姉への想い


 もうすぐ冬になろうというある日、真(まこと)は一人の少女と出会った。
 庭にある一本の巨木。
 風に吹かれた枯葉が舞っている中に少女が立っていたのだ。
 肩ほどまであるウェーブのかかった色素の薄い髪。
 落ちる葉を見つめる潤んだ瞳。
 真っ白な顔の中でそこだけが桜色に輝く唇。
 全てが作られたのではないかと思わせるほど、美しい姿がそこにあった。
 年齢は真より少し上だろうか。
 全体的にふんわりとした雰囲気を持つその少女は、散っていく枯葉と相まって寂しげな様子を思わせた。
 真は一歩も動けず、ただ少女を見つめ続けた。
 どれだけ時間が経っただろう。
 不意に少女がこちらに顔を向け、「おや?」といった様に形の良い眉を持ち上げた。
 ゆっくりとした足取りで近づいてくると、真の方へ手を伸ばしてくる。
「枯葉が付いているわ……」
(!……)
 静かに微笑まれ、頭に手を添えられる事に真の心臓は跳ね上がった。
 ドクンドクンと激しく脈打ち、顔が熱くなっていく。
 近づかれただけでこれほど動揺したのは初めてだった。
 視線は少女の顔から外せず、ジッと見つめ続けている。
「私の顔に何か付いているの……?」
 少女が穏やかに尋ねてくる。
 息が頬に当たり、それだけで真は訳が分からなくなった。
「紅葉みたい……真……」
 名前を呼ばれた瞬間、痛いほどに心臓が脈打つ。
「ぼ……僕の名前を……」
 何故知っているかと尋ねようとして、かすれた声しか出ない事に気が付く。
「姉が弟の名前を知っているのは当然でしょう……?」
 そう言いながら、姉と名乗る少女は真を優しく抱き締めた。
(!……)
 温かく柔らかな感触に包まれ、幸福感に包まれる。
 このまま全てを委ねてしまいたくなるほどの心地良さに、真はうっとりとなった。
「随分と冷たくなってるわ……もう中に入りましょう……」
 優しげに微笑みながら少女は歩き出した。
 真は何も考えられず、そのまま後に付いて行った。
 

 それが姉との出会いだった。
 真は産まれてからずっと家族と離れて暮らしていたのだが、つい最近ある事情から家族の住むこの家にやって来た。
 そして普段全寮制の女子高に通っているため、家にいない姉とようやく会ったという訳だった。
 寮から久々に帰ってくる姉を待っていたが、到着する予定の時刻を過ぎても現れない事に痺れを切らし、庭をフラフラと散策していて、何故かそこにいた姉と偶然会ったのである。
 そしてそのあまりの美しさに、姉と認識するよりも一人の少女として強く惹かれてしまった。
 おっとりとした優しげな雰囲気が、これまでに経験した事のない魅力として真の心を射抜いたのである。
 初恋だった。
 十四年間生きてきて初めての経験であり、一目惚れだった。
 しかしいくら産まれてから離れて暮らしていたとはいえ、相手は血の繋がった姉だ。
 そんな相手に恋をするなどどうかしている。
 真は己の狂った恋愛感情に戸惑っていた。
 だが心の中で荒れ狂う姉への思慕は、許されないと思えば思うほど燃え上がった。
 その美しい体を抱き締め、唇に吸い付き、全てを自分の物にしたいという欲望が体中を駆け巡った。
 それは魅力的な肉体を欲する雄としての本能でもあったが、それ以上に恋する相手を手に入れたいという男としての熱情があった。
 姉を抱くことができたら他に何もいらない。
 全てを投げ打ってでも一つになりたい。
 そんな想いが真の中で渦巻いていたのである。
(ああ……姉さん……)
 初めて会った時に抱き締められた姉の感触が体に蘇り、真は自分の部屋で自慰を始めた。 
「く……う……く……姉さん……」
 頭に浮かんでいるのは姉の微笑み。
 裸体などではなく、ただこちらに向けられている微笑だった。
 それだけで興奮し、射精感が高まっていく。
「くぅっ……姉さんっ!」
 一気に精を放つ。
 ドクドクドクと、添えられたティッシュに凄まじい勢いで精液が放出されていく。
 今までしてきた自慰では決して出た事のない量、そして快感があった。
 だが真は満足できなかった。
 しょせんは自慰。
