筆下ろし


 何か胸の辺りに変な感じがする。
 優はぼんやりとした頭で思った。
(あれ? 気持ちいい……凄くいいなぁ……)
 胸の感触は、気持ちの良さだった。
 引っ張られる様な感じと、ヌルヌルした柔らかいモノが触れる感触。
 その両方がたまらない気持ちの良さをもたらしてくるのだ。
(あ、今度は股間が変だな……何かスースーするぞ……)
 細いモノが股間に触れてきた。
 しかしその触れられている場所がどこなのか優には分からなかった。
(えっと、チンポと尻の間かな? うん? でもこれって何だろ……だんだん気持ち良くなってきた……)
 今まで経験した事のない快感がジワ〜〜と押し寄せてくる。
 あえて似た感覚を思い浮かべると、オナニーをしている時の快感だった。
(だけど勃起してる感じはしないし……チンポにも何も触れてないしな……)
 そう、触れられているのは一物ではないのだ。
 もっと別の箇所。
 どこだか分からない場所だった。
(え? これって……何だ……?)
 気持ちのいい場所に何かが入り込んできた。
 クネクネ動いているところからして指の様である。
 股間の辺りで指が入り込む場所など肛門以外存在しないのに、何かが入り込んできている感触がある。
 肛門には何も感じない事から、そこはもっと別の場所なのだろう。
(でも何だろ……こんなチンポがありそうな所で、指が入り込むのって……)
 もしかして自分は夢を見ているのか。
 だからありえない場所に穴があり、指を入れられているのかも知れない。
 そう思うと気が楽になった。
(そうか、夢か……それなら分かるよ……しかし変な夢だよな……チンポの所に穴があって、指が入れられてるっての……でも、気持ちいいからいいか……)
 相変わらず快感は押し寄せてくる。
(あんっ……)
 突然現れた強烈な快感に、変な声を上げてしまう。
 しかもそれは耳の傍で響き、何だか妙な感じだった。
(何だろ今の……あっ、ああっ……ああんっ……)
 おかしく思う側から再び同じ現象が起きた。
 それが繰り返されていくうちに、何やら意識が覚醒していく。
 ぼんやりとした頭で目を開けると、板張りの天井が見えた。
「あんっ、あっ、はぅっ……はぁっ、ああっ、あんっ……」
 そして今度はハッキリと聞こえる声。
 やたらと近くで聞こえるが、自分の声ではない。
 高くて女の子の声の様だ。
 股間に何かを感じる。
(!……)
 見るとそこには、数人の人間が顔を寄せ、自分の股間を覗き込んでいた。
「だ、誰? 何をしてるんだ?」
 思わず声を上げる。
(!……)
 だがそれは自分の声ではなかった。
(声が変だ……)
 その事を気にしながら相手を見つめる。
「あ、目が覚めたのか……」
 顔を上げ、ぼんやりした声で返事をしたのは、優も良く知っている人物だった。
「竜ちゃん……何してんの?……って、みんなも……」
 それは従兄の竜彦であり、周りにいるのも従兄弟の面々だ。
 そういえば、自分は親戚の家に遊びに来て、同じ様に来ていた従兄弟たちと遊んでいたのだった。
「いや〜〜、何と言うか、勉強をさせてもらってたんだよ……」
「勉強?」
 意味不明なことを竜彦は言ってくる。
「あ、そうか……まずは優ちゃんに起きた事を説明しないとな……優ちゃん、自分の体見てみな……」
「え?」
 言われて気がつく。
 ずっと自分の視線をさえぎっているこの物体は何だろう。
 胸にくっついている様だが、と思い掴んでみる。
「あんっ……」
 ビリビリとした刺激が走り、思わず声を上げてしまう。
「な、何だこれ?」
 まるで体に繋がっているかの様に感覚がある。
「それは優ちゃんの胸だよ……まあ、そこまであると乳房というべきか……」
「ち、乳房……?」
 つまり女性の体にある膨れた胸だ。
「ど、どうしてそんなモノが……」
「驚くのはまだ早い。チンチンも触ってみろ」
「え?」
 そう言えば、先ほどから見えない。
 いつもなら見下ろせばすぐに見える存在が無い。
 慌てて手を伸ばして探る。
「あぅっ……!」
 瞬間、何か敏感な所に触れてしまい体を震わせた。
 今度はゆっくりと撫で回すがどこにも一物は無かった。
「無い……なんで……」
 あまりの事にショックを受ける。
「落ち着いて聞いてくれよ……優ちゃんはどうやらチェンダー病にかかったらしいんだ……」
「チェンダー病?……って、あの女の体になっちゃうやつ?」
「そう……」
 竜彦の返事に血の気が一気に引く。
 チェンダー病とは、少子化の先進国でのみ発症している奇病であり、男の体が女の体になってしまうものだった。
「まあ、女の体になるだけで害はないそうだから、取り合えず安心しろ……」
