淫靡な母子


 圭介(けいすけ)は、目の前にある掲示板を見て気分が暗くなった。
 張り出されているのは、とある高校の受験合格者の一覧だったのだが、そこに圭介の番号が無かったからだ。
 自分としてはかなり頑張ったつもりだったが、どうやらその努力は報われなかったらしい。
 本命の志望校だっただけに、何とも残念な事だった。
(これじゃ、お父さんに叱られる……)
 瞬間的に頭に浮かんだのは、父のガッカリした顔と、そのまま厳しく叱ってくる姿だった。
 医者である父は、圭介にも医者になる事を期待し、その事からこの高校への進学を望んでいた。
 だがその望みを、自分は打ち砕いてしまったのだ。
 以前中学受験でも失敗し、当時かなり叱られたのだが、今回の怒りはさらに大きくなるだろう。
 父は決して理不尽な人間ではないのだが、圭介に対する期待が大きすぎるのと、子供は厳しく育てるべき、という教育理念を持っていたため、叱る際にはかなり高圧的になった。
 それはかなり恐ろしく、幼い頃から圭介は父に叱られるのが一番辛かった。
 とはいえ、成績が良かったり、良い行いをすると、凄く褒めてくれる面もあったため、父に対して嫌な印象だけを抱いている訳ではなかった。
 父親としても医者としても尊敬しているのだ。
 厳しく叱ってくる事にしても、自分を愛してくれているがゆえだというのが分かるだけに、その期待を裏切ってしまった事が辛く、またその事で父に悲しみを感じさせてしまう事が申し訳無かった。
 もっと自分に力があれば父を喜ばせてあげられたのに……。
 そう思うと、何ともやるせない気持ちになるのだった。
「その顔じゃ、お前も駄目だったみたいだな」
 不意にかけられた声に視線を向けると、そこには友人の貴史(たかし)が立っていた。
 暗い顔をしている点から、聞かなくとも彼の受験結果は予想出来た。
「まあね。で、そんな風に言うって事は、貴史も駄目だったって事か……」
「ああ……少々俺たちには厳しかったって事だな」
 そう言いながら貴史は大きな溜息を付いた。
「取り合えず第二志望の高校は、お互い受かっているからいいはずなんだけど……でもお前んとこの親父さん、それじゃ納得しないんだろ?」
「うん……」
 父の顔を思い浮かべると気が重くなる。
「まあ、何て言うか大変だよな。親の期待が大きいってのは……でもまだ大学もあるんだし、そっちでまた頑張るってんじゃ駄目なのか?」
「それはそうだけど……その前に今回駄目だった事についてはきっちり叱られるよ……」
「そうか、辛いな……」
 貴史はそれだけ口にすると、大きく溜息を付いた。
 こう考えては申し訳ないが、貴史が落ちていてくれてありがたかった。
 もし彼が受かっていたら、辛さがさらに強まったと思うからだ。
「俺も姉ちゃんに言われるなぁ。姉ちゃんの通っている高校を第二志望にした事ツッコまれてたし。『あんたの頭じゃ、うちの高校より上のとこなんて絶対無理。きっとうちに来る事になるわよ』とか言われてさ。それを見返してやろうと思ってたんだけど……本当にそうなっちまうとは。こりゃ何か奢らされるかな?」
 貴史は苦笑気味にそんな事を言っている。
 いつも何かと話題に出てくる貴史の姉とは実際に会った事はないのだが、貴史の口ぶりからしてかなり仲の良い事が伺えて、一人っ子の圭介としては羨ましく思っていた。
 そしてそんな仲のいい姉に貴史が嫌味を言われ、ケーキか何かを奢らされている姿を想像すると、少しだけ楽しい気分になった。
「お前の姉ちゃん、そういうこと忘れないみたいだしね」
「そうなんだよ。この間もさぁ……」
 貴史の姉に対する不満、とは言っても嬉しそうに語っている点からして、本当は姉の事をかなり好きに違いない、いわば姉とのノロケのようなものを聞き流しつつ、圭介はこのまま家へ帰らずにいられたらいいのに、と思った。
 家へ帰ってしまえば、そこに待っているのは父の厳しい叱責だからだ。
 これからどう父に報告しよう。
 出来るだけ怒りを買わずに済む報告方法は無いだろうか。
 そんな事ばかりを考えながら、楽しげに姉との事を語る貴史と共に、圭介は合格出来なかった高校を後にするのだった。


 その日の夜。
 圭介は酷く落ち込んでいた。
 何故なら予想通り父に強く叱責されたからだ。
 その怒りは想像していた以上に激しく、これまでに無いほどに凄まじかったため、圭介は恐ろしくて体が震えたほどだった。
 それでもこれは父の自分を思っての言葉だと考えると、圭介は申し訳無さで一杯になり、何と自分が不甲斐ない息子なのだろうと悲しくなった。
 叱られている最中、身が縮こまり、辛くてたまらず、どうすればいいのかと思った。
 過去の失敗と、それを学習していない事など、様々な事柄を指摘され、全くその通りでしかない事に、圭介は自分という存在が、どうしようもないものであるように感じられた。
 立派な父の息子として、自分はどうしてここまで駄目なのだろう。
 そうした想いが強まり、辛くてたまらなくなった。
 そして最後に言われた一言が、心に強く突き刺さった。
「このような事では、生きている価値すらない」
 父はその言葉を言った後、一瞬ハッとしたようにしたが、そのまま苛ついた様子で部屋から出て行った。
 その後ろ姿を無言で見送った圭介は、父の言う事ももっともなのだろうと納得していた。
 医者以外の生き方などいくらでもある訳だが、先祖代々医者を続けてきた圭介の家にとり、医者になれない人間は価値の無い存在だったからだ。
 それは幼い頃から父に何度も言われてきた事だったのである。
 まだ医者になれないと決まった訳ではないが、父としては一流の医大に入学する事を望んでいたため、その前段階として、一流の高校へ入れなかった事は、将来を不安にさせる事だったに違いない。
 それは圭介にしても同じだった。
 中学受験に失敗し、今回の高校受験での失敗。
 ならば三年後の大学受験で、同じように失敗しないとは言い切れないだろう。
 無論、三度目の正直で上手くいく可能性もあったが、そんな楽観視は出来なかったし、何より全てを順当に受かってきた父からすれば、ここまで失敗するのはかなり不安だったに違いない。
 幼い頃から立派な父を見て育ったせいか、自分が同じように出来ない事に、圭介はコンプレックスを抱いていた。
 学生時代に勉学とスポーツで好成績を残し、医者となってからも出世街道まっしぐら、人格的にも多くの人に慕われている父は、圭介にとって理想であり、自分もこうありたいと思う姿だった。
 しかし現実はそうではなく、圭介はあらゆる事で並より少し優れている程度で、とても父のようになれるとは思えなかった。
 自分は父とは違う。
 望んでも同じような人間になれる訳ではないのだ。
 そうした劣等感が、中学受験の失敗の頃から徐々に起き始め、高校受験の失敗によって強烈なものとなった。
 落ちた事を知った瞬間、「自分は何と駄目な人間なのだろう」と暗くなり、父の期待を裏切ってしまった事への罪悪感と恐怖が強く心に押し寄せた。
 自分はこの世に必要の無い存在なのではないか、という想いが押し寄せ、どの面下げて父に報告すれば良いのかと苦悩した。
 そんな状態の時に言われた「生きている価値すら無い」という言葉は、圭介にとって死刑宣告に等しかった。
 自分でもそう思っていた所へ、父に保証されてしまったのだ。
 もう死ぬしかない。
 圭介の心はその想いで一杯になった。
 死ぬ方法は何がいいだろうか。
 どうすると人は死ねるのだろう。
 そんな事を自分の部屋で静かに考え続けていた時だった。
「まだ起きてたのね?」
 不意に声が聞こえ、無意識のまま視線を向けると、母が部屋へ入ってくるのが見えた。
 母は不安げな表情でこちらを見つめている。
 父にあれだけ叱られたため、心配して様子を見に来たのだろう。
 だがその言葉に返事をする気力もなく、圭介はただボーッと宙を見つめ続けた。
「お父さんの言った事、そんなに気にしちゃ駄目よ? お父さん、今日は仕事で辛い事があったみたいで、ついあんなキツい事を言ってしまったみたいなの。でも本当は圭ちゃんに期待してるんだから」
 母は優しくそう告げ、穏やかな笑みを浮かべている。
 父に叱られると、いつも母はこうして慰めてくれた。
 普段はそれで少し心が楽になり、また頑張ろうという気力が生まれるのだが、今日はそうはならなかった。
 何しろ父に言われた言葉で落ち込んだ訳ではなく、先に自分自身が駄目だと思っていたからだ。
 母はそんな事に気づかず、優しい慰めを続けていたが、圭介の頭には別の事が浮かんでいた。
(このまま死んだら、お母さんを悲しませちゃうな……)
 いつも優しく、自分の事を思ってくれている母を悲しませるのは辛かった。
 出来るだけ悲しませない死に方というのはあるだろうか。
 死体が汚いと駄目だろうから、飛び込みとか飛び降り自殺は止めておこう。
 薬がいいんだろうけど、薬ってどうすれば死ねるのだろうか。
 薬についてあまり知識の無い自分がするには合わないかも知れない。
 というより、医者の息子が薬で自殺しては外聞が悪すぎるだろう。
 やはり別の方法だ。
 刃物で刺すのがいいのだろうが、それはちょっと怖かった。
 あとは首つり。
 でも苦しそうだし、後始末も大変そうだ。
(なかなかいい死に方が無いなぁ……)
 などと妙に冷静に考えていると、ふと目の前に母の顔がある事に気がつく。
 いつの間に正面に来たのだろう。
「しっかりして圭ちゃん。お母さんの言っていること、分かる?」
「え? うん、分かってるよ。どうしたの?」
「どうしたの、じゃないわよ。今何度も話しかけたのに、圭ちゃんったら全然返事してくれなくて、ずっと視線を動かさないんだもの。どうかしちゃったのかと思ったわ」
 どうかしたと言えばしているだろう。
 何せ死ぬ気になっているのだから。
 母は心配そうにこちらをジッと見つめており、そんな顔をしていても綺麗だな、と圭介は思った。
 母は身内の贔屓目を抜いたとしても、かなり美しく、幼い頃からそれが圭介の自慢だった。
 性格的にも優しく、怒鳴られた事など一度も無かった。
 父が厳しすぎるせいか、その分母は優しくしてくれていたのかも知れない。
 今も父に酷いことを言われた自分を、必死に慰めてくれているのだ。
 思えば、自分はそんな母に親孝行をしただろうか。
 幼い頃は、誕生日や母の日などにプレゼントをしていたが、最近はそういった事もしていなかった。
 世話になるだけ世話になり、何も恩返しが出来ないまま自分は死んでしまうのか。
 そう考えると申し訳なくてたまらなくなった。
 自分の事だけを考えていた時は、死んでも構わないと思っていたが、母の事を考え始めると、何と親不孝な事をしているのかと悲しくなる。
 本当にこのまま死んでしまっていいのだろうか。
 死んだら母はどれほど悲しむだろう。
 先ほども頭に浮かんだ想いが、今度は強烈な罪悪感となって心に響いた。
(僕が死んだら……お母さんを悲しませちゃう……)
 そう思うと悲しくて悲しくて目頭が熱くなった。
 それに死ぬなどと簡単に思ったりしたが、死んだらそれで全てが終わってしまうのだ。
 もう何も出来なくなってしまうのである。
 そんな悲しい事があるだろうか。
 そう思った途端、目から涙がこぼれた。
「圭ちゃん……大丈夫、お母さんが付いてるわ……お母さんが何とかしてあげるから……」
 母は優しく抱き締めてくると、温かな声でそう告げてきた。
「お母さん……僕……僕……死にたくない……死にたくないよぉ……」
 何かが爆発したような感覚が起きると共に、圭介は母の体に抱き付いていった。
 まるで幼い頃に戻ったかのように激しく泣き、駄々っ子のように母の体にしがみついていく。
 母は「大丈夫、大丈夫……」と優しく声をかけながら、背中を撫でさすり、強く抱き締めてくれている。
 体の前面にある柔らかな母の肉体。
 それを感じていると、何ともホッとするような温かさを覚えた。
 母のぬくもり。
 これほど優しくて温かくて心地良いものも、死んだら感じられなくなる。
 そう思うと、絶対に死にたくないと思った。
(柔らかい……お母さんの体って、こんなに柔らかかったんだ……)
 こんな風に抱き締められたのは幼い頃以来であったため、久々に感じる母の体の感触に意外な印象を覚えた。
 何とも柔らかくて、ギュッと抱き締めると蕩けるような気持ちの良さが湧き起こってくるのだ。
(気持ちいい……お母さんの体って、気持ちいいや……)
 体を小刻みに動かし、擦りつけるようにすると、さらに気持ちの良さが増した。
 どこを押しても柔らかく、こちらの力を受け止めてくれるその肉の感触は、まるで母の優しさそのものに思えて嬉しくなった。
 自分は母が大好きだ。
 だからもっともっと母を感じたい。
 そうすれば、死のうと思ったほどの悲しさも薄れていくように思えた。
 実際先ほどから母の体を抱いていると、死にたいという意識が消えていき、もっと生きていたいという気持ちが強くなっていた。
 母と一緒に、母を喜ばせて生きていきたいという想いが溢れてきたのである。
「圭ちゃん……圭ちゃんが望むなら、お母さん、何だってするから……だから死ぬなんて言っちゃ駄目。お願いよ……?」
