背徳の夜這い


 直也は田舎に来ていた。
 母の実家は慣習を大事にしているため、毎年彼岸には親戚一同が集まるのが恒例になっていたのだ。
 幼い頃はイトコたちと会えるのが楽しくそれなりに面白く過ごせたのだが、さすがに十五歳ともなると面倒臭い気持ちが大きかった。
 せっかくの休みなのだから家でゴロゴロしていたかったのである。
 思春期という事もあって、親戚の伯父伯母連中から色々話しかけられるのもウザったかった。
 だが来てしまったものは仕方なく、せめて話しかけられるのを避けようと思った直也は、賑わっている祖父の家を出て庭でぼんやりとしていた。
「つまらなそうだね、直ちゃん」
 声に振り向くと、そこには五歳年上の従兄の公也が立っていた。
「そうでもないよ、こうして庭を見てるとそれなりに面白いから……」
 他の誰かであれば無愛想に返事をしただろうが、相手が公也となればそうもいかなかった。
 昔からよく遊んでもらったため、それなりに気を許していたからだ。
 だが愛想良く答えたつもりが、実際喋った口調が不機嫌になっている事に自分で驚く。
「そうかそうか……でも直ちゃんも今年は十五だから、それなりに楽しくなるよ」
 気を悪くしたのではないかと思ったが、にこやかに笑ったままな公也に恥ずかしくなる。
 きっと子供っぽい態度だと思われたに違いない。
「この地域の慣習でね、十五歳ってのは成人の年齢なんだ。法律じゃ違うけど、この地域にいる限り、大人として認めてもらえるんだよ」
「ふ〜〜ん……」
 恥ずかしさもあって、特に興味が無い口調で答えてしまう。
 だが実際それがどうしたのだろう、という想いがあったのだ。
「直ちゃんは去年まで子供だったから知らないだろうけど、今年からはしていい事があるんだよ」
「していいこと?」
 何の事だろうか。
 大人がしていい事と言えば、酒を飲むことやたばこを吸う事だろう。
 だがどちらにしても直也は興味が無かった。
「夜這いって知ってるかな?」
 不意に出た単語に驚く。
 それはいやらしい意味を含んだ言葉であったため、恥ずかしくなった直也は思わず視線をそらした。
「夜に女の人の寝床に忍び込んでセックスしちゃう事なんだけどね。その慣習がこの地域では残っていてさ、大人になったらしていい事になってるんだよ」
(!……)
 その言葉に心臓が激しく鼓動する。
 つまりそれは十五歳になった自分にもその資格があるという意味だったからだ。
 できるならセックスをしてみたかった。
 だがそうは言っても、夜這いという相手の了解を得ない状況でその様な事をするなど直也には無理だった。
「してみたいだろ? セックス」
 内心を見透かした様に尋ねてくる言葉に思わず体を震わせてしまう。
「当然だよな。誰だってそうだよ。俺もそうだったし」
 否定しようとするのを先回りする様にして公也は言葉を続けた。
 そうやって「普通の事だ」という感じで言われると、ある程度恥ずかしさが減り、できるならしてみたいという思いが強くなった。
「俺が準備してあげるからさ、しなよ、夜這い」
「え……?」
 まさか本気で夜這いをさせるつもりだとは思わなかった直也はギョッとなった。
「実は近所に最近旦那さんを亡くした女性がいてね、そういう人はここいらの男が抱いていい事になってるんだよ。相手は人妻だった人だから、初めてでも上手く誘導してくれると思うし、直ちゃんの相手としていいと思うんだ。どうかな?」
 どうかな? と言われても直也には答えようが無かった。
 だが内心その人は美人なのだろうか、などと考えている自分に恥ずかしくなる。
「もちろん美人だよ。スタイルもいいし、胸も大きいから多分凄くいいと思うんだ」
 再び内心を見透かした様にして言われたため体を震わせてしまう。
 そしてそんな女性相手に童貞を捨てられるとすれば最高ではないか、と心臓が激しく鼓動した。
「ちょうど今手伝いに来てるから確認するといいよ」
 そう言って歩き出した公也に、考えるよりも早く体が勝手に動いて付いていく。
(お、俺……何してるんだ……?)
 恥ずかしさからすれば断るのが当たり前なのだが、そうは言ってもやはりセックスに対する興味は大きかった。
 できるものならしてみたい。
 せっかくの機会なのだからすべきだろう。
 などといった想いが頭をグルグルと回り、直也の頭はセックスで一杯になるのだった。


 次の日の朝、直也はボンヤリとしていた。
 何故なら昨夜刺激の強すぎる光景を見たからだ。
 結局夜這い先まで行った直也は直前になって怖じ気づき、何もできなかったのだが、その代わりに手本を見せるといって女性の家に忍び込んだ公也がセックスしている様子を一部始終眺めたのである。
 相手の女性は昼間のうちに確認していたが、三十代の非常に美しい人で、その様な女性が悶える姿にかなりの刺激を受けたのだ。
 田舎だけに月明かりしかない中、寝ている女性の傍へ近づいた公也が浴衣を脱がして体に触れ始めると、女性の穏やかだった呼吸が乱れていく様は激しい興奮を呼び起こした。
 続けて目を覚ましたらしい女性が抵抗を示すのだが、公也が色々している内に大人しくなっていった。
 そのまま公也の腰が前後に動き出すのと同時に「あっ、あっ」といった甘い声が漏れ聞こえ、直也の心臓は痛いほどに鼓動した。
 数分後に女性が大きく呻き、公也の体が硬直して力を抜く様子が見え、どうやらセックスが終わったらしい事が分かった。
 その後も何度か同じ様な事が行われるのを鼻息を荒くしながら見つめ、股間が先漏れの液で冷たくなっていくのをボンヤリと認識していった。
 気がつくと近くに公也が居て帰宅する事を告げられ、家に向かう途中「二人で夜這いするのはルール違反だから今日は直ちゃんは抱けないけど、これでやり方が分かったろうから明日はヤるんだぞ?」と言われたのだった。
(それにしても、綺麗だったなぁ……)
 昨夜見た月明かりに映える女性の白い裸身は芸術作品の様でとても美しかった。
 自分もあの白くて柔らかそうな体を抱き締め、舐め回してみたい。
 そんな事を考えながら女性の裸体を思い出すだけで股間の肉棒が熱くなってたまらなかった。
「直ちゃん何してるの?」
 不意に声をかけられ、直也は驚きに体を震わせながら振り返った。
「な、何でもないよ……」
 そこに居たのは母だった。
 いつもならどうという事はないのだが、いやらしい妄想をしていたためドギマギしてしまう。
「そう……まあ、いいわ。それより公也くんに迷惑かけちゃ駄目よ? 夜も一緒に遊びたいからってわざわざ同じ部屋にしてもらったんだから」
 昨夜夜這いへ行くためにそういう言い訳をして公也と同室になったのだ。
