女の体
世の中には様々な奇病がある。
その中でもこれはかなり特殊だろう。
何しろ男の体が女の体になってしまうのだから。
その奇病の名前はチェンダー病。
発見した博士の名前にちなんでいるそうだ。
テレビに出ていたチェンダー博士は、「肉体自身が少子化の問題を解決しようとしているのだ」と言っていた。
確かにこの奇病は、少子化に悩む先進国でばかり発症している。
男が増えても子供は生めないが、女ならばその分生まれる確率は高まる。
男は一人で何人もの女に妊娠させられるが、女は一度妊娠してしまうと一年ほどは妊娠できない。
つまり、男は少なくてもいいのだ。
女さえ多ければ、子供は沢山生まれる。
無論、前提として一人の男が多くの女を妊娠させる必要があるのだが。
テレビのコメンテーターは「一夫多妻制が必要な世の中になるかも知れない」などと言っていたが、そんな事はありえないだろう。
いや、ありえたらたまらない。
女の体になったとはいえ、元は男なのだ。
そんな気色の悪い事ができるものか。
まあ、相手全てがちゃんとした女ならば構わないが、元からそうなのかなど誰に見分けがつこう。
というか、女になった男にしても男と結婚などする訳がない。
自分は絶対そうだ。
そこまで考えて、そんなまだ実現していない事をあれこれ思考している自分に浩美は呆れた。
現実から逃避したかったのかもしれない。
何故なら今、その奇病が発症し女の体になっていたのだから。
(何だこれ……?)
目が覚めた時、最初に思ったのはそれだった。
起き上がろうとして胸の辺りに違和感を感じ目をやると、Tシャツが膨れている。
まるで女の胸の様に。
慌ててシャツを持ち上げると、そこには胸が、いわゆるオッパイと呼ばれる女の膨れた胸があった。
(俺ってそんなに太ってたっけ……?)
肥満なら男も胸が膨れている。
そう思って自分の体を見回す。
そこでまた異変に気づいた。
スネ毛がない。
昨日寝るまでは生えていたスネ毛がないのだ。
短パンから伸びる脚もやたらと綺麗だ。
そのむしゃぶりつきたくなる様な太ももに思わず唾を飲み込む。
(って、俺の脚だって……)
あまりに違和感があるためか、他人の脚に見えてしまったのだ。
腕や手も見る。
やはり毛が薄くなり、ほっそりとした実に綺麗な状態だ。
(問題はこれか……)
体が綺麗になるのは別にいい。
だがこの、胸で膨れたものだけは……
浩美はギュッと両手で胸を掴んでみた。
「あぅっ……」
変な感覚が押し寄せ、思わず声を上げてしまう。
そしてそれがいつもより高い発声である事に気がつく。
(うっ……やっぱそうなのか……)
さすがにここまで来ると観念するしかないだろう。
浩美は鏡の所まで行くと、自分の顔を映した。
そこには自分によく似た一人の女の子がいた。
浩美が驚いた表情をすると、それに合わせてその女の子も表情を変える。
(うう、これで俺も女の仲間入りですか……いくら女みたいな名前だからって、ひでぇよ……)
自分はチェンダー病が発症した。
これまで十七年間共に暮らしてきた肉体は消えてしまった。
その事にショックを受け、浩美は布団の上に座り込んだ。
しばらく呆然としていたが、気を取り直すと自分の体の確認に入る。
Tシャツと短パン、そしてトランクスを脱いで裸になると、立ち上がりもう一度鏡を覗き込む。
(うっ……いいじゃん……いけるよ……かなりいける……)
唯一残った男の心で見る自分の姿はかなり可愛く、そしてエッチだった。
鏡には胸の途中までしか映っていないが、可愛い女の子が上半身裸で見えるのはかなり興奮を誘う。
視線を下げて直接胸を見てみると、男の時に比べて乳首が存在を主張していた。
軽く摘んでみる。
「あぅっ……」
胸を掴んだ時にも起きた妙な感覚が体を走り抜けた。
(ふ〜〜、何か変なの……)
女の体は男とだいぶ違う事に戸惑いながら、それまで見ようと思いつつ怖くて見れなかった股間に目をやる。
いつもならすぐに見える一物が見えない。
(やっぱり無いよね……)
ガックリしながら手を伸ばして触れてみる。
「はぅっ……」
胸を触った時とは違った鋭い刺激に体を震わせてしまう。
(そうか、女なんだもんな……どうなってるのか見てみよう……)
女の秘所を見ることに興奮しながら座ると、鏡を股間に向けた。
(うわっ……すげぇ……こんななんだ……)
そこには何やら複雑そうな肉の襞があった。
(穴ってどこだ……?)
