肉欲の家


 光信は、新しい家に引っ越して来ていた。
 そこは小さいながらも一戸建てであり、それまでアパート暮らしだった光信にとって非常にワクワクする事だった。
 この家には母と二人で住む事になっている。
 父は光信が幼い頃に亡くなっており、それから母は女手一つで自分を育ててくれた。
 母はアパートが好きではないらしく、ずっと「一戸建てに住みたい」と繰り返していたのだが、会社から近い場所ではやはり家賃が高く、なかなか条件の合う物件がなかった。
 半分諦めつつも探していたある日、ついにこの格安の家を見つけたのである。
 会社まで電車で三十分程度であり、しかも駅から徒歩十分という近さに、母は大喜びですぐさま契約を結んだ。
 そんな好条件の物件がなぜ格安なのか、もしかしたら殺人事件でもあったのではないか、と光信は疑ったのだが、母いわく「もし人が死んでいても構わない。気にしなければいいんだから」との事だった。
 確かに幽霊だ何だと気にする人には問題だろうが、そういった事に関心の無い人間にとっては、ただの格安物件でしかない。
 光信は母の意見に納得し、喜んで住む事に賛同した。
 さすが親子だけあって、光信も幽霊など信じていなかったのである。
「ふ〜〜、大体片付いたかな……」
 周囲を見回した後、空になったダンボールをたたんで部屋の隅に置く。
 引越しは簡素に済んだ。
 何しろ元々小さなアパート暮らしであったし、母も自分も無駄な物を買わない性格だったからである。
 引越しにしても、母の知り合いの人に小さなバンを借りて荷物を運んだくらいだ。
 ダンボールの数自体少ないため、母が夕飯を買いに行っている間に全て終わってしまった。
「ただいま〜〜。お弁当買ってきたわよ〜〜」
 タイミング良く母が帰ってきた。
「おかえり。取り合えずあらかた済ませておいたよ」
「あら、光ちゃんはいい子ね。ホント良く出来た息子だわ」
 母が嬉しそうに笑いながら部屋に入ってくる。
 二人で暮らしているため、自然と家事や雑用をこなす様に光信は育っていた。
 何より母が褒め上手であり、こうして褒められる事が嬉しくて幼い頃から何でもできる様になっていたのである。
「焼肉弁当にしたけど良かった? 何なら私の海苔弁と変えるけど」
 母はビニール袋から弁当を取り出してちゃぶ台の上に置いている。
「焼肉でいいよ」
「そう」
 正面に座る母の容姿は非常に若かった。
 すでに三十を越えているのだが、二十代前半にしか見えない。
 結婚したのが早かったため元々若いのだが、それでも十三歳の子供を持っているとは思えない外見だった。
 しかも女優になれるほどの美人であり、そんな母が光信は大好きだった。
「スーパーも近いし、結構いいわよここ。ホント格安なのが嘘みたい。あ、コップ出してくれる?」
 ペットボトルのフタを開けながら母が言ってくる。
「はい、コップ」
「ありがと」
 コップにお茶が注がれ、光信の目の前に置かれる。
「じゃ、食べましょうか。いただきます」
「いただきます」
 親子は頭を軽く下げると、弁当のフタを開けて少し遅めの夕食を取り始めた。
「……」
「……」
 しばらく無言で食べていたが、母が何やら可笑しそうに笑い出した。
「どうしたの?」
「え? 何だか変な感じだなぁ、って思って。こうしてるとまるで新婚さんみたいじゃない」
 それは母がよく口にする冗談だった。
 二人きりで暮らしているため、たまにそういう事を言うのだ。
「え〜〜? ずいぶん歳の離れた新婚さんだね」
 いつもの様に光信も軽く返す。
「あら、そんな事ないわ。これくらいの歳の差なんてよくあるわよ」
「でもなぁ、僕の年齢でお母さんみたいな大人を相手にする人いないよ」
「そりゃそうだけど、光ちゃんだってあと五年もすれば結婚できるし、その頃にはお似合いのカップルになってるわ」
「その分お母さんも年取ってるけどね」
「あ、言ったわね。でも私は大丈夫。永遠の二十歳だから」
「うわっ、凄いさば読みだ」
「言ったわねぇ」
 親子は楽しく笑い合った。
 いつもと変わらない会話。
 だが笑顔を作っている裏で、光信は落ち着きが無くなっている自分を感じていた。
 母の「新婚さん」という言葉に激しく動揺していたのだ。
 何度も聞いているはずの冗談であるのに、何故か今日は意識してしまっているのである。
 新婚、初夜、セックス、と連想が起こり、思春期の少年らしく照れているのだ。
(おかしいなぁ……何でこんな……いつもは平気なのに……)
 光信は母をチラりと盗み見た。
 息子から見ても美しい母の顔があり、そこから視線を下に動かすと、服の上からでもよく分かる豊満な胸の膨らみがあった。
 光信は食事をしているのとは違う理由でゴクリと唾を飲み込んだ。
 母が動くたびに胸が微かに動き、その様子に股間の一物が硬くなっていく。
(おかしい……僕おかしいよ……こんな……お母さんにいやらしいこと考えちゃうなんて……)
 理由は分からないが、とにかく母を意識してしまっていた。
 これまでそんな事はなかったのに、母を女として見ているのだ。
 その柔らかそうな体を抱き締め、肉棒を擦り付けたい衝動が湧き起こっているのである。
(駄目だっ……駄目だよっ……)
 母の肉体に興奮している己を何とか落ち着かせようと、光信は食事に意識を集中させた。
 できるだけ母を見ない様にしながら箸を動かしていく。
 だがどうしても母の胸を見ることを止められず、光信は落ち着きなく食事をしつつ、母の言葉に適当に相づちを打っていった。
 光信の妙な様子を感じ取ったのか、いつしか母も黙ってしまった。
「……」
「……」
 親子は黙々と食事を続け、部屋に奇妙な静けさが広がっていった。
『あ……』
 不意に視線が合い、二人は同時に声を上げた。
 そして慌てて目を逸らす。
 自分だけならともかく、母も動揺している様子に光信は心臓を激しく鼓動させた。
(どうしたんだろ……僕……お母さんをこんなに意識しちゃって……それに……お母さんまで変だ……)
 それは以前、同級生の女の子と二人きりになった時の状況と似ている様に思えた。
 小学生の頃には無かった動揺を感じ、相手の女の子も同じ様になっている事に驚いたのだ。
 その時は「これが思春期というものか」と思ったのだが、今一緒にいるのは母である。
 どうしてこれほど意識してしまうのか分からなかった。
 そして何故か母も、その女の子の様に自分を意識している様なのだ。
 これは一体どういう事なのか。
 二人してお互いを意識し合い、照れてしまっている。
 こんな事は初めてだった。
(とにかく早く食べちゃおう……そうすれば……きっと何とかなるよ……)
 今の雰囲気を変えるには違った行動を取ればいい。
 そう思った光信は、早く食事を終えようと慌てて弁当を食べていった。


「あ〜〜、いいお湯だった」
 母が風呂から上がってきた。
 浴衣から見える白い肌がほんのりと赤みを見せており、色気を感じさせる。
 母の趣味で寝る時は浴衣を着ているのだが、今日はそれがかなり辛い思いを持たせていた。
 先ほど意識してしまったせいか、母の色っぽい姿に心臓が破裂しそうなほどに脈打ってしまっているのだ。
