淫靡な兄妹
光流は、隣を歩く妹の桜子と楽しく会話をしながら下校していた。
今年の春から同じ高校へ通うようになったため、都合が合う時はこうして一緒に帰っていたのだ。
兄妹とはいえ十七歳と十六歳であり、思春期真っ盛りの年頃であれば恥ずかしがる者もいるだろうが、光流と桜子にはそうした意識は無かった。
幼い頃から仲が良く、思春期を迎えても特に恥ずかしさを覚える事がなかったせいか、当たり前のような感覚になっていたのである。
友人などにはシスコンだとからかわれる事もあったが、実際自分はシスコンなのだから構わないだろうと光流は思っていた。
自分の妹に対する意識は、通常の兄妹ではあり得ない強い想いがあったからだ。
それは別に恋愛感情という訳ではなく、妹として愛しているというか、自分が守らなければならない、という意識があったのである。
昔からそうした想いはある程度はあったが、一年ほど前からそれがさらに強くなっていた。
「……だから先輩がね。凄いんだよ。私驚いちゃって……」
妹は楽しげに笑いながら、親しい先輩の話をしている。
その先輩というのは中学生の頃からの憧れの女性であるらしく、以前からちょこちょこ話を聞いてはいた。
しかしそれが自分の友人の姉であったと知ったのは、つい最近の事だった。
いつも「先輩」とだけ聞かされていて名前を知らなかったため、よもやそれが高校へ入ってから出来た友人の姉とは思いもしなかったのだ。
友人の姉は凄く可愛い容姿をしていてスタイルも良かったため、妹が憧れるのも無理はないだろう。
妹は常日頃、自分もああなりたいと言い、そうではない自分の容姿を嘆いていたが、光流にしてみれば、妹もかなり可愛いのだから、十分誇って構わないと思っていた。
腰の辺りまで伸びた美しい黒髪は魅力的だったし、小柄な体は小動物を思わせて可愛らしかった。
さすがに胸の大きさだけは友人の姉とはかなり差があったが、さほど大きく無くとも可愛いのだから良いだろう。
自分からすれば、妹の胸は程良い大きさであり、こうして制服の上から眺めているだけで、十分女らしく思える可愛らしい胸だったのである。
もしこの胸を自由に出来るとすれば感涙にむせぶべきだろう。何しろこれだけ可愛い女の子の胸を好きに出来るのだ。
だがそんな男が現れたとしたら、光流としては妹の恋人としてふさわしいか否かを厳しくチェックするつもりだったが。
いや、チェック以前に許し難かった。
妹と付き合うなど、そんなことを許可する訳にはいかなかった。
(そんな男は、どうにかして傍に近づけないようにしないと……)
現実に居もしない、想像上の存在でしかない「妹の恋人」という存在に、光流は激しい敵愾心を燃やした。
「……ね、聞いてる? 聞いてるのお兄ちゃんっ?」
不意に大声で言われたため、驚いて意識を戻す。
つい妄想に耽るあまり、妹の話を全然聞いていなかったのだ。
「あ、いや……ごめん、聞いてなかった……」
「もぉ、最近多いよそういうの。何か悩み事でもあるの?」
嘘を付いても仕方がないので素直に謝ると、妹は怒らずに逆に心配してくれている。
そういうところが何とも優しく、可愛いと思うのだ。
これほど可愛い妹が、誰かの物になるなど、やはりどう考えても耐え難いことだろう。
「悩み事なんかないさ。僕の生活は順調順調。お前の方こそどうなんだい? 何か無いの? 例えば……気になる、男の子が出来た、とかさ……」
さりげなく好きな男がいないかを尋ねるつもりが、ついギクシャクした言い方になってしまう。
「え~~? 居ないよそんなのぉ。カッコいい男の子なんて見たことないもん」
その言葉に内心ホッとする。
たとえ恋人になっていないとはいえ、好意を抱いている相手がいるのといないのとでは大違いだったからだ。
「そうか、そりゃ残念だね。でもちょっと憧れるような人も居ないの? そういう人が居ると、学校生活に張り合いが出ると思うけど」
「居ないよぉ。居たら楽しいだろうけどね……っていうか、お兄ちゃんにはそういう人居るの? あ、もしかして先輩とか?」
さらに尋ねると、逆にそんな事を言われて動揺する。
確かに友人の姉は魅力的で、近くに居るだけでドキドキしてしまうほどだった。
しかしそれは恋愛感情からそうなってしまうという訳ではなく、可愛い顔と大きな胸のせいだった。
ゆえに親しくなりたいというより、ずっと眺めていたい、という感覚の方が強かった。
「まあね。ああいう可愛い人は愛でるだけで楽しいものさ」
「やっぱりね。でも愛でるだけって……お兄ちゃんの場合、本当に愛でるだけだからなぁ。実際話すとなると駄目駄目だもんね。この間も先輩と話すのにしどろもどろになってて、ちょっと恥ずかしかった」
「う……しょうがないだろ、緊張しちゃったんだから」
友人の姉は遠くから何度も見ていたが、遠目で見ていた時と違って、近くで見るとその可愛いさと胸の存在感が凄まじかったのだ。
そのせいで凄く緊張してしまったのである。
あんな女性を恋人にしたら毎日が大変に違いない。
自分はもっと親しみやすい意味での可愛らしい顔と、さほど豊満じゃない胸の女の子と付き合えたら十分だった。
というか、そうでなければ疲れてしまうだろう。
そんな事を思いながら歩いていると、少し先の方から見知った顔が近づいてくるのが見えた。
近所に住んでいるオジさんだ。
「おや、今帰りかい? いつも仲がいいねぇ」
会社帰りらしく背広を身に着けたオジさんは、優しげな笑みを浮かべてそう挨拶してきた。
「あ、こんにちは」
「こんにちは~~」
軽く頭を下げつつ妹と同時に挨拶を返すと、オジさんは小さく頷きながら近くに寄ってきた。
「生活の方はもう落ち着いたかな? 困ったことがあったらいつでも言ってくれていいからね? うちにも娘がいるから君たちの事は他人事に思えないんだ。ホント遠慮せずに言ってくれよ?」
心配そうな表情を浮かべ、優しげに言ってくるのに感謝の気持ちが湧き起こる。
オジさんはずっとこの調子で心配してくれ、実際何度かお世話になった事があったのだ。
「ありがとうございます。困った時は頼らせていただきますので」
「うん、そうしてくれて構わないからね? それじゃ」
オジさんはそう言うと、微笑みながら去っていった。
「ホントいい人だよね。今度ちゃんとしたお礼をしなきゃなぁ」
「……そうだね。うん……」
光流の言葉に妹は、少し元気の無い声で応えた。
そうなってしまったのは、オジさんと話した内容のせいだろう。吹っ切ったように見えて、まだ気にしているに違いない。
それは一年ほど前の出来事が原因だった。
一年ほど前、光流達の両親は事故で死んだのだ。
保護者を亡くした二人は、親類の家へ引き取られる事になったが、光流達はそれを断った。
家族の思い出がある家から離れたくなかったし、親類と言えど、遠慮の気持ちがあったからだ。
両親の残してくれた財産や保険金などから、二人が大学を卒業するまでくらいの資金はあったため、兄妹だけで暮らしたいと申し出たのである。
それから何とかやって来れてはいたが、両親の事を思い出すと、妹は未だに少し暗くなるところがあったのだ。
「今日の夕飯って何? お腹すいちゃったよ」
「……あ、カレー作ろうと思ってるんだけど……」
「そうかカレーかぁ。そりゃ楽しみだなぁ。手伝うから早く作ろう。桜子の作るカレーは美味いからなぁ」
「もう、何が美味いよ。いつも一味足りないとか色々うるさいくせに」
意識を変えさせようと、敢えてふざけた口調で告げると、妹は苦笑した様子で微笑んだ。
完全に元気になったとは言えないが、少しでも意識が変われば大丈夫だろう。
今までもそうしてやって来たのだから。
妹にはいつも元気でいて欲しい。
光流はそう思いながら、家へ向かって足早に歩くのだった。
夜遅く、尿意を覚えて目を覚ました光流は、トイレへ向かった。
途中、妹の部屋から明かりが漏れているのに気づいて溜息を付く。
本好きの妹は、たまに面白い本に夢中になる事があり、こうして夜更かしをした次の日は、決まって寝坊をするからだ。
またそうなのだろうと思った光流は、トイレを済ませた後、早く寝るように声をかけようと妹の部屋へ近づいていった。
しかし次の瞬間、聞こえた声に足を止める。
(泣いてる、のか……?)
