援助交際
孝文(たかふみ)が童貞を喪失したのは、十八年前の二十五歳の夏だった。
相手は一つ年上の幼馴染で、それまで特に恋愛感情を持った事もない女性だった。
お盆に田舎に帰り、彼女とも久々に会ったという事で色々話をしているうちに、何やら恋愛関係に話が進み、孝文は自分が童貞である事を告白させられた。
笑われるか呆れられるかと思っていると、幼馴染は「なら私が相手してあげようか?」と誘ってきた。
冗談だとばかり思っていたのだが、いつの間にか彼女の顔が迫り、唇を奪われてねちっこいキスをされた。
初めてのキス、それも舌を押し込まれ口内を愛撫されるディープキスにボーっとしてしまい、気が付くと下半身を裸にされ、すっかり硬く大きくなった肉棒をいじられていた。
「してあげるね……」という言葉と共に、彼女の温かな口に肉棒が咥え込まれ、舌で亀頭を包まれて優しく擦られた。
あまりに驚きの展開と、初めて経験するフェラチオにすぐさま肉棒は爆発し、自慰とは比較にならないその快感に孝文は恍惚となった。
幼馴染は吐き出された精液を全て飲み干すと、「孝ちゃんは堪え性がないなぁ」と明るく笑った。
上目遣いに見上げてくる色気を含んだその微笑みにすぐさま肉棒は復活し、「好きな様にしていいよ……」と誘いかけてくる幼馴染に鼻息を荒くしながらのしかかっていった。
震える手で服の前を開き、あらわになった乳房に吸い付き揉んでいくと、「あっ……あんっ……」という色っぽい声が耳に響いた。
それまで聞いた事のなかったその甘い声に、幼馴染も女なのだという認識が高まり、落ち着かない衝動に体が動いていった。
はだけた服から見える白い肌を激しく舐め回して荒々しく吸い付き、ついには初めて見る女の秘所に興奮と感動を覚えながら口を押し付けていった。
刺激を与えるたびに幼馴染が体を小刻みに震わせ、熱い吐息を漏らすのがたまらず、何度も舌を這わし、吸い上げるのを繰り返した。
しばらくして「入れて……」と囁く声に頷き、彼女に誘導されながらとうとう孝文は童貞を捨てた。
肉棒を強く温かく圧迫してくる膣の感触と、ヌルヌルとした襞に絡みつかれ吸い付かれる快感に、もう死んでもいいと思いつつ滅茶苦茶に腰を動かした。
そのあまりの快楽に初心者がそう耐えられるはずもなく、数度のピストン運動を繰り返した後、ついに孝文は女体の中に精を放つ経験を得た。
そのたまらない気持ちの良さにボーっとしていると、幼馴染は「初めてにしては上出来」と笑いながら褒めてくれた。
その事に嬉しさを感じつつすぐさま回復した孝文は、優しく誘う彼女の中に再び押し入り、精を放ち、そうして何度も抱いていった。
それが孝文の初体験だった。
行為の後幼馴染は、「いい思い出になったでしょ?」と微笑み、何も変わる事のない態度のまま、休みが終わる頃にはあっさりと東京に戻って行った。
孝文には激しい未練があったのだが、別に恋人関係になった訳でもないのだからと諦め、筆下ろしをしてくれた事に感謝しつつそれまで通りの生活に戻った。
そしてそれから数ヶ月が経った頃、突然それまで音沙汰の無かった幼馴染から連絡があった。
「話がある」という言葉に待ち合わせの場所へ行くと、そこで彼女は「赤ちゃんができたよ」と告げてきた。
それはまるで「ご飯ができたよ」と言うかの様な気軽さであったため、初めは何の事だか分からなかった孝文だったが、すぐに事の重大さを理解した。
あまりの事に呆然としていると、幼馴染は孝文が父親だと言い、「どうしようか?」と尋ねてきた。
一瞬迷った孝文だったが、すぐさま結婚を申し込んだ。
妊娠させてしまった責任を感じてもいたが、純粋に幼馴染を愛し始めてもいたからだ。
一度の肉体関係で好きになってしまうというのも単純だったが、実際にそうなってしまったのだから仕方が無いだろう。
だがプロポーズをしてみたものの、孝文は断られると思っていた。
何しろ幼馴染は美人で昔からモテていたため、いくら妊娠したからといって自分の様な男と結婚するとは思えなかったからだ。
ところが意外にも幼馴染はあっさりと承諾してきた。
驚いて理由を尋ねる孝文に、「孝ちゃんならいい夫にも、いい父親にもなると思うから」と告げてきた。
その様な理由でいいのかと不審に思っていると、「ハッキリ言って孝ちゃんには恋してないけど、でも好きだし安心できるから……結婚は長い付き合いなんだし、孝ちゃんみたいな人と一緒に暮らしたら幸せになれると思うんだ……」と言って笑った。
何とも言えない理由だったが、昔から幼馴染にはそうして物事を軽く受け入れるところがあったため、孝文は納得し、それからすぐに二人は結婚をした。
数ヵ月後に女の赤ちゃんが産まれ、三人になった家族はしばらく幸せに暮らしていった。
だが娘が七歳になった頃、妻となった幼馴染は交通事故であっさりこの世を去った。
悲しみに暮れる孝文は、泣きじゃくる娘を抱き締めながら、妻の分も娘を立派に育てるのだと決意した。
それから十年が経ち、高校生となった娘と二人、孝文は健康で何も問題のない生活を送っていた。
(ふふ……孝ちゃん……これ気持ちいい……?)
(うっ……凄いよ、出ちゃいそうだ……)
(もう、堪え性がないんだから……)
目の前で妻が肉棒を美味しそうに頬張りながら笑っている。
懐かしいその記憶に孝文は嬉しさが込み上げてきた。
思えば自分を男にしてくれたのは妻だった。
初めて他人に肉棒を触られ、咥えられて精を放ったのは妻だったのだ。
あれから数え切れないほど同じ事をされたが、自分はいつまで経っても慣れることなく、我慢できずに射精した。
すると決まって妻は先ほどの様に「堪え性がない」と言って笑ったのだ。
懐かしく、そして切ない夢を見ながら、孝文は意識が覚醒していくのを感じた。
目覚まし時計が鳴る前に目を覚ました事に苦笑しつつ、身支度を整えて居間に移動する。
「お早う……」
すでに起きていた娘に声をかけると、口の中の物を飲み込んだ後に挨拶を返してくる。
二人きりで暮らしているせいか、それとも母親に似てあっさりとした性格ゆえか、娘はこの年齢の少女にしては父親を毛嫌いしている雰囲気がなかった。
それでもさすがにギクシャクはしているのだが、他の家に比べればマシな方なのではないかと孝文は思っていた。
娘の亜依子(あいこ)は十七歳。
亡き妻との間にできた一人娘だ。
少々我が儘なところもあるが、明るくて可愛い女の子に成長している。
「じゃ、私今日早いから……」
孝文が近づくと、娘は何やら落ち着き無く残ったトーストをコーヒーで流し込み、まるで避ける様に慌てて席を立とうとしている。
その理由を孝文は知っていた。
というより、ある意味孝文が原因だったのだ。
「ちょっと待ちなさい。少し話があるから……」
声をかけると、娘はビクッと体を震わせて止まった。
「な、何?……ちょぉっと私、急いでいるんだけど……」
「いつもより凄く早いじゃないか。まだ大丈夫だろう? 簡単に済むから座りなさい」
そう言うと、娘はしぶしぶといった様子で腰を下ろした。
「これが何か分かるな?」
孝文はテーブルの上に一枚の請求書を置いた。
それは携帯電話の明細で、かなり高額の料金が記載されている。
「ケータイを持たせる時に約束したよな? ある程度はいいけど、あまり高くなったら取り上げるって」
「……」
娘は黙って目を逸らしている。
「これはこれまでと比べていくらなんでも高すぎる。それはお前も分かってるだろ?」
「……」
やはり何も言わずに俯いたままだ。
「さ、ケータイを出しなさい。今月は罰としてケータイ抜きだ」
「……」
差し出された手のひらをチラっと見た後、娘は目をあちこちに動かして困った様に息を吐き出した。
「それだけは許して……ケータイ無くなったら困る……今月は気をつけるから、お願い……」
辛そうな表情を浮かべて頭を下げてくる。
「駄目だ。そういう約束だったろう? それが分かっていて使ったんだから、こうなっても仕方が無いってことだぞ」
「そ、それはそうだけどさ……でもケータイ無くなったら友達いなくなっちゃうよ……」
そう言われると少し不安になった。
孝文の世代には分からない事だが、今時の高校生にとってはケータイでのやり取りが友情の証しの様になっているらしいからだ。
もしコミュニケーションがケータイ中心だとすると、確かに娘に友人がいなくなる可能性があった。
「ふ〜〜、仕方ない。じゃあケータイは取り上げない事にする」
「わっ、やったぁっ。お父さんありがとうっ」
娘は満面の笑みを浮かべて喜んでいる。
「だが条件がある」
「え? 条件……?」
その言葉に、娘は喜びをしぼませて不安そうな表情を浮かべた。
「先月より多い料金分、今後のこずかいから抜く」
「え〜〜っ? それ酷いよっ。それじゃ意味ないじゃんっ」
驚きと不満な顔をして猛烈に反発してくる。
「何で意味が無いんだ? ケータイは取り上げないんだぞ」
「でもそしたら遊びにいけないし、服も買えないよ……」
「仕方ないだろ? それくらいは我慢しろ」
「……」
娘は困った様に押し黙った。
その様子を見ていると、やはり娘を可愛く思っている父親の甘さか、少し可哀想になってきてしまう。
「それじゃ妥協案だ。バイトしていいから、それでケータイの料金を稼げ」
「え、いいの? 前に駄目だって言ったじゃん」
学生の本分は勉学だと思っている孝文は、今までバイトを許した事が無かったのだ。
「本来は駄目だがな。今回は特別だ。それにたまには世間でお金を得る事の厳しさを経験するのもいい社会勉強だろう。ま、ずっとになったら困るが、一時的なら許すことにした」
「やったぁっ。じゃ、私早速バイト探すね。わ〜〜、どうしようかなぁ」
浮かれている娘に少し不安になる。
「おい、分かってるのか? 今回のことはあくまで特別だからな。今後同じことになってもバイトはさせないぞ」
ケータイ料金を稼ぐ事を理由にし、バイト三昧の生活になってしまっては許せなかった。
「分かってるよぉ。じゃ、私もう行くからぁ……行ってきまぁすっ」
あまり分かってなさそうな様子で、娘は跳ねる様な勢いで部屋を出て行った。
一人残された孝文は深い溜め息を付き、これで良かったのだろうかと自問した。
(俺は甘いのかなぁ……バイトなんて許すんじゃなかったか……)
許可を与えたものの、可愛い娘がバイトするなど不安で仕方が無かった。
何か失敗するのではないか、バイト先でいじめられるのではないか、といった考えが浮かんでしまうのである。
表向きは「勉学がおろそかになる」などと言ってはいるが、本当はそういった娘に対する過保護な思いゆえだったのだ。
(それに、もっとガツンと言えないと駄目だよな……)
今回の事で娘が本当に反省しているのか分からなかった。
表向きはそう口にしても、実際にどのくらい自分の言葉が届いているのか不安だったのである。
(やっぱり母親がいないと駄目だな……)
こういった時、本来娘を責めるのは母親の役割で、父親はこっそり甘やかして母親に後でどやされる、というのが普通の家庭のパターンなのではないだろうか。
そうすれば自分は娘に恨まれること無くいられるだろうに……。
再び深い溜め息を付きつつ、孝文は朝ごはんを食べようとトーストを用意するのだった。
「よっ、元気ないねぇ。どうしたのさ」
昼休みに食堂で定食を食べていると、同僚の梶山が声をかけてきた。
入社が同期のこの男は、少し調子のいいところがあって失敗もよくするのだが、どうにも憎めない得な性格をしていた。
「いや、娘のことでね……」
「あ〜〜、そりゃ大変だ……俺も同じだから分かるよぉ……」
梶山は内容も聞かずにすぐ話を合わせてきた。
以前聞いたのだが、梶山にも同じ歳の娘がいて、かなり嫌われている様な事を言っていたのだ。
何やら娘に「洗濯を別にして」と言われ、たまらなく悲しくなったらしい。
そこまではされていない孝文は、「自分は幸せだ」などと思ったりしたのである。
「で、どんな事さ。何か言われたのか?」
「いや、娘のケータイ料金が高かったんでね。ケータイを取り上げようとしたんだが、どうにもそれができなくて……結局妥協しちまったんだ……」
「なるほどねぇ。そりゃ分かる、分かるよぉ……俺の給料もかなり娘のケータイ料金に消えてるからなぁ」
「そういう時、どうしてるんだ?」
「う〜〜ん、俺は黙ってる。そういうのは母親の役割だからな……」
「そうか……」