 髪を上げているため首筋があらわになっており、その部分に思わず見入ってしまう。
 ゴクリと唾を飲み込みながら視線を胸元へ移し、その膨らみを注視する。
 浴衣の上からでも良く分かる、母の豊かな乳房の線が目に映った。
(あ……)
 肉棒が勢い良く大きくなる。
 痛いほどに勃起し、パンツと擦れてピクリと体を震わせてしまう。
(ば、馬鹿……お母さんだぞ……何考えてるんだ……)
 動揺しながら己を叱りつつ、他の事を考えようとする。
 だがどうしても母に対する意識を止められず、その柔らかそうな肉体に目を向けてしまった。
 興奮が高まり、息が乱れて口の中に唾が湧き起こってくる。
 全く落ち着く事ができず、逆に肉棒がビクンビクンと激しく蠢いた。
(僕……どうしたんだろ……こんな風にお母さんのこと見ちゃうなんて……)
 以前から風呂上りの母の姿など嫌というほど見ている。
 それなのに、今日は何故か違った目で母を見てしまうのだ。
「そろそろ布団を敷きましょうか」
「あ、うん……」
 母に呼びかけられ、内心の動揺を誤魔化す様に勢い良く立ち上がると、部屋の隅に重ねてある布団の所へ向かう。
 できるだけ母の方を見ずに布団を持ち上げると、部屋の中央へ持っていって広げる。
 掛け布団を持って来ようと再び布団が重ねられている場所へ行くと、同じ様にして布団を運ぼうとしている母が腰をかがめているのが目に映った。
(うっ……)
 前かがみになっているせいか、浴衣の合わせが大きく開き、豊満な乳房が見えた。
 その柔らかそうな膨らみに、心臓が激しく鼓動し、肉棒が今まで以上に激しく蠢く。
(お母さんの……オッパイ……)
 久しぶりに見た母の乳房。
 それは昔見た時の印象と違い、白く柔らかそうで、触れたら実に気持ち良さそうだった。
(うぅ……)
 掴んでみたかった。
 揉んでみたかった。
 舐め回し、吸い付いて、思いっきりいじってみたかった。
 これまで感じた事のない激しい肉欲が体中を駆け巡り、目の前にいる女を押し倒せと囁いてくる。
 ビクンビクンと肉棒が猛り、痛いほどに勃起している。
(したい……したいよ……)
 息が荒くなり、抑え切れない肉欲が激しく湧き上がってくる。
 もう我慢できなかった。
 早くこの衝動を開放しなければ自分はおかしくなってしまうだろう。
(ここには僕とお母さんしかいない……したって……したって大丈夫だよ……)
 誰も入ってこない二人きりの家の中。
 ここで何があろうと、他の誰にもバレる事はないのだ。
 唯一母がどう思うかという問題があったが、優しい母の事だ、きっと自分を受け入れてくれるはず。
(するんだ……するんだよ……)
 バクバクと心臓が鼓動し、早く目の前にある悩ましい女体をその手に抱き締めろと訴えてくる。
 光信は肉欲に染まりながら、呼吸を荒くしつつ掛け布団を敷いていった。
 隣では母が柔らかそうな尻を小刻みに揺らしながら布団を整えている。
(したい……したいけど……でも……)
 やはりどうしても踏ん切りがつかない。
 母の肉体を貪りたいのは山々だが、どうしても理性が邪魔をするのだ。
(そうだよ……相手はお母さんなんだ……しちゃ駄目だよ……)
 徐々に興奮が治まってくる。
 このまま何とか寝てしまえば、きっと明日には忘れているだろう。
 光信はホッとした思いで胸を撫で下ろした。
「そうそう、光ちゃん。明日は、あっ……」
 起き上がってこちらを振り返った母が、体勢を崩して倒れ込んできた。
「きゃっ」
「うわっ」
 避ける間もなく、母の体とぶつかりながら光信は後ろに倒れた。
 布団が敷いてあったため全く痛みを感じないで済んだが、光信は違った意味で衝撃を受けていた。
(や、柔らかい……)
 体重が乗っているため強く押し付けられた母の柔らかで温かな肉体が、信じられないほどの快感を与えてきているのだ。
 豊かな乳房が潰れる感触が感じられ、その部分からジワリジワリと快感が広がって脳を犯していく。
 股間では肉棒がこれ以上ないほど硬く大きく勃起し、早く何とかしろと訴えてきている。
 母の美しい顔がくっつかんばかりの距離にあり、しかも今まで見た事のないせつなげな表情を浮かべていた。
(お、お母さん……)
 意識せずとも体が勝手に動き、その豊満な肉体をギュッと抱き締める。
「あ……」
 母の悩ましい声が聞こえ、それが光信の中にある雄に火を付けた。
 美しい顔を抱えると、そのまま肉付きのいい唇に吸い付いていく。
「んんっ……んっ……んふぅっ……」
 荒々しく舌を押し込み、絡ませて吸い上げる。
 すると驚いた事に、母も積極的に舌を絡ませてくるではないか。
「んっ、んっ、んんっ……んっ、んんっ、んぅっ……」
 顔を左右に入れ替えながら、お互いの唇を強く擦り付け合う。
 光信の頭は真っ白だった。
 母を抱き締め、唇を合わせているという行為に何の違和感も感じず、とにかく体の奥底から湧き起こってくる激しい衝動を開放したい、その思いだけが体を突き動かしていた。
 上に乗っている母の肉の重みが心地良い快感を伝え、光信は体を擦り付ける様に動かしながら、顔を左右に入れ替えてキスを繰り返していった。
(ああ……気持ちいい……気持ちいい……気持ちいい……)
 唇から舌から、そして体全体から母が感じられ、信じられないほどの快楽が体内に染み入ってくる。
「んっ……んんっ……んっ……」
 手を伸ばして柔らかな尻をギュッと掴むと、母がピクンと反応を示した。
 そのまま股間で猛り狂っている肉棒をグイグイ押し付けると、たまらない快感が押し寄せてくる。
(これって気持ちいい……チンチンがこんなに気持ちいいなんて……)
 何度か自慰をした事はあったが、これほどに気持ちがいいのは初めてだった。
 母の肉体に擦り付けているだけで、今にも射精しそうなほどの快感が押し寄せてくるのである。
「んんっ……んっ……」
 母がギュッと抱き締めてきて、舌が強く吸い上げられた。
(お母さん……ああ……凄い……凄いよぉ……)
 母の肉体は最高だった。
 こうして体を擦り付けていると体中に快感が広がっていき、唇から伝わる気持ちの良さと相まって、たまらない快楽を引き起こした。
「んっ……んっ……んはぁっ……」
 しばらくして唇を離すと、ハァハァと荒い呼吸を繰り返しながら目の前にある母の顔を見つめる。
「……」
 母は何も言わず、ただせつなげに見つめてくる。
 光信はその柔らかな肉体をギュッと抱き締めながら、体の位置を交換して母の上に乗った。
(オッパイ……)
 横たわっても形良く膨らんでいる胸元が目に入る。
「あんっ……」
 震える手で浴衣の上からその豊かな乳房をギュッと掴むと、母の微かな声が聞こえ、手のひらにたまらない柔らかさとジワリとした快感が広がった。
(凄い……柔らかい……)
 布越しとはいえ、その膨らみの感触はうっとりする様な気持ちの良さを感じさせ、光信はそのまま夢中になって何度も乳房を揉みしだいていった。
「あっ……あっ……あんっ……」
 母がピクッと体を震わせ、甘い声を上げる。
(お母さん……気持ちいいんだ……)
 母が喜んでいると思った光信は、さらに力を込めて揉んでいった。