 母が悲しそうにこちらを見つめてくる。
 そう、母はいつでも自分の味方なのだ。
 自分のする事は何でも受け止めてくれる。
 そんな優しくて素敵な存在なのであり、自分にとって絶対の存在なのである。
 そう思うと、母に対する愛おしさが強烈に強まった。
「お母さんっ……お母さん僕ぅっ……」
 母への強い想いから、しがみつき、顔を擦りつけていく。
 すると体中に柔らかい肉の感触が溢れ、それがまるで自分の全てを受け止めてくれているように思えて嬉しくなった。
 特に目の前にある乳房は、まるでクッションのような弾力があり、そのぷにぷにとした感触に心地良さを覚えた圭介は、何度も顔を押しつけていった。
「お母さんは圭ちゃんが大好きなの……圭ちゃんが一番大切なのよ?……だから死んじゃ駄目。死んだらお母さんも死んじゃうわ……」
 その言葉に嬉しさが込み上げてくる。
 母は自分のために死ぬと言ってくれているのだ。
 何と自分は愛されているのだろう。
 そして自分も母が大好きだった。
 母のためなら何でもしたい。
 母をもっともっと愛したい。
 そうした意識が高まると共に、手が勝手に動き、目の前にある乳房をギュッと掴んだ。
 何やら母を求めるのには、そうするのが自然のように思えたのだ。
 赤ん坊の頃に母の乳房を求めた記憶が、無意識の内にそうさせたのかも知れない。
 母は一瞬体をピクッと反応させたが、何も言わず、そのままにさせてくれている。
 自意識が芽生えてから初めて触れる母の乳房だったが、その感触は何とも柔らかく、掴んでいるだけでどこかホッとするような気持ちをもたらすものだった。
「お母さん……」
 甘えた声でそう呟き、母の顔を見上げると、母は慈愛に満ちた笑みを浮かべ、優しく頷いた。
 その事に嬉しさを覚えつつ乳房を何度か揉むと、ホッとするような心地良さが体中に広がっていった。
 何と素晴らしいのだろう。
 母の胸は自分を凄く癒してくれている。
 この素敵な宝物をもっと味わいたかった。
 圭介は両手で乳房をヤワヤワと揉みしだくと、時折顔を押しつけ、その感触を強く味わった。
(凄い……お母さんのオッパイ……凄いよぉ……)
 手のひらと顔に溢れる柔らかさは、自分の全てを受け止めてくれており、圭介はそんな素晴らしい宝物をもっと知りたくてたまらなくなった。
 もっと味わいたい。
 この母の愛が詰まった宝物をもっと味わいたかった。
「お母さん……僕、オッパイ吸いたい……」
 思わずそんな言葉が口から零れる。
 本来であれば、十五歳の自分が口にするには恥ずかしすぎる言葉だったろう。
 だが母に抱き締められ、母の乳房に触れた事で、赤ん坊の頃の記憶が刺激されたのか、オッパイを求める事が自然に感じられた。
「圭ちゃん……」
 母は一瞬驚いたような顔をした後、少し逡巡し、小さく頷いた。
 その事に嬉しさを感じつつ、母の服のボタンをたどたどしく外していく。
 父に自分を否定されまくった後であったせいか、こうして母が受け入れてくれている事に強烈な喜びがあった。
 何より乳房という、母性を象徴する物に吸い付く行為を許してもらえた事は、圭介にとって思っていた以上に嬉しい事だった。
 ボタンを全て外し、ブラウスの前を広げると、豊満な乳房が現れた。
 母の乳房を直接見るのはいつ以来だろうかと思いつつ、その全てを見たくなった圭介はブラジャーを引き下ろした。
 ブルンっといった感じで乳房が生の姿をさらし、その美しさに一瞬見とれる。
 母の乳房は実に綺麗だった。
 量感のある肉が見事な曲線を描いており、その形は何とも言えない素晴らしさを感じさせた。
 さらに甘美な曲線を描く膨らみの頂点にある二つの突起を見つめると、圭介の中に強い衝動が湧き起こった。
(お母さんの……オッパイ……)
 目の前にある乳首は、まるで圭介が吸うのを待っているかのようにプクンっと立っており、その形状を見ていると、赤ん坊の頃の記憶が呼び覚まされるのか、吸い付きたい欲求が強まった。
 落ち着かない衝動に手を震わせながら、圭介は十数年ぶりになる母の乳首に吸い付いていった。
「……」
 チュッと吸った瞬間、母の鼻から棒のような息が漏れ、体をピクッと反応させたのを意識の片隅で認識しつつ、口内に溢れる懐かしい感触にうっとりとなる。
 そう、自分は以前もこれに吸い付いていたのだ。
 覚えていないはずの感触が、実感となって心に溢れていた。
 以前はこれを毎日吸い、母から栄養を貰っていたのだ。
 そして自分はここまで大きく育ったのである。
 こうしてオッパイを吸うというのは、母との繋がりを感じさせる、何と大切な行為なのだろう。
(ああ……お母さん……僕、お母さんが大好きだ……)
 授乳はまさに母性の象徴であり、それを今自分は受けている。
 母に愛され、母の愛を、オッパイを吸うという形で受け止めているのだ。
 感動に包まれた圭介は、そのまま母の乳房をギュッと掴み、乳首を思い切り吸い上げていった。
「あっ……んっ……」
 すると母が不意に悩ましい声をあげたため、その事で違和感を覚えた。
 どうにも股間に、モヤモヤとした落ち着かない衝動が起きたのだ。
 だが母の愛を求める圭介にとりそれは些細な事であったため、気にせずそのまま乳房を揉み、乳首を吸っていく事を続けていった。
「あっ……圭ちゃん、あの……もう少し弱く、んっ……弱く吸ってもらえる? 強いとちょっと、あっ……痛いから……」
 母が体を震わせながらそう言ってきたため、慌てて力を緩める。
 すると母は、ホッとしたように息を吐きながらこちらに身を預けてきた。
 その瞬間、体の前面に母の肉の感触が伝わってきたため、圭介はその気持ちの良さにうっとりとなった。
 母の体は何と柔らかく、心地良いのだろう。
 思わずギュッと抱き締めると、母の唇から「あ……」という甘い吐息が漏れ、それによって圭介の体に変化が起きた。
 股間の一物が、ムクムクと大きくなったのだ。
 いけない、とは思ったものの、体の前面に押し寄せてくる肉の感触は蕩けるように甘美で、それを意識しないでいるなど無理だった。
 さらに耳元には、微かに乱れた母の呼吸音が聞こえており、その囁くように吹きかけられる吐息は、ゾクゾクするような刺激をもたらした。
 今や肉棒は痛いほどに勃起し、どうにかしなくては治まらないほどになっている。
(お母さんの、オッパイ……)
 それまでは母性の象徴として愛情を感じていた乳房が、急に肉欲の対象として目に映るようになった。
 実の母親の体に欲情するなど、自分はおかしいのではないかと思ったが、こうして触れている乳房は柔らかくてたまらなかったし、吸い付いた乳首は口内に気持ちの良さを与えてきていたため、そんな事はどうでもよくなった。
 何より、先ほど耳にした母の悩ましい声。
 それは何とも興奮を誘うものだったのだ。
(お母さん……僕、お母さんが……)
 欲しくてたまらなかった。
 少し前までは母の愛を求めていたが、今は母の体を求めていた。
 母性を求めて触れ、吸っていた乳房を、今度は肉欲から揉みしだき、舐め回して吸い付きたい。
 そうした想いが強まると共に、股間の肉棒が痛いほどに勃起した。
「お、お母さんっ……お母さん、僕ぅっ……」
 激しい衝動と強い肉欲から、体を震わせながら母の乳房を荒々しく揉みまくり、乳首に吸い付いて、舌で弾くようにして舐め回していく。
「あっ……圭ちゃん、やっ……そんな強く掴んじゃ、あんっ……急にどうしたの? あっ……変よ、やっ……そんな風に吸っちゃ、あぁっ……駄目ぇっ……」
 明らかに母の反応は変わっていた。
 圭介の与える刺激に甘い吐息を漏らし、体をクネクネといやらしく動かしているのだ。
 その様子には何ともゾクゾクする良さがあり、もっと母を喘がせ、いやらしくさせたい衝動が湧き起こってくる。
「お母さんっ、お母さぁんっ……」
 鼻息を荒くし、乳房を揉みしだき、乳首を吸っていると気持ち良くてたまらなかった。
 こうしていると、生きている事が素晴らしく思えて最高だった。
 先ほどは死ぬなどと、馬鹿な事を考えたものだ。
 この気持ちのいい行為を知らずに死んだら、それこそ悲しすぎただろう。
 オッパイは最高だ。
 母の体は最高だった。
 この体をもっと味わいたい。
 もっともっとむしゃぶりつきたかった。
「やっ、あっ……圭ちゃんそんな、ああっ……駄目よそんなとこ、あんっ……止めてお願い、あぁっ……」
 乳房だけでは満足出来なくなり、首筋に舌を這わせて吸い付くと、母は逃げるようにして後ろへ身を引いた。
 しかしそれを追いかけて体重をかけ、床に押し倒す。
 柔らかい肉がクッションのようにこちらの体を受け止め、母の荒い呼吸が耳に響くと、先ほどから感じている落ち着かない衝動が強まった。
 眼下の母は、少し怯えたような表情を浮かべており、胸元では、服がはだけて生の乳房が見えている。
(これじゃ、強姦してるみたいだ……)
 そう考えた瞬間、自分は母を犯そうとしているのではないかと気づき、その事に恐怖を覚えると共に、激しい興奮が湧き起こるのを感じた。
 母のこの気持ちのいい体の中に、自分の肉棒を押し込む。
 それは強い禁忌の想いを抱かせる事でありながら、したくてたまらない意識をもたらすものでもあった。
 母を犯す。
 そんな恐ろしい事をしたいと自分は願っている。
 優しい母を無理矢理自分の物にするのだ。
 実際こうして母を組み敷いていると、今まで感じた事のない興奮と、気持ちの良さが心に溢れていた。
 犯したい。
 母を犯したい。
 体中を舐め回し、肉棒を押し込みたい。
 その衝動に押されるまま、圭介は母の体を押さえつけると、その唇に吸い付いていった。
「んっ……んんっ……んっ、んっ……んんぁっ……」
 初めてしたキスの相手は実の母親。
 その背徳感溢れる現実は、ゾクリとするような興奮をもたらし、肉棒を強く勃起させた。
 母は逆らうように体を押してきたが、舌を絡ませ強く吸いながら乳房を揉み、体中に手を這わせていくと、次第に抵抗を止め、少しすると力を抜いていった。
「……」
 母は荒い呼吸を繰り返しながら、何も言わずにあらぬ方向を見つめている。
 その様子から受け入れてくれたのだと思った圭介は、このまま肉棒を入れさせてもらおうと思った。
 愛する母の中に、自らの肉棒を押し込み、気持ちの良さと愛情を確かめ合うのだ。
 自分の初めてを母に捧げるのである。
 それは何と素晴らしい事だろう。
 そう思いながらズボンとパンツを引き下ろすと、元気一杯の肉棒がブルンっと現れた。
「……」
 その瞬間、母の息を飲む声が聞こえ、その反応に雄としての誇らしさと満足感が込み上げてくる。
 そのままスカートを捲り、パンティに手をかけると、母は急にハッとしたように体を硬直させ、体を押しのけるようにしてきた。
「やめて圭ちゃんっ……それはいけないわっ……」
 不意に起きた激しい抵抗に驚きつつ、ここまで来たら止める事など出来ない圭介は、母の体にのし掛かりながら、パンティを無理矢理引き下ろしていった。
「させてよお母さんっ……僕、お母さんの中に入れたいっ。入れたいんだっ……」
 必死な想いをぶつけつつ、無理矢理母の体を組み敷くと、思っていたよりも簡単にそう出来た事に驚く。
 自分の方が母よりも力があるのだ。
 そう理解した瞬間、圭介の中で凶暴な何かが頭をもたげるのを感じた。
「お母さんっ……」
 荒々しく母の両脚を掴むと左右に開き、間に腰を入れていく。
「嫌っ、やめて圭ちゃんっ……お願い嫌ぁっ……」
 犯される事に恐怖している母は、必死に押しのけようとしてくるが、圭介の力に逆らうことが出来ていない。
 その事に女を従えている悦びを覚えた圭介は、このまま一気に肉棒を入れてしまえ、と思った。
 初めてという事と、母が暴れている事から、なかなか入れる事が出来なかったが、入れようとしばらくもがいていると、不意に肉棒が何かに引っかかるのが感じられた。
「ここだ」と思って強く腰を押し込むと、ニュルリと亀頭の先が入り込み、それと共に強烈な気持ちの良さが腰から湧き昇ってきた。
(うぅ……何だこれ? 凄いぃ……)
 亀頭が温かくてヌルヌルした柔らかいモノに包まれ、とんでもない気持ちの良さが溢れてくる。
 これをもっと味わいたい。
 そう思った瞬間、腰が勝手に動いて肉棒を押し込み、その刺激でさらに快感が脳天に響く。
 ヒダヒダが肉棒に絡み付き、それと擦れる事によって蕩けるような気持ちの良さが溢れ、体中の全てが快感に覆われた圭介は、何が何だか分からなくなった。
「あ……入れちゃ、や……駄目、ん……圭ちゃ、あぁっ……」
 母の色っぽい吐息を聞きながら最後の一押しをすると、ズブリといった感じで肉棒の全てが収まった。
 そのままジッとして感触を味わっていると、何もしていなくともたまらない気持ちの良さに体が覆われ、意識が快楽で一杯になった。
 眼下では、上気した顔を悩ましげにした母が、一瞬こちらを見た後、慌てて視線をそらしている。
「駄目よ、抜いて……早く……圭ちゃんお願いだから……」
 呼吸を乱しながら、そう告げてくる母の様子にゾクリとした興奮を覚える。
 今自分の肉棒は、母の中に入っている。
 信じられないほど気持ちのいい母の中に……。
(入れただけでこんなに気持ちいいのに……動いたらどうなっちゃうんだろ……?)
