姉弟愛


 土曜の夜。
 光彦は姉夫婦の家に来ていた。
 義兄とは同じ野球好きという事で気が合い、よくプロ野球の話をしていたのだが、今日一緒に試合を見に行ったのである。
 試合時間が長引いたため、球場から近い姉夫婦の家に泊めてもらう事になり、義兄とひいきチームの勝利を祝して酒を飲むことになった。
「はい、これでお終い……私は寝るからね」
 姉が机の上に茹でた枝豆を置いた。
「おお、別にいいぞ。どうせお前は野球の話は分からないんだからな。あとは光彦くんと楽しくやるさ」
 義兄は姉を追い払う様にして手を振っている。
「もうっ、野球のことになると冷たいんだから……みっくんもこんな人の相手する事ないわよ」
 姉は拗ねた様に呟く。
「ははっ。お姉ちゃん、野球に義兄さん取られちゃってるんだ」
「そうなのよ。野球と私とどっち取るかって聞いたら、絶対野球ね……そういう所は大嫌い」
 イーっと顔を歪めて義兄を睨む。
「うるさいうるさい、早く行けよ。俺はこれから楽しく過ごすんだからな」
「もうっ、知らないっ……じゃあ、みっくんもほどほどにね。まだそんなに飲み慣れてないんでしょう?」
「うん、大丈夫だよ。無理して飲まないから」
「そうしてね……じゃあ……」
 姉は光彦に笑いかけると部屋から出て行った。
「ふ〜〜……まったく、野球のことになるとうるさいんだからな……」
 義兄はうんざりした様に呟いた。
「義兄さんと話せないからつまらないんでしょ」
「だったら野球のこと勉強してくれればいいんだよ。あいつ三振が未だに分からないんだぜ。俺が散々教えたってのに……」
「あ、それ、僕が小さい頃から教えてましたから無駄ですよ」
「うっ……そんなに教わってるのに覚えてないのか……」
 義兄はガックリと肩を落としている。
「まあ、そんな事は置いといて、今日の勝利について語りましょうよ……あ、この時間だとニュースでやってるんじゃないですか?」
「お、そうだそうだ……テレビテレビっと。あの感動をもう一度……」
 義兄がテレビを付けると、ちょうど光彦たちが見た試合が流れ始めたところだった。
 三対〇で負けていた七回の裏に、逆転の満塁ホームランを打つシーンである。
「おおっ……これだよこれ……これがあるからたまらないよなぁ……」
 義兄は興奮した様にビールを一気に飲み干した。
「あっちの監督はピッチャーの替え時間違えてますよね。もうヘロヘロだったもん」
「そうそう……でもま、そのおかげで勝ったんだからナイス采配だっ」
 光彦と義兄は一緒に笑った。


 そうして二時間ほど語り合っていると、義兄は酔いが回ったのかソファで寝息を立て始めた。
 光彦は傍に置いてある毛布をかけると、部屋の電気を消し、窓から差し込む薄明かりの中で残ったビールを飲んだ。
(お姉ちゃん……綺麗になったなぁ……)
 結婚してからしばらく会っていなかったが、久々に見た姉は以前より格段に美しくなっていた。
 全体的にふくよかになった様で、服の胸元を押し上げる膨らみや、スカートから伸びる太ももに思わず心臓の鼓動が激しくなったほどだ。
(胸……デカクなってるんだな……やっぱり義兄さんに毎晩揉まれてるせいなのかな……)
 姉夫婦の夜の営みを想像し、思わず股間の一物が硬くなる。
(お姉ちゃんと……したいなぁ……)
 光彦は姉が大好きだった。
 それは完全なシスコンであり、幼い頃から美人で明るい姉に夢中だったのである。
 光彦に対する姉の態度がひどく甘いのもその原因であろう。
 思春期を迎えても他の女の子に一切興味が向かなかった点からしてかなり重症だといえた。
 その想いはいつしか肉体への興味となり、中学生になる頃には姉をおかずにオナニーしていたくらいだ。
 無論、姉とセックスしたいと思ったことは何度もあった。
 だがさすがに行動に移すほど度胸は無かったのである。
 想いを伝えることができず、ズルズル年月が流れているうちに、姉に恋人ができ結婚してしまった。
 せめて結婚の前に想いを遂げようと寝室に忍び込んだこともあったが、結局最後の一線を越える事はできず、ホッとする様な悲しい様な想いを抱えたまま姉の結婚式を迎えたのである。
(ああ……お姉ちゃん……お姉ちゃんの胸に触りたい……揉みたい……舐め回して吸いたいよぉ……)
 Tシャツを押し上げる姉の豊かな膨らみ。
 先ほど枝豆を置く時に、胸の谷間とブラジャーが見えた。
 あの乳房を、あの白くて綺麗な柔らかそうな膨らみを、義兄は毎晩好きな様に揉みしだき、舐め回し、吸っているのだ。
(くそっ……僕もしたいっ……僕もしたいよ……何で一緒に暮らしてるうちにしなかったんだ……チャンスなんていくらでもあったのに……今じゃ会うのだって、こんなたまにしかなくなっちゃって……)
 自分の膝を叩いて悔しがる。
(二人きりになった時だって沢山あった……その時にしてれば……お姉ちゃんなら絶対させてくれたはずだ……お姉ちゃんは僕のこと……愛して……愛してくれてるんだから……)
 愛していると姉の口から聞いたことはない。
 だが絶対そうだという自信が光彦にはあった。
(僕が弟だったから……だからお姉ちゃんは諦めたんだよ……もし姉弟でも結婚できたら……お姉ちゃんは僕と結婚したはずなんだ……)
 姉が結婚したのは自分への想いを諦めるためだと光彦は考えていた。
 世間体を気にし、許されない弟への愛を捨てるために結婚したのだと。
 その証拠に、結婚してからこれまで一度も自分と会わなかったではないか。
 あれほど仲が良かったのに、一度も会いに来ないのはどう考えてもおかしいだろう。
 会ってしまったら弟への想いが抑えきれなくなってしまうと判断したに違いない。
(じゃあ……どうして今日会う気になったんだ……?)