微かではあるが、泣いているように思える声が部屋の中から聞こえてきたのだ。
両親が死んですぐ、妹はこうして夜になると泣いていたが、しばらくすると無くなったため、立ち直れたのだと思っていた。
だがそれは勘違いであり、光流の気づかない所で妹はずっとこうしていたのかも知れない。
そう思うと、激しい悲しみを覚え、その事に気づけなかった自分の不甲斐なさに腹が立った。
(僕は……桜子のことをちゃんと見れてなかった……)
たった一人の妹が辛くて泣いているのに、自分はそれに気づいてやれず、勝手に大丈夫だと思っていたのだ。
何と駄目な兄だろうか。
そして「こんな時、もし両親が生きていてくれたら」という想いが強まり、光流自身も両親の居ない悲しみに心が包まれていった。
ドアの向こうでは、妹が小さな声で泣いており、それを聞いていると益々辛さが強まっていく。
大好きな妹を泣かせたままでしかいられない自分。
何と不甲斐ない自分。
もっと大人であれば、何か出来るのだろうが、自分は結局まだ子供なのだ。
やはり親類と同居する方が良かったのだろうか。
そうすればこういった時、妹を慰めてもらえただろうに。
などと考えもしたが、それと同時に「桜子の事を一番分かるのは自分だ。自分でありたい」といった想いが湧き起こった。
それにこれまで出来ていなくとも、これから出来ればいいではないか。
だから行動しよう。
桜子のために……。
そう思った光流は、目の前にあるドアをゆっくりと開いた。
部屋の明るさに目を細めていると、驚いた顔をしてこちらを見ている妹と視線が合った。
パジャマ姿でクッションの上に座っているのが何やら弱々しさを感じさせ、強い庇護欲をかき立てる。
幼い頃からずっと守ろうと思ってきた妹。
可愛い妹。
その妹の悲しむ姿は見たくなかった。
「お兄ちゃん……」
妹は泣きはらした目でこちらを見つめると、少しして視線を逸らした。
その事が、自分が庇護者として認められていないように感じられた光流は、強い焦燥感に襲われた。
このままではいけない。
もっと妹に頼られるようにならなければ。
そうでなければ自分は駄目なのだ。
そうした意識が湧き起こり、慌てるようにして妹の傍へと近づいていく。
根拠は何も無かったが、近づけば頼ってもらえるように思えたのだ。
「桜子……大丈夫、大丈夫だから……僕がいるよ……」
さすがに抱き締めることまでは恥ずかしさから出来なかったが、傍でそう囁くと、妹は笑みを浮かべながらこちらを見てくれた。
その事にホッとしつつ、どうやって慰めればいいのかと思い悩む。
上手い言葉など頭に浮かばず、ただ目の前で見つめるしか出来ない自分。
両親ならばもっと上手く出来るのではないか。
そう思うと、自分の不甲斐なさに情けなくなる。
(!……)
だが次の瞬間、不意に抱き付かれたため体を硬直させた。
妹とはいえ、異性の肉体と接触する事は、あまりに恥ずかしい事だったからだ。
だが悲しみに浸る妹を慰めるには、こうするのが一番いいのかも知れない。何しろ言葉では何も言ってやれないのだから。
そう思った光流は、ギクシャクと手を伸ばすと、妹の背中を優しく撫でてやった。
幼い頃、泣いている自分に母がそうしてくれたのを思い出したのだ。
手のひらから伝わる温かい感触、そして体の前面にある柔らかさは、妹がそこに生きている事を感じさせ、穏やかな気持ちが広がっていく。
妹は時折ギュッとしがみついてくるようにしながら体を擦りつけてきており、その事が兄妹の繋がりを思わせて嬉しくなった。
自分達はこうして生きている。
温かく強く息づく肉体を持っているのだ。
両親の遺体に触れた時、冷たさと硬い感触に驚いたものだった。
それは明るく優しかった両親とはかけ離れた存在であり、これが死なのだと認識した。
その事を思い出すと悲しみが強まっていく。
妹を慰めるなどと考えても、自分自身も両親の死に対する悲しみは残っているのだ。
本来であれば自分も誰かに慰められたいのである。
普段それに耐えられているのは、「妹を守らなければ」という兄としての想いだけだった。
自分がしっかりしなければ誰が妹を守るのだという使命感だ。
しかしそれは世間に対するポーズであり、自分達だけでもやっていけるというやせ我慢からくるものでもあった。
ゆえにこうして兄妹二人きりになってしまえば、弱さが表れ、辛くなってきてしまうのである。
何しろ妹だけが自分の気持ちを分かり、それをさらけ出しても受け入れてくれる存在だからだ。
(桜子……)
光流は悲しみに浸りながら妹を強く抱き締めた。
そうしていると、妹の存在が感じられ、安心感と幸福感が湧き起こってくる。
「お兄ちゃん……」
小さな声に目を向けると、妹がすがりつくような目をしてこちらをジッと見つめていた。
小さな唇が微かに震え、自分を求めるようにしているのに激しい庇護欲が湧き起こっていく。
何とかしてやりたい、安心させてやりたい。
そう思った時には自然と体が動き、頬と頬を擦り合わせるようにしていた。
滑らかな肌と、温かい肉の感触が伝わり、ホッとした想いが広がっていく。
妹も同じなのか、少し体の力を抜き、何度も頬を擦りつけてきている。
そうしながら抱き締め合っていると、強烈な温かさと幸福感が湧き起こり、光流ははしばらくの間同じ行為を繰り返していった。
(桜子……)
強い悲しみと孤独感に包まれつつ、それが消えていく安堵、幸福感に、光流の心は激しく揺れ動いた。
さらなる安心を求め、妹の体を強く抱き締めてその存在を確認しようとする。
お互いの手が背中を狂おしく這い、顔と顔を激しく擦り合わせる。
そうしていなければどうにかなってしまうのだと言わんばかりに、兄妹は体をぶつけ合っていった。
(!……)
不意に唇が、それまでと異なった感触に触れたため体が震えた。
触れたものが何であったのか一瞬で理解し、そしてそれが兄妹といえど触れてはならない部分であった事におののく。
それは妹の唇だった。
顔を激しく擦り合わせていたため、偶然触れ合ってしまったのだろう。
妹とキスをした。
そう認識した途端、いけない事をしたという想いが湧き起こるが、それと共にゾクリとした感覚も覚えていた。
唇に起こった刺激は強烈で、どこか気持ちの良さを感じさせる部分があったからだ。
今まで経験した事のないその刺激は何とも魅惑的であり、何より悲しみに浸る心には温かさを感じさせるように思えた。
今のをもっと味わいたい。
そう思った時には体が動き、気持ちの良さの源である妹の唇に己の唇を触れさせていく。
「……」
微かな吐息が漏れ聞こえると共に、妹がピクリと体を震わせる。
嫌がられるかと思ったが、何も抵抗を示さないところから、受け入れてくれているのが分かった。
おそらく妹も自分と同じ気持ちなのだろう。
こうして抱き合い、唇を重ねる事で安心感を得ているのだ。
互いの存在を確かめ合えている事が嬉しいのである。
忌避の想いが無いと言えば嘘になるが、それ以上に唇から伝わってくる安堵感は強烈だった。
今まで以上に妹が近くに感じられ、安心が強まっていくのである。
実の妹とキスをするなんて許されない。
そういった想いも湧き起こるが、それよりももっと妹の存在を感じたいという想いから、光流は激しく唇を擦り合わせていった。
「ん……」
小さな吐息が耳に響き、その事が引き金となって舌が妹の唇を割っていく。
より妹の存在を感じるにはそうするべきだと思えたのだ。
温かな口内に舌を入り込ませ、中を確認するようにして舐め回すと、妹の鼻から棒のような息が漏れ、体がピクッと反応を示したのに興奮を覚える。
光流はそれまで以上に強く妹の体を抱き締めつつ、奥で縮こまっている妹の舌に自分の舌を絡みつかせた。
そうすると気持ちの良さと安堵感が混ざり合い、激しい興奮が湧き起こっていく。
妹の存在が確かにそこにあるのだという認識は強い安心感を生み、さらなる安心を求めて抱き締め、唇を擦り合わせ、舌を絡めていく。
今の状態を止めたら、また不安が高まるのではないかという想いが、強烈に妹を求めさせた。
触れている肌の滑らかさと肉の柔らかさ温かさ、そして耳元に響く吐息は、妹が確かにそこに生きている事を感じさせ、光流の気持ちを幸せで満たした。
両親は居なくなってしまったが、自分にはまだ妹がいる。
愛する桜子が居るのだ。
妹さえ居てくれれば、自分はこれからも生きていけるだろう。
その強い想いが、光流の中に異常なまでの妹への執着を生んでいた。
もっと妹の存在を感じたい。
愛し合っていると感じたい。
妹と、もっともっと一つになりたい。
その強烈な愛情から狂ったように妹の体を求めていく。
強く抱き締めることで感じられる肉の柔らかさと熱さ。
唇を擦り合わせ、舌を絡ませ合う事によって起きる刺激。
それらは今まで経験した事のない、兄妹としての新しい繋がりだった。
「ん……んっ……んんぅっ……」
苦しげに、それでいて喜んでいるようにして漏れ聞こえる吐息に、妹も自分を求めてくれているのだと分かり、嬉しさが込み上げてくる。
自分達は愛し合っている。
強く強く愛し合っているのだ。
たった二人の兄妹として愛し合っているのである。
高まった愛情と興奮からさらに力が入ったせいか、不意に妹が耐えかねたように後ろへ倒れ込んだ。
その拍子に互いの体が少し離れ、光流は大きく呼吸を乱しながら、覆い被さる状態になって妹を見つめた。
激しくキスをし、抱き締め合ったせいか、可愛らしい頬が上気し、虚ろな瞳でこちらをジッと見上げているのと目が合う。
その今まで見たことのない色っぽい様子に、光流は己の中から激しい肉欲が湧き起こってくるのを感じた。
先ほどからの行為で、すでに肉体は興奮状態にあったが、改めて己の一物が硬くなっている事を認識したのだ。
自分は妹を求めている。
実の妹を抱きたいと思っている。
その許されない衝動を理解した時、光流は妹を求める強い愛情と共に、ゾクリとした興奮を覚えた。
妹を抱きたかった。
もっともっと愛し合いたかった。
繋がり合う事で、互いの存在をさらに認識し、安堵と幸福感を得たかった。
たった一人しかいない家族。
その妹ともっと一つになりたい。
そうすれば自分達はこの悲しみから逃れられるだろう。
そうした想いが体を動かし、光流は眼下にある二つの膨らみに手を伸ばしていった。
「……」
パジャマの上から胸に触れた瞬間、妹が大きく息を漏らし、困ったようにして視線を逸らした。
だが抵抗する素振りがない事から、受け入れてくれたのだと思った光流は、手に力を入れ、その存在を確認するようにして揉んでいった。
想像していた以上の柔らかさと弾力を感じさせる妹の乳房に、光流の興奮は激しく高まった。
妹とはいえ、初めて触れる女性の乳房だ。
さほど大きくはないが、男ではあり得ない膨らみと柔らかさの感触は、光流を強く魅了した。
生のオッパイを見てみたい。