「う、うん……だけどどうしたらいいのかな……」
 突然の事に不安が募る。
「別に普通にしてればいいんじゃないか? 世間の目が嫌だったら引っ越しちゃえばいいんだし。そうすれば元男だなんて誰にも分かりゃしないから大丈夫だよ」
「そ、そうか……」
 竜彦の言葉に安心する。
「ま、そういった事は叔母さんたちにでも相談して決めるんだな……」
「う、うん……」
 そうだ取り合えずは親に知らせなければなるまい。
(母さんたち、どんな顔するかなぁ……)
 それが気になり憂鬱になる。
「で、その前に、ちょっとお願いがあるんだよ……」
 気を取り直した様に少し明るめの口調で竜彦が声を掛けてくる。
「な、なに……?」
「いや〜〜、さっきも言った通り、ちょっと勉強させて欲しいんだ」
「勉強って……」
「無論、女の体のさ……」
 その言葉に動揺する。
「ま、まさか僕の体を使うってこと……?」
「その通り。察しがいいな」
 そういえば、自分はYシャツをはだけられ、ズボンとパンツを脱がされている。
 あの夢は、もしかしてずっと触られていた感触が見せたものだったのか。
「俺達さ……そろいも揃って童貞なんだよ……いや、一番年上の俺が一番恥ずかしいんだけどさ……で、せっかく優ちゃんが女の体になったから、ヤらせてくれたらなぁっと思って……」
「ヤらせてって何を……?」
 予想できてしまっているが、取り合えず確認のために尋ねる。
「無論、セックス。俺達の童貞をもらって欲しいんだ」
 やはりそうきたか、と居並ぶ従兄弟たちを見回す。
 誰も彼もギラギラと欲情に血走った目をしている。
 中には十一歳の健二も居るというのに、意味が分かっているのだろうか。
「健ちゃん、お前分かってるのか? 何するのか」
「う、うん……さっき教えてもらった……何か凄く気持ちいいことなんでしょ……それに優ちゃんの裸見て変な声聞いてたら、僕、もうオチンチンが痛くてたまらないんだ……」
 ゴクリと唾を飲み込んで舐める様に優の体を見つめている。
 やはり先ほどの夢は現実だったらしい。
 寝ている間に胸や股間を触られたのだ。
「じゃ、優ちゃんもいいみたいだから、さっそくヤらせてもらう事にしよう。みんな、優ちゃんに感謝しろよ」
 にこやかに竜彦が号令をかける。
「ちょ、ちょっと待て。僕はまだ納得した、んんっ……」
 突然唇が塞がれる。
 二つ年上の俊哉の顔がアップに見える。
 驚いている間に舌がにゅるりと入り込み、縮こまっている舌に絡みつくと吸い上げてきた。
「んんぅっ、んっ……んんっ……」
 口の中に広がる気持ちの良さに痺れる。
(ああ……キスって気持ちのいいものなんだな……)
 男と唇を合わせている嫌悪感よりも、送られてくる快感にぼんやりとしてしまう。
「んんっ……!」
 続いて胸から快感が起こった。
 両方の乳房が強く掴まれ、ヌルっとした柔らかいモノが乳首に当てられている。
 やがてチュパチュパと吸い上げられ、舐め上げられる。
 どうやら二人がかりで片方づつ担当している様だ。
 同時に二つの乳房を舌で愛撫されるという、一人相手では決して味わう事のできない快感が胸から伝わってくる。
(な、なんだこれ……うぁっ……気持ちいいっ……嘘だろっ……)
 女の体になってすぐに、普通では経験できない口、左右の乳房という三箇所の同時攻撃を食らい、優の頭は混乱しつつあった。
「ふふっ……いいだろ?……何も俺達だけが楽しむわけじゃない……優ちゃんだって十分気持ち良くなるはずだ……だから、いいよね……俺達とするの……」
「んっ、んんっ……んんっ……」
 俊哉に口を押さえられているのだから返事のしようもない。
 だがもし口が自由であっても、三箇所から快感を与えられた状態ではまともに答えられるとも思えなかった。
「んっ! んんっ……!」
 股間から激しい快感が押し寄せる。
 舐め上げられているのだ。
 チロチロと触れてくる舌先の感触が、気持ちの良さを引き出してくる。
「んぅっ、んふっ……んんっ……」
 四箇所になった愛撫に、優の頭はもう訳が分からなくなっていた。
(ああ……なんだこれ……気持ちいい……気持ち良すぎておかしくなっちゃうっ……)
 快感におかしくなった優は、さらなる刺激を求め、自ら舌を絡め吸い付き、乳房に触れている二人の顔を押し込み、両脚で股間にある頭をグイグイと挟み込む。
 その事に興奮したのか、従兄弟たちの愛撫が激しさを増す。
「んんぅっ、んっ、んふぅっ……」
 優の中に何かがやって来る。
 それは今まで経験した事のない、未知のモノだった。
(何?……何が来るんだ?……これって何なのぉっ……!)
