姉との熱い夏


 暑い中ようやく家に辿り着いた優介は、早く自分の部屋へ行こうと急いで階段を昇った。
 昨日エアコンを取り付けたため、早くその恩恵にあずかろうと思ったのである。
 これまで家には居間にしかエアコンが無かったのだが、優介は高校を卒業してすぐ就職したため、自分で購入できる金を手に入れる事ができたのだ。
 今年の夏からは涼しく過ごせるのである。
 優介はワクワクしながら自分の部屋のドアを開けた。
(って、あれ……?)
 ムワっとした熱気が押し寄せるかと思いきや、涼しい空気に部屋が満たされている。
 驚いていると、部屋の中央に姉が寝転んでいるのが見えた。
「あ、優介おかえり〜〜」
 姉は雑誌を読みながら片手を上げた。
「なっ……姉ちゃん何で……?」
 どうして部屋に姉がいるのか分からず呆然としてしまう。
「何でって……優介がエアコン買ったからだよぉ……涼しくていいじゃない」
 確かにそれはそうだが、だからと言って自分に何の了解もなく使っていい訳ではないだろう。
「勝手に使うなよな。これは俺のなんだからっ」
 優介は腹立たしく声を荒げながら姉に文句を言った。 
「別にいいじゃない。どうせ電気代払ってるのは父さんなんだしぃ」
 しかし姉は優介の怒りなどどこ吹く風か、全く取り合おうとしない。
「そ、そりゃそうだけど。一応一言あったって……」
「五月蝿いわねぇ。文句あるの?」
 ギロりと睨まれ押し黙る。
 昔からそうして姉に強く言われると逆らえなくなった。
 幼い頃からのしつけとは大したものなのだ。
「な、ないけど……でも一応言ってくれよ……」
 弱々しい言葉になりながらも何とか言葉を続ける。
「そうね、うん分かった。じゃあこれからも使わせてよね?」
「う、うん……」
 姉はあろう事か今後の使用についての許可を求めてきたのだが、それに対して逆らう気力などもはや優介にはなかった。
 すでに怒りは消え失せ、「仕方ないなぁ」といった諦めの感情が起きてしまっていたからである。
 長年の習性か、姉にこうして強い態度に出られると、怒りを自分の中で違ったものにすり替えてしまう様なのだ。
(ああ……俺ってしょうがね……)
 分かっていてもどうしようもない己の性格に優介は溜め息をつきながら、取り合えず着替えようと部屋の中に入った。
 服を脱ごうとして、姉とはいえ異性の前で着替えることに躊躇する。
「あの……姉ちゃん……俺、着替えたいんだけど……」
「え? 気にしないでどうぞ」
「いや……その……うん、分かった……」
 確かに気にしても仕方が無い。
 別に裸になる訳ではないのだし構わないだろう。
(くそ……姉ちゃんには敵わないなぁ……)
 本来激しく怒るべきところなのだろうが、昔から姉に対してはすぐにこうして怒りが治まってしまう。
 何やら自分が腹を立てているのがおかしい様な気分にさせられてしまうのだ。
 小さい頃から何かと姉に言いくるめられてきたせいかも知れない。
 よく思い出してみれば、理不尽な事であっても自分は納得させられてきた様な気がする。
(まあ、別にそれが悔しいって訳でもないけどさ……)
 怒り自体がどこかへ消えてしまうのだからストレスが溜まる訳でもないため、何やらそれが当然の様に思えてしまうのだ。
(でも……一度でいいから姉ちゃんに勝ちたいなぁ……)
 それは想像外の状況だったが、もしそうする事ができたとしたら、きっと爽快な気分になるに違いなかった。
 しかしその前提として、自分が姉よりも優位に立たなければならないのだから、そんな状況などありえそうもなかった。
(所詮俺は、姉ちゃんの弟だってことだよな……)
 優介はそう思いながら深い溜め息を吐き出した。


 ドアの開く音がして優介は目を覚ました。
(何だよ……姉ちゃんトイレか……?)
 起こされた事に腹を立てながら寝返りを打つ。
(だから同じ部屋で寝るのは嫌だったんだよ……それを姉ちゃんが無理やり……)
 夜も遅くなり、そろそろ寝ようかと思った矢先、姉が自分の部屋から布団を持ってきて敷き出したのである。
 まさかとは思ったが、姉はそのまま布団に横になった。
 考えてみれば当然のことで、ずっと涼しい場所にいた人間が寝る時だけ暑い部屋に戻る訳がないのだ。
 文句を言ってみたが、優介の言葉など右から左で「いいじゃない。いいじゃない」と無意味に明るい笑顔で押し切られてしまった。
 いつまでもブツブツ言っていると、「あたしの言う事が聞けないってのぉ?」とドスの利いた声で脅され黙らされた。
 それが出たら優介の負けだった。
 考えてみれば、そうした強い態度に出られると自分は弱気になってしまうのだから、姉が怒る前に上手く説得する術を身に付ける必要があるのかも知れない。
 しかしそれには優れた話術と冷静な判断力が必要であり、どう考えてもその部分で自分が姉に勝てるとは思えなかった。
 何しろ己は高卒、かたや姉は一流大学に在籍しているのだ。
 頭で勝つ事などできやしない。
(まったく……姉ちゃんはしょうがねぇよな……)
 そんな事を考えていると身に付いた習性か、姉に対する怒りが治まり、諦めの溜め息が口から漏れた。
 そうした己に苦笑しながらふと姉の布団の方へ視線を向けると、長方形をした抱き枕が置いてあるのが目に映った。
(あれって何か良さそうだよな……今度買おうかなぁ……)
 姉は毎日それを抱いて寝ているらしく、先ほどその姿を見たが、なかなかに気持ちが良さそうだったのだ。
 抱き枕を跨いで抱きつく姿勢が実にいい感じなのである。
 値段はいくらくらいなのだろうか、などといった事を考えていると、部屋のドアが開き姉が戻ってきた。
(ったく、早く寝ろよな……)
 取り合えず起こされた事に心の中で文句を言いつつ、姉の影の動きを見つめる。
(って……あれ……?)
 姉は何故か己の布団を通り越し、優介の方へと近づいて来た。
(お、おい……ちょっと……)
 そしてそのまま優介のすぐ横に倒れてくると、あろう事かそのままギュッと抱きついてきた。
(う……ね、姉ちゃん……)
 正面向きで抱きつかれたため、姉の甘い体臭と柔らかな肉体が感じられ、優介は心臓を激しく鼓動させた。
 もう半分寝ているのか、姉は自分が抱き締めているのが優介である事に気づいていないらしい。
 おそらく抱き枕と勘違いしているのだろう、強く抱きつき、さらには脚を絡ませてきた。
 顔の部分に姉の豊かな膨らみがくる形になり、それがグイグイ押し付けられる。
(や……柔らかい……)
 顔とはいえ、初めて触れる乳房は信じられないほどの柔らかさだった。
 そしてそのまま体を擦り付ける様にしてくるため、たまらない感触が伝わってくる。
「んふ……寒い……」
 姉がボソッと呟く。
 どうやらエアコンが利きすぎて寒いらしく、より優介の体に抱き付いてくる。
(うぅ、凄い……ああ……気持ち、いい……)
 優介の顔は姉の乳房に埋まり、顔中が柔らかな感触で一杯だった。
(そんな……駄目だよ姉ちゃん……うぅ、それ駄目だって……)
 肉棒はすでに硬く大きくなっており、姉が微妙に体を動かすため、擦られて今にも射精しそうなほどになっていた。
 短パン越しとはいえ柔らかな女肉に擦り付けられ、肉棒は嬉しそうにビクンビクンと震えている。
「んん……んふぅ……」
 姉が妙に色っぽい声を上げた。
 それが現在の肉体的接触に対する興奮を高め、我慢ができなくなった優介は、意識して顔を乳房に押し付け、その甘い感触を味わいつつ腰を動かし出した。
(ぐっ……うぅっ……)
 すると途端に快感が肉棒から湧き上がり、すぐにでも射精しそうな感覚が押し寄せてくる。
(で、出ちゃう……出ちゃうよ……出ちゃうぅっ……)
 このまま出しては駄目だと思いつつ、姉の柔らかな肉体に擦り付ける気持ちの良さに耐え切れず腰を動かしてしまう。
 その間、顔で乳房の感触を味わうのも忘れない。
(駄目だっ……出るっ、出るっ、出るぅ〜〜!)