やはりそうなのだと孝文は少し悲しくなった。
「あ、そういやお宅んとこは奥さんいないんだっけ……あ〜〜、そうなると大変だなぁ……娘の憎しみ受けちゃって……」
不憫そうに梶山はウンウンと頷いている。
「その前に妥協しちゃったんだけどね……それでも少しは『うるさい父親だ』とか思われたんだろうな……」
「ありえるわな。親の心子知らずというか……たとえ子供のためだとしても、言われてる方にすれば嫌なことだからな。俺も昔は親を恨んだもんだよ……」
またウンウンと頷いている。
「甘くしては子供のためにならないし……かといって厳しくすると恨まれる……何とも難しいよ……」
「特に娘となると女の子だからな……また違った意味でも大変な訳だ……」
妙に楽しそうに梶山は喋っている。
本当なら孝文と同じ、いやそれより辛い状況であるのだから、もう少し暗くなりそうなものなのだが、梶山はやたらと明るかった。
これは元々の性格ゆえなのか、それとも何か秘訣があるのかと孝文は気になった。
「ところで何か気分転換の方法とか知らないか? どうも俺は娘のことで辛くなっててさ……」
「おっ、そういう事なら任せてくれよ。いい方法知ってるぜ」
やはり単純に性格だけの問題ではないらしい。
孝文は期待しつつ梶山の言葉を待った。
「大きな声じゃ言えないんだが……若い子と、するんだよ……」
「え? 何を?」
声を潜めて言ってきた梶山に首をかしげる。
「するって言ったらアレだよアレ……セックスさ……」
「セックスって……風俗に行くってことか?」
あまりいい方法とは思えず失望する。
精神の問題なのだから、セックスは関係ないだろう。
「違う違う……風俗じゃそんなに若いって言えないだろ? もっと若い子だよ……高・校・生……」
「こっ……!」
一瞬大きな声を出しそうになり、慌てて口をつぐむ。
「高校生ってどういう事だよ……犯罪か?」
「そう言ったら身も蓋もないだろ……あれだよ、いわゆる援助交際ってヤツ」
やはり犯罪ではないか。
もし平然とそういった事をしているのだとしたら、少し梶山との付き合いを考えなければいけないと孝文は思った。
「高校生の娘がいるのに、そんな事してるのか?」
少し腹を立てながら尋ねる。
同じことを自分の娘がされたらとは考えないのだろうか。
「だからこそさ……」
ところが梶山は悪びれずに答えた。
「どういう意味だ?」
「まあ、怒らない怒らない。お前さん、今『自分の娘が同じ事をされたら』とか思ってるだろ? だけどそれは違うんだなぁ」
「どう違うってんだ?」
顔をしかめながら尋ねる。
「同じ年頃の娘がいるからこそ、援助交際ってのはハマっちゃうんだぜ。何しろ相手する女の子たちはみんな優しくしてくれるんだからな。甘えてきたりもしてさ、それが可愛いのなんのって……これって普段娘に冷たくされている父親にとっては最高の状態だろ?」
「優しくしてくるのか?」
意外な言葉に驚く。
普段娘の冷たいとまではいかないが、そっけない態度に触れている孝文にはどうにも想像できないことだった。
「そうだよ。何しろ女の子たちにとって俺たちは客。できるだけ気分良くなってもらって、また会う気にさせたい訳よ。新しい客を開拓するより楽だからな。ま、そういう点は接客業全てに通じてることだが……」
言われてみればその通りだった。
家で父親を相手にする様な態度を取るはずがないのだ。
「でもそれって、要するに演技だろ?」
心の中では嫌がりつつ、金づるだからと媚を売ってくるのはどうにも嫌な感じがした。
商売とはそういうモノなのだが、まだ年端もいかない少女がする事に嫌悪感を覚えたのだ。
「それを言ったらお終いだけどな。ま、しょせんは擬似親子なんだから仕方が無いさ。これはあくまで夢みたいなもんなんだからよ。俺たちは理想の娘を手に入れ、女の子たちは金を得る。そのためにお互い自分を誤魔化すってことだな」
そうは言っても、しているのはただの親子ごっこではない。
肉体関係を伴っているのだ。
「でもそれでセックスするなんて……」
「それそれ、それが一番のポイントなんだぜ? 自分の娘には手なんか出せない訳だが、それができるんだからよ。『パパぁ』なんて言われながらするとスゲェ興奮するぜぇ。あれを味わうと、もう普通のセックスなんてゴミみたいに思えるね」
梶山は嬉しそうな顔をしながら語っている。
その様子を孝文は何とも言えない思いで見つめた。
自分の娘と同じ年頃の少女とセックスをする。
しかも擬似親子として。
それがそんなに気持ちのいい事なのだろうか。
「それに若い肉体ってのはたまらないぜ。肌触りが違うしな。高校生としてるとこっちまで若返ったみたいな感じがして凄く元気が出るんだよ。娘に嫌われた悲しさなんか忘れられるくらいにな」
梶山は得意げに語った。
なるほどそういう理由があるからいつも元気だったという訳だ。
娘と同じ年頃の少女に甘えられ、その若いエキスを吸っているとなれば、確かに元気も出てくるだろう。
だがそれは犯罪であり、孝文にはとてもではないが受け入れられる事ではなかった。
「良かったら紹介するぜ。ちょうど今日、新しい子が相手探してるって俺の娘から連絡が入ったんだ。何だか真面目な人がいいってんで俺じゃ駄目なんだと。お前さんならその注文にピッタリだからいいと思うんだけど、どうだ?」
援助交際の相手をまるで本当の娘の様に語りながら梶山は尋ねてくる。
「いや、止めとくよ……俺には合いそうもない……」
孝文は首を横に振った。
「おいおい、勿体無いぜ。せっかくのチャンスなのに……あれか? 犯罪だからって躊躇してるのか? 大丈夫だよ、これってバレない様になってるから。会うのだって外じゃないから誰にも見られないし。キチンとしたシステムになってるんだぜ」
「って、何だよそれ。ヤクザでも絡んでるのか?」
あまりにしっかりしすぎていると、組織が背後にある様に思えてくる。
「いやいや、ヤクザじゃないよ、個人さ。これがやり手でな。まだ若いのに凄いんだわ。何だか商売でやろうとしてるんじゃなくて、あくまで慈善事業とか言ってたな」
「慈善事業?」
ますます胡散臭くなってくる。
「前に会った時言ってたけど、『世の中にはセックスしたくてもその機会のない男女が多すぎる。だから自分はそれをサポートしようとしているんだ』とかなんとか……」
「何だそれ? そんな事して何が楽しいんだか……」
「幸せそうにしている人たちの顔を見るのが嬉しいんだと。いや、実際俺もこれ始めてから毎日楽しいしな」
ここ数年、梶山は暗くなっていた時期があった。
ちょうど娘が中学生になった頃で、激しく嫌われて落ち込んでいたのだ。
今では信じられないが、毎日辛そうにしていたのを覚えている。
その事を考えると、確かにこの援助交際は精神的な回復の意味でも効果があるのかも知れなかった。
(でもだからって……やっぱり娘と同じくらいの子を抱くなんて……)
孝文には抵抗があった。
「同じ年頃の子に慣れると娘に対する見方も変わるぜ。接し方も自然になるっていうか……ま、娘の方の態度はさほど変わらないけど、こっちとしては気が楽になるんだよ」
それは魅力的な事だった。
今の親子関係はどことなくぎこちない感じがしていたからだ。
それを解消できるとしたらしてみたかった。
「それにお前さん、奥さん亡くなってからご無沙汰なんだろ? 浮いた話も聞かないし、真面目だから風俗行ってるとも思えないしな……ここいらでスカッと溜まったのを吐き出したらどうだい? 若い体はいいぜぇ、ピチピチで……」
その言葉に少し興奮してしまう。
確かに妻を失ってからこの十年、一切女を絶って必死に働いてきた。
セックスをしたくないかと言われれば、正直したいのが本音だったのだ。
「ま、いきなりセックスしろとは言わんよ。相手の子ってのも初めてらしいし。最初のデートは話すだけでもいいんじゃないか? ま、金払って呼んでるのに何もしないなんて俺には分からんけど、真面目なお前さんにはピッタリかも知れんわな」
梶山は笑いながら肩を叩いてくる。
「でも……」
「会うだけだって……会って話すだけだよ……相手の子も商売だからさ、娘みたいにツンケンしないで聞いてくれるぜ。俺にしても話してるだけでかなり癒されてる部分があるしな。今じゃ凄く甘えてくるから可愛くてしょうがないんだよ。ありゃまさに理想の娘ってやつだな」
そう言われると心が動いた。
娘に甘えられたらどれほど嬉しい事だろう。
それを疑似体験とはいえ味わえるのは魅力的だった。
「どうだ? 試しにちょっとやってみないか?」
梶山は身を乗り出して勧めてくる。
「う〜〜ん……でもなぁ……」
「会うだけだって……それだけだからさ……」
「……」
「試しだよ試し……何事もやってみないと分からないだろ?」
「そりゃ、そうだけど……」
「一回だけ……な、一回だけだから……」
異様に熱心な梶山の様子に少々心が動かされる。
(そうだよな……一回だけ……それにセックスするつもりはないんだし……話すだけなら……)
娘と自然に会話する訓練だと思えばいいのだ。
今のギクシャクした関係を改善するためには良い事なのかも知れない。
「じゃ、一回だけ……」
「そうかっ、よし。じゃあ早速娘に連絡しとくからな。楽しみにしてろよ」
思わず言ってしまった了解の言葉を慌てて否定しようとしたが、喜んでいる梶山の姿を見てしまうと、もう断れない様な雰囲気を感じてしまった。
「いやぁ、良かった。これでお前さんも元気になるだろ。娘さんともきっと上手くいく様になるぞ。いやぁ、良かった良かった」
あまりに興奮して喜んでいる梶山に驚く。
それほど熱心に他人の世話を焼くタイプには見えないのだが、どうやらこの事に関してはかなり本気で勧めていたらしい。
「何だか凄く嬉しそうだな……」
「自分でも面白いんだけどさ。何かいいんだよね、自分のした事で他人が幸せになるのって……このシステムを作った人の気持ちが分かるって感じかな……」
ワハハと笑っている梶山をよそに、つい受けてしまった援助交際の約束をどうしたものかと孝文は思った。
(今更断る訳にもいかないし……ま、ホントにちょっとだけ話して帰ればいいさ……少し高い出費になるかも知れないけど、仕方ない……)
そういえば料金について聞いていなかったのを思い出し、梶山に尋ねてみると、さほど高額でない事にホッとする。
「ま、しょせんは高校生相手だからな。ぼったくりの店とは違うさ。そこら辺の信頼性もこのシステムの売りなんだけどね」
だが話を聞くと、結局は男の方が相手の女の子を可愛がるあまり、料金とは別に小遣いやプレゼントを与えているらしい。
そこまでハマり込む感覚が分からなかったが、そうなってはかなりの出費になってしまうだろう。
そうなる前に止めようと孝文は思った。
梶山に案内された場所は高級マンションだった。
そこの一室に入ると、少しの間待つように言い残して梶山は去っていった。
ここと隣の部屋は表向き別々であるのだが、実は中で繋がっており、しばらくすると女の子が間にあるドアを開けて入ってくるらしい。
まさかここまで大掛かりな部屋を使っているとは思わなかった孝文は少々驚いていた。
元々高級マンションであるため部外者が入ることは困難であったし、こうして別々の部屋から会う様にすれば、たとえ他の住人に見られたとしても安心だった。
だがそれ以前に、この階の部屋全てが援助交際のシステムを作った人物の持ち物だというのだから驚きだった。
(金持ちの道楽ってことなのかな……?)
慈善事業でやっているという話を思い出し、何とも妙な事を考えつく人間がいるものだと孝文は思った。
見知らぬ男女がセックスするサポートをし、それによって当人たちが幸せになる事を喜びとする。
それがこの援助交際のシステムを作った人間の考えだと梶山は言っていた。
(ま、確かに金持ってる親父と金の欲しい女の子を上手く結び付けてるけどな……)
だがそれで本当に当人たちが幸せになっているとその人間は思っているのだろうか。
この様なことは欺瞞ではないだろうか。
とは言っても、梶山が幸せな状態になっている事は否定できなかった。
娘の事で悩み、仕事もおぼつかなくなっていた以前の様子を考えれば、今の彼がいかに幸せであるのかは疑い様がない。
擬似親子の関係であっても、梶山にとってはそれが幸福な事なのだ。
(俺も……これを続ければそうなるのか……?)
