双子の妹


 春樹は友人の鹿谷を探して校内をうろついていた。
 借りていたCDを返すつもりだったのだが、違うクラスのため先にホームルームの終わった鹿谷は、どうやらどこかへ出かけたらしく教室にいなかったのだ。
 カバンが教室にあった事から下校していないのは確実なのだが、鹿谷のクラスメートによると、どうやらある所で何かしている様だった。
 その時の言い方がどうも何かを含む様な感じだったので春樹は気になっていた。
(あいつは今お楽しみさ……ひひっ、邪魔しない方がいいぜ……)
 何をしているのかは教えてくれなかったが、どうやら楽しい事をしているらしい。
 自分に内緒で何を楽しんでいるのだろう。
 誘ってくれなかった事に少し腹を立てながらも、逆にそれを理由にして自分も混ぜてもらおうと春樹は思った。
 教えてもらった場所は今は使われていない旧校舎であり、さすがに用事が無ければ誰も来ない場所であるため中は静まり返っている。
 鹿谷がいるらしい一階の奥にある資料室へ着くと、春樹は扉に手をかけて開けようとした。
「あっ……駄目だよぉ……」
 突然中から女の子の声が聞こえたため体が止まる。
 それは何やら甘ったるい雰囲気を含んだ声だった。
「いいじゃないか、いつもしてるんだろ? 俺にもヤらせてくれよ」
 どうやら男もいるらしい。
(まさか……エッチなことしてるのか……?)
 声の雰囲気からそんな感じが伝わってきた。
「でもさぁ、やっぱりマズイんじゃない?」
「何が?」
「だってぇ……鹿谷くん、春樹の友達じゃない」
(え……?)
 どうやら男は鹿谷であり、女の子の方も春樹の知っている人物の様だ。
 そして「春樹」と呼び捨てているところから、それが誰であるのかが分かった。
「でも夏希ちゃん。俺、もう我慢できないんだよ……お願い、させてよ……」
「う〜〜ん、どうしようかなぁ……」
 一度認識すると声が聞き覚えのあるものだとハッキリ分かる。
 女の子は春樹の双子の妹である夏希だった。
「ね、いいでしょ?……ね、ね?」
「ああんっ……もうっ、強引なんだからぁ……」
 夏希の甘い声が聞こえる。
(な、夏希のやつ……こんな声出すんだ……)
 普段聞いたことのない妹の声に春樹は驚くと共に、そのいやらしい雰囲気に股間の一物が硬くなっていくのを感じた。
「あっ、そこは、あんっ……鹿谷く、ああっ……駄目だよぉ、そんな風にしちゃ、あんっ……制服脱がさないで、やぁんっ……」
「だ、だって……制服脱がさなきゃ……夏希ちゃんのオッパイが見れないじゃないか……」
 鹿谷の震えた声が聞こえてくる。
「す、凄い……ブラジャー……夏希ちゃん、可愛いブラジャーだね……」
「うふんっ、ありがと……ああんっ、そんな、はぅっ……揉んじゃ駄目ぇ……」
「お、オッパイ……夏希ちゃんの……オッパイ……」
 服の擦れる音と、鹿谷の荒い鼻息が部屋に響く。
(な、何してるんだっ?)
 妹と友人の信じられない行動に、春樹は扉を少しだけ開けると中を覗き込んだ。
(!……)
 そこにはとんでもない光景があった。
 机の上に座った夏希は制服のボタンを外され、横に立つ鹿谷のごつい手によってブラジャーに包まれた柔らかそうな塊を揉まれている。
 うっとりとした表情を浮かべた夏希はされるがままにその行為を受け入れていた。
「鹿谷くぅんっ……あんっ……夏希ぃ、いいよぉ……」
「な、夏希ちゃんっ……俺っ、俺ぇっ……」
 夏希の甘い声に、鹿谷の手の動きが早まる。
(ぐっ……鹿谷のヤツっ……)
 春樹の胸に、嫉妬とも怒りとも分からない興奮が湧き起こった。
 頭に血が上り、何も考えられなくなる。
 次の瞬間体が勢い良く動き、扉をガラガラと開いた。
「てめぇっ、鹿谷っ。俺の夏希に何してやがるっ!」
 突然の春樹の登場に、二人は目を丸くしている。
「こ、これはその……」
 鹿谷はオロオロとどうしたらいいのか分からない様に手を震わせ、春樹と夏希の顔を行ったり来たりといった感じで順に見つめた。
「夏希から離れろっ!」
 物凄い勢いで近づく春樹に恐れをなしたのか、鹿谷は慌てて体を離すと一目散に部屋の外へと出て行った。
「鹿谷っ、こらっ、待てっ!」
 捕まえようと続いて部屋を出る。
「春樹、やめてよっ!」
 全力疾走で逃げる鹿谷を追おうとして、突然かけられた大声に体が止まった。
「夏希……何で止めるんだよ……」
「何でって……春樹こそどうしてこんなことしたの?」
 夏希が何やら怒っている様に見えたため、春樹は自分の中の興奮が急激に治まるのを感じた。
「どうしてって……あいつが夏希に……あんな、あんな事して……それで黙っていられるわけないだろっ?」
 ブラジャー越しとは言え、胸を揉まれていたのだ。
 兄妹として放っておけないのは当然だろう。
「別にいいじゃない……私がしたくてしてたんだし……」
「したくてって……」
 その言葉に目を白黒させる。
「私がしたくて鹿谷くんとしてたのよ……それなのに何で邪魔するの……」
「だってお前、嫌がってたじゃないか」
 そう、あの時確かに夏希は「駄目」と言っていたはずだ。
「あんなの演技に決まってるじゃない。ああした方が男の子は喜ぶんだから……春樹だって覗いてたんなら分かるでしょ? ああいうのが興奮するって……」
(うっ……)
 確かにそれはそうだった。
 あの時春樹は、夏希の嫌がりながらも感じている様子に激しく興奮していたのである。
「まったく……いいところだったのに、とんだ邪魔が入っちゃったな……あ〜〜あ、これからどうしよ……」
 夏希は乱れた制服を直そうともせず、ブラジャーをさらしたままつまらなそうに呟いている。
「お前、何であんなこと……鹿谷と付き合ってるのか?」
 そのいやらしい姿から視線をそらしながら春樹は尋ねた。
 もし二人が恋人同士であるのなら、確かにとんだ邪魔をした事になるからだ。
「ううん、別に付き合ってないよぉ……」
「って、お前……じゃあ、何であんな事してたんだよ……?」
「え〜〜? したかったからに決まってるじゃない。別にセックスする相手が恋人の必要はないでしょぉ?」
(!……)
 その言葉に驚愕する。
 春樹の中では胸を触るまでであったのに、夏希はセックスまでしようとしていたらしいからだ。
「お、お前……な、何で……?」
「春樹さっきから『何で?』ばっかり……そんなにおかしいかなぁ?」
「当たり前だろっ。恋人でもないヤツとセックスなんかするなっ」
「別にいいじゃぁん、気持ちいいんだしぃ……」
「って、お前……もうしてるのか……?」
「え? セックスぅ? うん、してるよぉ……」
 あっけらかんと答える夏希に動揺する。
(してる?……夏希が?……セックスをしてるっていうのか……?)