 そう思った瞬間、意識せずとも腰が動き出し、それと共に凄まじい快感が湧き起こった。
 肉棒の全てが柔らかな湿った肉に圧迫されており、その状態で擦る動きをすると、蕩けるような気持ちの良さが生まれるのだ。
 これまで手で握り締めてしてきた自慰とは比較にならない快感がそこにはあった。
「あっ、あっ、ああっ……駄目、嫌、あぁっ……駄目よそんな、あんっ……腰を動かしちゃ、あっ……駄目ぇっ……」
 母の悲しげな甘い声が耳に響き、自分が腰を動かしただけでそうなっている事に激しい興奮が湧き起こる。
 母を自由にしているのだという想いが強まり、その事に支配欲、征服欲が刺激を受け、たまらない気持ちで一杯になった。
(もっとお母さんを喘がせて……気持ち良くなりたい……)
 母を悶えさせる事が自分にとっての快感になると理解した圭介は、さらに腰を荒々しく振っていった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……そんな、あっ……駄目よそんな、ああっ……そんな激しくしちゃ、ああっ……激しくしちゃ駄目ぇっ……」
 母は「駄目駄目」と叫びながら、体を上方へズラして逃げようとしたが、腰を掴んでグイと引き寄せると、「ああんっ……」と特上の甘い喘ぎを発して体を仰け反らせた。
 圭介自身もそれにより、肉棒に蕩けるような気持ちの良さを覚えたため、さらに腰の動きを激しくしていった。
「やっ、やっ、やぁっ……圭ちゃ、お願、ああっ……やめ、あんっ……お母さんにこんな、あんっ……しちゃ、ああっ……嫌よぉっ……」
 涙声になりながら、頭を左右に振る母は、床に爪を立てて激しく悶えた。
 息子の肉棒に突き込まれている事を嫌悪しているのか、気持ちがいいのか、恐らく両方の状態になっているに違いないその様子を見ていると、何とも言えない背徳的な悦びが湧き起こった。
 自分は今、実の母親の膣に肉棒を押し込み、腰を振って気持ち良くなっている。
 息子でありながら、己の母親と交わっているのだ。
 自らが産まれてきた穴に肉棒を押し込み、かつて通った場所を擦りあげて悦んでいるのである。
 それは禁忌を犯す行為であり、許されざる行いだった。
 だがそれだからこそ、心も激しく悦びを覚え、夢中になってしまっているのだろう。
 他人の女であれば、ここまで執着は起きていないに違いなかった。
 母だから、自分を産んでくれた母だからこそ、ここまで求めてしまうのだ。
 この体は自分の物。
 この穴は自分の物なのだ。
 自分が産まれ、自分が通り、そして自分が戻って行くべき場所なのである。
 そうした想いが強まると共に、腰の動きが激しさを増し、そうすると母の喘ぎも大きくなった。
「ああんっ、あっ、あはぁっ……やっ、やぅっ……そんな、ああっ……そんな凄いわ、あんっ……圭ちゃんのが、あっ……圭ちゃんのが凄いのぉっ……」
 意識が快楽に染まってきたのか、母はついに圭介を受け入れるような言葉を発した。
 その事は激しい悦びとなり、また、褒められた事が嬉しさとなって圭介の心と体を包み込む。
 父に酷く叱責され、「生きている価値すらない」とまで言われた自分を、母はこうして受け入れ、信じられないほどの気持ちの良さを与えつつ、「凄い」と褒め称えてくれている。
 それは涙が出るほどに嬉しい事だった。
 特にこうして生殖行為を行っている事で褒められるのは、男として、雄としての喜びに繋がるのか、圭介は、もっともっと母を気持ち良くさせたくてたまらなくなった。
「やっ、やっ、やぁっ……いいっ、いい、いいのぉっ……圭ちゃん、あっ……圭ちゃん、あぁっ……圭ちゃぁんっ……」
 完全に行為を受け入れ、求めてくる母の言葉に、強烈な嬉しさと興奮が湧き起こった。
 ついに自分は母を手に入れたのだ。
 自分の物としたのである。
 その達成感が強烈な興奮となったのか、肉棒の耐久力が一気に無くなり、我慢できない射精感が押し寄せてきた。
 もっとこの快感を味わっていたかった圭介は、腰の動きを緩めようとしたが、膣と擦れるたびに起きる快感は、それを許してはくれなかった。
 何より腰が勝手に動いてしまい、どうする事も出来ないのだ。
「お母さんっ……僕もう、くっ……僕もう出ちゃうっ……出ちゃうよぉっ……」
「!……」
 その瞬間、快楽に染まっていたはずの母の顔が一瞬にして恐怖に歪み、慌てて体を放そうとしてきた。
「圭ちゃん駄目、駄目よ、あんっ……中は駄目、駄目なの、あぁっ……中で出しちゃ駄目、やぁっ……だから抜くの、抜いて、あっ……抜いてお願いぃっ……」
 母は必死にそう叫ぶが、初心者の圭介にそれは無理な注文だった。
 すでに自分の意思とは関係なく腰は激しく動いており、それを抑えて引き抜くなど不可能だったのである。
 何より圭介自身、このまま母の中で果てたい気持ちが強かった。
 このとてつもなく気持ちのいい状態のまま、射精という最高の快感の瞬間を味わいたかったのだ。
 初めてのセックスだからこそ、そこまでしてみたかったのである。
「お母さんっ、お母さんっ、お母さんっ……僕っ、僕っ、僕ぅっ……」
 限界が迫っているため、そうした言葉しか言えず、圭介は必死に腰を動かしまくった。
 このまま中に出したら気持ちいいだろうが、母を妊娠させてしまうかも知れない。
 そんな想いもチラリと頭をよぎったが、その事が逆に暗い悦びを生み、圭介は敢えて中で出してみたい、などと思った。
(このまま僕の、僕の精子を……お母さんの中に、お母さんの中に出すんだっ……僕の精子をぉっ……)
 それは雄が優れた雌に種付けしたいという本能の誘惑だったろう。
 息子としての理性はその想いに恐怖していたのだが、雄としての衝動は、母という素晴らしい女性の中に精液を注ぎ込み、己の子を得る事を求めたのだ。
「ああっ、駄目っ、駄目よぉっ……抜いて、抜くの、あぁっ……圭ちゃんお願い、ああっ……圭ちゃん、圭ちゃん嫌ぁっ……あっ、あっ、あぁあああああああああっ!」
「うっ、うぅあっ!」
 母の嫌がる様子に興奮が最高潮に達し、一気に精液が迸る。
 ドピュッ、ドピュッ、ドクドクドクドクドクドク……。
 母の胎内に激しい勢いで精液が注ぎ込まれていき、それを感じている圭介の頭は真っ白になった。
 体はとてつもない気持ちの良さに覆われており、小刻みに震えている。
 朦朧とする意識の中で、肉棒が律動し、ドピュッ、ドピュッ、と精液を放っていくのが感じられ、そのたびに快感が脳天を貫く。
 圭介は訳の分からない状態のまま、己の体が母の中へ精液を注ぎ込んでいくのをボンヤリと認識し、その状態にたまらない悦びを覚えた。
(気持ち……いぃ……)
 心と体が快楽で満たされ、強烈な満足感が込み上げてくる。
 そのまま何度か射精を繰り返し、少しして最後の精を放ち終えた圭介は、荒い呼吸を吐きながら母の上に身を横たえた。
 耳元で母のハァハァという呼吸が聞こえ、それに聞き入りながらしばらくジッとしていると、段々と頭が冷静になっていき、自分がとんでもない事をしてしまった事に気がつく。
(僕……出しちゃった……お母さんの中に……出しちゃったんだ……)
 強烈な罪悪感と恐怖が湧き起こってくる。
 自分はあろう事か実の母親を犯し、その胎内に精を放ってしまったのだ。
 何という恐ろしい事をしてしまったのだろう。
 それは母親にするには許されない、息子として酷い行いだった。
 自分はそんな事を母にしてしまったのである。
 それを思うと、母に対して申し訳ない気持ちで一杯になった。
(でも……すっごく気持ち良かったんだよね……)
 だが今も感じる母の体の感触を意識すると、その蕩けるような心地良さに、セックスして良かったという想いも湧き起こった。
 実の母親を抱き、己が産まれてきた膣内へ精を注ぎ込むのは、確かに許されない行為だろう。
 だが許されない行為であるがゆえに、それを犯す事に強烈な悦びがあった。
 何より愛する母を自分の物と出来た事に強い嬉しさがあったのだ。
 確かに良くない事かも知れないが、母と一つになれた事は、圭介の中に信じられないほどの喜びを生み、もっと生きていたいという強い想いを抱かせるに至った。
 自分は母を抱く事によって、生きる気力を取り戻したのである。
 それは実に素晴らしい事なのではないだろうか。
 もしあのまま思い詰めていたら、自分は死んでいたかも知れないのだ。
 それを考えれば、母と愛し合い、体を繋げ合った事は、何とも素晴らしい事のように思えた。
(そうだよ……これで良かったんだ。良かったんだよ……)
 そう誤魔化すように思ってはみたが、母の反応を想像すると怖かった。
 自分にとっては、愛する母と繋がり合えたのは幸せな事だったが、母はあれほど嫌がっていたのだ。きっと怒っているだろう。
 大好きな母に嫌われるのだけは嫌だった。
 謝れば許してもらえるだろうか。
 そんな事を思いながら、隣にある母の美しい横顔を見つめる。
 頬が上気し、瞳はボンヤリとしていて何も見ていないようであり、それは今まで見た事のない、何とも色っぽいものだった。
 そんな状態にしたのが自分なのだと思うと、激しい誇らしさが込み上げ、母に対する愛おしさが高まっていく。
(お母さん……僕の、僕のお母さん……)
 大好きな母を自分の物に出来た事に、圭介は改めて大きな喜びを覚えた。
 母と繋がり、気持ちの良さを与え合ったことは、何と素晴らしく、充実した時間だったろう。
 これからもああして母と一つになれたらどんなに幸せだろうか。
 圭介の心は、母に対する愛で一杯だった。
「圭ちゃん……」
 そんな事を考えていると、不意に母が声をかけてきた。
 やはり怒っているのだろうか。そう思いながら恐る恐る視線を向けると、母は困ったような、どうしたらいいのか分からないような表情を浮かべていた。
 てっきり悲しみ、怒っているものだとばかり思っていた圭介は、その事を意外に感じた。
「お母さん、怒ってないの?」
「ええ、そうね……怒ってないわ……」
 不思議に思って尋ねてみると、母は小さく溜息を付いて微笑んだ。
「最初は怒っていたわ。こんな事をした圭ちゃんをどうしようかって……それこそ圭ちゃんを殺して、お母さんも死んだ方がいいんじゃないかって思ったくらい……」
「え……」
 まさかそこまで思っていたとは予想していなかった圭介はギョッとなった。
「だって私達はそれくらい罪深い事をしてしまったのよ? 親子なのに、こんな事をして……許される事じゃないわ……」
 改めてそう言われると、確かにとんでもない事をしてしまったと思えた。
 もし他人から「母親とセックスした」という話を聞かされたら、異常な事だと感じるのは確実だからだ。
 それを母に強制してしまったのだと思うと、改めて申し訳なさで一杯になった。
 自分は死ぬ気だったし、追い詰められて思わずしてしまった事だったが、母にしてみればそうではないのだ。
 突如息子に襲われ、母子相姦という罪を負わされてしまったのである。
 それはあまりに酷い事だろう。