だがそれは誤魔化しに過ぎず、娘と以前の様に屈託無く話せる状態にならなければ本当の意味での幸せとは言えないだろう。
(ま、それができないから、こんな事してる訳だが……)
そんな事を考えていると、不意にトントンと中央にあるドアがノックされ、ゆっくりと開いた。
どうやら相手をする女の子が入ってきたらしい。
年甲斐もなく心臓を激しく鼓動させながら、孝文はドアに背を向けたままベッドに腰掛けてジッとしていた。
相手の女の子が歩いてくる音が聞こえ、しばらくして傍まで来たのが分かった。
「あの……私……初めてなんで……宜しくお願いします……」
初々しく話しかけてくる声は、実にまともそうで、よもや援助交際をする様な雰囲気を感じさせなかった。
その事に驚きながら、ただ話すだけの相手としては良いかも知れないと思いつつ、ゆっくり体をそちらに向ける。
「いや、こちらこ……って、あっ……!」
相手に向き直り、その顔を見た瞬間、孝文は体が硬直した。
目の前にいる少女も驚いた顔をして、口を大きく開けたまま人差し指をこちらに向けている。
「お、お父さんっ、何でここにっ?」
「お、お前こそっ、どうしてここにいるんだっ?」
そこにいたのは娘。
いつも家で見慣れている制服姿をした娘の亜依子がそこにいたのだ。
会うべきではない場所で会った親子は、お互いを見つめながら押し黙った。
「……」
「……」
しばらく無言で硬直した後、二人は同時に息を吐き出した。
「お前、こんな……ここが何をする所か分かってるのか?」
「分かってるよ……お父さんだって分かってるの?」
叱り付けようとして、すぐに自分も偉そうに言える立場ではない事を指摘される。
援助交際をしようとしていた事を叱りたくても、自分も同じ事をしようとしていたのでは親の威厳などあったものではない。
「どうしてこんな事をしてるんだ?」
取りあえず叱るのを止めにし、理由を聞こうと尋ねてみる。
「だってお父さん、バイト許してくれたじゃない。だから……」
「だからって、何でそれが援助こ……ゴホン、こういう事になってるんだ?」
「友達に『いいバイト紹介して』って頼んだら、これが凄く割がいいって……」
それは確かにそうだろう。
一度のセックスで大金を得られるのだ。
割がいいに決まっている。
「内容を聞かなかったのか?」
「聞いたよ……でも安心だからって……相手の人は酷いことしないし、優しくしてくれるからって……このシステムにはそういう人間はいない様になってるから大丈夫だって凄く勧められて……それで、つい……」
「だからってお前、内容に問題があるだろ……」
「エッチのこと? でも私経験あるし、一度くらいならいいかなって……」
「けっ……経験あるのか……?」
驚いて顔を見つめる。
「あ……うん……」
娘は「しまった」という表情をした後、小さく頷いている。
「いつっ、いつだっ? このシステムで経験したのかっ?」
肩を強く掴んで揺さぶりながら尋ねる。
「ちょっ……仕事じゃないよカレシと、中ニの時……痛いよお父さん……」
「あ……す、すまん……」
慌てて手を放す。
だが孝文の心は激しく動揺していた。
(ちゅ、中ニの時だと?……そんな……そんな頃に……)
記憶にある中学時代の娘は、とてもではないがセックスの経験がある様には見えなかった。
確かにあの頃何やら恋人がいる様な雰囲気はあったが、せいぜいキス止まりだろうと思っていたのだ。
その頃はそれすらも何だか悲しくて、相手の男に娘を取られたかの様に感じていたというのに、よもや肉体関係にまで至っていたとは……。
「で、そいつとはどうなったんだ? まだ付き合ってるのか?」
「ううん、とっくに別れたよ。っていうか、その先輩が卒業しちゃって自然消滅って感じかな?」
娘は淡々と語っている。
孝文は何とも言えない気分だった。
娘が援助交際に手を出そうとしていた事もショックだったが、何よりすでに、中学二年生の時に処女を喪失していた事が衝撃だったのだ。
確かに娘は発育が良く、小学生の頃から胸が大きくなっており、中学生の頃には並の成人女性が羨むほどの膨らみを持っていた。
それほど成長した肉体ならばセックスも可能ではあろうが、いくらなんでも早すぎるだろう。
孝文は己が中学生だった頃を思い出し、セックスの知識すらあやふやだったのと比較して溜め息をついた。
「それよりお父さんこそ何でこんな事してるのよ……まさかロリコンだったの?」
侮蔑の視線でこちらを見つめてくる。
「ち、違うぞ……別にロリコンじゃ……これは会社の同僚が無理やり勧めてきて……話すだけでもいい気分転換になるからって……それがあんまりしつこいもんだから……つい……」
「でも相手が高校生ってのは聞いてたんでしょ? やっぱロリコンじゃない……」
娘は呆れた様に溜め息を付いている。
その事に少し悲しくなりながら、孝文はここで言い負かされてはいけないと己を叱咤した。
「お、お前こそ……中年のオッサン相手なんて何考えてるんだ? いくら危なくないって言われたって、知りもしない相手に抱かれるんだぞ……嫌だと思わなかったのか?」
「う……そりゃ少しはね……でも歳聞いたらお父さんと同じくらいだったから……だったらいいかなって……」
「ハ?……何で父さんと同じ歳だといいんだ?」
「え?……ああ〜〜、べ、別に……深い意味はないよ……ただ何となく、安心しただけ……」
娘は恥ずかしそうに顔を逸らしている。
その事に孝文は何やら嬉しさを感じた。
どうやら娘は自分という父親をかなり信頼しているらしい。
父親と同じ歳ならば安心するという言葉には、そうした意味が含まれている様に思えたからだ。
(そうか……安心したのか……ふふ……やっぱりいくつになっても甘えん坊なんだな……)
幼い頃、いつも「おとぅたん、おとぅたん」としがみついて頼ってきた娘の姿が脳裏に浮かび、孝文は嬉しくなった。
キツク叱るつもりだった思いが薄れ、この事を許そうという気分になってくる。
「取りあえず今回の件は、お互い良くなかったって事でこれ以上話すのは止めよう。父さんももうしないから、亜依子ももうしないって約束してくれ」
仲直りと今後の安心を得るために、孝文はそう提案した。
どのみち今回の様なことは一方的には叱れないのだから、こうしてお互い約束する形にした方が良いと思ったのだ。
「え〜〜? それ困るよぉ……」
「な、何が困るんだ?」
当然同意するだろうと思っていた娘は、予想に反して不満そうな声を上げてきた。
「だってケータイの料金がぁ……」
「別のバイト探せばいいだろう?」
どうでもいい様な娘の理由に溜め息が出る。
「だけどさぁ、これ以上に割のいいバイトなんてないんだよ」
「そんなのは当たり前だ。そもそもお金を得るってのは凄く大変なことなんだぞ。ほいほい簡単に大金は得られないんだ」
「でもさぁ、できるじゃん。実際こういう仕事あるんだし」
「だから、こういうのは良くないことなんだ。しちゃいけないんだぞ」
「でもお父さんだってしようとしてたじゃない」
「う……」
それを言われると何も言えなくなってしまう。
だからこそ、「お互いが悪かった」という形で決着を付けようとしていたのだ。
だがどうやら娘はこの仕事を諦めきれないらしい。
「そうだっ! いい方法があるよっ!」
娘は突然手を打ち合わせ、名案が浮かんだ様子でニコニコしながら立ち上がった。
「何だ? いい方法?」
「お父さんが、私と援助交際してくれればいいんだよっ」
「ハ……?」
あまりに予想外な提案に間抜けな声を出してしまう。
「元々私がこれしようと思ったのだって、お父さんがケータイ料金稼げって言ったからなんだし。それに相手がお父さんなら絶対安心だしさ。これって凄くいいと思わない?」
娘は素晴らしい考えだと言わんばかりに語っている。
「お、お前……何を言って……」
その様子を孝文は呆然と見つめた。
「何って、私を抱かせてあげるって言ってるの……」
「そ、それって……」
「私とエッチしよ、って言ってるんだよぉ……」
少し顔を赤くしながら亜依子は笑っている。
孝文は訳が分からず固まってしまった。
(何だって?……抱く?……俺が亜依子を……?)
徐々に娘の言葉が理解でき、その内容に愕然としてしまう。
「な、な、何を言ってるんだお前はっ!」
驚きのあまり孝文は大声を上げた。
「うわっ、うるさいぃ……そんな怒鳴らないでよぉ……」
「これが怒鳴らずにいられるかっ。よりにもよって、お前何てことを……」
「でもさ、いい考えでしょ? 手っ取り早くケータイ料金稼げて、しかもお父さんが心配してる知らない人に抱かれないで済むんだから……」
確かにその通りではあるが、基本的な部分に問題があった。
「お、親子でしていいと思ってるのか?」
「え? いけないの?……そりゃあ、私もお父さんとじゃ何か嫌な感じするけどさ。全然知らない人に抱かれるのを考えたら断然いいよ」
どうやら娘の中では、父親に抱かれるのも、見知らぬ男に抱かれるのも同レベルでしかない様だった。
近親相姦という概念がないのだろう。
「いいか亜依子……世間一般じゃな、親子でセックスするのはいけない事になってるんだ……」
「へ〜〜、そうなの。でもさ、それって別に絶対駄目ってことじゃないんでしょ? 法律で決まってたりするの?」
「え?……いや、別に法律では……聞いたことないな……」
結婚は禁じられているが、近親相姦自体を規制する条文は知らなかった。
「ならいいじゃない。世間一般でどうなってても、法律で決まってないならしてもいいって事なんだよ。それに今時『みんながしてないからしない』ってのは流行らないよ。それより『みんながしてないからする』って方がカッコいいじゃんっ」
娘は何やら自分が他の人間と違う事をしようとしているのに興奮しているのか、嬉しそうにはしゃいでいる。
「そ、そうは言ってもだな……」
当然の事ながら納得できない孝文は、どうやって娘に近親相姦の罪を理解させようかと唸った。
「考えてもしょうがないよ。取りあえず実践してみよ? それで何かマズイと思ったら止めればいいじゃん。うんっ、そうしようっ」
そう言ったかと思うと、娘は突然しゃがみ込んで孝文のズボンに手をかけ、カチャカチャとベルトを外し始めた。
「お、おい……何してるんだ……?」
「え〜〜? 実践するって言ったじゃん。お父さんとエッチしようとしてるの」
「な、なに……?」
驚いているうちにベルトが外れ、ズボンとパンツを引き下ろされてしまう。
「こ、こら、止めなさ、くっ……」
制止の言葉は肉棒を掴まれたため口の中で消えた。
「ふ〜〜ん、お父さんのってこんななんだぁ……あれ? まだ柔らかいね……」
娘は肉棒をクニクニいじりながらしげしげと見つめている。
「亜依子っ、もう止めるんだっ。こういう事は……」
「してあげるね……」
再び止めようとかけた声は、股間に発生した快感に消し去られた。
娘が肉棒を咥えたのだ。
(うぅ……あぁ……)
その瞬間、孝文の意識は真っ白になった。
十年ぶりに感じる女の舌と口の感触。
蕩ける様な気持ちの良さがゾクゾクと体中に広がっていく。
(してあげるね……)
咥えられる前に聞こえた言葉が耳に響く。
娘の顔が少し大人びて見え、その様子に孝文は忘れられない思い出を重ねていた。
まだ幼馴染でしかなかった頃の妻に、初めて肉棒を咥えられた時も同じ言葉を言われたのだ。
目くるめく初体験の記憶が一気に興奮を高めていく。
「んんっ……んぐっ……はぁ……お父さんいきなり元気になったぁ……」
娘が嬉しそうに笑っている。
その言葉通り肉棒は痛いほど勃起しており、まるで若い頃の様にいきり立っている。
これほど元気な一物を見るのは孝文自身久しぶりだった。
十年間女体に触れずにいたのだから当然だろう。
「ね、お父さん……私頑張るから……だからケータイの料金、いいでしょ?」
娘が可愛らしくおねだりしてくる。
「ば、馬鹿っ……こんな事しちゃ駄目だっ……親子でこんな……こんなのは駄目だっ……」
首を激しく振って否定する。
「でもお父さんの凄くなってるよ……したいんでしょ?……私が出してあげるから……」
「や、止めなさ、あぅっ……」
再び肉棒を咥え込まれ、その刺激に孝文は仰け反った。
娘はその様子を満足げに見ながら、んぐんぐと熱心に舌を絡ませ、口内で擦り上げてくる。
(く……こんな……亜依子に……娘にこんな事させて……くぅ……でも……うぅ……気持ち……気持ちいぃ……)
父親として娘に肉棒を咥えられている今の状況を否定しようとするが、股間から押し寄せるたまらない快感がそれを消し去っていった。
「んぐっ……んんっ……んぐっ……」
娘は嬉しそうに笑いながら、年齢に似合わない優れたテクニックで孝文の肉棒を責め立ててきた。
亀頭が舌に包まれ、裏筋がチロチロと擦られる。
付け根からベロリと肉棒全体が舐め上げられ、先端を細かく刺激される。
それはたまらない、抑え切れない快感だった。
まるで童貞の少年であるかの様に、それだけの刺激で射精感が高まってしまっている。
(駄目だ……くっ……ここで出しては……うぅっ……亜依子の……娘の口に……うっ……)
それだけはしてはならなかった。
孝文の中で絶対に越えてはいけない一線だった。
だが容赦なく送られてくる快楽は、その思いをだんだんと弱めていった。
「んっ……んんっ……んっ……」
くぐもっていても可愛らしい娘の声に、思わず顔を見てしまう。
(!……)
それがいけなかった。
娘の顔に妻の懐かしい表情が重なり、まるで妻に肉棒を咥えられている様な錯覚が起こる。
(孝ちゃん……出していいよ……)
若かりし妻の甘い誘いの言葉が耳に響く。
それは耐えられない、強烈な誘惑だった。
「うっ……うぅっ……うあぁっ!」
次の瞬間、孝文は一気に精を放った。
ドピュドピュドクドクドクと、激しい勢いで精液が放出されていく。
十年間、溜まりに溜まった白濁液が、まるで喜びを示すかの様に尿道を強く刺激してくる。
「んんぅ……ん……んんん……」
娘は肉棒を咥えたまま、次々に吐き出される精液をゴクゴクと飲んでいった。