「あっ……ああっ……あんっ……やっ……あっ……やぁ……」
 揉めば揉むほど母の喘ぎが大きくなる。
 その事が興奮を高め、光信は鼻息を荒くしながら追い立てられる様に乳房を揉んでいった。
「ああっ、あんっ……やっ……はぅっ……あっ、ああっ……」
 自分の手の動き一つで母が甘い声を上げ、体を微妙にくねらせる。
 それは初めて女の肉体に触れている光信にとって、たまらない状態だった。
(お母さん……お母さん凄い……お母さんのオッパイ凄いよ……)
 手のひらには甘い肉の感触があり、乱れた浴衣の合わせからは生の乳房が少し見える。
 その白い膨らみに興奮した光信は、全てをさらけ出そうと、心臓を破裂させんばかりに鼓動させながら浴衣の合わせをグイと開いた。
 プルンっといった感じでまろび出た真っ白な肉の塊が目にまぶしく映る。
(白い……)
 元々肌の白い母の体の中でも、その膨らみの部分はさらに白かった。
 ゴクリと唾を飲み込みながら直接乳房を掴んでみる。
「あんっ……」
 指が肉に食い込み、母が甘い声を上げた。
(うわ……柔らかい……それに……何て気持ちいいんだろ……)
 先ほど浴衣越しにも掴んだが、やはり手のひらに直接感じる乳房の感触は、信じられないほどに気持ちが良かった。
 そのままゆっくり力を入れて揉んでみると、その心地良さに手の動きが止まらなくなる。
「あんっ、あっ……あっ、あっ……ああっ……」
 母が我慢しきれない様に声を上げ、イヤイヤといった感じで頭を左右に振る。
 手の動きに合わせて形を変える肉の塊は、まるでクッションの様に力を受け止め指を食い込ませる。
 それは何度揉んでも飽きることがなく、手を動かすことを止められない魔力を秘めた膨らみだった。
「あぅんっ……あっ、あぁっ……ああんっ……」
 乳首がプクッと起き上がり、まるで誘っているかの様にフルフルと揺れ動いた。
 体の奥底から吸い付きたい衝動が湧き起こり、顔が自然と乳房に近づいていく。
 むしゃぶりつく様にして乳首を口に含み、チュパチュパと吸い上げる。
「はぅっ……あっ、あっ、ああっ……はぁんっ……」
 母が頭を仰け反らせ、今まで以上に大きな喘ぎ声を上げた。
 光信は、まるで餓死寸前の者がようやく手にした食物を食べるかの様に、何度も乳首を吸い上げ荒々しく乳房を揉みしだいていった。
「ああんっ、あっ、ああっ……あっ、あっ、ああんっ……」
 舌先で乳首をレロレロと弾き、千切れんばかりの強さで吸い上げ口から放すと、ポヨヨンと乳房が揺れ動いて興奮を誘う。
(ああ……たまらない……たまらない……たまらない……)
 光信の目は血走り、とにかくこの柔らかくて温かい膨らみをいじるのだという切迫感にも似た思いに押されながら、何度も乳房を揉み、乳首を吸っていった。
(次は……こっちだ……)
 しばらくして取り合えず乳房への欲求を満足させた光信は、続いて体を下半身に移動させた。
 浴衣が乱れたため、すでにあらわになっている白い太ももを手で撫でながら、そのまま舌を這わせて強く吸っていく。
「あっ……はぁっ……あっ……」
 母が体をピクピクと震わせ、悩ましい声を上げた。
 湧き起こってくる唾液を擦り付けるかの様にベロベロと舐め回し、舌を太ももから足の先まで這わせていく。
「ああっ……あっ……あはぁっ……」
 程よい太さの脚を高く掲げながら、舌を何度も上下に移動させて舐め上げる。
「あっ、ああっ……あんっ……」
 甘い声を気持ち良く聞きつつ左右の脚を交互に舐め、足の指一本一本を口に含んだ後、太ももに吸い付きポンッと放すのを繰り返す。
「あんっ……ああっ……はぅっ……」
 母の股間からはダラダラと愛液が垂れており、それを目にした光信は、いよいよとばかりに意識をその部分に向けた。
 幼い頃、母と一緒に風呂に入って見た事があるはずだが、その時の記憶はほとんどない。
 思春期を迎えた今、神秘の箇所である母の股間を早く見たいという思いが体を突き動かした。
 手を伸ばして白いパンティに手をかけると、ゆっくり脚から引き抜き、左右に脚を開いて股間に顔を近づける。
(凄い……)
 目の前にあるのは、肉の襞だった。
 まるで内臓の様な複雑な形のヒダヒダが見える。
(これが……女……)
 母の呼吸に合わせてピクリピクリと微かに蠢く様子は、まるで早く何とかして欲しいと訴えているかの様だ。
 光信はそこにそっと指を這わせた。
「あぅっ……」
 ピクッと母の体が動き、甘い声を上げる。
(気持ちいいんだ……)
 己の肉棒と同じ様に、そこを擦ると気持ちがいいのだと思った光信は、そのままゆっくりなぞっていった。
「あっ……ああっ……あんっ……」
 母が体をいやらしくくねらせ、もっとして欲しいと言わんばかりに腰を近づけてくる。
 その様子に興奮を高めた光信は、夢中になって何度も擦っていった。
「あぅっ、あっ、あはぁっ……あっ、あっ、ああっ……」
 母が体を震わせながら、気持ち良さそうな声を上げる。
「み、光ちゃん……な、舐めて……」
 小さな声が聞こえ、その事に驚きつつ顔を見つめると、母は一瞬潤んだ瞳で訴える様にこちらに視線を向けた後、恥ずかしそうに顔を背けた。
(お母さん……)
 今の母の言葉は、自分との行為を認めたものだった。
 母は自分を受け入れている。
 自分とこうなっている事を母は受け入れているのだ。
 光信の心に歓喜の思いが広がった。
 肉欲にまかせて大好きな母を襲ったはいいが、もしかしたら母に嫌われるかもしれないという心配があったのだ。
 しかし母は、自分とこうなっている事を喜んでいる。
 もっとしてくれ、もっと気持ち良くしてくれと頼んでいる。
 自分にここを舐めてくれとおねだりしているのだ。
(お母さん……)
 嬉しくなった光信は、母をもっと気持ち良くさせようと、舌を伸ばして秘所をべロリと舐め上げた。
「ああっ……あっ、ああっ……」
 ビクンビクンと母が体を弾ませ、いやらしく悶える。
 その事に興奮した光信は、さらに力を入れて舌を這わせていった。
「あんっ、あっ、ああっ……あっ、ああっ、あぅっ……」
 母が体をガクガクと震わせながら、もっとして欲しいと言わんばかりに腰を押し付けてくる。
「ああんっ、あっ、はぁっ……あっ、あっ、ああっ……」
 そのまま秘所全体を吸い上げる様にすると、母は頭を左右に振り、シーツに爪を立てて体を震わせた。
(穴だ……)
 舐めているうちに、男の体には存在しない小さな穴を見つけた。
「あっ……」
 そこに指をそっと差し入れると、母が悩ましい声を上げた。
 温かでヌルヌルとした感触に指が包まれ、光信は何やら落ち着かない思いに捉われ始めた。
(ここに……ここに入れたい……)
 ボンヤリとした知識しか無くともやはり本能が知っているのだろう、股間で激しく猛っている肉棒をその穴に入れたい衝動が湧き起こってきた。
 初めて生の女体に触れ、舐め回し、精神的な満足を得たが、まだ肉体的な欲求は全くと言っていいほど解消されていない。
 男の肉体的快感の塊である肉棒は、イラつく様にビクンビクンと蠢き、先汁の液を多量に出してパンツの中を冷たい感触で満たしていた。
(入れるっ……入れるんだっ……僕はっ……入れるっ……)