「分かってるよ……」
 無愛想に答える。
 その直也の様子に母は困った様な顔をしながら離れていった。
(ふ〜〜、どうしてこんな風に答えちゃうんだろ……)
 本当は母にはもっと普通に接したかった。
 昔から直也は母の事が好きであり無愛想にするつもりは無いのだが、中学にあがった頃からそういった態度になってしまっていたのだ。
 母親とベタベタしている様に見られるのが恥ずかしく、マザコンだと思われるのが嫌だったのだ。
 それはこの年頃であれば普通の反応であるのだが、母に嫌な想いをさせてしまっていると思うと罪悪感があった。
(母さんゴメン……)
 心の中で母に謝りつつ、再び昨夜の女性の裸身を頭に思い浮かべる。
(そういや母さんも結構胸大きいよな……って、何考えてるんだ俺……)
 不意に今見た母の胸の膨らみを意識し、昨夜の女性と同じくらいじゃないか、などと考えてしまった事に苦笑する。
(ちょっと興奮しすぎかもな……でも今夜はいよいよあの女の人と……)
 初めての経験をする事に心臓の鼓動を速めつつ、直也は落ち着かない衝動に包まれるのだった。


「それじゃ俺はこれで帰るから、後はしっかりやれよ」
「え? か、帰っちゃうの?」
 夜、昨日と同じ様に女性の家の前まで来た直也は、そう言ってきた公也の言葉に動揺した。
「大丈夫だって、相手は慣れてるからさ。昨日お前の事もそれとなく言っておいたし、上手くできる様に誘導してくれるはずだよ」
「い、言ったの?」
「まあな。何しろ直ちゃんは初めてなんだし、ちゃんとできないかも知れないだろ?」
 確かに言われてみればその通りだった。
 経験者である女性に導いてもらった方がいいに決まっている。
「でもそんな風にしてくれるのなら、何で夜這いなんて形でするのさ。普通にお願いすれば……」
「そこがまあ、世間体ってやつだよ。公に何人も男を迎え入れたら淫乱な女と思われちゃうだろ? だけど男の方から襲うのなら仕方なく受け入れているって体裁ができるからな」
 なるほどそういうものか、などと思いながら、相手が自分の事を確実に受け入れてくれると分かって少し落ち着く。
 昨夜公也がしているのを見たとはいえ、やはりよく知らない男に襲われて受け入れるというのがイマイチ納得できなかったのだ。
「だから一応抵抗はしてくるから気をつけろよ。今言った体裁を整えるために嫌がるフリをするはずだから」
「そ、そうなんだ……」
 そういえば昨夜も女性は最初抵抗していたのだ。
 それは覚悟しなければならないのだろう。
「ま、抵抗されるとこっちも興奮するからな、あれも夜這いの楽しみの一つってことさ。じゃ、頑張れよ」
 そう告げると公也は去っていった。
 足音が遠ざかると、周囲は静かな状態になった。
(ど、どうしよう……って、家に入らなきゃな……夜這いするんだもん……)
 いざとなるとやはり怖じ気づく。
 だが脳裏に昨夜の女性が悶える姿が浮かぶと股間の一物が硬くなり、早く抱きたい気持ちが押し寄せてきた。
(よ、よしっ……ヤるか……)
 意を決して窓を開け、部屋の中へ入っていく。
 今日は曇りのせいか月明かりが少なく、部屋の様子はあまり分からなかった。
 だが手探りで近づいていくと、ようやく布団の傍まで着く事ができた。
(お願いします……)
 心の中でそう呟きながら、童貞を卒業させてくれる相手に頭を下げる。
 ゆっくりと布団をはぎ、浴衣に包まれた肉体をジッと見つめる。
 首から胸元にかけて肌が白さを見せており、ドキンドキンと心臓を鼓動させながら手を差し入れると浴衣の胸元をくつろげていく。
「ん……んん……」
 不意に女性が声を漏らしたため体を硬直させるが、どうやら気づいた様子は無かったので直也は大きく息を吐き出した。
 いや、本当は気づいているのだろう。
 何しろ今日夜這いがある事を知っているのだから、きっと寝ているふりをしているに違いない。
 そう思うと何やら安心感が湧き起こった。
 少し大胆になり、のし掛かる様にして一気に胸元を広げていく。
(おおっ……オッパイ……)
 暗くてよくは見えないが、そこには確かに膨らみがあるのが分かり、初めて目にする乳房に直也の興奮は激しく高まった。
(や、柔らかい……)
 そのまま手で触れてみると指が少し食い込んだためその感触に驚きつつ、湧き起こってくる興奮に押される様にしてギュッと掴む。
(す、すげ……柔らかい……)
 手のひらから伝わってくる弾力に、直也は夢中になって指を動かしていった。
「んっ……あっ……」
 すると女性の唇から甘い吐息が漏れるが、今度は気にせず揉み続ける。
(凄い……何か凄い……)
 手のひらに伝わってくる柔らかな感触は、いつまでもそうして揉み続けたい気持ちにさせた。
 とにかく揉むと心地良くてたまらないのだ。
「あっ……んっ……え……?」
 興奮を高め鼻息を荒くしつつ何度も胸を揉んでいると、ようやく寝たふりを止めたのか女性が目を覚ました声がした。
「!……」
 続けてハッと息を飲む音が聞こえ、無言で逃げる様な動きをしたため慌てて体を押さえ込む。
 女性はそれに逆らう様に体を動かすが、直也も必死に体を掴んだ。
 それは完全に強姦状態であり、普段であれば臆して何もできなくなってしまっただろうが、乳房を掴んだ感触が直也の中の雄を刺激し、肉棒を押し込むまでは逃がすものかという意識で頭を一杯にさせていた。
 女性が無茶苦茶に体を動かして逃れようとするのを、抱き締めたり布団に押しつけたりして押さえる。
「!……!……」
「!……!……」
 お互い無言であり、激しい呼吸音だけが部屋に響いていた。
 そしてその全く喋らない状態が、直也に相手の女性が本気で嫌がっていない確信を持たせた。
 今の状態から逃れたければ普通叫ぶだろう。
 何しろ近くの部屋には親戚が寝ているのだから、大声をあげれば何事かと思って部屋へ来るはずだからだ。
 それに抵抗する動きにしてもほとんど力が入っておらず、小学生でも押さえられるほどでしかなかったため、直也はそれを公也の言った「体裁としての抵抗」として受け取った。
「あっ……んっ……」
 いい加減抵抗するフリをやめないかっ、という意思を込めて乳房をギュッと掴むと、女性は小さな声をあげて体を硬直させた。
 それは今までと違って完全に甘い、女性が快感を得ている時に発する声だった。
 昨夜何度も聞き、今日頭の中で渦巻いていた女性の喘ぎ声だったのだ。
 その事で抵抗する気力を無くしたのか、女性はハァハァと荒い呼吸をしながらぐったりとした様に横たわっている。
 ようやく自分を受け入れてくれるのだと思った直也は、嬉しくなりながら今度は優しさを込め、気持ちの良さを与える様にして乳房を揉みしだいた。