可愛らしい顔が歪み、唇の脇から白い液体が漏れているのが何とも言えないいやらしさを感じさせる。
自分は今、娘の口に射精している。
十七年間愛し、大切に育ててきた一人娘の口内に、己の精液を注ぎ込んでいるのだ。
何と下劣な、恐ろしい行為なのだろう。
だがそう思う一方で、今まで感じた事のないたまらない快感を得ているのも確かだった。
いけない、許されないと思えば思うほど、ゾクゾクする様な気持ちの良さを感じるのだ。
「くっ……うっ……はぁ……」
娘の頭を掴み、ガクガクと激しく腰を揺らしながら最後の放出を終える。
ゆっくりと力を抜き、ベッドに倒れ込む。
ハァハァと荒い呼吸をしながら、孝文は十年ぶりの射精に何とも言えない感慨を持った。
妻を失ってから恋人を作らず、風俗にも行かず、自慰すらもしていなかった孝文にとり、正真正銘十年ぶりの精のほとばしりだった。
気持ち良かった。
女の口に肉棒を舐められるのは最高だった。
どうしてこれほどの快楽を、自分はずっとせずにいられたのだろう。
「ふふ、お父さんってば、堪え性がないんだから……」
娘に可笑しそうに笑われ、顔が熱くなる。
それは亡き妻にもよく言われた言葉だった。
先ほども娘の顔が妻と重なり、そのせいで射精が早まった部分もあったのだ。
子供だとばかり思っていたが、娘は大人の女として成長し始めているらしい。
こうして眺めている顔も、妻の面影が濃くなってきている様に思えた。
「気持ち良かったでしょ?」
得意げな顔をして娘が体の上に乗ってくる。
そうされると、今度は幼い頃に同じ様にして乗られた事を思い出す。
記憶にあるのよりも遥かに重くなった娘の体が感じられ、その成長ぶりに孝文は嬉しくなった。
(亜依子……大きくなった……)
妻を失った頃にはまだ軽々と持ち上げられたその体も、今やかなりの圧迫を感じさせるほど重くなっている。
特に胸の辺りに当たる肉の感触は女としての成長を思わせ、放ったばかりの肉棒がビクンと反応を示した。
「ふふ〜〜ん……お父さん、私の体で感じてるんだぁ……」
娘がいやらしく笑いながらこちらを見つめてくる。
「なっ、何を言ってるんだ……父さんはそんな……」
「誤魔化したって駄目だよぉ……だってこぉ〜〜んなに、硬くなってるじゃなぁい……」
「うぅ……」
腿で股間を擦られ、思わず声を漏らしてしまう。
制服のミニスカートがまくれ、真っ白い太ももが見えた事で心臓が跳ね上がる。
いつもは気にもしない娘の脚が、今やみだらな肉として目に映った。
生の肌が肉棒に擦れ、そのスベスベとした感触に肉欲が高まっていく。
「私、オッパイ大きいんだよぉ……お母さんとどっちが大きいかなぁ……ね、比べてみてぇ……」
ギュッと抱きつき、回す様に乳房を擦り付けてくる。
言葉通り、かなりの量感を思わせる肉の塊が孝文の胸を甘く刺激してきた。
「も、もう止めなさい……父さんはこんな、んっ……」
否定しようとした言葉は途中でさえぎられた。
いきなり娘が唇を押し付けてきたのだ。
目の前に愛する娘の顔が迫り、近くで見ても少しも美しさの減らないその顔立ちに、我が娘ながら信じられない美少女だと孝文は思った。
(!……亜依子……)
ニュルリと唇を割り、舌が入り込んでくる。
それは何かを探す様に口内を舐め回し、孝文の舌にゾロリと絡んできた。
そのまま強く吸い上げられ、唾液を送り込まれ、顔を左右に入れ替えられながら激しいキスを繰り返していく。
(ああ……何て……何て気持ちいい……)
忘れていた快感が脳内に伝わり、肉棒がさらに硬く大きくなった。
体に重くのしかかる柔らかな体。
胸に感じる甘い肉の塊。
ゆっくりと股間を刺激してくる白い脚。
蕩ける様な快楽を伝えてくる可愛らしい舌。
全ては愛する娘が自分に与えてきているものだった。
(うぅ……も……もう……)
したかった。
この手で、唇で、舌で、そして肉棒で、今触れている熟し始めた己が娘の肉体を思う存分味わってみたかった。
だがそれは許されない行為。
父親が娘の肉を貪るなど、決して許されない事なのだ。
(でも……俺は……)
押し寄せる肉欲は、男としての理性、父親としての責任感、人としての禁忌の思いを駆逐しようとしていた。
娘の熱心な愛撫が、十年間雄としての機能を停止していた肉体に火を点け始めていたのだ。
一度火が入ってしまうと、それまで溜まりに溜まっていた肉欲が暴走し、まともな思考を奪っていく。
何を迷うことがあろう。
ここまでされてどうして抱かずにいられるのか。
娘だから何だというのだ。
女は女。
肉体的には十分女として育っている。
それにもう肉棒を咥えられ、守るべき娘の口に汚らわしい白濁液を注ぎ込んだではないか。
今更何をためらう事があるのだ。
ヤれっ、犯せっ、その甘い肉を貪り食らえっ。
(俺は……俺はぁっ……!)
もう我慢できない。
もう抑えられない。
凄まじい肉欲が孝文の体に満ち溢れ、今すぐにでも爆発しそうなほどに張り詰めていた。
「ねぇ、お父さぁん……抱いて……亜依子を抱いてぇ……」
甘く囁く娘の声。
こちらを上目遣いに見つめてくる可愛らしい顔。
それらが過去の記憶を呼び起こした。
(おとうたぁん、これ買ってぇ……)
幼い頃に何度も聞いたおねだりの言葉。
最初はたしなめるものの、結局買ってしまった記憶。
そう、自分はしょせん娘の頼みには逆らえないのだ。
(抱いて……亜依子を抱いてぇ……)
頭の中で繰り返される声。
十七年間大切に育ててきた娘の、その蕩ける様なおねだりが、孝文を禁じられた行為へ誘う引き金となった。
「亜依子ぉっ!」
叫ぶのと同時に背中に手を回し、愛らしいその体をギュウッと抱き締める。
「あんっ……お父さん、急にどうしたの……?」
驚く娘に構わず抱き締め続けると、体中に温かで柔らかな、何とも言えない肉の気持ちのいい感触が広がった。
(ああ……女……女だ……)
十年ぶりに抱き締めた女の体。
それは孝文の中にある雄を強く刺激し、激しい高ぶりを呼び起こし、それまであった躊躇の理由を全て吹き飛ばしていった。
「亜依子っ、亜依子ぉっ……ああっ……亜依子ぉっ……」
抱き締めたまま体を入れ替え上になると、その白い首筋に荒々しく唇を押し付けていく。
「あんっ……抱いてくれるんだ、あっ……やったぁ、はぁんっ……」
娘の嬉しそうな、そして甘い声が耳に響く。
刺激に反応し、ビクッと仰け反る首筋に舌を這わし、強く吸い付いていく。
「あっ……あんっ……やぁっ……お父さ、ああんっ……」
そのままゆっくり顎をなぞる様にして、桜色をした小さな唇に舌を押し込んでいく。
「んっ……んんっ……んふっ……」
先ほどは受身だったが、今度は主導権を握り、娘の可愛らしい口内を擦り上げる。
顔を両手で挟む様にして持つと、何度も舌を絡ませて吸い付き、荒々しく唇を擦り合わせていく。
「んんっ、んっ……んんぅっ……おとぅ、さ……はぁ……」
しばらくして唇を離すと、娘はトロンとした表情を浮かべながらボーっとこちらを見つめてきた。
それに満足げな思いを持ちつつ、ゆっくりと制服の前を開き、シャツのボタンを外して白いブラジャーに包まれた豊満な乳房を顕わにする。
(亜依子……こんなに大きくなって……)
先ほどから擦り付けられる事でその大きさを感じてはいたものの、実際に生で見る娘の乳房は迫力が違った。
幼い頃のペッタンコだった胸が、ここまで大きく、肉の塊として存在感をアピールしてくる事に、親として孝文は深い感慨を持った。
見事なまでに女として成長を遂げた娘に嬉しさを感じつつ、その肉体をこれから己が味わうのだという事に、恐怖にも似た歓喜を覚える。
(俺は……亜依子を……娘の体を……)
一瞬理性が制止を呼びかけてくるが、目の前で呼吸に合わせて上下に揺れ動く白い膨らみを見ているうちに、そんな思いはどこかに消え去っていった。
ゆっくりブラジャーを上に押し上げると、ぷるるんっといった感じで乳房が揺れ、ピンク色の乳首が目に映った。
(綺麗だ……)
その桜色の突起は幼さを感じさせると共に、それゆえか陵辱したくなる嗜虐心を高めた。
見ているだけで分かる肌の張り、そしてあまりに白く豊かな膨らみと、純粋さを感じさせる淡い色をした乳首。
まるで宝石の様に輝くその塊は、孝文の中にある雄を刺激し、これを今から自分が犯しまくるのだと思うと、激しい肉欲が湧き起こり、心臓が痛いほど鼓動して鼻息が荒くなった。
早くこの美しくも幼い塊にむしゃぶりつき、揉みしだき、吸い付きたい。
激しい衝動が体の奥底から湧き起こり、手が勝手に動いて乳房をギュッと掴んだ。
「あんっ……」
可愛らしい声が耳に響くのと同時に、手のひらに気持ちのいい感触が広がっていく。
(柔らかい……それに……何て弾力だ……)
妻の乳房を何度と揉んだ事があったが、今己が手にしている物体はそれとは違った感触があった。
吸い込まれる様に指が食い込むくせに、少し力を緩めると激しく押し返してくるのだ。
それはあまりに新鮮で、たまらない感触だった。
(これが若さか……)
まるで殴られたかの様な衝撃を感じながら、その心地良さに何度も揉みしだいていく。
「あっ……はっ……ああっ……」
回す様に激しく揉むと、娘が堪え切れない様に声を荒げる。
その様子に興奮を高めた孝文は、桜色をした幼い乳首に唇を押し付け、チュウっと強く吸った。
「ああんっ、あっ……やぁっ……」
娘がブルブルと体を震わせ、体をよじらせるのがたまらない。
そのままチュパチュパと何度も吸い、時おり強く吸い上げるのを繰り返す。
「やっ、ああっ……やぁんっ……お父さ、はぁっ……お父さぁん、あっ、ああっ……いいっ、いいよぉっ……それもっとぉ、はぅっ……それもっとしてぇっ……」
手で孝文の頭をグイグイ乳房に押し付け、娘は激しく悶えた。
その様子を嬉しく感じながら、何度も乳首を激しく吸い上げ、乳房を強く揉みしだいていく。
「あっ、ああんっ……はぐっ、はっ、はぁんっ……やっ、やはぁっ……」
甘く悶える娘の姿を見ていると、ずっと忘れていた男としての欲望がふつふつと湧き上がってくるのを感じる。
(そうだ……これだ……女を自由にする……これが男の喜びなんだ……)
己の与える刺激により、女が悶える姿を見るのは最高の快楽だった。
これがあるからこそ男は女を抱くのをやめられない。
それは男に備わる支配欲の本能なのだ。
優れた女、禁じられた女を抱く時に快感が増すのも、困難な対象を己が支配下に置くことへの喜びゆえだろう。
(ああ……亜依子……何て愛おしい……)
乳房への愛撫を止め、起き上がって上から見下ろすと、制服の前を乱し、白く豊かな膨らみを顕わにしてハァハァと荒い呼吸を繰り返す娘の姿が目に映った。
視線をゆっくり移動させ、娘の成長ぶりを頭から足の先までジッと眺める。
昔に比べて少し大人びてきたがいつまでも可愛らしい顔。
グラビアアイドルとしても十分通用するであろう豊満な乳房。
その胸の大きさと比較すると細さがさらに目立つキュッと締まった腰。
制服のミニスカートから伸びる白くてすべらかな太もも。
それらは全て娘が健康に育ち、かつ女として魅力的な存在となっている証しだった。
(綺麗だ……そして、いやらしい……)
視覚に送られてくる情報は、娘の花開き始めた肉体の美しさを感じさせつつ、白い肌が上気し赤く染まっている様子に女としての欲を思わせた。
娘は感じている。
欲情しているのだ。
自分の、父親の愛撫によって……。
(もっと亜依子を……亜依子を知りたい……)
思春期を迎えてから一緒に風呂に入らなくなったため、娘がどの様な肉体的成長を遂げているのか分からなかった。
制服をはだけ、胸の成長を始めとするその一旦を垣間見る事はできたが、まだそれは一部のこと。
女の肉体として一番重要な部分がまだ残っている。
乙女の花びら、男を迎え入れる場所だ。
孝文はゴクリと唾を飲み込み制服のスカートをめくると、パンティに手をかけて引き下ろした。
「あ……」
恥ずかしそうに娘が声を漏らしている。
その事に少し興奮しながら、いよいよとばかりにゆっくり白い脚を左右に開き、孝文は顔を近づけて隠されていた秘所を見つめた。
(き、綺麗だ……)
処女でないのはすでに分かっており、おそらくこの部分も大人の様になってしまっているのだろうと思っていたのだが、予想に反して娘のそこは、まるで幼い少女の様にピンクの輝きを放つ花びらのままだった。
(亜依子……亜依子綺麗だ……)
男に汚されてしまったはずであるのに、こうして美しいままの秘所を眺めていると、まるでまだ娘が処女であるかの様に思えてくる。
その錯覚に嬉しさを感じながら、孝文は唇を近づけ、舌先でつつく様にし、最も感じるであろう小さな突起を刺激していった。
「あんっ……あっ、ああっ……そこ、あぅっ……ああんっ……」
舌が動くたびに娘の体がピクっ、ピクっと動くのが可愛らしくてたまらず、プックリと膨らんできた突起を甘く包む様に擦り上げる。
「ああんっ、あっ……やはぁっ……いいっ、いいっ、いいのぉっ……気持ちいいよぉっ……」
肉付きの良い太ももに頭が挟まれ、添えられた手によってグイグイ股間に押し付けられる。
「はぐっ、はっ、はぁんっ……おとうさ、やっ……ああっ……お父さんそこ、はぅっ……そこぉ、ああんっ……」
頭をブンブンと激しく振り、シーツをギュウっと握り締めている姿を見ていると、今まで知らなかった娘の女の面が感じられ、孝文の興奮は激しくなっていった。
今自分が秘所を舐めている相手は娘であったが、それと同時に己の肉欲を高める女でもあった。
(若い……若い女はいい……若い女は何ていいんだ……)
初体験をした当時、すでに大人だった妻の体しか知らない孝文にとり、娘の反応と肉体の感触は若さと幼さを感じさせ、新鮮な思いを持たせた。
愛撫に漏れる声は甘いだけでなく可愛らしく耳に響き、触れている肌のすべらかさはゾクゾクする様な快感をもたらし、食い込む肉の弾力は激しい欲情を呼び起こした。
(この体に……この中に……入れたらどんな感じだろう……?)