 次の瞬間、肉棒は精を放った。
 激しい勢いで放出される精液が感じられ、普段の自慰で放っている時よりも気持ちのいい感触が腰から背骨を通じて体全体に広がっていく。
(う……うぅ……う……)
 しばらくして全てを放ち終えた優介は、息を乱しながら力を抜いた。
(あ〜〜あ……姉ちゃんでしちゃった……それにパンツの中に出しちゃったよ……)
 射精してしまうと冷静さを取り戻し、実の姉の体に肉棒を擦りつけ、精を放った事に罪悪感が押し寄せてくる。
 しかもパンツの中はヌルヌルとして気持ち悪くなっていた。
(脱いで拭かないと……)
 取り合えず一物を綺麗にし、パンツを履き替えなければならない。
 そう思い動こうとするのだが、姉はガッチリと抱き締めたまま放してくれない。
(ちょっ……姉ちゃん……)
 モゾモゾと動くのだが、どうしても離れる事ができない。
 仕方なくそのまま何とかすることにし、優介は短パンごとパンツを脱ぐと、近くにあるティッシュを何枚か抜いて肉棒を拭いていった。
(あ、やべ……)
 すると困った事に再び肉棒が硬くなってしまった。
 未だに姉の気持ちいい肉体に抱かれているのだから当然だろう。
(姉ちゃんって……結構いい体してんのな……)
 今まで考えたこともなかったが、姉はなかなか魅力的な肉体をしていた。
 ずっと押し付けられている胸はかなりの豊かさであるし、腰はキュッと締まっている。
 顔も凄く美人という訳ではないが整った作りをしており、何より今感じている肉の柔らかさと甘い香りが最高だった。
 この二つの感触が優介の中の雄を刺激し、先ほどからクラクラとさせられてしまっているのである。
 さらに時折「ん……んふ……」などといった色っぽい声が漏れるため、何ともたまらないのだ。
(これで良しっと……)
 そういった状況を何とか無視し、ティッシュで一物を拭き終わった優介は、続けて短パンを穿こうと思った。
「あん……寒い……」
 体を放したせいで寒くなったのか、姉が今まで以上にギュウッと抱きついてきた。
 顔が強く胸に押し付けられ、腰に両脚が絡んでガッチリと固定されてしまう。
(くそっ……姉ちゃんの馬鹿……)
 文句を言いつつも、体中に姉の柔らかな気持のいい感触が広がり、激しいまでの肉欲で頭の中が一杯になっていく。
(うぅ……姉ちゃん……姉ちゃんの体……)
 意識してはいけないと思いつつも、ジワリジワリと染み込む様に押し寄せてくる快感に、若い優介の劣情が耐えられるはずもなかった。
(こ、これって姉ちゃんのせいだからな……俺が……俺が悪いんじゃないぞ……)
 そうやって姉に責任を転嫁すると、鼻息を荒くしながら、すでにまた痛いほど勃起している肉棒を姉の体に擦り付けてみる。
(ああ……気持ち……気持ちいい……)
 途端肉棒にたまらない快感が押し寄せ、我慢できなくなった優介は、夢中になって腰を動かしていった。
(いい……いい……いいよぉ……)
 股間から押し寄せる快楽が脳を麻痺させていく。
(もっと……もっと色々したい……)
 すでに「姉だから」という思いはどこかへ消えてしまい、優介の頭には、目の前にある女体を味わう事しかなくなっていた。
 まずは今まで散々されていたのをし返す様に、背中に手を回してギュッと抱き締めてみる。
(う……柔らかい……)
 体中に頭がぼぉっとするほどの快感が広がり、触れている部分からたまらない感触が押し寄せてきた。
(女って……女の体って……すげぇ気持ちいい……)
 姉の豊満な肉は、まるでクッションの様に優介の体を受け止め、それでいて強く押し返してくる。
 それが何とも言えない快感を伝え、優介は震えるほどの気持ちの良さを感じた。
(次は……オッパイを……)
 童貞の優介にとって、自意識が芽生えてから触れた事のない女の胸は未知の領域である。
 恐る恐る手を伸ばし胸の位置まで持っていくと、ギュッと掴んでみる。
「あんっ……」
 その途端姉が甘い声を上げ、それを聞いた優介の心臓は激しく跳ね上がった。
(起きたのか……?)
 そう思いジッと耳を澄ましてみるが、特に姉の様子に変化はない。
 しばらくしても反応がないところをみると、すっかり寝入っているらしい。
 安心した優介はそのまま乳房を再び掴み、ゆっくりと揉みしだいていった。
「ん……ふ……あ……」
 微妙に姉が声を漏らすのがたまらず、また手のひらに溢れる肉の感触がそのまま体中に広がり、股間に気持ちのいい刺激を伝えてくる。
(うわぁ、すげぇ……すげぇよ、すげぇ気持いい……オッパイ……オッパイってすげぇ……)
 やわやわと揉みしだくとそのたびに指が食い込み、すぐに強く押し返してくるのが最高だった。
 柔らかい様でいて強い弾力のあるその感触に、優介は夢中になって姉の乳房を揉みしだいていった。
「あ、ん……はぁ……あぁ……」
 そのたびに姉の唇から甘い声が発せられ、鼻からはフーフーと荒い息が漏れた。
(姉ちゃん……気持ちいいのか……?)
 女は乳房を揉まれると気持ちがいい、という事をAVビデオで知っていたが、実際に目の前で反応する姿を見ると、それはたまらなく興奮することだった。
(どうしてこんなに……感じるんだろ……?)
 性器と違って生殖とは関係のない箇所であるにも関わらず、男は乳房を触りたがり、女はそうされると快感を得る。
 男がしたい事をすると女が喜ぶというのは、やはり生殖行為を気持ち良くするための肉体の作用なのだろうか。
(だったらもっと沢山……俺がしたい事をすれば……姉ちゃんは喜ぶって事だよな……)
 乳房を揉んでこれだけ気持ち良さそうな声を漏らしているのだ。
 もっと色々していけば、きっと姉はさらに気持ち良くなるに違いない。
 一方的な快楽の押し付けは自分勝手な行為でしかないが、姉も気持ち良くなるのなら、それは姉にとっても嬉しいことではないのか。
 優介はそう結論付けると、そのまま続けて激しく乳房を揉んでいった。
「ん……あっ、あんっ……ふぅ……あっ、やぁっ……」
 まだ姉に意識はない様だが、声はだんだんと甘さを強くしている。
 体も微妙に動き、擦り付ける様にして胸を優介の方へぶつけてきた。
(やっぱり気持ちいいんだ……だったら今度は生で……)
 姉のTシャツに手をかけると、ゆっくり捲り上げる。
 ノーブラな姉の乳房がブルンっといった感じでまろび出、その様子に優介は息を呑んだ。
(綺麗だ……)
 暗い中でも見える肌は白く、その形は美乳といって差し支えないほどに美しく輝いている。
(乳首……)
 頂点にある色の違う部分がニョッキリと盛り上がっているのが見えた。
(これって乳首が……勃起してるのか……?)