「あっ……はぁ……んっ……」
 すると女性はピクッと体を震わせながら甘い声を漏らした。
 その反応に今まで以上の興奮を覚えつつ、何度も乳房を揉んでいく。
 抵抗していた相手を屈服させた感覚が支配欲を激しく刺激したのだ。
(乳首を……吸ってみたい……)
 手のひらに当たる硬い感触にそれが乳首だと思った直也は、口内に唾液が湧き出てくるのを感じながら、顔を近づけると小さな突起に吸い付いていった。
「あんっ……」
 それまで以上に女性が強い反応を示したのに興奮を高めつつ、舌先に触れる乳首の感触に鼻息が荒くなる。
 それは硬くて柔らかな、吸い付いていると何とも心地のいい感触だった。
「あっ……んっ……あっ……」
 チュパチュパチュパと勢い良く吸い付いては放すのを繰り返す。
 思い切り吸い上げると乳房が伸び、放すとタプンと揺れるのがたまらず、そうしていると女性の呼吸が激しく乱れ、感じているのが分かった。
「ああっ……あんっ……やっ……」
 そのまま乳房を揉み、乳首を吸っていくと反応が強まっていき、興奮した直也は女性の体にのし掛かり、ギュッと抱き締めた。
(ああ……凄い……気持ちいい……)
 乳房ももちろん良かったが、自分の体の下にある柔らかな肉の感触もたまらなかった。
 それはすでに熱くなっており、こちらの体をしっかりと受け止めていて、まるで直也にもっと抱いて欲しいと主張しているかの様だった。
(俺……セックスするんだ……セックスするんだよ……)
 女性の熱い吐息、蠢く柔らかな体を意識すると、自分が女性を抱いている意識が強まり、股間の一物が激しく猛った。
 しかも相手は美人でスタイルのいい女性なのだ。
 今は暗くてよく見えないが、昼間服の上から眺めた豊満な乳房を揉みしだき、美しい顔を快楽で歪ませているのである。
 そして間もなく自分はその女性に童貞をもらってもらうのだ。
 それは落ち着かない衝動を呼び起こし、思わず股間の一物を相手の体に擦りつけてしまう。
(うっ……)
 途端、鋭い快感が走り抜け、射精してしまいそうになったため慌てる。
 あまりに強い刺激を得ているせいか、かなり早漏気味になっているらしい。
 このままでは入れる前に射精してしまうだろう。
 それだけは避けたかった。
(ちゃんと入れて出さなきゃな……)
 直也は数度深呼吸をすると気分を落ち着かせた。
 続けていよいよとばかりに女性の下半身に移動し浴衣を剥ぐと、震える手をパンティにかけて引き下ろす。
「!……」
 するとまた女性が抵抗を示し、逃げようと体を動かし始めた。
 だが相変わらず声を発しないし力も大して強くなかったため、本気ではないのが分かった。
 そしてそういう抵抗をされると興奮が激しくなるのを感じた直也は、もしかして相手の女性は、抵抗する事で直也を興奮させようとしているのではないかと思った。
 公也も言っていたではないか、「抵抗されるとこちらも興奮する」「抵抗される事が夜這いの楽しみだ」と。
 女性はその事を知っていて、直也を興奮させようとしているのではないだろうか。
 そう思うと余裕が生まれ、直也は女性の激しくはあるが弱い抵抗を抑え込むと、肉付きのいい太ももを掴んで脚を左右にグイと開いた。
(これが……女なんだ……)
 顔を近づけると、薄暗いながらもそこに息づく肉の様子が伝わってきて心臓が激しく鼓動する。
 初めて見るそこはすでに濡れているのか、微かな月明かりにキラキラと光を放っていた。
「あっ……んっ……」
 肉棒を入れるべき穴を確認しようと指でなぞると、女性の体がビクビクっと震えたため思わず指を放す。
 知識では分かっていたものの、ここが女性にとって気持ちのいい箇所だという認識が薄かったためその反応の敏感さに驚いたのだ。
「あんっ……」
 そのままゆっくりなぞっていると、女性が声をあげると共に指が何かに入り込む感触があった。
(ここか……)
 そこに肉棒を入れればいいのだと思うと奇妙な感慨を覚える。
 男には存在しない穴があるという事実に、今更ながら男女の肉体の違いを感じたのだ。
 位置を確認したのなら後は入れるのみだ、と思った直也は、落ち着き無くズボンとパンツを脱ぐと、肉棒を持って秘所に近づけていった。
(くっ……うっ……)
 初めてのせいか上手く膣穴に亀頭がハマらず、秘所を擦って快感が走る。
 思わず射精しそうになるのを堪えながら、ゆっくりと位置を確認しつつ肉棒を移動させていく。
 先ほど確認した穴の付近で腰を押すと、ズブっといった感触と共に肉棒が何かに入るのが分かった。
「うぅっ……」
 瞬間、亀頭に襲いかかった刺激に体を仰け反らせる。
(な、何て気持ちいいんだ……)
 股間から押し寄せてくる快感にうっとりとした表情を浮かべる。
 この世にこれほど気持ちのいい事があるのだろうかと思えるほど、肉棒はたまらない快感に包まれていたのだ。
「あ……は……」
 女性がピクっピクっと体を震わせ、それによって発生した刺激によって腰が勝手に動き肉棒を押し込んでいく。
 ズブズブ……。
「うぅっ……はぐっ……」
 入り込んでいく肉棒の感触と共にたまらない快感が股間から背骨を通じて駆け抜け、直也は頭を仰け反らせて硬直した。
(ス、スゲ……もっとスゲ……)
 入れた瞬間もたまらなかったが、押し込む時の刺激はさらに凄まじかった。
 亀頭が湿った襞と擦れながら柔肉を押し分けていく事により、体中をヤスリで擦られる様なゾクゾクする快感を得たのだ。
 それは頭が真っ白になりそうなほどの強烈な気持ちの良さだった。
(こ、これで全部……)
 これ以上進めない状態である事が分かると、ついに自分は肉棒を全て女性の中に押し込んだのだ、童貞を捨てたのだという事が認識されていく。
 その感慨と喜びと、信じられないほどの快感で直也の頭は一杯だった。
 自分と女性の荒い呼吸が耳に響き、肉棒からドクンドクンといった鼓動と肉の温かさが伝わって、今自分が他人と肉体を繋ぎ合わせているのだという実感を持つ。
(はぁ……何て気持ちいいんだろぉ……)
 そして肉棒から押し寄せてくる快感に頬がだらしなく緩み、うっとりとした気持ちになった。
 肉棒は柔らかで温かで湿った肉に包まれ、何もしなくともムニュムニュと蠢く膣の刺激に快感を得ていた。
 それはこれまで経験したどんな快感よりもたまらない凄まじい気持ちの良さだった。
(うっ……)
 思わず体が震え、その刺激で肉棒が激しい快感を受けると同時に腰が勝手に動きだした。
(うぉっ……何だこりゃっ……)
 あまりにたまらない快感に直也は頭を仰け反らせつつ体を硬直させたが、腰だけはまるで独自の意思を持っているかの様に前後運動を続けていった。