 幼い頃から一緒に育ち、何でも共に経験してきた双子の妹がすでにセックスを経験している。
 未だに童貞である春樹は、何だか夏希に置いていかれた様な気がして寂しくなった。
「あれぇ? もしかして春樹ってまだしてないのぉ? 童貞?」
 夏希がニタニタしながら尋ねてくる。
「う、うるさいなっ。別にいいだろっ」
「なるほどねぇ……だからかぁ……」
 妙に納得した様な声が気にかかった。
「何が『なるほど』なんだよ?」
「私が先に経験しちゃったのが寂しいんでしょ? へへ、図星?」
「!……」
 まさにその通りなので何も反論ができない。
「それにぃ……春樹って、私のこと愛してくれてたんだねぇ、嬉しいなぁ……」
「な、何のことだよ……」
「さっき入ってきた時だよぉ……『俺の夏希に手を出すなっ』なんて言っちゃってさ、キャハっ」
 春樹の言い方を真似ながら夏希は嬉しそうに笑っている。
 あの時は頭に血が上っていて何をしていたのか分からなかったのだ。
 まさかその様なことを口走るとは自分でも驚きだった。
「まるで恋人を奪い返しに来たみたいでさ……ちょっと感動しちゃったよ……」
「べ、別に……俺たちゃ双子だからな……妹を大切に思うのは当然だろ……?」
 恥ずかしさでしどろもどろになりながら言い訳をする。
「そんなテレなくてもいいのにぃ……私は嬉しかったって言ってるんだからさ」
 思い出してみれば何とも恥ずかしい台詞を言ったものだ。
 自分はもしかして夏希に対して物凄い独占欲があったりするのだろうか。
「そいじゃそんな春樹の愛情に応えて、私も春樹を愛しちゃうよぉ……これから私とぉ、いいことしよ、ね?」
 夏希はそう言いながら机から降りると近づいてくる。
「い、いいことって何だよ……?」
 服を乱した夏希が接触せんばかりまで寄って来たのに緊張しながら、ブラジャーに包まれた胸が見えた事に動揺して慌てて目を逸らす。
「ふふんっ、もちろんアレよアレ……男と女でする気持ちのいいこと……セ・ッ・ク・ス……」
「なっ……!」
 あまりに予想外な言葉が発せられたため、再び視線を夏希に向けて顔を凝視する。
 下から覗き込む様にして見上げてくる夏希の瞳は潤んでおり、今まで見たことのないその雰囲気は大人っぽさを感じさせた。
 目を下に向けると、思っていたよりも大きい胸の谷間がハッキリと見え、そのいやらしいさまにゴクリと唾を飲み込む。
「ば、馬鹿っ。兄妹でそんな事できるわけないだろっ」
「え〜〜、別にできるよぉ。したら死ぬわけでもないんだしぃ。気持ちいいだけじゃん」
 夏希が体を動かすたびに豊かな乳房がプルプルと揺れ、どうしてもそこから目を離せなくなってしまう。
「だ、だけど……」
「春樹のここはぁ、さっきからしたがってるじゃなぁい……」
 反論しようとした瞬間、ギュッと一物を掴まれ動けなくなる。
「ほら春樹ぃ……気持ちいいでしょぉ?……私とするともっと気持ちいいんだよぉ……」
「うぅっ……」
 ズボンの上から肉棒を擦る様にしごかれ、思わず悶えてしまう。
「胸だって……触っていいんだよ?……ほら、柔らかいでしょぉ……?」
 手を取られ、柔らかな膨らみへ重ねられる。
 上から手が押され、その瞬間、手のひらにたまらない気持ちの良さが広がった。
(や、柔らかい……)
 その初めて経験する感触に思わず手に力が入りギュッと掴んでしまう。
「あんっ……ふふ、ね、いいでしょ?」
 夏希の甘い声が耳に響き、それを聴いた瞬間、春樹の中に荒々しい衝動が湧き起こった。
 頭が真っ白になり、今自分が触れている肉を揉みしだきたくてたまらなくなり、荒々しく手を動かしていく。
「あ、あんっ……そう、あっ……そうだよぉ、あんっ……もっとぉ……」
 揉めば揉むほど夏希が喘ぎ、その様子は普段と違っていてあまりに新鮮だった。
(夏希が……夏希がこんな可愛く……)
 己の手の動きで夏希が可愛らしく悶えるのは最高であり、もっと乱れさせたくなった春樹は手の動きを激しくしていった。
「あんっ……春樹ったら……いいよ、あぅっ……春樹に触ってもらうと、ああんっ……気持ちいい、あっ……他の人よりいいのぉ……」
 その言葉は春樹の自尊心をいたく刺激した。
 経験の多いらしい夏希が初心者の自分の愛撫で悶え、しかも他の人間がするのよりも良いと言っているのだから当然だろう。
 そうなるともう止まらなかった。
 それまで微かに存在していた「夏希にこんな事していいのか?」という躊躇は消えてなくなり、もっとこの肉体を味わいたいという欲求が頭を支配し、体を突き動かしていく。
「あんっ、急に、あっ……何か激しく、ああんっ……いいよもっと、やぁっ……もっとして、ああんっ……直接ぅ、やんっ……直接触ってぇ……」
 その要求に答えるべく、ブラジャーを上げ、豊かな膨らみをあらわにする。
(き、綺麗だ……)
 目の前に映る白い塊は、今まで見た何よりも感動を与えてきた。
 かなりの大きさでありながら形良くツンっと上を向いており、その頂点にある桜色をした乳首は、まるで吸って欲しいと言わんばかりにフルフルと震えている。
 昔一緒に風呂に入っていた頃には無かったその膨らみに、夏希の成長を感じて興奮が高まる。
 春樹は我慢できない様に顔を近づけると、その美しい膨らみに吸い付いていった。
