感触が広がると同時に肉棒に快感が走る。
 口で受けている刺激が股間まで響く事に驚きながら、その事で自然と腰が動き始めた。
「んっ、んんっ……あっ……ぐっ……いぅっ……」
 痛くしない様にするつもりが、動き出した腰は俊春の意思を無視して激しく律動した。
(うおっ……何っ……スゲェっ……き、気持ちいいっ……)
 そして押し寄せてくるあまりの快感に、痛くしない様にするという約束は頭から消えてしまった。
 腰が動くたびに肉棒が温かでヌルヌルとしたヒダヒダに擦られ、それと共に強烈な快感が発生し、それが意識を奪うほどにたまらなかったのだ。
 とんでもない気持ちの良さに、俊春は必死になって腰を振っていった。
「あっ、うぐっ、いっ……いぅっ、あっ、あぅっ……」
 こちらの動きに合わせて恭子の体が揺れ、辛そうに眉根を寄せて悶える様子に心臓が激しく鼓動する。
(恭ちゃんが痛がってる……でも何か凄くエッチだ……たまらねぇ……)
 痛みを表すはずの苦悶の表情が、何故か激しい興奮を呼び起こしていた。
 苦痛とはいえ、与えているのが自分だと思うと何やら恭子を自分の支配下に置いている様で嬉しくなったのだ。
 自然と腰の動きが激しくなり、俊春は肉棒を思い切り突き込んでいった。
「あぅっ……あっ、いぅっ……あっ、あっ、ああっ……」
 しばらくすると肉棒の滑りが良くなり、恭子の口から苦痛の声が減っている様に思えた。
「恭ちゃんっ……痛くないっ……?」
「うん、あっ……あまり痛く、あんっ……なくなったよ、あっ……何だか、ああっ……気持ち、いいっ……」
 相変わらず眉根を寄せてはいるが、今までと違ってそれが痛みからくるものではなく、快感から来ているらしい事が分かった俊春は嬉しくなった。
 これで自分だけでなく、恭子も気持ち良くなれるからだ。
 せっかくの初体験。どうせなら一緒に気持ち良くなっていい思い出にしたいではないか。
 喜びが湧き起こると共に恭子に対する愛おしさが高まり、肉棒も激しく律動していった。
「あんっ、あっ、ああっ……俊ちゃん、あっ……俊ちゃんいいよ、あんっ……俊ちゃん気持ちいいっ……」
 腰の動きに合わせて恭子が甘い声をあげる。
 狭い膣がそれに合わせてキュッキュッと締まり上がり、俊春は快感の呻きを漏らしながら必死に腰を振っていった。
「ああっ、あっ、ああんっ……いいっ、いいっ、いいよぉっ……俊ちゃんもっと、あんっ……俊ちゃんもっとしてぇ、あぅっ……それもっとぉっ……」
 背中に腕を回し、腰に脚を絡みつかせながら、さらなる快楽を求める様に恭子は抱き付いてくる。
 その様子にまるで恭子を己の支配下においたかの様な感覚を味わった俊春は、激しい興奮が体の奥底から湧き起こってくるのを感じた。
(これがっ……これが女を抱くって事かっ……)
 普段も時折恭子の甘える様な素振りを見た時にドキリとしたものだったが、今のこの状態とは比較にならないだろう。
 セックスをしているせいか恭子の表情には女の本質が現れており、その媚びに溢れた甘ったるい喘ぎと悶えは、俊春を狂わすのに凄まじい効果があったのだ。
「あんっ、あんっ、ああんっ……俊ちゃん凄い、ああっ……俊ちゃん凄いよぉ、あんっ……俊ちゃん凄いのぉっ……」
 自分への賛辞をいやらしい喘ぎと共に叫んでくるその様子は、これまでの恭子に対する認識を変えさせ、俊春の中に凄まじい独占欲を呼び起こした。
(恭ちゃんはっ……恭ちゃんは俺のもんだぁっ……)
 女を自分のモノにしたい。
 男の本能とも言えるそうした部分が強烈な刺激を受け、恭子を他の誰にもやるものかという激しい想いが湧き起こった。
 それと共にこれまで以上の愛おしさも溢れ出し、恭子を好きでたまらない感情に身も心も包まれていく。
「恭ちゃんっ……好きだっ、好きだっ……愛してるっ……大好きなんだぁっ……」
 普段なら恥ずかしくて言えないであろう愛の告白を叫びつつ、それを証明するかの様な勢いで肉棒を叩き付けていく。
「あっ、あっ、ああっ……俊ちゃん、あんっ……嬉しい、あんっ……嬉しいよ、ああっ……わたしも、あっ……わたしも俊ちゃん大好きっ、大好きなのぉっ……あっ、あっ、ああんっ……」