「あっ、あっ、ああっ……」
 女性の甘い吐息が聞こえ、今自分がセックスをしているのだと認識する。
(俺が……俺がこの人を……この人を気持ち良くさせてるんだ……)
 ガシガシガシと突き込む腰の動きに合わせて揺れる女性の体がいやらしさを感じさせ、その刺激で女性が喘いでいるのだと思うと誇らしさが込み上げてきた。
「あんっ、あんっ、ああんっ……あっ、あっ、ああっ……」
 突き込めば突き込むほど喘ぎは激しくなり、女性を支配下においている感覚が強くなっていく。
 初めての経験でありながら見事なまでに前後運動を繰り返す己の腰に驚きつつ、これが本能なのだろう、などといった事を考える。
 何しろつい先ほどまで女の股間すら見た事のなかった自分が、ちゃんとセックスを行えているのだ。
「ああっ、あっ、あんっ……それ、あっ……それ凄い、ああっ……」
 それまで喘ぎ声しかあげていなかった女性が初めて言葉を発した。
 その口ぶりから快感を得ているらしい事が分かったため、直也の興奮は最高潮に達した。
 初心者の自分が経験豊富な未亡人に「凄い」と言わせているのだ。
 それはとてつもなく嬉しい事だった。
「あふんっ、あっ、ああっ……凄い、あっ……凄いわ、あんっ……凄いのぉっ……」
 強く腰を叩き付けると、女性がさらに「凄い」を繰り返したためますます嬉しさが込み上げてくる。
 だがそのため射精感も激しく高まり、直也は限界が近くなっているのを感じだ。
「くっ……俺もうっ……俺もう駄目ですっ……」
 せっかく盛り上がっている時に射精してしまう事を情けなく感じながら女性にそう告げる。
「いいわ、あっ……いいのよ、あんっ……出して、あっ……出していいわぁっ……」
 しかし女性はそれを気にした様子もなく、逆に嬉しそうに叫びながら腰に脚を絡みつかせてきた。
 その事で安心した直也は、一気に射精しようとラストスパートとばかりに腰を激しく振っていった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……やっ、やっ、やぁっ……もうっ、もうっ、もぉっ……イくっ、イくっ、イくのぉっ、あっ、あっ、あぁああああああああっ!」
「うぁっ!」
 女性の絶叫に合わせて精を放つ。
 ドピュドピュ、ドクドクドクドクドク……。
 勢い良く放出されていく精液と共に、とんでもない快感が体に走り抜ける。
 自慰では味わった事のないその開放感と悦楽に、直也は体を震わせながら惚けた。
 女の中に射精するとは何と気持ちがいい行為なのだろう。
 温かい肉体が傍にあり、その中へ精を放っている事に激しい満足感が込み上げてくる。
 やはり精液はこうして女の中へ放つものなのだ。
 決してティッシュに吸い込ませるものではない。
 そんな想いが浮かび、自分が一人前の男となった充実感で身も心も一杯になっていく。
「くっ……うっ……ふぅ……」
 永遠に続くのではないかと思える射精を終えた直也は、ガックリと力を抜いて女性の上に倒れ込んだ。
 温かで柔らかな肉体の感触に、自分がセックスをしたのだという実感を持つ。
 自分はこの女性の中に精液を、自分の男の証明を注ぎ込んだのだ。
 そして女性もどうやら満足してくれた様に思え、何か一つの事をやり遂げた様な、気分の晴れ渡る爽快感があった。
(あ……もう元気になってら……)
 初めてのセックスの余韻に浸っている内に、若い肉棒はあっという間に回復していた。
 どうやら膣内に収まったままであったため、刺激を受けたらしい。
 そして肉棒が回復するのと同時に再び女性を抱きたい欲求が湧き起こってきた。
 もう一度してもいいだろうか、と思いながら体を起こし、その答えを求める様に月明かりに照らされた女性の顔をジッと見つめる。
(って……え……!)
 その瞬間、直也は体が凍り付くのを感じた。
 そこにあったのは、昼間確認した未亡人の顔ではなく、自分にとって見慣れた、よく知る女性の顔だったからだ。
「か、母さん……」
「な、直ちゃん……」
 母もこちらの顔を認識したのだろう、驚愕の表情を浮かべて硬直している。
(ど、どうして……っていうか、俺、母さんとセックスしちゃった……)
 今まで未亡人の女性だと思っていたのは実の母であり、自分は母の中に肉棒を押し込み射精してしまったのだ。
 それは何とも言えない嫌悪感を呼び起こし、激しい恐怖を感じさせた。
「な、何で直ちゃん?……ど、どうして……?」
 母は混乱した様子で尋ねてくる。
「お、俺……公也兄ちゃんにその……だけどまさか母さんだなんて……って、何で母さんここにいるんだよ?」
 そう、本来ここには未亡人の女性が寝ているはずなのだ。
 それなのにどうして母がいるのだろう。
「直ちゃんが公也くんの部屋に行ったから、母さんは別の人と同室になってくれって言われて……でもその人がちょっと用事で……だから母さん一人で……」
 どうやら自分が公也と同室になったために、部屋の調整から母がこの部屋に泊まる事になったらしい。
 ついでに未亡人の女性に用事が出来たため一人きりだったという訳だ。
(俺が来るって知ってるのに、何でそんな事するんだよ……)
 いくら用事があるとは言え、夜這いの相手が来るのが分かっていて居なくなってしまうとはどういう事だろう。
 下手をしたら自分は誰も居ない部屋で呆然とする事になったではないか。
(あ……もしかして代わりになる人が居るからいいと思ったのか……?)
 そう、女性にしてみれば、他に夜這いの相手をする人間が居れば問題無いと考えてもおかしくはなかった。
 実際直也は気にせずセックスをしたのだ。
 だが、セックスしたのがよりにもよって母子であったのが問題だった。
(お、俺……母さんで童貞を卒業したのか……)
 その事に何とも言えない想いを抱く。
 知らなかったとはいえ、母の肉体を舐め回し、肉棒を押し込んで精を放ってしまったのだ。
 それを思い出すと、やってしまった行為の重大さに恐怖が湧き起こった。
(そうだよ俺……母さんの体をあんな……あんな風に……)
 先ほど揉みしだいた乳房の感触、乳首の味わいが蘇る。
(うっ……)
 そして今も肉棒を包み込んでいる膣の感触が強まり、直也は激しい快感を覚えた。
(だ、駄目だっ、駄目だこんなのっ……!)
 気持ちいいと思ってはいけないと理性が悲鳴をあげ、嫌悪感と恐怖が体中を縛り上げる。
(ぐっ……くっ……)
 だがそう思えば思うほど快楽に対する意識が強まり、股間から押し寄せる快感に悶える。
(は、早く抜かなきゃ……早く抜いて……)
 母の体から離れるのだ。
(そうすればきっと……)
 きっと……。
 ……。
 どうなるのだろう?
