花嫁


 昭雄は幸せな想いに包まれていた。
 なぜならもうすぐ結婚するからだ。
 それも実の娘と……。
 戸籍上は従妹となっているが、結婚相手の梨琉は、実は叔母との禁じられた交わりによってできた子供だった。
 十歳の時、叔母に初めて女の肉体を味あわせてもらい、三日間行為を続けた結果、妊娠させたのである。
 叔母は叔父との子として産み、誰もその事を疑っていない。
 だが自分と叔母、そして母だけは梨琉が昭雄の子供だと知っていた。
 なぜ母もかと言うと、昭雄は母とも肉体関係を持っていたからである。
 叔母の肉体に溺れ、欲求不満となっていたある日、我慢しきれず母を襲い、その理由を推測した母に叔母との関係を告白したのだ。
 それ以来、昭雄は叔母と母を抱いていたのだが、ある日それを梨琉に気づかれ、自分も同じ様にして欲しいとせがまれて関係を持った。
 まだ十歳でしかない少女を抱いたわけだが、昭雄自身も同じ年齢の時に童貞を失っていたため罪悪感は感じなかった。
 逆に愛する娘と一つになれたことに感激し、戸籍上は従兄妹でしかないことを利用して結婚することを決意したのである。
(長かったな……) 
 昭雄は感慨深げに息を吐き出した。
 幼い梨琉が十六歳になるまで様々な行為を行ない、自分に惚れる様に仕向け、その結果、梨琉はよその男に気を向けることなく昭雄一人を見続けた。
 そしてついに結婚。
(ホント……長かったよ……)
 これまでの出来事を思い返しながら、昭雄は再び深い息を吐き出した。
「ね、お兄ちゃん。これどうかなぁ。私に似合うと思う?」
 隣でファッション雑誌を見ていた梨琉が声をかけてきた。
「ん? いいんじゃないか。梨流にピッタリだよ」
「そうかなぁ。えへへへ……」
 昭雄の言葉に、梨流は二つに分けた髪を揺らしながら嬉しそうに微笑んだ。
(ホント可愛いよな……世の中に可愛い女の子は沢山いるけど、梨琉に敵う子なんていやしない……)
 愛する娘、そしてもうすぐ妻となる少女を見つめながら、昭雄は幸福感を感じて頬を緩めた。 
「あ、誰か来た。伯父さんたちかな?」
 玄関で呼び鈴が鳴り、梨琉が立ち上がった。
 今日は数日後に結婚を控えている二人のため、内輪のパーティを開く予定だったのである。
 本格的な披露宴の前に、身内だけで祝おうという趣旨のものだ。
 玄関へ向かった昭雄と梨琉は、ドアを開けて入ってきた人物たちに笑顔を向けながら頭を下げた。
「いらっしゃい。待ってたよ」
「お、昭雄出迎えご苦労。梨琉ちゃんもこんなヤツをもらってくれてありがとうな」
 父がにこやかに笑っている。
「うん、どういたしまして。でもその代わり、お兄ちゃんにはたっぷり世話してもらうから」
 梨流は父の言葉に笑いながら答えると、昭雄の顔を嬉しそうに見上げた。
「どうしてこんなにいい子が……まだ若いのに……昭雄、お前は幸せ者だぞ」
 父はニヤニヤしながら肩を叩いてきた。
「言われなくても分かってる。俺は幸せ者なんだよ」
「ハハハッ、この羨ましいヤツめ」
 昭雄の返事に父は大笑いしている。
「まあまあ、いらっしゃい。さ、お上がりになって」
 二人で話しているうちに叔母が現れ、父たちを居間に誘った。
「あ、このたびはどうも……」
 父は頭を下げながら靴を脱ぎ、廊下を歩いていく。
 それに合わせて昭雄も部屋に向かおうとした時だった。
「あっ、亜衣ちゃんっ。来てくれたのぉっ」
 突然大きな声が聞こえたかと思うと、いつの間にか玄関に入ってきたらしい、一人の少女に梨流が抱きついているのが見えた。
「梨琉がどうしてもって言うから……ホントは嫌だったんだけど……」
 渋々といった感じで少女は呟いている。
 彼女の名前は亜衣。
 昭雄の妹で、梨琉にとっては同い年という事もあって大の仲良しの従姉だった。
 背が大きく全体的に大柄である事や、OLだと言われても信じそうな大人びた顔立ちから、そうして並んでいると梨流と同じ年齢にはとても見えない。
 唯一、動くたびに左右に揺れるポニーテールといった少女らしい髪型だけが、彼女を歳相応に思わせていた。
「梨琉のために来たんだからなっ。兄貴なんか関係ないんだぞっ」
 一瞬昭雄の顔を睨みつけると、すぐに視線を外している。
「うんうん。私は来てくれただけで嬉しいよぉっ」
 梨琉はピョコピョコ飛び跳ねながら、亜衣の体に抱きついている。
「ま、上がれよ。そんな所にいつまでもいるのも何だろ」
「ふんっ、言われなくたってそうするさっ。一々うるさいんだよっ」
 亜衣は吐き出す様に言いながら、靴を脱いで居間の方へ歩いていく。
「もう、亜衣ちゃんたら怒らないでぇ。亜衣ちゃんの大好きなお寿司もあるんだからぁ」
「お前、私が寿司食ってりゃ機嫌良くなると思ってるだろ」
「あれぇ? 違うのぉ?」
「……まったく」
 梨琉のボケに、亜衣は力が抜けた様に肩を落とし、昭雄には決して見せない温かな視線を梨流に向けていた。
(亜衣のやつ……どうしてああなんだろ……)
 二人の後姿を見送りながら、昭雄は溜め息を付いた。
 昭雄には、亜衣がどうして自分に対してキツイ態度をとるのか分からなかった。
 幼い頃は、それこそいつも後について来るくらい懐いていて可愛い妹だったのだ。
 それが思春期に入った頃からだろうか、いきなり口を利かなくなり、顔を合わせても睨んだり、たまに喋っても今の様な憎まれ口しか言わなくなったのである。
 当時は反抗期になったためだと思っていたのだが、高校生になってもその態度が変わらないのはいくら何でも長すぎるだろう。
 昭雄はその事に対してひどく悲しい思いを抱いていたのだが、理由が分からない以上、どうしようもなかった。
(何とかならないかなぁ……)
 もう一度溜め息を付くと、昭雄は居間に向かって歩き出した。


 パーティは盛り上がっていた。
 夫婦になるのが従兄妹同士であることや、昭雄が梨流の家にずっと下宿しているなど、元々親しい間柄であるのだからそれも当然だろう。
 上機嫌の父と叔父に次々と酒を注がれ、かなり閉口気味になっていた昭雄は、カラオケが始まったのをこれ幸いと、会場である居間から抜け出した。
 二階へ上がり、少し休むつもりで自分の部屋へ入ろうとした時だった。
(?……)
 ふと物音が聞こえた様な気がして立ち止まる。
 気のせいかと思ったが、耳を澄ますと確かに何か音がしている。
 気になって音のする方へ行くと、そこはもうすぐ自分の妻となる梨流の部屋であり、少し開いているドアの隙間から見えたのは、ウェディングドレスを眺めている亜衣の姿だった。
「何してるんだ亜衣?」
 部屋の中に入りながら声をかける。
「あ……何だ兄貴か……」
 亜衣はぼぉっとした様子で、目だけこちらに向けている。
「ウェディングドレスが気になるのか?」
「まぁね……私は梨流と同じ十五だし。もうすぐ十六になるって言ったって、やっぱりこの歳で結婚するなんてね……しかもその相手が兄貴だなんてっ」
 語尾をキツイ口調にしてこちらを睨んでくる。
「何だよ……俺が相手じゃ不服なのか?」