 嬉しそうな表情を浮かべ、恭子がギュッと抱き付いてくる。
 自分の愛に恭子も答えてくれた。
 それは激しい幸福感となり、温かな想いで心が一杯になる。
 自然と腰の動きもそれまで以上に激しくなり、ベッドに手を突いた俊春は貫かんばかりの勢いで肉棒を押し込んでいった。
「ああんっ、あっ、ああっ……そんな、あっ……そんな激し、あぅっ……激しいよ俊ちゃん、ああっ……激しくて、あっ……激しくて凄いのぉっ……」
 涙を流しながら恭子が悶えると膣内も強烈に締め上がり、その気持ちの良さに耐えられなくなった俊春は、一気に精を放とうとさらに腰の動きに力を入れた。
「恭ちゃんっ……俺っ……もうっ……もう出すからっ、出すよっ……」
 そう叫ぶと恭子がコクリと頷き、ギュッと抱き付いて来たため、さらに締まった膣に俊春の限界は最高潮に達した。
「あんっ、あんっ、ああんっ……俊ちゃんっ、俊ちゃんっ、俊ちゃぁんっ……やっ、やっ、やぁああああああああっ!」
「恭ちゃんっ!」
 恭子の絶叫に合わせて俊春も肉棒の栓を開放した。
 ドピュッドピュッ、ドクドクドクドクドク……。
 自慰では経験した事の無い多量の精液が放出され、次々に射精が繰り返されていく。
「ぐっ……くぅっ……くはっ……」
 俊春はまるで己の物ではなくなった様に律動する肉棒に意識を朦朧とさせながら、押し寄せてくる快感に浸った。
 しばらくして射精を終えると、ゆっくり体の力を抜いて恭子の上に倒れ込む。
 ハァハァといった荒い呼吸が部屋に響き、俊春は初めて経験したセックスの余韻に浸りながらジッとしていた。
「しちゃったね……」
 不意に声が聞こえ、見ると恭子が照れくさそうに笑っているのが目に映った。
「しちゃったな……」
 興奮が去ったためか、何やら急に恥ずかしくなった俊春は笑いながら答えた。
「ねぇ、俊ちゃん……」
「ん……?」
「私のこと……好き……?」
 その言葉にドキリと心臓が跳ねる。
 今までなら普通に「好き」と答えられただろう。何故ならそれは幼馴染としての「好き」だったからだ。
 しかし今は違う。
 今の自分は、そしておそらく恭子も、恋人としての「好き」という意味合いで捉えているのだ。
 抱いた事で恭子の女の部分を見てしまい、もうただの幼馴染としては見れなくなってしまっていたのである。
 抱いている最中に恭子を可愛らしく愛おしく感じ、自分の物にしたい想いで身も心も包まれた。
 もし恭子が自分以外の男に抱かれるとしたら辛くてたまらないだろう。
 自分は恭子の事が一人の女として好きになっていたのだ。
「好きだよ……俺は恭ちゃんの事が好きだ……」
「私も好き……俊ちゃんの事が大好き……」
 どちらも恋人としての好きであるかどうかを確認しなかった。
 何故ならそれは言わずもがなの事だったからだ。
 長い付き合いから、今までの「好き」と違う事が言葉にしなくても分かったのである。
「恭ちゃん……」
 唇を押しつけ、舌を絡めていく。
「んっ……んんっ……んふぅっ……俊ちゃぁん……」
 甘ったるく呟き、可愛らしく頬を擦りつけてくる恭子の様子に俊春はたまらなくなった。
 肉棒が一気に回復し、再び柔肉に包まれたいと言わんばかりにビクンビクンと震えている。
「もう一回いい? 俺、恭ちゃんを抱きたくてしょうがないんだ」
「ふふ、俊ちゃんってばエッチ……いいよ、していい……実は私ももっとしたかったりして……」
「何だよ恭ちゃんもエッチじゃんか」
「そうだよ、私はエッチなのだ。だから俊ちゃんともっとエッチな事したいの」
 ジッと見つめてくる恭子に俊春は激しい愛おしさを覚えた。
 自分はこの少女を愛している。
 幼い頃から知っている、一番大切な友人であった少女の事を……。
「恭ちゃん……」
 もう一度キスをしながらギュッと抱き締め、己の愛する少女の感触を味わう。
 すると胸に柔らかな肉の感触が伝わり、興奮が高まった俊春はその豊かな膨らみを揉みしだいた。