 自分に問いかける。
 もう会っても大丈夫だと思ったのか、それとも違う思惑があるのか。
(違う思惑?……それって……)
 もしかして、自分との想いを遂げようとしているのではないか。
(そうだよっ……僕を泊まらせて……義兄さんを酔い潰して……それで……僕に……僕に抱いてって……言ってるんだ……)
 結婚したはいいが、やはり光彦への愛情を消すことができず、日々募るその想いを遂げようと今日誘ったに違いない。
(だからあんな風に、胸をワザと見せる様にしたんだ……あれは合図なんだ……僕に……僕に抱いて欲しいっていう……)
 光彦の頭の中では、自分に都合のいい解釈が次々と湧き起こっていた。
 酔っているのかも知れない。
 だがその酔いが起こしている妄想は、光彦をたまらない快楽の世界へ誘い込んでいた。
(ああ……そうだよ……僕は……僕は……お姉ちゃんを抱かなきゃいけない……お姉ちゃんが……僕に抱いて欲しがっているんだから……)
 姉への思慕と、体の奥底から押し寄せてくる肉欲が、酔いの勢いを伴って光彦の思考を禁断の行動へと急かしていく。
 光彦はスクっと立ち上がると、姉の寝ている部屋へ向かった。
 心臓はバクバクと脈打ち、もう一人の自分が「いけない」と止めるのだが、それがますます興奮を高め、股間の一物を激しくいきり立たせた。
 ゆっくりとドアを開け、中の様子を窺う。
 姉の穏やかな呼吸が聞こえ、すっかり寝入っているのが分かる。
 部屋の中に入るとベッドに近づく。
 スゥスゥと寝息をたてる姉の顔に近づき、その唇をジッと見つめる。
 柔らかそうなその部分は少し開いており、微かに舌が見えた。
 ゴクリと唾を飲み込むと、その唇に吸い付いていく。
「んっ……」
 軽く舌同士を触れさせた後、すぐに放す。
 一瞬乱れた姉の寝息が元に戻っていった。
(お姉ちゃん……)
 こうして姉にキスするのは初めてではない。
 昔から何度もしてきたのだ。
 だが、今日はその先に進む決意をしている。
 初めての行為に及ぶ事に激しい興奮が湧き起こり、自然と体がブルブル震えだす。
 ゴクリと唾を飲み込み布団を剥ぐと、パジャマに包まれた姉の姿が現れた。
 震える指でパジャマのボタンを外し、生の乳房をさらけ出す。
(お姉ちゃんの……オッパイ……)
 柔らかそうなその膨らみは、横たわっていても形が崩れることなく、美しい曲線を描いている。
 真っ白な塊の頂点には、まるで雪の中に落ちた実の様に淡い桜色をした乳首があった。
(綺麗だ……)
 見ているだけでもその美しさに感動を覚える。
 だが、目の前にあるのは絵画でも彫像でもない。
 触れれば温かく柔らかな感触を返し、快感を与えてくれる存在なのだ。
 ゆっくりと手を伸ばし、軽く揉んでみる。
(柔らかい……)
 まるで吸い込まれる様に指が食い込み、力を抜くと強く押し返してくる。
 その感触にたまらなくなった光彦は、何度も何度も揉んでいった。
(ああ……凄い……凄いよぉ……お姉ちゃんのオッパイ……凄いぃ……)
 ムニムニと激しく揉み込み、飽きることなくその形を変えるのを楽しむ。
 荒々しい鼻息が部屋に響き、口には唾が湧き起こってくる。
「んっ……んんっ……」
 姉の呼吸が乱れ、その声に我に返った光彦は手を放して様子を窺った。
 だが姉はそのまま目を覚ますことなく、再び穏やかな寝息に戻っている。
 光彦はホッとした様に深い息を吐いた。
 本来今している行為は、姉も望んでいると思ってしているのだから、起きるのは歓迎すべきことであるはずなのだが、やはり心のどこかで自信がないのだろう。
 どうせならこのまま気づかれず乳房を弄んで終わればいい、という考えが心の隅にあったのである。
 この程度ならまだ引き返せるし、姉にも気づかれない。
(だけど……)
 姉の呼吸に合わせて揺れる乳房を見ているうちに、抑えきれない肉欲が湧き上がってくる。
(もうちょっと……もうちょっとだけ……)
 今揉んだ乳房を吸ってみたい。
 先ほど妄想した姉への欲情は、乳房を揉み、舐め、吸うことだった。
 どうせなら吸うところまでしようではないか。
 ゆっくりと口を近づけ、その可憐な乳首に吸い付いていく。
「んっ……んんっ……」
 チュパっと吸うと、姉が呼吸を乱す。
 だが今度はそれを気にすることなく、そのまま吸い続ける。
 チューっと吸い上げ、舌先で乳首を弾き、何度も何度もチュパチュパ吸っていく。
「んんっ……んっ、んっ……」
 姉の呼吸が激しく乱れていき、体もピクピクと震え始めた。
 このまま続ければ、いつかは目を覚ます可能性があったが、初めて吸い付いた乳房への執着が行為を止めさせることを許さない。
(ああ……何て美味しいんだ……こんな……こんなの……たまらないよ……)