 激しい衝動に突き動かされた光信は、慌てて浴衣を脱ぎパンツを降ろすと、すでにギンギンに硬くなっている肉棒を、今舐めていた秘所へと近づけていった。
 ズブッ……。
「あぅんっ……」
「うぅっ……」
 亀頭の先が膣穴にハマると同時に親子の声が部屋に響いた。
(ああ……凄い……何だこれ……うぅ……)
 光信は股間から押し寄せるたまらない快感に頭を仰け反らせた。
 温かでヌルヌルとした感触が亀頭を締め付け、微妙に蠢く肉襞によって奥へ奥へと引き込まれていく。
「あぐっ……かっ……」
 腰が勝手に前に動き、肉棒が徐々に膣へと収まっていくのと同時にさらなる快楽が湧き起こってきた。
「あっ……あぅっ……ああっ……」
 母の顎が上がり、体が微妙に頭の方へ逃げる様に動く。
「ああんっ……」
 それを追いかける様にして肉棒を強く押し込むと、母が激しく背中を仰け反らせて悶えた。
「あぅっ……あんっ……」
 ズンっ、ズンっ、とゆっくり突き上げる様にして肉棒を押し込んでいき、その度に母が頭を仰け反らせてシーツをギュッと握り締めるのを眺める。
(凄い……ああ……凄い……凄い……凄い……)
 腰を動かすたびにたまらない快感が股間から押し寄せ、肉棒を突き込むことを止められない。
 光信はだんだんと速度を上げ、リズミカルに肉棒を出し入れていった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……あっ、あっ、ああっ……」
 その動きに合わせて母が甘い声を上げ、それを聞けば聞くほど腰の動きに力が入っていく。
「あぅっ、あっ、ああっ……光ちゃん、はぁっ……光ちゃぁんっ……」
 自分を呼ぶ母の声に答えて顔を近づける。
 潤んだ瞳でこちらを見上げる母と目が合い、グイと頭が引き寄せられた。
「あっ、ああっ、ああんっ……いいわ、はぅっ……いいのよ、ああっ……いいわぁっ……あっ、あっ、ああっ……」
 腰に脚が絡み、母がしがみつく格好となった。
「あぅんっ、あっ、あはぁっ……光ちゃん、やぁっ……光ちゃん、あぅっ……光ちゃぁんっ……はっ、はぁっ、はぁっ……」
 頬を擦り付けられるのと同時に膣内がキュウッと締まる。
 まるで母の肉体に取り込まれたかの様な錯覚を感じつつ、自分が今、母と体を繋げているのだという事実に光信は興奮を高めた。
(ああ……お母さんのここ……凄い……気持ちいい……信じられない……お母さんのここにチンチン入れてると……たまらない……凄いよぉ……)
 初めて体験する女体の気持ちの良さに、光信は顔をだらしなく緩めながら熱心に腰を振り続けた。
「あっ、ああっ、ああっ……やっ、やぅっ、やぁんっ……」
 痛いほどに硬く大きくなった肉棒は、温かでヌルヌルとした母の膣に収まり、柔らかく締め上げられている。
 それは自分が母の腹の中にいた時の感触の様に思え、光信は温かで心地良い気持ちになった。
(そうだよ……僕は……僕はここにいたんだ……産まれる前に……お母さんのここに……ここにいたんだぁ……)
 自分が産まれた場所へ再び帰っているのだという事実が、母への想いを高め、ますます腰の動きが早くなっていく。
「ああっ、あっ、あんっ……はぅっ、はっ、はぁっ……」
 肉棒を締め付ける膣も、己が産み出した分身を歓迎するかの様に激しく蠢き、奥へ奥へと誘った。
「あんっ、あんっ、ああんっ……いい、ああっ……いいの、はぅっ……光ちゃんいいぃっ……あっ、ああっ、あはぁんっ……」
 密着しているために腰の動きで擦れる肌が心地良い。
「お母さんっ……お母さんっ……お母さぁんっ……」
 肉棒から体全体に快楽が広がっていき、光信は夢中になって腰を振っていった。
(気持ちいい……ああ……何て気持ちいいんだろぉ……)
 今感じている快楽は、これまでの人生で味わった事の無いたまらないものだった。
(最高だ……ああ……最高だよ……お母さんのあそこが……僕のチンチンを締め付けて……うぅ……気持ちいいっ……)
 温かくヌルヌルとした最高の感触を与えてくれる膣は、肉棒をキュウキュウと締め付け、頭が真っ白になるほどの快感を伝えてくる。
「ああんっ、あっ、あはぁっ……光ちゃん、はぅっ……光ちゃんもっとぉ、ああっ……光ちゃんもっとよぉっ……」
 今まで見た事の無い悩ましい女の顔を見せながら、これまた聞いた事の無い甘ったるい声でおねだりしてくる母の姿は、光信の中にある雄を刺激し、それまで以上に興奮を高めた。
「うぅ……お母さん出るっ……僕出ちゃうっ……もう出ちゃうよぉっ……」
 押し寄せる射精感に頭を仰け反らせる。
 自慰では経験した事のない高まりが感じられ、最高に気持ちのいい瞬間が近づいているのだという事が分かった。
「いいわ、ああっ……いいのよ、あんっ……出しなさい、あっ……お母さんの中に、あぅっ……お母さんの中に出すのよぉっ……」
 母がまるで逃すまいとするかの様に腰に脚を絡ませ、強く引き寄せてくる。
「うぅっ……」
 その瞬間、膣内が強烈に締まり、光信はもう我慢ができなくなった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……いいわ、ああっ……いい、はんっ……光ちゃんいいのぉっ……あっ、あっ、ああっ……凄い、やっ……凄いの、やぁっ……凄いぃっ……はんっ、はんっ、はぁんっ……イっちゃう、ああっ……イっちゃう、あんっ……イっちゃうぅっ……あっ、あっ、あぁあああああああっ!」
「お母さぁんっ!」
 ドクドクドクドク……。
 息子の幼い肉棒は、ついに母の熟れた膣に精を放った。
 これまで感じていた快感を示すかの様に、多量の精液が注がれていく。
「うぅ……あぁ……うっ……」
 光信は体を激しく震わせながら、頭を真っ白にして何度も何度も精を放っていった。
 己の股間から、精液が物凄い勢いで放出されていくのが伝わってくる。
(ああ……こんな……こんな凄い……こんなにいっぱい出るなんて……)
 自慰では経験した事の無い凄まじい量の精液が吐き出されているのに驚きつつ、それに伴って押し寄せてくる快感に光信は頭を仰け反らせた。
(最高だっ……最高だよっ……こんなのっ……信じられないぃっ……)
 初めて経験する膣内への射精。
 その想像以上の気持ちの良さに、光信は顔をだらしなく緩めて射精を続けていった。
「うぁ……う……うぅ……」
 しばらくしてようやく放出を終えると、ゆっくり母の柔らかな肉体の上に倒れ込む。
 荒い呼吸を繰り返しつつ、その温かな肉の感触にうっとりとなる。
(ああ……凄い……凄く……凄く気持ち良かった……)
 光信は頭をぼぉっとさせながら、これまでの人生で感じた事のない最高の快楽に浸っていた。
(これって……セックス……セックスだよね?……僕……お母さんとセックスしちゃったんだ……)
 自分がした行為が、今までぼんやりとしか知らなかったセックスだという事に気が付く。
 本来夫婦や恋人同士がする行為を母親としてしまったのだ。
 理由は分からないが、光信はその事に何やら罪悪感を覚えた。
(あ……)
 だが次の瞬間、入れたままの肉棒がピクリと動いた。
 膣襞がヌメヌメと蠢き出し、たまらない気持ちの良さを伝えてくる。