今舌を這わせている秘所。
そこには男を受け入れる穴がある。
娘の膣は、若い女の膣は、一体どんな感触があるのか。
きっと大人だった妻とは違う、若い肉体ゆえの刺激があるに違いなかった。
そう考えると、すぐにでも肉棒を押し込みたい欲求が湧き起こってくる。
すでに孝文の頭には、娘と交わる躊躇は全く無くなっていた。
十年ぶりに体中に広がっている女体の感触がそれを忘れさせていたのだ。
「亜依子……入れるぞ……いいな……?」
起き上がり肉棒をその幼い秘所に近づけながら尋ねる。
娘はハァハァと荒い呼吸を繰り返し、トロンとした瞳をしながらコクリと頷いた。
ゆっくりと亀頭の先を膣穴に押し付け、グイと腰を前に進める。
ズブリ……。
「あっ……」
「くっ……」
父娘の声が重なった。
そのままズブリズブリと肉棒が幼い肉を掻き分け、娘の膣に収まっていく。
すぐに全てがハマり込み、孝文は一旦動きを止めて息を吐き出した。
(ああ……いい……やっぱり女はいい……)
十年ぶりに味わう女肉はたまらなかった。
入り込んだ肉棒に、周囲からまるで逃がすまいとするかの様にヒダヒダが絡み付き、強く吸い付いてくるのが最高だった。
さらにはキュッキュッと強く締め付けてくるのが、妻との交わりでは無かった刺激であり、その事に孝文は何とも言えない感慨を覚えた。
(これが……これが若い女かっ……)
その感想と共に、今自分が抱いているのが実の娘だという事を思い出す。
チクリと心に痛みが走るが、股間から押し寄せてくる快感がすぐにそれを消し去った。
「亜依子っ……亜依子ぉっ……!」
己は娘と一つになっている、肉棒を押し込んでいる、もう取り返しのつかない事をしているのだという思いが、ヤケクソの様に腰を動かし始めた。
「あっ、あっ、ああっ……あんっ、あんっ、ああんっ……」
その動きに合わせて娘の体が揺れ、甘い声が部屋に響く。
乱れた制服から豊満な乳房を見せ、可愛らしく悶える娘の姿にはたまらないいやらしさがあった。
「やっ、やっ、やぁっ……はぐっ、はっ、はぁんっ……」
プルンプルンと乳房が揺れ動き、その振動が肉棒を通じて感じられるのが嬉しさを伴った快感となってくる。
「お父さん、あんっ……おとうさ、はぅっ……いいっ、あぅっ……いいよ、ああっ……お父さんいいのぉっ……」
汗で額に髪の毛を貼り付かせながら、娘が呼びかけてくるのに肉棒がビクンと反応を示す。
振動により肉体的に、呼びかけにより精神的に、娘と一つになっている意識が強まり、ゾクリとする様な恐怖に似た興奮が高まる。
「亜依子ぉ、くっ……亜依子いいぞ、ぐぅっ……亜依子ぉっ……」
己も言葉を返すことで娘との一体感が増し、快感がさらに強まっていく。
「ああんっ、あっ、あはぁっ……凄い、あっ……凄いの、あぅっ……凄いよお父さぁんっ……あっ、あっ、ああんっ……」
その言葉に、娘が幼い頃自分の何気ない行為に尊敬の眼差しを向けてきた事を思い出す。
(おとぅたん、すごぉ〜〜い)
どれくらいそういった言葉を聞いていなかっただろう。
今それを再び聞けた事に、孝文は嬉しさで一杯になった。
「やんっ、やっ、やはぁっ……あぐっ、あっ、ああんっ……」
喜びに腰の動きも激しくなり、それと共に娘の喘ぎも高まっていく。
「あんっ、あっ、ああんっ……もっと、あぅっ……お父さんもっと、ああんっ……お父さんもっとだよぉっ……やっ、やんっ、やぁんっ……」
腰に脚が絡みつき、まるで逃がすまいとするかの様にギュッと締め付けてくる。
「あっ、あっ、ああんっ……こんな、あぅっ……こんなの、ああっ……こんなの凄いぃっ……はぐっ、はっ、はぁんっ……」
顔を近づけ、その小さな唇を荒々しく貪りつつ、さらに激しく肉棒を叩きつけていく。
「んんっ……んっ……んはぁっ……ああっ、あっ、あやぁんっ……私、あぅっ……私もう駄目、ああっ……私もう駄目なのぉっ……やっ、やっ、やぁっ……」
娘の限界を示す声と共に、膣内も今まで以上にキツイ締まりになった。
「ぐっ……うぉっ……亜依子っ……父さんも、くっ……父さんもイくぞっ……」
ベッドに手を付き、体全体で押し込む様に強く突き込んでいく。
「あぅっ、あっ、ああっ……いいっ、いいっ、いいのぉっ……はぅっ、はっ、はぁっ……もう私イくっ、イくのっ、イくよぉっ……あっ、あっ、ああんっ……お父さんっ、お父さんっ、お父さぁんっ……やっ、やっ、やぁああああああああっ!」
「亜依子ぉっ!」
娘の絶頂に合わせて精を放つ。
ドピュドピュドピュ……。
激しい勢いで精液が娘の膣に注がれていく。
ドクドクドクと尿道を刺激する射精の感覚に、孝文は強い快感を感じながら精を放ち続けた。
(うぅ……凄い……くぅ……やっぱりセックスは……セックスはいいぃっ……)
女の中に精液を放ち、注ぎ込む快感。
ずっと忘れていたこの開放感と気持ちの良さは、孝文の中の雄を激しく刺激した。
ガシガシと腰を叩きつける様に動かし、数度の射精の後、ゆっくりと力を抜いて娘の体の上に倒れ込む。
ハァハァと荒い呼吸をしながら、同じ様に吐息を漏らしている娘の顔を見つめる。
(ああ……亜依子……亜依子を、俺は……)
娘を抱いた。
そして精を放った。
しかも膣内に……。
(何て事を……)
肉欲の去った冷静な頭は、己のした行為を激しく批判してきた。
十年ぶりに女体を抱いた興奮から、全く避妊をせずに射精してしまった。
あまりの気持ちの良さと久々の高ぶりにすっかり忘れてしまったのだ。
しかし思えば初体験から避妊をせずにセックスしてきた孝文にとり、それは仕方の無い事なのかも知れなかった。
それに元々セックスするつもりが無かったため、避妊具を持ってきていなかったのだからどうしようもないだろう。
「お父さん……すっごく良かったよぉ……」
娘が甘える様に抱きついてくる。
「あ、亜依子……父さんとんでもない事を……」
暗い表情を浮かべながら、孝文は声を震わせて呟いた。
「え〜〜? あ、エッチした事ぉ?……気にしない気にしない。私からお願いしたんだしさぁ……」
そんな孝文の言葉を全く意に介していない様子で、娘はあっけらかんと笑った。
「だ、だが父親として……いや、それ以前に避妊してないぞ、妊娠したら……」
「あっ……そういや忘れてたぁ……う〜〜ん、ちょっとマズイかなぁ……」
娘は困った様な表情を浮かべている。
だがその言葉には少しの真剣味も感じられなかった。
「ま、いいじゃない。もうしちゃったんだし。赤ちゃんできたらできた時だよ……」
「できたらって、お前……」
あまりに楽観的な娘の言葉に呆然とする。
これが世代の違いなのだろうか。
今時の子供は皆この様な感じなのだろうか。
孝文は何やら不安になった。
「それよりさぁ、エッチさせてあげたんだからぁ……もういいでしょ? ケータイの料金」
「け、ケータイ?」
いきなり予想もしなかった言葉を聞かされ驚く。
「やだぁ、忘れちゃったのぉ? エッチしたらケータイ料金払ってくれるって約束でしょ?」
不満そうに呟く娘の顔をジッと見つめてしまう。
確かにそんな事を言っていた様な気もするが、了解したつもりは無かった。
「そんな約束をした覚えはないぞ……そんな事より妊娠……」
「え〜〜? そんなの酷いよぉ。わたし、お父さんがケータイ料金払ってくれるって思ったからエッチしたのにぃ……」
孝文の言葉を遮り、娘は大声で不満を顕わにした。
「だ、だから、約束した覚えはないと言ってるだろ。そもそもこういった事でお金を稼ぐのは良くないって……」
「じゃあ、何でエッチしたの?……お父さん、ノリノリで私の体舐め回してたじゃない……オッパイだって必死に揉んじゃってさ……」
「そ、それは……」
その事を言われると何も反論できなくなってしまう。
何しろ十年ぶりの女体に狂ってしまっていたのだ。
あの状態で理性を保てる男の方がどうかしているだろう。
「あれだけしたんだから、その分ちゃんと料金払ってよね。私とのエッチ、良かったでしょ?」
「う……」
確かに娘とのセックスは最高だった。
元々可愛く思っている相手であり、その上肉体的にも素晴らしいのだから、並の女を抱く以上の興奮と快感があって当然だった。
それに確約はしていなかったとはいえ、ケータイ料金を条件に抱かれたがった娘を受け入れてしまったのだから、それを否定してはあまりに理不尽すぎるだろう。
「仕方ない……今回は父さんにも否がある……ケータイ料金のことはもう言わん……」
「やったぁっ、お父さん大好きぃっ」
嬉しそうに抱きついてくる娘に、思わず顔をほころばせてしまう。
何だかんだ言っても、自分は最終的に娘のおねだりには逆らえないのだ。
こうして甘えられるとすぐに頬が緩み、何でも許してしまいたくなるのである。
(全く俺は……駄目な父親だ……)
昔存在していたガンコ親父というのは、どうやって娘に対する甘さを無くしていたのだろう。
そんな事を思っていると、ふと胸に乳房が強く押し付けられているのに気が付いた。
何やら娘がイタズラっぽく笑いながら、擦り付ける様にして体を動かしているのだ。
柔らかい肉の中でポツンと二箇所だけ硬い乳首の感触が伝わり、その事で今触れている物体が、先ほどまで自由に貪っていた肉の塊である事を意識させられる。
マズイと思った時には肉棒がムクムクと大きくなり、肉欲が湧き起こってきてしまった。
「ふふ、大きくなってるね。またする? 私としては来月もケータイ料金払ってもらえると嬉しいしぃ……」
どうやら初めからそれが狙いだったらしい娘は、満足そうに微笑みながらいやらしく誘ってくる。
「な、何を言ってるんだ……そういう考えはいかんと言ってるだろ?」
「だけどお父さん、エッチしたいんじゃないのぉ? お母さんが死んでからずっとしてないんでしょ? さっき何か凄く落ち着き無かったしぃ。それって久しぶりだったからなんじゃない?」
「う……」
図星であるため何も言えなくなる。
先ほどの行為は、思い出すと恥ずかしくなるほどセックスに夢中になっていた。
それほど興奮し、気持ちが良かったのだ。
「私はいいんだよ、しても……ケータイ料金稼げるし、何より気持ちいいしね……それにお父さんとするのって、何かすっごくいいんだよねぇ……私あんなに気持ち良かったのって初めてぇ……やっぱり経験の差かなぁ……大人だもんねぇ……」
他の男と比較して自分を褒めてくる娘に少し嬉しくなりながらも、許されぬ行為をした現実を感じて孝文は暗くなった。
「だがこういう事は、愛し合っている人とするものだ。親子でするもんじゃ……」
「なら他のオジサンとするぅ……お金稼げるのは一緒だもぉん……」
娘は拗ねた様にそっぽを向くと、唇を尖らせながらとんでもない事を口にした。
「だ、駄目だそんなのっ。知らないヤツに抱かれるなんて……」
「だったらお父さんがしてよぉ……安心でしょぉ? そうすればぁ……」
「……」
確かに自分が抱くのならば安心ではある。
だがそれは、近親相姦を自ら容認してしまう事になるのだ。
そんな事は許せなかった。
「亜依子は気にならないのか? 父さんと、こういう事するの……」
ふと娘はどう思っているのかと思い尋ねてみる。
「え〜〜? う〜〜ん……最初はちょっと抵抗あったけどね。でもお父さんだし、知らない人としてると思えば全然平気だよ……」
「そうか……」
内容としては問題があるのだが、自分に抱かれる事に嫌悪感を持っていない娘の言葉に嬉しさが込み上げてくる。
しかしだからと言って、娘とセックスする事を容認する訳にはいかなかった。