 姉のすべらかな肌に触れ、柔らかな肉に包まれ、熱い吐息を聞きながら精を吐き出したかった。
 まだ童貞ならば耐えられもしただろう。
 しかし真はすでに女体の味を知っていた。
 毎日熟女と幼い少女を抱いていたのである。
 相手は母と妹だった。
 それは世間的には許されぬ関係であったが、真にとっては必要不可欠な行為だった。
 産まれた時から家族と離れて暮らしていた真にとり、母と妹を家族として認識する事ができたのは、ひとえにセックスのおかげだったからである。
 肉体を繋げ、快楽を与え合った事により、肉親としての愛情を高めることができたのだ。
 それは歪んでいる関係ではあったが、真たちにとっては家族となるための儀式の様なものだった。
 何しろそれまで無かった家族愛をお互いに持つ事ができたのだから……。
 母を母親として、妹を妹として認識し、家族として愛する事が出来る様になったのである。
 真たちにとって快楽は愛情の証であり、家族の繋がりだった。
 長い間離れて暮らしてきた母や妹と、まるで産まれた時からの付き合いであるかの様に気安くなれたのがその証拠だろう。
 セックスが家族を家族たらしめたのである。
 その事が頭にあるせいか、真は姉を抱く事に恐れを感じていた。
 本来これほど恋焦がれている姉を抱くのに躊躇はないはずなのだが、抱く事で姉に対する自分の想いが変わりそうで怖かったのだ。
 これまでの経験から肉体を繋ぎ合わせた瞬間、姉を姉として認識し、今までの様な恋心を抱くことができなくなるのではないかという恐怖を感じたのである。
 姉への想いが消えるなど死んでも嫌だった。
 だが肉体は、いや心も、姉と一つになることを望んでいる。
 姉をこの手に抱き締めたいと絶叫している。
 真は狂いそうだった。
 トントン。
 突然部屋のドアがノックされ、真は慌てて肉棒をズボンの中に閉まった。
「どうぞ……」
 返事をするとドアが開き、入ってきたのは今まで真が苦悩していた対象である姉だった。
 相変わらず美しく、真を見て微笑むその姿は女神そのものだ。
「真……おやつを食べましょう……」
 姉はお盆の上にケーキと紅茶を乗せていた。
「え? ここで食べるの?」
 この家に来てから、食事やおやつを食べる時は必ず居間に集まっていたため真は意外に感じた。
「今日は私たちだけですもの……いいでしょう……?」
 そう言えば母と妹は出かけており、家には真と姉しかいなかったのだ。
「それに……真と二人で話したかったの……」
 ふんわりとした雰囲気で姉が微笑んでくる。
「僕と……?」
「ええ……私たちずっと離れて暮らしていたし、私は休みが終わったら寮に戻らなければいけないから……それまでに、ね?」
 考えてみれば、姉が家に帰ってきてから二人きりで話した事などなかった。
「そうだね……僕も姉さんと色々話したいよ……」
 恋する相手と会話する。
 それは非常に嬉しくもあり、緊張することでもあった。


 思っていたよりも会話は弾み、真は姉を色々知ることができた。
 高校では生徒会役員をしていること、そこには憧れの先輩がいて非常に可愛がってもらっていること、もうすぐその先輩が卒業して寂しくなってしまうこと。
「その先輩は、『新入生が入ってきたら、今度はお前が可愛がるんだ』と仰ったのだけれど……私はどうしても納得できなくて……先輩以外の人と仲良くするなんてできないから……」
 どうやらその先輩はただの友人以上に、姉の心において大きな存在である様だった。
 その事に少し嫉妬してしまう。
「姉さんは……その人の事が好きなんだね……?」
「え?……うん……そう……」
 分かってはいたが、実際に肯定されると辛くなってしまう。
 何よりそう答える姉の頬は赤くなっており、嬉しそうな表情を浮かべているのが嫉妬心を高めた。
「それでね……真のこともその人に相談したのよ……」
「え……?」
「私たち、ずっと離れて暮らしていたでしょう? どう接すればいいのか困ってしまって……そうしたら先輩はね、いつも通りにすればいいって……私がずっと真に対して想っていた気持ちをぶつければいいって……」
「僕に対する気持ち?」