「あんっ、ああっ、やんっ……春樹ぃ、あっ……春樹いいよぉっ……」
 乳首をチュパチュパと何度も吸い上げ、舌先で激しく弾く。
 両手はギュッと乳房を掴み、回す様に揉み上げていく。
「はぅっ、あっ、はぁんっ……凄い、やんっ……いいよ、あぅっ……春樹にされると、やぁんっ……凄くいいっ……」
 夏希の甘い声が部屋に響き、その悶える姿を見ていると元気が湧いてくる。
(ああ……オッパイって何て柔らかいんだ……それに乳首……ああ……止められない……吸いたくてたまらないよ……)
 体の奥底から湧き起こってくる欲求が乳首を吸うことを止めさせない。
 肉棒はすでに痛いほど硬くなり、早く精を放出させろと訴えている。
 その興奮に我慢できず、春樹は肉棒を夏希の体に押し付け、擦る様にしてゆっくりと腰を動かしていった。
「あっ、あんっ……春樹出したいのぉ?……あっ……オチンチンが辛いんだね?……やんっ……じゃあ、私が出してあげるぅ……」
 夏希は体を離すと、ズボンのベルトを外し始めた。
「夏希……」
「春樹はそのまま立ってて……気持ち良くしてあげるから……」
 そう言いながらズボンごとパンツを下ろすと、元気良く立ち上がった肉棒をトロンとした目で見つめてきた。
「ふふ、結構大きいね……」
 いやらしく微笑んだかと思うと、次の瞬間パクリと肉棒を口に含む。
「ぐっ!」
 凄まじい快感が股間から湧き上がり、体を硬直させる。
 温かでヌメヌメとした感触が肉棒を包み込んでたまらない。
「うぁっ……くっ……かぁっ……」
 亀頭をザラッとした物体が舐め上げ、絡み付いてくるのに体が仰け反る。
(夏希が……夏希が俺の……俺のチンポを……)
 視線を下に向けると、いつもは見える肉棒が夏希の口の中に入り込んでいるのが目に映った。
 可愛らしい小さな口が肉棒を咥えている図は何とも卑猥であり、激しい興奮を誘った。
「んぐ……ん……んんぐ……」
 夏希の頭が動くたびに快感が体中を駆け抜ける。
 これまでもオナニーで肉棒の気持ち良さを知っていたが、今体験している快感はそれとは比べ物にならない凄さがあった。
 湿っていて温かくチュウッと吸い付いてくる感じは、体が蕩けそうになるほど力の抜ける快楽だったのだ。
「んんぐ……んっ……んふぅっ……」
 鼻から荒い息を吐き出しながら、「どう?」という具合に見上げてくる夏希と目が合う。
 上目遣いでこちらを見ている瞳は潤みを帯び、白い頬が上気して赤くなっているのがいやらしさを感じさせてたまらなかった。
(うぅ……夏希……夏希ぃっ……)
 その様子に我慢ができなくなった春樹は、夏希の頭を掴むと勢い良く腰を動かし出した。
「んんっ! んっ……」
 夏希が苦しそうな声を上げるが、それに構わずとにかく腰を振りまくると、亀頭が温かて湿った粘膜に擦られてそれまで以上の快感が押し寄せてきた。
 それは最高に気持ちが良く、春樹はすでに限界ギリギリまで高まっていた射精感を押し留めることができなくなった。
「うぅっ……うわぁっ!」
 前触れも何も無く、一気に精が放たれる。
 その一瞬頭が真っ白になり、たまらない快楽に顔がだらしなく緩む。
「う……はぁ……うぅ……」
 ビクンビクンと肉棒が震えるたびに精液が放出され、春樹は夏希の頭を抱えたまま放心状態で腰だけを動かし続けた。
 最後の射精を終えると、大きく息を吐き出して力を抜く。
(ああ〜〜……すげぇ……すげぇ気持ち良かった……)
 オナニーの時とは違う放出後の快感に何度も溜め息を付く。
 自分の手で出すだけなのと、女の口に咥えてもらって出すのとがここまで違うとは思わなかった。
(あんな気持ちいいのって……最高だよ……)
 そう思いながら己に快楽を与えてくれた相手を見つめる。
 夏希は口の中に残っている精液を飲み干し、口の回りを手で拭きながらニコッと微笑んできた。
「春樹って結構濃いの出すね……もしかして溜まってた? オナニーしてないの?」
「い、いや……たまにしかしないから……」
 卑猥な質問にドギマギしながら答える。
「ふ〜〜ん、私の知ってる男の子はみんな毎日してるらしいけどね。ま、人それぞれだし、そういう人もいるって事か」
 納得しながら立ち上がり、こちらをジッと見つめてくる。
「ふふ、良かったでしょ? でもこれはまだまだ序の口だよ。私のここに入れると……もっと気持ちいいんだからぁ……」
 スカートの上から股間を押さえ、夏希はいやらしく笑った。
 それは今まで見たことのない大人びた様子を思わせ、ゾクリとする様な興奮を呼び起こした。
(俺……)
 ふと頭の片隅に「このまま先に進んでいいのか?」という問いかけが起きる。
 自分と夏希は兄妹であり、本来先ほどした様な行為はしてはならない事だ。
 胸を揉み、乳首を吸い、肉棒を咥えさせて口の中に精を放つなど、冷静に考えればとんでもない事だろう。
 とはいえ、それはまだ何とか自分を誤魔化せる状況であるとも言えた。
 何しろセックスをした訳ではないのだ。
 体を舐め合っただけだと思えば、幼い頃の悪ふざけの様に後で笑って話せる程度の問題で済むかも知れない。
 だがセックスをしてしまったら、さすがにそう思うのは無理だろう。
(本気……だよな……?)