「当たり前だろ、兄貴みたいなハレンチ男っ。大事な梨流の相手として認められる訳ないっ」
 ふんっ、と鼻を鳴らして怒っている。
「どうして俺がハレンチなんだよ。っていうか、どうしてお前はそうなんだ? 昔は凄く可愛かったのに、いつの間にか俺を毛嫌いして。そんな憎まれ口……」
「兄貴が悪いんだろっ!」
 強い口調で言われ、黙り込む。
「俺が悪いって……何で……?」
「分からなきゃ別にいいっ。とにかく私は兄貴が許せないんだっ」
「そんなの良くないよ……今まではそれも仕方ないかなって放っておいたけど、そろそろ教えてくれ。どうしてお前が俺のこと嫌ってるのか」
 久しぶりに亜衣と二人きりになったのだから、キチンと話をしておきたい。
 そう思った昭雄は、穏やかに問いかけた。
「教えろってぇ? そんなの、自分の胸に聞いてみなよっ」
 亜衣は体をブルブルと震わせて、吐き出す様に呟いた。
「自分の胸って……」
 そう言われても、心当たりがないから分からないのだ。
「ハっ、分からないって顔してるねっ。ハハっ、そんなんだから許せないんだよっ。自分が一体何をしてきたか、いや、何をしてるのか分かってないってのっ?」
 亜衣は皮肉げに笑いながら、両腕を大きく振り回して叫んでいる。
「教えてくれ……分からないんだ……どうしてお前がそんなに俺を嫌ってるのか……」
 忍耐強く亜衣に尋ねる。
「分からない? ハっ……じゃあ教えてあげるよっ。結婚祝いってヤツだっ。本当は祝福なんかしちゃいないけどねっ。私が何で怒っているのかを理解して、苦しみながら新婚生活を送るがいいさっ。ハハハハハっ……」
 亜衣は腰に手を当てて仰け反ると、楽しそうに笑った。
 妹がどうかしてしまったのではないかと、昭雄は少し不安になりながら次の言葉を待った。
「私は見たんだ……あれは三年くらい前かな、ちょうど中学に入ったばかりの頃だった……」
 亜衣はそれまでの大声が嘘の様に、しんみりとした静かな口調で話し出した。
「学校で気持ち悪くなって早退して……それで家に帰ってきた……母さんに話そうと思って居間に行ったけどいない……もしかして二階にいるのかって、階段を上がっていった……そしたらっ」
 そこで亜衣は辛そうに顔をしかめると、手を握り締めてブルブルと体を震わせた。
「母さんの部屋から……変な声が……変な声が聞こえてきて……その頃はもう……そういうのが分かってたから……少し興味持って覗いて……きっと父さんと母さんがいるもんだと思って……そしたらっ……兄貴がっ、兄貴が母さんと裸でっ……」
 そこまで言うと亜衣は黙り込んだ。
「……」
 昭雄は十歳の時から母と近親相姦の関係を結んでいた。
 叔母に女を教えられ、母との禁断の行為の味を知って以来、それが止められず、ずっと続けていたのである。
 叔母の家に下宿する様になってからは母とはなかなかできなかったが、暇を見つけては会い、家族の目を盗んでセックスをしていたのだ。
 それを見られてしまったのだろう。
 ただでさえ汚いことに敏感な思春期の少女が、母と兄のセックスを見たのだ。
 兄を汚らわしいものとして見ても不思議はなかった。
「それにそれだけじゃない……兄貴は……兄貴は叔母さんとも……叔母さんともしてるじゃないか……それも見たんだよ……たまたま遊びに行った時……居間で二人でしてるのをねっ」
「!……」
「どう? これで分かっただろ、私が兄貴を嫌いな訳……自分の母親とセックスしてる兄貴をどうして好きになれるって言うんだよ……しかも叔母さんとまでしてるなんて……その上その娘と結婚? ハっ、何考えてるんだかっ」
 亜衣は吐き出す様に叫ぶと、近くにあったベッドに腰を下ろした。
「……」
 昭雄は何と言っていいのか分からなかった。
 まさか叔母との関係まで知られているとは。
 母だけでなく叔母と肉体関係を持ち、さらにはその娘と結婚、つまりセックスをしているのだ。
 亜衣にしてみれば、昭雄が節操のない肉欲の権化の様に思えても仕方ないだろう。
 嫌われるのも無理はない。
(だけど、亜衣……お前は俺と母さんの……)
 亜衣は戸籍上妹となっているが、実は母との禁じられた交わりによって生まれた昭雄の娘だった。
 母との近親相姦が無ければ生まれていないのである。
 世の中で許されていないとはいえ、自分も母もお互いを愛し、体を繋げ合い、その結果として亜衣は生まれた。
 いわば二人の愛の結晶なのだ。
 だがその事を亜衣は知らない。
 ただ母と兄が快楽に任せてセックスしているとしか思っていないのである。
「梨流が……梨流が可哀想だよ……兄貴みたいな男と結婚するなんて……どうせ結婚したって、母さんや叔母さんとするんだろ?……叔母さんなんて一緒に暮らしてて……きっと梨流が居ない時にするんだ……うぅっ……酷い、酷いよ……本当は言ってやりたい……教えてやりたい……でも……でもそんな事したら……梨流が悲しむ……せっかく幸せになろうとしてるのに……梨流が悲しむから……私……私言えないんだよぉ……」
 亜衣は涙を流して悲しんでいる。
 自分のことではなく、梨流のために。
 以前「亜衣ちゃんは一番大切な親友」と梨琉に聞いた事がある。
 二人は性格的に正反対と言っていいほど違うのだが、逆にそれが合うのか、住んでいる場所が少し離れているにも関わらず、何かする時は常に一緒に行動していた。
 それほど二人は仲が良く、その親友が悲しむ姿を見たくないのは当然の気持ちだろう。
 だがそれは間違っていた。
 亜衣が今言った内容をもし知ったとしても、梨琉は決して悲しむ事は無いのである。
 なぜなら、梨琉とセックスしたきっかけは、叔母との関係を知られたためだったからだ。
「梨流は……知っているよ……」
「!……」
 昭雄の言葉に、亜衣は勢い良く顔を上げた。
「な、何言って……」
「梨流は知ってるんだ……俺と叔母さんがセックスしてること……」
「嘘……」
 亜衣は呆然とした表情をしている。
「昔、その事を話した。それでも梨流は、俺を好きだと言ってくれた」
「嘘……嘘……嘘ぉっ……」
 信じられない様に、亜衣は悲しみに顔を歪めながら涙を流し続けた。
「梨流は全て知っているんだ。俺が母さんとしてることも。だけど、それでも愛してくれている。俺を夫として受け入れてくれるんだ」
 昭雄は以前、母との関係についても梨琉に話していた。
 だが元々家族間でセックスする事を受け入れていた梨琉は特に反応を示さず、「お兄ちゃんってモテるんだねぇ」などと感心したくらいなのである。
「そんなの嘘だよぉっ!」
 亜衣は叫ぶと、ベッドに倒れ込んで激しく泣き始めた。
 無理もないだろう。
 自分が知ってしまった事実を隠し、それを知らずにいる親友を影で悲しみ、何とかしたいと思いつつできないでいたにも関わらず、それを当の梨流は知っていたと言うのだから。
「亜衣……」
 昭雄は亜衣の傍に近寄ると、ベッドに腰掛けて泣きじゃくる頭を優しく撫でた。
(俺の……俺の可愛い娘……)
 梨流の様に素直に甘えてきたことはないが、それでも昭雄にとって亜衣はかけがえの無い存在だった。