 不意にそんな疑問が心に浮かぶ。
 すでに自分は母を抱き、その体の中に精を放ったのだ。
 己の肉棒を母の胎内に押し込み動かし、甘い喘ぎをあげさせいやらしく悶えさせ、精液を思い切り注ぎ込んだのである。
 それはいくら否定しようとしても覆らない事実だった。
(そうだよ……俺、母さんとセックスしちゃったんだ……)
 改めて己のした行為を認識して恐怖が湧き起こる。
 知らなかった事とはいえ、実の母の肉体で性的快楽を味わったのだ。
 それは恐ろしい行為であり、許されない事だった。
 自分は何という事をしてしまったのだろう。
(だけど……それなのに……どうしてあんなに気持ち良かったんだよっ……)
 母の体を自由にし、精を放ったあの瞬間。
 それは信じられないほどに気持ちが良かった。
 そして今も触れている部分から伝わってくる、温かで柔らかな肉の感触はたまらなく心地良かった。
 いけない事だと理性は告げてくるのだが、それ以上の快楽が「もっとこの体を抱け。犯せ。満足するまで射精し続けろ」と訴えてくるのだ。
(相手は母さん……母さんなのに……俺……)
 抱きたくてたまらない。
 母の体を舐め回し、揉みしだき、肉棒を突き込みまくりたいという衝動で直也の心と体はおかしくなりそうだった。
 先ほど味わった快楽が理性を徐々に駆逐していくのが分かる。
 実の母であろうが気持ちが良かったのは確かであり、今肉棒から湧き起こってくる快感は涎が出んほどにたまらなかったのだ。
(それに……母さんだって……)
 脳裏に先ほど喘いでいた母の姿が浮かぶ。
(凄い、あっ……凄いわ、あんっ……凄いのぉっ……)
 自分を褒め称え、嬉しそうに脚を腰に絡ませてきた母。
 あの時の母は、母親ではなく女だった。
 自分という男を求める女であり、それは年上でありながらも可愛らしさを感じさせる姿だったのである。
(いけない事だけど……俺はすっごく気持ち良かった……)
 母とセックスした事に対して恐怖はあったが、それとは別にゾクゾクする様な興奮があるのも事実だった。
 禁じられた交わりをしたという意識が背徳感を刺激し、淫靡な魅力となって直也の中の雄に快感を感じさせたのだ。
「直ちゃん、取り合えず抜いて……それからどうするのか考えましょう……」
「うっ……」
「え? 駄目よ、あんっ……」
 自分の想いにふけっていた直也は、不意に襲った刺激に無意識のうちに反応してしまった。
 肉棒を抜こうと母が腰を引いたため摩擦による快感が湧き起こり、それによって体が勝手に動いて肉棒を押し込んだのだ。
 そしてその動きによって発生した刺激により、直也の頭は快楽で一杯になった。
(俺……もっとしたい……)
 先ほど経験した快感。
 膣内で肉棒を擦り、相手を喘がせ悦ばせる行為。
 セックスを再び味わいたかった。
 その想いが強まるのと同時に、未だに膣内にある肉棒を思い切り動かし快感を得たくなってくる。
 そして母の甘い喘ぎをもう一度聞き、「凄い」とまた言ってもらいたかった。
 それは許されない行為ではあるのだが、それ以上にもっと気持ち良くなりたいという想いが強かったのだ。
 肉体的にはもちろんだが、精神的にも信じられないほどの快感があったのである。
 母を喘がせていた時のあの満足感。
 年上の女性という、本来上の存在である相手を自由にした時の悦びにはたまらないものがあった。
 しかも今はそれが母だった事が分かっている。
 生まれた時からずっと庇護され、従ってきた母を、自分はあの時従えたのだ。
 その事実は激しい精神的な快感となって直也を包み込んだ。
 もう一度母を従えたい。
 そして「凄い」と、自分を男として認める言葉を母の口から聞きたかった。
 その想いが直也に再び禁断の交わりをさせる決意をさせた。
「母さんっ、俺っ……したいっ、したいよぉっ……」
 そう叫びながら母の体をギュッと抱き締め、腰を激しく動かし始める。
「あっ、あっ、ああっ……駄目よ直ちゃん、あんっ……しちゃ駄目、ああっ……私たちは親子、あっ……親子なのよぉっ……」
 必死に、先ほど抵抗した時よりも必死に逃げようとしながら叫ぶ母の言葉にゾクリとする。
 確かに自分たちは親子だ。
 セックスなどしてはならないだろう。
 だが一度してしまったのだから、それが二度に増えたところで大した違いはあるまい。
 直也はそう自分を納得させると、母ともっと一つになりたい、気持ち良くなりたいという意思を込め、強く腰を振っていった。
「ああんっ、あっ……嫌、駄目よ、あんっ……放して直ちゃん、ああっ……放してぇっ……」
 耳元に響く母の叫び。
 だがそれは快楽の響きを含んでいたため、直也には母が悦んでいる様にしか聞こえなかった。
 先ほど抱いた時も母はこうして抵抗したが、最後には「凄い」と言って自分を求めてくれたではないか。
 だからもっと気持ち良くしてあげれば、きっと悦んで求めてくるに違いないのだ。
「母さんっ……母さんっ……母さぁんっ……」
 股間から押し寄せてくる快感、そして母に対する強い愛情を感じつつ、直也は必死になって腰を振っていった。
 そう、今の直也の心は母に対する愛で溢れていた。
 自分を気持ち良くさせ、自分に甘える様に喘ぐ母の姿がたまらなく愛おしかったのだ。
 恋人同士はセックスする事で愛情を高めるが、親子であってもそれは同じなのかも知れない。
 直也の頭にはこれまで自分を愛し慈しんできてくれた母の姿が浮かび上がり、ここまで育ててくれた感謝の気持ちで一杯だった。
 そんな母をもっと悦ばせたい、自分の力で、自分が腰を振り、肉棒を出し入れする事で母に気持ち良くなってもらいたい。
 そんな想いに溢れていたのだ。
「ああっ、あっ……嫌、あんっ……こんなの駄目ぇ、ああっ……直ちゃんもうやめ、ああんっ……」
 相変わらず否定の言葉を言うものの、徐々に抵抗は無くなっていった。
 逆に得ている快感を表すかの様に頭を左右に激しく振り、それまで引き離すために体に触れていた手が、今は引き寄せる様に動いている。
 その事が喜びを感じさせ、直也はますます激しく腰を振っていった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……そんな、あっ……そんな激しく、あっ……そんな激しくしちゃ、あぅっ……激しくしちゃ駄目ぇっ……」
 言葉とは裏腹に、母はその激しい動きを歓迎するかの様に腰に脚を絡ませてきた。
 背中に回された手にも力が込められ、母子はガッチリと抱き合った。
(ああ……凄い……母さん凄い……母さん凄い気持ちいいよぉ……)
 膣内の肉棒は湿った柔肉に包まれしごかれ吸い付かれ、腰が抜けてしまうのではないかと思えるほどの快楽を与えられていた。
 直也はその信じられない快感に頭を朦朧とさせながら小刻みに腰を振りまくった。
「それ嫌、あっ……それ嫌よぉ、あんっ……そんなにしたら、あっ……そんなにしたらやぁっ……」