 目の前に母の上気した顔があり、せつなげに宙を見つめているその表情にドクンっと心臓が高鳴る。
 ゆっくり体を起こして見下ろすと、母の艶かしい肉体が目に映った。
(お母さんの……オッパイ……)
 すでに申し訳程度にしか体を隠していない浴衣から見える乳房は、ほんのり赤みを帯び、まるで誘う様にプルプルと揺れ動いている。
(したい……お母さんとしたい……)
 先ほどの様に母の肉体を舐め回し、貪り、腰を動かしたい欲求が激しく湧き起こってくる。
「光ちゃん……」
 母の小さな声が聞こえ、その潤んだ瞳と目が合った瞬間、もう何も考えられなくなった。
「お母さんっ」
 光信は母の唇に吸い付くと、激しく舌を絡ませ吸い上げていった。
「んっ……んっ……んんっ……」
 母も腕を背中に絡ませ、強く抱き締めてくる。
 母子は、まるでそうしなければ死んでしまうかの様な勢いでお互いの唇を貪りあった。
「んんっ、んっ……んんふぅっ……んっ、んっ……んっ……光ちゃん、ああっ……光ちゃぁんっ……」
 せつなげに呼びかけてくる母の声に、光信の腰が勝手に動き出した。
「ああっ、ああっ、ああんっ……いいっ、いいっ、いいのぉっ……」
 自分の腰の動きで母が激しく悶える。
 それはたまらない快楽だった。
「こうっ?……これがいいのっ?……これがいいんだねっ……?」
「そう、あっ……そうよ、ああっ……それがいいのぉっ……あんっ、あんっ、ああんっ……」
 母が頭を左右に激しく振って体を震わせている。
「あふっ、あっ、ああっ……激し、あんっ……激しいの、ああっ……激しいぃっ……」
 肌が触れ合い、まるで溶け合うかの様なその感触に気持ちの良さが高まっていく。
「あはぁっ、あっ、あふぅんっ……やっ、やぁっ、やぁんっ……」
 母の可愛らしい声に心臓が跳ね上がった。
 少女の様な母の声は、光信にたまらない快感を感じさせたのだ。
(はは……凄い……凄いぞ……お母さんが……お母さんが女の子に……女の子になってる……僕の……僕のチンチンのせいで……お母さんが可愛くなってる……)
 十三年間、ずっと言う事を聞き、従ってきた母。
 その母が、まるで同級生の女の子の様に可愛らしい声を上げ、甘える様に体を擦り付けてきている。
 それは、信じられないたまらない光景だった。
「やっ、やっ、やぁんっ……光ちゃん、あんっ……光ちゃん、はぅっ……光ちゃぁんっ……」
 腰を回転させる様に動かしながら突き込むと、母が激しく頭を仰け反らせた。
「これがいいのっ?……こうして欲しいっ?……どうなのっ?」
「やんっ、やんっ、やはぁんっ……そう、ああっ……それよ、あぅっ……それをお願いぃっ……」
 もう母は、完全に光信の言いなりだった。
 腰の動きを緩めればおねだりする様にこちらを見つめ、激しく出し入れすると嬉しそうに微笑む。
(はは……凄い……お母さんがこんなになって……こうしてチンチン入れると……女はこんなになるんだ……)
 今まで感じた事のない喜びを発見し、光信は興奮を高めていた。
 自分の腰の動き一つで母は甘い声を上げ、激しく悶える。
 それはまるで、母を自分の物にしたかの様な興奮があった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……光ちゃん凄いの、ああっ……光ちゃん凄い、あんっ……光ちゃん凄いのぉっ……」
 頭を激しく左右に振って母が悶えている。
 光信は最高の気分だった。
 母は自分を褒め称え、甘える様にこちらを見つめてくる。
 それはまさに男に媚を売る女の姿であり、その態度はたまらない快楽を光信に感じさせていった。
(こんな……こんなの凄いよ……お母さんが……お母さんが僕の言いなりになってる……)
 女を自由にする行為が、これほど気持ちのいい事だとは思わなかった。
 無論肉体的な快感もあるが、こうして自分の腰の動き一つで反応を示す姿を見ていると、精神的な快楽が湧き起こってくるのだ。
「あふっ、あっ、あはぁっ……」
 ズンっ、ズンっと貫こうとせんばかりに強く突き込むと、母が頭を仰け反らせてギュッとシーツを掴んだ。
「光ちゃんそれぇ、あっ……それいい、やっ……それいいのぉっ……」
 腰の動きに合わせて豊かな乳房がブルンブルンと揺れ動き、光信はそれをギュッと掴むと、激しく揉みしだいていった。
「あぐっ、あっ、あはぁっ……オッパイ、あぅっ……オッパイをそんな、やんっ……オッパイいいぃっ……」
 頭を左右に振って母は腰を強く突き上げてくる。
 膣もその動きに呼応するかの様にキュウキュウと肉棒を締め上げ、光信は射精感が高まっていくのを感じた。
「うぅっ……またっ……また出るよっ……また出るよお母さんっ……」
「いいわ、あっ……いいの、はぅっ……出して、ああっ……お母さんの中に、はんっ……お母さんの中にぃ、あっ、あっ、ああっ……」
 脚が腰に絡みつき、精を逃がすまいとするかの様な母のその動きに、光信は我慢の限界に達した。
「あんっ、あんっ、ああんっ……凄い、あっ……凄いの、ああっ……光ちゃん凄いぃっ……やっ、やっ、やぁっ……イっちゃう、はぅっ……イっちゃうの、ああっ……イっちゃうぅっ……やぁああああああああっ!」
「お母さんっ、お母さんっ、お母さぁんっ!」
 最後に思い切り突き込み、一気に精を放つ。
 ドピュドピュドクドクドクドク……。
 幼い肉棒から多量の精液が勢い良く放たれ、母の熟れた膣へと注がれていく。
 光信は体をガクガクと震わせながら、何度も何度も精を放っていった。
「あ……ああ……ああ……」
 流れ込んでくる精液を感じているのか、母が小さな声を上げながらピクピクと反応している。
「うぅっ……」
 最後の放出を終えた光信は、そのまま力を抜いて母の温かで柔らかな肉体に倒れ込んだ。
 はぁはぁと荒い呼吸を繰り返しながら呼吸を整えていると、再び肉棒がビクンと動いた。
 ムラムラと肉欲が湧き起こり、また母を抱きたくなってくる。
 上気してうっとりとしている顔を見つめると、母は行為を促す様に小さく頷いた。
「お母さんっ!」
 叫ぶと同時に起き上がり、光信は再び腰を激しく動かしていった。


 窓の外はボンヤリと明るくなっていた。
 もう夜が明けたのだ。
 だが、光信はまだ母を抱いていた。
 何度精を放ってもそのたびに肉欲が湧き起こり、母の肉体を求めずにはいられなくなるのである。
 今は四つんばいにさせ、後ろから貫いていた。
「ああっ、あっ、あはぁっ……いいっ、いいっ、いいぃっ……」
 激しく突き込むと、母が頭を仰け反らせ、アップにした黒髪を振り回しながら悶えた。
(凄い……お母さんがおかしくなってる……)
 肉棒を押し込まれただけで狂った様に体を震わせる母の姿は、光信にとって驚きの光景だった。
 セックスを始めてから何度もそういった様を見ているが、全く慣れる事がない。
(お母さんが……こんなになって……凄くエッチだ……)
 自分にとって母は「母親」という存在であり、それ以外の何者でもないはずだった。
 ところが今、目の前にいる母はいやらしい喘ぎ声を上げ、甘える様におねだりをしてくる。
(お母さんも女……女なんだよな……)