「んっ、んんっ……あんっ……ふふ、男の子ってオッパイ好きだよね? どうしてこんなところ揉みたいのかなぁ?」
「分からね。何でなんだろう? でも確かなのは、俺は恭ちゃんのオッパイが大好きって事さ」
 そう言いつつ乳房に顔を押しつけ、擦りつける様にする。
 それは思春期になった頃、大きくなり始めた恭子の胸を見るたびに、一度でいいからしてみたいと思っていた行為だった。
 こうして揉みしだき、舐め回し、顔を擦りつけたかったのだ。
「もう、子供みたい。何か可愛い」
 優しげに笑う恭子の表情に思わずドキリとなる。
 セックスをしてからというもの、どうやら自分はかなり恭子に参っているらしい事が分かった。
 ただ惚れているというより、ベタ惚れの様な気がしているのだ。
(ヤバイなぁ……ちょっとこりゃたまらないよ……)
 心臓はドキンドキンと激しく鼓動し、今抱き締めているこの肉体をもっと滅茶苦茶にしたい欲求が押し寄せてくる。
 肉棒を押し込んで先ほどの様に、いやそれ以上に悶え狂わせたい凄まじい衝動が湧き起こっているのだ。
「恭ちゃんっ。俺もう我慢できねっ。するよっ?」
 俊春は体を起こすと恭子の体を裏返しにして四つんばいにさせた。
「やだ、何? こんな姿勢でするの?」
「うん。俺、後ろからヤってみたかったんだ」
「って、何の知識よそれ。エッチなビデオでも観たの?」
「まあ、そこら辺はツッコまないでくれよ。そんで俺は突っ込むけどっ」
 そう呟くと同時に肉棒を押し込む。
「あんっ……それって面白くない、あっ……面白くないけど、ああっ……気持ち、いいっ……あっ、あっ、ああっ……」
 勢い良く腰を動かし出すと、恭子が甘い声を漏らし始めた。
 そうして気持ち良さそうにいやらしく悶えている姿は、これまでの付き合いでは見た事のなかったものであり、恭子の両親も健二も知らない自分だけのものだった。
「あっ、あっ、ああんっ……俊ちゃんいいっ、俊ちゃんいいよ、あっ……俊ちゃんもっとしてぇっ……」
 髪を乱しながら喘ぐ恭子の姿はそれだけでたまらなかった。
 特に四つんばいになっているせいか、いつもより体積を増した様に見える乳房が腰の動きに合わせて揺れ動くさまは実にいやらしかった。
(やっぱりおっきいよな、恭ちゃんのオッパイって……)
 背後から両手ですくう様にして乳房を掴み、ムニムニと揉みしだくと、柔らかで弾力のある気持ちのいい感触が手のひらに広がった。
 そのまま乳房をギュッと掴み、腰を小刻みに叩き付けていく。
「あんっ、あっ、ああっ……いいっ、いいっ、いいぃっ……やっ、やっ、やぁんっ……」
 ガクリと腕を崩し、上半身をベッドに押しつける体勢になった恭子はシーツを引き寄せている。
 俊春はベッドとの間に挟まれる形になった手を引き出すと、こちらに突き出す様になっている尻を掴んだ。
 肉付きのいい尻の感触には、乳房とはまた違った心地良さがあった。
 中学になった頃、制服のスカートを押し上げているこの尻を何度撫でたいと思った事だろう。
 スカートの上から、そしてできればその中に手を入れて触りたい。
 そう思っていた尻を、今自分は自由に撫で回しているのだ。
 何とも言えない感慨を覚えつつ、荒々しく撫で回し揉みしだいていく。
「あっ、あっ、ああんっ……俊ちゃん、あっ……俊ちゃんもっと、あんっ……俊ちゃんもっとお願ぁいっ……」
 尻に気を取られて腰の動きが鈍ったためか、恭子がこちらに振り返っておねだりしてくるのに激しい興奮が高まった。
 昔からよく知る恭子が、甘える様にもっと腰を振って欲しい、肉棒を突き込んで欲しいと言っているのだ。
 それは何と可愛らしく、男の劣情をそそる光景だったろうか。
 特に今は四つんばいにさせ、背後から繋がっているという、いわば恭子を屈服させている様な体勢だ。
 それは男として女を従えたいという欲求を叶えた状態と言え、俊春の中に激しい興奮が湧き起こった。
(もっとだっ……もっと凄くしてやるっ……)
 恭子をさらに屈服させ、自分にもっと甘える様にさせたい。
 そんな想いが押し寄せ、それまで以上に激しく腰を振っていく。