「お父さんは私が嫌なの? 私とエッチするのは気に食わない? 私って魅力ないの?」
「そ、そんな事あるかっ。亜依子は可愛い。世界で一番可愛いぞ。凄く魅力的だ」
それは正真正銘の本音だった。
孝文にとり、娘はどんな美少女よりも可愛い存在だったのである。
「だったらエッチしたっていいじゃん」
「それとこれとは……」
「大体もうエッチしちゃったんだから、今更気にしてもしょうがないよ。二回しないからって一回目が消える訳じゃないでしょ?」
「う……」
それは全くその通りだった。
「だ・か・らぁ……エッチしようよお父さぁん……わたしぃ、すっごく欲しいのぉ……お父さんのオチンチぃン……」
ギュッと肉棒を握り締め、微妙に刺激を与えながら娘は甘ったるくおねだりしてくる。
(う……)
これをされると弱かった。
昔からこうして甘えられると孝文は逆らえないのだ。
しかも気持ちのいい感覚が股間から這い登ってきているため、肉欲にも火が付き、冷静な思考が失われ始めていた。
(亜依子……)
先ほど思う存分味わった肉体が目に映り、その可愛らしさといやらしさに興奮が高まっていく。
「お父さぁん……エッチしようよぉ……」
背中に手が回り、ギュウッと抱き付かれながら上目遣いに見つめられる。
乳房の潰れる感触が体中に広がり、肉棒がビクンビクンと激しく震えた。
上から見下ろすと豊満な胸が谷間を作っているのが見え、その柔らかな膨らみを揉みしだき、吸い付きたい欲求が押し寄せてくる。
「ね? キスぅ……キスしてぇ……」
潤んだ瞳を瞑り、娘は唇をこちらに差し出してきた。
(あ、亜依子……)
もう駄目だった。
もう我慢が出来なかった。
肉欲が理性を打ち破り、孝文は娘の体を抱き締めるとその小さな唇に吸い付いていった。
「んっ……んんっ……んんぅっ……」
お互いの背中に手が回り、唇を激しく擦り付けながら舌を強く吸い合う。
頭が左右に何度も入れ替わり、そのたびに口内に刺激が発生して脳を蕩けさせていった。
「んんっ、んっ……んはぁっ……お父さぁん……」
トロンとした表情を浮かべながら娘がこちらを見つめてくる。
まるで熟女の誘惑の様にいやらしいその様子は、孝文の中にある雄を刺激し、体の奥底からゾクゾクする様な興奮を呼び起こした。
「亜依子っ……!」
ギュッと抱き締めて起き上がり、娘の体を四つんばいにさせると、背後から勢い良く肉棒を押し込んでいく。
「あぅんっ……お父さ、あっ、あっ、ああんっ……いきなり、あぅっ、あっ、あはぁっ……すご、あっ、あっ、ああんっ……」
可愛らしい尻を抱えて激しく腰を動かすと、娘が甘い声を発しながら体を震わせた。
「亜依子っ……くっ……亜依子ぉっ……」
愛しい名を叫びつつ、孝文は落ち着きが無くなっている自分を感じていた。
娘の肉体が欲しくてたまらなくなり、とにかく肉棒を突き込みたくて仕方が無くなっていたのだ。
理由は分からない。
娘を再び抱くのだと決意した瞬間、体の中で何かが壊れたとしか思えないほど、強烈な欲求が湧き起こってきていたのである。
その抑えようもない激しい衝動に突き動かされ、孝文はガンガンガンと、貫くかの様な勢いで肉棒を叩きつけていった。
「あっ、あっ、ああっ……ってちょ、あんっ……すご、ああっ……凄いよ、あぅっ……お父さん凄いぃっ……やっ、やっ、やぁんっ……」
甘く喘ぐ娘の姿を見ていると、自分が父親である意識が薄れ、ただ目の前にある若い女体を貪りたいという欲望が押し寄せてくる。
とにかくもっと肉棒を突き込み、悶えさせ、精を放ちたい欲求が脳を蕩けさせていくのだ。
「ああんっ、あっ、あはぁっ……いいっ、いいっ、いいぃんっ……お父さんいいよぉ、あっ……お父さんいいのぉっ……あっ、あっ、ああんっ……」
腰を動かすたびに娘の体がバネの様に跳ね、制服の間からこぼれている豊満な乳房が振り子の様にブルンブルンと揺れ動いた。
それを背後からギュッと握り締めると、タプタプとした感触が手のひらに伝わってたまらなくなってくる。
「あっ、あぅっ、ああっ……オッパイ、はんっ……オッパイ、やぁっ……オッパイぃっ……やっ、やっ、やぁんっ……」
頭を左右に激しく振り、髪をバサバサと乱して娘は悶え狂った。
そこには孝文が知っている普段の娘の姿は無く、ただ淫靡に悩ましい声を発する雌が存在しているだけだった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……凄いよぉ、あぅっ……凄いのぉ、ああんっ……お父さん凄いぃっ……あっ、あっ、ああんっ……」
あまりに強烈な突き込みに、娘は腕をガクリと崩し、尻を高く上げる姿勢をとった。
チェックのミニスカートがバサバサと揺れ、白い太ももが誘う様に震えているのがたまらない。
「あっ、あっ、ああっ……もっと、あぅっ……もっとだよ、ああっ……もっとしてぇっ……あんっ、あんっ、ああんっ……」
娘は頭を小刻みに動かし、シーツを手元に引き寄せて悶えている。
(うぅ……凄い、くぅ……何ていいんだ……)
今肉棒が収まっている膣は、信じられないほど気持ちが良かった。
若さというのもあったが、妻としていた時には存在しなかった一体感がそこにはあったのだ。
(こんな強く……吸い付いて、くっ……たまらないっ……)
肉棒に絡み付く膣襞が強烈に吸引し、まるで早く精を寄越せと言っているかの様だ。
(気持ちいいっ……気持ちいいっ……気持ちいいっ……)
孝文の頭は快感に蕩けてしまっていた。
キュウっと締め付けてくるヌルヌルとした温かい穴の中で、もっと激しく肉棒を動かし、思い切り射精したい。
より多くの快楽を得、与えたい。
そんな思いで一杯だったのだ。
「あはぁっ、あっ、お父さんっ、はぐぅっ……あっ、ああっ、あんっ……お父さんもっとぉ、あんっ……もっとだよぉっ……やっ、やっ、やぁんっ……」
甘く呼びかけてくる言葉に、己が実の娘を抱いているという禁忌の思いが湧き起こってくる。
本来守るべき立場でありながら、その対象である娘を陵辱している自分。
だがその思いは背徳感をもたらし、逆に激しい興奮をもたらす結果にしかならなかった。
十七年間大切に育ててきた娘を抱き、その熟れ始めた膣に肉棒を押し込み、激しく擦り上げて精を注ぎ込む快楽。
先ほど味わった禁断の喜びは、すでに止め様もないほど孝文の心を支配していた。
「ああんっ、あっ、あはぁっ……もう駄目、あっ……もう駄目だよ、あぅっ……もう駄目なのぉっ……やっ、やっ、やぁんっ……」
腰の動きに合わせて何度も頭を仰け反らせながら、娘は絶頂が近いことを告げてきた。
「父さんも、うっ……父さんもイくぞっ……父さんもイくっ……」
それに合わせ様と強く突き込みつつ、孝文も射精感を高めていく。
「あっ、あっ、ああっ……お父さん、あっ……お父さ、ああっ……お父さぁんっ……はぅっ、はっ、はぁっ……イくっ、イっ、イくのぉっ……もうっ、もうっ、もうぉっ……やっ、やっ、やぁああああああんっ!」
「亜依子ぉっ!」
ドピュドピュドクドクドクドク……。
娘の絶頂と共に膣内がキュッと締まり、それに耐え切れなくなった孝文は精を放った。
ガクガクガクと体を震わせながら何度も何度も射精を繰り返し、その小さな尻を強く掴んでいく。
「あ……ああ……あ……」
溜め息の様な吐息を漏らしつつ、娘はピクピクと痙攣している。
「亜依子ぉ……くぅ……ああ……亜依子ぉ……」
愛しい名を呼び、繰り返し射精を行なった後、最後の放出を終えた孝文はゆっくりとその背中に体重を預けた。
娘がそのまま体を崩したため、親子は布団の上に倒れ込み、荒い呼吸を繰り返しながらしばらくジッとしていた。
(ああ……気持ち……気持ち良かった……)
たまらない快楽に身も心も包まれている。
意識の片隅で、再び娘の中に精を放った事を理性が責めてくるが、もはや孝文はその事を気にしてはいなかった。
それほど娘との交わりには魅力的な快楽があったのだ。
膣内で精を放っている時に感じた、娘が己の物となり、自分の遺伝子を受け入れてくれているという激しい満足感、征服欲。
それと比べたら、倫理観や道徳など大した事ではないだろう。
近親相姦の何がいけないのだ。
これほど気持ちのいい行為をどうしてしないでいられようか。
しょせん男は種付けをする生き物。
優れた固体に己の遺伝子を結合させる事に生きがいを感じるのだ。
それが娘という、最も愛し、可愛がっている相手となれば、その膣に精を放ちたくなっても当然だろう。
何しろ父親にとり、最高に優れた女とは娘なのだから。
「おとぅさぁん……もっとぉ……もっとしよぉ……」
蕩ける様な甘さで娘が囁いてくる。
その愛らしい声に、もはや孝文が躊躇する事はなかった。
自分は娘を抱きたい。
その白く美しい肉体を舐め、吸い、濡れそぼる膣に肉棒を押し込み、思い切り精を放ちたい。
(俺は抱くっ……亜依子を抱くんだっ……)
精神は娘を己の物とできる事に歓喜し、肉体は極上の女体と一つになれる事に震えた。
「亜依子……」
孝文は再び愛する娘の体を抱き締めると、すでに硬く大きくなっている肉棒を、愛らしく口を開けている膣穴へと押し込んでいった。
「あぅん……お父さぁん……いい……気持ちいいよぉっ……」
ズブリズブリと肉棒が収まっていくのに合わせて娘がいやらしい声を漏らす。
その事に嬉しさと興奮を感じながら、孝文は再び激しく腰を振り始めるのだった。
あれから一年が経過していた。
あの日孝文は、娘のおねだりと自らの欲求に従い、何度もその幼い肉体を貪った。
妻としていた頃には経験した事のない回数をこなし、夜遅くまで交わり続けたのだ。
本来歳を取っているのだから、若い頃に比べて回復力は無いはずなのだが、娘の体を見、その肌に触れているとあっという間に肉棒は復活した。
それと共に肉欲も湧き起こり、その高ぶりに流されて何度も体を求めてしまったのである。
次の日になり、さすがに冷静になった孝文は、己がとんでもない事をしてしまったと憂鬱な気分になった。
だが娘の方はそうでは無かったらしく、再び誘惑、いやおねだりをしてきた。
すっかり自分とのセックスに夢中になったらしい娘は、とにかく抱いて欲しいとせがんできたのだ。
ケータイ料金は関係なく、ただ抱いて欲しい、お父さんに抱かれたいのだと言ってきたのである。
本来ならば断るべきその誘いを孝文は受け入れてしまった。
孝文自身、娘の体に狂ってしまったらしく抑えられなかったのだ。
十年ぶりに女体を味わった事、そして娘との禁断の交わりという思いが肉欲を高めたのだろう。
父娘は再び激しく交わり、その日以来、セックスするのが当たり前であるかの様に、お互いの肉を貪るのが日課となってしまった。
後悔はない。
むしろ喜びの方が多かった。
何しろ娘との関係は信じられないほど改善されたし、若い肉体を抱いていると、こちらまで若返るかの様な充実感があったからだ。
それは日常生活にも影響し、以前より明るく快活に一日を送れる様になった。
その様子を見た梶山は、「やっぱりして良かっただろ? お前さんが元気になって俺も嬉しいよ」と喜び、己のした事に満足そうにしていた。
しかし彼にしても、よもや孝文が実の娘とセックスしているとは思わないだろう。
告白したら羨ましがられるのではないかと想像しつつ、自分たちの行為が公にはできない事であるのを改めて認識した。
すでに倫理的道徳的な禁忌の思いは薄く、逆に肉欲を高める材料としかなっていなかったのだが、それでもやはり世間に知られてはならないという意識はあった。