 これまで水着のグラビアなどで自慰をしてきたが、そういった女たちと母は違うものだとばかり思っていた。
 水着姿を見せて男の興奮を誘う様な女たちと、母は違うのだと思っていた。
 しかし何の事はない、母も彼女たちと同じなのだ。
 肉棒を押し込まれ腰を動かされれば、涎を垂らしながら悶え狂う、そういった女。
 そう、母とは言えど、男にこうして快楽を与える女である事に違いなかったのである。
「ああんっ、あっ、あはぁっ……光ちゃん、あぅっ……光ちゃんもっとよ、ああっ……光ちゃんもっとぉっ……」
 母が振り返り、せつなげな目でおねだりしてくる。
「ああぅっ、あんっ、ああっ……そう、はぅっ……そうよ、あんっ……そうなのぉっ……」
 それに答える様に腰を突き込むと、母が嬉しそうな声を上げて頭を激しく仰け反らせた。
「あっ、あっ、ああっ……いい子ね、あんっ……やっぱり光ちゃんはいい子、ああんっ……お母さん嬉しいわ、やぁっ……」
 普段褒めるのと同じ様な口調で言われ、自分が他の誰でもない、実の母とセックスしているのだという事に興奮が高まっていく。
「光ちゃんがこんな、はぅっ……こんな大きくなって、あっ……こんなに気持ち良くさせて、あんっ……あっ、あっ、ああっ……凄い、あんっ……光ちゃんなのに、はぅっ……光ちゃんなのに凄いぃっ……」
 母も同じ様に感じたのか、息子に快楽を与えられている事に興奮している様だ。
 その事に体も反応したらしく、膣が肉棒を強く締め上げてきた。
「うぅっ……最高だよっ……お母さんは最高だぁっ……」
 何度精を放っても止めることができない。
 なぜ自分がこれほど母の肉体に執着してしまっているのか分からなかった。
 初めて経験したセックスにハマってしまったとも思えるが、それにしてもここまで狂った様に求めてしまうのは不思議だった。
 もう数え切れないほど母の中に精を放っている。
 自慰ならば一度射精すれば落ち着くのだが、母とセックスしていると次から次へと肉欲が湧き起こり、止めることができないのだ。
「はんっ、はんっ、はぁんっ……あぅっ、あっ、あはぁっ……」
 母が腕を崩して上半身を布団につけ、尻を高く掲げる様な姿勢になった。
 光信は柔らかな尻をしっかり抱えると、それまで以上に腰を激しく前後させていった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……いいっ、いいっ、いいぃっ……光ちゃん凄い、あぅっ……光ちゃん凄いの、ああっ……光ちゃん凄いぃっ……」
 シーツをギュウッと握り締め、体に引き寄せる様にしながら母は頭を仰け反らせている。
「うぅっ……お母さん僕出るっ……もう出るよっ……もう出ちゃうっ……」
「あっ、あっ、ああっ……いいわ、あんっ……いいの、はぅっ……いいのよぉっ……あんっ、あんっ、ああんっ……お母さんもイっちゃうから、あふっ……お母さんイっちゃう、あんっ……お母さんもイっちゃうのぉっ……やっ、やっ、やぁあああああああっ!」
「お母さぁんっ!」
 ドクドクドク……。
 何度も放っているのが嘘の様に、多量の精液が母の膣に注がれていく。
 光信はブルブル体を震わせながら、ドピュドピュと精液を放っていった。
 しばらくしてようやく射精を終えると、そのまま母の背中に体重を預ける。
 母も力を抜いたため、親子は重なる様にして布団に倒れ込んだ。
 ハァハァと二人の荒い呼吸が部屋に響く。
(ああ……やっと……大丈夫だ……)
 ようやく満足できたのか肉欲は湧き起こってこず、疲れのせいか強い睡魔が押し寄せてきた。
「光ちゃん……」
 静かな声で母が声をかけてくる。
「お母さん、光ちゃんに良くない事しちゃったわ……今した事は、親子でしちゃいけない事なの……気持ち良かったでしょうけど……もうお母さんとはしちゃいけないの……分かった?」
 光信は母の言葉を残念に感じつつ、それも仕方の無いことなのだろうと思った。
 いくら信じられない程に気持ち良くとも、実の母親と肉体を繋げ合う事が許されない行為だというのは、何となくだが分かったからだ。
 世の中に親子で夫婦になっている者がいない以上、自分たちがした行為は間違っているのだと思ったのである。
 今したのは、親子でしてはならない事。
 二度としてはいけない事なのだ。
 そう自分を納得させながら、母の言葉に答えようと口を開く。
「うん……もうしないよ……」
 光信の声を聞いた瞬間、母はホッとする様に息を吐き出した。
「今の事は夢……夢なのよ……次に起きたら私たちは元の親子……そうしましょう……約束よ……」
 母は静かにゆっくりと言い切った。
「うん……」
 その言葉に素直に頷く。
 もう二度と母とはセックスできないだろう。
 それは非常に残念な事ではあったが、自分たちが親子として生きていくには仕方が無い事なのだ。
(いいんだ……これでいいんだよ……)
 今日自分は、母に筆下ろしをしてもらい、信じられないほどに気持ち良くしてもらった。
 それでいいではないか。
 昔から母には色々と世話を焼いてもらってきた。
 これもそういった事の一つなのだ。
 大好きな母に童貞を捧げたのだから、これ以上の幸せはないだろう。
 それは親子の関係としては間違った行為ではあるだろうが、これっきりならば何も問題は無い様に思えた。
(次に目を覚ましたら……また普通の親子になるんだ……それでいい……)
 光信は残念に感じている自分を振り払う様にそう思うと、瞼を閉じて眠りの世界へと落ちていくのだった。


 だが約束は守られなかった。
 その日の夜も、母子はお互いの肉体を求め、体を繋げ合ったのである。
 どちらかが強引に襲ったという訳ではない。
 自然と体が近づき、気が付いたら抱き合っていたのだ。
 どうしてなのか理由は分からない。
 抑え切れない肉欲が湧き起こり、母を抱いてしまったのだ。
 それは母も同じ様で、「おかしくなっちゃった……」と悲しげに呟きつつ、激しく光信を求めてきた。
 そしてそれから数日間、親子は体を重ねながら朝を迎えていたのである。
「あっ、あっ、ああっ……光ちゃんいいわ、あんっ……いいの、あぅっ……光ちゃんいいっ……」
「お母さんもいいよっ……僕っ……たまらないっ……」
 母を組み敷き、肉棒を押し込んで腰を動かしていると、信じられないほど元気が湧き起こってくる。
 光信はこの数日で母の肉体にすっかりハマってしまっていた。
 それも当然だろう、元々ヤりたい盛りの思春期である。
 熟れた女体の味を知ってしまった少年が、それに夢中にならずにいられる訳がなかった。
(でも……いけない事なんだよね……)
 ただ罪悪感だけは存在している。
 母と肉体を繋げ合う事に許されない思いを抱いていたのだ。
 だがそれが逆に興奮を高め、余計に母に対する執着を高めている事に光信は気づいていなかった。
 自分はいけない事をしている。
 そう思いながら、それによって激しく猛る肉棒を押し込み、腰を動かしていたのだ。
 母がどう思っているのかは分からない。
 いつも行為を終える時には「これきりにしましょう」と言うのだが、夜になると自ら望む様に体を寄せてくる。
 その言動の違いを不思議に思うのだが、自分にしても母を求めずにはいられなくなるのだから人の事は言えないだろう。