鏡で見ながら指で広げてみると、穴らしきものが見える。
(こんな小さいのに、チンポが入るのか……)
今は無き自分の一物が勃起した時の太さを想像してみる。
とても入るとは思えず、試しに人差し指を入れてみることにした。
「あっ……」
ツプっといった感じで人差し指がハマり、その瞬間体に走った刺激に声を上げてしまう。
中は温かく微妙に濡れていた。
「あっ、あっ、ああっ……」
少し指を動かすと、体が勝手に跳ねるほどの刺激が押し寄せてくる。
股間が熱くなり、指先に濡れた感触が広がっていく。
「あふっ、あんっ、あっ……」
自分のモノとは思えない高くて甘い声が部屋に響く。
(気持ちいい……何て気持ちいいんだろ……)
初めて感じるたまらない快感に、膣に押し込んだ指の動きが激しくなっていく。
反対の手が自然と乳房に伸び、元が男とは思えない豊かな膨らみを揉み上げる。
「はぁぅっ、はぁっ、あぅんっ……あっ、ああっ、ああんっ……」
座っているのに耐え切れず、横になると指の動きに合わせて腰も動かしていく。
乳首を摘み、クリクリと動かす。
「やぁっ、はぁんっ、はぅっ……ひゃあっ、やんっ、いやぁんっ……」
可愛い声を上げながら、体をクネクネと動かし悶える。
(凄いっ……凄いよぉっ……こんなっ……こんな気持ちのいいのっ……嘘だろぉっ……)
押し寄せてくる経験したことのない凄まじい快感に、浩美は何が何だか分からなくなっていた。
(何だっ?……何か来るっ……何か来るぅっ……)
得たいの知れない何かがやって来る感覚に指の動きが早まった。
「あぅっ、あっ、ひゃぁんっ……はぅっ、はぁっ、やぁんっ……あっ、あんっ、ああっ……あぐぅっ、はっ、ああっ、ああああっ……!」
(気持ちいいっ……!)
叫びと共に強烈な快感が爆発し、浩美は体を仰け反らせた。
全身の力が抜け、脱力感と共に布団の上に横たわる。
荒い息を吐きながら快感の余韻に浸った。
(すげぇ……女の体ってこんなに感じるんだ……)
男とはあまりに違う絶頂の凄まじさに、驚きと嬉しさを感じる。
(こんな気持ちいいのなら、女の体も悪くないかな……)
そんな事を思いながら起き上がり、服を身につけ始めた。
「兄ちゃん、朝だぞぉ……おっきろぉ〜〜」
弟の声が聞こえると共に部屋のドアが開く。
「ああっ! 馬鹿っ、ノックくらいしろぉっ……」
慌てて服で体を隠しながら怒鳴りつける。
「何言ってるんだよ。いつもそんなこ……」
文句の言葉が尻つぼみになっていく。
「な、兄ちゃん……それどうしたんだ……」
隠し切れなかった乳房が服の隙間からこぼれている。
「いや、その……どうやらなっちまったらしい……女に……」
努めて冷静な声で告げる。
「女って……あれか?……今テレビでやってる……」
「ああ……さっき起きたらこんなになってた……」
「そうか……」
何と言っていいのか分からないのだろう、弟はそう呟くと押し黙った。
「ま、まあ、元気だせよ……なかなか可愛いしさ……」
「ああ、ありがとよ……」
気を使っているらしい弟に答えると、再び服を身につけ始める。
Tシャツを頭からかぶると胸にひっかかった。
(く、これからはこういう風になるのか……)
面倒くさく思いながらTシャツを引っ張ってのばし、続けてトランクスと短パンを穿く。
一息ついて弟を見ると、目を見開いてこちらを見つめていた。
浩美の視線に気づくと慌てて顔をそむける。
(?……)
その態度を不思議に思っていると、今度はジッと見つめながら近くに寄ってきた。
「に、兄ちゃん……その……ちょっと見せてくれないか……?」
「は?」
意味が分からず首をかしげる。
「お、俺、オッパイって見たことないんだよ……だから、み、見せて欲しいんだ……」