 レロレロと乳首を強く弾き、まるで母乳を出そうとするかの様に強く吸い付いていく。
 乳房をギュッと掴み、激しく揉み込むのも忘れない。
 光彦の股間では先漏れの液がダラダラと流れ、冷たい感触がパンツの中に広がっていた。
(したい……したいよ……お姉ちゃんの中に入れたい……)
 ギンギンに硬くなった肉棒が、早く女肉に包まれたいと訴えてくる。
(しちゃえ……しちゃうんだ……お姉ちゃんはして欲しいって誘ったんだから……大丈夫だよ……)
 再び自分の行為に正当性を持たせると、服を脱ぎ裸になる。
 姉のパジャマを脱がし下着を取ると、全裸になった姉を上から見下ろす。
(綺麗だ……)
 日焼け跡のない真っ白な肌はまるで陶器の様に美しく、微妙に揺れ動く肉はむしゃぶりつきたくなる欲情をそそった。
(ああ……お姉ちゃん……お姉ちゃん……)
 体をゆっくりと重ね、擦り付ける様に動かして肌から伝わるすべすべとした感触に浸る。
(凄い……凄いよぉ……気持ちいい……お姉ちゃん気持ちいいよぉ……)
 そうして肌同士を触れさせているだけで、射精しそうなほどの快感が押し寄せてくる。
 いきり立つ肉棒を太ももに押し付け、まるでセックスしている様に腰を前後させる。
(うぅっ……)
 思わず射精しそうになり、慌てて腰の動きを止める。
(駄目だよ……ちゃんと入れてしよう……)
 ここまできたら最後までしなければ勿体無い。
 その思いに気を取り直すと、姉の脚を広げて女の部分に顔を近づける。
(暗くて……よく見えないや……)
 だが何やら肌とは違う肉の襞が見え、そこが秘所だと理解した光彦は、舌を伸ばして舐め上げていった。
「あんっ……ああっ……はぁんっ……」
 姉が甘い喘ぎ声を上げる。
 これまで聞いた事のなかったその雄の本能を刺激する様な声に、光彦は興奮しながら舌を押し付けていった。
「あっ、ああっ……あんっ……はぅっ……やぁっ……」
 ビクッ、ビクッ、と姉の体が激しく震え、モジモジと脚が動く。
(お姉ちゃん……気持ちいいんだ……)
 もっと姉に快感を与えようと、さらに舌の動きを激しくしていく。
「あっ、あっ、あああんっ……やっ、ああっ……はぁっ……え? ああんっ……ちょっと、ああっ……あなたね? はんっ……もうっ、止めてよね、やんっ……みっくんがいるのよ、ああんっ……」
 目を覚ました姉が声をかけてくる。
 一瞬たじろいだが、どうやら義兄と間違えているらしい。
 それは当然のことだろう。
 この家には他に自分と義兄しかおらず、二人の内でこの様なことをするのは義兄しかありえないからだ。
 義兄と間違えられている事に嫉妬を感じながらも、どうせならこのまま義兄のフリをして姉としてしまえ、という考えが湧き起こってきた。
 いくら姉から誘ったとはいえ、実際に実の弟の顔を見て決意が揺らがないという保証はないのだ。
 自分はどうしても最後までしたいのだから、このまま正体を明かさない方がいいだろう。
 光彦は声を出さない様に注意しながら、黙々と姉の秘所を舐めていった。
「あぅっ、ああっ、あんっ……ちょっと、はぅっ……止めてって、ああんっ……言ってるのにぃ、やぁっ……でも、はぅっ……あなた、あんっ……いつもより凄い、はぁっ……舌が凄いのぉっ……」
 どうやら義兄より自分の愛撫の方がいいらしい。
 光彦は優越感に浸りながら、舌の動きを激しくしていった。
「あっ、あああっ、やぁんっ……凄、ああっ……そんな、はぅっ……あっ、あっ、あああんっ……」
 姉の脚が強く頭を挟みこみ、股間にグイグイ押し付けてくる。
「ああっ、あっ、はぁんっ……凄いっ、凄いよぉっ……もっと、あんっ……もっと、はぁっ……もっとぉっ……ああっ、ああっ、あああああああんっ……!」
 ビクビクっと姉の体が激しく震え、次の瞬間ガクリと力を抜いた。
 はぁはぁと荒い呼吸をしながら優しく頭を撫でてくる。
「あなた……凄いわ……こんなの初めて……舐められるだけで……こんなになるんなんて……ねぇ……私、我慢できなくなっちゃった……入れて……あなたのオチンチン……入れて激しく突いてぇ……」
 姉の甘えてくる声に興奮しつつ、それが自分に向けられていない事に悲しさを感じる。
(もう少しだ……もう少ししたら……そしたら僕だって事を言おう……)
 最後までしたら姉に告げるのだ。
 あなたが喜んだ相手は弟だと。
 弟の光彦なのだと。
(じゃあ、入れるよ……お姉ちゃん……)
 興奮に震える手で肉棒を持つと、姉の秘所へと近づけていく。
 ズブっと亀頭の先が膣穴に刺さり、たまらない快感が押し寄せてくる。
「うぅっ……」
「ああんっ……」
 そのままズブズブと押し込んでいき、肉棒全体が収まると、ついに姉弟は一つとなった。
(うわぁっ……お姉ちゃんっ……お姉ちゃんっ……お姉ちゃぁんっ……!)