 目の前の夏希は手をスカートの中に入れ、パンティを脱いでいる。
 先ほどの発言から、さらに先に進もうとしているのは明白だった。
 実際にフェラチオまでしているのだから冗談でしているはずはないのだ。
(俺は……)
 自分はどうするべきか。
 このまま夏希とセックスするべきか、それとも部屋を出て行くべきか。
 無論、春樹の倫理観は部屋を出て行くように告げていた。
 実の兄妹なのだから当然だろう。
 しかし先ほど味わった快楽が体を縛って動けなくしており、心もさらなる気持ちの良さを求めて激しく揺らいでいた。
(したい……したいよ……したらマズイってのは分かるけど……でもしたいじゃんか……)
 モテない男としては、この機会を逃したらいつまた同じ事ができるのか分かったものではなかった。
 ならば妹であろうがしてしまうべきだろう。
(だけど……セックスだぞ……?)
 事はあまりも大きかった。
 一度してしまったが最後、一生記憶に残るに違いない行為なのだ。
 しかしこれからセックスできないかも知れない事を考えれば、今しておくべきではないかとも思えた。
 倫理観と性欲が激しく争い、春樹は苦悩した。
「さ、しよぉ……」
 だが次の瞬間、夏希のトロンとした声が耳に響いて体が硬直した。
 その声は先ほど触れた肉の感触、そして射精の記憶と繋がり、再びそれを味わいたいとする雄の本能が体を縛ったのだ。
「春樹ぃ……」
 夏希の手が首に回ってゆっくり引き寄せられると、服越しに温かで柔らかな肉の感触が伝わり、何も考えられなくなってしまう。
 肉棒が激しく勃起し、つい先ほどまであった倫理観が音も無く消え去っていく。
「うふっ……気持ち良くなろぉ……」
 笑いかけてくる夏希の体が背後の机の上に倒れ、春樹はそれにのしかかる状態になった。
「んん……んっ……」
 唇が塞がれ、夏希の舌によって口内が愛撫されると共に、股間の一物が柔らかな手に包まれて何か温かで湿った箇所に当てられるのを感じた。
「んっ……ここぉ……オチンチンを入れるのはぁ、ここだからねぇ……後は押し込むだけだよぉ……」
 トロンとした表情でいやらしく夏希が誘ってくる。
 もう我慢できなかった。
 相手が妹でも構わなかった。
 自分は夏希とセックスする。
 セックスするのだっ。
「夏希ぃっ!」
 脳内が肉欲で一色になり、叫ぶと同時に夏希の体を抱き締める。
 続けてグイと腰を前に押し出すと、ズブリといった感触と共に亀頭が何かに収まるのが感じられた。
「あんっ……」
 耳元で夏希の甘い声が響くが、それがあまり聞こえないほど春樹の意識は股間から押し寄せてくる快感に集中していた。
(す、凄い……く……こんな……こんな気持ちいいの……初めてだぁ……)
 先ほどしてもらったフェラチオも良かったが、今感じている気持ちの良さには敵わないだろう。
 温かく湿った状態なのは同じなのだが、周囲からギュッと締め付けられている様でいて、優しく包まれている様にも感じられる圧迫感が最高だったのだ。
「ぐ……く……」
 思わず押し込む様に腰を動かすと、さらなる快感が湧き起こって体を硬直させる。
 肉棒の周囲にあるヒダヒダが擦りついて泣きたくなるほどの快感を伝えてくるのだ。
(ああ……こんな……こんな気持ちいいなんて……)
 もう止まらなかった。
 押し寄せる快楽に春樹の体は意識せずとも勝手に動き、前後運動を開始していく。
「あっ、あっ、ああっ……そうっ、そうっ、そうぉっ……いいよ春樹、あっ……いいの、ああっ……春樹いいよぉっ……」
 ギュッと背中に手を回して夏希が抱きついてくる。
 その顔は今まで見たことのない蕩ける表情を浮かべており、春樹の中に強烈な嗜虐心を呼び起こした。
 股間から湧き起こってくる快感も良かったが、こうして夏希が甘く乱れている姿を見るのが最高だったのだ。
(夏希……可愛い……)
 自分の肉棒と腰の動きで夏希が可愛らしく喘いでいる。
 それは男としてたまらなく嬉しいことだった。
 自然、もっと喜ばせようと腰の動きが早くなっていく。
「ああんっ、あっ、あはぁっ……春樹もっと、あんっ……春樹もっとだよぉ、ああっ……春樹もっとしてぇ、あっ、ああんっ……」
 夏希のその喘ぎ声は春樹の心に強い快感を呼んだ。
 何しろいつもの夏希は春樹の言うことなぞ聞かず、好き勝手に行動しているため、こうして頼まれる事などありえない状態だったからだ。
 その夏希が「もっとして」と甘い声を上げて可愛らしくおねだりしているのだから、興奮しない方がどうかしているだろう。
「夏希、くっ……夏希、うぅっ……夏希ぃっ……」
 名前を叫びながら無茶苦茶に腰を振りまくる。