 確かめる術もなく、ただその謎の感覚を受け入れるしかなかった。
「んんぅっ、んぅっ……んんんんっ……!」
 体を仰け反らせ、ビクビクと震える。
 頭の中が真っ白になっていく。
 それが過ぎると、優は力を抜いて横たわった。
(ああ……気持ち良かった……何だったんだろう今の……)
 そうして呆然としていると、何かが股間に当たるのを感じた。
(ん? これって何だ?)
 指より太くて温かい感じがする。
 今までの行為とその手がかりから推測できるモノは一つしかなかった。
「だ、駄目だよ……それはだ、あぅんっ、あっ、ああっ……」
 止めるのも間に合わず、ついにそれは入ってしまった。
 いつの間にか他の従兄弟たちは離れ、一人竜彦だけがのしかかる様に覆いかぶさってきた。
(竜ちゃんのか……)
 幼い頃から慕ってきた竜彦の肉棒が自分の中に入り込んでいるというのも変な感じがする。
 そんな事を考えていると、腰が動き始めた。
 途端、強烈な快感が押し寄せてくる。
「あっ、ああっ、ああんっ……あぐぅっ、ああっ、あんっ……」
 甘い喘ぎ声が口から漏れてしまう。
「うおぅっ、凄いっ、凄いぞぉっ……気持ちいっ、信じられねぇっ……」
 竜彦は初めて経験する快感に悶えている様だった。
「あんっ、あっ、はぁんっ……やっ、はぅっ、ああんっ……」
 腰の動きに合わせて、乳房が上下に激しく揺れるのが見える。
(僕って結構胸大きいんだ……そういや初めての時は痛いはずなのに全然痛くないなぁ……元が男だからかな……?)
 余裕が出てきたのか、そんな事まで考えてしまう。
 だが竜彦の方は余裕がない様だった。
「うぁっ、もう出るっ、もう出るぞぉっ……出るぅっ……」
 童貞だったのだから仕方がない。
 限界になったらしい竜彦が、最後の動きとばかりに腰を激しく突き込んでくる。
「あぅっ、あっ、ああんっ……やんっ、あっ、はぅっ……ああっ、ああんっ、やぁんっ……」
「うがっ、出るっ、出るっ、出るぅっ……!」
 次の瞬間、肉棒からドクドクドクといった感触が伝わり、精液が膣に注がれていくのを感じる。
(イったんだ……)
 自分の体の上で竜彦がピクピクと体を震わせている。
 ようやく終わった安堵感から優も力を抜く。
(結構気持ち良かったかな……)
 何やら物足りなさもあったが、別に続けたい気もない。
 荒い息を吐いている竜彦の体をどけると、起き上がろうと手を付く。
「じゃ、次俺ね。頼むよ優ちゃん」
 ちょうど四つんばいになった瞬間、俊哉に腰を掴まれた。
「え? どういうこと? 終わったんでしょ?」
「なぁに言ってるんだよ。俺はまだヤってないよ」
 そう言えばそうだった。
 竜彦は「俺達の童貞をもらって欲しい」と言ったのだ。
「あぅっ! あっ、ああっ……」
 背後からいきなり肉棒を突っ込まれ、その快感に体を仰け反らせる。
「ひょおぅっ……スゲェ、スゲェよぉっ……」
 俊哉が手を震わせているのが腰から伝わってくる。
「あふっ、あっ、ああっ……やっ、はぅっ、やぁんっ……」
 腰が動き出し、押し寄せる快感に頭を左右に振る。
 ズブズブズブと凄まじい早さで突き込まれていく。
 さすがに高校でサッカーをしているだけあって、腰の動きが竜彦より激しく、また後からという感触も何やら快感を高めていた。
「ああんっ、やぅっ、はぁんっ……あっ、ああっ、ああんっ……」
 ギュッと乳房を掴まれ、その刺激に激しく頭を仰け反らせる。
「柔らけぇっ……優ちゃんのオッパイって柔らけぇよぉっ……」
 乳首を摘むとクリクリ動かしてくる。
「はぅっ、あっ、ああっ……乳首ぃっ、ああんっ……俊ちゃん止めてぇっ……」
「おおっ……優ちゃん可愛いぞっ……ホントの女みたいだぁっ……ってホントの女なのかっ……いいっ、もっと言ってくれぇっ……」