そのために最もさせてはいけないのが妊娠であるため、孝文は二度目の交わりからはキチンと避妊する様にしていた。
妊娠さえしなければ、自分たち父娘の関係は誰にも知られる事なく続けられる。
一生こうしてセックスという、快楽と愛情を深める行為を娘としていく事ができるのだ。
それは最高に幸せな未来図だった。
そんな事を思っていたある日、孝文は衝撃的な言葉を娘から聞かされた。
いつもの様に何度か交わった後、娘の髪を撫でながらゆったりしていると、不意に「赤ちゃんができたよ」と言われたのだ。
それはまるで「ご飯ができたよ」と言うかの様な気軽さであったため、最初は何の事か分からなかったのだが、意味を理解した瞬間、孝文は絶句した。
避妊していたはずなのに、どうして妊娠したのだろうか。
まさか初めての時のせいなのか。
その事を尋ねると、娘は可笑しそうに笑い「お父さんの子じゃないよ、カレシの」と言った。
計算ではちょうど恋人と避妊せずにした時期に合うのだそうで、孝文の子種ではないらしい。
その事にホッとしつつ、娘に恋人がいるという事実に悲しくなった。
交わっている時の甘えてくる様子から、自分を恋人の様に思ってくれているのだとばかり認識していたのだが、それは父親の勝手な妄想でしかなかった様だ。
初めて関係を持った頃にはすでに付き合っていたそうで、自分に対しては父親に対する思いしか持っていないらしい。
ガッカリしているのが顔に出たのか、娘は「お父さんも大好きだよ」とフォローを入れてくれた。
そんな娘を優しく抱き締めながら、孝文の頭の中では先ほど告げられた衝撃の言葉が繰り返されていた。
(赤ちゃんができたよ)
それは亡き妻と結婚するきっかけになった言葉だった。
全く同じ言葉を全く同じ口調で述べる娘に、妻との血の繋がりを感じて何やら嬉しさと懐かしさを感じる。
だがそんな孝文の思いをよそに、娘は「私、カレシと結婚するから」とさらに衝撃の告白をしてきた。
どうやら付き合っている恋人に妊娠の事を告げたところ、すぐに「結婚しよう」と言われたそうなのだ。
そして娘はそれを受け入れたと言うのである。
何とも急であり、驚きの内容だったが、どうしてそれほど簡単にプロポーズを受け入れたのかと尋ねると、「彼ならいい夫にも、いい父親にもなると思うから」と娘は答えた。
(孝ちゃんならいい夫にも、いい父親にもなると思うから)
頭の中に妻の言葉が蘇る。
娘は本当に母親に似ていた。
元々あっさりとした性格にそれを感じていたのだが、結婚理由まで同じであっては何やら可笑しくなってくる。
だがいくらそうだからといって、結婚を許す気にはならなかった。
まだ十七歳であるし、何よりせっかくこれほど仲良くなれたというのに、離れて暮らすのでは辛かったからだ。
しかし娘に甘えられ怒られ、最後に泣かれては許さずにはいられなかった。
結局自分は娘に甘い父親なのだ。
許可を与えた後、「そんなにカレシを愛しているのか?」と尋ねると、娘は照れくさそうに笑いながら「うん、ダーリンを世界で一番愛してる」と返してきた。
娘の恋人は二十四歳と七歳も離れており、その事にまたまた驚いたのだが、どうやら誠実な男らしく、まだ数えるほどしかセックスもしていないらしい。
しかもそれも、娘の方から無理やり迫る形でしたというのだから呆れてしまう。
恋人の男は未成年のうちに抱く事を忌避していたらしく、それに業を煮やして襲ってしまったのだと娘は笑った。
だがよく考えてみれば自分にも同じ様にしてきたのだから、恋人となればもっと激しく迫ってもおかしくはないだろう。
思えば自分と妻との関係も妻に襲われる形で始まったのだから、娘はよくよく母親似なのだと孝文は思った。
数日後実際に会った恋人の男は、想像していた以上に誠実で、これならば少し我が儘なところのある娘を受け止め、幸せにしてくれるだろうと安心する事ができた。
無論、本音としては娘を嫁になどやりたく無かったのだが、本人が頑としてそうしたがり、あまり反対すると嫌われてしまう恐れがあったため、父親としては何も言えなかったのである。
そうして数ヵ月が過ぎ、婚姻が確定した後に娘は家を出て行った。
「あんっ、あんっ、ああんっ……やっ、やっ、やぁっ……」
目の前で娘が激しく悶えている。
胡坐をかいた上に座る様にして肉棒を咥え込み、自ら荒々しく腰を振って甘い声を発しているのだ。
「亜依子っ……亜依子っ……」
孝文は愛する娘の名を呼びながら、その肉付きのいい体をギュッと抱き締めた。
そうすると娘の全てを自分の物にしているかの様な錯覚を感じ、たまらなく嬉しくなってくる。
肉体的にも裸同士であるため、肌が擦れて気持ちがいい。
胸には豊かな乳房の潰れる感触があり、それがたまらない快感をもたらしていた。
「やんっ、やっ、やぁんっ……お父さ、はぅっ……お父さんいいよ、ああっ……お父さん最高っ……あっ、あっ、ああんっ……」
首に手を回して蕩ける様な表情をしつつ、娘が可愛らしく喘いでいる。
こうして膝の上に乗せ、自分を褒め称える様な言葉を聞いていると、幼い頃の記憶が蘇って楽しくなってくる。
昔は同じ様な状態で色々と話したり遊んだりしたものだった。
とにかく何をするにも胡坐の上に座ってするのが娘のお気に入りだったのだ。
それはどうやら今も変わらないらしく、セックスの体位にしても対面座位を好んだ。
その事が何やら可笑しさと懐かしさを感じさせ、孝文は娘をギュッと抱き締めたまま強く突き上げていった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……それ、あぅっ……それもっと、ああっ……それもっとぉっ……」
頭を左右に激しく振り、耐えられない様にギュッとしがみついてくる。
その可愛らしい様子に興奮を高めた孝文は、さらに激しく肉棒を突き上げていった。
「こうかっ?……これがいいのかっ?……亜依子はこれが好きなのかぁっ?」
「ああんっ、あっ、あはぁっ……好き、あっ……好きなのぉ、あんっ……それが好きぃっ……あっ、あっ、ああんっ……」
脚が腰に絡み付き、強く締め上げてくる。
「ならもっと凄くするぞっ……ほらっ……どうだっ……」
娘の肉付きのいい尻を掴みながら、一瞬立ち上がる様に持ち上げ、すぐに落とす。
「あぅんっ、あっ、あぁんっ……凄、あぐっ……これ凄い、あっ……これ凄いよぉっ……」
重力が加わったせいで、それまで以上の摩擦が生じ、娘は激しい喘ぎを漏らした。
その事に満足な思いを持ちながら同じ事を何度も繰り返す。
「ああんっ、あっ、あぐぅっ……やはぁっ、はっ、はぅんっ……こんな、ああっ……こんなのぉ、はぐっ……こん、あっ、あっ、あぅんっ……」
体中でギュッと抱きつき、いやいやする様に首を振る娘の姿は、幼い頃の駄々をこねている姿そのままだった。
(はは……いつまで経っても……亜依子は亜依子だな……)
その姿に可笑しさを感じつつ、もっと気持ち良くさせようと思った孝文は、娘の体を横たえ、布団に手を付いて体全体で突き込む様にしていった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……いいっ、いいっ、いいよぉっ……お父さんいいのぉっ……はぅっ、はっ、はぁんっ……」
腰の動きに合わせて娘の体が前後に揺れ、豊満な乳房がブルンブルンと震えるのを満足げに見下ろす。
「ほらっ……こういうのはどうだっ?……亜依子っ……いいだろっ?」
腰を「の」の字を描く様に回転させ、鋭く突き込みを入れる。
「あぐっ、あっ、ああっ……それいい、あっ……それいいよ、あぅっ……それいいのぉっ……やっ、やっ、やぁんっ……」
背中に腕を回し、ギュッと抱きついてくる娘を可愛らしく思いながら、何度も同じ様にして腰を回転させていく。
「やんっ、やっ、やぁっ……わたし、あぅっ……わたし、あっ……わたしぃっ……あんっ、あんっ、あぁんっ……お父さん、やっ……お父さん、やぁっ……お父さぁんっ……」
潤んだ瞳で何かを訴える様にして、娘はこちらをジッと見つめている。
「もうイきそうなんだなっ?……よし、ラストスパートだっ……」
コクリと頷く娘に笑顔で答えながら、孝文はさらに腰の動きを加速していった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……やっ、やっ、やぁっ……凄いっ、凄いっ、凄いよぉっ……」
娘は快感を逃すまいとするかの様に手足を絡みつかせ、しがみつく様にして抱きついてきた。
それに伴って膣内も締まり、孝文の射精感も高まっていった。
「うおぉっ……亜依子っ……父さんイくぞっ……父さんイくっ……」
己の射精感が高まっている事を告げながら、それまで以上に腰を激しく振っていく。
「あんっ、あんっ、ああんっ……イっちゃうっ、イっちゃうっ、イっちゃうよぉっ……やんっ、やっ、やぁんっ……駄目、あっ……駄目だよ、あぅっ……もう駄目ぇっ……はんっ、はんっ、はぁあああああああああああんっ!」
「亜依子っ、亜依子っ、亜依子ぉっ!」
娘の体が硬直するのと同時に肉棒が締め上げられ、それに耐え切れなくなった孝文は精を放った。
ドピュドピュドピュ……。
激しい勢いで精が放たれていく。
「ああ……あ……ああ……」
娘の甘い吐息を聞きながら、孝文はその感触に背徳的な思いを抱きつつ、それ以上に押し寄せてくる快感に身を委ね、何度も何度も射精していった。
しばらくして全ての精を放ち終えると、ゆっくり娘の体の上に身を預ける。
熱い呼吸を繰り返しつつ、父娘はお互いの体を抱き締め合い、快楽の余韻に浸った。
「ね、お父さんもう一回……もう一回いいでしょぉ……?」
娘は甘える様に囁きながら起き上がると、肉棒に手を伸ばして精液の詰まったコンドームを外し、新しいのをかぶせてきた。
「おいおい、気が早いな……もうちょっと待ってくれないと無理だよ……」
そう答えながらも、娘が自分を求めてくれる事に嬉しさを感じる。
結婚してからというもの、娘はこうして毎週土曜になると実家に遊びに来ていた。
建前上は一人きりの父親を寂しがらせたくないという事だったが、実際はセックスをするためだった。
どうやら娘は自分との行為にかなりハマっているらしく、どうしてもしたくなるのだと言っていた。
まさか父娘で交わっているとは想像もしない娘の夫は、快く許してくれたらしい。
それは孝文にとって嬉しいことであった。
何しろ諦めていた娘とのセックスを続ける事ができるのだから。
そしてさらにもう一つ、娘が遊びに来る事でとんでもなく嬉しい事があった。
「あ、起きちゃった……しょうがないなぁ……」
突然部屋の隅から泣き声が響き、娘は傍に寄るとそこにある物体を抱き上げた。
それは生後数ヶ月の赤ん坊だった。
孝文にとっては孫に当たる、娘の子供である。
この孫が今、孝文の幸せの大半を占めていたのだ。
「ほら、飲みなぁ……大きくなるんだぞぉ……」
何ともぞんざいな言い方で、娘は哺乳瓶を赤ん坊の口に当てている。
結婚し、子供を産んでもあまり母親らしく感じられないその様子に何やら可笑しくなってくる。
「亜依子が結婚したのは悲しかったけど、この子が産まれたのは父さん嬉しすぎるよ……ああ、何て可愛い顔だろ……」
孝文は目を細めながら孫の様子を眺めた。
「お父さんったら、すっかりお爺ちゃんになってるよねぇ」
娘が可笑しそうに笑っている。
「しょうがないだろ、こんなに可愛いんだから……」
祖父にとって孫は可愛くて仕方が無いという話を聞いたことはあったが、自分がここまでおかしくなるとは思ってもみなかった。