 姉の乳首はハッキリ分かるほどに大きく立ち上がっている。
 それは体の振動に合わせてフルフルと揺れ動いており、その様子を見ていた優介は、むしゃぶりつきたい欲求に押されて口に含んだ。
「んっ……あっ……」
 チュパっと強く吸い上げると、姉が可愛らしい声を上げる。
(美味い……)
 姉の乳首は甘かった。
 それは今まで知らなかった味わいを感じさせ、我慢できなくなった優介は、そのまま何度も乳首に吸い付いていった。
「あんっ……あっ、やっ、んふぅっ……あんっ、あっ……」
 姉の息が激しく乱れ、声の甘さもどんどん強くなっていく。
 優介はチュパチュパと乳首を何度も吸い上げながら、その豊かな乳房をムニムニと揉みしだいていった。
「ああっ……あっ、やんっ……あぅっ、あんっ……」
 すっかり肉欲に染まっているらしい姉の体は、ビクビクと震えながら優介の頭をギュッと抱き締めてくる。
 その様子に興奮しながら行為を続け、ふと姉の顔を見た優介は、次の瞬間体を硬直させた。
 何と姉がすでに目を覚ましており、こちらをジッと見つめていたのだ。
「姉ちゃん……」
 思わずどうしようかと戸惑う。
 姉から抱きつかれたとはいえ、乳房を揉んだり吸ったりしたのは優介からだ。
 とても言い訳ができる状況ではない。
 きっと姉は怒っているに違いなかった。
 優介はおろおろしながら視線をあちこちにさまよわせた。
「もっと……」
 その時、姉が小さな声で呟いた。
(え?……今姉ちゃん何て……?)
 聞き間違いかと思いジッと見つめると、姉は少し恥ずかしそうな表情を浮かべながら視線をあらぬ方向へと向けている。
 その様子はあまりに可愛らしく、とても怒っている様には思えなかった。
(姉ちゃんも……してもらいたがってるのか……?)
 信じられないことだが、姉も乳房を愛撫される事に同意、どころかさらなる刺激を求めている様だった。
 それが証拠に目をトロンとさせ、今まで見たことのない甘ったるい、何かを求める様な表情を浮かべている。
 それは言葉通り、優介の行為を要求しているという事だろう。
(分かった……分かったよ姉ちゃん……)
 元より姉の肉体を味わうことは、優介にとって止められない行為だった。
 その事を姉が認めてくれるというのなら、これ以上幸せな事はないだろう
 優介はそれまで以上に激しく乳首を吸い、強く乳房を揉んでいった。
「あんっ、あっ、ああっ……んっ、いいっ、いいよぉっ……」
 今度はハッキリと姉の声が聞こえた。
 荒い呼吸を繰り返しながら、「いい」と言っているのだ。
 嬉しくなった優介は、さらに力を入れて乳房を愛撫していった。
「んっ、あっ、はぅっ……ゆう、すけぇ……あっ、いいっ……あんっ、いいよぉっ……」
 頭を軽く振りながら、姉が気持ち良さそうに優介の名前を呼び、ギュッと抱きついてくる。
 その声はたまらなく甘く、優介の行為をさらに激しくするのに十分な効果があった。
 これほど甘える様に名前を呼ばれたのは初めてであり、その事がひどく嬉しかったのだ。
「あんっ、あっ……ああっ……いいの、やぁっ……いいっ……優介上手ぅっ……」
 姉に褒められるのがこれほど嬉しいのも初めてだった。
 何しろ愛撫を褒められるという事は、男として一人前に見られている様に思え、普通に褒められるのよりも数倍も凄く感じられたからである。
「あっ、はぁっ……やぁんっ……優介ぇ……」
 乳房はいくら揉んでも飽きることはなく、乳首も吸うのを止められない。
 優介は鼻息を荒くしながら熱心に乳房を弄んでいった。
(あれ……?)
 しばらくそうして乳房をいじっていると、ふと奇妙なことに気が付いた。
 何やら姉の腕が動いているのだ。
 腕が動くという事は大抵手が動いているのだから、手を見ればその理由が分かるだろうと思い視線を下に向けてみる。
「ぁっ……!」
 その瞬間、飛び込んできた光景に優介は驚きの声を漏らした。
 姉がスカートをあられもなく乱し、パンティの上から指で股間をいじっていたのである。
(姉ちゃん……オナニー……してるんだ……)
 乳房への刺激だけでは満足できなくなったのか、自ら秘所を愛撫しているのだ。
(あそこを……見たい……)
 今姉が触れている部分を見てみたかった。
 童貞の男にとって女の秘所は未知の領域だ。
 幼い頃、姉と一緒に風呂に入っていた時は無論見ていたはずだが、すでにその記憶はない。
 何としても見てみたかった。
 優介はゆっくり体を下半身に移動させると、ドキドキする心臓を感じながらパンティに手をかけた。
「……あ……」
 姉は少しためらう様な声を上げただけで何も言ってこない。
 その事に安心した優介は、そのまま一気にパンティを脱がすと、肉付きのいい両脚を持って左右にグイと開いた。
「あ……いや……」
 それまで抵抗しなかった姉が恥ずかしそうに脚を閉じる。
 それは女としての恥じらいを思わせ、たまらない興奮を感じさせた。
 鼻息を荒くしながら構わず開くと、姉は少し抵抗を示したがすぐに吐息を漏らしながら力を抜いた。
 優介は顔を近づけると、初めて対面する女の秘所に見入った。
(うわ……すげぇ……)
 そこにあったのは、まさに肉だった。
 すでに闇に慣れた目は、バッチリと姉の女の部分を認識している。
 複雑な印象のあるそこは、内臓の様なヌメヌメした様子をしており、愛液が出ているのか微妙に光を放っていた。
 乳房への愛撫でかなり感じていたのだから当然だろう。
 その事に満足感を得ながら、優介は先ほど姉がしていた指の動きを参考にしつつ秘所をなぞってみた。
「あっ……」
 すると姉がそれまでとは明らかに違う反応を示した。
 姉自身も触っていたが、やはり他人に触れられるというのはまた違った刺激があるのだろう。
 先ほどまでよりも強く体を震わせ、熱い吐息を漏らしている。
「あんっ、あっ、ああっ……いいっ、ああんっ……」
 すでに姉は自ら指を動かすのを止め、優介に全てを委ねている。
 その事で己の愛撫に自信を持った優介は、そのまま激しく秘所を刺激していった。
「あっ、やっ……あんっ……はぁっ、はぅっ……」
 時折姉が頭をピクっと仰け反らせる箇所がある事に気づいた優介は、そこを重点的に撫でていった。
「ああっ! あっ、ああんっ……あっ、やっ、やぁっ……」
 姉の体が勢い良く跳ね、頭を左右に激しく振っている。
(ここが……いいんだ……)
 そこは豆の様にプックリとした箇所であり、おそらくクリトリスと呼ばれるものなのだろう。
 女にとってのペニスだと聞いた事のある優介は、もっと気持ち良くしてやろうと舌を伸ばして舐め上げていった。
「ああんっ! あっ、あはぁっ……あぐっ、あっ、やぁんっ……」
 姉の手が頭に添えられ、グイグイと押し付けてくる。
 よっぽど気持ちがいいに違いない。
「あぅっ、あっ……やっ、やぁっ……あんっ……はぅっ……」
 姉が悶えるたびにダラダラと愛液が垂れ、洪水の様に溢れて布団を濡らしている。
(これって……穴か……)
 秘所を触っているうちに、どうやら肉棒を押し込むらしい穴を見つけた優介は、そこに指を入れてみた。
「あんっ……あっ……」
 ビクンっと姉が体を震わせる。
(うわっ……これって、あったかい……)
 キュウッと指に吸い付いてくる感じと、ヌルヌルとした感触、そして温かい体温が実に心地良い。
 ここに今股間で激しく猛っている肉棒を入れたらどんなに気持ちがいいだろう。
 そう思いながら指を軽く出し入れしてみる。
「あっ……ああっ、あんっ……やっ、んっ……ああっ……」
 それまで以上に姉の体が震え、かなり気持ちのいいのが分かった。
 優介はそのまま指を出し入れしつつ、姉の反応を見守っていった。
「あぅっ、あっ、ああんっ……ゆ、優介ぇ……それ、あんっ……それぇっ……」
 何かを頼む様な言葉に視線を向けると、姉は物欲しそうに優介の股間を見つめている。
 視線の先では肉棒がビクビクと揺れ動いており、姉はうっとりとした表情でそこから目を離さない。
(もしかして……入れて欲しいのか……?)