 幼児の様な言葉遣いになっている母にゾクリとした興奮を覚える。
 自分の与える快楽が、母をそこまでにしているのだと思うと誇らしくてたまらない。
「やんっ、やんっ、やぁっ……直ちゃん凄い、あっ……直ちゃん凄いの、あんっ……直ちゃん凄いよぉっ……あっ、あっ、ああんっ……」
 待ちに待った「凄い」という言葉に直也の興奮は最高潮になった。
 昔からよく知る母が、これまで知らなかったいやらしい口調で自分を褒め称える様子は、直也の中に激しい喜びをもたらした。
「あんっ、あっ、ああっ……直ちゃんもっと、あっ……直ちゃんもっとよ、あんっ……直ちゃんもっとしてぇっ……はぅっ、はっ、はぁんっ……」
 ついに母が自分を求める言葉を叫び、その興奮によってあっという間に射精感が高まっていく。
「母さん俺っ……母さん俺もう出るっ……出るよぉっ……」
 母に限界を告げ、激しく腰を振りまくる。
「いいわ、あんっ……いいわよ、ああっ……母さんの中に、あんっ……母さんの中に出して、ああっ……直ちゃん母さんの中に出してぇっ……」
(!……)
 その言葉に男としての嬉しさが込み上げてきた。
 精液を注いでいいと、母の中に吐き出していいと言ってくれたのだ。
 それは先ほども言われた言葉ではあったが、今とでは重みが違っていた。
 母は相手が自分だと分かっていながら精液を受け入れると言ってくれているのだ。
 あれだけ嫌がっていた母が、息子と交わる事を嫌がっていた母が、その息子の精液を受け入れると、注ぎ込めと叫んでいるのである。
 直也はまるで己の全てが母に認められたかの様な感覚を覚えて激しい嬉しさに包まれた。
 実際精子というのは遺伝子、つまりその男の全情報が詰まっているものである訳で、それを放出する男そのものと言っても良いだろう。
 それを受け入れるという事は、男の全てを受け入れるという意味と同義であると言え、自分の全てを受け入れてくれる母に、直也は生まれて初めて感じる様な幸福感を覚えた。
(母さんは……母さんは俺を愛してくれている……こんなに俺を愛してくれているんだ……)
 涙が出そうなほどの感動が込み上げてくる。
 どのような褒め言葉を言われた時よりも嬉しくてたまらないのだ。
 そしてこれまで母に素っ気ない態度を取っていた事を直也は激しく後悔した。
(ゴメン母さん……ゴメンよ……そんでありがとう……ありがとう……)
 快感と共に母に対する感謝の気持ちが押し寄せ、それと同時に限界まで高まっている射精感に、直也は一気に射精しようと、母を快楽の絶頂に持ち上げ精液を注ぎ込もうと、無茶苦茶に腰を振っていった。
「いいっ、いいっ、いいわぁっ……直ちゃん素敵っ、直ちゃん素敵よっ、直ちゃん素敵ぃっ……あっ、あっ、ああああああああああああっ!」
「母さぁんっ!」
 母子はギュッと抱き締め合い、直也はその瞬間我慢しきれなくなって精液を放った。
 ドクドクドクドクドクドクと、激しい勢いで白濁液が放出されていく。
「あ……ああ……はぁ……」
 それを感じているらしい母はうっとりとした、男の精をその身に受ける女の悦びを顕わにして悶えている。
「うっ……うぅっ……うっ……」
 押し寄せる射精の快感に体を硬直させつつ、直也は何度も何度も精を放っていった。
 母の中に精液を注ぎ込む事が愛情の証明であるかの様に感じられ、ドクドクと放出されるたびに幸福感が強まっていった。
 息子の吐き出した精液を母親が受け止める。
 思えばこれほど親子愛を示す状況は無いのではないだろうか。
 そんな想いに包まれながら最後の精を放ち終えると、直也は小さくなった肉棒が抜けるのを感じつつ母の上に倒れ込んだ。
 ハァハァといった荒い呼吸が部屋に響き、強烈な満足感、幸福感に包まれる。
(ヤった……ヤったんだ……俺、母さんとセックス……)
 嬉しさで心が一杯になった直也は笑みを浮かべた。
「直ちゃん……あなた……どうして……」
 息を乱しながら母がこちらに顔を向けてくる。
 今にも怒るか泣くかする様な表情をしており、本来その様な顔を見ればどうすればいいのか困るところだが、直也はその母の様子をすぐには認識できなかった。
 あまりの快楽と満足感の絶頂にいたため、頭がボンヤリとしていたのだ。
「母さぁん……」
 大好きな母と目が合った事に嬉しくなった直也は、甘える様にそう呟きながらニコリと微笑んだ。
「!……な、直ちゃん……そんな、やだ……」
 それを見た母は、不意に驚いた顔をして目をそらした。
「どうしたの……?」
「いえ……あなたのそんな顔、久しぶりに見たから……まるで小さい頃みたい……」
 母は懐かしさを感じている様に嬉しそうに微笑むとジッと見つめてきた。
 どうやら直也の表情があまりに幼かったためそういう印象を覚えたらしい。
 おそらく快楽でボンヤリしていたためそういった表情になっていたのだろう。
「ゴメンね母さん……」
 徐々に意識が通常状態に戻り、現在の状況を認識した直也は、母が動揺している内に謝ってしまおうとそう告げた。
 そうやって先に謝られてしまうと怒りにくいものだからだ。
「え? あ、そう、そうよ……こういう事は良くないわ……どうしてこんな事したの?」
 予想通り、母は少々気をそがれた様に戸惑った雰囲気で尋ねてくる。
「俺、我慢できなかったんだ……母さんって凄く気持ち良かったから……そんで俺、初めてだったからおかしくなっちゃったんだよ……」
「そ、そう……初めてだったの……」
 直也が素直に心情を告げると、母は困った様にして呟いている。
 それも当然だろう。
 息子に抱かれ「気持ち良かった」と感想を言われた事に的確に返答できる母親などそういるはずもない。
「うん……俺、母さんで童貞卒業したんだ……本当は違う女の人でするはずだったんだけど……でも母さんで良かったよ……」
「え?……ど、どうして……?」
「だって大好きな母さんで童貞卒業できたんだもん……嬉しいよ」
 以前存在した思春期特有の照れの様なものが無くなり、直也は恥ずかしさを感じずにそう呟いた。
「な、直ちゃん……」
 直也の言葉に母は嬉しそうに微笑むと、怒るのを忘れた様にギュッと抱き締めてきた。
 温かく柔らかな肉の感触に包まれ、直也はうっとりとした気持ちとなった。
 股間の一物が力を取り戻し、再び母を抱きたい欲求が押し寄せてくる。
「母さん好きだよ……だから、いいよね?」
「え? あっ……」
 強く抱き締め返しつつ、首筋に舌を這わせる。
 そのまま乳房を揉みしだきながら肉棒を秘所へと近づけていく。
「ちょ、ちょっと……駄目よ、あんっ……それは駄目、あっ……」
 現在の状況を改めて思いだしたのか、母が慌てて逃げようとしてくるが、それをグイと押さえ込む。
「どうして? 俺、母さんのこと好きだし、もう二回もしちゃってるんだから別にいいじゃない」
 すでに直也の頭の中には母とのセックスに対する禁忌の思いはなかった。