 もう少し早く気づいてやれれば、こんなに苦しませずに済んだろうに。
 昭雄は己のうかつさを悔いた。


「兄貴……」
 しばらく経って、泣き止んだ亜衣が静かに声をかけてきた。
「何だ……?」
「その……今の話……本当なのか?」
 ゆっくり起き上がりながら尋ねてくる。
「ああ……梨琉は全部知って、それでも俺を受け入れてくれている」
「そうか……」
 亜衣は深い息を吐き出した。
「あいつ……分かんないよ……昔っから変なとこあったけど……どうして許せるんだろうな……自分の母親とセックスしてる様な男を……」
 それは確かにその通りだった。
 昭雄にしても、思春期になれば叔母との関係の意味を理解し、嫌われるのではないかと心配していたのだ。
 ところが梨琉はそれまでと全く変わらず、逆に「お母さんも沢山抱いて上げて」などと言って来るくらいだったのである。
 その言葉の意味を尋ねると、「お父さん忙しいから、お母さん抱いてもらえなくて可哀想なんだもん」という事だった。
 梨琉にとってセックスとは単なる快楽行為であり、それを近親で行なう事に対して何も禁忌の思いを持っていなかったのだ。
 十歳という幼い頃に経験したせいだろうか。
 知識よりも体験が先になったため、セックスの本質を捉えた考えになったのかも知れない。
 そういう意味で、昭雄と梨琉は似ていると言えた。
 無論、好きでもない相手とはしないだろうが、愛情さえあれば、家族の間でセックスするのに何ら問題を感じる事はなかったのである。
「梨流を……梨流を幸せにしてくれよ……」
 亜衣が寂しげな表情で呟いている。
「母さんや叔母さんとの事は……その……許せないけど……梨流を幸せにしてくれるなら……少し許してあげるからさ……」
「うん……」
「だから……約束してくれ……梨流を……梨流を絶対に幸せにするって……」
 何年ぶりに見るだろうか、亜衣は優しげな表情で昭雄を見つめている。
「ああ……約束する……梨流を必ず幸せにするから……」
 昭雄は自信を持って頷いた。
「よしっ、絶対だからなっ」
 亜衣は手を握り締めると、微笑みながら昭雄の肩に軽く押し付けてきた。
 何やら吹っ切れた様な爽やかなその笑顔に、昭雄は嬉しくなって頬を緩めた。
「ふ〜〜、でも何か驚いちゃったなぁ……まさか梨流が全部知ってて、それで兄貴と結婚するなんて……そういやあいつ、昔からそういうとこ強かったもんね……」
 亜衣は感心した様に呟いている。
 それは本当の意味では違っているのだが、「梨琉が強い」という点では昭雄も同意見だった。
 大人しい様に見えて、梨琉は芯がしっかりしているのである。
 逆に亜衣はここ一番で弱いところがあった。
 高校受験の時も、最後の最後まで緊張していたのは亜衣で、梨琉は最初から落ち付いていたのだ。
「よく考えりゃ、高校通うってのに結婚するんだもんなぁ。並の根性じゃ無理だよね」
 法律上は認められているとはいえ、やはり十六歳で結婚するにはまだまだ世間の目は冷たい。
 さらに妊娠などすれば、余計目立ってしまうだろう。
 だが梨琉は子供を欲しがっており、今年中には産みたいと言っていた。
 何とも胆の据わった少女なのである。
「でもウェディングドレスかぁ……私も早く着たいなぁ……」
 亜衣は近くに飾ってある花嫁衣裳に視線を向けながら、溜め息を付いている。
 その表情はまさに年頃の乙女といった感じで、昭雄は思わずドキリとしてしまった。
(こいつ……いつの間にこんな……)
 昭雄のことを「兄貴」と呼ぶところから分かる様に、亜衣は男的な言動が多く、小さい頃などはよく男の子に間違われていたくらいだった。
 その事に反発して中学に入ってからは髪を伸ばし始めたため、さすがにもう男などと言う人間はいなかったが、その男的な言動は直っておらず、あまり女を感じさせることはなかった。
 しかしそれと反する様に肉体は魅力的に成長し、胸の豊満さや背の高さから、女としてかなり迫力のある体つきとなっており、それに加え、なかなかに整った顔立ちと、そのさっぱりした性格から、男子生徒に人気があるのだというのを以前梨琉から聞いた事があった。
「何なら着てみれば?」
「え……?」
 昭雄の言葉に亜衣は驚きの声をあげた。
「何言ってるんだよ……これは梨琉のなんだからそれはマズイだろ……」
「何でさ?」
「何でって……」
 亜衣は不思議そうな顔をしている。
「別に減るもんでもないし、いいんじゃない? 梨琉だって怒らないさ。何しろ亜衣が着るんだからな」
「そ、そうかなぁ……」
「そうさ。亜衣だって分かってるだろ、梨琉が怒らないって。いや、逆に着ろって言ってくるんじゃないのか?」
 梨琉はいつも亜衣に対して世話を焼きたがった。
 何でも自分と同じにしたがり、嫌がる亜衣に女の子らしい服を着せ様としたりしていたのである。
「そ、そう言えば前に言われた……買ったばかりの時に、一度着てみろって……」
「ならいいじゃないか。着てみなよ。きっと似合うぞ」
「そ、そうかなぁ……」
 亜衣はしぶりながらも、だんだんと着る気になっている様に思える。
「ほら、どうせ他には俺しかいないんだし」
「う〜〜ん……じゃ、ちょっとだけ……」
 ようやく着る気になった亜衣は、ゆっくりと立ち上がった。
「俺は外に出てるから、着たら呼んでくれ」
「え? 兄貴見るの?」
 亜衣は目を丸くしてこちらを見ている。
「嫌なのか?」
「う〜〜ん、そうじゃないけど、何か恥ずかしくて」
 今までずっと睨まれてばかりいたので、そうして年頃の少女らしくしている亜衣を見るのは新鮮だった。
(可愛いな……)
 どんなに男っぽくても、やはり亜衣も女の子なのだ。
「別に恥ずかしいことなんかないさ。綺麗な格好するだけなんだから」
「そうかなぁ……でもなぁ……」
「大丈夫だって……じゃ、着たら呼んでくれよ」
「え? あ、ちょっと……」
 困った様に声をかけてくる亜衣を無視して立ち上がると、昭雄は部屋の外へ出ていった。


「いいよ……」
 しばらくして声が聞こえ、ドアを開けると、そこには一人の花嫁が立っていた。
 白いウェディングドレスに包まれている亜衣は、まさに清らかな乙女そのものだ。
「綺麗だ……」
 思わず感嘆の声がこぼれる。
「そ、そうかなぁ……ホントにそう……?」
 亜衣は顔を真っ赤にしながら呟いている。
「ああ、本当に綺麗だ……凄く綺麗だよ……」
 今まで辛く当たられていただけあって、その恥ずかしそうにもじもじしている亜衣の姿は、昭雄にとって天使の様に優しげで清らかで可愛らしかった。
(それにしても……これは……亜衣って……いいなぁ……)
 ウェディングドレスの白さとヒラヒラした様子が男心をくすぐるのか、先ほどからムラムラと肉欲が湧き起こってしまっている。
 特に胸の部分がはちきれんばかり膨らんでいるのが、まるで男を誘っているかの様に思え、たまらない興奮が押し寄せてきた。
(うぅ……凄くいい……何ていうか……いい女だ……亜衣って……いい体してる……)
 ゴクリと唾を飲み込み、その豊満な肉体を舐める様に見つめてしまう。