 それは願ってもないことだったが、姉弟でセックスしても良いのだろうかと、優介の中にある倫理観が疑問を投げかけてきた。
 今までした事はある意味まだ許される範囲だろう。
 だが弟の肉棒を姉の膣に入れてしまっては、それは完全な近親相姦になってしまう。
(だけど……だけど俺はしたいっ……姉ちゃんだってしたがってるんだから……別にいいじゃんかっ……)
 姉弟がどちらもセックスをしたいと思っている。
 それを止める理由など存在しなかった。
 押し寄せる肉欲によって倫理観はあっという間に消えてしまい、早く姉と一つになりたいという欲求が脳を支配していく。
(俺は……俺はするっ……姉ちゃんと……姉ちゃんとセックスするんだっ……)
 優介はそう決意すると、体を起こして姉の体の上に覆いかぶさった。
 肉棒に手を添え、先ほど指を入れた穴に近づけていく。
 姉の顔を見ると、ぼんやりとした表情をしているだけで何も言ってこない。
 快感で頭が朦朧としているのか、ジッと肉棒の動きを見つめているだけだ。
(行くぞっ……)
 気合を入れて腰を近づけると、ズブっと亀頭の先が膣穴にハマった。
「あんっ」
「うぅっ」
 姉弟の声が重なる。 
 たまらない快感が肉棒から押し寄せ、優介はそれにうっとりとした表情を浮かべながら、そのまま腰を押し進めていった。
 いや意識しなくても勝手に動いた。
「あっ……ああっ……あんっ……」
 ズブリズブリと肉棒が入り込み、そのたびに姉の甘い声が部屋に響く。
 しかしそれは優介の耳に届いていなかった。
 肉棒から押し寄せる快感があまりに凄すぎ、頭が真っ白になってしまっていたのだ。
(凄い……凄い……凄いぃ……)
 今まで自慰をして肉棒からの快感を認識していたつもりだったが、それは大間違いだった。
 手のひらとは比べ物にならない姉の膣の感触は、それまで優介が知っていた快感を打ち消すほどに凄まじいものがあったのである。
 キュウッとした強い締め付け具合、温かい体温、そしてヌルヌルとした感触が肉棒に最高の快楽を与えてくる。
 しかも膣襞が吸い付いて奥へ奥へと引き込んでくるのがたまらなかった。
(ああっ……こんなのっ……こんなの凄いよぉっ……)
 涙が出るほどの気持ちの良さに、優介は何度も頭を仰け反らせた。
 その間も肉棒はジワリジワリと快感を与えられ、激しいまでの快楽が背骨を通じて体中に広がっていく。
「くっ……はっ……」
 腰が勝手に動き、肉棒が引かれる。
 その瞬間に発生した摩擦による快感が、優介の脳を強烈に痺れさせた。
(うぉっ、凄いっ……凄すぎるよ姉ちゃんっ……姉ちゃんの体っ……凄すぎるぅっ……)
 姉の肉体に感動を覚えつつ、意識せずすぐに肉棒を押し込み、そのまま連続で腰を前後に動かし出す。
「あっ、あっ、ああっ……あんっ、あんっ、ああんっ……」
 初めてとは思えない見事なピストン運動が行なわれ、そのたびに姉の甘い声が部屋に響いた。
「あぅっ、あっ……やんっ……あっ、んっ……はぁっ、はっ……」
 快楽にボンヤリとした頭で見つめると、腰の動きに合わせて姉の体が前後に揺れているのが分かった。
 頬を上気させ、気持ち良さそうに顔を歪ませている姉の様子は、優介の中にある征服欲を激しく刺激した。
(姉ちゃんが……姉ちゃんが俺のチンポで……俺のチンポで気持ち良くなってる……)
 それはこれまでの人生で感じた事のないたまらない爽快感だった。
 自分の肉棒で、姉が面白い様に反応を示しているのだ。
 強く突き込めば激しく、緩めれば求める様に甘く喘ぐのである。
「あんっ、あっ、ああんっ……優介、あっ……優介ぇ、ああっ……優介いいよぉっ……」
 今まで聞いたことのない可愛らしい声で姉が呼びかけてくる。
 それが耳に届いた瞬間、心臓がキュウッと締め付けられる様になり、姉に対する愛おしさが爆発した。
「姉ちゃんっ……うぅっ……姉ちゃん好きだっ……くっ……姉ちゃん大好きだよぉっ!」
 自分がそんな言葉を叫ぶとは思わなかった。
 姉があまりにも愛おしく、言わずにはいられなくなったのである。
「私も、あんっ……私も好き、あっ……私も優介大好きぃっ!」
 同じ様に姉が叫び、その言葉に再び心臓が痛いほどに動悸し、肉棒がビクンビクンと勢い良く跳ねた。
「ああっ、あっ、ああんっ……優介凄い、あっ……優介凄いの、ああっ……優介凄いんだよぉっ……」
 背中に手が回り、グイと引き寄せられる。
 姉の顔が目の前に迫り、次の瞬間唇が柔らかいモノに塞がれた。
(こ、これって……キス……姉ちゃんとキス……)
 すでにそれ以上の行為をしているのだが、やはりキスには特別な思いがあった。
 恋人同士がするキスを姉としているのだと思うと、微妙な背徳感が押し寄せさらに興奮が高まっていく。
 姉の柔らかな舌がニュルリと入り込み、優介の舌に絡み付いて強く吸い上げてくる。
「んんっ……んっ……んふぅっ……」
 激しい鼻息が顔に当たり、興奮した姉の様子に優介も舌を動かし強く吸い付いていった。
「んっ……んんっ……んっ……んぷはぁっ……ああっ……優介ぇ……」
 うっとりとした瞳で姉に見つめられ、それにゾクゾクとした感覚を得ながら、そのまま激しく腰を動かしていく。 
「ああんっ、ああんっ、あやぁんっ……あっ、あっ、あはぁっ……激し、あっ……優介激しいよ、あんっ……優介激しいぃっ……やっ、やっ、やはぁっ……」
 長い髪をバサバサと振り乱し、握った手を口に当て、頭を左右に動かして姉が悶えている。
 捲くれ上がったTシャツの下では豊かな乳房ブルンブルンと揺れ、腰の動きに合わせて前後する姉の体に興奮が高まっていく。
「あんっ、あんっ、ああんっ……優介、はぅっ……ゆうす、ああっ……優介ぇっ……あっ、あっ、あはぁっ……」
 乱れた服の姉を組み敷いて肉棒を突き込んでいるという事実に、これまでの日常から逸脱してしまっている己を感じ、優介の心は激しく燃え上がった。
(俺……俺……姉ちゃんと……姉ちゃんとセックスしてるんだ……実の姉弟なのに……姉ちゃんと……姉ちゃんセックスしてるんだよぉっ……)
 背徳感が最高潮に達し、これまで以上に快感が増していく。
 姉の快感も高まっているのか、膣がこれまで以上に肉棒を強く締め付け、精を搾り取ろうとするかの様にヌメヌメと絡み付いてくる。
(くっ……出るっ……もう出ちゃうっ……)
 その動きに初心者の優介が耐えられるはずもなく、今すぐにでも精を放ちそうな射精感が押し寄せてきた。
「はんっ、はっ、はぁっ……私、ああっ……私駄目、あんっ……私もう駄目ぇっ……あっ、あっ、ああっ……イくの、やっ……イっちゃうの、やぅっ……イっちゃうのぉっ……あぅっ、あっ、あぁああああああああんっ!」
「姉ちゃぁんっ!」
 姉弟の絶叫と共に精が放出された。