 いや、ある事はあるのだが、性欲を抑えるほどの強さはすでに無くなり、ただ「いけない事をしている」という形で背徳感を強める、つまり興奮を促す材料にしかなっていなかったのだ。
 二度交わった事、特に母と認識してからも抱いたことが、禁断の行為に対する抑制を消し去ってしまったのである。
「直ちゃんが母さんの事を好きだって言ってくれたのは嬉しいわ、あんっ……だけど親子はこういう事をしちゃいけないの、あっ……二回したからって駄目なものは駄目なのよ。分かって、んんっ……」
 必死に否定する母の言葉はもはや制止の意味をなさず、ただ背徳的な興奮を直也に与える要素にしかなっていなかった。
 実際その言葉でさらに鼻息を荒くした直也は、母の体から浴衣を剥ぎ取ると、自分も服を脱いでのし掛かり、唇に吸い付いていった。
「んっ、んんぅっ……んっ……」
 口内に舌を押し込みつつ、母の舌と絡ませ吸い付き貪る。
 母は必死に抵抗してくるが、キスを繰り返していく内にだんだんと力が抜けていった。
(母さんとキス……初めてのキスの相手も母さんだ……キスってのも気持ちいいなぁ……)
 ファーストキスに感動を抱きつつ、口内に発生している快感にうっとりとなる。
 そのまま左右に顔を入れ替え激しく吸い付いていると、それに合わせて生の肌同士が擦れてたまらない気持ちの良さが湧き起こった。
(裸で抱き合うって……何て気持ちいいんだろぉ……)
 母の絡みつく様な肌の感触にゾクゾクする様な快感が走る。
 今まで知らなかったが、肌というのは擦れ合うと何とも気持ちがいいのだ。
(体も温かくて……柔らかい……ああ、まるで母さんに包まれてるみたいだ……)
 まるでクッションの様にこちらの体を受け止め、吸い込む様な柔らかさを持つ母の肉体はまさに極上であり、直也は女の体とは何とたまらないものなのだろうと思った。
「それじゃ入れるよ? いいよね?」
「だ、駄目、あんっ……直ちゃ、ああっ……あっ、あんっ……」
 母の否定の言葉を無視して一気に肉棒を押し込んでいく。
 そしてそのまま腰を激しく動かし出し、直也は三度目の禁断の交わりに快感を得ていくのだった。


「ああっ、あっ、あんっ……直ちゃんもっとよ、あっ……もっとぉっ……」
 四つんばいになった母が振り返りながら甘える様に告げてくる。
「こうかい母さんっ? これでどうっ?」
「あんっ、あんっ、ああんっ……そうっ、そうよそうっ、ああっ……それいいわぁっ……」
 激しく喘ぐ母を見つめながら窓に視線を向けた直也は、すでに外が白み始めているのに気がついた。
 どうやら一晩中母と交わっていたらしい。
 我ながら驚くほどの精力だったが、それだけ自分が母に夢中になっているとも言えただろう。
 何しろ射精後に母の体に触れているとすぐに肉棒が回復したのだ。
 そして最初は嫌がっていた母が徐々に積極性を示し出し、自らキスをしてきたり肉棒を刺激してきたりしたため、その熟女のテクニックに興奮を高ぶらせた部分もあった。
 母は「これっきりよ」と言いつつ何度も求めてきた。
 それはあまりに激しい求め方であったため、直也はふと父との夜の夫婦生活がご無沙汰なのではないかと思った。
 それほど自分を求めてくる様子には尋常でないものがあったのだ。
 もしかすると母は、夜這いをこれ幸いに自分の欲求不満を解消しようとしたのではないだろうか。
 この地域の出身である母ならば夜這いの慣習について知っていてもおかしくないし、実際襲った時の抵抗の少なさと、叫び声をあげなかった点からしてその様な気がしたのだ。
 さすがに相手が息子だとは思わなかっただろうが、そうした理由でも無ければ相手が誰であるのか分からないのに体を許すとは思えなかったのである。
(そういや……母さんは父さんのモノなんだよな……)
 父の事を考えたため、不意にその事実が心に大きな影を落とした。
 これまでも「実の母を犯している」という背徳感を感じてはいたが、よく考えれば母を抱くという行為は父を裏切っている事にもなるのだ。
 それは何とも言えない申し訳なさ、恐怖を呼び起こした。
(でも……母さんは今、俺の女だ……)
 目の前でいやらしく喘ぎ悶えている母を見ていると、そういった感情とは別に、一人の男として女を奪ってやったという爽快感が湧き起こった。
 確かに戸籍上は母は父のモノかも知れないが、今現在自由にしているのは自分なのだ。
 そして母もそれを受け入れ、自ら直也の女となっている態度を示している。
 そこに父の入る隙間は無いだろう。
 こうして交わっている自分と母の間を裂く事はできないのだ。
 直也はその想いに奮い立つと、激しく腰を突き込んでいった。
「ああっ、あんっ……直ちゃん凄い、あっ……凄いわ、あんっ……凄いのぉっ……」
 ガクリと腕を崩し、尻を高く掲げる姿勢になりながら母は悶え狂っている。
 その様子は母を支配している感覚をさらに強くし、直也は激しい誇らしさに包まれた。
 何より母に「凄い」と言われるのが嬉しくてたまらない。
 母に褒められ、自分の行為で母が気持ち良くなっている姿を見ると最高の気分になるのだ。
「あんっ、あんっ、ああんっ……それ、あっ……それいいわ直ちゃん、あっ……直ちゃんそれもっとぉっ……」
 親しげに、甘える様に、「直ちゃん」と呼ばれるのが震えるほどに心地良かった。
 これまでの人生で数え切れないほど母に「直ちゃん」と呼ばれてきたが、こうして女としての声音で、男としての自分を求めてそう呼ばれるのは、一人前になった様に感じられて嬉しかった。
 母に男として認められる事。
 それが自分にとっては極上の喜びだったのだ。
「やんっ、やんっ、やぁんっ……それ、あぅっ……それいぃっ……直ちゃ、あっ……直ちゃぁんっ……」
 幼女の様な口調で悶え叫ぶ母の様子はたまらなく可愛らしかった。
 年上であり、これまで庇護してもらってきた相手だというのに、今は自分が守らなくてはならない対象の様に思えてくるのだ。
「あぅっ、あっ、あやぁんっ……あっ、あっ、ああっ……」
 さらには逆にいじめたくなる様な感情も湧き起こってくるから不思議だった。
 腰を強く速く叩き付け、母が喘ぎながらシーツを引き寄せる姿を見ると、ゾクゾクする様な悦びが湧き起こってくるのである。
「母さんっ……母さん気持ちいいっ……母さん気持ちいいよぉっ……」
 体をひっくり返し正常位にすると、抱き付いてその柔らかな肉に埋もれていく。
「直ちゃん、ああっ……直ちゃぁんっ……」
 母の腕と脚が蛇の様に絡みつき、その熟れた肉体が強く感じられてたまらない。
 吸い付いてくる肌と肉の感触は、一度ハマり込んだら抜け出せない快楽の底なし沼であり、蕩ける様なその味わいは若い直也を完全に虜にしていた。
 生の肌と肌が擦れ、肉同士がまるで一体化してしまう様に蕩け合い、直也はもう何がなんだか分からなくなっている自分を感じた。