 思わず姉も自分の事が好きなのかと期待しつつ、そんなはずがある訳ないとすぐに否定する。
「私ね、ずっと真と会いたかったのよ……あ、そうだ。ちょっと待っててね……」
 姉は何かを思いついた様で、突然立ち上がると部屋を出て行った。
 何事かと思いつつ待っていると、しばらくして小さなダンボールの箱を持って戻ってきた。
「これ……要らないモノもあると思うけど……真へのプレゼントよ……」
「え? 僕の?」
 真の問いに姉はゆっくり頷いている。
「あなたが産まれるって知らされてから……私、弟ってどんな感じなんだろうってずっと想像してたの……そしてきっと可愛がるんだって思っていたわ……でもあなたとは離れ離れになってしまって……悲しかったけど、それでも死んだ訳ではないのだからいつか会えると思って……それで毎年誕生日プレゼントを作っていたの……」
 箱の中を見ると、確かに色々な物が入っていた。
「これが最初に、私が二歳の時に作った折り紙……こんなものしか作れなかったのよね……小学生になってからは、編み物を覚えてマフラーも作ったわ……ふふ、もう小さくて使えないわね……」
 姉は一つ一つを取り上げて思い出を語っていく。
 真は、傍にいない弟のために毎年プレゼントを用意してくれていた姉の気持ちに感動していた。
 自分は姉に愛されていたという事実がたまらなく嬉しかったのだ。
「それでこれが今年の……きっとあなたはこれくらいの体格じゃないかと思って作ってみたのだけど……どうかしら? 着てみて」
 姉が取り出したのは手編みのセーターだった。
 着てみると驚いたことにサイズはピッタリだった。
「良く似合うわ……素敵よ、真……」
 嬉しそうな姉の声が聞こえる。
 その微笑は真にとって何にも変えがたいプレゼントだった。
「嬉しいよ姉さん……僕、こんなにしてもらって……」
「私も嬉しいわ……ようやく真にプレゼントを渡す事ができたんですもの……」
 ふわっといい匂いが漂ってきたかと思うと、姉がギュッと抱き締めてきた。
「ね、姉さん……?」
「ごめんなさい……ちょっとこうしたかったから……嫌……?」
「ううん……そんな事ないよ……」
 真にしてみれば嬉しさで頭がどうにかなりそうだった。
 初めて会った時以来、ずっと想い続けていた姉に再び抱き締められているのだ。
 これほどの幸福は無かった。
(ああ……姉さん……何ていい匂いなんだろう……)
 姉の体からは甘い香りが漂い、真の脳をクラクラとさせ、股間の一物を一気に勃起させた。
 それはまるで媚薬の様に真を誘惑し、意識無く体が動いてそのまま姉の肉体を抱き締めさせた。
(柔らかい……)
 姉の体はまるでクッションの様に受け止め、温かく包み込んでくる。
「あっ……真……」
 微妙に色っぽい姉の声がたまらず、頬を擦り付けてしまう。
 そうすると何とも言えない快感が体中を走り抜け、頭が朦朧としてきた。 
 鼻息が荒くなり、このまま姉を自分の物にしたい欲求が湧き起こってくる。
 姉の顔を見ると頬を微かに上気させ、うっとりとした表情を浮かべており、それは真の肉欲に火を点けるのに十分な効果があった。
 白く美しい顔の中で唯一桜色をした唇が、まるで誘っているかの様に震えている。
 それを見た瞬間、真の抑えは利かなくなった。
(姉さんっ……)
 姉の唇に勢い良く吸い付いていく。
「んっ……!」
 姉が驚いた様に身をこわばらせた。
 だがそれに構わずギュッと抱き締め、舌をその温かな口内に潜りこませる。
「んんっ!……んっ……!」
 体を離そうとしてくるのを力で押さえ込み、奥で縮こまっている舌に絡ませる。
「んふっ……んっ……んんっ……!」
 姉の手は自ら作ったセーターをギュッと掴み、その体は小刻みに震えている。
 真はそのまま姉の舌を強く吸い上げ、顔を左右に入れ替えながら何度も唇を擦り合わせた。
 唇と舌からたまらない快感が押し寄せ、蕩けそうな気持ちの良さに体中が包まれていく。
(ああ……何て……何て凄い……姉さんとのキスって……凄いよぉ……)
 キスでここまで快感を感じるのは初めてだった。
 やはり恋する相手だからだろうか。