 ドピュっ、ドピュっ、ドピュドピュドピュ……。
 凄まじい勢いで姉の膣へ弟の精液が注がれていく。
 その強烈な快感に優介は頭を仰け反らせたまま、何度も何度も精を放っていった。
 ドクドクドクドクと、どこにこれだけの量があったのかと思えるほどの精液が吐き出され、そのたびに優介は体を激しく震わせた。
(ぐぅ……姉ちゃぁんっ……)
 姉への愛おしさを感じながら精を放ち続け、その柔らかな肉体をギュッと抱き締める。
 しばらくして数分にも感じられる射精を終えると、優介はゆっくり肉棒を引き抜き、そのまま姉の上に倒れ込んだ。
 柔らかく温かな肉体が受け止め、その心地良い感触を味わいながらハァハァと荒い呼吸を繰り返し、今体験した快楽の余韻に浸る。
(しちゃった……姉ちゃんと……姉ちゃんとセックス……セックスしちゃった……)
 落ち付いてくると、己がとんでもない行為をしてしまった事に気が付く。
(やっぱりマズイよな……これってマズイよね……)
 そう思いつつも、どうしたらいいのか分からずオロオロとしてしまう。
「優ぅ介ぇ……」
 不意に姉の声が聞こえてきた。
 それは小さいながらもドスの利いている、ある意味聞き慣れた声だった。
 恐る恐る姉の顔を見ると、怒った顔でこちらを見つめている。
「ね、姉ちゃん……」
 怒鳴られ殴られるのではないかと思い、身をすくめる。
 小さい頃から姉の機嫌を損ねたら、どういう結末が待っているのか身に染みて知っているのだ。
 今回したことは十分姉の怒りに触れる事だろう。
 何しろ強姦した様なものなのだから。
「あんたってばっ、何てことしてくれたのよぉっ」
 案の定頭をポカリと殴られる。
 そこには先ほどまでの可愛らしい様子はどこにもなく、いつもの恐ろしい姉がいるだけだった。
「痛っ、いや、その……我慢できなくて……」
「我慢できないって何よっ? 私たちは姉弟でしょっ? どうして我慢できなくなるのよっ!」
 姉は優介を睨みながら怒りに震えている。
 確かにそれはその通りだった。
 いくら男女ではあっても自分たちは姉弟。
 普通は我慢できるできない以前に、性的対象として認識しないものだ。
「だって、姉ちゃんが抱きついてくるから……」
 しかし優介にはそれを認識してしまう出来事があった。
 姉に体を密着させられ、女としての肉体を体全体で感じさせられてしまったのである。
「私が抱きついたぁ? そんな訳ないでしょうがっ。どうして私があんたに抱きつかなきゃいけないのよっ」
「って、そんなこと言ったって俺が知るかよ。抱き枕と間違えたんだろ?」
「何言ってるのっ。どうしてそんな間違いするって言うのよっ。大体間違えるにしたって、あんたが近くに来なきゃ間違えることなんかないでしょうがっ。」
「いや、ここって俺の布団だって。間違えたのは姉ちゃんの方っ」
「何言ってんのっ。ここは私の布団で……」
 それまで勢いの良かった姉の言葉が尻つぼみになる。
「ほら、ここって俺の布団だろ? 姉ちゃんさっきトイレから戻ってきた時に間違えたんだよ」
「……」
 姉は自分がどこにいるのか認識したのか、怒りの表情を保ちつつも困った様にしている。
 優介を責めたものの、その原因が自分だと分かってしまったために怒りの矛先を向けられなくなってしまったのだろう。
「で、でも……それでもあんたが私の体をいじっていいって事にはならないでしょうがっ。しかも入れちゃって……入れることはないでしょっ」
 ようやく再び優介を責める理由を見つけたのか、姉は優介が肉棒を挿入した事について怒っている。
「うっ……そ、それは……」
「ほら御覧なさいっ。やっぱりあんたが悪いんじゃないのっ。いくら抱きつかれたからって、入れるなんて普通しないわよっ」
 姉は勝利宣言の様に言い放った。
 確かに優介もやりすぎたとは思っているのだが、しかしあの時姉は入れる事を望んでいたはずだった。
「入れて欲しい」と目で肉棒を見つめ、訴えていたのだ。
 優介にしてもそれが無ければ挿入する踏ん切りはつかなかっただろう。
 そう考えると、やはり優介だけが悪いという姉の意見には納得できなかった。
「だ、だけど姉ちゃんも入れて欲しがってたじゃないかっ。チンポを物欲しそうに見て、実際に俺が入れようとした時も逆らわなかったしっ。嫌だったら何でそん時抵抗しなかったんだよっ」
「そ、それは……」
 優介の言葉に姉は詰まった様に黙り込んだ。
 あれは確かに合意の上での結合だった。
 それを今更優介のみの罪にしてもらいたくはない。
「あ、あん時は変になってたんだもんっ。あんたがあんまり気持ち……するから……それでボーっとしちゃって……女はそうなのっ。だからそれ以前に強引にしてた優介が悪いっ」
 姉は決め付ける様に叫んだ。
「気持ち……するから」の部分での声が小さくて何を言ったのか分からなかったが、明らかにそれは「気持ち良くするから」だろう。
 姉は気持ち良くなったため、優介の行為に逆らえなかったと言いたいのだ。
「そんなの知らねぇよ。姉ちゃんも入れて欲しがってたのは確かなんだから、それを誤魔化すなよなっ」
 姉のその様子に少し可愛さを感じながらも、ここで引く訳にはいかないと、優介は責め続けた。
 何故だかいつもの様に姉に強く出られても、萎縮せずにいられるのである。
 もしかするとセックスした事で、男としての自信と姉に対する優位さを感じられたせいかも知れない。
 何しろセックスをしている最中の姉は、優介の意のままに喘いでいたのだから、その経験が姉に対する恐怖を薄めていてもおかしくないだろう。
「だからそれは……あんたが色々触ったり舐めたりしたからっ……その、おかしくなっちゃって……ああなったら女は駄目なのっ。したくなっちゃうのっ」
「姉ちゃんもしたくなったんなら俺のせいじゃないじゃん」
 語調が弱くなった姉の言葉尻をとらえて、優介は笑いながら指摘した。
「そうじゃないって言ってるでしょっ。おかしくなった原因はあんたなんだから、あんたが、あんただけが悪いのっ」
 その事にカチンときたのか、姉はさらに激しい口調で責めてくる。
「そんなの無茶苦茶だよっ。俺が色々したのは姉ちゃんが抱きついてきたからじゃないかっ。俺が外そうとしたのに強引に抱きついてっ。誘ったくせに何言ってるんだよっ」
「さ、誘ったですってぇ〜〜っ? 寝てるのにどうして誘えるってのよっ。いい加減なこと言わないでよねっ」
「何がいい加減なもんかっ。姉ちゃんは確かに誘ってたっ。凄くエッチな声出しちゃってさっ。明らかにあれは誘ってたねっ。大体寝てたなんて嘘くせぇよっ」
「嘘じゃないわよっ。と、途中まではホントに寝てたもんっ」
「ほらみろっ。やっぱり起きてたんじゃないかっ。だったらやっぱり誘った姉ちゃんが悪いんだよっ」