口ごもりながらそんな事を言ってくる。
弟も十四歳、女の体に興味を持つ年頃だ。
その気持ちは分からなくもない。
「ああ、いいぜ。見せてやる」
兄として弟にこれくらいしてやってもいいだろう。
それに胸を見られるなど男にとってはどうって事でもない。
Tシャツを捲り上げると、乳房をさらけ出す。
その時微妙にひっかかったのか、乳房がプルンと揺れた。
「おおっ!」
弟が興奮した声を上げる。
浩美にしてみても、自分の胸とはいえまだ見慣れていないその膨らみは刺激的だ。
白くて柔らかい塊の頂点に、桜色のツンっとした乳首があるのがたまらない。
ゴクッと唾を飲み込むと、いつの間にか弟がにじり寄って来ているのに気がついた。
「どうした?」
「い、いや……その……触らしてくれない……?」
弟は真剣な顔をしている。
「そ、それは……」
見せるくらいならともかく、男に触られるのは気持ち悪い。
「頼むよ兄ちゃん……俺、触りたいんだ……」
目をギラギラとさせながら迫ってくる。
「お、おい、それ以上近づくな……触るのは駄目だ……」
後ろに下がりながらTシャツを下げる。
「ああ……」
弟が悲しげな声を上げた。
「ほら、もう出てけよ。用事はないだろ」
腕を上げてドアを示すと、振動で胸が微妙に揺れた。
「兄ちゃん触らせてくれっ……俺っ、触りたいんだぁっ……」
その胸の動きが刺激してしまったのか、弟が飛び掛ってくる。
「あ、こらっ、止め、あんっ……」
静止しようと声をかけている間に弟が乳房を掴んだ。
刺激に体の動きが止まり、甘い声が漏れる。
弟はそのまま荒々しく揉み始めた。
「あっ、ああっ、あんっ……止め、あぅっ……止めろって、ああんっ……」
自分で揉んだ時とは比較にならない快感が体中を駆け巡り、弟の体を押し返していた腕から力が抜けていく。
「すげぇ、すげぇよ……こんな柔らかいのってすげぇ……気持ちいい、たまらないっ……」
弟は初めて触れるだろう乳房に興奮しながら揉み込んでいく。
「はぁんっ……もういいだろ、あんっ……止め、ああんっ……」
静止しようとしても、気持ち良さに喘いでしまって言葉にならない。
Tシャツが捲り上げれ、何かヌルヌルとした柔らかいもので乳首を擦られた。
「あぅっ、はぁっ、ああんっ……やぁっ、はんっ、いやぁっ……」
可愛らしい声を上げてしまう。
乳首が吸引され、凄まじい快感に体を仰け反らせた。
(気持ちいいっ……なんだこれっ?……こんなの凄いぃっ……)
ヌルヌルとした柔らかいモノ、つまり弟の舌がレロレロと動き、乳首を舐め吸い上げていく。
チュパチュパと吸引を繰り返され、乳房を揉みこまれる。
(ああっ……気持ち良すぎるぅっ……嫌なはずなのに、気持ち良くって体が動かないぃっ……)
逃れようと体を動かしても、力の抜けた肉体は誘うかの様にクネクネとするだけだ。
弟は飽きることなく乳房を弄び、乳首に舌を絡めていく。
浩美は快感に力が抜け、朦朧とした頭で小刻みに動く弟の頭を見つめていた。
しばらくして胸からの快感が止む。
「終わり……か?……もういいんだろ……」
ようやく終わった、そう安堵したのも束の間、弟の顔が近づいてくる。
「お、おい……何を……」
「兄ちゃ、いや、今は姉ちゃんか……姉ちゃんって可愛いよな……特にその唇なんて……すげぇエッチだ……」
そう言いながら顔を接近させてくる。
(唇?……ま、まさか……)
弟はキスをしようとしているのではないのか。
そう思った浩美は後退しようと体に力を入れる。
だがグイと頭をつかまれると、そのまま唇に柔らかいモノが触れた。
にゅるりと何かが口の中に入り込んでくる。
(舌……!)