「ごめんなさい……でも僕、どうしてもしたくなって……だってお母さんの事が好きだから……」
「その気持ちは嬉しいわ……でも親子でこういう事はいけないの。それは分かってる?」
「うん、分かってる……分かってるけど、したくてたまらなくなっちゃったんだ……ごめんなさい」
「いいのよ。もうしてしまった事なんだから……それに圭ちゃん、死ぬ気だったんでしょう? そんな風になっていたら仕方ないもの……」
 母はそう言うと、優しく頭を撫でてきた。
 そうされていると、手のひらから母の愛情が伝わってくるようで、穏やかな気持ちが溢れてくる。
「それで圭ちゃん……まだ死にたいと思ってる……?」
 穏やかな声でそう聞かれた圭介は、すでに死にたいなどと全く思っていない自分を認識した。
 母と交わり、その体の気持ちの良さを味わい、母に包まれる事を経験した事で、生きていたいと強く思うようになっていたのだ。
 何より愛する母と離れるなど嫌だったし、悲しませるのも嫌だった。
「死にたくないよ……僕、生きていたい……」
 首を強く左右に振り、母の顔をジッと見つめる。
「そう、良かった……お母さん嬉しいわ……」
 母は安堵したように息を吐き出すと、強く抱き締めてきた。
「お母さん、圭ちゃんが死んだら生きていられないもの……圭ちゃんはお母さんにとって命なの……もう死ぬなんて絶対に言わないで。そのためならお母さん、何だってするから……」
 その言葉にドキリとしてしまう。
 母は性的な意味で言ったのではないのだが、そう思えてしまったからだ。
 その意識はすぐさま股間に伝わり、力を失っていた肉棒に力が蘇ってムクムクと大きくなっていく。
 それと共に母と交わりたい衝動が押し寄せ、圭介はこのままもう一度母を抱きたくてたまらなくなった。
「お母さんっ」
 叫びつつ、母の体を強く抱き締める。
「あっ……駄目よそんな……いけないわ……」
 肉棒を擦りつけるようにすると、母は頬を赤くして視線を逸らした。
「でも今、何だってするって言ったよ?」
「そ、それは……でも親子でするのはいけないの。我慢してちょうだい」
 母は困ったようにしてそう言ってくる。
 そうした表情は何とも色っぽく、圭介の肉欲は益々高ぶっていった。
「じゃあ、もう一回だけ。もう一回だけでいいから……そしたら僕、我慢するから……ね、いいでしょ?」
 そう言いながら、首筋に唇を這わせ、耳を優しく噛む。
「あんっ……やっ、駄目よ、止めて圭ちゃん、あっ……お願い、お願いだから……」
 母は真剣な表情で体を放そうとしてくる。
 しかし圭介の意識はすでに肉欲に染まりつつあり、その程度の事では抑える事は出来なかった。
「ヤらせてよお母さん……僕、もう我慢できないんだ……こんな状態じゃおかしくなっちゃう……もう一回お母さんとすれば大丈夫だから、いいでしょぉ……?」
 のし掛かり、顔を近づけて必死になってお願いする。
 実際本当におかしくなりそうなほどになっていたのだ。
 こうして母の体に触れていると、肉棒が猛って仕方がないのである。
「……しょうがない子なんだから……分かったわ。もう一回だけよ? もう一回だけはお母さん、圭ちゃんのしたいようにさせてあげるから……」
 その言葉に歓喜の想いを抱く。
 また母を抱けるのだ。
 この気持ちのいい体を自由にし、母を喘がせる事が出来るのである。
 それはたまらなく嬉しい事だった。
「お母さんありがとうっ」
 そう叫ぶと同時に母の唇に吸い付いていく。
 舌を絡ませ、唇を擦り合わせると、何とも気持ちのいい感触が広がった。
「んっ、んんっ……んっ、んふぅっ……でもいい? これは今夜だけのこと……明日になったら忘れるの……約束出来る?」
「うん、約束する。明日になったら……忘れるよ……」
 そう告げるのは辛かった。
 だがそう言わなければ母は抱かせてくれないだろう。
 先ほどのように無理矢理抱いても良かったが、そうすれば母を悲しませてしまうため、出来ればしたくなかったのだ。
「圭ちゃんはいい子ね……私達は過ちを犯してしまったけど、それは今夜だけのこと……この事は二人だけの秘密……明日になったら忘れて、普通の親子に戻るの。いい?」
 その言葉にコクリと頷いた圭介は、再び母の中に肉棒を押し込んでいった。
 体にたまらない快感が走ると共に、甘い喘ぎが耳に響き、そのまま腰を動かし始めると、母がいやらしく体をくねらせ、激しく悶えた。
「お母さんっ……」
 圭介は股間から湧き昇ってくる快感にうっとりしつつ、愛する母を組み敷き、喘がせている状況に、背徳的な興奮と強烈な満足感を覚えながら、激しく肉棒を叩き付けていくのだった。


「あっ、あっ、ああっ……」
 普段自分が寝ているベッドの上で、何も身に付けていない母が甘く喘いでいる。
 そんな状況を見ていると、自分が夢を見ているのではないかと圭介は思った。
 あれから結局、再びセックスをしたくなった圭介のお願いに母は妥協し、「今夜だけよ?」と言って何度も抱かせてくれていたのだ。
 それは圭介にとって激しい喜びとなり、夢中になって母の体を貪った。
 母の体は何度抱いても飽きるという事がなく、圭介の心と体は、その魅惑的な肉体の虜となっていった。
 服を脱ぎ、お互い裸になって体を重ねた瞬間、そのしっとりとした肌の感触にまず心を奪われた。
 動くたびに擦れ、快感を生む母の肌は、抱き締めているだけで最高だった。
 さらには温かで柔らかな肉が、こちらの体を全て受け止め、取り込んでしまうように思えるのもたまらず、圭介は狂ったようにその感触を味わった。
 豊満な乳房を好き放題揉みしだき、体中を舐め回し、秘所に肉棒を押し込んで腰を荒々しく動かしまくると、母が美しい顔を快楽に歪ませ、潤んだ瞳でこちらを見つめながら、その色っぽい唇から甘い喘ぎを発してくるのに頭がおかしくなりそうになった。
 母という存在全てが、圭介に快楽をもたらすものだったのである。
 それだけでも素晴らしかったのだが、その上母は、圭介の動きに対して指導をしてくるようになった。
 肉棒を突き込むたびに、「素敵よ。もっとして」「そこをもっと、そう。いいわ」「上手よ圭ちゃん。そうしてくれると、お母さん気持ちいいの」などと褒め称えつつ、圭介の拙い動きを指導してくれるのだ。
 最初は冗談っぽく「せっかくだから、圭ちゃんを一人前の男にしてあげる」と言っていたのだが、実際に始めてみると母の指示は何とも的確で、言う通りに腰の動かし方を変えると、それだけで母は激しく喘ぐようになった。
 その事を喜びつつ礼を述べると、母は「圭ちゃんはやれば出来るの。だからもっと自信を持ってね?」と優しく頭を撫でながら微笑んだ。
 これまでも父に叱られるたびに同じ事を言われてきたが、こうして実際に成果を出せている状況で言われると、その印象は全く違っていた。
 以前は単なる慰みでしかないように思えたのが、今は本当にそうなんだと思えたのである。
 自分はやれば出来る。
 だからもっともっと母を気持ち良くさせてあげるのだ。
 強い確信と共に肉棒が激しくたぎり、圭介はもっともっと母を抱きたくなった。
 母に教えられた事を繰り返し、出来るだけ母が気持ち良くなるように必死に体を動かしていく。
 すると母はそれまで以上に激しく喘ぎ、跳ねるようにして体を悶えさせた。
 その際に発せられた声があまりに大きかったため、圭介は父に気づかれるのではないかと心配になったが、すぐに大丈夫だろうと思い直した。
 何故なら父は、あれから酒を飲んで寝たらしいからだ。
 アルコールに弱い父は滅多に酒を飲まないのだが、一度飲むとすぐに酔い、熟睡してしまうのである。
 そうなると何をしても起きないほどであったため、こうして母が大声で喘いでいても、目を覚ます心配は無かった。
 どうやら父は仕事で上手くいっていない事があり、そこへ期待を裏切る圭介の受験失敗を聞かされたため、あれほど怒ってしまったらしい。
 母は「お父さんを許してあげてね?」と優しく言ってきたが、圭介はその事はもうどうでもよくなっていた。
 何しろこの気持ちのいい行為に比べれば、父の怒りなど気にならなかったからだ。
 それに謝るのはこちらの方だろう。
 受験の事はもちろんだが、何しろ今自分は、本来父の物である母を抱いているのだから。
 父の妻である母と、自分はセックスしているのである。
 これは受験の失敗など比較にならない裏切りだろう。
 何しろ自分だけでなく、母も父を裏切っている事を考えれば、家族二人して酷い事をしているのであり、その事に強い罪悪感を覚えたからだ。
 一夜の事とはいえ、妻と息子が乳繰り合い、夢中になって快楽を貪っていると知ったら、父はどれほど怒るだろう。
 受験の失敗など比較にならないに違いない。
 そう考えるとゾッとする恐ろしさを感じたが、逆にそれゆえに、今母としている行為の背徳感が強まった。
 父の姿を思い浮かべると肉棒が強く勃起し、もっと母を喘がせ、自分の物にしたくなってくるのだ。
 優れた父の物である母を、自分が奪い取っているという快感は、これまでの人生で感じた事のない喜びだった。
 圭介は今夜母を抱いた事で、単なるセックスの気持ちの良さだけでなく、母親を抱く近親相姦の悦びと、父を裏切っているという背徳感、そして父から母を奪ったという歪んだ快楽を知る事となった。
 それは初体験で経験するには、あまりに強烈すぎるものだったが、強烈過ぎるがゆえに魅力的でもあり、圭介はすっかりその事に夢中になっていたのだった。
「ああんっ、あっ、ああっ……いいわ圭ちゃん、あっ……圭ちゃんいいの、やっ……圭ちゃん素敵ぃっ……あんっ、あんっ、ああんっ……」
 母が甘えるように喘ぎ、腰に脚を絡ませてくる。
 その逃がすまいとする行為に、母の自分に対する執着を感じた圭介は嬉しくなった。
 今や母は、自分の与える刺激にかなり満足しているのだろう。
 自ら教えたやり方であればこそ、母にとって最も気持ち良くなる行為のはずだったからだ。
「お母さんっ、気持ちいいよっ……僕っ、すっごく気持ちいいっ……お母さんの中って凄すぎるぅっ……」
 肉棒は母の体の中で強く圧迫され、温かで湿った肉に絡みつかれていた。
 腰を動かすたびにそれが擦れ、蕩けるような気持ちの良さを与えてくるのに、圭介は頭がおかしくなりそうだった。
「圭ちゃんのオチンチンも、あっ……気持ちいいわ、あんっ……お母さんの中を擦りあげて、やっ……お母さんの気持ちいいとこ、あぅっ……すっごく突いてくるのぉっ……」
 母はそう叫びながら体を仰け反らせた。
 腰の動きに合わせて豊満な乳房が揺れ動き、髪が汗で額に張り付いているのが何とも色っぽい。
 両手で乳房を掴むと、むにゅりといった感触が手のひらに広がり、その気持ちのいい弾力にうっとりとなる。
「そこ、あっ……そこをもっと、あんっ……強く大きくよ、あぁっ……そう、いいわ、あぅっ……そう、そう、そぉっ……ああぁっ……」
 指摘された箇所に強く大きく突き込むと、母はそのたびに顎を仰け反らせ、今まで以上に甘ったるく喘いだ。