 歓喜の思いと共に、とてつもない快感が股間から押し寄せてくる。
 これまで経験したどんな気持ちの良さとも違う蕩ける様な感覚。
 一物を伝わり、染み入る様に快楽が体中に広がっていく。
「うわぁっ……!」
 叫びと共に腰が勝手に動き出す。
 その途端、それまで以上の快感が湧き上がり、光彦は狂った様に肉棒を出し入れしていった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……凄い、あっ……凄いわ、あんっ……あなた凄いぃっ……こんな、あんっ……こんな凄いの、ああんっ……」
 姉は未だに自分を義兄だと思っているのだろう、妻として夫にされているはずの激しい突き込みに歓喜の声を上げている。
(お姉ちゃんっ……お姉ちゃんの方が凄いよっ……こんなっ……こんなのぉっ……)
 姉の中がこれほど気持ちいいとは思わなかった。
 オナニーをしながらセックスに対する妄想をしたりもしたが、実際するのとは全然違う。
 次から次へと襲い掛かってくる快楽の波に飲み込まれ、もう何が何だか分からない。
「あっ、あっ、ああんっ……あなたぁ、はんっ……あなたいつもより、あぅっ……激しいわ、やんっ……凄く強いのぉっ……」
 無我夢中になっている光彦の動きはテクニックも何も無かった。
 ただ激しく腰を打ち付けているだけだ。
 だがその単純さが姉にはたまらないのだろう、頭を左右に振って悶えている。
「やっ、はっ、やぁんっ……オチンチンが、あっ……オチンチンが当たるのぉっ……はぅっ、あっ、あんっ……奥に、あんっ……奥にぃっ……いつもと違うわぁっ……凄ぉい、ああああんっ……」
 確かに亀頭の先がコツンコツンと何かに当たっている。
 義兄の一物ではそこまで届かないが自分は届き、それが姉をより気持ち良くしている。
 その事が男として、雄としての優越感を刺激し、ますます腰の動きが早くなっていく。
「はぅっ、はぅっ、はぁんっ……あなた、あんっ……私もう駄目、やんっ……もうイくわ、はぁっ、ああっ、やんっ……一緒に、ああっ……一緒にイきましょう、はぅっ……」
 元より光彦は我慢の限界だった。
 入れた時から必死で射精を耐えていたのだ。
 童貞の少年にとって、新妻の膣ほど強烈な刺激はあるまい。
 夫婦の営みとして使い込み始めたその熟れた肉は、幼い肉棒を誘う様に奥へ奥へと吸い込み、精を吐き出させようと蠢いている。
 その強烈な快感の中をずっと耐え、それがついに姉を絶頂付近まで導いた。
 初体験としてこれほど誇らしいことはないだろう。
(僕はっ……僕はっ……お姉ちゃんを満足させられたんだっ……)
 もう我慢する必要はない。
 快感のまま精を放出してやろう。
 光彦は最後とばかりに腰の動きを激しくしていった。
「ああんっ、ああんっ、やぁんっ……凄いっ、凄いっ、凄いのぉっ……はぅっ、はぁっ、ひゃぁんっ……イくっ、ああっ……イくのぉ、はぅっ……イっちゃうぅっ……ああああああっ……!」
「うぁあああっ……!」
 姉の絶頂に合わせて精を放つ。
 ドクドクドクとオナニーの時には出た事の無い物凄い量の精液が姉の膣の中に注がれていく。
(ああ……ついに……ついにお姉ちゃんに……お姉ちゃんの中に出してるんだ……)
 これまで空しくティッシュに消えていった己の精液。
 それが今この瞬間、愛する姉の体の中に流れ込んでいるのだ。
 それもたまらない、例えようもない凄まじい快感と共に。
 光彦は歯を食いしばって快楽に浸りながら、何度も何度も精を放っていった。
 しばらくして射精が終わると、体中の力が抜け、そのまま姉の体に倒れこむ。
 温かく柔らかい肉体が受け止め、その感触に心が安堵に包まれる。
(しちゃった……お姉ちゃんと……セックス……ずっとできなかったのに……したんだ……)
 光彦は満足感で一杯だった。
 目の前の姉は朦朧とした表情で、顔を上気させながら、ハァハァと荒い息を吐いている。
 そのポテッとした唇が半開きになり、舌がチロチロと動いているのが見え、そのあまりにいやらしい姿に、愛おしさと興奮を感じた光彦は、己の唇を押し付けていった。
「んっ……んんっ……んっ……」
 姉はまだ相手にしているのが弟と気づかない様で、差し込まれた舌に積極的に絡め吸い付いてくる。
「んんっ……んっ……んはぁっ……ああ……凄かったわ……って、えっ?……誰?……誰なのっ……?」
 さすがに顔が近づいたせいか、義兄でない事に気づいたらしい、姉は怯えた表情をしている。
「僕だよ、お姉ちゃん……」
 安心させるため、起き上がって顔をよく見える様にしながら囁く。
「え? みっくん? みっくんなの?……どうして? 嘘? みっくんが何でいるの? あの人は? あの人はどうしたの?」
 姉は混乱した様に頭を左右に振っている。
「ここには僕とお姉ちゃんしかいないよ……義兄さんはソファで寝てる……」
「嘘? じゃあ、今までのって……」
「僕だよ……お姉ちゃんは僕とセックスしてたんだ……」
「そ、そんな……何でこんな……分かってるのっ? 私たちは姉弟なのよっ……こんな事しちゃいけないのよっ」
 姉は目を見開きながら、光彦の肩を力を込めて掴んだ。
「どうしてだい?」
「どうしてって……?」
 光彦の問いに姉は驚いた顔をしている。
「僕はお姉ちゃんが大好きで……ずっとセックスしたかった……だからしたんだよ……」
「そんな……そんなのって……」
「僕は……小さい頃からお姉ちゃんが好きだった……弟としてじゃない……一人の男としてお姉ちゃんが好きだった……こうなりたいって……ずっと思ってた……だけど……いつか言おうって思っているうちに……結局何もできずに……お姉ちゃんは結婚しちゃったんだ……」
 自らの後悔を語る様に、姉に自分の想いを告げていく。
「だってそんな……みっくん……」
 姉は何と言っていいのか分からないのだろう、名前を呼びながらギュッと肩を掴んでいる。