弟がすでにディープキスまで知っているとは驚きだったが、今はそれどころではない。
何とかその進入を防がなければ。
口の中で動かせるものと言えば舌しかなく、浩美はそれを使って弟の舌を押し返そうとした。
だが逆に絡め取られ、吸い上げられてしまう。
「んんっ……んっ……んんっ……」
弟は一度絡みつかせると、そのまま激しく舌を動かしてくる。
本当は嫌なはずなのに、舌から送られてくるたまらない感触に意識がトロンとしてきた。
(ああ……キスって……気持ちいいものなんだな……)
弟としているのを忘れて、そんな事をボンヤリと思ってしまう。
「んんっ、んんっ……んぅっ、ぷはぁっ……」
ようやく唇が離れ、快感に乱れた荒い息を整えていると、弟が下半身に移動しているのをぼぉっとした頭で認識する。
(何してるんだ……?)
スースーする様な感じがしたかと思うと、次の瞬間、股間から強烈な快感が押し寄せてきた。
「あぅっ、あっ、ああんっ……あっ、はぅっ、ああっ……」
意識が一気に戻った。
ヌルヌルとした柔らかいモノが秘所を擦っている。
今まで口の中を蹂躙していた弟の舌が、今度は下の口をなぶっているのだ。
その感触は、先ほど自分の指で触れたのとは比較にならないほどの快感だった。
「馬鹿っ、止め、あぅっ……舐める、ああんっ……そんな気持ちのいいこと、ああっ……もっと、あふぅっ……だ、駄目だっ……」
止めているのか促しているのか分からない言葉を吐きながら弟の愛撫に悶える。
(すげぇ、気持ちいい……何だこりゃ……こんな凄いの……もっとしてくれぇ……いや、駄目なんだけど……駄目じゃないぃ……)
頭の中も混乱し、男としての理性が弟に舐められている嫌悪を示し、肉体から押し寄せてくる女としての肉欲が快感を呼び込みたがった。
「あっ、やんっ、はぅっ……やぁっ、はぁんっ、ああぅっ……」
ついに肉欲が理性を駆逐したのか、両手で弟の頭を持つとグイグイ股間に押し付けてしまう。
弟はそれに興奮したのか、激しく舐め上げてくる。
ある箇所に舌が触れた瞬間、とてつもない快感に浩美は体を仰け反らせた。
「あぅんっ!……あはぁっ、そ、そこぉっ……やんっ……そこをもっと舐めてぇっ……」
もう女の子としか思えない言葉で、快感をもたらす場所を重点的に舐める様に弟に求める。
「あっ、はぁんっ! そう、そこっ、そこだよぉっ……いいっ、いいよぉっ……」
体がビクンビクンと跳ね動く。
「あふぅっ! あっ、ああんっ、あっはぁっ……あっ、ああっ、ああああんっ……!」
あまりの快感に浩美の意識は飛んでいった。
気がつくと、先ほどと同じ様に布団の上に横たわっていた。
(あれ?……どうしたんだ……?)
体に快感がないのを確認し、もう終わったのかと嬉しく思いながらも、ガッカリしている自分に気づく。
(なに考えてるんだ……相手は男、しかも弟だぞ……)
同性愛の行為な上に近親相姦では二重の背徳だ。
まあ、自分の体は女なのだから、同性愛の行為とは言えないのだが。
(でも俺の心は男だからな……いくらなんでも男とはしたくないよ……)
そう思いながら、股間の所に座っている弟を見つめる。
弟は浩美の股間をジッと見つめながら、何かを持つようにして体を徐々に前に進めていた。
(何してんだ……?)
温かくて太いものが股間に触れる。
(え? これって……)
弟の手が何を持っているのかすぐに理解する。
(チンポ入れる気かよっ!)
まさかそこまでするのかと驚愕しながら、慌てて体を引く。
「あっ、姉ちゃん気がついたの? いいだろ、入れさせてよ」
にこやかな表情をしながら、にじり寄ってくる。
「な、何言ってるんだっ。そんなの駄目に決まってるだろっ。俺たちは男同士で兄弟だぞっ」
「今は女だろ。それに姉弟だからって気にしない気にしない」
「馬鹿言うなっ。俺は気にするっ」
さらに体を引く。
「いいじゃん別に。もう俺我慢できないんだよっ。姉ちゃんの中に入れたくてしょうがないんだっ」
ギラギラした目で迫ってくる。
「だから駄目だってっ……」
そこで後ろに壁がある事に気がつく。
下がれない、つまり弟から逃げられない。
「姉ちゃん入れるよっ。最初は痛いみたいだけど我慢してねっ」
ズブッといった感触と共に、激しい痛みが押し寄せてくる。
(ぐぁっ、痛い痛い痛いっ〜〜!)