 その姿は、普段の母からは想像出来ないいやらしいものであり、そんな風にしているのが自分なのだと思うと、激しい悦びが生まれた。
「お母さん、大好きだよぉっ……お母さぁんっ……」
「お母さんもよ、あっ……お母さんも圭ちゃんが、あぅっ……圭ちゃんが大好きぃっ……んっ、んんっ……」
 唇に吸い付き、強く舌を絡み合わせる。
 母の腕が背中に回って強く引き寄せられると、乳房が胸で潰れるのが感じられ、その心地良い感触に肉棒がさらに勃起した。
「んっ、んんっ……んふっ、んっ、んぁっ……あっ、ああんっ……凄い、あっ……凄いわ、ああっ……凄くいぃんっ……それをもっと、もっとよ、あっ……圭ちゃんもっとぉっ……」
 両腕両脚を絡みつかせ、しがみつくようにして抱き付いた母は、圭介が肉棒を強く深く押し込むと激しく喘いだ。
 密着した状態でギュッと抱き締められると、体中が包まれているように感じられ、自分の全てが母に飲み込まれてしまうような錯覚を覚えた。
(ああ……お母さん……僕はお母さんが大好きだ……愛してるんだぁ……)
 心の中で母への強い愛情が溢れ、このまま何もかも母に捧げたくなってくる。
「あっ、あっ、ああんっ……もうお母さん駄目、あっ……もうイっちゃうわ、あんっ……もうイっちゃうのぉっ……」
 その叫びと共に、膣内が収縮し、肉棒をぐにゅぐにゅと圧迫してきたため、その刺激に射精感が一気に高まっていく。
「僕もっ、僕ももうっ……僕もイっちゃうよっ……」
 圭介もそう叫びながら、それまで以上に腰の動きを速めていった。
「やっ、やっ、やぁんっ……じゃあ一緒に、あっ……一緒にイきましょう、ああっ……お母さんの中に、あっ……お母さんの中に出してぇっ……」
 その言葉に衝撃を受ける。
 最初に中に出して以来、何度か同じようにしたのだが、母は止めるのを諦めたのか、これまでその事について何も言わなかった。
 しかし忌避しているのは何となく分かったため、その母が出していいと、中に精を放っていいと言った事に圭介は嬉しくなった。
 一方、もし妊娠させてしまったらという思いも湧き起こり、恐怖を感じもしたが、そうであるがゆえに強い興奮を誘う事でもあった。
 何よりもうすでに何度も出しているのだし、そうなっても構わないではないかという部分もあったため、思い切り射精してやろうと思った。
「あんっ、あんっ、ああんっ……いいわっ、いいっ、いいのぉっ……お母さんもう、あっ……お母さんもぉっ……もう駄目ぇっ……圭ちゃんっ、圭ちゃんっ、圭ちゃぁんっ……やっ、やっ、やぁああああああああっ!」
「お母さんっ、お母さんっ、お母さぁんっ!」
 母子の呼び合う声が重なった瞬間、圭介の肉棒から精が迸った。
 ドクドクドクと息子の体から放たれる精液が、母親の膣の中へと注がれていく。
 肉棒の鼓動と共に精液が放出され、蕩ける快感が圭介の心と体を包み込む。
 母は「あ……あぁ……」と色っぽい吐息を漏らし、精液が注ぎ込まれるたびにピクピクと体を震わせており、その様子は何とも淫靡なものを感じさせ、母を支配しているのだという意識を高めていった。
 自分は今、実の母親の中に射精している。
 そう思うと恐怖心と罪悪感が湧き起こるが、それ以上にたまらない気持ちの良さも起きた。
 近親相姦の禁を破り、母の体を貪って精を注ぎ込むこの行為は、何と蕩けるように魅惑的な快楽なのだろう。
 何より父を裏切って、父の物である母を奪っているのが最高だった。
 幼い頃から決して逆らえなかった父。
 その父の所有物である母を、今自分は己の物としたのだ。
 その喜びは、肉体的な快感と共に圭介を幸福感で一杯にし、射精の勢いをさらに強くしていった。
 しばらくして精を放ち終えた圭介は、柔らかで温かな母の肉体に身を預けた。
 ハァハァという荒い呼吸を聞きながら、母の色っぽい顔を見ていると、もっと抱きたくてたまらなくなってくる。
「お母さんっ……」
 ガバッと身を起こし、再び母の体にのし掛かっていく。
「え? もう? 圭ちゃんもう出来るの?」
「うん。僕、お母さんともっと気持ち良くなりたいんだ……」
「で、でもお母さん、ちょっと疲れちゃって……あ、駄目よやだ、あんっ……少し休ませて、ああっ……圭ちゃんお願いぃっ……」
 慌てる母を可愛く感じながら肉棒を押し込んでいく。
 ズブリと入り込んだ肉棒は、一気に奥まで押し進み、気持ちのいい感触を伝えてきた。
 困ったような表情を浮かべて喘ぐ母を見下ろしながら、その柔らかで気持ちのいい肉体に酔いしれつつ、圭介は何度目か分からない射精へ向かって腰を振っていくのだった。


 まもなく夜の十二時になろうかという時刻。
 圭介は、机の前で明日の準備をしていた。
 明日は第二志望だった高校の入学式なのだ。
 新しい環境にワクワクし、新たな出会いがある事に胸を高鳴らせながら、持っていく物を確かめる。
 入学式だけであるため、特に用意するものも無いのだが、何となくそうしてしまうのだ。
 壁には高校の新しい制服が掛かっており、そちらへ視線を向けた圭介は、傍にあるベッドで目を留めた。
 その瞬間、楽しげにしていた圭介の顔に暗いかげりが生まれた。
(お母さん……)
 数ヶ月前、そこで自分は母と交わった。
 あれは何とも蕩けるような体験だったが、あの日以来、母は忘れてしまったかのようにそうした素振りを見せる事はなかった。
 確かに忘れる約束はしたものの、圭介としてはもっと母を抱きたかったため、その事は残念で仕方がなかった。
 無理矢理抱いてしまう事も考えたが、あの優しい母を悲しませるのは嫌であったし、下手をしたら嫌われてしまうのではないかと思うと、恐ろしくて出来なかった。
 それゆえ我慢していた訳だが、自慰をする際には、母を思い浮かべてするようになっていた。
 あの日、何度も味わった母の肉体の感触は未だ記憶に残っており、それを思い出すだけで肉棒は硬く大きくなった。
 母を想って肉棒をしごくだけで、あっという間に精が迸るのだ。
 だがそれは、母に包まれ、母に優しく見つめられながら放つのとでは全く異なり、強い虚しさを感じさせるものだった。
 もう一度母を抱きたい。
 もう一度あの温かで柔らかく、気持ちのいい母の中に、母に愛されながら精を放ちたい。
 母と強く愛し合いたかった。
 その想いは日に日に強くなり、爆発しそうなほどになっていた。
 何をしていてもその事が気に掛かり、暗くなってしまうのだ。
 貴史などには「最近元気が無いな」と心配されてしまうほどであったため、自分で思っている以上に落ち込んでいるのかも知れない。
 ただ貴史は父に叱られた事を引きずっていると思っているらしく、「大学受験で見返してやれ」と励まされたのには苦笑してしまった。
 確かにあの日、母を抱かなければ、落ち込んでいる理由はそうなっていただろう。
 何しろ死のうと思ったくらいだ。
 しかしその事はすでに吹っ切っていたし、何より父が翌日に「強く叱りすぎた」と謝ってくれたため、気にならなくなっていたのである。
 逆にそうしてくれた父に対して申し訳なさが強まっているくらいであり、一度の過ちとはいえ、母と一緒に父を裏切った事は、圭介の心に重くのし掛かっていた。
 その一方、体は母を強く求め、再び過ちを犯したいと欲していた。
 父に対する罪悪感も、肉欲が高まると、ゾクリとした快感に変わるのだ。
 自分は何と駄目な人間なのだろうと思いつつ、それを抑えられてもいるのだから、まだ大丈夫だと安心してもいた。
 そういう意味で、母が以前と変わらない態度で居てくれるのはありがたかった。
 下手に性行為を匂わせる態度を取られでもしたら、恐らく自分を抑える事は出来なくなるからだ。
 これからもこうして普通に母と接していけば、その内この衝動も治まり、本当の意味で元の親子関係に戻れるのではないかと圭介は思っていた。
「圭ちゃん、ちょっといいかしら?」
 そんな事を考えていると、不意にドアがノックされ、母が入ってきた。
 このような時間に母が起きていた事に驚きつつ、一体何の用だろうと思う。
 まさか抱かせてくれるのでは、などという想いが湧き起こるが、慌ててそれを抑え込む。
 その様な事を考えていては、実際にしかねないからだ。
「明日からいよいよ高校生ね。お母さん、嬉しいわ」
 その言葉にドキリとしてしまう。
 何故なら「お母さん、嬉しいわ」というのは、抱いている最中、何度も聞いた言葉だったからだ。
 母の指導通りに肉棒を突き込むと、嬉しそうに喘ぎながらそう呟いたのである。
 いやらしい記憶が頭に浮かび、思わず肉棒を硬くしてしまう。
 目の前に母が居るせいか、いつもよりも妄想に現実味が感じられ、膣に包まれていた時の感触が肉棒に蘇ってくる。
 呼吸が微妙に乱れ、思わず母から目をそらしてしまう。
「ねぇ、圭ちゃん……最近元気無いけど、何かあったの?」
 母は心配そうな声でそう告げてくると、近くに寄ってきた。
 触れられる距離まで近づいてきた事で、体中に母の肉の感触が蘇り、体毛がそそり立つ。
「別に何も無いよ……元気無いように見えた?」
「ええ、見えるわ……何か悩んでいるみたいに思えて……良かったらお母さんに話してみない?」
 そう言われても出来る訳がなかった。
 この悩みは、母にだけはしてはならないのだ。
 してしまえば、自分はそのまま母を押し倒してしまうだろう。
 あの時のように……。
「言えない事なのね……もしかして、お母さんとのこと?」
「え……?」
 母の思わぬ言葉にハッとなる。
 母との事となれば、あの日のセックスになる訳だが、母がその事について言ってくるとは思わなかったからだ。
「やっぱりそうなのね……圭ちゃん、約束守ってくれてるけど、本当は辛いんでしょう?」
「……」
 全てを見透かされたその言葉に、思わず息を飲む。
 もしかして以前からバレていたのだろうか。
「どうして分かったの……?」
「お母さんは、圭ちゃんの事なら何でも分かるのよ……だって母親ですもの……」
 驚く圭介に、母は当たり前だという感じでそう告げてきた。
「だから圭ちゃんが、本当はお母さんとああいう事をまたしたくて仕方がないのも分かるの……だけど親子でするのはいけないから……だって圭ちゃんがお母さんに夢中になって、恋人を作れなくなったら困るでしょう?」
 それは確実にそうなるだろう。
 母の体を抱きまくれるとなれば、「恋人なんか要らない」と考えるようになるに違いないからだ。
 というより、すでにそうなっていた。
 以前は「高校へ入学したら、恋人が出来るといいなぁ」とボンヤリ思っていたのが、今はそれよりも「またお母さんとセックスしたいなぁ」と考えるようになっていたからである。
 自分にとって女は、母になってしまっていたのだ。
「圭ちゃんがお母さんに夢中になって、普通の恋愛が出来なくなっちゃったら困るから……圭ちゃんが苦しそうにしてたの分かってたけど……お母さん、絶対に抱かれる訳にはいかないって思ったの……」
 それは母親として当然の考えだろう。
 そもそも息子に抱かれる事自体が間違っているのだから、それをしない様にするのは当たり前なのだ。