その想いからパジャマに手をかけて上にズラすと、白い肌が見えたため少し躊躇を覚えたが、そのまま捲り上げて小さな膨らみを露わにする。
真っ白な肌が緩やかな山を描いており、その何とも言えない美しさに思わず息を飲む。
同じ人間であるのに、自分の体と違って何と美しいのか。
この綺麗な膨らみのラインは、まさに芸術と言っていいだろう。
そして頂点にある桜色をした突起は、無性に吸い付きたくなる衝動を呼び起こしたため、光流は意識しないまま唇を寄せていった。
「あ……」
吸い付いた瞬間、妹が微かな声を上げ、体を震わせたのにゾクッとした興奮を覚える。
自分がした行為に妹が反応した事で、何やら不思議な感覚が湧き起こったのだ。
その事に誘われるようにして、さらに乳首を吸い、乳房を揉んでいく。
「あ……や……」
そのたびに妹が小さく声を漏らし、体を小刻みに震わせるのに興奮が高まる。
もっと妹を反応させ、もっとこの感覚を味わいたい。
その欲求が体を動かし、光流は何度も乳首を吸い、乳房を揉んでいった。
「……おにぃ、ちゃ……」
どれくらいそうしていただろうか。
不意に聞こえた声にハッと顔をあげると、潤んだ瞳でこちらを見つめている妹と目が合った。
それは何とも色っぽくも可愛らしさを感じさせ、自分がそんな妹の体を貪っていたのだという事に悦びが溢れた。
そしてそれと共に、股間の一物が痛いほどに硬くなり、激しく律動しているのに気がつく。
入れたかった。
この強く主張しているモノを、妹の中に入れてみたかった。
そう思うと同時に体が動き、眼下にあるパジャマのズボンに手をかける。
「……」
そのまま引き下ろそうとした瞬間、妹が大きく息を吐き出しながら手を重ねてきたため一瞬躊躇する。
だが制止の言葉はなく、顔を見ると困ったようにしているだけだった。
嫌がっている訳ではない、と判断した光流は、手に力を入れると、ゆっくりとパジャマのズボンを脱がしていった。
続けてパンティにも手をかけ、引き下ろしたが、妹は今度は恥ずかしそうに目をそらすだけで何もしてこなかった。
細い両脚に手をかけて左右に開くと、初めて見る女の性器が顕わになる。
幼い頃一緒に風呂へ入った時には縦筋でしかなかったそこは、何やら複雑そうな様子を見せており、無性に肉棒を押し込みたい欲求をもたらした。
雄の本能が入れるべき場所を知っているのだろう。
そして求めているのだ。
そこに肉棒を押し込むことを……。
光流はいきり立っている一物を手に持つと、秘所へ近づけていった。
心臓を激しく鼓動させながら、ここら辺に穴があるのだろうと思える場所へ押しつけていく。
妹がハッとしたように体を動かすが、特に抵抗を見せることなく、ただ困ったようにしているだけであったため、そのまま肉棒を当てていくのを繰り返していると、不意に何かにハマる感触が起きた。
ここだとばかりに腰を押し込むと、ぐにゅりといった感じで亀頭が何かに収まっていくのが分かる。
「あ……」
「ぐ……」
兄妹の声が重なり、互いの体が一瞬硬直する。
股間からは信じられない快感が湧き昇ってきており、光流はだらしなく頬を緩めた。
亀頭が温かく湿った肉に包まれており、それが経験したことの無い快感を生み、たまらなさを感じさせる。
世の中にこれほど気持ちのいい場所があったのかと思えるほど、妹のそこは最高だった。
視線を下へ向ければ、相変わらず困ったような表情を浮かべた妹の顔があり、その可愛らしい姿にドクンっと心臓が跳ねる。
今までこれほど妹を愛おしく思った事は無いだろう。
繋がり合った事で、愛情が増したのだ。
自分にこれほどの快感を与えてくれる妹は、何と素晴らしい存在なのか。
快楽が愛情を強め、その事でもっと気持ち良くなり、妹を愛したいという気持ちが高まっていく。
光流はさらに肉棒を押し込もうと、腰を前へ動かした。
亀頭が膣襞と擦れ、それまで以上の快感が湧き起こるのにうっとりとなる。
何と気持ちがいいのだろう。
「いぅっ……ぐっ……」
だが次の瞬間、妹が苦痛の呻きを発したため、慌てて腰の動きを止めた。
と思ったのだが、あまりの気持ちの良さのせいか、腰が勝手に動いて肉棒を押し込んでいく。
「いっ……痛っ……くぅ……」
妹の苦痛の声を耳にしながら一気に根本まで肉棒が収まると、ようやく腰の動きが止まった。
そして肉棒全てが温かで湿った肉に包まれている事に、たまらない気持ちの良さを覚える。
まるで体中が妹に包まれているかのような錯覚があり、その事に嬉しさが湧き起こってくる。
今自分は妹と、愛する妹と繋がり合っているのだ。
妹が自分を包み込んでくれているのである。
これほど嬉しい事はなかった。
妹を見つめると、目尻に涙を浮かべながら、硬直したように横たわっている姿が目に映った。
痛がらせてしまったのは可哀想だったが、それ以上に妹と繋がり合えた事が光流には嬉しかった。
何より股間から湧き昇ってくる気持ちの良さには信じられないものがあり、これを与えてくれている妹には感謝の気持ちで一杯だった。
もっと妹を感じたい、気持ち良くなりたい。
そうした想いが腰を動し、前後運動を開始する。
「いぅっ、いっ……痛っ……やっ、ぐっ……痛いぃっ……」
妹の苦痛の声が部屋に響き、その事を申し訳なく思いつつも、押し寄せてくる快感が腰の動きを止めさせなかった。
とにかく気持ちいいのだ。
信じられないほど気持ちいいのだ。
これほどの快感を止める事など出来るはずがなかった。
肉棒はギュッと柔肉に締め付けられており、腰を引くと逃がすまいと吸い付かれ、押し込むと引き込むように吸引される。
その繰り返しが蕩けるような快感を生み出し、光流は夢中になって腰を振っていった。
「あっ……いぅっ……あっ、あっ……やっ、ぐっ……」
いつしか妹の口からも甘い声が漏れ始め、痛みが減ってきたらしい事に喜びが溢れる。
妹も快感を得てくれれば、これほど嬉しい事はなかった。
互いの性器を擦り合わせる事で気持ちの良さを得、愛情を高め合うのだ。
それは何と素晴らしい行為だろう。
「あっ、あっ、ああっ……やっ、やっ、やぁっ……」
腰の動きに合わせて妹の小さな体が前後に揺れ、それと共に可愛らしい声が唇から漏れるのに、これまで以上の快感が湧き起こる。
自分が妹を気持ち良くさせているのだと認識する事で、精神的にもたまらない快感が走ったのだ。
愛する妹を好きなように喘がせ、快楽に満たしていく。
それは両親が居ない事で与えられなかった愛情を補う行為なのではないかと思えた。
気持ちの良さを与え、自分の愛する気持ちを伝えるのだ。
そして自らもその事で妹をさらに愛していく。
これこそが愛情表現でなくて何であろうか。
思えば夫婦や恋人同士はセックスをするのだ。
それらに負けないほど愛し合っている自分達がセックスをして何が悪いだろう。
こうして気持ち良く、お互いを愛し合える行為。
それこそが自分の求めていた愛情表現だった。
「あっ、やっ……あっ、あっ……」
パジャマが首までまくれ上がり、下半身は裸の状態で喘ぐ妹の姿は、たまらなくいやらしかった。
雪のように白い肌が快感からほんのりと桜色に染まり、胸の小さな膨らみは激しく前後左右に揺れ動いている。
真っ黒な瞳は快楽から潤み、だらしなく半開きになった唇からは可愛らしい舌が覗いており、長い黒髪は頭が動くたびに顔にかかって、それが何とも色っぽさを醸し出していた。
すでに快楽に染まっている妹は、完全に光流の物だった。
(桜子は……僕の……僕の物……)
激しい独占欲と支配欲が湧き起こり、もっともっと妹を甘く喘がせ、淫らに悶えさせたくなってくる。
だが初めて経験する快感に肉体は耐えきれず、射精感は限界まで高まっていた。
もう少しも我慢は出来ないだろう。
どうせ出すなら思い切り、気持ち良く出したい。
そう思った光流は、それまで以上に激しく腰を振っていった。
「あっ、あっ、ああっ……やっ、駄目、あんっ……わたし、あっ……わたしぃ、あんっ、あんっ、ああんっ……」
強まった突き込みに妹の喘ぎも激しくなり、いやいやといったように左右に振られた顔はいやらしさで一杯だった。
幼さを残しつつも女の色気を感じさせるその姿は、光流の我慢を一気に限界へと持っていった。
「あっ、あぅっ……もう、もぉっ……いや、はぅっ……駄目、ああっ……おにぃちゃ、ああっ……おにぃちゃわたしぃっ……やっ、やっ、やぁあああああああああっ!」
「桜子、ぐっ……うぉっ!」
互いを呼び合いながら、兄妹は同時に達した。
物凄い勢いで精液が放出されていくのが感じられ、それと共に凄まじい快感が押し寄せてくる。
それはこれまで自慰で経験したものとは比較にならない気持ちの良さ、放出量だった。
射精とはこれほど気持ちがいいものなのか。いや、妹の中で放っているからこその良さに違いない。
そう思うと、妹に対する愛おしさが激しく高まった。
自分をここまで気持ち良くしてくれた妹。
その妹に感謝せずには居られなくなり、さらに自分の物としておきたい強い気持ちが湧き起こってくる。
未だ股間で激しく律動し、射精を繰り返す事で起きている快感。
それを与えてくれているのは妹なのだ。
妹以外ではこの気持ちの良さは味わえないだろう。
何故なら自分にとって妹は、最高の女だからである。
もう絶対に手放したくなかった。
誰にも渡したくなかった。
自分の物としてずっと傍に置いておきたかった。
そんな事を思いながら射精を終えた光流は、ゆっくりと倒れ込んだ。
体の下には柔らかで温かな肉の感触があり、耳元では可愛らしい呼吸音が聞こえている。
視線を向ければ、脱力した様子で妹がボーッとした表情を浮かべており、何とも言えない色気を感じさせた。
今まで見たことのない妹のそんな姿に女を感じ、肉棒がすぐさま硬く大きくなっていく。
可愛い、愛すべき存在である妹をもっともっと抱きたい。
今経験した気持ちの良さ、愛情の昂ぶり、幸福感を何度も味わってみたい。
そう思うと止まらなかった。
光流は体を起こすと、妹をジッと見つめた。
虚ろにこちらを見上げる潤んだ瞳、上気して桜色に染まった肌、性徴途上にある幼い体……。
それら全てが自分の物であり、愛すべき対象だった。
光流は、眼下にある半開きになっている唇から覗く舌に意識を向けると、勢い良く唇を重ねていった。
妹はピクッと体を震わせた後、されるがままになっている。
口内に押し込んだ舌が妹の舌に絡みつくと、おずおずといった感じで動かしてくるのに嬉しくなった。
妹も受け入れてくれている。
自分がした事を喜んでくれている。
そう思うと嬉しさが高まり、肉欲も昂ぶった。
光流は再び妹と繋がり合おうと、すでに痛いほど勃起している肉棒を持つと、濡れそぼった秘所へと押し込んでいくのだった。
「あっ、あっ、あっ……」
ベッドの上で悶える妹を見下ろしながら、光流は幸せな気持ちで一杯だった。