「ああんっ、あっ、あはぁっ……何か凄い、あっ……何か凄いよ、あんっ……何か凄いのぉっ……やっ、やっ、やぁんっ……」
 回転を加えた腰の動きに、恭子の頭が左右に激しく揺れ、震える手によってシーツが掴まれてグシャグシャに乱れた。
「あぅっ、あっ、ああっ……やっ、やぁっ、やぁんっ……俊ちゃん、ああっ……俊ちゃん、あぐっ……俊ちゃ、あぁんっ……」
 背中と尻がくっつきそうなほど力強く腰を突き込むと、ガクガクと体を震わせながら恭子は狂った様に悶えた。
(スゲっ……くっ……たまらねっ……)
 それほど激しい動きをしているせいか、肉棒も膣襞に荒々しく擦られ吸い付かれ、これでもかと言わんばかりに快感を与えられていた。
 肉棒全体が柔らかな肉に強く掴まれ、ちょうど良い温かさと湿り気を与えられながらヒダヒダに絡みつかれている状態は極上としか言いようがなかった。
 そこはまさに男を気持ち良くさせるために作られた箇所と言えただろう。
 男が精を注ぎ込むため、女の中に精液を入れたいと思わせるために作られた箇所なのだ。
「ああっ、あっ、ああんっ……俊ちゃんわたしもう、あっ……わたしもうダメ、あっ……わたしもうイっちゃうぅっ……」
(うっ……可愛い……)
 振り返り、そう告げてくる恭子の顔は最高にいやらしく可愛らしかった。
 これが快楽に蕩けた女の顔だと言わんばかりに惚けた、男を、快感を求める雌の雰囲気を醸し出した表情だったのだ。
 その様な顔をされては耐えられるはずもなく、俊春は一気に射精しようと腰の動きを早めていった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……イくっ、イくっ、イっちゃうよぉっ……わたし、あっ……わたし、ああっ……わたしぃっ……やっ、やっ、やぁあああああああああんっ!」
「うぉっ!」
 恭子の絶叫と共に膣内がそれまで以上に締め上がり、その刺激に耐えられなくなった俊春は思いきり射精した。
 ドクンドクンっと肉棒から精液が放出されていく感触が伝わり、目の前にある美しい肉体に己の精が注がれているのだという実感を持つ。
 たまらない満足感が押し寄せ、俊春は最後の精液を放つと恭子の背中に体重を預けた。
 そのまま横に倒れ、荒い呼吸を繰り返しながらしばらくジッとし続ける。
「俊ちゃん……」
 少ししてこちらに体を向けた恭子は、潤んだ瞳で見つめてきた。
「何……?」
 その様子にドキリとしつつ尋ねる。
「気持ち良かった……凄く良かったよ……もう、俊ちゃんって最高っ」
 恭子は突然抱き付いてくると、甘える様にして胸に頬ずりをしてきた。
 柔らかで温かな肉体の感触と、顎の下にサラサラの髪の毛が当たるのに心地良さを覚えながらこちらからも抱き締め返す。
「恭ちゃんだって良かったよ。俺、気持ち良すぎておかしくなりそうだった」
「ホント? だったら嬉しいな。私が俊ちゃんを凄く気持ち良くさせてあげられたって事だもんね」
 こちらを上目遣いで見上げてくる恭子に心臓が激しく鼓動する。あまりに可愛すぎてたまらないのだ。
 以前から容姿に関しては可愛いと思っていたが、こうして甘えられた態度を取られるとそれが数倍上がるのかも知れない。
 自然と肉棒もムクムク硬く大きくなり、再び恭子を抱きたい衝動が押し寄せてきた。
「あ、また大きくなってる……ふふ、俊ちゃんのエッチ……」
 胸に人差し指をグリグリさせながら、甘えた口調で言ってくるのにくすぐったい想いを覚える。
「しょうがないじゃんか、恭ちゃんの体ってすっごく気持ちいいんだもん。こんな体に抱き付かれてエッチな事したくならないヤツなんていないよ」
 お返しとばかりに乳房を軽く揉み、乳首をクリクリと捻りながら答える。
「わぁ、べた褒めだねぇ。嬉しいなぁ……それじゃ、あんっ……もう一回しよ? そんな風にされてると、あっ……わたしもう……」
 うっとりとした表情を浮かべる恭子を見ているうちに完全に肉棒が回復した。
「恭ちゃん、大好きだよ……」
「わたしも、俊ちゃん大好き。んっ……」