「だけど……圭ちゃんあんまり辛そうで……昨日もボンヤリしていて、このままじゃどうにかなっちゃうんじゃないかって思って……」
 母の言葉に驚く。
 自分はそんなに酷い有様だったのだろうか。
 せいぜいちょっと調子が悪く見える程度だと思っていたのだが、母のこの口調からすると、かなり酷い状態だったらしい。
「だから……だからね?……明日は高校の入学式でしょ?……それなのにこのままの状態で行くんじゃ良くないと思うから……その……今夜はお父さんも出張で居ないし……だから……その……今夜だけ、圭ちゃんのしたいようにさせてあげようかなって……」
「!……」
 その言葉に、心臓が破裂するのではないかと思った。
 今母は、また抱いていいと、好きなようにして良いと言ってきたのだ。
 それはこの数ヶ月、圭介が待ち望んでいた言葉であり、言って欲しくないとも思っていた言葉だった。
 母を抱きたいと願う反面、もういけないとも思っていたからだ。
 そして言われてしまえば、自分では抑えられない事は分かっていたのである。
 だが母は、言ってしまった。
 誘惑の言葉を。
 息子を誘う、禁断の言葉を。
 もうこうなっては、圭介に自分を抑える事は不可能だった。
「お母さんっ!」
「キャッ……圭ちゃん、あっ……」
 圭介は勢い良く椅子から立ち上がると、そのまま母を抱き締め、ベッドに押し倒した。
「お母さんっ、僕っ、僕ぅっ……」
 我慢出来ないとばかりに胸を掴み、首筋に吸い付いていく。
 これまで妄想で反芻していた母の肉体が目の前にあり、今自分はそれに触れているのだと思うと、激しい喜びが湧き起こった。
 これから自分は、この母のいやらしい肉体を自由にして良いのだ。
 好きなだけ貪って良いのである。
 何と素晴らしい事だろう。
 歓喜と肉欲で心と体を一杯にした圭介は、そのまま母の体を荒々しく貪っていくのだった。


「あっ、あっ、ああっ……」
 横になった圭介の腰に跨った母が、上下に体を揺らして悶えている。
 何も身に付けていないその姿は、熟女の魅力に溢れ、動くたびに揺れる肉の存在は、何とも言えないいやらしさを感じさせた。
「あんっ、ああっ……いいわ、いいの、あんっ……圭ちゃんいいっ……」
 母は髪を振り乱しながら、夢中になって腰を振っている。
 その様子は、普段の母からは想像出来ない淫乱さで、自分の肉棒がそこまで母を変えている事に圭介は誇らしさを覚えた。
 あれから数度抱いたが、母の乱れは激しかった。
 以前抱いた時よりも、いやらしさを強く感じさせたのだ。
 もしかしたら母も、こうして再び自分と交わる事を求めていたのかも知れない。
 欲求不満だったのではないだろうか。
 考えてみれば、これまで両親がセックスしている雰囲気を感じた事は無かった。
 受験勉強で夜遅くまで起きていたが、両親の寝室はいつも静かだったのだ。
 年齢を考えれば、あまりセックスをしなくなる時期なのかも知れないが、母のこの乱れ具合を見ていると、母自身は性欲が強いように思えた。
 それが自分と交わった事で火が付いてしまい、我慢しきれなくなってこうして抱かれに来たのではないだろうか。
 そう考えなければ、あれほど忌避していた「母子でセックスする」という行為を、母が自らするとは思えなかった。
 確かに圭介の事を心配していたというのもあるだろうが、ここまで積極的に乱れているのは、自らも性欲が高ぶって仕方がなかったのではないかと思えた。
 もしそうだとするならば、今後も母が抱かせてくれるように思え、圭介は凄く嬉しくなった。
「あっ、やぁんっ……圭ちゃんいきなり、あっ……凄い、あっ……凄いわぁっ……」
 興奮した圭介が腰を強く突き上げると、母は嬉しそうに喘ぎながら、頭を仰け反らせた。
 胸が前に突き出された事で、豊満な乳房が強調され、それがたゆんたゆんと揺れている様に、さらに興奮が高まっていく。
「やっ、あんっ……あぁっ……いいわ、あんっ……いいわ圭ちゃん、あっ……それいぃっ……」
 両手で乳房をギュッと掴み、ヤワヤワと揉みしだくと、母は激しく喘ぎ、後ろに手を付いてさらに体を仰け反らせた。
 手のひらに感じる乳房の柔らかさは心地良く、形を変える様も母の肉体を支配している感覚を強めて誇らしくなった。
 このいやらしい体の女を、今自分は自由にし、己の物として扱っているのだ。
 自分よりも遙かに年上で、多くの男が望んでも抱けない美しい女を、今自分は好きにしているのである。
 しかも母親という、本来自分が従うべき存在であり、父の妻、つまり他人の物である存在を好き放題抱いているというのは、何とも言えない歪んだ悦びを感じさせた。
「お母さんっ、たまらないよぉっ……」
 上半身を起こし、母を抱き締める。
 すると体の前面に蕩けるような柔らかさが溢れ、その感触に圭介はうっとりとなった。
 何故母の体はこれほど気持ちがいいのだろう。
 信じられないほど柔らかすぎて、そのまま吸い込まれてしまいそうなのがたまらなかった。
 実際中に入り込んでいる肉棒などは、あまりの心地良さから溶けて消えてしまうのではないかと思えるほどだったのだ。
 それだけ母の肉体は極上であり、何度抱いても飽きない素晴らしさに溢れていたのである。
「お母さんもよ、あっ……お母さんも圭ちゃんが、あんっ……圭ちゃんがたまらなくて、ああっ……おかしくなっちゃうっ……」
 母はギュッと抱き締めてくると、くねるように体を擦りつけ、潤んだ瞳で愛おしそうに見つめてきた。
 その様子に強い愛情を覚え、もっともっと母を悦ばせたくなった圭介は、ベッドに押し倒すと四つんばいにし、背後から肉棒を押し込んで激しく腰を振りまくった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……いいわっ、いいのぉ、あんっ……そこよ、そこ、ああっ……圭ちゃんいいっ……」
 肉棒が突き込まれるたびに頭を仰け反らせる母の姿は実にいやらしく、そんな状態にしているのが自分なのだと思うと、男としての誇らしさが込み上げてくる。
 自分が腰を動かすだけで、母は淫靡さを増し、甘えるように悶えるのだ。
 それは何と素晴らしい事だろう。
「ああんっ、あっ、ああっ……圭ちゃん上手になったわ、あんっ……ホント上手、やっ……お母さんがして欲しいところに、あっ……ぴったり来るのぉ、あぁっ……」
 母は頭を激しく左右に振り、圭介を褒めつつ腕を崩したり立てたりしながら、耐え難いようにして悶えている。
 その様は、まさに母を従えているように思え、圭介の悦びは最高潮に達していった。
 四つんばいになり、背後から突き込まれて喘ぐその姿は、まさに獣そのものだろう。
 日頃の楚々とした母の姿と比較すると、それは何ともたまらないギャップだった。
「あぅっ、あっ、ああっ……そこをそんな、やぁっ……そんな強くしたら、ああっ……駄目っ、駄目っ、駄目ぇっ……お母さん駄目になっちゃうぅっ……」
 母は腕を崩し、上半身をベッドに押しつけて尻を掲げる体勢になると、シーツをギュッと掴んで引き寄せている。
 涙を流して甘い声をあげるその姿は、自分に対する従順さを感じさせ、素晴らしい母を従えている悦びは強烈な刺激となった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……奥っ、奥に当たるの、ああっ……奥に当たるぅっ……圭ちゃんのが、あんっ……圭ちゃんのが奥に当たるよぉっ……」
 腰が背中に付くほどに肉棒を大きく強く叩き付けると、亀頭の先にコツンコツンと何かが当たる感触があった。
 母はそれがたまらないらしく、それまで以上に体を震わせると、もう駄目といった感じで頭を左右に振った。
「やっ、やっ、やぁっ……イっちゃう、あっ……イっちゃうの、ああっ……お母さんイっちゃうぅっ……あぅっ、あっ、あぁああああああああああっ!」
「うぅっ!」
 母が体を硬直させるのに合わせ、圭介は精を放った。
 ドクドクドクと注がれていく精液を感じながら、押し寄せてくる快感にうっとりとなる。
 しばらくそうして射精を繰り返した後、最後の放出を終えた圭介は、脱力して母の横に倒れ込んだ。
 母は上半身をベッドに付け、腰を掲げた体勢のまま、荒い呼吸を繰り返している。
 そんな様を見ていると何ともいやらしくてたまらず、すぐに肉棒が大きく硬くなった圭介は、再び母を抱きたくなった。
 起き上がり、母の後ろで膝立ちになると、そのまま先ほどと同じように肉棒を押し込んでいこうとする。
「あ、駄目よ圭ちゃん。もう止めましょう? こんな時間だし……」
 しかし母は横に倒れて肉棒をかわすと、セックスする事を拒否してきた。
「え〜〜? まだいいじゃない。僕、もっとお母さんとしたい」
「だけど明日は入学式だし、寝ないと大変よ?」
「でもお母さんと出来るのって今だけだもん。だったらしたいよ」
 圭介はそう告げると、母の両脚を持ち、左右に広げて間に腰を入れた。
「圭ちゃん、駄目よそんな……駄目、分かってお願い……」
 母に必死な声で言われ、困ったように見つめられると激しい興奮が湧き起こってくる。
 元々嫌がる母を無理矢理犯す形で初体験をした圭介にしてみれば、そうした母の様子はたまらなく魅惑的だったのだ。
 事実、肉棒が先ほどよりも硬く大きくなっており、早く中へ入れたくて仕方がなくなっていた。
「僕、お母さんともっとしたいっ……したいんだよぉっ……」
「あっ、駄目よっ……駄目、圭ちゃんっ……」
 激しい肉欲と共に強引に組み敷いて挿入しようとするが、母は慌てて体を捻ると、肉棒を入れさせないようにしてきた。
 その事に益々興奮を強め、必死になって体を動かしていると、不意に肉棒が膣穴にズブリとハマるのが分かった。
 そのまま一気に押し込んでいき、全て収めると一旦動きを止めて大きく息を吐き出す。
「もぉ、入れちゃって……しょうがない子なんだからぁ……」
 母は困ったような笑みを浮かべると、優しく頭を撫でてきた。
「ごめんなさい。でも僕、お母さんとどうしてももっとしたくて……」
「それは分かっているけど、でも明日は大切な入学式なのよ? 寝不足じゃ良くないでしょう?」
「寝不足なんて平気だよ。僕はお母さんを抱けない方が嫌だ」
 そう告げながら、母の唇に吸い付いていく。
「んっ、んんっ……んっ……本当にしょうがない子なんだから……圭ちゃんはいつまで経っても甘えん坊さんね」
「うん。僕、お母さんに甘えたい……」
 母を抱き締め、頬を擦りつけながらジッと母の顔を見つめる。
 そうしていると、膣に収まった肉棒のドクンドクンといった鼓動が聞こえ、自分と母が繋がっている感覚が強まって嬉しくなった。
「それじゃ、今度また抱かせてあげるから。それならいいでしょ?」
「え? ホント?」
 その言葉に激しい喜びが溢れる。
 何と母は、また抱いてもいいと言ってくれたのだ。
「お父さんが居ない時にね? でもそれ以外は駄目よ? 我慢してちょうだい。お父さんにバレたら大変なんだから……」
 最後は真剣な顔をして母は告げてきた。