こうして妹と裸で繋がり合い、喘がせていると、互いの存在を強く認識できるからだ。
両親が亡くなって以来、何かが欠けてしまったように思えた心が充足されていくのを感じるのである。
愛する妹と一つになる。
それは強烈な幸福感と満足感をもたらし、信じられないほどの心地良さを与えるものだった。
肉体的にも蕩けるような快感を得ていたため、光流はあれから何度も妹を求め、その肉体を貪っていた。
妹の中に精を放つ瞬間、脳に痺れるような気持ちの良さが起こり、意識が真っ白になるのがたまらなかった。
愛する妹の中に自分の気持ちの良さの塊を放つ。
それが自分の妹に対する愛情の証のように思えて最高だった。
妹の中に射精すればするほど、妹との愛情が高まっていくように思えたのだ。
妹をもっと愛したい。
妹をもっと抱きたい。
妹の中にもっと射精したい。
それが今の光流のやりたいことの全てだった。
「やっ、やぁっ……あっ、おにぃちゃん、ああっ……」
妹の手が求めるように伸び、背中に腕が絡んで引き寄せられる。
強く抱きつかれる事により、妹の熱くて柔らかな肉が感じられ、繋がり合っている感覚が強まった。
そしてこうして求められる事が、妹が自分を必要としてくれている証拠に思え、嬉しさと誇らしさで一杯になった。
目の前にある瞳はすがるようにこちらを見つめ、開いた唇からは自分を求める甘い声が漏れてくる。
今や妹は自分無しでは居られないのだ。
自分という存在が無ければ耐えられないのである。
光流の中にはそうした確信があった。
「んっ、んんっ……んふぅっ……」
可愛らしい唇に吸い付き、舌を絡み合わせて吸っていくと、妹はくぐもった声を漏らしながら、それまで以上に強く抱きついてきた。
その瞬間、股間でも肉棒がギュッと締め付けられ、強烈な快感を呼び起こす。
「んぁっ、んっ……あっ、あぁっ、あんっ……」
たまらず腰を激しく動かすと、妹は体を大きく仰け反らせ、強く喘いだ。
その様子にいやらしさを覚えた光流は、もっとそうさせようと上半身を起こすと、両手をベッドについて、強く腰を振っていった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……やっ、やぁっ……」
長い髪を振り乱し悶える妹の姿は最高だった。
雪のように白い肌は快楽の桜色に染まり、肉付きの薄い可憐な体は光流の一突き一突きで前後に動き、小さな双乳もそれに合わせて激しく揺れた。
可愛らしい喘ぎと共に、すがるように発せられる自分を呼ぶ声は、光流にとってそれだけで達してしまいそうになる魅力に溢れていた。
妹の乱れる姿と自分を求める声は、それほど強烈だったのだ。
自分は昔から、こうして妹を自由に貪り、甘えるように求められる事を欲していたのではないだろうか。
それこそが自分の理想の兄妹関係だったのかも知れない。
そう思うと、今の自分たちはまさに素晴らしい状態になっていると言えただろう。
「やっ、やぅっ……あっ、おにぃちゃ、ああっ……おにぃちゃぁんっ……」
その想いに賛同するようにして妹が激しく求めてくる。
そう、自分たち兄妹は、こうしてセックスするのが幸せなのだ。
愛し合い、体を繋げ合う。
これほど素晴らしい兄妹愛の証明は無いだろう。
潤んだ瞳で見つめてくる妹は、そうだと言わんばかりに腰に脚を絡ませ、強く求めてくる。
膣内でも肉棒が強く締め付けられており、膣襞は腰を引くと逃がすまいと引き込み、押し込むとさらに奥へと導くように吸い付いてきた。
妹の心も体も自分を求めているのだ。
兄である自分を求めているのである。
たまらなかった。
最高だった。
素晴らしすぎた。
妹とのセックスは、光流にとって何物にも代え難い極上の行為だった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……おにぃちゃ、ああっ……わたし、あっ……わたしもぉ、ああんっ……駄目、あっ……イっちゃ、ああっ……イっちゃうのぉっ……」
絶頂が近い事を告げてくる妹に、光流の限界も高まっていた。
慣れてきたとはいえ、初めてセックスを経験してからまだ数回しかしていないのだ。
しかも相手は最高に可愛らしく、愛すべき存在なのである。
そうそう耐えられるようになるはずがなかった。
「あっ、あっ、ああっ……駄目っ、駄目っ、駄目ぇっ……おにぃちゃ、あぅっ……おにぃちゃ、わたしぃ、ああっ……もうっ、もうっ、もぉっ……やっ、やっ、やぁあああああああんっ!」
「うぅっ!」
妹の絶叫が部屋に響き渡り、小さな体が大きく仰け反る。
その瞬間、膣内も強烈に締まり上がり、光流は一気に精を放った。
ドピュッ、ドピュッ、ドクドクドクドクドクドク……。
肉棒が強く律動し、何度も何度も射精が繰り返されていく。
そのたびに走り抜ける快感に光流は頭を反らしつつ、意識が真っ白になるのを感じた。
眼下では妹が「あ……あ……」と微かな吐息を漏らし、体をピクピクと震わせているのが見え、その様子に満足感を覚えながら最後の射精を放出していく。
ゆっくりと力を抜き妹の隣に倒れ込むと、光流は何とも言えない達成感に浸った。
大好きな妹と愛し合った。
それが今の光流にとって全てだった。
両親が居なくても、妹が居てくれさえすれば自分はやっていける。
そうした確信が心に溢れていた。
隣では放心した様子の妹が、小さな胸を上下させながら横たわっている。
これからも妹を、この愛らしい存在を守っていこう。
光流はそう決意しながら、急激に襲ってきた睡魔に身を任せていくのだった。
教室の窓から外へ視線を向けると、多くの生徒が楽しげにしているのが見える。
そこには友人の姉も居て、クラスメートらしい女生徒達と話していた。
非常に可愛らしく、大きな胸をした友人の姉は、光流にとって憧れの存在だ。
年上らしい厳しさと優しさを感じさせる雰囲気と、その肉付きのいい体は魅惑的であり、光流にとってアイドル的な存在だった。
兄である自分にとって、姉という存在は未知のものであり、甘えたりしたらどんな感じなのだろうと想像すると楽しかった。
両親を亡くし、甘える対象が居なくなった事も関係しているのかも知れない。
全てを受け止めてくれる姉という存在が、自分にも居たら楽しいだろうと思えたのである。
とはいえ、現実の姉というのはそういうものではないだろうとは思っていた。
これはあくまで想像での楽しみであり、友人から聞く「姉との交流」から妄想している勝手な想いだった。
ゆえに眺めて楽しむだけで、実際に親しくなろうという想いはなかった。
何しろ親しくなっても姉になってもらえる訳ではないのだから意味はないだろう。
恋人として付き合ったら、などと考えた事もあったが、そういう対象でも無いように思えた。
自分にとって友人の姉は、あくまで妄想上の姉のモデルでしかなく、恋愛的な感情は起きなかったからだ。
こうして眺めて妄想するのが一番いいのである。
(やっぱり大きいなぁ……)
友人の姉の胸は非常に大きかった。
この事を告げると友人は「姉ちゃんはそれだけじゃないんだ」と怒るのだが、そうはいっても大きいのだから仕方ないだろう。
あれだけ大きい胸というのは、それだけで男を魅惑する存在なのだから……。
(どんな感触なんだろう……?)
揉んだらどういう感じがするのか。
そう考えると、手のひらに数週間前に味わった乳房の感触が蘇る。
友人の姉とは比較にならない小さな胸だったが、光流にとっては愛すべき膨らみであり、自分の物とした存在だった。
胸だけでなく体全体が小さな作りをした妹を、自分は好き放題貪った。
それは兄として許されない行為であったが、兄として素晴らしい行為でもあった。
何しろ愛する妹の全てを己の物としたのだから……。
今も思い出すだけで肉棒が昂ぶり、幸福感が湧き起こってくる。
真っ白な肌を桜色に染め、可憐な細い体を悶えさせ、甘くいやらしい声で自分を求めさせる。
それは本当に素晴らしいひとときだった。
だがあれ以来、妹の体には一切触れていない。
たとえ素晴らしい行為だとしても、世間的に許されることではないからだ。
あの時は少しおかしくなっていたのだろう。
両親を亡くした辛さと、妹を悲しませている自分の不甲斐なさに動揺していたのだ。
初めて触れた女体の感触もそれを加速させたに違いなかった。
一度眠り、目を覚まして冷静になってみれば、自分がとんでもない事をしてしまったのだと気づいた。
抱いた事は後悔していないし、未だに妹を抱きたいという気持ちもある。
だが、そのような想いに流されて抱いてしまっては、自分たちは取り返しの付かない関係になってしまうだろう。
そもそも悲しみから逃れるために抱くのでは傷の舐め合いでしかない。
逃げのための近親相姦など後ろ向きすぎる行為だった。
妹を愛するがゆえに、その想いから禁忌を破る。
そうでなければ、本来禁忌とされている行為を破るのは許されないように思えたのだ。
両親の死の悲しみが薄まり、お互いを愛する想いから求め合うようになるまでは、妹を抱いてはいけないのである。
光流はそう考えていた。
だがそうは言っても体は正直だ。
一度味わった妹の体は、光流の肉欲を刺激し、その姿を見るだけで肉棒を硬くさせた。
抱きたい。
だが抱いてはいけない。
妹への愛情と肉欲の狭間で、光流はずっと苦しんでいたのだった。
「何か暗いな。どうかしたのか?」
不意に声をかけられたため驚いて視線を向けると、そこには友人の貴史が立っていた。
巨乳の姉を持つ友人だ。
貴史は誰かが暗くなっていると、すぐに心配する優しい人間だった。
以前、別の友人が落ち込んでいた時などは凄く心配していたのである。
そういう所は何とも良いやつだと思うのだが、今の光流にとっては心配事を追求されるのは困るため、何とか誤魔化したいところだった。
まさか妹とセックスしたいが出来なくて悩んでいるとは言えないからだ。
同じように姉妹持ちで、姉好きな弟とはいえ、貴史達はあくまで普通の姉弟であり、自分達のように肉体関係のある異常な兄妹とは違うのである。
そう、近親相姦は異常なのだ。
いくら当人同士が愛し合っていようとも、それは社会的に許されない行為なのである。
だから決して他人には告げる事が出来ない秘密なのだった。
「何でもないよ。ちょっと寝不足気味だからね」
「そうなのか。それならいいけどさ」
少し笑みを浮かべながら告げると、貴史は安心したように息を吐いた。
本当に友人想いのいいやつなのだ。
「それより、貴史くんのお姉さんがあそこに居るよ」
「え? どこに?」
さらに意識をそらそうと、外にいる姉の存在を示す。
以前もそうではあったが、最近の貴史は姉のことにかなり敏感だった。
いかにも姉が大切で仕方がないという感じなのである。
あれは確か、貴史の姉に恋人ができたのではないかという疑いが出た時だったろうか、凄く暗くなっていたのを覚えている。