「お姉ちゃんも僕のこと好きだけど……でも姉弟だからって諦めて……それで義兄さんと結婚したんでしょ?……だけどやっぱり僕としたいから……今日誘ったんだよね……?」
「なっ……今日は野球を観るからって……」
「そんな言い訳はいいんだよ……お姉ちゃんは僕とセックスしたかったんだ……だってあんなに気持ち良さそうにしてたじゃないか……」
 やはりどこかに罪悪感があるのだろう。
 光彦の言葉は姉に向かっていながらも、自分に対する言い訳となっていた。
 姉が気持ち良くさえなれば自分の罪は軽くなる。
 そんな思いがあったのかも知れない。
「僕が舐めたら、いつもより凄いって……オチンチンも当たるからいいって……あんなに喜んで……」
「そ、それは……」
 光彦の言葉に姉は恥ずかしそうに顔を背けた。
「僕って義兄さんよりいいの? いつもより凄いってことは、義兄さんより僕の方が凄いってことでしょ?」
「言わないでっ……そんなっ……そんなことっ……」
 耳に手を当てて聞かない様なジェスチャーをする。
 だが否定しないという事はその通りなのだろう。
 嘘をついてでも否定すればいいのに、それをしない姉を光彦は可愛らしく思った。
「ふふっ……僕のがいいんだね?……義兄さんのオチンチンより、僕の方が……」
 そう言いながら首筋に口付ける。
「ああっ……みっくん止めて、やっ……そんな、あんっ……駄目よぉっ……」
 ベロベロと舐め上げ、何箇所も強く吸っていく。
 乳房を回す様に揉みながら、乳首をクリクリと摘む。
「やぁっ、はんっ……みっく、あんっ……そんな、はぅっ……ああんっ……」
 乳首を口に含み、チュパチュパと吸い上げる。
「はぁっ、あんっ……はふぅっ、やんっ、ああんっ……」
 姉が頭を左右に振って悶える。
「また入れてあげるね……僕のオチンチン……義兄さんのより凄い……お姉ちゃんのお気に入りの……僕のオチンチン……」
「だ、駄目っ……それは駄目よっ……入れちゃ駄目っ……」
 慌てて体をひねると肉棒を避ける。
「何だ後ろからしたいの?……そうだね、僕もしてみたい……」
 姉の腰をグイっと持ち上げ、自分は膝立ちになって肉棒をその丸出しになった秘所に向ける。
「ち、違っ……入れちゃ駄目っ……入れちゃ、あぅんっ……」
 制止の声を無視してズブリと押し込む。
 その瞬間たまらない快感が押し寄せてきた。
 姉の否定する言葉とは裏腹に、膣襞は再び収まった肉棒を歓迎するかの様にヌメヌメ絡み付いてくる。
「やっぱいい……後ろからもいいよ……お姉ちゃんの中って最高だ……」
 頭を仰け反らせて快感に浸りながら、姉の腰を掴んで激しく肉棒を出し入れし始める。
「ああっ、ああっ、ああんっ……みっくん止めて、やんっ……こんな、はぅっ……こんな事しちゃ、やぁんっ……駄目なのぉ、ああんっ……」
 否定の言葉がだんだんと甘い感じになっていく。
 理性が肉体から押し寄せる快楽に駆逐されているのだろう。
「どうだいっ?……お姉ちゃんっ……気持ちいいだろっ?……僕のっ……僕のオチンチンっ……最高だろっ……?」
「そんな、あふんっ……駄目、やんっ……気持ち良くなんか、ああっ……気持ち良くなんか、はぅっ……あっ、あっ、ああんっ……」
 姉は尻を高く突き出しベッドに顔を押し付けた姿勢のまま、ギュッとシーツを握って悶えている。
「気持ちいいんだろっ?……もっと正直になろうよっ……ほらっ、ほらっ、ほらぁっ……!」
 ガンガンガンと強く突き込み、姉の快感を高めようとする。
「やぁっ、やっ、やぁんっ……みっく、ああっ、みっくぅんっ……駄目、あんっ……そんな激しくしちゃぁ、やぁんっ……」
 頭を左右に激しく振り、髪をバサバサと乱す。
「どうっ?……気持ちいいっ?……気持ち良くないっ?……どっちっ……?」
 背後から乳房をギュッと掴み、乳首をクリクリと捻る。
「はぁんっ、あぅっ、あぅっ、ひゃぁんっ……どっちって、あっ……どっちってぇ、はぅっ……あっ、あっ、ああんっ……気持ち、あんっ……気持ちぃ、やんっ……気持ちいいっ、気持ちいいのぉっ……」
 ついに言わせた。
 姉に自分との行為が気持ちいい事だと言わせたのだ。
「義兄さんと比べてっ……どうだいっ?……どっちがいいっ?……どっちが気持ちいいんだいっ……?」
 さらにたたみ掛ける様に義兄との差を尋ねる。
「あんっ、あんっ、いやぁんっ……そんな、はんっ……そんなことぉっ……はぅっ、はぅっ、ひゃぁんっ……」
「僕じゃないのっ?……僕のオチンチンがっ……いいんでしょっ?……義兄さんのよりっ……僕のオチンチンの方がっ……いいんでしょっ……?」
 今まで以上に激しく突き込む。
「はぅっ、はぅっ、はやぁんっ……いい、あっ……いいの、あんっ……みっくんの、はんっ……みっくんのがいいぃっ……やっ、やっ、やぁんっ……あの人のより、はぅっ……みっくんの、あんっ……みっくんのが、ああっ……みっくんのオチンチンがいいよぉっ……!」
 認めたことで吹っ切れたのか、姉が自ら腰を振り始めた。
「お姉ちゃんっ……お姉ちゃん最高だよっ……僕っ……お姉ちゃんが大好きだぁっ……」
「やぁっ、やぁっ、いやぁんっ……私も、あんっ……私もみっくん大好きぃっ……ああっ、ああっ、はぁんっ……もっと、あんっ……もっとしてぇ、はぅっ……もっとぉっ……」
 姉が自分を賛美し、大好きだと言う事に、光彦の中に喜びが溢れた。
 これまでなぜ愛する者同士がセックスをしたがるのか分からなかったが、姉と愛の確認をした事でその理由が分かった。
(気持ちいいんだ……好きな相手に好きって言って……好きって言われるのが……ただしてるより……愛し合ってるって分かってする方が……断然気持ちいい……)
 実際姉に「大好き」と言われた瞬間、肉棒がビクンビクンと激しく脈打ち、腰の動きが無意識のうちに早くなった。
「お姉ちゃん好きだっ……好きだっ……愛してるよぉっ……」