 そう言いながら唇を合わせ、乳房を荒々しく揉みしだき、体を組み敷いて肉棒を入れていく。
「あんっ……俊ちゃんのオチンチン、あっ……いいっ、いいよぉっ……」
「恭ちゃんのここだってっ……最高だっ、気持ちいいっ……」
 二人は互いの体を抱き締め合うと、激しく腰を振りながら快楽の行為にふけっていくのだった。


 あれから数日が経った。
 取り合えず恋人として付き合う事にした二人は、その事を健二にだけは伝える事にした。
 今まで気を遣ってくれていたし、何より大事な幼馴染だ。報告しない訳にはいかないだろう。
 話を聞いた健二は嬉しそうに笑った後、これでようやく安心できると溜息をついた。
 どうやら中学の頃から自分だけ恋人がいる事にかなり引け目を感じていたらしく、早くどちらかに恋人ができればいいと思っていたそうなのだ。
 そして一番いいのは二人がくっつく事だと考えていたため、それが叶って嬉しいと言っていた。
 ちょこちょこ三人で出かける様に誘っていたのも、いつかこうした事になるのではないかという期待があったそうだ。
 そういう意味ではまんまと健二の手に乗ってしまった訳だが、すでにお互いを好きになっている二人にとってさほど気になる事ではなく、逆に感謝の思いが込み上げていたのだった。
「今度健ちゃんの彼女も誘ってさ、四人でどこかに行くってのはどう?」
 そこは学校の資料室。
 掃除当番の俊春と恭子は、掃除をしながら健二に対する感謝の気持ちをどう表そうかと相談していた。
 最初は何か物をプレゼントしようかと思ったが、健二がそうした行為をあまり喜ばない事を知っていたため、どうしようかと考えていたのだ。
 だが今恭子が提案した恋人を含めた形にすれば受けてくれる可能性は高かったため、それはなかなかに良さそうな案だった。
「いいんじゃないかな。それなら上手くいくと思う」
「でしょ? うん、ホント我ながらいい考えだよ」
 恭子は嬉しそうに微笑んでいる。
 白いセーラー服に身を包んだその姿は実に可愛らしく、この少女が自分の恋人なのだと思うと小躍りしたくなるほどに嬉しかった。
 これまでの人生で異性と愛し愛される関係になった事のない俊春にとって、まさに現在の状況は幸せの絶頂と言えただろう。
(ああ……恭ちゃんは可愛いなぁ……)
 顔は無論の事、制服姿というのは実に恭子の可愛らしさを強調するのに素晴らしい服だった。
「そんでどうせならぁ、泊まりがけにしちゃおっか?」
 キャハっと楽しげに笑いながら恭子は恥ずかしそうに体を悶えさせた。
 本気なのか冗談なのか分からないが、その言葉を聞いた瞬間、俊春の脳裏には「泊まりがけ」「セックス」と短絡的に思考が働き、あの日の事が浮かび上がって激しい欲情が押し寄せてきた。
 ずっと機会がなく、あれ以来全く恭子を抱いていなかったため、そうした妄想をかき立てる言葉を言われると欲情してしまうのだ。
 何しろすでにセックスをした関係なのである。
 再びその肉体を味わいたいと思うのは男として当然だろう。
 そうした欲情に染まった目で恭子の体を眺めると、同世代の少女の中ではかなり発育している豊満な胸のライン、キュッと締まった細い腰、プクッと膨れた撫で心地の良さそうな尻、ミニスカートから伸びる白く健康的な太もも、といった素晴らしい肉体が見え、体の奥底からむしゃぶりつきたくなる衝動を呼び起こした。
 脳裏にはセーラー服に隠された部分の肉体が浮かび上がり、それを舐め回し、揉みしだき、そうした愛撫によって恭子が甘い喘ぎを漏らしている様子が思い出されてくる。
 すでに肉棒は硬く大きくなり、ビクンビクンと痛いほどの勢いで蠢いており、今すぐにでも抱き締めたい状態に俊春はなっていた。
(って、よく考えたら今の状況ってチャンスだよな……)
 旧校舎にあるこの資料室は、普段は誰も立ち寄らず、たまにこうして掃除に来る人間がいる程度であり、何をしても気づかれる事はまずなかった。
 つまりここで恭子とセックスしてもバレない確率は高かったのだ。
(だったら……しちゃおっか?)