その事もあってか、最近の貴史は姉の事に敏感になっているのかも知れない。
何ともシスコンぶりが酷すぎるが、気持ちは良く分かった。
光流にしても、妹が誰かと付き合うなどと考えるだけで嫌だったからだ。
妹は自分の物。
誰にも渡すつもりはなかった。
「姉ちゃん……」
ボソッとした呟きに視線を向けると、貴史がうっとりとした目で姉を見つめているのが目に映った。
それはどうにも姉が大好きでしょうがないという感じの目であり、思わず苦笑してしまう。
自分も妹を見る時はこんな感じになっているのだろうか。
いや、肉体的な意味でも欲している点でもっと酷いかも知れない。
欲情したいやらしい視線を向けているに違いないからだ。
そこでふと、貴史とその姉が自分たちのようにセックスしている姿を想像してしまう。
あれほど可愛くて豊満な体をした女の子が、実の弟に体中を舐め回され、肉棒で貫かれていやらしく喘ぎ、悶える姿だ。
(あの大きなオッパイを、無茶苦茶に揉むのか……)
思わずごくりと唾を飲み込んでしまう。
しかもただのセックスではなく近親相姦となると、自分にとっては現実味のある想像となり、興奮が強まった。
妹を抱きたい。
抱きたくてたまらない。
今股間で猛っている肉棒を、思い切り妹の中へ突き込んでみたかった。
貴史達の事をイメージしていた妄想は、いつしか自分と妹がセックスしているものに変わっていた。
そしてそれは経験に基づいているため非常にリアルなものとなり、光流の興奮は激しさを増していった。
早くトイレにでも行って処理をしないと落ち着かないだろう。ここ最近、そうして妹との行為をネタに自慰をしまくっていたからだ。
いけないと思いつつも、決して止められない行為であり、しないではいられない事だったのである。
「よ~~、新しい写真見せてたっけ?」
不意に脳天気な声が聞こえたため驚く。
見ればそこには、馬鹿丸出しといった陽気な表情をした圭介が立っていた。
手には携帯電話が握られ、赤ん坊の画像が表示されている。
「あ~~、見た見た。見たからいいだろ?」
うんざりした様子で貴史が呟いているのに苦笑する。
圭介は最近生まれた妹にご執心で、写真を撮っては何度も見せてきていたからだ。
同じシスコンでも、ここまで馬鹿っぽくされると何とも可笑しさが込み上げてきてしまう。
とはいえ、セックスをしている点で、自分と圭介は同じシスコンとは言えないのだが。
これほど妹を愛し、馬鹿みたいになっている圭介でも、さすがにセックスはしないだろう。
今は赤ん坊だが、将来大きくなった時に手を出す、などといった事はありえるはずがなかった。
それが普通の兄妹の関係だからだ。
家族とセックスをする、などといった異常な行為をしているのは自分だけなのである。
友人二人はそうした悩みなどなく、姉妹と楽しく過ごしているに違いない。
そう思うと少し寂しくなったが、かといって妹とセックスした事を不幸に感じる訳でもない自分を、何とも異常な人間ではないかと思う。
「光流は見たっけ? 見てないよね? だから見るべきだよ。ほらほら」
溢れんばかりの兄馬鹿っぷりで、圭介が携帯電話を押しつけてくる。
その少し行き過ぎとはいえ、正常な妹への愛情表現を受けたせいか、光流の意識から妹への肉欲は薄れていった。
その事にホッとしつつ、差し出された携帯電話を受け取る。
そこには床に座ってオモチャで遊ぶ赤ん坊の姿があった。
とてもではないが欲情の対象にはならないその姿に益々肉欲を薄まらせつつ、自分の妹にもこんな時期があったのだと考える。
そして十数年経った今、自分はそんな妹とセックスをしてしまった。
それは取り返しの付かない事であり、これからどうすればいいのか分からない事でもあった。
(簡単だよ……僕も圭介みたいに兄馬鹿になればいいだけさ……)
妹を肉欲の対象として見ず、ただ可愛い、愛しむ対象としてだけ認識する。
そう、以前していたようにすればいいだけの事なのだ。
その簡単な事が自分はもう出来なくなっている。
妹を見ると、どうしても肉棒のたぎりを抑えられないのだから……。
考えてみれば何とも大変な事になっているのだなと、光流は愚かしい自分に対して苦笑するのだった。
居間に置かれたテレビには、バラエティ番組が映っていた。
毎週妹と楽しみに観ている番組だ。
少し離れた所に座った妹は、可笑しそうに笑いながらテレビに見入っている。
その姿は何とも可愛らしく、思わず抱き締めたくなるほどだった。
だがそうする事は出来ないのであり、するつもりも光流にはなかった。
肉棒は少し勃起してしまっていたが、だからといって理性を失うほどではなく、後で自慰をして処理してしまえば大丈夫だろう。
肉体的な性欲は自慰をすれば誤魔化せる。出してしまえば体は満足するからだ。
後は精神的な問題だったが、いくら一度禁忌を破ってしまったとはいえ、光流にはもう二度と同じ事をするつもりは無かった。
妹とは兄妹としての関係を保ちたかったからだ。
そもそもそうでなければ亡くなった両親に申し訳が立たないだろう。
この家は、両親が自分たちの幸せのために建ててくれたものであり、そこで兄妹が近親相姦に耽るような事になっては、あまりにも酷すぎた。
自分たちは普通の兄妹として生きていくのだ。
一度は異常な兄妹となってしまったが、もうしなければいいだけのことである。
光流はそう決意し、絶対に妹に手を出すつもりはなかった。
とはいえ、視線はチラチラと妹へ向けられており、服に覆われていない生の肌や、胸の膨らみに意識は集中していた。
テレビの内容はあまり頭に入っておらず、妹が笑うのに合わせて無理矢理笑い声を上げている始末だった。
そろそろ性欲を処理した方がいいのかも知れない。
そうでなければおかしくなってしまうだろう。
それだけ光流の妹に対する肉欲は、強烈な執着となってたぎっていたのである。
(もう行こう……)
限界を感じた光流が、トイレへ行くフリをして性欲を処理しようと考え、立ち上がろうとした時だった。
不意に妹が近くへ寄ってきたため驚く。
一体どうしたのだろうと思っている内に、妹はそのままピッタリと寄り添うようにして体を押しつけてきた。
(桜子……)
近くに妹の存在と体温を感じた光流は、激しい興奮に包まれた。
何しろ我慢の限界が近づいた状態だったのであり、そこへ欲情の対象にくっつかれては、おかしくなっても仕方ないだろう。
だが手を出す訳にはいかない。
光流は必死になって自分を抑えると、さっさと性欲を処理してきてしまおうと、立ち上がろうとした。
「お兄ちゃん……」
しかしその瞬間呼びかけられたため、体が止まる。
それは普段の声とは異なる、どこか女を感じさせる、そう、交わっていた時に聞いた声の雰囲気を思わせるものであったため、激しい動揺が起きた。
妹も自分を求めているのではないか。
そう思うと、嬉しさと共に恐怖が湧き起こった。
このままでは自分は、また妹を抱いてしまう。
それだけは避けなければならない事だった。
「……」
だが妹が頭をこちらへ寄せてきた瞬間、その想いは瞬時に消え去った。
妹は自分を求めている。
でなければこのようにしてこないだろう。
妹も自分が欲しいのだ。
兄の愛情を体で感じたいのだ。
ならば応えてやるべきだった。
それが妹の望みであるならば……。
「桜子……」
優しく呼びかけつつ、ゆっくりと肩へ手を回す。
妹はピクリと体を震わせたが、すぐに安心したように力を抜いた。
「テレビ、消すね?……私、お兄ちゃんと静かに話したい……」
「いいよ。僕も桜子と話したいから……」
リモコンのボタンを押すと、途端に騒々しかった音が消え、部屋には静けさが広まった。
しばらくそうして黙ったまま、二人はジッとしていた。
お互いの体温が感じられ、その柔らかな肉の感触に、光流は激しい肉欲を覚えた。
またこのまま妹を抱いてしまっていいのか。
改めてその想いが湧き起こる。
だが肉体は抑えきれないほどに妹を求めていた。
体中が妹への愛情に溢れ、その愛の証を注ぎ込みたくてたまらなくなっているのだ。
何故妹を抱いてはいけないのか。
いいではないか抱いても。
抱かなければ自分はおかしくなってしまう。
そんな想いが頭の中をグルグルと回っていた。
「私……お兄ちゃんのこと、好き……」
不意に妹がそんな事を言ってきた。
初めて聞かされる愛の言葉に、激しい喜びが溢れる。
「お兄ちゃんなのに……凄く好きなの、大好きなの……ねぇ、これっておかしいのかな? いけない事だよねこんなの……でも好きなんだもん。好きで好きでたまらないんだもん……お兄ちゃんが大好きなんだよぉっ……」
妹は必死な表情をしてそう叫ぶと、すがりつくようにして抱きついてきた。
そうされると今まで以上に女肉の感触が強まり、肉棒が痛いほどに勃起する。
心臓がバクバクと鼓動し、抑えきれない欲情が、今すぐにでも妹を押し倒せと告げてくる。
「この間、お兄ちゃんに抱かれて……私、おかしくなっちゃった……いけない事なのに、凄く気持ち良くなっちゃって……お兄ちゃんに抱かれてるんだって思ったら、凄く幸せになって……もう他のことがどうでも良くなっちゃったの……」
強烈な愛の告白に、光流はおかしくなりそうだった。
妹も自分と同じだった。
自分と同じように兄妹へ強い愛情を抱き、抱かれる事に悦びを覚えていたのだ。
「何度も何度もお兄ちゃんに貫かれて……中に出されて……そうされるのが、凄く気持ち良くて幸せで……私、お兄ちゃんに凄く愛されてるって思ったの……だけど一晩寝て落ち着いたら……いけない事だって……お兄ちゃんに抱かれて喜ぶなんて異常な事だって……そう思ったら凄く辛くて……それにお母さん達にも申し訳なくて……だって私たちがこんな事してるなんて知ったら、お母さん達、絶対に悲しむもん……」
まさに自分と同じだった。
妹は自分と同じ事を感じ、悲しみ、どうしたらいいのか分からず悩んでいたのだ。
自分たち兄妹は、本当によく似ているのである。
「だからもうこんな事はいけないって、しちゃいけないから諦めなきゃって思ってた……でも毎日お兄ちゃんと会って、話をしてると、どうしても抱き締めてもらいたくなって……キスしてもらいたくなって……私、いやらしいって……いやらしい子になっちゃったって……もう、おかしくなっちゃってるんだよぉっ……」
妹はそう言いながら強く抱きついてくると、涙を浮かべた目で見つめてきた。
上目遣いの潤んだ瞳は、何とも色気を感じさせ、光流の我慢は限界一杯だった。
何より自分に抱かれたくて欲情していたという事実を告げられては、抑えられるものも抑えられなくなって当然だろう。