声も上げられない痛みに、シーツを握り締めて耐える。
「うっはぁっ……すげぇっ、すげぇよっ……姉ちゃんすげぇっ……」
弟は初めて体験する快感に興奮して叫んでいる。
(ううっ……何でこんなに痛いんだっ……女はこんなのに耐えるのかぁっ……)
一方浩美は体を硬直させ、痛みに耐え続けた。
弟が腰を動かし始める。
「痛っ、痛いぃっ……止め、止めてぇっ……!」
「うぁっ、すげぇっ……気持ちいいっ、信じられねぇっ……!」
正反対の言葉が同時に発せられる。
肉棒と膣の擦れによって、浩美は痛みを、弟は快感を得ていた。
(くそぉっ……何でこんなっ……痛いんだよぉっ……)
浩美は苦痛に顔を歪め、股間から押し寄せる痛みに耐える。
「うっひょぉっ……はぁっ……うぉっ……」
一方弟は快感にますます腰の動きを早くしていく。
ペチペチペチとお互いの肌が触れ合う音が響く。
「痛いっ、痛いぃっ……いた、あっ、あぅっ……えっ……?」
何か痛みと違う感覚を感じて戸惑う。
ジワジワと股間から今までと違うモノが押し寄せてくる。
「あっ、あんっ、はぅっ……あっ、いいっ、何かいいっ……」
それは快感だった。
処女を失ってから、これほどすぐに快感を感じられるとは驚きだが、痛みが続くよりはよっぽどいい。
それに、これは舐めてもらった時よりも遥かに気持ちが良かった。
(もっとしてっ……もっと突いてぇっ……)
心の中で弟を求めてしまう。
すると、それが分かったかの様に弟の動きが激しくなった。
「あんっ、あっ、はぁっ……あっ、あっ、ああっ……いい、はぅっ……凄くいいっ……いいのぉっ……」
快感が増していく感じがする。
(わぁっ……何だこれっ?……凄いぞっ……凄いっ……このまま続けたらどうなっちゃうんだっ……)
訳の分からない肉体の高揚に浩美は怖さと興奮を覚えていた。
「ああぅっ、あっ、はぁっ……あんっ、あっ、ああんっ……はぐぅっ、やっ、ああっ……」
快感に頭を左右に振る。
「うぉっ、出るっ、出るっ、出るぅっ……!」
もう少し続けたいという浩美の思いも悲しく、弟は体を震わせると精を放った。
ドクドクドクと何か熱いモノが腹の中に流れ込んでくる。
「あぅ、あぁっ、ああああっ……!」
それを感じた瞬間体がビクビクと反応し、凄まじい快感が体内を駆け抜けて行く。
しばらくして力を抜くと、弟が荒い息を吐きながら倒れこんできた。
(やっと終わった……でもちょっと物足りなかったかな……?)