「あんっ、あんっ、ああんっ……光ちゃん、ああっ……光ちゃん、あぅっ……光ちゃぁんっ……」
 母がギュッと抱きつくと同時に、膣が肉棒をキュウッと締め上げてきた。
 それに耐え切れなくなった光信は、精を放とうとそれまで以上に腰を激しく動かしていった。
「やっ、やっ、やぁっ……凄い、あぅっ……凄いわ、ああっ……凄いのぉっ……あんっ、あんっ、ああんっ……お母さんイっちゃう、はぅっ……お母さんイっちゃうの、ああっ……お母さんイっちゃうぅっ……あぁあああああああっ!」
「お母さんっ!」
 ドクドクドクと、激しい勢いで精が放たれていく。
 光信は押し寄せる快感に頭を仰け反らせながら、何度も何度も精を放っていった。
 しばらくして射精を終えると、ゆっくり母の体の上に倒れ込む。
 荒い呼吸を繰り返しながら、光信は母の柔らかな肉体の感触に心地良さを感じた。
 肉欲は湧き起こってこない。
 どうやら今日はここまでの様だ。
「ね、光ちゃん……」
「ん? なに?」
 母がしんみりとした声を出しながら、こちらを真面目な顔で見つめてきた。
「私たち……いけない事、してるわよね……?」
「うん……」
「実の親子で、母親と息子がセックスするなんて……いけない事だって分かってるわよね……?」
「うん……分かってるよ……」
 ここ数日何度も交わしている、自分たちの行為を確認する会話を行なう。
 毎日この会話をした後に、「次はもう止めましょう」と言って寝るのだ。
 だが今日はどうやら何か言いたい事がある様で、母はそこで止めずに話を続けた。
「でもしちゃうのよね……お母さん、毎日終わった後に『止めよう。もう光ちゃんとセックスしない』って思うんだけど……夜になると駄目なの……どうしても光ちゃんが欲しくなっちゃって……気が付くと、しちゃってる……光ちゃんはどう? そうじゃない?」
「う、うん……僕も同じだよ……僕も夜になるとお母さんとしたくてたまらなくなる……」
 母の「光ちゃんが欲しくなっちゃって」という言葉に興奮しながら答える。
「やっぱりそうなのね……お母さんだけかと思ったけど、光ちゃんもそうなら……あれってホントにそうなのかな……?」
「『あれ』って?」
「幽霊の仕業じゃないかって……」
「幽霊?」
 予想外の言葉に驚く。
 母にしても自分にしても、そういった怪奇現象には懐疑的だったからだ。
「私も信じたくないけど……そう考えると納得ができるのよ」
「でも、そんな事って……」
 確かにこれほど肉欲に狂ってしまうのはおかしな事だったが、幽霊の仕業というのはどういう意味なのだろう。
「調べてみたのよ。この家で何かなかったかって」
「何かって……?」
「私たちがおかしくなったのって、この家に引っ越して来てからでしょ? それまでこんな事は無かった……同じ様に二人きりで暮らして、夜も一緒に寝てたけど、セックスしたいなんて思わなかったもの……それなのにこの家に来た途端、したくてたまらなくなるなんておかしいじゃない」
 確かにその通りだった。
 この家には、母子の肉欲を刺激する何かがあるとしか思えない。
「それで調べてみたら分かったの……この家で昔、人が死んでるって……」
「死んでる……?」
「ええ……だから家賃が安いんだと思ってたからどうでもいいんだけど……でもその死んだのって親子三人らしいのよ……それで……その母親と息子は近親相姦の関係だったって……」
「え?」
「それで、その事を知った父親が二人を殺して自分も死んだそうよ」
「……」
 何とも悲しい事件だった。
 もし死んだ父が生きていたら、自分たちも同じ目に遭っていたのかも知れないのだと思うと、他人事には感じられなかった。
「だから私、その浮かばれない母親と息子が、私たちの体を使って想いを遂げようとしてるんじゃないかと思って……」
「想いを遂げる……?」
「きっと二人は愛し合っていたのよ……だけど親子だから、父親がいるからあんな結果になっちゃった……そういった事を私たちを使ってやり直そうとしてるんじゃないかって……」
 母はうっとりとした表情をしながら、見たこともない母子の恋愛に興奮している。
 しかし母の話はあくまで勝手な想像だ。
 二人が愛し合っていたかどうかは分からないし、父親がどういう理由で殺したのかも分からない。
 しかも「だからどうした」という程度の話でしかなかった。
「それでどうするの? お祓いでもしてもらう?」
 とても信じられなかったが、一応話を合わせてそんな事を言ってみる。
「え? 何言ってるの? そんな酷い事できないわよ」
「酷い事って……」
「想いを遂げられずに死んでしまったのよ。可哀想じゃない」
 てっきりお祓いをして今の状態を解決するつもりなのだと思ったのだが、どうやら母は違う考えを持っている様だった。
「じゃあ、どうするのさ」
「どうもしないわ。取り合えず害は無いんだし、このままでいいじゃない。そのうち満足して成仏してくれるわよ」
(害は無いって……)
 自分たちの今の関係は害ではないのだろうか。
 確かに光信にとっては、母とセックスする事は害どころか嬉しい行為である。
 大好きな母とセックスするのは最高だったし、何より女体の気持ちの良さを知った今、それを止める事など出来はしないからだ。
 だが母は違うと思っていた。
 何しろ毎回「もう止めましょう」と言ってくるし、少し辛そうにしているのを見たことがあったからである。
 しかし今母は、「害は無い」と言った。
 つまり母も、自分との行為を受け入れているという事になるのではないか。
「じゃあ、しばらくこうしてセックスするの?」
「え?……あ、う〜〜ん、そうなるわね……彼らが満足して成仏するまでは……私たちがして、あげないと……」
 少し恥ずかしそうに母が顔を赤くした。
「そうか……じゃあこれからも……お母さんとするって事だね……」
 光信は微笑みながら母の体を抱き締めた。
「そうね……」
 母も手を背中に回してくる。
(あ……)
 すると不思議な事に、それまで穏やかだった気分が落ち着かなくなり、激しい肉欲が湧き起こってきた。
 それは毎日母を抱く時に感じているのと同じものだったのだが、普段は一度落ち着くと再びそうなる事がなかったにも関わらず、今は興奮してしまっているのである。
 肉棒が痛いほど勃起し、ビクンビクンと蠢いている。
「光ちゃん……」
 母もやはり興奮しているのか、潤んだ瞳で何かを求める様にこちらを見つめてきた。
「お母さん……何かまた……」
「ええ……お母さんもよ……」
 光信は我慢できない様に慌てて起き上がると、母のすでに潤みを帯びた膣へと肉棒を押し込んでいった。
「あぅっ……」
「うぅっ……」
 親子の声が重なり、二人は同時に仰け反った。
「しちゃうのね……いけないけど……お母さん我慢できないから……光ちゃんとしたくて……したくてしょうがないからっ……」
 母は困った様な顔をしながら微笑んでいる。
「僕も……お母さんとしたくてしたくてたまらないっ……」
 光信は顔を近づけると、荒々しく唇を重ねた。
「んんっ……んっ、んふぅっ……光ちゃぁんっ……」
「お母さぁんっ……」