「それで私……そうしてお兄ちゃんのことを想っていると……お母さん達のこと、少し忘れられるの……お母さん達が死んでもう居ないって悲しさが和らぐんだ……でもそれって駄目だもん……いけない事して、いやらしい気持ちになって……それと引き替えにお母さん達の事から楽になるなんて……まるでお母さん達よりお兄ちゃんといやらしい事するのが大切みたいじゃないっ……わたし、わたし、そんなの嫌っ……嫌だから今まで我慢してたっ……でもっ、でもやっぱり……やっぱりわたし、お兄ちゃんのこと好き……だから駄目っ、無理っ、もう我慢できないっ……お兄ちゃんが大好き、大好きなんだよぉっ……」
そう叫んだ妹は、耐えられないというように光流の首に腕を絡めると、顔を近づけてきた。
徐々に閉じられる瞳は、キスをねだっている証だった。
光流にそれを断る理由などなかった。
すぐさま妹を抱き締めると、こちらから唇を寄せていく。
二つの唇が重なり合い、舌が絡み合って、お互いの口内を貪る荒々しいキスが繰り返されていく。
顔が左右に入れ替えられ、兄妹は互いを逃がすまいとするようにして求め合った。
「んっ……んんっ……んふぅっ……」
くぐもった声と、唾液の音が静かな部屋に響き、光流は妹の存在を強く感じ、そここからもたらされる刺激に気持ちの良さを覚えた。
よもやここまで妹が自分を求めていたとは思わなかった。
強烈な、激しい愛情が感じられる告白と、それに伴う荒々しいキス。
ここまで愛情を示されて、抱いて欲しいと懇願されるなど、嬉しくてたまらなかった。
その想いに応えようと、光流も妹を強く抱き締め、夢中になって唇を貪っていく。
「んんっ……んっ、んっ……んんぁっ……んっ……ふぁ……おにぃちゃ……」
しばらくして唇を放すと、妹がうっとりとした表情で見つめてきた。
頬は快楽から桜色に染まり、半開きとなった唇の間からは、今吸い付いていた可愛らしい舌が見える。
何と愛らしい存在だろう。
これが自分の妹、自分の女、自分の物なのだと思うと、誇らしさと嬉しさと肉欲がない交ぜとなって光流をおかしくしていった。
実の妹だろうが何の問題があろうか。
ここまで愛され、求められたら、それは女だ。
そして自分は兄ではなく男。
愛し合う男と女が求め合い、まぐわうのだから、それは立派な愛の証だろう。
そう、自分は愛する女を抱くのだ。
それだけなのである。
そう思った瞬間、光流の中の抑制は全て外れた。
「桜子っ……桜子好きだっ、好きだ大好きだっ……愛してるっ……愛してるんだぁっ……」
思い切り叫びながら、妹を押し倒していく。
もう一度キスをしつつ、胸元に手を伸ばして乳房を優しく揉みしだく。
小ぶりの乳房は、何とも手にしっくりくる感じで気持ちが良く、いつまでも揉んでいたくなった。
「んっ……んふぅ……嬉しい……お兄ちゃん嬉しいよぉ……お兄ちゃん大好きぃっ……」
嬉しそうにそう叫ばれ、強く抱き締められる事に幸福感が溢れていく。
服を捲り上げ、ブラジャーを押し上げると、小さな膨らみが露わになった。
何度見ても美しいと思える白い乳房は、光流の肉欲を激しく刺激した。
可愛らしい妹の可愛らしい膨らみ。
それを揉むと妹が可愛らしい声をあげ、可愛らしく体をくねらせる。
まさに妹は可愛らしさの塊だった。
「やっ、やぁっ……はんっ……あっ、あっ……」
小さな膨らみながらも力を入れると指が食い込み、力を抜くと押し返してくるその感触は、魅惑的に光流を惹き付けた。
揉むたびに位置を変える桜色をした突起は、口に含むと程良い堅さを感じさせ、吸い付く事を止められない。
ただの肉の塊であるはずなのに、どうしてここまで愛らしいのだろう。
妹の胸であるというだけで美しく、求めずには居られない存在だった。
愛おしい。
妹の全てが愛おしかった。
そして愛おしさは肉欲に直結し、股間の一物はすでに痛いほどにまで勃起していた。
早く入れたい。
妹の中に入りたい。
妹の感触を味わいたい。
自分の妹への愛情を伝えるには、一つにならなければ無理だった。
繋がり合い、快楽を与え合う事で、自分たちは愛情を確かめ合うのだ。
鼻息を荒くしながらスカートを捲り上げ、パンティを引き下ろす。
現れた秘所を見ると、そこはすでに濡れており、妹が自分と同じように早く繋がり合いたいと願っているのだと分かって嬉しくなった。
「桜子っ……桜子ぉっ……」
「お兄ちゃんっ……お兄ちゃぁんっ……」
互いを呼び合い、手を握り合いつつ、唇を重ねる。
荒々しく絡み合う舌がちゅくちゅくと音を立て、その事に興奮を高めながら肉棒を秘所へ押し込んでいく。
『んんっ……』
挿入の快感が互いの体を硬直させ、くぐもった声を漏らさせる。
そのまま一気に押し込むと、妹の体がピクっ、ピクっ、と震え、手に力がこもるのが分かった。
股間からは蕩けるような快感が押し寄せており、柔肉の中を押し進むたびにたまらない気持ちの良さが溢れた。
肉棒の全てが収まると、一旦動きを止め、妹の顔を見つめる。
黒い瞳が強い愛情を感じさせる光を放ち、信頼しきって身を委ねているその様に、嬉しさと誇らしさが込み上げてくる。
妹は自分の物だった。
自分だけが愛していい、自分だけの女。
互いの性器で繋がり合い、ジッとしているだけでも伝わってくる快感に、光流は幸福感を味わっていた。
自分は幸せだ。
何しろこんなに可愛い妹と愛し合い、体を繋げ合い、気持ち良くなっているのだから……。
自分の肉棒は強く締め付けられ、吸い付かれ、おかしくなりそうなほどの気持ちの良さを与えられている。
その快感こそ、妹の自分に対する愛情の現れだろう。
愛していなければここまで気持ち良くしてはくれないからだ。
血の繋がった兄妹で繋がり合い、気持ち良くなっている自分たち。
それは許されない行為だったが、あえてそれを犯すがゆえに互いの愛情の深さが感じられて嬉しかった。
近親相姦の禁忌よりも、兄妹で愛し合うことの方が大切なのだ。
それだけ自分も妹も互いを愛しているのである。
何と嬉しい事だろう。
何があろうと臆さない強い愛情を抱き、その証を示すためならば、近親相姦の禁忌など無いに等しかった。
許されない行為だからこそ、それを破って愛情を示すのだ。
両親が居なくともお互いが居ると、何があろうとも愛し合っていくのだと伝え合うために……。
「あっ、あっ、ああっ……やっ、おにぃ、あっ、あっ……」
激しく腰を動かし出すと、妹が甘い声をあげて悶えた。
その可愛らしい様子と、肉棒に絡みつく膣襞の感触に、思わず射精してしまいそうになる。
ずっと我慢してきたのと、再び妹と結ばれた嬉しさで興奮が激しく高まっているせいだろう。
何よりあまりに妹の中は気持ちが良すぎ、耐え難いほどだったのだ。
気を抜けば、あっさり精を放ってしまうに違いない。
だが妹が満足出来るまで気持ち良くしてから果てたい光流は、必死に耐えながら腰を振りまくった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……おにぃちゃん、あっ……おにぃちゃ、ああっ……おにぃ、あぅんっ……」
突き込みが行われるたびに、可愛らしい眉が寄せられ、小さな顎が仰け反る。
上気した顔は色気を感じさせ、普段の少し幼さを感じさせるものと同じとは思えないほどだった。
すでに以前、何度も達した経験が妹を大人の女にしていたのだろう。
そう思うと、自分が妹を成長させたのだと感じられ、嬉しさが込み上げてくる。
これからもこうして抱いていき、女らしくさせたかった。
「あぁっ、あんっ……やだ、あっ……凄い、ああっ……凄いよぉ、あっ……お兄ちゃん凄いのぉっ……」
強く深く突き込むと、妹はいやいやといった感じで頭を左右に振り、床に爪を立てて悶えた。
何度も「凄い凄い」を繰り返し、もっとして欲しいとばかりに見つめてくるのに、強い誇らしさと悦びが生まれる。
自分は妹を気持ち良くさせられている。
もっとして欲しいとねだられている。
それは男として、雄として、強烈な悦びだった。
「あんっ、はぅっ……あっ、あっ、ああっ……やっ、駄目、あんっ……そんな強いの、ああっ……おにぃちゃ、あぅっ……駄目、ああんっ……」
さらに気持ち良くしてやろうと腰の動きを速めると、妹は体をビクビクと震わせ、辛そうに、それでいて気持ち良さそうに悶えた。
あまりに強い刺激を処理しきれないでいるのだろう。
それだけ自分の与える快感は、妹を狂わせているのだ。
何と素晴らしいことか。
だがそれは光流にしても同じだった。
妹のそうした痴態は精神的な快楽を生み、肉体的な快楽と合わさって、超絶な気持ちの良さとして襲いかかってきていたからだ。
もう射精感は限界を示しており、もう少しすれば我慢できずに精を放ってしまうだろう。
それほどまでに妹の存在は可愛らしく、気持ち良かった。
「あぐっ、あっ、ああっ……やっ、やっ、やぁっ……駄目、あっ……もう駄目、ああっ……もう駄目ぇっ……」
長い髪を振り乱し、妹は困ったような顔をしながら甘く喘いだ。
絶頂の昂ぶりに訳が分からなくなっているのだろう。
このまま一緒に果てたいと思った光流は、最後だとばかりに激しく腰を振っていった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……やだ、あっ……やだ凄い、ああっ……凄すぎるよぉっ……あっ、あっ、あっ……イっちゃう、あっ……イっちゃう、ああっ……イっちゃうのぉっ……やっ、やっ、やぁああああああああんっ!」
「うぁっ!」
ドピュッ、ドピュッ、ドクドクドクドクドク……。
勢い良く精液が迸り、妹の中へと注がれていく。
肉棒が何度も律動し、そのたびにたまらない快感が脳を痺れさせた。
光流は顎をカクカクと揺らしながら、押し寄せる快楽に身を委ねた。
視線を下へ向ければ、妹も体をピクピクと震わせながら、大きい呼吸を繰り返している。
その様子に満足な思いを抱きつつ最後の射精を終えると、力を抜いてゆっくりと妹の隣へ倒れ込む。
ハァハァという荒い呼吸が静かな部屋に響き渡り、光流は再び妹を抱けた事に嬉しさで一杯になった。
妹はどうだろう。そう思いながら視線を向けた光流は、次の瞬間硬直した。
何故なら妹が涙を流していたからだ。
「……ごめんね……驚いちゃったよね?……でも大丈夫だから……」
光流の様子に気づいた妹は、そう言うと笑った。
しかしそんな事を言われても、流れ続ける涙を見ては、とても大丈夫だとは思えなかった。
やはり抱かれたのが嫌だったのだろうか。
受け入れてくれたとはいえ、自分たちのした事は明らかに異常な事だ。
それを後から後悔したとしても不思議はなかった。
「お兄ちゃんに抱かれるとね……思い出しちゃうの、お母さん達のこと……だってお母さん達が生きてたら、私たちこんな事しなかったでしょ? でも今はしちゃってる……お母さん達がいないから、しちゃってるんだよ……そう思うと、お母さん達は死んじゃったんだって改めて思えて……それで涙が……」
笑顔を浮かべながら涙を流す妹は、何とも儚げで、壊れてしまうのではないかと思えた。
そんな想いをさせるのだとしたら、やはり抱いてはいけなかったのだろうか。