 もしかしたら恭子もそう思ってあの様な事を言ったのではないだろうか。
 遠回しの抱いて欲しいという合図だったとすれば多分嫌がらないはずだ。
(よし、ヤるぞ……)
 そう決意した俊春は、手にした箒を壁に立てかけると恭子に近づいていった。
「だからさ、あそこなら……って、何? どうしたの?」
 俊春が考えていた間も恭子は話を続けていた様で、急に抱き締めると驚いた様な声を上げた。
 こうして抱き締めるところまではここ数日もちょこちょこしていたため、恭子も特に抵抗する事もなく、突然の抱擁に驚いているだけの様だ。
「キスしたいの? もう、俊ちゃんはエッチなんだからぁ。でもそういや二人きりだもんね。ふふ、してもいいよ」
 キスも同じ程度していたため、恭子は明るく笑うと目を瞑ってくる。
「恭ちゃん……」
 囁きかけながら唇を重ねていく。
「んっ……んんっ……んっ……んぁぅ、こら、胸を触るのは駄目だよ。ストップ」
 舌を絡ませつつセーラー服の上から乳房を揉むと、恭子が制止の声を上げた。
「いいじゃん。どうせ誰もいないんだし触らせてよ。俺が恭ちゃんのオッパイ好きなの知ってるでしょ?」
「そ、それは知ってるけどぉ。でも学校でそこまでするのはさぁ……」
 家では服の上から胸を触る程度までならしていた。
 だが恭子にしてみれば、学校という場所でそうした行為をするのには抵抗があるのだろう。
「大丈夫だよ。ここには誰も来ないさ」
 そう言いながら背後から乳房を鷲掴み、荒々しく揉みしだいていく。
 セーラー服の形が歪むその様子に、何やら普段とは違う興奮を俊春は覚えた。
 いつも見慣れている制服姿でいやらしい行為をするのがそそるのだろう。
「だけどもし来ちゃったら、あんっ……ちょっと俊ちゃん、それは駄目だよ、あっ……駄目って、あんっ……」
 セーラー服の隙間から手を差し込み、ブラジャーの上から乳房を揉みしだくと、初めて恭子が激しい抵抗を示した。
「駄目って何が? 気持ちいいだろ? ほら、こうするとどう?」
「あんっ、馬鹿ぁっ……そういう問題じゃ、あっ、あぅっ……やめて、あんっ……俊ちゃんってば、あっ、あっ、ああんっ……」
 ブラジャーの中に指を入れ、乳首を擦った後に摘んでクニクニ捻ると、恭子が呼吸を荒げながら体重を預けてきた。
「あっ、ああっ……ダメ、あっ……ダメなのにぃっ……もぉっ……俊ちゃん、ああんっ……」
 すでに快楽に浸り始めたのか抵抗が弱まった恭子は、ハァハァとした色っぽい吐息を漏らしてされるがままになっている。
「そ、そこまで、あんっ……それはちょっとマズ、あぅっ……ダメって俊ちゃ、あぁんっ……」
 スカートの中に手を差し入れると再び抵抗を見せたが、それも指で秘所をなぞると途端に治まった。
 このまま一気に快楽に染めて抵抗する気力を奪おうと考えた俊春は、パンティの中に指を入れると、クリトリスや膣穴に刺激を与え始めた。
「あっ、あぅっ……はぁんっ、俊ちゃ、あっ、ああっ……そこは、あんっ……いいっ、あぅっ……いいの、あんっ……そこ、あっ、いいよぉっ……」
 もうかなり意識が朦朧としているのか、最初の抵抗が嘘の様に恭子は愛撫を受け入れ、それどころかもっとして欲しいと言わんばかりに自ら腰を動かしている。
 その様子にたまらなくなった俊春は、恭子の体を机に乗せて横たえると、そのまま一気に肉棒を押し込んでいった。
「あぅんっ……あっ、ああっ、あぁんっ……」
 ズブズブと肉棒が治まっていくたびに恭子の甘い吐息が聞こえ、それと共に股間から強烈な快感が押し寄せて俊春は頭を仰け反らせた。
(これだよこれっ……これなんだぁっ……)
 数日前味わった快感が蘇り、激しい興奮が押し寄せてくる。
 肉棒が温かくて柔らかでヌメヌメと湿りを帯びた肉に包まれ、周囲にあるヒダヒダによって微妙に擦られるのに強烈な快感が湧き起こる。
 それは実にたまらない、とんでもない快楽を呼び起こす箇所だった。