 確かに父にこの事がバレたら大変な事になるだろう。
 何しろ妻と息子がセックスをしているのだ。
 真面目な父が聞いたら、ショックでおかしくなっても不思議ではなかった。
 だがバレないようにするのなら、母は抱かせてくれるという。
 やはり母も欲求不満なのに違いない。
 そうでなければ、いくら息子のためとはいえ、何度も抱かせるなど許可するはずがないからだ。
「分かってるよ。これは僕とお母さん、二人だけの秘密なんでしょ?」
「ええ……二人だけの秘密。誰にも言っちゃ駄目よ?」
 以前母に言われた言葉を告げると、母は少し恥ずかしそうな顔をした後、人差し指を唇に当てながらそう言ってきた。
 その様子は何とも魅惑的で、肉棒がビクンっと大きく震えた。
「それじゃ最後に一回だけ。いいでしょ? もう入れちゃったし、これで止めるなんて耐えられないよ」
「分かったわ。最後にもう一回だけ。ホントに一回だけよ? 分かった?」
「うん、分かったよ……だからするね、最後の一回を思い切り……」
 そう告げながら腰を振り始めると、母が甘い声をあげて悶えた。
 何度経験しても、母をこうして自由に出来るのはたまらなく嬉しかった。
「あっ、ああっ……圭ちゃんいいわ、あんっ……そこっ、そこぉ、ああっ……そこをもっと、あっ……いいわ、そう、あんっ……圭ちゃん上手、あぁっ……圭ちゃん素敵よぉっ……」
 母は激しく喘ぎながら、圭介を褒め称え、強く抱き付いてくる。
 そうされていると、心と体が母に包み込まれているように感じられ、圭介はたまらなく嬉しくなった。
 自分の全てを受け止め、受け入れてくれる母。
 そんな母とこうして繋がり合い、快楽を与え合うというのは何と素晴らしい事だろう。
 そしてこれからは、この行為を何度もする事が出来るようになったのだと思うと、強い喜びが溢れ、その嬉しい気持ちを母にも伝えたくなった圭介は、肉棒を大きく強く叩き付けていくのだった。


 高校の入学式。
 圭介は寝不足だった。
 あれから母を何度も抱き、結局寝たのは明け方近くだったからだ。
 最後の一回で終わらせるはずが、続けてしてしまい、気がつけばそんな時間になっていたのである。
 最後の一回が終わった後、肉欲の治まらない圭介がお願いすると、母は始めは渋っていたのだが、仕方ないとばかりに「今度が最後よ?」と了承してくれたのである。
 そしてそれが何度も続いたため、こういう結果になったのだった。
「もぉ、圭ちゃんのせいで眠くて仕方ないわ。もう少し我慢する事を覚えてね。お願いよ?」
「ごめんなさい……」
 隣で辛そうに告げてくる母に申し訳なく思う。
 だがセックスが終わった後の、淫靡な雰囲気に溢れる母の姿を見ていると、肉棒が硬く大きくなってしまうのだから仕方ないだろう。
 さらには、抱こうとして抵抗を示す母が「お願いもう止めて、勘弁してぇ」と言ってくる姿を見ていると、どうしても肉欲を抑えられなくなってしまうのだ。
 嫌がる姿に凄くそそられてしまうのである。
 もしかして自分にはサドの気でもあるのだろうか。
 そんな事を考えつつ何となく周囲を見回した圭介は、そこに居る父兄の中で、母が一番綺麗だと思った。
 皆、普通のオバさんと言った感じで、妖艶な熟女といった雰囲気を持つのは母くらいだったのだ。
 何より今日の母はいつもよりめかし込んでおり、スーツ姿が実に似合っていたため、その想いは強くなった。
 ピンク色をしたスーツの上から体の線を目で追うと、見事なまでのプロポーションが感じられて感嘆してしまう。
 特に胸元の膨らみは、素晴らしい曲線を描いていて、思い切り揉みしだきたくてたまらなくなった。
 早く家へ帰って、この服装のまま母を抱きたかった。
 今日も父は出張で家に居ないため、好きなだけ母を味わえるのだ。
「それじゃ、お母さんは体育館の方へ行ってるから」
 不意に母がそう言って離れようとしたため、思わず圭介は腰に手を当てて引き寄せてしまった。
 肉欲が高まっていたせいで、母が離れる事に過剰に反応してしまったのだ。
 体の側面と手のひらに柔らかな肉の感触が広がり、その事で幸せな気持ちに包まれる。
 このままこうして居たかったが、人前ではマズかろうと慌てて手を放し、周囲をそれとなく見てみるが、特に不審に思った人間は居ないようだった。
「……もう、駄目よ。外でこんな事したら……」
 母は慌てて周囲を見回すと、困ったような表情を浮かべている。
 その顔は少々火照っており、欲情しているのが分かった。
 考えてみれば、少し前までセックスをしまくっていたのだから、その名残が残っていても当然だった。
「ごめんなさい。でも僕、凄くしたくなっちゃって……だってお母さんのその格好、凄く素敵なんだもん……だから家に帰ったら、いいでしょ?」
「もぉ、しょうがない子なんだから……分かったわ、帰ったらね? でもそれまでは我慢するのよ? いい?」
「うん……」
 甘えるように囁くと、母は困ったようにしながらも了承してくれたため、その事に嬉しくなった。
「それじゃお母さんは行くから」
「あ、待って……」
 離れようとする母を呼び止める。
「どうしたの?」
「えっとね……お母さん大好き……」
 顔を近づけ、囁くように告げると、母は嬉しそうに微笑んだ。
「お母さんも圭ちゃんが大好きよ……」
 その言葉に喜びを感じつつ、そのままキスをしたくなったが、その衝動をグッと抑え込み、母が去っていくのを見守る。
 時折母がこちらへ振り返り、微笑んでくるのが嬉しかった。
 やはり母は素敵だ。
 そんな素晴らしい女性を自分は自由にしているのだと思うと、激しい肉欲がたぎってくる。
 早く入学式など終わらせて、母と愛し合いたかった。
 父が居ない時にしか母を抱けないというのに、何故今日が入学式なのだろう。
 もう一日ズレていれば、今日はずっと母を抱いていられたのに。
 いや、でもそうなると、母が抱くのを許してくれるのが今日になるから、父が帰ってくる明日には抱けなくなる訳で、そういう意味では今日が入学式で良かったのか。
 それよりも次に父が出張するのはいつだろう。
 いつもどのくらいの間隔で、父は家を空けていただろうか。
 圭介は思い出そうとしてみたが、これまで特に気にした事などなかったため、よく分からなかった。
「よぉ、ここに居たのか。クラス表見たけど、同じクラスだったな」
 不意に背後から声をかけられたため、驚いた圭介は思い切り体を震わせてしまった。
 母とのいやらしい行為を考えていたせいで、必要以上に驚いてしまったのだ。
「って、そんなに驚いたか? 普通に声かけたつもりなんだけど……」
 振り返るとそこには貴史が立っていて、苦笑気味にこちらを見ている。
「いや、ちょっと考え事してたもんで……今来たの?」
「ああ、ちょっと前だ。遠くから見たけど、お前のお母さん美人だな。羨ましいよ」
 幼い頃から聞き慣れているはずの言葉だったが、圭介自身の母に対する意識が変わっているせいか、今までより嬉しさが強まっているように思えた。
 母を抱いた事で、「自分の女」という認識が起き、その事を褒められたのが嬉しかったのだ。
「まあ、母親は母親だからね。綺麗だってのは僕も思うけど」
「お、普通に肯定したな。大抵そこは照れ隠しで『そんな事ねぇよ』みたいに答えるヤツが多そうだけど」
「僕は照れてないって事かもね」
「ふ〜〜ん、何だかな……」
 圭介の答えに、貴史は不思議そうな表情を浮かべると、面白そうにこちらを見ている。
「どうしたの?」
「それはこっちの台詞だよ……お前、何か変わったな」
「え……?」
「いや、休み前より何て言うか、自信を持っているっていうか……今の事だって、前のお前なら照れ隠ししてそうなのに、それが『照れてないって事かもね』なんてサラッと言っちゃってさ。そこら辺で変わったな、って思ったんだよ」
 言われてみれば確かにそうだろう。
 以前の自分は、もっとどこか自分に自信を持てない感覚があったからだ。
 優れた父に叱られてばかりいた事でそうなっていたのかも知れない。
 おそらく変わったのは、母を抱いたせいだろう。
 母によって女を知り、女を従える悦びを知り、父の物である母を奪った経験が、圭介の中で自信となっているのだ。
 特にこれまで逆らえなかった父を出し抜いたという想いが、父に対する恐怖心を弱めているのかも知れない。
「何かあったのか?」
 不意に言われた言葉にドキリとする。
 一瞬、母との事を気づかれたかと思ったからだ。
「いや、別に……あったってほどの事は……」
 思わずしどろもどろになりながら答えてしまう。
 これでは何かあったと言っているようなものだろう。
「……まあ、いいさ。何があったって悪い方へ変わった感じじゃないし……それよか元気になってて安心したよ。休み前は凄く落ち込んでたみたいだったからな。親父さんの事は吹っ切れたのか?」
「え? ああ……そうだね、大丈夫だよ」
 そう言えばそんな事もあったな、と懐かしく思い出す。
 休み前、貴史はその事を心配し、学校で暗くなっているのを心配してくれていたのだ。
 しかし実際圭介が落ち込んでいたのは、母を抱けない事であったため、その心配は的外れであったのだが。
 とはいえ、心配してくれる気持ちは嬉しかったし、こうして元気になった事を喜んでくれている事も嬉しかったため、圭介は感謝の気持ちを抱いた。
「心配かけちゃったみたいだね。ごめん。本当に大丈夫になったから」
「まあ、それは見れば分かるけどさ。何しろ母親相手に悪ふざけしてたくらいだし」
「悪ふざけ?」
「さっき擽ってたろ、お母さんのこと」
「あ、あれか……」
 どうやら先ほど腰を引き寄せた時の事を見ていたらしい。
 自分達のいやらしい雰囲気を見られてしまったのかと思い、心臓が激しく鼓動する。
「でも悪ふざけとしてするなら変えた方がいいんじゃないか? お前のお母さん、辛そうにしてたぞ?」
「辛そう?」
「何だ気づいてなかったのか。こう顔を歪めてさ、慌てたようにしてて、くすぐったいってより、辛そうに見えたんだよ。って、どっか体が悪いんじゃないよな?」
 どうやら気づいていないらしい貴史にホッとする。
 おそらく顔を歪めていたのは、快感を感じたのを誤魔化すためであり、辛そうに見えたのは、実際寝不足で辛かったためだろう。
「いや、ちょっと寝不足気味なんだお母さん。入学式で緊張したみたいで」
「緊張って、別に自分が主役じゃないのにか?」
「うん。そういうとこあるんだよ。僕が心配なんだって」
 実際母にはそうした部分があり、圭介が何かする際はいつも緊張しているのだ。
「そういやお前も眠そうだな。寝不足か?」
「うん。僕も緊張して眠れなかったから」
 本当は二人して裸で絡み合い、いやらしい行為をしまくっていたせいなのだが、その事を告げたら、貴史はどんな顔をするだろうか。
「ハハッ、親子でそっくりな訳だ。確かに家族は似るもんだからな。うちもよくそっくりだって言われるし。まあ、うちの場合は親子じゃなくて……」
「こんなとこに居た。ちょっと貴史、何やってるの?」