「勘違いしないでね。お兄ちゃんに抱かれるのは凄く嬉しいよ……だって私、凄くお兄ちゃんのこと好きだから……でもね、その気持ちも、お母さん達が死んで、お兄ちゃんに抱かれたからじゃないかって……そう思うと、やっぱりお母さん達が死んだ事を意識しちゃって悲しくなるの……」
「やっぱり僕が、あの時桜子を抱いちゃったから……」
自分が我慢さえ出来れば、妹を悲しませる事はなかったのだ。
そう思うと、肉欲に流された自分を情けなく感じた。
「違うよっ。だってあの時抱いて欲しがったの私じゃないっ。お兄ちゃんはそれを受け入れてくれただけだよっ。だから原因は私なのっ」
妹はそう叫ぶと抱きついてきた。
泣きはらした顔が何とも可愛らしく、また愛おしく思えてくる。
「それに、お兄ちゃんに抱かれないと私、もっと辛くなると思う……お兄ちゃんに抱かれると、凄く幸せな気持ちになるんだもん……さっきも言ったでしょ。本当はいけないと思うけど、お兄ちゃんに抱かれると、お母さん達のこと、少し忘れられるって……」
それは光流も同じだった。
妹と繋がり、妹と愛し合う事で、幸福感が得られ、両親の死の悲しみが心から消えるのだ。
「だからもっと抱いて欲しい……いけない事だけど、私、お兄ちゃんに抱いてもらうと、幸せになるから……だからお願い……もっと抱いて、抱いてよお兄ちゃんっ……私をお兄ちゃんで一杯にしてっ……」
そう言いながらすがりついてくる妹を、光流は強く抱き締めた。
「桜子、大好きだよ」
「私も、私もお兄ちゃんが大好き」
愛の言葉を交わしながら抱き締め合い、荒々しいキスを繰り返す。
妹は、こうして快楽を味わっている間は、両親の死の悲しみを忘れられるという。
ならばもっともっと気持ち良くしてやるのが兄としての責務ではないのか。
妹の中を自分という存在で一杯にし、悲しみを忘れさせてやるのだ。
妹への強い愛情と、それに伴う肉欲で一杯になった光流は、力強く勃起した肉棒を持つと、すでに熱く濡れそぼっている秘所へ押し込んでいくのだった。
学校からの帰り道、光流は妹と一緒に歩いていた。
普通の兄妹であれば、こうして一緒に帰る事もないのだろうか、などと考えながら隣を歩く妹を見つめる。
学校であった面白い出来事を語りながら笑顔を浮かべる妹は、何とも可愛らしく、そんな相手と下校を共にしている事に光流は喜びを覚えた。
これほど可愛い女の子であっても、普通なら妹であるため自分の物にする事は出来ない。
どれほど愛していても、普通であれば無理な事なのだ。
それを自分は成し遂げた。
世間では異常と言われる関係になってしまったが、それでも自分たちは幸せだった。
両親は亡くなってしまったけれど、兄妹二人、これからも仲良くやっていくのである。
あれから毎日のように妹を抱いているが、最近は涙を流すことが少なくなっているのも、明るい未来を思わせて嬉しくなっていた。
確実に自分の愛は、妹を悲しみから救えているのだ。
そう思うと、やる気が湧き起こり、何事にも前向きになれて楽しくなった。
何より妹との生活は楽しかった。
肉体関係を持つようになってからは恋人のような意識も生まれたが、やはり兄妹としての意識は強く、最近では元の兄妹のような感覚に戻っているような気がするのだ。
兄妹としてお互いを意識し、快楽と愛情を与え合っているのである。
それが何とも嬉しい事だった。
今日もこれから家に帰り、妹を抱けるのだと思うとそれだけで幸せになり、活力が湧いてきていた。
自分にとって妹は、そういう意味でも大切な存在になっていたのだった。
「やあ、今帰りかい?」
不意に聞こえた声に視線を向けると、近所に住むオジさんの姿があった。
傍には娘である小学生の女の子も立っている。
オジさんの娘は少々人見知りをする性格のため、オジさんの影に隠れるようにしているのが可愛らしい。
『こんばんは~~』
同時に挨拶をすると、オジさんも「はい、こんばんは」と返しつつ頭を軽く下げている。
娘も小さく頭を下げているが、そのオドオドした感じが何とも可笑しかった。
すでに何度か会って話をしているのだが、なかなか慣れてくれないのだ。
そういえば、何年か前に母親を亡くしているそうだから、その影響もあるのかも知れない。
そう考えると他人事に思えなくなってくる。
何しろ自分も妹も、両親が亡くなった事で精神的に追い詰められていたからだ。
その結果が互いを求め、近親相姦に至ってしまったのである。
その事に後悔は無い。
何しろ妹を抱いた事で、自分は精神的に救われたからだ。
しかしそれは世間的には異常な事であり、大っぴらに言えないため、それだけが寂しい事だった。
そして目の前に居る少女は、そうした精神的な開放を得られなかったために、これほど人見知りをするようになったのではないかと思えた。
何しろオジさんによれば、以前はここまで人見知りではなかったそうだからだ。
母親の死を処理出来ず、それが性格に影響を与えてしまったのではないか。
そう思うと不憫に思えた。
妹も似たような事を感じたのか、近くへ行って笑顔を向けて話しかけている。
妹には少し慣れている娘は、頷いたり小さく言葉を返したりして、安堵したように笑みを浮かべていた。
その様子を微笑ましく見ていると、オジさんに腕を引かれ、少し離れた所へ連れて行かれた。
「妹さん、元気になったみたいだね」
「え……?」
小声で言われた言葉に驚きつつ、オジさんの顔を見つめる。
「少し前までは、凄く辛そうにしてたから……でも最近は元気になったみたいで安心したよ」
「辛そう、でしたか?」
「うん……うちもね、あの子が母親を亡くした時に似たような感じだったから分かったんだ。情けない事にしばらく気づいてやれなくてね……だから妹さんの事も心配だったんだよ」
「そうですか。ありがとうございます」
オジさんには色々と気を遣わせてしまっていて申し訳なかった。
両親が生きている時にはあまり感じなかったが、こうして人に優しくしてもらえるというのは、それだけで幸せな事なのだと思う。
「なに、お礼を言ってもらうほどの事じゃないさ。妹さんにもうちの子の相手をしてもらってるしね……実は学校でちょっと苛められてるみたいなんだよ。だから心配でさ。男親だと、どうにもそうしたところが上手く出来なくて。だから妹さんがああして話してくれるだけでもありがたいんだ」
幸せそうに見えたオジさんの家にも色々と心配事があるのだなと驚く。
苛めはどれくらいの酷さなのだろう。
軽いものだと良いのだが。
自分には慣れてくれていないとはいえ、可愛らしい女の子が苛めに遭っている姿は想像したくも無かった。
何とか自分も手助けがしたいところだが、小学生が相手では高校生の自分が出張る訳にもいかないだろう。
後は、オジさんと学校に任せるしかなかった。
「それじゃ、何かあったら言ってくれよ。いつでも助けになるからね?」
オジさんはそう告げると、娘を促して歩いていった。
それを見送りながら妹へ視線を向けると、幸せそうな笑顔を浮かべて寄り添ってくる。
その様子に嬉しさを覚えつつ、光流は早く家へ帰って妹と愛し合いたいと思うのだった。
玄関へ入り、ドアを締めて鍵をかけると、光流は妹を背後から抱き締めた。
「やだ、何やってるのよお兄ちゃん」
「もう我慢出来ないんだ。すぐにヤりたい……」
そう囁きながら制服の上から小さな乳房を鷲掴み、回すように揉みしだく。
実は先ほどから肉欲が昂ぶっていてたまらなかったのだ。
オジさん達と別れてから、肉棒が硬く大きくなっていたのである。
いつもならどちらかの部屋で落ち着いてセックスをするのだが、今日はどうにもそこまで我慢出来ない、というより、こうした場所で無理矢理妹を抱きたくてたまらなくなっていたのだ。
「ちょ、落ち着いてってば……駄目、あんっ……こんな所じゃ駄目だって、やっ……」
暴れる妹を背後から押さえつけ、無理矢理乳房を揉んでいると、激しい興奮が湧き起こった。
そもそも妹にしても、さほど嫌がっているように見えなかった。
本当に嫌であればもっと強く抵抗するはずだからだ。
「とにかくここじゃ、あっ……外に声が聞こえて、あんっ……ちょっともぉ、怒るよおにぃ、んんっ……」
何か言いかけるのをキスで黙らせる。
舌を押し込み、口内を擽るようにして愛撫すると、徐々に妹の体から力が抜けていった。
「んんっ、んっ……んふっ……もう、強引なんだから……お兄ちゃんの馬鹿……」
拗ねたように唇をとがらせてはいるが、本気ではない甘えるような言い方に嬉しくなる。
その可愛らしい様子と、桜色をした唇を見ている内に、別の欲求が湧き起こってきた。
「じゃあ、舐めてくれよ。そうしたら我慢出来ると思うから」
「え?……しょうがないなぁ。でもそれなら声は出ないしね、いいよ」
そう言うと、妹はその場にしゃがみ、光流のズボンのチャックを下ろして肉棒を取り出した。
ブルンっと勢い良く出たそれは強く律動しており、その様子に妹は驚いた顔をしている。
「うわぁ、元気だねぇ。確かにこれじゃおかしくもなっちゃうか……しょうがないお兄ちゃん、んんっ……」
妹は呆れたように言いながら、肉棒を口に含んだ。
途端、温かで湿った感触が肉棒に広がり、光流はうっとりとした表情を浮かべた。
眼下には、可愛らしい顔をした妹が醜悪な肉棒を小さな口に含んだ姿が見え、それが何とも言えないいやらしさを感じさせた。
特に制服姿であるのが興奮をより高め、たまらなくなってくる。
「んんぐ……んっ……んぐ……」
妹は亀頭に舌を巻き付けるように絡ませ、チュウっと吸うと、続けて裏筋をチロチロと舐め上げてきた。
その丁寧な動きは、妹の自分に対する愛情を感じさせ、光流は激しい幸福感を覚えた。
セックスと異なり、こうして妹に愛撫される状態というのは、如何に自分が愛されているかが感じられ、凄く幸せな気分になれるのだ。
どうやら妹も、そうして光流が感じているのを見るのが嬉しいらしく、フェラチオを喜んでしてくれるのだった。
熱心に肉棒を舐め、吸っている妹の姿は、見ているだけで可愛らしく興奮を誘うものであり、時折上目遣いに見つめてくる視線は、強烈な刺激となった。
思わず射精しそうになり、妹の肩に手を置いて体を硬直させる。
「んんっ、んっ……んぐ、んっ……」
それを感じたらしい妹は、それまで以上に強く吸引し、頭を上下に激しく揺らしてきた。
セックスと同じ刺激を与えられた事で一気に射精感は高まり、数度それを繰り返された後、光流は精を放った。
「うっ!」
ドピュドピュと激しく迸る精液と、そのたびに押し寄せてくる快感に頭を仰け反らせる。
妹は一瞬顔を歪ませた後、ゆっくりと精液を飲み込んでいっている。
その様子は何ともいやらしく、また、自分の精液が妹に飲まれている様は、ゾクゾクする興奮を呼び起こした。
「んはぁ……沢山出たねぇ。驚いちゃった……」
しばらくして肉棒から口を離した妹は、そう呟くと脱力したように腰を下ろした。