 恋焦がれた相手とのキスだから、これほど自分は感じてしまっているのだろうか。
 真は夢にまで見た姉とのキスに体を震わせ、何度も何度もその美しい唇を味わっていった。
「んんっ……んぅっ……んっ……んんぅっ……」
 キスを繰り返していくうちに姉の体から力が抜け、こちらに体重を預けてきた。
 それを感じた真はゆっくりと唇を離した。
「ん……んん……はぁ……あ……」
 ぼんやりとした表情で姉がこちらを見つめている。
「大好きだよ……姉さん……」
「ま……まこと……だめよ……こんなことをしては……」
 荒い呼吸をしながら姉がたしなめてくる。
「だけど僕は、姉さんが好きなんだ……キスしたかったんだ……」
「でも私たちは姉弟なの……こんな事しちゃ……いけないのよ……」
「それでも僕は……姉さんが……好きで好きでたまらないんだよ……初めて会った時から、姉さんが好きなんだっ。一人の女性として好きなんだよっ!」
 ずっと隠していた想いを告げる。
 姉はその言葉に驚いた様な表情をした後、悲しげに息を吐き出した。
「だけど……私たちが姉弟だという事に変わりはないわ……姉弟はキスをしてはいけないの……だからもうしては駄目よ……」
 突き放す様に体を押してくる。
 だがその程度で肉欲に火の点いた真を抑えられるはずもなかった。
 まだ吐き出されていない精は体中を駆け巡り、目の前にいる極上の女を犯せと急かし、心も恋する相手を自分の物にしろと訴えてくる。
 嫌がっているのに無理やりしてはいけない、と理性が忠告してくるものの、これまで母や妹と関係を持ってきた真にとって、してしまえば姉も喜ぶはずだという認識が強かった。
 女は抱けば喜び、自分を愛する様になる。
 それがこれまでの経験から真が得た真理だった。
(そうだよ……抱けば姉さんだって僕をもっと愛してくれる……学校の先輩なんかより、僕を……)
 先ほど聞いた姉の憧れている先輩への嫉妬心が理性を駆逐した。
 初めは小さなものでしかなかった嫉妬の火は、逆らわれたことで激しく燃え盛り、炎となって真の体を包み込んだ。
 抱いてしまえば姉は自分の物になる。
 自分だけを見てくれる。
 そんな想いが体を突き動かし、真は姉の体をギュッと抱き締めると、再び唇を押し付けていった。
「んっ……んんっ……んんぅっ……」
 姉が避ける様に顔を激しく動かす。
 だがそれに構わず舌を絡ませ強く吸い上げると、姉の体からガクリと力が抜けた。
「んんっ……んっ……んふぅっ……」
 続けて口内を弄んでいると、姉の舌がオズオズといった感じで絡み付いてきた。
(姉さんが……してくれてる……?)
 その積極的な行為は真を喜ばせた。
 やはり口では否定していても、こうして快感を与えれば自分を受け入れてくれるのだ。
 真は嬉しくなり、そのまま激しく唇を擦りつけ、舌を吸っていった。
「んっ、んっ……んんっ……!……んんっ、んっ……」
 興奮した真は手を姉の豊かな胸に持っていき、強く揉みしだいた。
 手で掴みきれないほど大きな姉の乳房は、柔らかい感触を手のひらに感じさせ、何度も揉みたくなる欲求をもたらしてくる。
 真は姉の舌を強く吸い上げ、乳房を激しく揉みながら、ゆっくりとその体を押し倒していった。
「んんっ……んっ……んふぅっ……」
 唇を離し、上からジッと見つめると、姉はハァハァと息を荒げながらボンヤリとした表情を浮かべている。
 白い肌は上気し、ほんのりと桜色に染まっていた。
(姉さん……綺麗だ……)
 姉の肌がもっと見たくなった真は、シャツのボタンを一つ一つ外し、ブラジャーに包まれている豊かな乳房を顕わにした。
 荒い呼吸に合わせて上下に揺れるその膨らみは、たまらなく魅惑的であり、真はゴクリと唾を飲み込むとブラジャーを上に押し上げた。
 ブルンっといった感じで白い塊が揺れ動き、ピンクの乳首が目に映る。
(ね、姉さんの……オッパイ……)
 それはあまりにも白く、大きく、そして美しい存在だった。
 真は引き寄せられる様に唇を近づけると、可憐な乳首をチュッと強く吸い上げた。
「あんっ……」
 可愛らしい姉の声が聞こえ、その美しい体にピクンっと震えが走る。
(姉さんっ……!)