 不意に声がかけられたため、驚いて見ると、そこには一人の女子生徒が立っていた。
 制服の目印からして上級生である事が分かる。
「あ、姉ちゃん……」
「『あ、姉ちゃん』じゃないわよ。新入生はもう教室へ行く時間よ? 早く行きなさい。そこのあなたもね」
 キビキビとした口調でそう告げてくる女子生徒は、どうやら貴史の姉らしかった。
 何とも可愛い顔立ちで、アイドルとしてデビューしてもやっていけそうなほどだった。
 胸元もかなり大きく膨らんでおり、グラビアアイドルとしてもやっていけそうだった。
「ホントだ。新入生ってほとんど居ないじゃん……やべ、早く行こうぜ」
 貴史に促され、圭介も慌てて歩き出す。
「教室間違えるんじゃないわよぉ?」
 最後にそう呼びかけてきた貴史の姉を振り返って見つつ頭を下げ、早歩きで下駄箱へと向かう。
「あれが俺の姉ちゃんだ。結構可愛いだろ?」
「結構って……かなり可愛いじゃん」
「うむ、それが俺の自慢なんだな」
「さっきはうちのお母さんのこと羨ましがってたけど、あんなに可愛いお姉ちゃんがいるならいいんじゃないの?」
「母親と姉は違うだろ。まあ、うちは母親も綺麗だけどな」
「ならやっぱり羨ましがる理由が無い気がしてきた……」
「いや、さっきのはそう言った方がお前が喜ぶと思ってさ。俺も言われると嬉しいから言った訳だ」
「なるほど……」
 自分がされたら嬉しい事は相手にもする。
 確かに分かりやすい理由だった。
 今度機会があったら貴史の姉について褒めることにしよう、などとそんな事を考えながら歩いていると、ふと妙な事が頭に浮かんだ。
 あれだけ可愛い姉であれば、貴史は欲情しないのかという事だ。
 以前なら考えもしなかった事だったが、実の母親とセックスをした今では、美しい身内に欲情する事を不思議に感じなくなっていたからである。
 思わず貴史とその姉が、裸で絡み合う姿を想像した圭介は興奮してしまった。
 そして興奮した事で、母を早く抱きたいという気持ちが強まった。
 先ほど見た貴史の姉は確かに可愛く、以前の自分なら憧れてしまっただろう。
 だが今の自分から見れば、まだ子供にしか見えず、物足りなさを覚えた。
 やはり女は、母のように豊満な肉体をしていて、抱き締めると逆に包み込まれるような体の方がいいのだ。
 貴史の姉もなかなか良い肉付きだったが、母にはまだまだ及ばなかった。
 女としては、母の方が何倍も素晴らしいのである。
 そこら辺で優越感を覚えた圭介は、そんな優れた女性を好き放題にしている自分は何と幸せなのだろうと思いながら、指定された教室へと向かっていくのだった。


「あっ、あっ、ああっ……駄目よ圭ちゃん、あっ……もう少し弱くして、あっ……じゃないと大きな声が出ちゃう、あぁんっ……」
 人気のない体育用具室。
 そこで圭介は母を抱いていた。
 入学式が終わり、校内を少し見ていこうと歩いている時、この場所を見つけた圭介は、母を引っ張り込んだのだ。
 そして壁に手を付かせ、背後から肉棒を押し込む形でセックスを始めたのである。
「あんっ、ああっ……そこをそん、やっ……駄目、あっ……大きな声が出ちゃうから、あんっ……駄目よ駄目ぇっ……」
 スーツに身を包んだ母は普段と異なる雰囲気があり、その状態で抱くのにはたまらない良さがあった。
 ピンクのスカートが捲り上がり、尻をさらしながら甘く喘ぐ母の姿は、ゾクリとするほどに淫靡だった。
 またこうした「見つかるかも知れない」という場所で交わる行為は、何とも言えずゾクゾクする興奮があった。
 見つかってはマズいというのに、逆にその事が刺激となって大きな声を出させたくなってしまうのだ。
「大丈夫だよっ……これくらいじゃまだっ……だからここはどうっ?……お母さんはここをこうされるのが好きだよねっ……?」
 スーツ越しに腰をしっかり掴み、肉棒をぐるっと回転させるようにして突き込む。
「ああんっ、あっ、ああっ……駄目よそんな、あぁっ……そこをそうされたら、あんっ……大きな声が出ちゃうぅっ……」
 確かに実際大きな声をあげながら、母は激しく悶えた。
 今の声は外に誰かが居たら聞かれたかも知れない。
 そう思うと強い恐怖心が湧き起こるが、それと共に強い興奮も起きた。
 自分達がこうして交わっているのを見たら、どう思われるのだろう。
 場所が場所であるし、二人の服装からすれば、新入生と父兄というのはすぐに分かるはずだった。
 よもや実の親子だとは思わないかも知れないが、調べればすぐに分かってしまう事だ。
 そうなったら自分達はどうなるだろう。
 父の社会的信用は地に落ちるだろうか。
 そうなったら今の生活は無くなってしまうのだろうか。
 そういった事を考えると、ゾクゾクするような興奮が湧き起こった。
「あっ、ああっ……駄目よそんな、そこはぁっ……やっ、やっ、やぁっ……圭ちゃん駄目ぇっ……そこは駄目なの圭ちゃぁんっ……」
 ズルズルと壁から手を滑らせた母は、傍にあった鉄製のボール入れの枠に掴まっている。
 スーツ姿の美しい熟女を、背後から貫き喘がせている新入生。
 何とも淫靡である自分達の姿に、圭介はたまらない良さを感じていた。
 こうしてこのまま母とずっと交わっていきたい。
 いやらしく、肉欲にまみれた母子として、愛し合い、快楽を与え合うのだ。
 母の全てを自分の物にし、自分の全てを母に捧げる。
 そうした素晴らしい関係になりたかった。
(!……)
 そんな事を考えていた圭介は、不意に外から聞こえた声にハッと体の動きを止めた。
 誰かが話している声が聞こえてきたのだ。
 母は振り返ってこちらを見つめ、恐怖に包まれた表情を浮かべている。
 その様子にゾクリとした興奮を覚えた圭介は、思わず腰を動かしてしまった。
「あんっ……」
 母の色っぽい声が大きく響く。
「……」
 一瞬外の話し声が止まったため、それまで以上に心臓がバクバクと鼓動する。
 今体育用具室の扉を開けられたら、自分達はお終いだった。
 そう思うと強い恐怖心が湧き起こり、それ以上に強い興奮も押し寄せてきた。
「……」
 だがその心配は杞憂に終わったようで、少しすると外の話し声は再開され、徐々に遠くなっていき、最後には聞こえなくなった。
 その事にホッと息を吐き出す。
「圭ちゃん……今みたいな事は止めて……お母さん死ぬかと思ったわ……」
 母が泣きそうな顔で告げてくるのに、思わず苦笑してしまう。
「ごめんなさい。ついしたくなっちゃって……」
「ついって、見つかったらどうなるか分かってるでしょう?」
「分かってるよ。だからもうしないから。ごめんなさい。これで許してよ……」
 そう言いながら腰を激しく動かし出す。
「あっ、あっ、ああっ……駄目、あっ……圭ちゃんもう止めて、ああっ……もう帰りましょ、ああんっ……」
「最後までしてからでいいでしょっ?……ここで止めたら僕、おかしくなっちゃうよっ……お母さんもそうでしょうっ……?」
 母の肉付きのいい腰をしっかりと持ち、平行に激しく突き込んでいくと、肉棒が膣襞と上手い具合に擦れ、蕩けるような感覚が生まれた。
 バックでしている時のこの膣の感触が圭介はお気に入りだった。
「あんっ、ああっ……そうだけど、あんっ……お母さんも止めたくないけど、ああっ……でもここじゃ駄目、あっ……ここじゃ駄目よ、ああっ……」
「それじゃここはっ? ここはどうっ?」
「ああんっ、そういう意味じゃ、あっ……だから駄目よ圭ちゃ、あんっ……だからそこは、ああっ……そこ、あっ……そこいい、ああっ……そこがいいのぉっ……あっ、あっ、ああっ……圭ちゃんお願い、あっ……そこをもっと、あっ……そこをもっとぉっ……そこをもっとお願ぁいっ……」
 微妙に腰の動きを変化させ、最も弱い部分を擦るようにして突き込むと、母は涙を流しながら激しく悶えた。
「それじゃ、ここで続けていいんだねっ? いいよねお母さんっ?」
「いいわっ、いいのっ……続けて、あっ……そこで続けてお願い、あぁっ……そこで続けて、あんっ……いいのよいいのぉっ……」
 母は突き込みに合わせて頭を仰け反らせながら、この場で続ける事を肯定した。
 実際は圭介の肉棒の位置の事を言っているのだろうが、これだけ快楽に染まってしまえば、どちらであろうと同じだろう。
 何しろ動きを緩めると「もっとしてっ、止めないでっ」とおねだりしてくるのだから。
 圭介は、完全に母を従えた状態になっている自分を感じ、何とも言えない幸福感を覚えた。
 美しい母、優しい母、幼い頃から憧れ、慕ってきた母を、今自分は従え、好きなようにしているのだ。
 それは強烈な喜びであり、たまらない気持ちの良さだった。
「あっ、あっ、ああっ……圭ちゃん凄いわ、ああっ……圭ちゃん凄いの、あんっ……圭ちゃん凄いぃっ……やっ、やっ、やぁんっ……」
 振り返り、潤んだ瞳で見つめ、淫らに腰を振っている母の姿は、淫乱な一匹の雌だった。
 そんな雌に夢中になり、腰を激しく振っている自分も、淫乱な一匹の雄なのだろう。
 自分達母子は、いつの間にかそうした肉欲まみれの淫靡な獣になってしまっていたのだ。
 それを悲しいとは思わない。
 逆に嬉しさで一杯だった。
 何故ならこれほど母の存在を強く感じ、心も体も繋がり合い、一つの存在となっている事は、幸せ以外の何物でもなかったからだ。
 自分達はこれからもこうして肉欲で絡み合い、お互いを求め、愛し合っていくのだろう。
「あんっ、ああっ……あんっ……愛してるわ圭ちゃん、ああっ……愛してるの、あんっ……愛してるのぉっ……やっ、やっ、やぁあああああああああっ!」
「僕も愛してる、愛してるよお母さぁんっ!」
 愛の言葉を絶叫し、二人は幸福感に満たされながら絶頂に至った。
 愛する息子の精液が、愛する母親の膣の中へと注ぎ込まれ、擦れ合う二つの性器は、蕩けるような快楽を母子にもたらしていくのだった。












あとがき

 ドロドロ系の話を書きたくなったので、こんな内容にしてみました。
 精神的に追い詰められた主人公が、母親に癒されている内に、肉欲を覚えて襲いかかってしまうというものです。
 こういうのはある意味近親相姦の定番でもあるので、私としては書いていて楽しかったですね。
 嫌がる母親を押し倒し、無理矢理抱いてしまう。
 本来なら母親との関係は最悪になるでしょうけど、そこはそれ母親の愛情で許してもらえちゃう訳ですわ。
 その後も、否定しつつも迫られると受け入れてしまう姿ってのが、何ともそそる訳ですよ。
 暗い強姦ではなく、明るいラブラブでもない、その中間的なノリですか。
 近親相姦ってのは、その部分が一番ゾクゾクする要素だと思うんですよね。
 息子ゆえに冷たくは出来ず、かといって簡単には受け入れられない。
 でも息子への愛と、与えられる快楽に流され、肉体関係を結んでしまう。
 そうした「いけない。でも受け入れちゃう」という背徳感。
 それが楽しい訳ですわ。
(2010.10.4)



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