その顔は、フェラチオをしたせいで興奮しているのか上気していて色っぽかった。
「お兄ちゃん、気持ち良かった?」
微笑みながら見上げてくるのが何とも可愛らしく、さらには制服姿で上気している様に強い肉欲を覚えた光流は、このままこの場でセックスしたくてたまらなくなった。
肉棒もその想いに応えるように硬く大きくなっていたため、我慢するなど不可能だった。
今日の自分はどうかしている。
どうしてここまで我慢が効かなくなっているのだろう。
そんな事を思いながら、「じゃあ、着替えてこようかなぁ」と言って立ち上がろうとしていた妹を押し倒す。
「え? ちょっとやだっ……お兄ちゃんまだなの? ちょっとおかしいよ?」
床に倒れ込みながら、呆れたように言ってくる妹に苦笑する。
自分でもおかしいと思っているのだから、妹がそう感じるのも当然だろう。
「しょうがないよ。僕、桜子が欲しくて欲しくてたまらないんだ。全然我慢出来ない……」
そう言いながら制服のブラウスのボタンを外し、前を開く。
ブラジャーを押し上げると、小ぶりの乳房が露わになり、その様子に欲情がさらに高まった。
乱れた制服姿というのは、どうにも強い刺激を伴うようで、他の服を脱がす時よりも興奮の度合いが強かった。
「ここだと外に声が聞こえちゃうよ。駄目だって、あっ……ちょっと、おにぃ、あっ……駄目ぇっ……」
白い膨らみを優しく揉み、桜色をした突起を強く吸っていくと、文句を言っていた妹の声がだんだんと甘いものに変わっていった。
しかし普段に比べるとそれは小さな声であり、外に聞こえることを本気で気にしているのが分かる。
だがそうして妹が我慢している姿というのは何ともそそり、光流はこのまま色々愛撫をして、妹がどこまで耐えられるのか試してみたくなった。
声が外に聞こえてしまうのは光流としても困るため、そこら辺の調整が難しいと思いつつ、妹の体を貪っていく。
「あっ、あぁっ……やっ、駄目、あんっ……そんな風に吸っちゃ、やぁっ……」
囁くような喘ぎを発しながら、クネクネと体を動かす妹の姿は最高に可愛らしくもいやらしかった。
制服のスカートを捲り上げ、スベスベとした太ももを撫でさすると、その素晴らしい手触りに感嘆する。
どうしてこんなに気持ちの良い感触をしているのだろう。
妹の肌は極上すぎた。
細い太ももを持ち上げ、舐めては強く吸い付くのを繰り返していく。
「あっ、あっ……やっ、あっ……はぅっ、はぁんっ……」
乱れたプリーツスカートから伸びる脚がピクピクと震え、股間ではピンク色のパンティの中心が濡れていくのが分かった。
妹は感じている。
自分の愛撫で感じているのだ。
そう思うと妹を支配しているように感じられ、激しい興奮が湧き起こった。
もっともっと感じさせ、自分に夢中にさせたい。
自分以外をどうでもいいと思わせるほどにしたい。
妹は自分の物だからだ。
そんな想いに染まりながらパンティを引き下ろし、肉棒を押し込もうとのし掛かっていく。
「やっぱりここじゃ駄目……入れられたら私、声、抑えられないもん……」
妹はそう言いながら体を捻り、肉棒をかわした。
確かにここでセックスを始めたら、外に声が漏れて誰かに聞かれてしまうかも知れない。
その恐怖は光流にもあったが、それ以上に今は妹の中に入り、妹を喘がせ、妹を自分に夢中にさせたくて仕方がなかった。
とにかく欲しいのだ。
妹が欲しかったのだ。
少しも待てはしなかった。
「私の部屋でしよ? いいでしょ?」
妹はそう言いながら四つんばいになって離れようとしている。
しかしそれは光流の欲情を余計に刺激しただけだった。
目の前で揺れるスカートに包まれた形のいい尻。
それは何とも可愛らしく自分を誘っているようにしか思えなかった。
「僕はここでしたい……」
光流はグイと妹の腰を掴むとスカートを捲り上げ、そのまま亀頭を秘所へとはめ込んでいった。
「あんっ……ちょ、おにぃちゃ、あっ……駄目、駄目って……入れちゃ駄目ぇっ……」
振り返り、焦った顔で告げてくる妹を無視し、一気に肉棒を奥まで押し込んでいく。
途端、気持ちのいい感触が股間から湧き起こり、脳を痺れさせていった。
この温かで湿っていてギュッと締め付けてくる感触は、まさに絶品だった。
しかもそれが愛する妹の中であり、妹が与えてくれているものだと思うと最高の幸福感が押し寄せてくる。
何よりまた妹と一つになれた。
それは何物にも代え難い素晴らしい状態だった。
「桜子、いくよ……」
そう言いながら激しく腰を動かし出す。
「あっ、あっ、ああっ……おにぃちゃんの馬鹿、やっ……駄目って、あっ……駄目って言ったのにぃっ……」
妹は必死に声を抑えるようにしながら、恨めしくそう告げてくる。
だがそれ以上に甘えるような響きが含まれていたため、本気で嫌がっているのではない事が分かった。
その事に安心しつつ、囁くようにして発せられる喘ぎに、いつもと異なる興奮を覚えた光流は、鼻息を荒くしながら腰を振りまくっていった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……やっ、駄目、あっ……声が、あんっ……声が出ちゃう、ああっ……大きな声が出ちゃうよぉっ……」
もう何度も交わった事で、妹の弱い部分を熟知している光流は、そこを重点的に攻めていた。
何しろそうすると凄く可愛く喘ぐからだ。
本来玄関先であるのだから、あまり刺激を与えて声をあげさせてはマズいのだが、せっかく妹とセックスするのに、中途半端な事では物足りなかった。
自分しか見えなくなるほど、妹を快楽に染めさせたかったからだ。
誰かに聞かれたらマズいという思いが、逆に興奮を高めていたのかも知れない。
聞かれるかも知れないという行為をする事が、今の光流には蕩けるようにたまらない事だったのである。
「やっ、やぅっ、やぁんっ……おにぃちゃ、ああっ……おにぃちゃぁんっ……はぅっ、はっ、はぁんっ……」
何よりこれほど可愛い妹の姿を見て、手を抜くなど不可能だろう。
自分が喘がせ、悶えさせている妹は、普段以上に愛らしい存在だった。
そしてそうさせているのは他ならぬ自分。
まさに妹は自分の物なのだ。
その実感が光流を虜にしていた。
「ああぅっ、あっ、あんっ……やっ、いいっ、そこ、あんっ……そこいいよ、ああっ……そこをもっと、はぅっ……おにぃちゃんそこぉっ……」
快楽に染まった妹は、声を抑える事を止めていた。
いつも通り、部屋でしている時と同じ声、いや、いつもより激しいように思える声をあげているのだ。
こうした場所でしている事で、妹も興奮しているのに違いない。
家の外には人の気配は無いが、いつ誰かが通りかかるかも知れない。
そう思うと恐怖と共に興奮が高まっていった。
「あんっ、やっ、やぁんっ……やだ、あっ……激し、あんっ……おにぃちゃ、あっ……激し、ああっ……おにぃちゃん激しいよぉっ……」
強い突き込みが行われるたびに妹の小さな頭がカクンカクンと仰け反り、床を支える腕に震えが走った。
時折振り返り、泣きそうな顔でもっとして欲しいとばかりに見つめてくるのに肉棒が益々猛っていく。
「やっ、やっ、やぁんっ……凄い、あっ……凄いの、あんっ……おにぃちゃん凄いぃっ……あっ、駄目、ああんっ……」
腕を崩し、床に上半身を押しつける体勢になりながら、妹はたまらないといった感じで甘く喘いだ。
その様子に妹を支配している意識が高まると共に、射精感が強まっていく。
「あんっ、わたし、あっ……わたしもぉ、ああっ……わたしもう駄目ぇっ……やっ、やぅっ、やぁっ……イっちゃう、あっ……イっちゃうよぉっ……」
自分の限界に合わせるようにそう告げてきた妹に嬉しくなる。
いつも自分たちはこうだった。
達する瞬間も同じなのだ。
まさに兄妹であり、愛し合っているからこその事だろう。
それを強く感じられるセックスは、光流にとって絶対にやめられない事だった。
「あっ、あっ、ああっ……やだ、あっ……イく、あっ……もうイく、ああっ……もうイっちゃうぅっ……おにぃちゃんっ、おにぃちゃん、おにぃちゃぁんっ……やっ、やっ、やぁああああああああんっ!」
「桜子っ、桜子っ、桜子ぉっ!」
互いを呼び合う声が響き渡り、その瞬間、光流は精を放っていた。
ドピュッ、ドピュッ、ドクドクドクドクドクドク……。
激しい勢いで精液が迸り、妹の胎内へと注がれていく。
ビクンビクンと肉棒が震えるたびに快感が走り抜け、たまらない気持ちの良さに歯を食いしばり頭を仰け反らせる。
妹は「あ……あぁ……」と弱々しい声を漏らしながら、うっとりとした表情を浮かべて体をピクピク震わせていた。
快楽の絶頂を共に味わうこの瞬間。
これこそが愛の証だった。
強い満足感を覚えながら最後の精を放った光流は、ゆっくりと力を抜き、妹に体を預けた。
そのまま床にずるずると倒れ込みながら、今味わった気持ちの良さと幸福感を反芻する。
横には可愛らしい妹の顔があり、半開きになった唇からは小さな舌が覗いているのが見えた。
上気した顔はだらしなく緩みきっており、自分に全てを委ね、安心しきっているのが感じられた光流は嬉しくなった。
小さな頭を優しく抱き締め、軽く唇を重ねる。
「んっ……おにぃちゃ……」
ぼんやりした甘えるような声にゾクリとした興奮を覚える。
何と可愛らしいのだろう。
何と愛らしいのだろう。
妹は何物にも変えがたい大切な存在だった。
そうした想いが強まると同時に肉棒が硬く大きくなっていく。
こうしてセックスを繰り返すたびに、自分たちの愛情は深まっていくように思えた。
抱かずにはいられない。
愛するのならばセックスをしなければならないのだ。
疼く肉棒を妹の中に押し込み、共に快楽を味わわなければ治まらないのである。
「今の、大丈夫だったかなぁ? 声……」
心配そうに呟く妹に苦笑する。
あれだけ大きな声をあげていたら、心配するだけ無駄に思えた。聞こえてしまっていると考えた方が自然だからだ。
しかも散々「お兄ちゃん」と叫んでいたとなれば、相手が兄だという事もバレてしまっているだろう。
近所の人達に自分たちの関係がバレてしまった。
そう考えると強い恐怖が湧き起こる。
だがそれがどうしたというのだ。
愛し合っている男女がセックスするのに何の問題があるだろう。
実の兄妹だからといって気にする方がおかしいのだ。
愛に決まりなどないのだから……。
「桜子、愛してるよ……」
「私もお兄ちゃんのこと、愛してる……」
光流の言葉に妹は満面の笑みで応え、強く抱き締めてきた。
そのまま唇を重ねると激しいキスを繰り返していく。
再び肉棒が秘所に収まり、兄妹は再び快楽の世界へと突入していった。
誰かに聞かれることなど気にしていないように、互いを呼び合いながら……
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