「ああんっ、私も、やっ……みっくん好き、ああっ……大好きぃっ……はぅっ、ああっ、いやぁっ……愛してるわぁっ……」
 姉の体を抱きしめると、そのまま反転させ、胡坐をかいてその上に座らせる。
 快感に潤んだ瞳を見つめながら、激しく口付けていく。
「んんっ……んっ……んんっ……」
 姉の舌が口内に入り込み、舌に絡みついて激しく吸い上げてくる。
「んんんっ……んっ、んっ……」
 その激しい快感に、光彦は負けじと舌を動かし、今度は逆に姉の口内を陵辱していく。
「んふっ、んんっ……んふぅんっ……」
 姉の手が背中に回り、腰に脚が絡み、上下両方の穴で繋がった事により、姉弟はさらに深く一体となった。
 胸に柔らかな乳房の感触を感じ、肉棒がグンと力を増す。
「んっ……んんっ、んはぁっ……ああっ、みっくん、あんっ……みっくぅんっ……もっと頂戴、やぁっ……頂戴ぃ、あんっ……みっくんのぉ、あっ……みっくんのオチンチぃんっ……」
 ギュッと抱きついてくる姉の体を強く抱き返し、密着度を強めながら、腰を激しく上下に動かしていく。
「ああんっ、みっくんっ、みっくんっ、みっくぅんっ……はぅっ、やっ、ひゃぁんっ……もう駄目、あんっ……お姉ちゃんもう駄目ぇ、あぅっ……お姉ちゃんイっちゃうのぉっ……」
「僕もっ……僕もイくよっ……僕もイくからぁっ……」
 姉の体を横たえ手をベッドに付きながら、密着したまま腰を激しく振る。
「ああっ、ああっ、いやぁんっ……当たるっ、当たるよぉ、はぁんっ……みっくんのオチンチンが、ああんっ……奥に当たるのぉっ……凄い、あんっ……凄いよぉっ……みっくん凄いぃっ……やっ、やぁっ、ひゃぁんっ……」
 背中に爪が立てられるが、その痛みが感じられない。
 それほどの快感が全身を包み、光彦の体を突き動かしていたのだ。
「僕イくっ……イくよっ……イっちゃうよぉっ……」
「ああんっ、イこう、やんっ……一緒にイくのぉ、はんっ、あっ、やぁんっ……イっちゃう、はぁっ……イっちゃうぅっ……ああっ、ああっ、あぁんっ……みっくん、ああっ……みっく、はやぁんっ……みっくぅんっ……!」
「お姉ちゃぁんっ……!」
 姉弟のお互いを呼ぶ声が重なり、それと同時に光彦は肉棒の栓を開いた。
 ドクドクドクと激しい勢いで精が放たれる。
 肉棒がビクンビクンと何度も脈打ち、その度に凄まじい量の精液が姉の膣に注がれていく。
 慣れることのない信じられない快感に、光彦は歯を食いしばりシーツを握り締めて耐えた。
 しばらくそうして体を硬直させたまま射精し続け、ようやく放出が終わると、そのまま姉の体の上に身を横たえる。
 はぁはぁと荒く息を吐き、柔らかな姉の感触に心地良さを感じながら幸福感に浸った。
「お姉ちゃん……大好きだよ……」
 甘える様に頬擦りしながら囁く。
「みっくん……こんなのいけないわ……」
 姉はセックスしている最中とは正反対な悲しげな声を返してきた。
「いけないって……お姉ちゃんも僕のこと愛してくれてるんでしょ? だったらいいじゃない」
 その事に少し動揺しながらも、にこやかな笑顔を向けて姉に同意を求める。
「愛してるわ……でもそれは弟としてだもん……姉弟は、こんな事しちゃいけないのよ……」
「でも気持ちいいんでしょ? 義兄さんとするよりいいんでしょ?」
「それは言わないで……」
 姉は視線をそらす。
「だけどさっきは『もっとして』って言ったじゃないかっ」
「そ、それは……」
「気持ちいいのに何でしちゃいけないのさっ……姉弟だからしちゃいけないってっ……そんなの関係ないよっ」
 ジッと見つめる光彦の視線に耐えられないのか、姉は顔をそむけた。
「僕だから……弟の僕だから……こんなにお姉ちゃんを気持ち良くできるんだよ……血が繋がってるから……姉弟だから……他人とするより気持ちいいんだっ」
 無茶苦茶な理屈を述べながらも、言っているうちにそれが本当の様に思えてくる。
「そんな……そんなこと……」
 姉は必死に否定しようとしている様だが、何も言う事ができずにオロオロとしている。
「僕はっ……僕はっ……お姉ちゃんとしたいんだよっ……お姉ちゃんとしたいんだぁっ」
 自分との行為を認めようとしない姉に裏切られた様な悔しさを感じながら、もっと快感を与えれば受け入れてくれるのではないかと思った光彦は、再び肉棒を姉の中に押し込んでいった。
(そうだよ……さっきだって初めは嫌がってたけど……入れちゃえば……こうして動かせば……お姉ちゃんは気持ち良くなって……僕を求めてくれる……愛してくれるんだ……)
 そんな思いに押される様に、先ほど以上の激しい突き込みが行なわれていく。
「あぅんっ……止めてみっく、ああんっ……駄目よ、こんな、はぁんっ……駄目っ、止めてっ、やぅっ……あんっ、あんっ、あああんっ……そんな風に、あぁっ……腰を動かしちゃぁ、はぅっ……いやぁんっ……」
 口では否定の言葉を吐きつつも、姉の手はしっかり背中に回され、脚が逃がすまいと腰をガッチリ挟んでいる。
 膣も肉棒をギュッと締め上げ、抜こうとすると強烈に吸い付き、押し込むとさらに奥に誘う様に引き込む。
「そんなっ、やんっ……当たる、やぁっ……みっくんの当たるのぉっ……あっ、あっ、はぁんっ……それっ、駄目っ、駄目ぇっ……」
 コツンコツンと亀頭の先が何かに当たる。
 それが姉にはたまらないらしく、ブルブルと体を震わせ、ギュッと抱きついてくる。
「どうしてっ……これがっ……駄目なんだいっ……?」
 より当たる様に思い切り突き込む。
「ああぅっ、オチンチンが当たると、はんっ……おかしくなっちゃうのぉっ……やっ、はっ、いやぁんっ……みっくんの、はぅっ……オチンチンが、やんっ……コツンって当たるとぉ、はぁっ……お姉ちゃんおかしくなっちゃうのよぉっ……」
 姉はたまらないといった感じで、ブンブン激しく頭を振る。
「じゃあっ……もっとおかしくしてあげるよっ……」