 母子はギュッとお互いを抱き締め合うと、再び許されざる行為へと没頭していくのだった。


 あれから数ヶ月が経った。
 未だに光信たちは近親相姦の行為を続けており、今夜もいつもの様に許されぬ交わりを繰り返していた。
「ああっ……光ちゃん、あんっ……光ちゃんいいわ、はぅっ……光ちゃん愛してるのぉっ……」
「僕もっ……僕もお母さん愛してるっ……」
 性器によって繋がった母子は、愛の言葉を交わし合い、お互いを求める様に体を動かした。
「いいっ、あっ……いいわっ……そう、あんっ……光ちゃん凄い、あんっ……お母さん、光ちゃん大好きぃっ……」
「僕もさっ……僕もお母さんが大好きだよっ……」
 毎日体を重ねていたせいか、二人の間にはいつしか親子以上の愛情が育ち、恋人同士が交わす会話をする様になっていた。
 元々家族として愛していた相手とのセックスは、その愛情に火をつけ、高める効果をもたらしたらしい。
 さらには二人きりの環境がそれを助長したのかも知れない。
「あんっ、ああっ、あはぁっ……もっとよ、あんっ……もっとして、ああっ……お腹の赤ちゃんに、あんっ……届くくらい、はぁんっ……」
 母は妊娠していた。
 無論光信の子である。
 毎日避妊もせず肉体関係を結んでいるのだから当然の結果だろう。
 だがその事を二人とも悔やんではいなかった。
 すでに夫婦の様な感覚でいたため、妊娠が分かった時はただ喜んだだけだったのである。
「あっ、あっ、ああっ……そうよ、あんっ……そう、ああっ……光ちゃんそうっ……お父さんのオチンチン、はんっ……赤ちゃんに感じさせてぇっ……」
 母は、己が実の息子の子種で妊娠している事に喜びを感じている様だった。
 最も愛する息子の子を自分が産む。
 確かにこれほど母親にとって最高の愛情表現はないだろう。
 そして息子から与えられる愛情としても、それは最高のものに違いなかった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……いいわ、ああっ……いいの、はぅっ……いいぃっ……」
「僕もいいよっ……お母さんの体は最高だっ……たまらないっ……」
 母の喘ぎに促される様に、光信の腰の動きも加速していく。
「あはっ、あっ、あはぁんっ……もう駄目、ああっ……もう駄目よ、あんっ……お母さんもう駄目ぇっ……やっ、やっ、やぁっ……イっちゃう、あんっ……イっちゃうのぉ、ああっ……イっちゃうぅっ……」
 母が頭を左右に激しく振って悶えた。
「それじゃイくよっ……僕もイくからっ……一緒にイこうっ……」
 光信が力強く突き込み、腰をさらに激しく動かす。
「ああんっ、あっ、ああっ……凄い、あっ……光ちゃん凄、あんっ……光ちゃん凄いのぉっ……やんっ、やっ、やはぁっ……駄目、あっ……イく、はんっ……お母さんもうっ……あっ、あっ、あぁああああああああっ!」
「お母さぁんっ!」
 激しい勢いで精が放たれる。
 光信はたまらない快感に涎を垂らしながら、何度も腰を振り、快楽に頭を真っ白にさせていった。
 ドピュドピュと最後の放出が終わると、そのままゆっくり母の体の上に倒れ込む。
 ハァハァと荒い呼吸を繰り返しながら、親子はお互いを確認しあうかの様に抱き合った。
「やっぱりお母さんは最高だね……僕、お母さんの子供で良かったよ……こんな美人でいい体してて……セックスまでさせてくれる母親なんていないもん……」
「お母さんもよ……お母さんも光ちゃんのお母さんで良かったわ……光ちゃんのオチンチン最高なんですもの……こんな風に気持ち良くしてくれる息子なんていないわよ……」
 母子は微笑みながら軽いキスを繰り返した。
「でもそういや……あの感じ……無くなったけど、どうしたのかな?」
「え? ああそうね……いつの間にか無くなってた……」
 この家に引っ越して来て以来、ずっとあった肉欲を高まらせる現象が、つい最近無くなったのである。
「やっぱり幽霊のせいだったのかしらね……」
「え?」
「だって妊娠してからよ、あの変な状態が無くなったのって……私たちに子供ができたから、死んだ親子は満足して成仏したんじゃないかと思って……」
「そう言えば……そうか……」
 光信は幽霊のせいなどとずっと思ってはいなかったが、こうして妊娠と現象の消失が同じ時期であると、母の言葉が正しい様に思えてくる。
「考えてみると……私たちの初夜って、この間だったのかもね」
「え?」
「だって、ずっと私たちって、どうしようもなく興奮したせいでセックスしてたじゃない。自分たちの意思でしたのって、この間が初めてだったから……」
 初めて肉欲が湧き起こらなかった夜、戸惑いながら今後どうするのかを二人は話し合った。
 そして、もうすでにお互いが離れられないほどに愛し合ってしまっている事に気が付いたのだ。
「光ちゃんが……お母さんのこと……一人の女として愛してるって言ってくれたの……凄く嬉しかったわ……」
「僕だって……お母さんが僕のこと……一人の男として愛してるって言ってくれて……嬉しかったよ……」
 ギュッと抱き締め合う。
「この子……光ちゃんとの赤ちゃん……戸籍上は弟か妹になっちゃうけど……可愛がってね……」
「うん、絶対可愛がるよ……何たって僕とお母さんの子供だもん……」
 光信は母に甘える様に頬を擦りつけた。
「ふふ……あんなに小さかった光ちゃんがお父さんか……時の経つのは早いものね……」
 母は遠い目をしながら呟いている。
「お母さん……」
「ん? 何?」
「僕、お母さんとセックスできて嬉しかった……最初にした時も、凄く嬉しかった……だって僕、ずっとお母さんが好きだったんだもん……小さい頃から、お母さんみたいな人と結婚したいって思ってたんだよ……」
「ふふ、嬉しいわ……じゃあ夢がかなったのね」
 母はニッコリと微笑みながら、頭を抱き締めてくる。
「うん……だからこれからも、僕のお母さんでいてね……」
「ええ、お母さんはいつまでも光ちゃんのお母さんよ……」
 母子はギュッと抱き締め合うと、激しい口付けを繰り返した。
 そしてそのまま再び肉体を繋げると、お互いの存在を取り込むかの様な激しさで体を絡ませていくのだった。












あとがき

 今回のテーマは、「なんとなく」です。
 誘惑されるのでもなく、強引に襲うのでもなく、お互いが何となく求めてセックスしてしまう、そんな話を書いてみました。
 しかし設定を考えようとしたところ、これが上手くいきません。
 母親を相手に「なんとなく」できるシチュエーションが思いつかないんですよね。
 姉とか妹は思いつくんですけど、母親はどうも駄目。
 で、仕方無しに今回の「場所の魔力」的な設定を考えた訳です。
「二人にその気は無いんだけれど、何故か湧き起こる肉欲に逆らえずセックスしてしまう」というものを。
 以前からそういう設定の話を考えていたので、「じゃあ、これで使ってしまえ」という事で作りました。
 ところがやってみると結構難しいんですよね。
 上手く描写できたかどうか不安です。
(2005.6.11)



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