 初心者であるためそうするしか他に方法を知らなかったし、そもそも体が勝手に動いたのだ。
「あんっ、あんっ、ああんっ……やっ、やっ、やぁんっ……」
 それに合わせて夏希が甘い声を上げ、白い肉体が前後に動き、胸の膨らみが揺れるのがたまらなくいやらしく、ますます腰の動きが激しくなっていく。
「ああんっ、春樹、あぅっ……春樹最高、あんっ……春樹凄いよぉっ……」
 脚が腰に絡み付き、体全体でギュウッと抱き締められる。
 すると膣内の締め付けも強くなり、射精感が一気に高まっていった。
「くっ……夏希、俺っ……うぅっ……もう、もう駄目だぁっ……」
「いいよ、あんっ……いいよ出して、ああっ……中に思いっきり、あんっ……思いっきり出してぇっ……」
 その言葉に興奮が最高潮に達し、春樹は最後とばかりに腰を振りまくった。
「あぅっ、あっ、ああんっ……いいっ、いいっ、いいよぉっ……春樹っ、春樹っ、春樹ぃっ……やっ、やっ、やぁあああああああああんっ!」
「くっ、ぐぅっ!」
 夏希の絶叫に合わせて精を放つ。
 ドピュドピュドクドクドクドク……。
 意識が真っ白になり、全身を硬直させながら初めて女体の中に射精する快感に浸る。
 春樹はビクンビクンと肉棒が震えるたびに、精液が夏希の膣の中へと注がれていくのを感じながら何度も何度も腰を振っていった。
「く……は……はぁ……」
 最後の射精を終えると同時に柔らかな肉体の上に倒れ込み、ハァハァと荒い呼吸を繰り返しながら、今自分が行なった信じられない行為を頭の中で反芻する。
(ああ……俺……セックスしたんだ……女の体を抱いた……すげぇ気持ち良かったぁ……)
 未だ触れている女肉の感触は、たまらない快感を伝えてきていた。
 それが双子の妹のものだとしても女である事には変わりなく、自分が童貞で無くなった事に春樹は感慨を持った。
「ふふ……良かったでしょ? どう? 童貞を捨てた感想は?」
 その想いを見透かした様に夏希が尋ねてくる。
「すげぇ良かった……こんな……こんな気持ちいいとは思わなかった……」
「でしょ? これで私がセックスしたがるの分かった?」
「ああ……」
 確かにこれほどの快楽を知ってしまったら、もはやオナニーでは満足できないだろう。
 先ほどまでの、倫理観を気にして夏希とセックスすることをためらっていた自分が馬鹿らしくなってくる。
 これほどの気持ちの良さを、妹だからという理由だけでしないでいるなど何と勿体無いことだろうか。
「分かったのならもう邪魔しないでよね。今日みたいな事があるとみんな嫌がっちゃうから」
 夏希は春樹の体をどかす様にして起き上がると、少し顔をしかめながら言ってきた。
「邪魔って……?」
「怒鳴り込んで来ることよ。さっきは確かに嬉しかったけどさ。毎回やられちゃったら誰も相手してくれなくなっちゃうでしょ?」
 それはそうだろう。
 了解済みで抱いているにも関わらず、盛り上がったところで男が乱入してきたらたまったものではない。
(って、そうじゃないだろっ)
 確かにセックスの気持ち良さは分かったが、だからと言って誰とでもして良いものとは思えなかった。
 そういう意味で夏希の行動はおかしいだろう。
「お前、こういう事、もう何回もしてるのか?」
「うん、してるよ」
 あっさりと答える夏希に少し脱力する。
「何人くらいの相手としたんだ?」
「うわ、人のセックス経験聞くの? 何かやらしい」
 非難の言葉とは裏腹に、夏希は可笑しそうな表情を浮かべている。
 本気で言っている訳ではないのだろう。
 だが確かにプライベートな事であり、双子の兄だからと言って聞いて良い事ではない様に思えた。
「す、すまん。ちょっと気になったから……」
「抱いたから独占欲が出ちゃったの? って、そういや春樹は抱く前からそうだもんね。『俺の夏希に手を出すなっ』とか言っちゃってたし。もしかして私のことずっとそんな風に思ってたりした? だからあっさり抱いたとか? うわぁ、近親相姦願望者が兄貴だなんて私は悲しいよぉ」
「な、何言ってるんだっ! き、近親相姦って……」
 独占欲はともかく、夏希を抱きたいと思ったことなど一度も無かったし、近親相姦願望者というのは、誘った夏希にこそ相応しい言葉だろう。
「ってそうか、私たち近親相姦しちゃったんだよねぇ。わぁ、ちょっとマズイかなぁ」
 少しもマズイという感じでなく夏希は呟いている。
「そもそも何で俺とあんなこと……したんだ? いくらセックスしたいからって普通は兄妹としたいとは思わないだろ?」
「う〜〜ん、まあそうなんだけどねぇ。鹿谷くんとの事で盛り上がっちゃってたし、あの後一人でオナニーして発散するのも面倒だったから、つい、ね」