「亜衣……可愛いよ……まるで天使みたいだ……」
 それまで嫌われていたとはいえ、兄として父親として何もできなかった後悔と、男として女を求める欲情が混ざり合い、亜衣に対する執着を高めていく。
「そんな絶賛されると照れちゃうよ……梨琉にもいつも言ってるの? そんな台詞」
 亜衣は恥ずかしそうにこちらをチラチラ見ながら呟いている。
「言ってないよ……天使に見えたのは亜衣だけだ……ああ……亜衣が、亜衣がこんなに可愛いなんて……」
 この美しい少女が己の娘。
 昭雄の心は嬉しさで一杯だった。
(もっと……もっと近づいて……抱き締めて……俺の……俺の物にしたい……)
 これまで叔母、母、梨琉と、好きな相手は全て抱いてきた昭雄にとって、これほど可愛らしい亜衣を放っておくことなどできなかった。
 自然と脚が動き出し、徐々に傍に近づいていく。
「まったくぅ……そんなこと言っちゃってぇ……恥ずかしいなぁ……」
 亜衣は顔を赤くしながら笑っている。
 その肩に手をかける。
「ん? どうしたの兄……」
 次の瞬間、勢い良く抱きしめ、可憐な桜色の唇に吸い付いていく。
「んんっ! んっ……んんっ……」
 亜衣は驚愕の表情を浮かべながら激しく体を動かし、昭雄から逃れようともがく。
「んっ……んぅっ……んっ、んっ、んふぅっ……んっ……」
 だが舌を押し込み、口内に刺激を与えると、だんだんと力が抜けていった。
 最後にトドメとばかりに舌を絡め、強く吸い上げながら激しく唇を擦り付けていく。
「んんっ……んっ……んぅっ……」
 ガクリと力の抜けた亜衣の体を支え、そのままベッドに横たえる。
 ハァハァと荒い呼吸を吐きながら頬を上気させている亜衣は、ぼぉっとしたまま大人しくしていた。
「可愛いよ……亜衣……」
 囁きかけながら、白いウェディングドレスの上からその豊かな膨らみを揉みしだくと、弾力のある感触が心地良く手を押し返してくるのがたまらない。
「あっ……ああっ……」
 亜衣が微かに声を上げ、ピクッ、ピクッと体を震わせた。
(こんなに亜衣が可愛かったなんて……もっと早く抱けば良かった……)
 考えてみれば、身近な女の中で亜衣だけを抱いていなかったのだ。
 離れて暮らしていたので抱く機会が無かったし、毛嫌いされていたという理由もある。
 だがもしかしたら、そうして抱かなかった事を亜衣は怒っていたのではないか。
 昭雄はそんな事を思い始めていた。
 それはあまりに自分勝手な都合のいい思考だったが、母たちをずっと自由に抱いてきた昭雄にとって、特におかしく感じない考えだったのである。
「あ、兄貴……何を……嫌……嫌ぁっ……」
 意識を取り戻したらしい亜衣が嫌悪の声をあげる。
「止め、やっ……駄目、はぅっ……あっ、あっ、ああんっ……」
 だがそれに構わず首筋に吸い付くと、可愛らしい声を発して悶える。
「綺麗だ……綺麗だよ……亜衣は凄く綺麗だ……ああ……亜衣もお嫁さんにしたいなぁ……」
 これだけの女、どうして他人に渡せようか。
 今まで放っておいただけに、余計早く自分の物にしなければ、という焦りが生まれ、焦りは肉欲を高めた。
「ば、馬鹿っ……兄貴何考え、あっ……そこは、やっ……そんな、あんっ……」
 ウェディングドレスの胸の部分を剥ぎ、ブラジャーをずらすと、十六歳にしては豊満な乳房がさらけ出され、たまらずその桜色の乳首に吸い付いていく。
「あっ、駄目、あんっ……嫌だって、あっ……兄、やっ……あっ、あっ、ああっ……もう、あっ……馬鹿ぁっ……」
 チュパチュパと何度も吸い上げ、だんだんと勃起してきた乳首を舌先で強く弾くと、亜衣が信じられないほど可愛らしい声を漏らす。
 それは今までキツイ言葉ばかり聞かされていた昭雄にとってたまらない事だった。
「あぅっ、あっ、やぁんっ……あっ、はぅっ、はぁっ……」
 豊かな膨らみをギュッと揉みしだき、その張りのある感触を楽しむ。
 顔を胸の谷間に押し付け、擦り付ける様にして動かすと、頬に肉の温かさと柔らかさが感じられて興奮が高まっていく。
「兄、ああっ……兄貴、あんっ……馬鹿……馬鹿ぁ……」
 荒い呼吸を吐きながら、亜衣は弱々しく手を伸ばしてくる。
「もっと気持ち良くしてやるからな」
 昭雄はその手を掴むと体を下に移動させ、ウェディングドレスのスカートの中に頭を突っ込んだ。
「あ、駄目っ……そんなとこ……ああ……見ちゃ駄目ぇ……」
 白いパンティに顔を近づけると、すでに濡れているのか一部分が湿っているのが見えた。
「感じたんだな……」
「嫌っ……馬鹿ぁ……」
 昭雄の言葉に亜衣が激しく体を震わせる。
「ふふ……じゃあ、もっともっと気持ち良くさせてやるからな」
 弾力のある太ももに吸い付き、ペロペロと舐め上げる。
「あっ、あっ、ああっ……駄目、あんっ……そんな、やっ……そんなの、ああんっ……」
 何箇所かに唇を押し付け、舌を激しく這わせる。
「あぅっ、あっ、はぁっ……あっ、あっ、ああっ……」
 股間に舌を近づけると、体がそれまで以上に激しく跳ねる。
「そろそろ亜衣の大事なところを見せてもらおうかな……」
 そう言いながらパンティに手をかけ、ゆっくりと脱がしていく。
「ああ……駄目ぇ……あ……嫌ぁ……」
 息も絶え絶えな亜衣の言葉を無視して白い布を脚から引き抜いてしまう。
 グイと両脚を広げると、ピンク色をした亜衣の秘所が昭雄の目の前にさらけ出された。
「あ……嫌ぁ……兄貴ぃ……ああ……やめてぇ……」
 弱々しい亜衣の声に合わせる様に、すでにヌルヌルの秘所が微妙に蠢く。
 その様子は、まるで男の性器を欲しているかの様だ。 
(ふふ、もうちょっと我慢してくれな……)
 そう心の中で呟きながら、舌を伸ばして秘所を舐め上げる。
「あふぅんっ!……あっ、ああっ、ああんっ……そんな、あっ……そんなぁ、ああっ……そんなの嫌ぁっ……」
 初めて経験するであろう舌の感触に、亜衣は激しく体を震わせている。
「ああっ、あっ、ああんっ……それ、あっ……駄目、ああっ……そんなの、やっ……そんな風にしちゃ、やんっ……駄目だよぉっ……」
 言葉とは裏腹に、腰は微妙に動き口に近づいてくる。
 昭雄はそこにある小さな豆を捉え、舌で包む様に舐め上げた。
「はぅっ! はっ、はぁんっ……あっ、ああっ、いやぁっ……それ、ああっ……それぇ、やぁっ……いい、あんっ……いい、あぅっ……いいよぉっ……」
 亜衣が体を震わせ、初めて行為を受け入れる言葉を叫んだ。
 その事に嬉しくなった昭雄は、熱心にクリトリスを吸っては舐め、吸っては舐めを繰り返した。
「あふっ、あっ、あはぁっ……凄い、ああっ……凄いの、あんっ……それ凄いぃっ……」
 亜衣の手が頭に添えられ、グイグイ股間に押し付けてくる。
「ああっ、あっ、ああんっ……やっ、やぁっ、やぁんっ……あぅっ、あっ、はふぅっ……はっ、はぁっ、はひゃぁんっ……」
 ビクビクビクっと体を震わせたかと思うと、亜衣はそのままグッタリと力を抜いた。
 どうやらイった様である。
 昭雄は体を起こし服を全て脱ぐと、いよいよ体を繋げようと、すでに痛いほど勃起している肉棒を秘所に近づけていった。