「だからそれはあんたが色々したからおかしくなったって言ってるでしょうがっ。悪いのはあんたよっ」
「違うねっ」
「違わないわっ」
 姉弟はどちらが悪いのかを言い争った。
 しかしその様子は、裸に近い状態で肌を重ねながらセックスについて口論しているため、姉弟ゲンカとしては実に不似合いな、何とも珍妙な光景だった。
 はたから見たら恋人か夫婦の痴話ゲンカであろう。
「……そ、そうよっ……そういや中に出してるのよあんたはっ。赤ちゃんできたらどうするのよっ!」
「う……そ、それは……」
 思い出した様に、姉は特大の爆弾を落としてきた。
 妊娠の問題を出されてしまっては、勝てる男など存在しない。
 膣内に射精してしまうという行為は、どう考えても男の方が悪いのだ。
 避妊せずに精を放った以上、妊娠した際の責任は優介にあるのである。
「ほら、どうなのよっ。あんた責任取ってくれるのっ?」
「うぅ……」
 詰め寄ってくる姉に優介は混乱した。
 妊娠という事柄にイマイチ実感を持てなかったが、セックスをすれば子供ができるという事は知識として知っている。
 しかしそれをどうすればいいのか、といった具体的な意味では全く知識がなかった。
 そもそも姉弟でセックスしている時点で異常な事なのだから、その結果についてどう対処すれば良いのかなど分かるはずもない。
「ほらほらぁ〜〜。どうするのよぉ〜〜」
 姉は得意げに、面白そうに優介を責め立ててくる。
「ぐ……」
 このままでは姉に言い負かされてしまう。
 せっかく強気で言い返せていたというのに、また以前と同じ様に姉に従わされてしまうのだ。
 それは嫌だった。
 何としても姉に勝ちたかった。
 初めて姉に強く言えた今この時、このチャンスを逃したら、二度とそんな機会は訪れないだろう。
 優介の中に激しい切迫感が押し寄せてきた。
「せ、責任……ああっ、取るよ、取ってやろうじゃないのっ。姉ちゃんが妊娠したら、俺が責任取って姉ちゃんと赤ん坊の面倒みてやるよっ」
 優介は言い切る様に宣言した。
 少々やけくそ気味に聞こえるが、内心本気で思ってもいたのである。
 就職している以上生活力はあるのだから、姉ともう一人くらいは何とか養えると思ったのだ。
「え……ちょ、ちょっと優介……?」
 姉にしてみれば予想外の反論だったのだろう、驚いた表情をしてこちらを見つめている。
 ケンカをしている時にそんな姉の表情を見たのは初めてだった。
 何しろいつも一方的に言い負かされているのだから当然だろう。
 その事に満足な思いを持った優介は、得意な気持ちになりながら姉の体をギュッと抱き締めた。
 途端、気持ちの良い感触が体中に広がっていき、それまでの怒りが消え去り、姉に対する愛おしさが押し寄せてきた。
 肉棒も元気を取り戻し、股間でビクンビクンと蠢き出す。
(ああ……気持ちいい……やっぱり姉ちゃんは、気持ちいいよ……)
 この体をもっと抱きたい。
 もっと姉を喘がせ、甘い声を上げさせ、自分に従う様にしたい。
 そんな思いが優介の中に湧き起こってきた。
 言葉では姉に勝てないが、体では自分の思うがままになる。
 それを先ほどの経験から優介は学んでいた。
 だったら同じ様にすればいい。
 そうすれば今のうるさい状態もすぐに大人しくなるはずだ。
 優介はニヤリと笑うと、姉の顔をジッと見つめた。
「考えてみりゃ、俺と姉ちゃんはもう男と女の関係なんだから結婚したっていいんだよな。ま、正式には無理だけどさ。それでもいいじゃん。どうせ今までだって一緒に暮らしてきたんだし、それが延びるだけだと思えばさ」
「な、何言ってるの?……ちょっと優介……?」
 姉は驚いた様に目を見開いている。
「そうだよそうしよ……なぁに、夫婦がする事ならもうしちゃったんだし。俺、姉ちゃんとだったら不満ないよ。スッゲー気持ち良かったしさ。姉ちゃんだってそうだろ? 俺が相手だったらいいよな?」
「え? あの、その……」
「どうなんだ? 俺のチンポじゃ満足できなかったか?」
「そ、そうじゃないけど……その……優介? どうしちゃったの……?」
 一人で暴走している優介を、姉は恐怖の瞳で見つめている。
 弟がおかしくなってしまったのだと思っているのだろう。
「よしオッケー。じゃ、俺と姉ちゃんはこれから夫婦ってことで。ってことはもっとしてもいいって事だよな。よし、しよう。さっきっからしたくて仕方なかったし」
 質問に対する「そうじゃない」という答えが優介に自信を持たせた。
 色々言ってはいるものの、姉は基本的に優介とのセックスに満足している。
 よく考えてみれば当然のことで、あれだけ甘く喘ぎ、求めていたのだから、満足していないという方に無理があるだろう。
 優介はその事を嬉しく感じながらゆっくり上半身を起こすと、すでに勃起している肉棒を持って再び姉の膣へ押し込もうと身構えた。
「あ、ちょっと……駄目、嫌……しちゃ駄目だってばっ……」
 それに気づいた姉は、慌てて体をひねって肉棒をかわしている。
「どうしたのさ? もう妊娠したって俺が責任持つって言ってるんだよ。だったらしたっていいだろ?」
「そうじゃない……そうじゃないよっ……ホントどうしちゃったの? 優介おかしいよ……私たちは姉弟なんだよ。こういう事はしちゃいけないんだよ……それに結婚だって……正式じゃなくたって姉弟で結婚するなんていけない事なんだから……」
 姉は泣きそうな顔をしてこちらを見つめている。
「いけない事ならもうしちゃったじゃん。今更気にしてどうするんだよ。姉ちゃんは俺のせいだって言うけどさ、姉ちゃんだってしたがったんだから同罪だよ。俺たちゃ罪を犯した姉弟なのさ。だったらその罪を極めようよ。もっとしようぜ。そんで赤ちゃん作るんだ」
「ゆう……すけ……」
 姉は目を大きく見開き、優介の言葉を信じられない表情で聞いている。
 弟が狂ってしまったと思い、悲しみと共に恐怖を感じているのだろう。
(ふふ……姉ちゃんがこんな顔するなんて……)
 しかしそんな姉の思惑とは裏腹に、優介は別におかしくなどなっていなかった。
 先ほどからの言葉は、初めて姉を言い負かせている事に興奮し、ただ思いつくまま適当に言っているだけなのである。
 全く本気ではないのだ。
 正論では勝てないと踏み、暴論によって姉を追い込んだのである。
 先ほどやけくそ気味に「責任を取る」と叫んだ時の反応から、姉がこうした無茶苦茶な言葉には対応できない事が分かったのだ。
 そこからできるだけおかしくなった様なフリをし、適当に言葉を発していったのだが、それが上手くいった。
 今や姉は、優介が狂ってしまっていると思っている。
(この状況を利用して……もう一回してやる……)