「つい、って……」
「まあ、それだけじゃなく、ちょっと興味もあったんだよ近親相姦に。春樹とは昔から何でも一緒にしてたけど、そういやエッチしてなかったなぁ、って思ってさ」
「そ、そんな理由で……兄妹でする気になるのかよ……?」
「でも男と女なのは変わりない訳だしさぁ。それに兄妹だと気を使わない分、楽じゃない?」
「そういう事じゃないだろ。お前には抵抗とかないのかよ、兄妹でセックスするのに」
「う〜〜ん、まあ無い事はないけど、逆に興奮するんだよね。こうゾクゾクってさ。さっきも『春樹としちゃってる』って思って凄く気持ち良くなったし。それって他の男の子としてる時には無い感じなんだよねぇ。春樹に体触られてると凄く良くてさぁ。何かクセになりそうだよ。春樹はそうじゃない?」
 危険な言葉を言いながら夏樹は笑っている。
「お、俺は……よく分からない……」
 確かに気持ちは良かったが、それが近親相姦ゆえなのか、ただ女を抱いた快感なのかは夏希しか相手にした事のない春樹に分かるはずもなかった。
「あ、そうか、春樹は初めてだもんね。って、それってまだ私しか女を知らないって事かぁ。ちょっと嬉しいかもっ」
 そう言いながら抱きついてくる。
「お、おい。止めろよ」
 慌てて体を放す。
 さすがに興奮が冷めたせいか倫理観が強くなったらしく、夏希に抱きつかれる事に抵抗を感じたのだ。
「なによぉ、別にいいじゃない。エッチした仲なんだしさぁ」
「そういう問題じゃないだろ。俺とお前は兄妹なんだし、ああいう事はしちゃマズイんだから」
「だけど私は気にしてないもぉん。っていうか、春樹ともっとしたくなっちゃった」
「な、何で?」
「さっきも言ったじゃない。他の人とする時と違うって。だからそれをもっとしたいの」
 にこやかに笑いながら抱きついてくる。
 春樹はすぐに体を放そうとしたが、押し付けられた胸の感触に体が硬直してしまった。
 肉棒もビクンっと反応し、また夏希を抱き締めたい衝動が押し寄せてくる。
「ふふん、こうすると男は動けなくなっちゃうんだよねぇ。したいんでしょ? だったらしちゃおうよ。私は別に構わないんだから」
 首をかしげて潤んだ瞳で見つめられると力が抜けていく。
(な、なんてエッチなんだ……夏希がこんな……エッチな女だったなんて……)
 これまで見た事のない、いや先ほど初めて見た女の顔をして夏希が迫ってくる。
 嫌ならすぐにでも突き放して部屋を出ればいいだけなのだが、どうしても体が動かず、目も夏希の顔から放す事ができない。
「春樹ぃ、大好きだよぉ……」
 後頭部に手が回され、引き寄せられるのと同時に唇が奪われる。
 口内に入り込んだ柔らかな舌が春樹のものに絡みついて吸い上げていく。
「んんっ……んっ……んふぅっ……いいでしょ? 私とのキス……兄妹なのにしちゃってるんだよ。ふふ、すっごく興奮しない?」
 しばらくして唇を放した夏希は、うっとりとした表情を浮かべながら上目遣いに見つめてきた。
 その様子に心臓が激しく鼓動する。
 ギュッと抱き締められると体全体に柔らかな肉の感触が伝わり、頭が夏希のことで一杯になって他の事が考えられなくなる。
 そうなるともう止まらなかった。
「夏希ぃっ!」
 叫ぶと同時にこちらからも強く抱き締め返し、背中に手を回して体を擦り付ける様にして動かしつつ唇に吸い付いていく。
「んっ……んんっ……んんぅっ……」
 夏希が嬉しそうに舌を絡ませてくるのに興奮を高めながら、スカートの上から肉付きのいい尻を撫で回す。
 そのまま手を下に移動させて太ももに這わせつつ、もう片方の手で乳房をギュッと掴む。
「んんっ、んっ……んはぁ……あんっ、春樹ぃ、あっ……いいよぉっ……」
 潤んだ瞳で見つめてくるのに答える様にして首筋に吸い付き、舌を這わせつつ、数箇所を吸い上げていく。
「あっ……あんっ、やっ……はぅっ、春樹、ああんっ……やぁっ……」
 顎を舐め回しながら目の前に迫る乳房を回す様に揉みしだいて乳首をクリクリと摘む。
「ああんっ……凄い、あっ……オッパイ触られてるだけ、あんっ……なのにぃ、やぁぅ……こんな、あっ……こんな感じちゃ、やっ……凄いよぉ……」
 ピクピクと体を震わせながら夏希がしがみ付いてくる。
「そんなに……いいのか?」
「あくっ、あっ……いいよ、あんっ……凄くいい、はぅっ……他の人と違うの、ああんっ……春樹が触ると、あっ……春樹が触ると違うの、あんっ……何か凄いんだよぉっ……」
 夏希は肩に置いた手をギュウッと握り締め、潤んだ瞳で見つめてくる。
 どうやら本当にかなり感じているらしい。
 その理由は相手が自分だからだという。
(近親相姦だから……興奮してるのか?)