「入れるよ……亜衣……」
 囁きかける様に呟きながら腰を進めると、亀頭の先が膣穴にハマる。
 ズプっ……。
「あ……」
 亜衣のぼぉっとした声が聞こえるが、何をされているのか分からないのだろう、そのままジッとしている。
「亜衣……」
 さらに押し込むと肉棒がズブズブと入り込み、ある場所で何かにぶつかるが、それに構わずそのまま腰を進めていく。
「あっ、ぐっ……うぐっ……いっ……」
 亜衣が苦痛に顔を歪める。
「うぅ……」
 一方昭雄は、たまらない感触に頭を仰け反らせた。
 久しぶりに味わう処女の膣は、セックスに慣れたものと違い強烈に締め上げてくる。
 まるで精液を搾り出そうとするかの様なその強烈な締め上げに、昭雄はたまらず腰を引いた。
「あぐっ、いっ……」
 その途端、亜衣が苦痛の声を上げるが、それとは逆に膣は逃がすまいと肉棒に絡みついてくる。
(うぅ……凄い……亜衣のここ……凄いぃ……)
 徐々に腰を動かし出すと、膣は凄まじい快感を肉棒に与えてきた。
 押し込むとさらに奥へ引き込み、抜こうとすると激しく吸引してくるのだ。
 それは母の肉体を抱く時にも感じられるものであり、さすがに親子だと、昭雄は妙なところで感心してしまった。
(そうだよ……俺……自分の娘を抱いてるんだ……血の繋がった、母さんとの子供を……ふふ……そりゃ似てて当然だよな……凄く濃い血を引いてるんだから……)
 自分と母の子供である亜衣は、そういった意味で母の遺伝子を二重に得ていることになるのだ。
 そっくりであって何の不思議もない。
「ぐっ……いぁっ……」
 腰をズンズン動かすと、亜衣が苦痛の声を上げる。
(早く……早く気持ち良くなれ……お前は俺と母さんの血を受け継いでるんだから……とんでもなくエッチな体のはずなんだ……きっとすぐに……すぐに気持ち良くなるぞ……)
 無茶苦茶な根拠に基づいて、昭雄は亜衣が早く快感を得るように祈った。
「いっ……うっ……ああっ……いっ……やっ……」
 その思いが通じたのか、苦痛の声の中に甘い声が混じり始めている。
 嬉しくなった昭雄は、さらに腰の動きを早めた。
「あっ、ああっ、ああんっ……やっ、何? あふぅっ……これ、ああっ……これ何? ああんっ……」
 快感にとまどっているのか、亜衣が不安そうに頭を揺らす。
「これがセックスだよっ……亜衣っ……俺とお前は今繋がってるんだっ……兄妹で繋がってるんだよっ……」
 腰を激しく動かしながら呼びかける。
「あんっ、あっ、やぁっ……馬鹿、ああっ……馬鹿ぁっ……こんな、あんっ……兄妹でこんな、あぅっ……こんなの駄目、あっ……こんなの駄目だよぉっ……」
 亜衣はイヤイヤといった感じで頭を左右に振る。
「これがっ……お前が嫌ってたっ……俺を嫌いなった原因だっ……どうだっ?……分かるだろっ?……こんな気持ちいいのっ……止められないってっ……」
 ズンズンと強く突き込む。
「やっ、やっ、やぁっ……嘘ぉ、あっ……こんな、ああっ……こんなのぉ、あんっ……こんなの嫌ぁっ……」
 亜衣は手で昭雄を押しのけようとするが、力が入らずただ添えるだけになってしまっている。
「俺は嬉しいっ……亜衣とっ……亜衣とセックスできてっ……ずっとっ……ずっと亜衣だけしなくてっ……すまないと思ったからっ……これで許してくれるよなっ……?」
 先ほど思いついた、亜衣が自分に腹を立てていた理由を口にしながら、これまで抱かなかったお詫びをする様に肉棒を突き込んでいく。
「ゆ、許すって、あんっ……許すって、ああっ……こんな事され、あんっ……許すわけ、ああっ……やんっ、やんっ、やぁんっ……いいっ、やっ……いいの、はふっ……気持ちいいのぉっ……」
 快感のためか、否定の言葉が途中で快楽の言葉になってしまっている。
「可愛いっ……ああっ……可愛いよ亜衣っ……お前は最高だぁっ……」
 昭雄は亜衣の体を抱き締めると、唇に吸い付き、小刻みに腰を激しく動かした。
「んんっ、んっ、んぅっ……んっ、んっ……んはぁっ……ああっ、あっ、あはぁっ……」
 上下の口による快楽が亜衣の理性を駆逐したのか、腕が背中に回り、脚が腰に絡みつき、昭雄を求める様に引き寄せてくる。
 柔らかなウェディングドレスが肌に触れ、気持ちの良さを感じさせる。
 ベッドのシーツも白であるため、白に包まれた亜衣は非常に美しかった。
「やっ、やっ、やぁんっ……気持ち、ああっ……気持ちいい、あぅっ……気持ちいいよお兄ちゃぁんっ……あっ、あっ、ああんっ……」
 亜衣は昔の呼び方になりながら、頭を左右に振りギュッと抱きついてくる。
 それは甘えてきていた幼い頃を思い出させ、激しい愛らしさを感じさせた。
「可愛いっ……可愛いっ……可愛いぞぉっ……愛してるっ……亜衣っ……愛してるぅっ……」
 白いウェディングドレスがサラサラと音を立て、自分が花嫁とセックスしているのだという思いをもたせる。
 だがその花嫁は偽物だった。
 本来の持ち主ではない女がウェディングドレスに身を包み、自分はそうと知りつつ犯しているのだ。
 本来ならばそれは背信行為であり、とんでもない事である。
 結婚数日前に妻となる相手ではない女に花嫁衣裳を着せ、セックスしているのだから。
 しかしその行為は、背徳的であるがゆえに妙な興奮を感じさせ、腰の動きをますます早めさせた。
「あふっ、あっ、ああんっ……やっ、やぅっ、やぁんっ……」
 清らかな白に包まれた偽花嫁が可愛らしい声を上げる。
 それは偽とはいえ、あまりにも美しい姿だった。
(そうか……そうだよ……これでいいんだ……)
 昭雄は激しく腰を動かしながら、ある事に気がついた。
(セックスは愛の証し……俺の亜衣への愛情だ……戸籍上は結婚できないけど……こうして実質的に夫婦になってる……亜衣も俺の花嫁なんだ……ああ、ウェディングドレスが良く似合うのは当然だよ……二人は今日、たった今結婚したんだもんな……)
 都合のいい勝手な考えに浸りながら精神的にも快楽を感じていると、腰がそれまで以上に激しく動き、射精感が高まっていく。
「ああっ、あっ、あやぁんっ……凄い、ああっ……凄いよお兄ちゃん、あっ……私、ああっ……私ぃ、やんっ……私おかしくなっちゃうぅっ……」
 完全に快楽に蕩けている亜衣の姿に、昭雄の我慢は限界に達した。
「やんっ、やんっ、やぁんっ……もう駄目、ああっ……もう駄目なの、あんっ……もう駄目になっちゃうぅっ……あんっ、あんっ、ああんっ……イくの、ああっ……イくの、やぅっ……イっちゃうんだよぉっ……あっ、あっ、あやぁあああああんっ!」
「亜衣っ、亜衣っ、亜衣ぃっ!」
 亜衣がギュウッと抱きついてくるのと同時に膣内もキュウっと締まり、それに耐え切れなくなった昭雄は精を放った。
 ドピュドピュドクドクドクドク……。
 狭い膣に多量の精液が勢い良く注がれていく。
 昭雄は体をガクガクと震わせながら、何度も何度も精を放っていった。
 しばらくそうして射精を続けた後、全て放ち終えた昭雄は、そのまま亜衣の体の上に倒れ込んだ。
 ハァハァと荒い呼吸を繰り返しながら、目の前にある可愛らしい顔に魅入る。