もう少しあの快感を感じていたかったと思ってしまう。
(いやいや……こんなの駄目だ……男となんかできるかっ……)
頭を振って快楽で歪んだ思考を追い払う。
弟の体を横にズラすと、起き上がり四つんばいになって服の所まで移動する。
だが途中で腰を掴まれた。
振り返ると弟が膝立ちになって腰を抱えている。
「な、何してるんだっ、もういいだろっ」
「まだだよ、まだしたいんだ。今度はバックから。ね、いいでしょ」
弟は幼い頃頼みごとをする時によくした口調でおねだりしてきた。
「駄目だっ、何言ってるんだよっ。もうお終いっ。それに今出したばかりで無理だろっ」
「平気だよ。ほらまだこんなだから」
腰をズラしてそそり立つ肉棒を見せてくる。
それは今放出したのが嘘であるかの様に、すでにギンギンになっていた。
(お、おい……嘘だろ……)
自分がオナニーして射精した後は、そんなにすぐにしたくはならなかった。
しかもこれほど元気になる事など信じられない。
それが間接的な刺激と現実に触れている女体の魅力の差なのか。
「じゃ、入れるねぇ」
「お、おい。ちょっとま、あぅんっ……」
静止する間もなく肉棒が押し込まれる。
今度はいきなり快感が押し寄せ、浩美は体を仰け反らせてその気持ち良さに浸った。
「うぉっ、やっぱすげぇ気持ちいい……」
弟も嬉しそうな声を上げて快感を受け止めている。
(嫌なのに……ああ、何て気持ちいいんだ……はぁ、おかしくなりそぉ……)
股間にある肉棒の存在感が、ジワジワと体中に甘い疼きを伝え始め、その痺れる様な気持ちの良さに浩美は体を震わせた。
「ああっ、あっ、ああんっ……はぅっ、はぁっ、ひゃんっ……」
突然快感が爆発する。
弟が腰を動かし始めたのだ。
「ひょぉっ、姉ちゃん最高っ……たまらないよぉっ……」
そう叫びながら腰をガンガン打ち付けてくる。
ズブッ、ズプッ、といった肉棒と膣穴の擦れる音が体を通じて聞こえ、自分が男に犯されている現実を認識する。
だがそれは、すでに快楽を感じ始めた浩美にとって、嫌悪感よりも自分に快感を送ってくるたまらない音となっていた。
「あふっ、ああっ、ああんっ……凄いっ、凄いよぉっ……もっと、もっとしてぇっ……」
あまりの快感にそんな事を叫んでしまう。
もう浩美の頭には、自分が男だったことや、男に肉棒を押し込まれているといった気色悪さなどどこかへ行ってしまい、ただ湧き上がってくる快楽を欲する思いしかなかった。
弟は浩美の希望に答えるかの様に、激しく腰をぶつけてくる。
パンパンパンと肌が触れ合う音が響き、そのたびにたまらない快感が浩美の全身を駆け抜けて行く。
「ああんっ、いいよぉっ、いいっ……あふんっ、あっ、はぁっ……何て、あんっ……気持ちいいのぉっ……」
頭を左右に振り、耐え難い快楽に身を委ねていく。
弟は「の」の字に腰をくねらせ動きを変化させた。
「やんっ、やぁっ、いやぁんっ……そ、それぇ、あんっ、たまらない、はぅっ……おかしくなっちゃうぅっ……」
もう女の子としか思えない甘い声を発しながら、耐え切れなくなった腕をくずし、頭と肩で上半身を支える。
頭は真っ白で何も考えられない。
「あっ、ふぅっ、はぁんっ……あっ、やっ、ひゃふぅっ……」
強烈な腰の突き込みに意識が覚醒し、再び腕を立てて四つんばいになる。
それを待っていたかの様に弟が背後から乳房を掴み激しく揉み上げてきた。
胸が引っ張られ、それによって乳房が形を変えられているのを感じる。
乳首が掴まれクリクリと動かされる。
「ああんっ、やぁっ、はぅんっ……あんっ、あっ、ひゃふんっ……」
股間からとは違う刺激に快感が倍増し、体内から何か訳の分からないものが押し寄せてくる感覚が発生した。
「やっ、あぅっ、やぁんっ……な、何? はんっ……おかし、あんっ……おかしいよぉっ……ああっ、はんっ……何か来る、やんっ……何か来るぅっ……」
その奇妙な感覚を訴えながら、ついに自らも腰を動かし始める。
「うぅっ……もう駄目だっ……出るっ……出ちまうぅっ……」
浩美が動いた事により刺激が倍増したのか、弟は今にも射精しそうな言葉を吐いた。
(だ、駄目だっ……もうちょっとっ……もうちょっとだからぁっ……)