「うぅっ……母さん俺もうっ……俺もう駄目だっ……」
 母の体の中で最も熱く蕩けている部分で肉棒が快楽の悲鳴をあげた。
 グニュグニュとした膣襞が肉棒に絡み付き、精を吸い出そうといやらしく蠢いており、その刺激に初心者の直也の耐久力はあっという間に奪われていった。
「いいわ、あっ……出して、あんっ……母さんの中に、ああっ……母さんの中に出して、あんっ……直ちゃんの、あっ……直ちゃんの熱いの、母さんの中に思い切り出してぇっ……」
 母のいやらしい叫びに直也の興奮は最高潮に達し、ラストスパートとばかりに腰を振りまくる。
「あっ、あっ、ああっ……イく、あっ……イくわ、あんっ……母さんも、ああっ……母さんもイくの、あんっ……母さんもイくぅっ……やっ、やっ、やぁああああああああっ!」
「母さぁんっ!」
 母子はギュッと抱き締め合い、その瞬間直也は思い切り精を放った。
 ドピュドピュドクドクドクドク……。
 もう何度も射精しているにも関わらず、衰える事の無い勢いで精液が放出されていく。
 その事に男としての誇らしさを覚えつつ母の中へ射精を繰り返していく。
 しばらくして放出を終えた直也は、ゆっくりと母の体の上へ倒れ込んだ。
 母の荒い呼吸と激しい鼓動を聞きながら、この女は自分のモノなのだという意識に包まれる。
 多く抱いたせいか、母に対してすっかり恋人の様な想いを抱いていたのだ。
 愛おしくてたまらないのである。
「母さん好きだ……愛してるよ……」
 普段であれば恥ずかしくて言えない台詞も自然と口からこぼれた。
「直ちゃん……母さんも好き、好きよ。愛してるわっ……」
 母は嬉しそうに微笑みながら抱き締めてくる。
「母さん……」
「直ちゃん、んっ……」
 ぽってりとした唇に吸い付き、舌を絡みつかせる。
 こうした細かいテクニックはまだまだ母の方が上であり、舌を吸われ口内を刺激されていると直也はうっとりとした気持ちになった。
 股間ではすでに回復した肉棒がビクンビクンと震えている。
「母さん、もう一回……」
 そう言いながら再び肉棒を押し込もうと起き上がる。
「あ、駄目よもう……朝だから人が来ちゃうわ……」
「そんなの関係ないよ。いいじゃんか、しようよ……」
 肉欲で頭がおかしくなっているのか、見つかっても構わないという意識が直也の中にはあった。
 だが実際誰かに見られてしまったら大変だった。
 何しろ自分たちは普通の男女ではなく母と子であり、周囲にいるのはその事実をよく知っている人間ばかりだからだ。
 夜這いの慣習のあるこの地域であっても、さすがに近親相姦を受け入れてはくれないだろう。
 そうした事を頭で分かってはいるのだが、猛り始めた若い体はそんな体面を気にする意識を駆逐して母の肉体を抱かせようとした。
「落ち着いて直ちゃん。あなたは夜這いに来たんでしょ? 夜這いは朝には帰るものよ。私たちは恋人でも夫婦でもないんだからそうしなきゃ駄目」
 不意に強い口調で言われた直也は動きを止めた。
 それは今まで母が全く見せなかった本気の否定の言葉だったのだ。
 そして幼い頃から知っている自分を叱る時の口調でもあり、直也は思わず体をこわばらせた。
 やはりどんなに支配し、女として見たとしても母は母なのだ。
 自分が上の存在になる事などできないのである。
「わ、分かった……帰る……」
 何やら男としての誇らしさが消えてしまい、直也はただの中学生に戻ってそう頷いた。
 ゆっくり布団から起きると服を身に着け始める。
 落ち着いてくると「愛している」などと言った事に恥ずかしさが込み上げ、母の顔を見るのが辛くなった。
「じゃ、じゃあ……」
 小さくそう呟き、顔も見ずに立ち去ろうとする。
「夜になったらまたいらっしゃい。夜這いなら母さん直ちゃんに抱かれてあげるから……」
「え……?」
 驚いて振り返ると、そこには微笑みを浮かべた母の顔があった。
 それは幼い頃からよく知っている、自分を愛してくれている母の顔だった。
「それから……家に帰ってからも……夜、お父さんがいない日は……ね?」
 信じられないその言葉に思わず母の目をジッと見つめる。
 そこには母ではなく、抱いている最中に見た女の媚びに溢れた瞳があった。
 母は自分とのセックスを受け入れたのだ。
 そしてこれからも抱いて欲しいと、男の自分に女として訴えてきたのである。
「う、うん……」
 直也はその誘いにドギマギしながら答えた。
 やはり自分はまだ子供でしかなく、そうした熟女の誘惑には耐性が無かったのだ。
 今の母は母親であると同時に女でもあり、そんな母に対し直也はどう対応すればいいのか分からなかったのである。
「愛してるわ、直ちゃん……」
(!……)
 部屋から出て行く瞬間、告げられた母の言葉に心臓がドキンっと激しく鼓動し、同時に肉棒が激しく猛った。
 窓を閉め、母の姿が見えなくなっても動揺は治まらず、体中に母の柔らかな肉体の感触が蘇り、耳に甘い吐息が響き、脳裏に悩ましげに悶える裸体が浮かび上がった。
 ドクンドクンっと心臓は激しい鼓動を続け、母の傍から離れたくない気持ちで一杯になる。
 どうやら自分は身も心も母の虜となってしまったらしい。
(母さん……)
 直也は今閉めた窓の向こうにいる母の姿を思い浮かべ、初めて感じる愛おしくてたまらない感覚に苦しさを覚えた。
 自分はマザコンになってしまったのだろうか。
 いや、これは母親というより一人の女性として求めている感情なのだから違うだろう。
 マザコンならばこうも肉体を求め、支配したい様な衝動は起きないはずだ。
 だが母に包まれ甘える様にして抱きたい気持ちもあるのではないか?
 違う、自分は母を征服したいのだ、喘がせ悶えさせたいのだ。
 しかし優しく抱き締められたいのではないのか?
 などといった自問自答がグルグルと脳内を駆け巡り、直也は抑えきれない母への想いで一杯になりながら自分の部屋へと帰っていくのだった。












あとがき

 今回は「別人だと思って抱いたら母親だった」というのをやってみました。
 しかもそれが分かるのが「した後」ってのがポイントですね。
「もうしちゃったからどうしようもない。だったらもっとしてしまえ」というやけっぱちな大胆さから母親を襲う感じですか。
 実際こういう状況になったらどうなりますかねぇ。
 普通の人間が近親相姦をしないのは、やはり「家族はセックスの対象ではない」という規制が無意識の内に働いているからだと思うのですわ。
 だからその規制が一旦外れてしまえば、後は止まらなくなる様な気がするのですよ。
 何しろ相手は幼い頃から自分の我が儘を受け入れてくれた母親な訳ですから、もうバンバン性的欲求という我が儘をぶつけてしまいそうに思えるんで。
 まあ、母親を全然好きじゃない人なら別でしょうが、そうでなければ結構ハマっちゃったりするんじゃないかと思ってみたりします(笑)
(2007.11.15)



トップへ