(ああ……何て……何て可愛いんだろう……素直な亜衣は何て可愛いんだ……俺の……俺のもう一人の花嫁……)
 今までキツク当たられていた事を考えると、今の亜衣は本当に愛らしかった。
 甘く可愛らしい声に、己を求めてくる柔らかな肉体。
 そしてトドメは「お兄ちゃん」だった。
 いつの頃からか「兄貴」と呼ばれていた昭雄にとって、「お兄ちゃん」と亜衣に言われるのは、たまらない快感だったのである。
「うぅ……」
 亜衣の小さな声が聞こえる。
「亜衣……?」
 顔を覗き込むと、どうやら泣いている様だった。
「兄貴……何で……何でこんな……自分のした事が分かってるのか……?」
 震える声で責めてくる。
「亜衣とセックスした……」
「ぐ……私たちは兄妹だぞっ……兄妹でこんな事っ……何考えてるんだっ……」
 あっさりと答えた昭雄の言葉に、亜衣は一瞬脱力した様だったが、すぐに気を取り直したのか問い詰めてくる。
「だって亜衣が可愛いから……俺……自分の物にしたかったんだ……」
「そ……そんな勝手な……私の気持ちを無視して……」
 亜衣は眉に皺を寄せながらブルブル震えている。
「だけどお前、自分だけしなかったのを怒ってたんだろ?」
「え?」
「俺が母さんや叔母さんとして、それから梨琉とまでしたのに、お前は抱かなかったから……それでずっと怒ってたんだって、そう思ったんだよ……」
「違うよ馬鹿っ」
 亜衣は目をカッと開いて怒鳴った。
「じゃあ、何で怒ってたんだ?」
 自分が結論付けた考えを否定され、昭雄は困惑した。
「そりゃもちろん、母さんや叔母さんとしてる事だよっ。それでその上梨琉とまで……」
「だけどそれで誰かに迷惑かけたのか?」
「え?」
 亜衣は驚いた様に目を丸くしている。
「みんな納得してるんだから、別にしたっていいだろ? 強姦してる訳じゃないし」
「そ、それはそうだけど……」
「亜衣だって気持ち良かっただろ? そう言ってたじゃないか」
「う、それは……だけど、無理やりしていいって事にはならないだろっ」
 亜衣は昭雄の言葉に納得しそうになる自分を叱咤するかの様に頭を振った。
「そうかなぁ……気持ち良かったんだから、嬉しいことじゃないのか?」
「そうじゃないってっ」
「でも俺、亜衣の事が好きなんだ……愛してるんだよ……だから抱きたい……亜衣はそうじゃないのか?」
「なっ……」
 昭雄の突然の告白に、亜衣は顔を真っ赤にして動揺している。
「あ、兄貴……私をそのぉ……好き……なのか?」
「ああ。当たり前だろ」
 昭雄にしてみれば目に入れても痛くないほど可愛い娘だ。
 愛しているのは当然だった。
「で、でも、梨琉と……梨琉と結婚するじゃないか……梨琉が好きなんだろ?」
「そりゃもちろん」
「だったら」
「亜衣も好きなんだよ。母さんや叔母さんも同じだ。俺はみんなが大好きなんだよ。本当は全員と結婚したいけど、日本の法律じゃ結婚できない。だけど梨琉は、梨琉はできるから結婚するんだ。亜衣とだって結婚できれば俺はしたい」
「そんな……」
 亜衣は顔を真っ赤にして目をあちこちに動かしている。
「戸籍上は結婚できないけど、俺は母さんと叔母さんとは夫婦だと思ってる。亜衣とだって、今日実質上結婚したんだ。ほら、ウェディングドレスだって着てるし」
「あ……」
 昭雄の言葉に、亜衣は今さら気づいたかの様に己の着ている服を見下ろした。
「俺と夫婦になってくれないか? それで俺の子供を生んでくれ」
「なっ……」
 亜衣は目を大きく開いて驚いている。
「ば、馬鹿なこと言うなよっ。わ、私たちは兄妹っ……こ、子供なんかっ。こ、子供……」
 だんだんと声を小さくして弱々しく呟いている。
「俺は亜衣との子供が欲しい。だからこれからもセックスをしたいんだ。いいだろ?」
 母や叔母とセックスし、その結果として子供を作った。
 それはこれまで昭雄が経験してきた愛の形だった。
 だからこそ梨琉とも結婚し子供を作りたいのだし、その思いは亜衣に対しても同じだったのである。
「俺との子供を生んでくれよ、な? そのためにいっぱいセックスしよう」
 昭雄は起き上がって亜衣の体を反転させると、その肉付きのいい尻を掴んだ。
「ちょ、ちょっと……何を勝手、あぅんっ……」
 背後から一気に肉棒を押し込むと、亜衣が頭を仰け反らせる。
 入り込んだ肉棒を膣が温かく包み込み、強く締め上げてくる。
「これこれ。亜衣のここは俺のをギュッと掴んで、絶対放さないって感じで……凄く……気持ちいいんだよなぁ……」
 快感に顔を緩ませながら腰を動かし出す。
「馬鹿っ、何言って、あんっ……あっ、あっ、ああっ……駄目、あっ……止め、ああんっ……」
 亜衣は逃げようと前に体を動かそうとするが、強く腰を押し込まれるとすぐにガクリと力を抜いた。
「ああっ、ああっ、ああんっ……駄目、あぅっ……そんな、あっ……それ、やんっ……それ駄目ぇっ……」
 白いウェディングドレスを着た少女が、四つんばいになって尻を高く掲げ、自分の腰の動きに合わせて甘い声を上げる。
 それは昭雄にとってたまらない快感だった。
「あふっ、あっ、あはぁっ……そんなの、ああっ……そんな、やんっ……それぇ、ああんっ……」
 亜衣はシーツをギュッと掴み、強く引き寄せている。
 それが感じている快感の強さを思わせ、昭雄に激しい興奮を与えた。
「亜衣っ……亜衣っ……愛してるぞぉっ……」
 手触りのいい尻を掴み、激しく腰を動かす。
「ああっ、ああっ、ああんっ……兄、やぁっ……そんな、あっ……凄、ああんっ……それ凄いぃっ……あんっ、あんっ、ああんっ……」
「の」の字に腰を動かすと、亜衣が頭を激しく仰け反らせる。
「これがいいのかっ?……もっとして欲しいかっ?……」
「あふっ、あっ、それ、やんっ……それいい、はぅっ……それもっとぉっ……」
 母も叔母もそして梨琉も、皆この動きを喜んだ。
 同じ血を引く亜衣もきっとそうだろうと思ったが、やはりその考えは間違っていなかった様だ。
「あっ、あっ、ああっ……して、やっ……してぇ、やんっ……もっと、あぅっ……もっとしてぇっ……はんっ、はぁっ、はぅんっ……」
 快楽に流され始めたのか、亜衣は激しく求める言葉を発している。
 それを昭雄が喜ばないはずがない。
 さらに腰の動きが強まった。
「ああんっ、ああんっ、あやぁんっ……それ、ああっ……それいいの、はぁっ……それがいいのぉっ……やっ、やっ、やぁんっ……」
 頭を左右に激しく振るとポニーテールの髪が揺れ、それに興奮した昭雄は、背後から豊かな乳房をギュッと掴み、ヤワヤワと揉み上げた。
「ああっ、あっ、オッパイ、やんっ……オッパイぃっ……あっ、あっ、あふぅっ……それ、やっ……そんな、あんっ……そんなのぉっ……」
 乳首を摘み、クリクリと動かすとさらに頭の動きが激しくなり、ポニーテールがさらに激しく揺れ動く。
「この髪型っ……俺が前に好きだって言ったからっ……ずっとそうしてたんだろ?」
「ち、違、やんっ……あっ、ああっ、ああんっ……」