 優介は姉ともう一度セックスしたくて仕方がなかった。
 すでに先ほどから肉棒は、すぐにでも精を放ちたいとウズウズ蠢いている。
 それを抑えることなど、セックスを経験したばかりの初心者の優介にできる事ではなかった。
 無論「本当に妊娠したらどうしよう」という思いもあるにはあったが、それ以上に「姉の肉体をもっと味わいたい」という肉欲が強かったのである。
 若者にありがちの浅はかさで、「一度したんだから二度したって同じ」と考えていたのだ。
「セックスの結果、妊娠する」という事が、どうしても実感として感じられないのもあっただろう。
 精液などという白い液体から、どうして赤ん坊ができるのか想像できなかったのである。
(こんなの……いくら出したって平気なんじゃないの?……大体妊娠の確率ってそんなに高くないみたいだしさ……二回くらいだったら平気だよ平気……)
 怪しげな知識で己を納得させると、優介は再び姉の中に肉棒を押し込もうと腰を進めた。
「駄目ってっ……駄目って言ってるでしょっ……優介やめてっ……」
 姉が悲しげに叫びながら肉棒をかわす。
(ちっ……姉ちゃん何で嫌がるんだよ……)
 先ほどセックスしている時の姉は素直だった。
 優介の肉棒を咥え込み、実に気持ち良さそうに腰を振ったものだ。
 それがどうしてここまで嫌がるのだろう。
(あんなに気持ちいいのに……姉ちゃんだって喜んでたくせに……)
 初めて経験したセックスの感想は、「たまらない」の一言だった。
 あれほど気持ちのいい行為を、どうしてこれまでしないでいられたのだろうと思えるほどに、優介はすっかりセックスに夢中になってしまっていたのである。
 それを嫌がる姉の態度は、したくてたまらない優介にとって苛立ちの存在でしかなかった。
「姉ちゃんヤらせろよっ……俺っ、もっとしたいんだっ……姉ちゃんともっとしたいんだよぉっ……」
 叫びつつ豊かな乳房を揉みしだく。
「あっ、やんっ……駄目、あっ……駄目だって……」
 姉が慌てて体を上にずらして逃げた。
「何でだよっ?……いいじゃんか、さっきだってしたんだしっ……」
 追いかける様にして体を動かし、再び乳房をギュッと掴む。
「あんっ……だってさっきのは、やっ……あんたが無理やり、はぅっ……だ、駄目よ駄目っ……放してっ……」
 姉は体をひねるとうつぶせになり、そのまま四つんばいになって逃げ出そうとした。
「何が無理やりだよっ。姉ちゃんだってしたがってたじゃないかっ。気持ち良かったんだろっ? だから入れる時にも抵抗しなかったって言ってたじゃないかっ」
 姉の尻を強く掴み、自分の方へと引き寄せる。
「あ、駄目っ……気持ち良くたって駄目なのっ……姉弟でしちゃ駄目なんだからっ」
 振り返って泣きそうな顔になりながら姉が叫ぶ。
「そんなの誰が決めたんだよっ。気持ちいいんだからいいじゃんかっ。俺は姉ちゃんとしたくてしょうがないんだよぉっ」
 背後から手を回して乳房を強く揉みしだき、乳首をクリクリと捻る。
「ああんっ、あっ、駄目、やぁっ……そ、そんなにしちゃ、あぅっ……」
 姉がガクリと力を抜いて抵抗を止めた。
 それも当然だろう。
 先ほどまで快楽の頂点に染まっていたのだ。そうそうそこから抜け出せる訳がない。
 そのまま力を込めて乳房を揉みながら首筋に舌を這わし、耳を甘く噛む。
「あんっ、いやっ……駄目、止めてって……止めないと怒る、ああっ……いやんっ……」
 一瞬姉は怒りの表情を向けてきたが、秘所を撫でると可愛らしい声を上げて体をクタクタと崩した。
 優介は四つんばいになっている姉の腰を抱えると強引に両脚を開き、すでにギンギンに硬くなっている肉棒を押し込んでいった。
「だ、駄目ぇっ……優介駄目だって、ああんっ!」
 ズブッと亀頭が収まった瞬間、姉が甘く叫びながら頭を仰け反らせた。
(うぅっ……やっぱいいっ……)
 再び押し寄せるたまらない快感に優介は体を震わせた。
 そのままズブズブと押し込み、肉棒が温かでヌルヌルとした感触に包まれるのに深い息を吐き出しながら腰を前後に動かし出す。
「あっ、あっ、ああっ……こら、あっ……駄目だって、やっ……そんな、ああんっ……動かしちゃやぁっ……」
 姉は否定の言葉を言おうとするが、強く腰を突き込むとすぐに弱々しく甘い声を漏らした。
(うぉっ……凄いっ……くぅっ……やっぱいいぃっ……)
 姉の膣襞は再びやってきた弟の肉棒を歓迎するかの様にヌメヌメと絡みつき、奥へ奥へと引き込んでくる。
(この感じっ……この感じだっ……この感じがたまらないんだよぉっ……)
 温かで湿った感触が肉棒を包み込み、最高の快楽を伝えてくる。
 その極上の感触に顔を緩めながら、優介は姉の尻をギュウっと掴み、腰を前後させてズブリズブリと激しく肉棒を出し入れしていった。
「あんっ、あんっ、ああんっ……駄目、やっ……それ以上したら、やんっ……わたし、あっ……わたしおかしくなっちゃうぅっ……」
 姉は布団をギュッと掴み、長い髪をバサバサ振り乱して悶えた。
「俺はもうおかしいよっ……姉ちゃんもっ……早くおかしくなれっ……」
 ズンズンズンと強く突き込み、姉が先ほどの様に自分を求める言葉を発するのを期待する。
「駄目だよ、あっ……駄目って、ああっ……そんなの、ああんっ……」
 乱れ具合が激しくなり、だんだんと姉の理性が無くなっているのが分かる。
 先ほど姉は自らオナニーをしていたのだから、ある程度快感を得ると気持ちの良さを優先させるに違いない。
 優介はそうなる様にと張り切って腰を振り続けた。
「あぅっ、あっ、ああっ……それ、あんっ……それいい、ああっ……それいいのぉっ……あんっ、でも駄目、やっ……駄目だけど、ああんっ……駄目なのにぃっ……」
 その思いが通じたのか、姉はついに優介との行為を受け入れる言葉を発した。
 まだ完全ではないとはいえ、振り返ってこちらを見つめる姉の顔は淫蕩な泣き顔になっており、肉体は快感に染まりつつある事を示す様に小刻みに震えている。
「これかっ?……これがいいのかっ?……姉ちゃんこれがいいのかぁっ?」
 どうやら理性が消えかけているらしいと思った優介は、一気にその牙城を崩そうと、肉棒を思いっきり突き込んでいった。
「ああんっ、ああんっ、あやぁんっ……それっ、それっ、それだよぉっ……それをもっとぉ、あっ……それをもっとしてぇ、ああんっ……それをもっとお願いぃっ……」
 もう完全に快楽の虜となった姉が可愛らしくおねだりしてくる。
 優介の腰の動きに合わせて頭を仰け反らせ、シーツを引き寄せる様にしながら悶えている姉の姿は、まさに肉欲を求める女だった。
(スゲェっ、スゲェよっ……こんなのスゲェっ……)
 そうした姉の様子は優介に激しい興奮をもたらした。