娘への可愛らしさ以上に、孫に対しては無条件の愛らしさを感じてしまうのだ。
「ふふ〜〜ん……ね、お父さん……」
「ん? なんだ?」
ミルクを美味そうに飲んでいる赤ん坊を見つめていると、何やら楽しそうに娘が問いかけてきた。
「この子……お父さんの子供だって言ったら、信じる?」
「は? 何言ってるんだお前……それは違うって自分で言ってたじゃないか……」
冗談だと思いつつも、改めてそう言われると心臓が激しく鼓動した。
何しろ「絶対そうではない」と言い切れる自信が孝文には無かったからだ。
「確かに言ったけどねぇ……それって嘘なんだよぉ……この子はぁ、お父さんの子供なのぉ……」
娘は赤ん坊をあやしながら楽しそうに告げてくる。
「そういう冗談は止めなさい。旦那に悪いと思わないのか?」
「だぁって本当の事だもぉん……この子はぁ、お父さんと初めてエッチした時にぃ、できた子なんだよぉ……」
「……」
だんだんと不安になってくる。
自分の子供ではないというのは、あくまで娘に言われてそう思っているだけなので、その娘に否定されては何も反論できないのだ。
「本当に……そうなのか……?」
恐る恐る尋ねる。
ここで娘が明るく「嘘だよ」と笑ってくれればそれで問題は無かった。
いつもの悪ふざけで、自分をからかっているだけの、少し腹は立つが笑える話で終わるのだ。
「本当だよ……」
だが娘は笑うどころか、真剣な顔で静かに呟いた。
その表情はとても冗談を言っている様には見えない。
「なっ!……ど、どうして……?」
あまりの事に跳ぶ様にして起き上がり尋ねる。
「どうして嘘ついたかって? それはね、早く結婚したかったから……」
「け、結婚?」
「私、ダーリンを凄く愛しちゃってるから、すぐにでも結婚したかったの……でもあの人真面目だから……私にお母さんいないの知って、私がいなくなったらお父さんが寂しがるだろうって……」
「……」
「だからお父さんとエッチしてしばらくした後にね、妊娠してるのが分かったから……それを利用しちゃった……」
エヘっと娘は可愛らしく微笑んでいる。
だがその内容は、とてもではないが笑って済ませられるものではなかった。
何しろ他の男との間にできた子供を理由にして恋人に結婚を迫ったのだ。
しかもその男というのが実の父親となっては、二重の意味で許されない事だろう。
「そんですぐにダーリンを襲って無理やりエッチしちゃったの……そうすれば少しくらいの差だからごまかせると思って……実際ダーリンはそういうの疎いから全然大丈夫だったよ……」
娘は得意げに語っている。
「……」
孝文は深い溜め息をついた。
これまでずっと孫だとばかり思っていた赤ん坊が実は自分の子供であり、娘との近親相姦の結果産まれた存在だったとは……。
しかもそれを娘は分かっていて産んだと言うのだ。
恋人に結婚を迫る材料とするために……。
すでに無いに等しくなっていた倫理観がチクリと心を刺した。
「そんでね……私たち、もう一人子供を作る予定なんだぁ……」
娘は赤ん坊を再び寝かせると、家族計画を語りながら傍に寄ってきた。
「だからねぇ……こんな物付けないでしても大丈夫だよぉ……」
そう言いながら先ほどかぶせたコンドームを外してくる。
「なっ……何を言ってるんだ……?」
「ダーリンともしょっちゅうエッチしてるからぁ……赤ちゃんできても大丈夫ってことぉ……」
胡坐をかいている孝文の横に座り、クリクリと肉棒をいじりながら囁いてくる。
「そんな訳あるかっ。俺との子供じゃマズイだろうがっ」
「でももういるじゃん、そこにぃ……」
隅でスヤスヤと眠っている赤ん坊を指差す。
「う……」
それを言われると辛かった。
知らなかったとはいえ、孝文の子種によって妊娠した事は事実であるし、さらにはそれを理由として、当時恋人だった娘の夫に結婚を決意させてしまったのだ。
ある意味共犯と言えるだろう。
「で、でもこの子は父さんの子だって分かってるだろ? 今度はどっちの子か分からなくなるじゃないか。それは大問題だぞ」
「だけど私の子供って事には変わりないんだしぃ……別にいいよどっちでも……私はお父さんもダーリンも大好きだもん……」
何とも問題意識の薄い娘の言葉に力が抜ける。
「お前はそんなに子供が欲しいのか?」
「べっつにぃ……ただ生でエッチしたいだけぇ……」
その言葉に再び息を吐き出す。
「だってさぁ、お父さんって生でエッチしてる時の方が凄いんだもん……最初の時もそうだったけど、この間妊娠してる最中にしたのは凄かったよぉ……ああいうのもっとしたいんだぁ……」
確かにそれは自分でも自覚があった。
コンドームを付けている時よりも、そうでない時の方が確実に興奮しているのだ。
数ヶ月前、妊娠している事で久々に避妊具無しでした時も、激しく燃え上がり、娘の体を獣の様に貪ったのである。
「だからさぁ……ね、生でしよ?……その方がお父さんだっていいでしょ? ほら、オチンチンもおっきくなったよ……」
娘は答えを聞かずに跨る様にして膝の上に乗ってくると、肉棒を持ちながらゆっくり腰を下ろしてきた。
「こ、こら止めなさい……するならコンドームを……」
「だからぁ……私は生でしたいのぉ……あぅんっ……あはぁ……やっぱ生はいいねぇ……」
制止の言葉を無視し、娘は膣に肉棒を咥え込んだ。
ズブリズブリと肉をかき分ける感触が伝わり、直接感じる粘膜の刺激に孝文は思わずうっとりとなった。
(くぅ……き、気持ちいいぃ……)
数ヶ月ぶりに味わう生の女肉は、孝文の中にある雄に火を付け、すぐにでも腰を動かし精を放ちたくて仕方の無い衝動を呼び起こした。
再び妊娠させてしまうかも知れないという恐れは、激しく湧き起こってくる肉欲にかき消され、今や孝文の意識はどの様に娘を喘がせるかという事に集中し始めていたのである。
(うぅ……亜依子を……亜依子を抱きたいっ……)
いけないと思いつつも、狂わんばかりの欲に心を支配され、ついに孝文は理性の手綱を手放してしまった。
「亜依子っ! 亜依子ぉっ!」
娘の体をギュッと抱き締めると、その柔らかな乳房を胸で潰しながら激しく腰を突き上げ始める。
「あんっ……お父さん、あっ……いきなり、あぅっ……やっぱ生だと、ああっ……お父さん凄いよぉっ……」
頭を仰け反らせながら、娘は嬉しそうに抱きついて体を震わせている。
それを満足げに見つめながら、孝文はさらに強く、思い切り突き上げていった。
「はぅんっ、あっ、ああんっ……あっ、あっ、あやぁっ……こんな、あぅっ……こんなのぉ、ああっ……こんなの凄いぃっ……」
体全体を弾ませる様に腰を上に持ち上げ落とすと、重力の作用で激しく肉棒が出し入れされてたまらない快感が押し寄せてくる。
(亜依子っ……亜依子っ……ああっ、俺は亜依子をっ……実の娘を犯してるぅっ……)
これまで何度も抱いてきているはずなのだが、こうして粘膜同士を擦り合わせていると娘との血の繋がりが感じられ、落ち着かない衝動が体を突き動かしていった。
「んんっ、んっ……んはぁっ……あっ、あっ、ああっ……お父さん、あぅっ……お父さん好き、あんっ……お父さん大好きぃっ……」
唇を荒々しく吸い合い、呼びかけてくる娘の言葉に腰の動きを強めることで答える。
「あはんっ、あっ、あぅっ……あっ、やっ、はぁんっ……いいっ、ああっ……いいよぉ、あぅっ……いいのぉっ……」
揺れ動く豊満な乳房を揉みしだき、強く屹立している乳首をチュパチュパと吸って舌先で激しく弾く。
「ああんっ、あっ……ああっ……やっ、やぁっ……あぐっ……ああっ、ああんっ……」
娘の体を押し倒してその細い腰をしっかり抱えると、孝文は貫くほどの勢いで肉棒を叩きつけていった。
「あんっ、あっ、ああんっ……はっ、はぁぅっ、はぁんっ……」
背中に爪が立てられ痛みが走るが、それすらも快感に感じられるほど娘の体は気持ちが良かった。
「あっぐっ、ああっ……はぁっ、はぅっ……あっ、ああっ、やぁんっ……」
脚がギュウッと腰を挟み、それと同時に膣内が強く締め上げられ、射精感の高まった孝文は一気に精を放とうと腰の動きを早めていった。
(で、でも……いいのか? このまま出して……)
不意に頭に理性の指摘がよぎる。
一旦射精してしまえば、また自分は不義の子を産み出してしまうかも知れないのだ。
それは許されぬ事だろう。
「ああんっ、あっ、ああっ……出してぇ、あっ……お父さんの、ああっ……お父さんの精子ぃ、あぅっ……私の中に、ああっ……私の中にぃ、あんっ……私の中に出してぇっ……」
だがそんな孝文の内心を見透かしたかの様に、娘は射精を求める声を上げた。
(亜依子っ……俺のっ……俺の精子が欲しいのかっ……?)
それは雄としてたまらなく興奮を促す言葉だった。
雌に己の精を注ぎ込む事こそ雄としての喜びだ。
それを要求されて跳ね除けることなどできるはずがないだろう。
(俺は出すっ……亜依子の中にっ……亜依子の中にぃっ……実の娘の中に射精するんだぁっ……!)
もう何も躊躇させるものはなかった。
孝文は目の前の、己が肉棒を押し込んでいる愛する娘の中に精を放とうと、滅茶苦茶に腰を振っていった。
「ああっ、あっ、ああんっ……もう駄目、はぐっ……もう駄目だよ、ああっ……もう駄目なのぉっ……あんっ、あんっ、ああんっ……イく、はぅっ……イくの、ああっ……イっちゃうんだよぉっ……やっ、やっ、やぁあああああああんっ!」
「亜依子ぉっ!」
ドピュドピュドクドクドクドク……。
肉棒の栓が一気に開かれ、たまらない気持ちの良さが体中に広がっていく。
「く……うぅ……くぅ……」
数ヶ月ぶりに直接膣に放つ行為は何とも言えない開放感と独占欲、そして征服欲を刺激した。
ドピュッ、ドピュッ、と肉棒が震えながら精を放つたびに、愛する娘の粘膜が受け止めているのが分かる。
まるで娘が自分の物となったかの様な感覚が押し寄せ、配偶者である夫から娘を取り返した激しい満足感に心が満たされていった。
(ああ……子供が……赤ちゃんができる……俺の……俺の子が……俺と亜依子の子供がまた……)
目の端にスヤスヤと眠っている赤ん坊の姿が見える。
それが己の遺伝子を受け継ぐ存在であると認識すると、激しい快感が体を走り抜けていった。
こうして放った精子が娘の卵子と結合し、新たな生命、自分の血を引く者として産まれてくるのだ。
まさに雄にとって赤ん坊というのは、雌を己が物とした証しそのものだった。
その存在は、自分と娘とを分ち難い、最も愛情溢れる関係であると証明しているのだ。
「ああ……あ……ああ……おとぅさ……」
甘く熱い吐息を漏らしながら、娘がうっとりとした表情で潤んだ瞳を向けてくる。
「あ、亜依子ぉ……くぅ……」
最後の放出を終えた孝文は、愛する娘を見つめながらゆっくりと体をその柔らかな肉に預けた。
ドロリとした精液が娘の膣に満ちているのを感じつつ、ハァハァと荒い呼吸を繰り返しながら、孝文は愛らしい唇に吸い付いていった。
「んんっ……お父さん、大好きぃ……」
「亜依子……愛してるぞ……」
父娘はまるで一つになろうとするかの様に腕と脚を絡ませ、体全体を擦らせて快楽を与え合った。
夫との、妻との交わりでは得られない悪魔の喜びを肌で感じつつ、その行為が禁断の生命を誕生させる結果をもたらすのだと理解しながらも、父と娘は近親相姦という極上の果実を何度も何度も貪っていくのだった。
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