「隠さなくていいんだよっ……亜衣が俺のこと好きなのっ……ずっと分かってたんだからっ……怒ってたのだってっ……自分だけ相手にしてくれないんでっ……拗ねてたんだよなっ……」
「違、ああっ……違うもん、やぁっ……違うぅっ……やっ、やっ、やぁんっ……」
 もう普段の言葉遣いが嘘の様に、亜衣は可愛らしく悶えている。
「可愛いぞ亜衣っ……拗ねてたってっ……お前は可愛いんだっ……」
「やんっ、やんっ、やぁんっ……はっ、はぁっ、はふぅっ……」
 腰の動きが早まり、そのたびに亜衣の喘ぎが甘く大きくなっていく。
「ああんっ、やっ、はぁっ……もっとっ、もっとっ、もっとぉっ……あっ、あっ、ああんっ……お兄ちゃん、あぅっ……おにぃ、はぁっ……お兄ちゃんいいよぉっ……はんっ、はんっ、はぁんっ……」
 再び「お兄ちゃん」と呼ばれ、昭雄の興奮は最高潮に達した。
「あぐっ、あっ、あやぁんっ……はぅっ、はっ、はひゃぁっ……ひゃぅっ、あっ、駄目、ああんっ……もう駄目、あっ……私もう駄目だよぉっ……あんっ、あんっ、ああんっ……イく、ああっ……イくの、あやぁっ……イっちゃうのぉっ……やぁあああああああっ!」
「亜衣ぃっ!」
 激しい開放感と共に精を放つ。
 ドクドクドクと凄まじい勢いで精液が亜衣の膣に注ぎ込まれていく。
(ああ……亜衣……亜衣……亜衣ぃっ……)
 昭雄は愛する娘の肉体を抱き締めながら、何度も何度も精を放っていった。
(俺の……俺の精液が……亜衣の中に……娘の中に入ってるんだ……ああ……たまらない……)
 母との禁じられた交わりによって生まれた娘。
 その娘の肉体を貪り、膣に精液を注ぎこんでいる。
 それは二重の背徳感を感じさせ、射精の快感を信じられないほど高めた。
(俺は……亜衣とするっ……亜衣とこれからもするんだぁっ……)
 新たに手に入れた女体に、昭雄の中の雄が刺激を受けたのか、射精を終えたにも関わらず、肉棒はすぐに回復していった。
「あっ……何で? あんっ……兄貴、ああっ……」
 それを感じたのか、亜衣が驚きの声を上げている。
「まだしようっ……もっとしようっ……ずっとしよう亜衣っ……」
 昭雄は亜衣の顔をこちらに向けると、その愛らしい唇に吸い付いていった。


 あれから数週間が経った。
 結婚式を無事に終え、叔母の家に本格的に住みだした昭雄は、今日久々に実家に戻ってきていた。
 ある目的を果たすためである。
 母は用事で出かけているため、家には他に誰もおらず、目的を行なうのにちょうどいい状態と言えた。
 その目的とは、亜衣とセックスすることである。
 先日強引に抱いた後、亜衣は一人悲しげな表情を浮かべながら家に帰っていった。
 昭雄としては喜ぶと思っていただけに少し拍子抜けだったのだが、母の時も似たようなものであったので、これから何度も抱いていけば自分に甘える様になるだろうと思い、特に気にはしていない。
 だがいつまでもほったらかしにしていては、以前の様に怒るに違いないと思った昭雄は、そのお詫びも兼ねて今日やって来たのである。
(ふふ……久しぶりに亜衣の……あの若い体とできるんだ……)
 昭雄は嬉しさに体を震わせた。
 実は最近梨琉が妊娠したため、母体を慮ってずっと叔母とばかりセックスをしていたのだ。
 妊娠中のセックスに危険はないと言われてはいるが、それでも絶対安全だと思っていない昭雄は、梨琉とのセックスを自らに禁じたのである。
 叔母の体に不満はないが、今まで若い肉体も抱いていたため、どうしても物足りない感じがしてしまっていたのである。
 しかも目の前を梨琉の美味しそうな肉体が通りすぎるたびに、襲い掛かりたくなる欲求が湧き起こってしまい、かなりの忍耐を強いられていたのだ。
(これからはもっとこっちに来る様にしよう……)
 今までは結婚後のゴタゴタで忙しかったが、今はだいぶ落ち着き、来る事に何も問題はない。
 己の性欲の捌け口としてもだが、何より亜衣の機嫌を取らねばならないだろう。
 以前の様に放っておくと、またキツイ態度になりかねないからだ。
(あいつはホント……すぐ拗ねるからな……)
 昭雄は亜衣の怒った顔を思い浮かべて苦笑した。
(でもそれが可愛いんだけどさ……)
 そんな事を考えつつ、昭雄は自分の部屋で本を読みながら、亜衣が帰ってくるのを待った。


 しばらくして、そろそろ亜衣が帰宅する時間だと思っていると、玄関のドアが開く音がし、軽やかに階段を昇る音が聞こえてきた。
 ドアをそっと開けて廊下を眺めると、目の前にセーラー服を身につけた亜衣の姿が見えた。
(亜衣……やっぱり可愛い……)
 ゴクリと唾を飲み込む。
 久しぶりに見たが、やはり素晴らしい肢体だった。
 グラビアアイドルとしても十分やっていけるほどの均整のとれた肉体。
 豊満な乳房が胸元を押し上げ、プルプルと震えている。
 短いスカートから伸びる太ももは、実に健康的で舐め回したくなる欲求を湧き起こさせるほどだ。
 セーラー服に身を包んだその肉体は、男ならむしゃぶりつかずにはいられないだろう。
(ああ……早く……早く抱き締めて、舐めまわして、吸い付いて、揉みまくって……チンポを……チンポを押し込んで、動かして……悶えさせたいぃ……)
 まるで誘うかの様に揺れるポニーテールを見つめつつ、昭雄は呼吸を荒くしながら近づいていった。
「亜衣っ」
 部屋に入った瞬間背後から抱き締め、その豊満な乳房を両手で揉みしだく。
「あんっ……あっ、こらっ、あんっ……兄貴、あっ……何を、ああんっ……」
「可愛い……可愛いぞ亜衣……お前はやっぱり可愛い……」
 ムニムニと乳房を揉み、首筋に舌を這わす。
「あっ、ああっ、ちょっ、ああんっ……駄目だって、やっ……止め、ああっ……」
 紺色のヒラヒラとしたスカートの中に手を突っ込み、パンティの上から秘所をなぞる。
「はぅっ……あっ、嫌っ、駄目っ……あんっ、ああっ、いやぁんっ……」
 亜衣が可愛らしく悶え、その反応に肉棒がピクピクと震える。
「どうして、ああっ……何でうちに、やんっ……」
「梨琉が妊娠したからなっ……今日からちょくちょく亜衣を抱いてやるぞっ……」
「ば、馬鹿、あんっ……そんなの浮気、ああっ……梨琉に怒られ、やぁんっ……」
「梨琉は知ってるよっ……『私の代わりに亜衣ちゃんを抱いてあげて』って言われたんだっ……」
「そ、そんなっ……あっ、ああっ、ああんっ……梨琉が、あっ……何で、あぅっ……」
 亜衣が不思議がるのも当然だろう。
 だが元々母や叔母との関係を認めていた梨琉は、それに亜衣が加わった事について気にしていない。
 それどころか逆に喜んでいるのだ。
 昔から梨琉は、亜衣に自分と同じ喜びを知って欲しがり、色々な事を強引にさせたりしていた。
 おそらくセックスについても同じ考えなのに違いない。
「お前たちは親友だからな」
 昭雄は娘同士の仲の良さが嬉しかった。
 ムニムニと乳房を揉みしだきながら、亜衣をしゃがませて前に押し倒す。
「親友って、ああっ……おかしいよ、あんっ……そんなの、やっ……そんなのおかしい、ああんっ……」
 四つんばいになりながら異議を唱える亜衣のスカートを捲くり、パンティを引き下ろす。