 グイっと肉棒を押し込み、小刻みに何度も奥に当たる様に動かす。
「はぁぅっ、はぁぅっ、はぁあんっ……あぅっ、あぁっ、あぅぅっ……みっく、ああっ……みっくん、あっ……みっくぅんっ……」
 姉が大きく目を見開き、今まで以上に強く抱きついてくる。
 同時に膣内がキュッと締まり、肉襞がヌメヌメと肉棒に絡みつく。
「ふふっ……お姉ちゃん可愛いっ……お姉ちゃんは僕の女だよっ……これからもっ……しようねっ……」
「ああっ、そんな、はぅっ……そんなの駄目、やんっ……そんなのぉ、ああっ……いいっ、いいのぉっ……みっくんいいよぉっ……」
 理性が否定しようとした言葉が、肉体から押し寄せる快楽により肯定の言葉になってしまっている。
「いいんだねっ?……だからお姉ちゃん大好きさっ……」
 それ以上反論させない様に、光彦は腰の動きを激しく振っていった。
「ああんっ、ああんっ、いやぁんっ……みっく、あっ……みっくぅんっ……はぅっ、はぅっ、はやぁんっ……お姉ちゃんもう駄目、あんっ……もう駄目なのぉっ……あんっ、あんっ、あああんっ……イっちゃう、ああっ……イっちゃうよぉっ……イっちゃぁあぅっ……あああああああっ……!」
「お姉ちゃぁんっ……!」
 姉弟の絶叫が重なり、光彦はそのまま肉棒の栓を開いた。
 ドクドクドクと激しい射精が行なわれ、その何度経験してもたまらない快感に、ガクガクと体を揺らして耐える。
 自分の下でピクピク震える姉の可愛らしい姿を見つめながら、光彦は何度も何度も精を注いでいった。


「んぐっ、んぐっ、んぐっ……」
 姉が己の肉棒を咥えている。
 あれから何度かセックスした後、意識が朦朧としている状態で頼み込み、無理やり口に含ませたのだ。
 後で気がついた姉は困った様な表情をしていたが、一度引き受けると最後までしてしまう律儀な性格が災いしているのか、熱心に肉棒を舐めている。
 姉の美しい口に己の醜悪な肉棒が出入りしている様を見ているだけで、とてつもない興奮が湧き起こり射精感が高まっていく。
 長い黒髪が顔にかかり、それを煩わしそうにかき上げるのがたまらない。
「うぅっ……」
「んぐっ……みっくん気持ちいいの?」
 思わず漏れる光彦の声に、姉が上目遣いに見つめてくる。
「うん……ああ……最高だよ……ずっと……ずっと僕はお姉ちゃんが憧れだったんだ……そのお姉ちゃんが……僕の……僕のオチンチンを咥えてくれるなんて……」
 姉の肩に手を置いて快感に耐えながら呟く。
「じゃあこれで満足したよね?……だから、もうこれっきりにしよう……明日からは元の普通の姉弟に戻るの……いい?」
 予想外の姉の言葉に光彦はショックを受けた。
 すでに何度も関係を持った以上、このままずっと姉は自分としてくれるものとばかり思っていたからだ。
「そ、そんなのヤダよっ……お姉ちゃん、僕ともっとしようよっ……もっと、もっと、僕お姉ちゃんとしたいっ……」
「無理言わないで……私たちは姉弟なんだよ……それにお姉ちゃんは奥さんなの……いくらみっくんだからって、こういう事をするのはいけないんだよ……」
 それはもっともな意見だった。
 近親相姦以前に、今している事は夫への背信行為である。
「でも僕は……お姉ちゃんとしたい……僕にはお姉ちゃんしかいないんだよ……」
「そんな……みっくんにだってそのうち好きな子ができるよ……」
「そんな事あるもんかっ……僕は……僕はずっと……お姉ちゃんしか見てこなかったんだっ……これからだって、お姉ちゃん以外の女なんか知らないっ」
 光彦の告白に、姉は深いため息をついた。
「でもね……いくらみっくんが好きになってくれても……お姉ちゃんはみっくんのこと、弟にしか見れないんだよ……みっくんはどんな事になったって……お姉ちゃんの弟なの……」
 その言葉に、光彦は今までに感じた事のない衝撃を受けた。
 お姉ちゃんの弟。
 何とも甘美な響きではないか。
 自分はずっと姉に一人の男として見られたいと思っていたが、もしかしたらそれは間違いで、弟としてより愛されたいだけだったのかも知れない。
 男として、義兄の様に姉に愛されたい訳ではなく、弟として愛され、姉に対しても、女ではなく姉として愛していたいのではないのか。
 セックスという行為が男女の愛の象徴の様に考えられているため、姉弟の関係のままではできないものだと、弟ではなく男として見られなければいけないのだと思い込んでいたが、自分の様に姉を本当に愛していれば、別に男女の愛にならなくてもしても構わないのではないか。
 そんな思いが光彦の中に溢れた。
 姉は自分を弟としてしか見ていない。
 それは当然の事だ。
 自分だって姉を姉としてしか見ていないのだから。
(僕は……お姉ちゃんがお姉ちゃんだから……弟の僕を愛してくれるお姉ちゃんだから……好きなんだ……)
 今までの自分は間違っていた。
 何も無理やり男として見られる必要はなかったのだ。
 姉はずっと自分を弟として見て、そして愛してくれているのだから。
 思えばこんなに嬉しい事はないだろう。
「それでいいんだよ……僕は、弟としてお姉ちゃんに愛されたいんだ……僕だって、お姉ちゃんを女として愛してるんじゃない……お姉ちゃんがお姉ちゃんだから好きなんだ……赤の他人だったらこんなに好きにならなかったよ……」
「みっくん……」
 姉は驚きの表情を浮かべている。
 それは当然だろう。
 姉にしてみれば、弟としてしか見られていないと知れば諦めるだろうと思っていたに違いないからだ。
 確かに少し前までの光彦ならショックな事だった。
 だが、弟として姉を愛し、愛される事に目覚めてしまった今となっては、むしろ歓喜の事実になっているのである。
「だからこれからも僕としようっ……僕のオチンチンがいいんでしょっ?……奥に当たるのがいいんでしょっ?……こいつを入れてさっ……コツンコツンって何度も突いてあげるからっ……お姉ちゃんが気持ち良くなる様にっ……何度も何度もっ……何度もするからさっ……だからいいでしょっ?……しよぉっ」