 先ほどの夏希の言葉を思い出し、春樹も自分が今抱いているのが妹である事を強く意識する。
 すると何やらゾクゾクとした快感の様なものが腰の辺りから込み上げてくるのを感じた。
「ふふ、私たち、あっ……兄妹なのに、あんっ……こんなエッチな事しちゃって、ああっ……いけないよね、あんっ……春樹の手が私の胸を、あぅっ……揉んでるし、あんっ……んんっ、んふぅっ、んっ……こうして何度も、やんっ……キスもしちゃってるし、ああっ……」
 唇を合わせながら夏希がいやらしく呟いている。
 その言葉を聞いた瞬間、春樹の心臓は激しく鼓動した。
(そうだよ……こんな、こんな風に俺は……夏希の、妹の体に触ってる……)
 今自分が触れている女体は実の妹だった。
 本来ならばしてはならない相手といやらしい行為をしているのだ。
 それは何とも重々しい肉欲を湧き起こさせ、興奮が激しく高まっていくのを感じさせた。
「夏希、夏希ぃ……」
 名前を呼びながら桜色をした乳首に吸い付いていく。
 プクンと立ち上がっている突起を舌で擦り上げ、絡ませる様にしてからチュプチュブと唇で突付く様にして吸い上げる。
「あんっ、あっ……春樹いい、あんっ……春樹いいよぉっ……あっ、あっ、ああんっ……」
 立っていられないのか夏希が床に崩れ落ちた。
 机に寄りかかり、ハァハァと荒い呼吸を繰り返すのを見つめる。
 はだけた制服の胸元では、今まで散々いじった乳房が呼吸に合わせて上下に揺れ、チェックのミニスカートからは白い太ももが顕わになっているのが見えた。
 それはたまらなくいやらしい光景であり、春樹は鼻息を荒くしながらジッと見下ろした。
 スカートに隠されている部分には、先ほど自分を凄まじい快楽の世界に引き込んだ女の花園がある。
 そこに再び肉棒を押し込みたい。
 荒々しく腰を動かし、甘く可愛らしい声をあげさせたい。
 春樹の心と体は、夏希とセックスする事で一杯だった。
「春樹ぃ……」
 トロンとした表情で夏希がこちらを見つめて呼びかけてくる。
(!……)
 まるでそれが合図であったかの様に、その瞬間春樹の体は震え、勢い良く夏希に飛び掛った。
「あんっ……やぁ……春樹興奮してるぅ、あっ……もう、落ち付いて、ああんっ……いやん、獣なんだからぁ……」
 夏希の体を抱き締め、首筋に唇を這わせながらそのまま四つんばいにさせる。
 指摘された通り、獣の様に交わろうと思ったのだ。
 自分達は兄妹であるにも関わらず性器を繋げ合うのだから、獣のスタイルでするのがピッタリだろう。
 スカートを捲くり上げ、すでにヌレヌレになっている秘所をさらけ出す。
(そういや、ここって初めて見たな……)
 先ほどは夏希に誘われるまま繋がったため見る事ができなかったのだが、初めて見るそこは肉の襞が愛液で光を放ち、何ともいやらしい様子をかもし出していて興奮を誘った。
(ここが……あんなに気持ち良くしてくれるんだ……)
 見ているだけでも肉棒が快感で震える様だ。
 まさに男であれば入れずにはいられない場所と言うべきだろう。
 春樹は落ち着かない衝動に支配され、慌てて肉棒を持つと一気に押し込んでいった。
 ズブリ、ズブズブズブ……。
「あっ……ああっ、あっ……あんっ……」
「くっ……くぅっ、くっ……くぁっ……」
 二人の声がまるで歌声の様にハモる。
 これ以上進めない、といったところまで腰を押し込むと、春樹は大きく息を吐き出した。
(くぅ〜〜、やっぱりいい。すげぇ、最高だよ)
 股間から押し寄せてくる快感は凄まじかった。
 温かで湿った襞が肉棒をキュッと締め付け、絡み付く様にして吸引してくるのがたまらず、思わず体を震わせてしまう。
「あっ……あんっ……」
 すると夏希が甘い吐息を漏らし、それと同時に膣内が微妙に蠢いて肉棒に新たな刺激を与えてきた。
「ぐぉっ……うぉっ……」
 それに我慢できず、腰を前後に動かし出す。
「あんっ、あんっ、ああんっ……やっ、やっ、やぁんっ……」
 夏希が可愛らしい声を上げながら頭を仰け反らせた。
 突き込みに合わせて体が揺れ、髪の毛が舞うのが興奮を誘う。
 上半身を傾けて髪の毛の匂いを嗅ぐと、甘い香りがして肉棒がビクンと震えた。
「あぅっ、あっ、あはぁっ……春樹もっと、あっ……春樹もっとだよぉ、ああっ……春樹もっとお願ぁいっ……はぅっ、はっ、はぁんっ……」
 振り返っておねだりしてくる姿に嬉しさを感じながら腰の動きを早める。
 やはりこうして夏希が可愛らしく甘えてくるのがたまらなかった。
 普段の雰囲気と違うのが、自分の行為で夏希の中の女の面をさらけ出させている様に思えて興奮を誘うのだろう。
「あぐっ、あっ、ああんっ……いいっ、春樹のいいっ、春樹の最高だよぉっ……あっ、あぅっ、あはぁっ……」
 頭を左右に激しく振って夏希が悶える。
 最高と言われて嬉しくないはずはなく、春樹はさらに気持ち良くしてやろうと腰の動きを強めていった。
「やっ、やっ、やぁんっ……そんな、あぅっ……それ、あっ……それ凄いぃ、あんっ……それをもっと、やぅっ……それをもっとだよぉっ……」
 前に押し出すかの様に深く突き込むと、夏希が体をブルブルと震わせて腕を崩した。
 上半身を床に付けて尻を高く掲げるその姿勢は、自分に対して従属したかの様な印象をもたらして嗜虐心が高まっていく。
 尻をギュッと掴み、強烈な突き込みで膣内を擦り上げる。
「あぅんっ、あっ、ああんっ……こんな、あっ……こんなの初めて、ああんっ……凄い、あっ……凄いよ春樹ぃ、あぅっ……もう、ああんっ……」
 夏希は何かを求める様に腕を伸ばし、手のひらを開いたり閉じたりしている。