「って、入れちゃった……俊ちゃん入れちゃったよぉ……ここ学校だよ、馬鹿ぁ……」
 困った様に呟きながらこちらを睨んでくる恭子に苦笑する。
 確かに学校でこの様な行為をするのは馬鹿な事だろう。
 だが今の恭子の姿を見てセックスしないでいるなど、無理な事としか言いようがなかった。
 快楽で上気した可愛らしい顔でこちらを睨み、はだけたセーラー服の間から豊満な乳房をさらけ出し、捲れ上がったミニスカートからは白い太ももとピンク色の秘所が覗いている、そんな姿を見せられて我慢できる男などいる訳がないだろう。
「あっ、あっ、ああっ……ダメって、あんっ……動いたら、あっ……大きな声が、あんっ……誰かに聞かれ、ああっ……」
 腰を動かし出すと恭子は恥ずかしそうに顔を背けた。
 どうやら誰かに声を聞かれてしまうかも知れない事に羞恥心を覚えているらしい。
「誰も来ないってっ……それにこんな声が聞こえたら逆に入りづらいから大丈夫だよっ」
「でも先生だったら、あんっ……どうするの、ああっ……こんなとこ見られ、あっ……停学、あんっ、あんっ、ああんっ……」
 確かにそれは心配だったが、そう思うと逆に興奮が高まった。
 誰かに見られる、先生に見つかる、そう意識するとドクンっと心臓が激しく鼓動し、快感が押し寄せてくるのだ。
 いけない事をしているという感覚が快楽を高めているのだろう。
「その時はその時だよっ……俺は今っ、恭ちゃんが欲しくてたまらないんだっ」
 細い両脚を肩にかけると腰の動きを早め、強く突き込んでいく。
「あぅっ、あぅっ、あぅんっ……凄い、あんっ……凄いの、ああっ……そんな凄いのダメぇっ……」
 頭を左右に振り、快感に耐えられない様に悶える恭子の姿にはたまらないものがあった。
 数日ぶりに味わう女体だったが、そこには単に肉体的な快楽だけでなく、こうした恭子の痴態を見るという精神的にも激しい気持ちの良さがある事に気がつく。
 女を抱くというのは心身共に快感のある事なのだ。
 だからこそ相手に対して愛情も起こるのだろう。
 今の俊春は恭子が愛おしくて仕方がなかった。
 自分の腰の動き一つで甘く悶える姿が可愛らしくてたまらなかったのだ。
 そして何より自分も気持ち良くさせてくれているのだから、愛さずにいられる方がおかしいだろう。
(恭ちゃん可愛いっ……恭ちゃん可愛いよっ……恭ちゃん大好きだぁっ……)
 激しい愛情と共にとてつもない興奮が湧き起こり、俊春はこれでもかと言わんばかりの勢いで肉棒を突き込んでいった。
「あふっ、あっ、ああんっ……俊ちゃんいいっ、俊ちゃんいいよっ、俊ちゃんいいのぉっ……あんっ、あんっ、ああんっ……」
 すっかり快楽の虜となったのか、恭子は首に腕を回して抱き付いてきながら、自らも腰を振って快感を呼び起こそうとしている。
「やっ、やっ、やぁんっ……わたし、はぅっ……イく、はぁっ……わたしイっちゃう、はぅんっ……わたしイっちゃうんだよぉっ……」
 絶頂が近いのか、強く抱き付かれると膣内もキュウっと締まり上がり、俊春の限界も一気に押し寄せた。
「恭ちゃんっ……出すよっ……出すっ……俺出すからぁっ……」
 そう呼びかけると共に腰の動きをそれまで以上に強めていく。
「あんっ、あんっ、ああんっ……もうっ、もうっ、もぉっ……わたし、あんっ……わたしダメ、あっ……わたしダメぇっ……やっ、やっ、やぁああああああああんっ!」
「恭ちゃぁんっ!」
 ギュッと互いを抱き締め合った瞬間、肉棒は一気に精を放った。
 ドクドクドクと白濁液が膣内に注ぎ込まれ、俊春は快感の呻きをあげながら何度も射精を繰り返していった。
「はぁ……はぅ……は……」
 目の前にはうっとりとした表情を浮かべた恭子が甘い吐息を漏らしており、その様子に満足な思いを抱く。
 しばらくして射精を終えると、俊春はゆっくり体の力を抜いていった。
「もぉ……俊ちゃんったら強引なんだからぁ。誰かに見られたらどうするのよ……」