何かが分かりそうな状態に、弟があと少し粘ることを祈る。
「うおぉっ……姉ちゃんイくぜっ……イくぜぇっ……!」
そう叫んだ弟は、最後の打ち込みとばかりに今まで以上に激しく腰を動かした。
「ああっ、やぅっ、はぁんっ……やんっ、はぅっ、ああんっ……分かんない、あんっ……分かんないよぉっ……イっちゃうっ、イっちゃうっ、イっちゃうのぉっ……ああああっ……!」
「俺もイくぅっ、イくんだぁっ……!」
浩美の意識が快感に覆われ吹き飛ぶと同時に、弟が絶叫して精を放つ。
微かに残る意識の中で、精液がドクドクドクと勢い良く膣に注がれるのを感じた浩美は、その快感に意識を失っていった。
気がつくと体が揺れていた。
目を開けると、目の前で弟が気持ち良さそうに体を動かしている。
まだしてる、と認識した瞬間、脳に快感が伝わってきた。
「あんっ、あっ、ああんっ……」
自然と甘い声が発せられてしまう。
「あ、姉ちゃん起きたのか?」
弟が腰を動かしながら呼びかけてくる。
「お、お前、あんっ……まだやってた、ああんっ……のか、はふんっ……」
いい加減呆れてしまう。
「俺もビックリなんだよねっ……だってさっ……出した後に姉ちゃんの体見るとっ……すぐにチンポが大きくなっちゃうんだもんっ……そしたらっ……ヤるしかないでしょっ……」
ニコリと笑ってそんな事を言ってくる。
「ヤるしかないって、はんっ……お前な、あぁんっ……」
「それにっ……寝てる姉ちゃんっ……すげぇ可愛いんだもんっ……たまらないよっ……」
「な、何が可愛いだ、やぁんっ……」
否定しようとしてすぐに可愛い声を上げてしまう。
これでは可愛くないと言う方が無理だろう。
「それにそれっ……俺がチンポ押し込むとっ……姉ちゃんすげぇ可愛い声出すんだもんなっ……」
それは自分でも思っていた。
男なのにあまりに可愛い声を上げてしまう事にショックを受けていたのだ。
だが無意識に出てしまうのだから防ぎようがない。
「なあ、姉ちゃんっ……お願いがあるんだけどっ……」
「何だ? はぅんっ……」
これ以上なんの願いがあると言うのだろう。
「これから毎日っ……していいっ……?」
「ばっ、あんっ……馬鹿、はぅっ……駄目に決まって、ああっ……」
「でもさっ……こんなに気持ちいいんだよっ……俺もっとしたいっ……姉ちゃんは違うのっ……?」
その言葉に押し黙る。
確かに気持ち良かった。
オナニーとは比較にならない快感がセックスにはある。
だが相手は男、しかも弟だ。
いくら気持ちいいからといってこれ以上はしたくない。
(したく……ない……んだけど……)
どうしても未練が起きてしまう。
それほど気持ち良かったのだ。
「大体、姉ちゃん女のままかも知れないんだぜっ……そしたらずっと男相手にするしかないんだぞっ……俺以外を相手にするのって耐えられるのかよっ……」
それは弟の言う通りだった。
弟はまだ身内という親しみがあり、安心感もある。
だが同じ行為を赤の他人とすると思うとゾッとする。
女とすればいいという考えもあるが、レズの女を捜すのは難しいだろうし、それが元男でないという保証もない。
同じ事を考える元男はいるはずだからだ。
それに最初ほど弟とする事に嫌悪感は無くなっていた。
凄まじい快感にどうでもよくなってしまったのだ。
しかし、だからと言って了承するのはやはり嫌だった。
それを認めてしまったら、女である事を受け入れてしまう様な気がするからだ。
「やっぱり駄目だ……」
浩美の返答に弟の表情が変わり、腰を強く押し込まれる。
「何っ……言ってるんだよっ……こんなにっ……気持ちいいのにっ……」
「あんっ、あっ、ああんっ……だって、あっ……やっぱりっ……あんっ……俺は男だしっ……」
「そんな声上げてっ……可愛くヨガってっ……何が男だっ……まるっきり女じゃないかっ……見ろっ……」
弟は近くにあった鏡を浩美に向けた。
そこには、肉欲に上気し、トロンとした表情を浮かべて悶える一人の少女の姿があった。
(こ、これが俺……俺なのか……)
男だと言うのがどう考えても無理と思えるほど、その姿はいやらしい。
弟がたまらなくなるのも理解できる。