 優が発した言葉に俊哉は興奮している。
「ああんっ、あっ、はぐぅっ……そんなの、あんっ……言えないぃっ……」
「うぉっ、すげぇっ……それたまんないっ……あっ、もう駄目だっ……今ので出ちまうっ……」
 優の恥ずかし気な言い方にさらに興奮したのか、俊哉は限界が近い様だった。
「あっ、やっ、ああんっ……はぅっ、いやぁっ、やんっ……ああっ、あんっ、いやぁんっ……」
「うあっ……出るっ、出るっ、出るんだぁっ……!」
 激しく突きこんできた後、ギュッと腰を掴むと俊哉は精を放った。
 ドクドクドクと竜彦に負けず劣らずの激しい勢いで精液が注がれてくる。
 ガクガクと体を震わせ、最後の射精を終えた俊哉が背中に倒れこんできた。
 荒い息が肌にかかる。
 優は体を動かすと、俊哉の下から抜け出した。
(はぁ……何かだんだん気持ち良さが上がってきたなぁ……でもちょっとまだ……)
 やはり物足りない。
 竜彦と俊哉は凄く満足げに横たわっているのに、自分は何かが足りないのだ。
 射精していないからだろうか。
(でも女の人って射精しないもんなぁ……それともするのかな……?)
 などと考えに浸っていると、目の前に和夫がいる事に気がついた。
「あ、あの……優ちゃん……僕もしていい……?」
 和夫は二つ下の十三歳。
 さすがに年下であるせいか、前の二人の様に強引にはできないらしい。
「いや……『していい?』って言われても……」
 どうぞと言うのもどうかと思う。
 何しろ自分は望んでいる訳ではないのだから。
「そうだよね……やっぱヤダよね……無理やりってのは僕も良くないと思うし……」
 元々性格が優しい和夫は、諦める様なことを言っている。
 だがふと股間に目をやると、はちきれんばかりに一物がズボンを押し上げているのが見えた。
(こんなにしちゃって……何だか可哀想だなぁ……)
 二度も三度も一緒だ。
 そう思った優は、和夫にもさせて上げることにした。
「いいよ。してもいい……」
「え? ホント!……あ、でも悪いでしょ……」
 パッと顔を明るくしたが、すぐに気を使ってくる。
「いいんだよ。もう二度もヤられちゃったからね。俺も気持ち良くなってきたし、気にしないでヤってくれ」
「う、うん……優ちゃんがそう言うなら……」
 オズオズと、しかし嬉しそうにズボンとパンツを脱ぐ。
「じゃ、じゃあ入れるよ……」
 優が横たわるとそのまま肉棒を押し込んでくる。
「あぅんっ……ああっ、あんっ……」
 三度目の挿入。
(ああ……これってホント気持ちいいや……何かやみつきになりそうだなぁ……)
 だんだんとセックスの快感に目覚めてきた優は、したくてたまらなくなりつつあった。
「うあっ……うぅっ……うあぅっ……」
 一方肉棒を押し込んだ和夫は、あまりの快感のためか少しも動かずジッとしたままでいる。
「どうしたんだ? 動かないの?」
 動いてくれないと気持ち良くなれない。
 その事に少しイラ立ちながら尋ねる。
「き、気持ち良すぎてっ……動くとすぐ出ちゃいそうっ……」
 確かに、童貞でしかもオナニーの経験もまだないかも知れない和夫にとっては、女の膣は強烈だろう。
「う〜〜ん、でも動かないとなぁ……どのみち出ちゃうんだし、思い切って動いちゃいなよ。出た時は出た時さ」
 早く動いて欲しい優はそんな事を言う。
「だ、だけどっ……優ちゃんと出来るのってっ……今回だけだからっ……すぐイきたくないんだっ……」
 その言葉に優は和夫を可愛く思った。
「いいよ。すぐにイってもまたヤらして上げる。それならいいでしょ……」
 自分の体が和夫を魅了しているのに優越感を感じた優は、とんでもない事を言ってしまった。
「嘘っ? いいのっ? 優ちゃんまたさせてくれるのっ?」
「うっ……うん……いいよ、しょうがないもん……」