 呆れたように怒りながら恭子が呟いている。
「ゴメンよ。でも俺、どうしても恭ちゃんが抱きたくなっちゃったんだよ。だってあれ以来全然してないじゃん」
「それはそうだけどさぁ。でも学校はマズイよ」
「だけど他にどこでするんだよ。ホテルは高いし……するとこ無いじゃん」
「だからって学校はマズイって。見つかったら停学もんだよ? それに私があれだけ駄目って言ったのに無視しちゃってさ。俊ちゃんってば優しくな〜〜い」
「う……ゴメン……」
 無理矢理したのは確かであるため、その点をツッコまれると辛かった。
「男は体を許すと性格変わるって言うけど、もしかして俊ちゃんもそういうタイプなの?」
「そ、そんな事ないよ。俺は変わらない」
「だけどさぁ、何か体が目当てみたいな感じじゃん……私の意思は無視しても体を抱きたいって感じだったし」
 ジトっとした目で見られたため激しく動揺する。
「そうじゃないって……そりゃ体を抱きたいって気持ちはあるけど、それは恭ちゃんだから抱きたいんであって、他の女じゃここまで必死に抱きたくならないよ。恭ちゃんの事が凄く好きだから体も欲しくなっちゃったんだ」
「ホント?」
「うん」
「ホントに私が好きだから、抱きたくなっちゃったの?」
「うん」
「体目当てじゃない?」
「絶対にそんな事はないっ」
 そう断言すると、それまでキツくなっていた恭子の表情が緩んだ。
「じゃあ、許してあげる」
 ニコリと微笑む顔にホッとする。
「でももう二度としないでよね? 大体こんなムードの無い所で押し倒すなんて酷すぎだし」
「う……ゴメン……」
 その言葉に落ち込む。
 言われてみればこの様な場所で押し倒すなど最悪だろう。
「だから今度旅行したらさ、ちゃんとしたホテルとか旅館でしよ? ね?」
「え?……あ、うん……」
 その言葉から、恭子が旅行を泊まりがけでするつもりなのだという事が分かって頬が熱くなる。
 何やら旅行先でセックスするというのが興奮を誘ったのだ。
「じゃ、早く健ちゃんにも知らせに行こうよ。って、ヤバっ、もうホームルーム始まってるじゃんっ。急ご、俊ちゃんっ」
「あっ、ホントだっ。ヤバっ」
 二人は掃除用具を持つと慌てて資料室を出た。
 その時恭子が手を繋いできた事に何やら甘酸っぱい思いを抱く。
 そしてその可愛らしい顔を見つめながら、自分はこの少女の恋人なのだという意識を改めて持った俊春は、温かな想いで心が一杯になるのだった。












あとがき

 珍しく家族でも親類でもない組み合わせにしてみました。
 好きなんですよね、幼馴染って。
 長く一緒に居てよく知っている間柄だけど家族じゃなく、結婚もできるという関係。
 好意を持っているんだから、何かしらのきっかけさえあれば恋愛感情に変わるのではないかという部分が好きなのですな。
 この作品の二人の場合、まさに親友といった感じで仲の良い男女の友人関係でしたが、「ちょっとエッチしてみましょう」的な軽いノリでエッチしたら、それで見事にくっついてしまいました(笑)
 っていうか、こんな幼馴染欲しいです。
 可愛くてスタイル良くてエッチしようと誘ってきて、結局恋人になってくれるという。
 涙が出るくらい素晴らしい幼馴染ではないですか(笑)
 まあ、美少女ゲームだとこういう幼馴染キャラはよく出てきますが、最初から恋人未満的なキャラが多いので、私はあまり好きじゃありません。
 やはり普通に友人関係で始まって、いつの間にか好きになっていた、という感じの方が好きなのですよ。
 そういう意味でこの作品も最初はお互い恋心は抱いていない設定にしてみたのですがいかがだったでしょう。
 ちなみに「恋愛感情が無いのに、何だかエッチしてしまう」というのも好きだったりします。
(2007.7.17)



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