「『お兄ちゃんの良さを知って欲しい』って言ってだぞ」
「何それ、ああっ……そんなの、あんっ……分かんない、ああっ……」
「何言ってるんだ……分かってるだろ。こういう事だ、よっ」
 すでにギンギンに硬くなっていた肉棒を一気に押し込む。
「ああんっ……馬鹿、やっ……そんな、ああっ……そんなの、あんっ……そんなの駄目ぇっ……あっ、あっ、あやぁんっ……」
 亜衣は床に手を付きながら、背後から送られてくる快感に悶えている。
「そんなこと言ってっ……気持ちいいんだろっ?……亜衣は素直じゃないからなっ……」
「ち、違、あんっ……そんな事、やっ……あっ、あっ、ああっ……駄目、ああっ……駄目だって、やぁっ……駄目なのぉっ……」
 体を激しく前後に揺らしながら、振り返ってせつなげに叫ぶ。
 その表情はあまりに可愛らしく、たまらなくなった昭雄は腰の動きを早めた。
「そらっ……どうだっ……いいだろっ?……いいだろぉっ?」
「ああっ、ああっ、ああんっ……それ、やっ……それ駄目、はぅっ……それ駄目なんだよぉっ……あんっ、あんっ、ああんっ……」
 頭を左右に振るたびに、ポニーテールの髪が激しく揺れ、亜衣の快感の高さを示す。
「ふふっ……この髪型にセーラー服っ……たまらないなっ……」
 お気に入りの髪型に加え、元々大好きなセーラー服姿の亜衣を四つんばいにさせ、紺のヒラヒラとしたスカートを捲り上げて後ろから肉棒を突き込む行為は、昭雄にとって最高の快楽だった。
「やっ、やぁっ、やぁんっ……あぅっ、あっ、あはぁっ……」
 興奮が腰の動きを早め、それに伴って亜衣の声もより甘く大きくなっていく。
「それにっ……亜衣のオッパイは大きいからなっ……揉みがいがあるっ……」
 背後から手を伸ばし、制服の中に手を入れてブラジャーを押し上げると、直接乳房を揉みしだく。
「あっ、ああんっ……駄目、やっ……胸をそんな、あぅっ……兄、やぁんっ……駄目だよぉっ……」
 乳首をクリクリと摘むと、ビクビク震えて腕をガクリと崩す。
「ふふっ……亜衣は可愛いなっ……ホント可愛いっ……」
 尻を抱えて、腰を「の」の字に回転させる。
「あふっ、あっ、あやぁっ……駄目、ああっ……駄目だったら、あんっ……そんな、やっ……そんな風に、あっ……腰を動かしちゃぁ、はぅっ……いやぁんっ……」
 甘く叫びながら何度も何度も頭を仰け反らせる。
「何だぁっ?……もっとして欲しいってっ?……しょうがないなぁ亜衣はっ……我儘なんだからっ……」
 わざと聞き間違えたフリをして、さらに腰を強く回転させる。
「ああんっ、ああんっ、あやぁんっ……駄目、ああっ……こんなっ……凄い、あんっ……凄いよ、あぅっ……お兄ちゃん凄いよぉっ……」
 亜衣は床に爪を立て、尻をピクピク震わせながら、自らも腰を振り出している。
(よっぽど気持ちいいんだな……ふふ……そういう俺も……凄く……気持ちいいけどな……)
 昭雄は、亜衣とのセックスに激しい興奮を感じていた。
 何しろ嫌がっている状態を次第に従わせるのだ。
 男として、いや、雄としてこれほどの快楽はないだろう。
(ふふ……最高だよ……亜衣……)
 たまらなくなった昭雄は、さらに激しく腰を叩きつけていった。
「あぅっ、あっ、ああんっ……そんな、やぅっ……お兄ちゃん、やぁっ……激し、あんっ……激しい、やっ……激しいよぉっ……」
 頭を左右に強く振り、そのたびにポニーテールがブルンブルン揺れる。
「はんっ、はんっ、はぁんっ……もう駄目、やっ……もう駄目だよ、やぁっ……わたしもう駄目なのぉっ……あんっ、あんっ、ああんっ……」
 亜衣は我慢できない様に体全体を震わせている。
「よしっ……イくぞっ……亜衣っ……イくからなぁっ……」
「はぁっ、はっ、はひゃぁっ……お兄ちゃん凄い、ああっ……お兄ちゃん凄、あっ……お兄ちゃん凄いんだよぉっ……あっ、ああっ、あやぁんっ……おにぃ、はふっ……おにぃ、やっ……亜衣、やぅっ……亜衣駄目、ああっ……亜衣駄目ぇっ……あぁあああああああっ!」
「うぁっ!」
 二人の絶叫が重なり、昭雄の肉棒から精が放たれる。
 ドピュドピュドクドクドクドク……。
 たまらない快感と共に多量の精液を放ちながら、昭雄は体をガクガクと震わせた。
 何度も射精が繰り返され、しばらくした後にようやく放出が止まる。
 そのまま力を抜いて亜衣の体の上に倒れ込み、ハァハァと荒い呼吸を繰り返しながら、愛する娘の肉体の感触を味わう。
(俺の……俺の娘……)
 このグラビアアイドルの様に豊満な肉体が自分の物なのだ。
 本来娘の体を抱くなど許されないことだろう。
 だがすでに母と叔母を抱き、そして娘と結婚した昭雄にとって禁断の行為など何もなかった。
(ふふ……やっぱりセーラー服はいいなぁ……亜衣はホント良く似合うよ……)
 せつなげに瞳を潤ませながら、ボンヤリとしている亜衣の顔を見つめていると、その愛らしさに肉棒が再び硬くなっていく。
「あ……」
 それに気づいたのか、亜衣が微かに声を上げた。
「またしてやるからな……嬉しいだろ?」
 起き上がり胡坐をかくと、正面向きにした亜衣の体を乗せて抱き締める。
「ホント、亜衣のオッパイは大きいよな……」
 そう言って豊満な乳房をヤワヤワと揉みしだき、すでに大きくなっている乳首を口に含む。
「あんっ……駄目、やっ……嫌だって、あんっ……兄貴、ああんっ……」
 嫌だと言っても、亜衣は決して離れようとはしない。
 その否定の言葉は言い訳なのだと昭雄は思っていた。
 自分は兄の行動に同意している訳ではなく、無理やりされてしまっているのだという言い訳。
 本当は自分も望んでいるにも関わらず、納得する訳にはいかないと意地を張っている己を誤魔化すための手段なのだ。
(ふふ……まったく親子でそっくりなんだから……)
 それは母とセックスする時にも経験してきた事であったため、昭雄は妙なところで似ている母娘に苦笑した。
「あ、馬鹿……兄貴、駄目だって……駄目、あぅんっ……あっ、あっ、ああっ……」
 膝の上に乗せたまま激しく腰を揺らし出すと、亜衣はすぐに甘い声を上げる。
(本当はもっとして欲しいくせに……可愛い……可愛いよ亜衣は……ホントに可愛い……ああ……俺の……俺の娘……俺の天使……亜衣は……亜衣は俺の宝物だぁ……)
 快感にギュッと抱きついてくる亜衣の肉体の感触にますます肉棒を硬くしながら、昭雄は腰の動きを早めていくのだった。












あとがき

 昭雄くんシリーズ第四弾(笑)
 また同じ主人公でやりました。
 本当は前作で二人ともヤるつもりだったんですけど、梨琉ちゃんに集中したくなったんで単独の話にしました。
 それでまた小学生なのも何なんで、高校生ということに。
 反抗的な態度という設定は変わってません。
 そういう相手を従わせるというのが興奮するもんで(笑)
 従順な妹ばかりではつまりませんしね。
(2005.4.16)



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