自分が男のままであっても、こんな姿を見せられて我慢できるとは思えない。
「俺はするからなっ……これから毎日っ……姉ちゃんが嫌がろうがっ……絶対してやるっ……でなきゃ俺っ……おかしくなっちまうよぉっ……」
脅しているのか泣いているのか分からない口調で叫ぶと、弟は腰をさらに激しく動かし始めた。
「ああんっ、やっ、はぅんっ……やぁっ、あんっ、いやぁんっ……」
その動きによって体中に凄まじい快感が走り抜ける。
(こんな気持ちいいの……止められないよな……)
男として弟の気持ちを理解し、女として押し寄せる快感に流され、弟との行為を受け入れ始めている自分に気がつく。
「あっ、やぁんっ、ああっ……あぐぅっ、はっ、ああんっ……あっ、ああっ、やんっ……」
たまらない快感に頭を左右に振る。
(そう、俺はしたい……俺はしたいんだ……もっとたくさん……もっとたくさんしたい……だからしたくなったら襲ってくれ……)
朦朧としていく意識の中で、弟を見上げながら浩美は思った。
自分は男を捨てた訳じゃない。
無理やり弟にされるんだ。
そう自分に言い聞かせる。
「うぉっ……姉ちゃん最高だぁっ……スゲェよぉっ……俺っ……絶対姉ちゃんとするからなっ……これから毎日してやるぅっ……」
弟も浩美の思いに答えるかの様にそんな事を叫んでいる。
「やんっ、ああっ、ああんっ……凄い、はぐぅ……凄いよぉっ……あっ、やぁんっ、はぁぅっ……こんなの信じられないぃっ……」
背中に手を回し、腰に脚を絡めると、弟の体をギュッと引き寄せる。
(もっとぉっ……もっとしてぇっ……もっと激しく突いてぇっ……これから毎日っ……激しくしてぇっ……)
決して口には出せない言葉を心の中で叫ぶと、浩美は自らも腰を振り始める。
「はぁうっ、はっ、ああんっ……やんっ、はぅっ、やぁんっ……あぅっ、あっ、はぁんっ……ああっ、いいっ、いいよぉっ……あんっ、はぁっ、ああんっ……イっちゃうっ、イっちゃうっ、イっちゃうぅっ……ああああっ……!」
抱きしめる事による密着感、そして弟に襲われる想像からくる快感が浩美を一気に絶頂に至らせた。
膣が蠢き肉棒を絞り上げるのを感じる。
「うあっ、出るっ、出るぅっ……!」
弟も精を放った。
ドクドクドクと勢い良く膣に精液が放出されてくる。
弟は快感に身を震わせ悶えた。
ビクッ、ビクッ、と最後の射精が終わると、弟の体が倒れこんでくる。
荒い息が重なる。
(ああ……気持ち良かった……)
弟の体を受け止めながら、浩美は凄まじい快感の余韻に浸った。
(これから毎日、こんなのができるのか……いいなぁ……)
さきほどの弟の激しい突きこみを思い出し股間が熱くなる。
「うぅっ……ね、姉ちゃん何するんだよ……」
弟が呻き声を上げる。
「え? どうした……?」
訳が分からず尋ねる。
「姉ちゃんのアソコが、俺のチンポ締め上げてるんだよ……嫌がってるくせに、とんでもねぇ事するなぁ……」
「嘘……?」
「嘘じゃねぇよ。ほら、俺のチンポそれで大きくなってるだろ」
確かに膣に収まっている弟の肉棒がグングン大きくなっている。
どうやらいやらしい想像によって股間が蠢いてしまったらしい。
「こうなったらヤるしかないよな。今日は終わりにしようと思ってたのに、姉ちゃんが悪いんだからな」
そう言って腰を動かし始める。
「え? ちょっ、あんっ……あっ、ああっ、ああんっ……」
再び快感が押し寄せる。
「姉ちゃんがっ……姉ちゃんが悪いんだっ……こんなっ……こんなエッチな体してるからっ……」
弟は文句を言いながら、激しく腰を動かし続ける。
(そう……俺が悪いんだ……こんないやらしい体になっちまったから……だから……たくさんしてくれ……俺が満足できるくらい……)
激しい快感に浸りながら、これから女として生きていくのも悪くないかな、などと浩美は思った。
(だって……こんな気持ちのいいの……男だったら絶対味わえなかったよ……)
さらに快感を求めようと自らも腰を振り始めながら、その快感を教え、さらに続けてくれている弟に、浩美は密かに感謝するのだった。
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