 本当はそうではない、とも言い切れなくなっているのも事実だった。
 優はセックス自体を求め始めていたのだ。
「じゃあ、動くよっ……すぐに出ちゃうと思うけどっ……ごめんねっ……」
 和夫の腰が動き出す。
「あっ、ああっ、ああんっ……」
「うぁっ、うぁっ、出るっ、出るぅっ……!」
 しかし快感を感じる間もなく、予告通り和夫はすぐに射精した。
 量だけは竜彦たちに負けないだけ注がれてくるのを感じる。
 ビクッ、ビクッ、と肉棒の脈動に合わせて体を揺らし、最後の放出を終えると倒れこんできた。
「あ、ありがとう……凄く気持ち良かった……」
 最後まで律儀に礼を言うと、自分から脇に転がり横たわる。
(まあ、初めてじゃしょうがないよね……)
 本当は不満タラタラなのだが、自分を気遣ってくれた和夫に腹を立てる訳にもいかない。
 それにもう一人残っているのだ。
 優は一人だけ座っている健二を見た。
「ほら、健ちゃんもやりたいでしょ。来なよ」
「う、うん……」
 呼びかけると、ギクシャクとした動きで近くにやって来る。
「オチンチン出して、僕のここに入れるんだよ……見てたから分かるでしょ……」
「う、うん……」
 ぼぉっとした表情のまま、言われた通りにズボンとパンツを脱いでまだ幼い肉棒を出し、脚の間に体を入れてくる。
 その様子は、欲情に燃えているというより、未知の体験に緊張している感じだった。
(まあ、無理もないよね……まだ小学生なんだし……)
 果たして小学生にこんな事をさせていいのだろうか。
 だが、もはやここまで来たらヤらない方がおかしいのかも知れない。
「入れる穴分かる? 僕も見たことないからよく分からないけど……あんっ……ここ、ここに入れるんだよ……」
 手探りで膣穴を探し指で広げる。
「う、うん……」
 先ほどから同じ返事しかしない健二は、素直にそのまま肉棒を入れようと腰を進めた。
 すでに誰かが教えたのか、それとも自然になのか、小学生にしては健二の皮は剥けており、亀頭が露出していた。
 そのままにゅるりといった感じで優の膣に収まる。
「うぁっ……」
「あぅんっ……」
 二人の声が重なった。
(やっぱちょっと小さいな……ま、小学生だから当たり前か……)
 前の三人に比べて格段に小さかったが、それでも男としての役割をなしてはいる様で、キチンと快感を感じさせてくる。
「大丈夫? 何か出そうな感じはある?」
 まだオナニーの経験はないであろう健二に、射精の感覚があるか尋ねてみる。
「う、ううん……何もないよ……でも……すごぉく気持ちいい……」
 健二は風呂にでも浸かっている様なぼんやりとした顔をしている。
「そう……じゃあ、動いてみな。もっと気持ち良くなるから……」
「あ、うん……そうだね、みんなそうしてたもんね……」
 返事をするとすぐに腰を動かし始めた。
「うぁっ、ふぁっ、す、凄いぃっ……優ちゃん凄いよぉっ……何これっ……これがセックスなのぉっ……?」
 初めて体験する快感に健二は顔を緩めて惚けている。
「あっ、ああっ、あんっ……なかなか、あんっ……いいよ、あっ……上手いじゃん、ああっ……」
 健二は腰の動かし方がかなり上手だった。
 前の三人はただガンガンぶつけてくるだけだったが、健二のは滑らかな感じだ。
 これが本当に童貞だった小学生のものだろうか。
「ホント? うわっ、嬉しいなっ……優ちゃんに褒めてもらえるとっ……嬉しいよっ……」
「本当さ、あんっ……特に腰の動きが、はぅっ……凄くいいっ……」
 動きが滑らかなだけではない。
 的確に気持ちのいい所、つまり弱い所を突いてくるのだ。
「こ、これねっ……勝手に動いてるんだよっ……僕っ……何にもしてないのにっ……勝手に腰が動くんだよぉっ……」
 少し怖そうな顔をしながら、健二は自分の腰を見つめている。