 それを見た瞬間、体の奥底から恐怖にも似た激しい興奮が湧き起こり、真は乳房をギュッと掴んで揉みしだいていった。
「あっ……やっ……ああっ……駄目、やぅっ……真、ああっ……駄目よ、ああんっ……」
 愛らしい唇から甘い声が漏れ、それに急かされる様に姉への愛撫が強くなっていく。
「あんっ……いや、あっ……真、あぅっ……真いやぁっ……」
 可憐な乳首に唇を押し付け、舌先で強く弾きながら激しく何度も吸い付く。
 まるで飢えた人間が食べ物にむしゃぶりつくかの様な勢いで、真は二つの豊かな塊を交互に貪っていった。
(ああ……柔らかい……甘い……たまらないよぉ……)
 美しい姉の乳房を揉みしだき吸う事は、真にとって極上の行為だった。
 さらにはそれにより姉が体を震わせ甘い声を上げるのは、もう死んでもいいと思わせるほどに強烈な快楽をもたらしていた。
(姉さんっ……姉さんっ……僕の、僕の姉さんっ……)
 乳房を荒々しく愛撫しながら、真は姉を自由にしている状態に狂わんばかりに興奮していた。
 股間では痛いほど肉棒が猛り、早くこの気持ちのいい肉体の中に入れろと訴えている。
 真は体を移動させると、スカートを捲くってパンティを引き下ろした。
「いやっ、駄目っ……それは駄目よっ……真やめてぇっ……」
 姉が体をクネクネと動かしながら、何とか離れようとしてくる。
「いいじゃないか姉さんっ……僕、姉さんと一つになりたいんだっ……」
 真は姉の体を抱き締めると唇に強く吸い付いた。
「んんっ……んっ……んんぅっ……」
 舌を何度も吸い、乳房を揉みしだいていると姉の体から力が抜けていく。
 真はズボンとパンツを膝まで降ろすと、いきり立っている肉棒を持ち、すでに濡れている秘所へと狙いを定めた。
「駄目っ、駄目よっ……それだけは駄目っ……こんな、こんなのっ……してはいけないわっ……」
 姉は必死に逃げようとするが、乳房をギュッと掴むとすぐに力を抜いた。
「僕っ……姉さんとしたいっ……したいんだっ……入れるからねっ……」
 姉の脚の間に腰を入れ、肉棒を近づけていく。
 ズプ……。
「あ……嫌……」
 亀頭の先が触れ、姉が声を漏らす。
 その悲しげな声に構わず腰を押し進めると、ズブズブといった感じで肉棒が姉の膣に収まっていった。
「ああ……あっ……いぅっ……」
「くっ……はぅっ……はぁっ……」
 姉の苦痛の声と、真の快感の声が部屋に響いた。
 キュウキュウと、あまりに強すぎる膣の締め付けが肉棒を圧迫してくる。
(凄い……くぅ……何てキツイんだ……)
 だがそれと共にジワジワと気持ちの良さが伝わり、真は恍惚の表情を浮かべた。
 何より憧れの姉の中に入ったという幸福感が快楽を激しく高めていく。
「あぅっ……いっ……痛ぃ……」
 姉が苦痛の声を上げている。
 それは処女であるがゆえの痛みだった。
(姉さん……処女だったんだ……)
 姉ほど美しければすでに恋人の一人や二人いて、セックスも経験しているのではないかと恐れていたのだが、どうやら杞憂に済んだ様だ。
 やはり全寮制の女子高に通っていると、男と接触する機会などないのだろう。
 姉の初めての男になれたことに、真はたまらない幸福を感じていた。
(姉さんはこれで僕の……僕の物だ……)
 そう思いながら腰を動かし始める。
「あぐっ……いっ……あぅっ……」
 姉の辛そうな声が部屋に響く。
 腰の動きごとに姉が体を頭の方へ移動させ、苦痛から逃れる様にしている。
 それは姉に対して酷い事をしているという思いと共に、姉を支配しているかの様な錯覚を思わせた。
「いぐっ……いっ……あぅっ……」
 肉棒を突き込むたびに豊満な胸が揺れ、その振動が肉棒を通じて伝わると、今自分が姉と一つになっている実感を感じて真は幸せになった。
「痛っ……いっ……ぐっ……あぅっ……やっ……」
 姉の辛そうな表情に色気を感じつつ、腰を激しく動かしていく。
(ああ……姉さん……何て……何て綺麗なんだ……今姉さんは僕の、僕の物なんだね……)
 最高の幸福感に包まれるのと同時に、真はすぐにでも精を放ちたくなった。
 この愛する姉の中に精を放つ。
 それは何とも甘美な行為だ。
「姉さんっ……くっ……僕もう出すよっ……姉さんの中にっ……うぅっ……姉さんの中にぃっ……」
 そう言った瞬間、姉の顔がこわばった。
「だ、駄目っ……いぅっ……駄目よ中はっ、中は止めてぇっ……」