 膣がキュウっと肉棒を掴み、激しく吸引してきたため春樹の射精感も一気に高まっていった。
 最後とばかりに腰の動きをそれまで以上に早く強くしていく。
「あっぐっ、ああっ、あんっ、あっ……春樹、あぅっ……春樹駄目、ああっ……わたしもう、あんっ……イくの、イく、イっちゃうぅっ……やっ、やっ、やぁああああああああんっ!」
「夏希ぃっ!」
 二人の絶叫が重なり、肉棒の栓が開かれる。
 ドピュドピュドクドクドクドク……。
 激しい勢いで精液が膣へと注がれていく。
 蕩ける様な快感と共に、強烈な開放感に春樹は顔をだらしなく緩めながら何度も何度も精を放っていった。
「あぅ……あ……ああ……」
 微かに聞こえる夏希の声に喜びを覚えながら最後の射精を終えると、ゆっくり肉棒を引き抜き床に倒れ込む。
 大の字になってハァハァと荒い呼吸を繰り返しながら夏希を見つめると、腰を高くあげた姿勢のまま、顔をこちらに向けて笑っているのと目が合った。
「春樹ぃ……凄いよぉ……春樹とのエッチって、どうしてこんなに凄いのぉ……」
 うっとりとした表情を浮かべながら、夏希はまるで蛇の様にクネクネと体を動かしながら近寄ってきた。
「そんなにいいのか?」
「うん……春樹のオチンチンって最高だよぉ……わたしこんなに気持ち良くなったのって初めてぇ……」
 頭を抱えてくると上から唇に吸い付いてくる。
 舌が口内を刺激し、春樹のものに絡んで吸い上げる。
「んんっ、んっ……んふぅ……」
 しばらくそうした後、ゆっくりと顔が離れ、夏希は胸の上に頭を乗せてきた。
 トロンとした表情でこちらを見つめながら嬉しそうに微笑む。
「ふふ、ねえ春樹ぃ……これからもエッチしよう?」
「え?」
「わたし春樹とのエッチが気に入っちゃったぁ……」
「だ、だけどマズイだろ、さすがにもうするのは……俺たちゃ兄妹だしさ」
「でも二回もしちゃったじゃない……それに私はもう春樹に夢中なんだもぉん」
「ええ? な、何言ってるんだよ」
「だってこんなに気持ち良くされちゃったらぁ……もう他の男なんて目に入らないよぉ……春樹が一番、春樹が最高なのぉ……私、春樹を愛しちゃってるんだからぁ……」
「お、おい……俺たちゃ兄妹……」
「ふふん、だからこれは兄妹愛なのぉ……そんでセックスもしちゃうんだなぁ……別にいいでしょぉ、気持ちいいんだしぃ……ね?」
 可愛らしく首をかしげて尋ねてくるのに心臓が跳ね上がる。
 以前ならばそんな仕草など気にもしなかったが、今や女としても夏希を見ているため、可愛らしくてたまらなかった。
 この愛らしい存在を抱き締め、肉棒を押し込み、精を放つ行為の気持ちの良さを知ってしまった今となっては、断ることなどできるはずがなかった。
「あ、ああ……そうだな……これからもしよう……」
「やったぁ。だから春樹って大好きぃ……」
 戸惑いつつも了承すると、夏希は嬉しそうに抱きついてきた。
 目の前に顔が迫り、小さな唇が吸い付いてくる。
「んんっ、んっ……んふぁ……ね、取り合えずもう一回しよ? そんで家に帰ったらまたするの。わぁ、何か嬉しいなぁ。家だとジックリできるもんね」
「そ、そうだな……」
 自分が何やら取り返しのつかない道へ進んでしまった様に思いつつ、それでも体全体に伝わってくる女肉の気持ちの良さを感じるとそんな事はどうでも良くなっていった。
(そうだよ、妹だけど夏希は女なんだ……男が女を抱いて何が悪い……夏希はこんなに可愛いんだから抱いて当然じゃないか……)
 己の中の戸惑いを振り払うかの様に春樹はそんな事を思った。
 確かにこれは近親相姦、許されない行為なのかも知れない。
 しかし自分は夏希を抱きたくてたまらないのだ。
 この気持ちのいい肉体と、愛らしく甘えてくる妹を。
 肉棒を押し込んで喘がせ、自らの精液をその膣に注ぎ込みたいのだ。
 あの快感を、ほとばしる快楽を、止めることなど出来る訳がないのだ。
(ヤるっ……俺はヤるんだ!)
 春樹は己を奮い立たせると、夏希の体を抱き締めてゴロンと転がり上になった。
「夏希、入れるぞ?」
「うん、早くぅ」
 可愛らしくおねだりしてくる夏希に愛しさを感じながら、再び温かでヌメヌメとした膣の中へ肉棒を押し込んでいく。
「ああんっ……春樹の最高……」
 夏希の甘い声が部屋に響き、そのまま春樹は腰を動かし始めた。
「あっ、あっ、春樹ぃっ」
「くっ、ぐっ、夏希ぃっ」
 兄妹はお互いを求める様に呼び合いながら、湧き起こってくる快感に身も心も委ねつつ、その禁じられた肉体を貪り合っていくのだった。












あとがき

 双子モノ第二弾です。
 取り合えず前作は姉だったんで今度は妹にしようって事で。
 双子だから意味ないですけど(笑)
 今回も女の子は奔放な感じで、気楽に兄を誘惑しちゃってます。
 まあ、他の男ともしちゃってる訳ですからそこら辺が嫌な人もいるかも知れませんが、今回の趣旨はそうした淫乱(笑)な妹が気軽に誘惑してくるって部分なので仕方ないのですな。
 そのせいかちょっと近親相姦的な部分が出しにくかったので、取り合えず口に出させる事で印象付けてみました(笑)
 やはり「家族としちゃってる」というのを表現しないと近親相姦は盛り上がりませんからねぇ。
 それが無いとただのセックスになってしまいますから。
 双子はどうにもそこら辺が表現しにくいのでありますよ。
(2006.6.27)



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