「そ、そうなの? あんっ……ああっ、やっ、はぅっ……それでも、はぅっ……凄く、あっ……いいぃ、ああんっ……こんなの、やんっ……初めてぇっ……」
 膣内で蠢く健二の肉棒は、ここを突いて欲しいという、まさに痒い所に手が届く感じでピッタリとハマっていた。
(もしかして……これが相性がいいってやつ?……スゲェ気持ちいいんだけどぉ……)
 入れてからまだ少ししか経っていないというのに、優は体の中から激しい快感が押し寄せてくるのを感じた。
「あっ、やっ、はぁんっ……な、何これ? あぅんっ……やんっ、はぅっ、ああんっ……何か来るよ、あっ……何か来るぅっ……」
 優は頭を左右に振って、得たいの知れない快感に悶える。
「優ちゃん大丈夫っ?……僕、止めようかっ……?」
 様子がおかしくなった優を心配したのだろう、健二はそんな事を言ってきた。
「駄目っ! あんっ、はぅっ……止めちゃ駄目っ……やんっ、はぁっ、ああんっ……もうちょっと、あっ……もうちょっとだからぁっ……」
 今まで物足りなかった何か。
 それが得られそうなのだ。
 ここで止められたら、またあの欲求不満な状態になってしまう。
「う、うんっ……分かったよっ……僕、続けるっ……」
 素直にいう事を聞くと腰を振り続ける。
「ああっ、やぁんっ、はぅっ……あっ、これ、ふぁっ……何か、あんっ……凄い、ああんっ……もっと、あっ……もっと、ああっ……もっとぉっ……やっ、はぅっ、ああんっ……」
「もっとだねっ……こうっ?……こうすればいいっ……?」
 優の要求に答えようと、健二は必死になって腰を振った。
「やぁっ、そうっ、そうぉっ……あんっ、はぁっ、やぁんっ……いい、あっ……いいよぉっ……健ちゃんいいぃっ……」
 健二の背中に腕を回し、腰に脚を絡めるとグッと引き寄せる。
 近づいてきた唇に吸い付くと、舌を絡めていく。
「んんっ、んっ……んっ、んんっ……」
 小さな舌がおずおずと絡み付いてくる。
 その事を可愛く思いながら、こちらからも舌を絡ませ吸い上げる。
「んぅっ、んんっ……んっ、んふはぁっ……」
 唇を離すと、健二はぼぉっとした表情をしながら見つめてきた。
「優ちゃんっ……凄いねっ……優ちゃんって凄いっ……僕、たまらないよっ……」
 そう言うと、今まで以上に激しい腰使いをし始めた。
「ひゃぁうっ、あっ、やぁんっ……あぅっ、はぅっ、ああんっ……健ちゃん、ひゃふっ……健ちゃん凄い、あっ……健ちゃん凄いよぉっ……」
 ついに優は自らも腰を動かし、さらに快楽を得ようと健二をギュッと抱きしめる。
「いやぁんっ、あっ、ああっ……もう、やっ……もう駄目ぇっ……あぅっ、はぁっ、やんっ……おかしくなっちゃうぅっ……」
 肉棒と膣の擦れが激しくなり、凄まじい快感が押し寄せる。
「ぼ、僕もっ……僕もおかしいっ……何かがっ……何かが出そうだよぉっ……」
 とても初めてとは、また、小学生とは思えない耐久力を見せていた健二にもようやく射精感が訪れた様だ。
「出して、あんっ……出すの、ひゃうっ……それを思いっきり出すのぉっ……」
「うんっ……僕出すよっ……出すっ……出すんだぁっ……」
 叫びと共に腰の動きが早まっていく。
「やぁんっ、はっ、ああんっ……あっ、あぐっ、はぁんっ……あんっ、あんっ、ああっ……イく、あんっ……イくぅ、ああっ……イくのぉっ……やんっ、はぁっ、ああんっ……健ちゃん、あっ……健ちゃ、はんっ……健ちゃぁんっ……ああああんっ……!」
「うがぁっ……出るぅっ……優ちゃぁんっ……!」
 お互いの名前を叫びながら同時に絶頂に至る。
 ドクドクドクと激しい勢いで精が注がれてくる。
 初めてであろう従弟の射精をその身に受ける事に何か嬉しさを感じながら、膣内に流れ込んでくる精液の感触に、優はとてつもない快感を得ていった。