 何しろいつも自分に命令し、逆らう事を許さなかった姉が、もっとしてくれと、もっとして欲しいとおねだりしているのだ。
 しかもまるで優介に従う様に、腰の動きに合わせて泣き叫ぶのである。
 これほど優越感を感じる行為はなかった。
(セックスってスゲェ……姉ちゃんがこんなになって……俺のこと求めてる……)
 髪を振り乱し振り返る姉の顔は、泣いている様な嬉しそうな表情をしており、それは優介の中にある雄としての征服欲を激しく刺激した。
「あふっ、あっ、ああんっ……やっ、やぅっ、やはぁっ……」
 己の腰の動き一つで相手を自由にする快感。
 女を抱くとはこういう事かと、優介は鼻息を荒くしながら姉の尻をしっかりと抱え、まるで突き破ろうとするかの様な勢いで肉棒を叩きつけていった。
「やんっ、やんっ、やぁんっ……あんっ、あんっ、ああんっ……」
 姉は腕を崩し、上半身で体を支えながら尻を高く掲げる姿勢をとった。
 それが姉に与えている快楽の強さを思わせ、優介は嬉しくなりながらさらに強く突き込んでいく。
「あふっ、あっ、ああんっ……あぅっ、あっ、やはぁっ……」
 姉の喘ぎが激しくなるたびに、キュウキュウと膣が肉棒を締め上げてくる。
(くっ……うぅ……凄いっ……)
 膣襞がヌメヌメと蠢き、肉棒に吸い付いてたまらない快感を与え、その刺激は初心者の優介にとって耐え切れない強烈なものがあった。
(もうちょっと……もうちょっとしたい……もうちょっとしたいぃ……)
 歯を食いしばり、肉棒の爆発を堪えようと必死になるが、所詮は経験不足の肉体だ。
 抑えきれない欲情は、優介の思いとは反対に腰の動きを早めさせ、射精の瞬間を近づけていった。
「あぅっ、あっ、はやぁっ……凄いっ、凄っ、凄いぃっ……優介凄いよぉっ……はぐっ、やっ、あはぁんっ……姉ちゃん駄目、あぐっ……姉ちゃん駄目なの、ああんっ……姉ちゃんもう駄目なんだよぉっ……やっ、やっ、やぁああああああんっ!」
「姉ちゃぁんっ!」
 姉が頭を仰け反らせて絶叫した瞬間、優介も肉棒の栓を開放した。
 ドピュドピュドクドクドク……。
 精が吐き出されるたびに快感が脳を走り抜け、優介はガクガクと体を震わせながら何度も射精を繰り返していった。
(姉ちゃんっ……姉ちゃんっ……姉ちゃぁんっ……)
 愛おしさを込めながら、次々と精液を姉の中へ注いでいく。
 しばらく続いた射精がようやく終わり、力の抜けた優介はそのまま姉の背中に体重を預けた。
 ハァハァと荒い呼吸を繰り返しながら、その肌の感触を心地良く感じる
 同じ様に荒い息を吐いている姉を見つめると、ボンヤリとした表情でこちらを見ているのと目が合った。
 それは実に色っぽさに満ちており、すぐに肉棒が硬く大きくなる効果があった。
「あ……ゆう……すけ……」
 それが分かったのか、姉が困った様な悲しげな表情を浮かべた。
(うぅ……姉ちゃんエッチだよ……)
 そのたまらない色気に当てられた優介は、再び姉を抱きたくてたまらない欲求に囚われた。
「姉ちゃんもう一回しよ?……俺、もう一回したい……もう一回だけだからさ、ね? そしたら止めるからヤらせてよ……」
 笑いかけながら、返事を待たずに起き上がって再び腰をゆっくり動かし出す。
「あ……ああ……だ、駄目……駄目だよ優介……」
 弱々しく姉が止めてくる。
「だから一回だけだって……そしたら止めるから……」
 姉の体を仰向けにし、正面から顔を見つめながら軽くキスをして頼み込む。
「ん……はぁ……駄目って、あ……駄目なのぉ……ああ……駄目ぇん……」
 言葉とは裏腹に、トロンとした淫靡な表情を浮かべながら、姉がギュウッと抱きついてくる。
「ね、いいでしょ? ほら、気持ちいいからさ……」
 もう一息とばかりズンズンと強く突き込む。
「ああっ あんっ……もぉ……ゆぅすけのばぁかぁ……」
 姉は怒っているのか甘えているのか分からない様な声を上げると、耳を甘く噛んできた。
「いいよね? 俺するよ? するからね?」
 すでにしているにも関わらず、姉に確認を取るように問いかける。
「一回……一回だけだよ……それで終わりにして……」
 どうやら妥協したらしく、姉は小さな声で呟いた。
「うん、分かってるよ……一回したら終わりにするから……」
 優介は喜びながら答えると、その豊かな乳房をギュッと掴み、乳首をチュッと吸い上げた。
「ああんっ……あっ……一回だからね、やっ……一回……それだけだよ、ああんっ……」
 再び動き始めた腰の動きに、姉が悶えながら「一回」を繰り返す。
「ああ、一回さ……一回だから……」
 その姉の言葉にニヤリと笑いながら、優介は腰の動きを早めていった。
「あっ、あっ、ああっ……凄い、やぁっ……優介凄いよぉっ……」
 ためらいの言葉とは裏腹に、姉は嬉しそうに抱き締めてくる。
 すでに快楽の虜となっているのか、自ら激しく腰を振り、唇を重ねてきた。
(ふふ……姉ちゃん何て可愛いんだ……これから沢山して上げるからね……一回を……何度も続く一回をさ……)
 すでに「一回」の約束など意味のないものとなっていた。
 優介は初めて姉を従わせられた事に興奮し、女体の甘い味に酔っていたのである。
 これだけ自分の言うがままになり、たまらない快感を与えてくれる姉を、どうして一回抱くだけで止める事ができるだろうか。
「ああんっ、あっ、やぁっ……優介ぇ、やぁんっ……いい、いいよぉっ……」
 甘える様に抱きついてくる姉を愛おしく見つめながら、優介は腰の動きに力を入れていった。
 まるでその一突き一突きが、姉を自分の物にする効果があるかの様に……。
「優介凄いっ……優介凄いのぉっ……」
「姉ちゃんっ……姉ちゃんたまらないよぉっ……」
 姉弟は禁断の実の味に理性を蕩けさせ、激しく快楽を与え合った。
 許されぬ肉の交わりは絶える事のない甘さを二人に与え、貪る様にお互いを求めさせていくのだった。












あとがき

 なんとなくシリーズ第二弾。
 今回はヤる理由として「抱きつかれる」という事にしてみました。
 ついでに抱きついてきた相手の意識がないという、まさに襲って下さいと言わんばかりの状況です(笑)
 こういうのって少年誌によくある寸止めエッチものに多いパターンですが、そこから先に進んでみた次第。

 あと性格の悪い姉を屈服させる快感と、その性格の変化も盛り込んでみました。
 ずっと怖かったのが可愛くなってしまうというのは、まさに男心をくすぐるナイスなものだと思うのですよ。
 好きなんですよね、こういうの。
 甘い姉がヤらせてくれるというのも良いですが、憎たらしい姉が可愛くなるのも最高なのですな。
(2005.9.1)



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