 新しい喜びを見つけた事により光彦の興奮は高まり、何かに追い立てられているかの様に姉に迫っていく。
「そ、そんなこと言っても駄目……駄目よ……姉弟だもん……それに浮気になっちゃう……」
 諦めさせるつもりが、逆に興奮させてしまった事に姉は動揺している。
「姉弟でも愛し合ってるんだからいいじゃないっ……これは姉弟愛の行為さっ……赤の他人とするのとは違うっ……だからしたって浮気にはならないよっ……」
 自分が弟としてしか見られていないのを逆に利用して説得しようとする。
「でも……だからって……」
 夫以外の人間とセックスする時点で浮気なのだが、動揺している姉はそれに気がつかない様でオロオロとしている。
「じゃあ、もう一回してっ……それで考えようよっ……僕のオチンチンとこれっきりにするのかっ……それともこれからも続けるのかっ……そうしよっ」
 一旦肉棒を入れてしまえば、姉は喜び受け入れる事を今までの経験で知っていた光彦は、そんな理不尽な選択を提示し、断る隙を与えない様、そのまま押し倒して一気に肉棒を押し込んだ。
「ああんっ……ちょっと、やんっ……あっ、駄目、あぅんっ……そんなの、ああっ……」
 ズンっと力強く押し込むと、肉棒がコツンと奥に当たる。
「あはぁんっ……それ、ああっ……駄目、はぅっ、駄目よぉっ……いやんっ、あっ、はぅっ……しちゃ駄目なのにぃ、あっ……そんな風にされたら、やんっ……お姉ちゃんおかしくなっちゃうぅっ……」
 先ほどしていたセックスの疼きが残っているのか、姉はすぐに頭を左右に激しく振って悶え始めた。
「僕はっ……お姉ちゃんをおかしくしたいんだっ……こうしてっ、こうしてっ、コツンって当ててっ……どうっ? 気持ちいいでしょうっ?」
 奥に当たる様に何度も何度も突き込む。
「ああんっ、あっ、やぁんっ……みっくん凄い、やんっ……みっくん凄いよぉっ……あっ、あっ、ああんっ……もっと、もっとぉっ……みっくんもっとしてぇっ……」
 姉はもう何が何だか分からない様で、先ほどの否定の言葉が嘘の様に甘ったるい声でおねだりしてくる。
「やぅっ、あっ、やぁんっ……凄い、はんっ……凄いよぉっ……ああっ、ああっ、ひゃぁんっ……みっくんのオチンチン、あんっ……やっぱりいいっ……これがあるから、ああんっ……みっくんのたまらないのぉっ……」
 姉はブンブンと頭を左右に振って悶えている。
「だったらいいでしょ? 僕としよう……これからも、こうしてっ、こうしてっ、こうしてあげるからぁっ」
 ズンズンズンと力を込めて突き込む。
「あひゃぁんっ、あっ、あっ、やぁっ……いいわっ、いいのぉっ……する、はぁんっ……するよぉっ……これからもみっくんとするのぉっ……こんな、ああっ……こんな気持ちいいなら、やんっ……みっくんとするぅっ……」
 姉が自分との行為を認めた。
 たとえ快感に朦朧としている状態での発言であったとしても、姉自身が認めた事には変わりないのだ。
 律儀な姉のことだ、逆らえるはずがない。
 これでこれからも姉とする事ができる。
 それが嬉しくてたまらない光彦は、これまで以上に早く腰を振り、奥へ奥へと突き込んでいった。
「あっ、あっ、ああんっ……いい、いいよぉっ……みっくんのオチンチンいいのぉっ……あひゃぅっ、ひゃぁんっ、いやぁんっ……お姉ちゃんは、あんっ……お姉ちゃんで、あっ……奥さんだから、やぅっ……本当はいけないんだけど、はぅっ、はぅっ、はぁんっ……みっくん凄いんだもん、はぁんっ……こんな、こんな、こんな激しくされたらぁ、ああんっ……止められないよぉ、あっ、あっ、ああんっ……しちゃいけないんだけど、はぅっ……しちゃうのぉ、あんっ……しちゃうんだよぉっ……やんっ、やんっ、やぁんっ……」
「お姉ちゃんっ……僕嬉しいよっ……お姉ちゃん大好きだぁっ……」
 自分を褒め称える姉の言葉に光彦の興奮は高まり、さらに激しく肉棒を出し入れしていく。
「私も、ああっ……私もみっくん大好きぃっ……はぅっ、ああっ、やんっ……もっとっ、もっとっ、もっとしてぇっ……」
 姉はたまらない様に頭を左右に激しく振り、涎を垂らしながら悶え狂っている。
「もう駄目、ああぅっ……もう駄目だよぉ、あんっ、あんっ、いやぁんっ……みっくんイっちゃう、やぁっ……お姉ちゃんイっちゃうのぉっ……イっちゃうぅっ……ああっ、ああっ、いやぁあああああんっ……!」
「お姉ちゃんっ、お姉ちゃんっ、お姉ちゃぁんっ……!」
 姉の絶頂と共に膣内がキュッと締まり、その瞬間とてつもない快感と共に光彦は精を放った。
 目の前が真っ白になり、何度も何度も姉の中に精液が注がれていく。
(お姉ちゃんも僕としたいんだ……僕と……弟の僕と……セックスしたいんだぁ……)
 姉との姉弟としての愛を確認し、これからも肉体で愛情を深めていける事に、光彦は凄まじいまでの幸福感に包まれていくのだった。












あとがき

 最後まで姉として弟を愛している、といったお姉ちゃんを書いてみました。
 すでに人妻でもある事ですし、ラブラブにするのもどうかと思ったんで、あえて弟に対する愛情どまりという事で。
 でも肉体的にはかなり愛してますな。
「相性バッチリのオチンチンを持った弟がいて幸せ」って感じですか(笑)
 でも何かこういう方が好きなんですよね。
 やはり男女の関係みたいになっちゃうより、姉弟の関係のままの方がいいんですよ。
 姉弟の延長って感じで。
 その上でエッチもさせてくれる、ってのが興奮するのですな。
 まあ、まだ弟が好きって感じはありますんで、次は全然好きじゃない様なのも書いてみますかねぇ。
(2004.11.19)



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