(これだ……これだよ……これが欲しかったんだ……)
 ようやく満足できたことに幸福感を感じ、体中に広がっていく気持ちのいい脱力感に浸る。
 ビクッ、ビクッ、と最後の射精を終えた健二が体の上に倒れてきた。
 そのまま抱きしめ、頭を撫でてやる。
「健ちゃん……最高だったよ……凄く気持ち良かった……」
 優がそう言うと、健二はこちらに顔を向け嬉しそうな表情をした。
「ホント? 僕良かったの?」
「ああ、凄く良かった……これって相性がいいってヤツじゃないかな……健ちゃんのチンチンって凄くいいんだよ……」
「うぁ〜〜、そうなんだぁ」
 にこやかに微笑むその姿は、小学生らしくて実に可愛かった。
「じゃあ、優ちゃんもノってきたところで、第二回戦開始でいいかな?」
 突然脇から声が掛けられ、そこには準備万端肉棒をギンギンに硬くした竜彦の姿があった。
「あ、竜ちゃん……またするの?」
「ああ。いいだろ……?」
 最高の快感を得た優に断る気持ちは全くなかった。
 だが素直に了解するのも癪に障る。
「でも確か童貞をもらうって話だったでしょ。だったらもう終わりじゃん」
「え? それはそうだけど……さっき和ちゃんにはヤらせるって……」
 優の態度に竜彦は慌てている。
「あ、そうだね。和ちゃんはいいよ。まだ十分気持ち良さを味わってないだろうし。約束もしたしね」
 脇で和夫が嬉しそうな顔をしている。
「だけど竜ちゃんと俊ちゃんはなぁ……無理やりされたしぃ……健ちゃんほど気持ちも良くなかったしぃ……あ、健ちゃんならまたしてもいいよ。すっごく上手だったから……」
 小学生に負けた事がよほどショックなのか、二人はガックリとしている。
「じゃ、まずは和ちゃんね。さっきはすぐイっちゃったけど、今度は少しは持つと思うから……それにまたすぐイっちゃったら続けてやればいいよ。そうすればそのうち慣れるでしょ」
「う、うん……ありがとう……」
 和夫は嬉しそうな顔をしている。
「ほら、和ちゃんは偉いねぇ。ちゃんとお礼を言ってるよ。無理やりしてきたどこかの誰かさん達とは大違いだ」
 その言葉に竜彦たちはますます肩をすぼめる。
「さ、おいで……オチンチン入れて……」
 優の呼びかけに近くに来た和夫は、おずおずといった感じで肉棒を入れてくる。
「はぁっ、ぅんっ……!」
 再び収まった肉棒の感触に悶える。
「どう? またイきそう?」
「ううん。今度は大丈夫。しばらく持つと思うよ……じゃ、動くね」
 嬉しそうに返事をした和夫は腰を動かし始めた。
「あんっ、ああっ、あっ……うん、あっ……いい感じ、はぅっ……その調子だよ、ああんっ……」
 和夫はなかなか上手い感じで腰を動かし続けている。
 脇を見ると、竜彦と俊哉が何とも間抜けな表情でこちらを見つめていた。
(あ〜〜あ、あんなに羨ましそうにしちゃって……しょうがないなぁ、後でさせてあげよう……)
 自分の肉体が従兄弟たちを虜にしている事に優越感を感じながら、和夫との行為に浸っていく。
 セックスは何と気持ちがいいのか。
 これまでしなかったのが馬鹿みたいに思える。
 せっかくこうして自由にできる相手が見つかったのだから、これからはどんどんしていこう。
 優は自らも腰を動かし始めながら、そんな事を思うのだった。












あとがき

 珍しく集団モノです。
 でもやっぱりノリは悪いですかねぇ。
 ま、従兄弟ってのはあまり近親相姦にならないからしょうがないのかも。
 っていうか、女の子ならともかく、野郎を沢山描写しても楽しくないからかな(笑)
 今度は逆バージョンでも書きますかねぇ。
 ハーレムなヤツ。
(2004.8.19)



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