 必死に抵抗してくるが、腰の動きが早まると顔を苦痛に歪めて何もできなくなる。
「中に出したら、うっ……妊娠しちゃうっ、妊娠しちゃうぅっ……」
 恐れる様に震える手で腕を掴んで来る。
 だがそんな事で極上の快楽を味わっている真を止めることはできなかった。
「出るっ、出るっ、出るよぉっ……姉さん出るぅっ……」
 腰の動きが激しくなり、最高の快楽の瞬間が迫っている事に興奮が高まっていく。
「いやっ、いやよぉっ……ぐっ……止めてっ、真止めてぇっ……」
「うぅっ、うっ……うぁっ!」
 姉の悲しみの声を聞きつつ、最速状態だった腰の動きを止めて精を放つ。
 ドピュドピュ、ドクドクドクドク……。
 多量の精液が姉の膣に注がれていく。
「ああ……まこと……何てことを……」
 姉の悲しげな声を微かに聞きながら、真は体をガクガクと震わせ、突き上げる様に腰を動かして何度も精を放っていった。
「ぐ……くぅ……」
 最後の射精を終え、ゆっくりと姉の上に倒れ込む。
 ハァハァといった姉弟の荒い呼吸が部屋に響き、真の心は一つの事をやり遂げた満足感で一杯となった。
 これまで母や妹とセックスした時に経験した、肉親としての愛情が姉との間でも強まっているのを感じる。
 そしてずっと心配していた「恋愛感情が無くなるのではないか」という恐れは杞憂だった。
 何しろ以前よりも姉が愛おしくてたまらなくなっており、姉としても女としても愛している自分がいるからだ。
 まさに愛情に種類や差は無いという事なのだろう。
 愛しているのならそれは愛でしかないのだ。
 母や妹に対しても家族愛が強まっただけだと思っていたが、女としても愛しているのかも知れない。
 真は愛する相手が多い事に幸福を感じ、その中でも格別愛おしい姉の顔を見つめた。
「真……どうしてこんな事をしたの?」
 悲しげに姉が問いかけてくる。
「どうしてって……僕は姉さんの事が好きだから……」
「好きだからって、相手の意思を無視してするなんて最低な事よ……私たちは姉弟なの……姉弟でこんな事をするなんて許されないわ……それに中で出すなんて……妊娠したらどうするの……」
 意思を無視したという点だけであれば姉の言っている事は正しいだろう。
 しかし姉弟でセックスするのが許されないとはどうしても思えなかった。
 何しろ肉体を繋げた結果として、それまで肉親の情すらなかった母や妹たちとも普通の家族以上の愛情を抱く事ができたのだし、姉に対する愛情も高まっているのだ。
 その事を考えれば、セックスが家族と愛し合うための方法として最上の行為である事は確実であり、それを許されないと言うのはおかしな事だった。
 確かに妊娠の心配はあったが、愛する姉との子供であれば真は産んで欲しいと思った。
 姉との愛の結晶ができるのは嬉しかったし、何よりそうなれば姉は自分を愛するしかなくなるではないか。
 それはまさに理想の状態と言えた。
「だけど姉さん……僕は姉さんと一つになって、それで姉さんが姉だって思えたよ。それまではあんまり綺麗すぎて実の姉だなんて信じられなかったけど、今は違う。自分の姉だって、僕の姉さんだって思えているんだ」
「真……」
 真の言葉に姉は驚いている様だ。
「姉さんは違う? 僕とセックスして、それで僕の事が弟だって、家族だって思える様になってない?」
「わ、私は……前から真のことは弟だって……」
「でも実感は無かったろ? いくら弟だって頭で理解していたって、心から弟だとは思えていなかったでしょ?」
「そ、それは……」
 姉は押し黙って視線を逸らした。
「今はどう? 僕を弟だって思えてない? 家族として愛しているって思えてない?」
「……」
 姉は答えなかった。
「どうなの? 答えて姉さんっ」
 少し強めに問いかけると、姉はビクッと体を震わせて目を忙しく動かした。
「……お、思えてるわ……」
 そしてしばらくすると辛そうに、小さな声だがハッキリと呟いた。
「やっぱりそうなんだ。僕だけじゃないんだねっ」
 姉の自分への愛情が高まっている事に真は歓喜した。
 それは家族愛でしかないのだが、好きな相手に愛されているという事実がたまらなく嬉しかったのである。
 それに姉を女としても見ている自分の事を考えてみれば、何度かセックスしていけば、姉も自分を男として愛する様になるかも知れないではないか。
 それは想像するだけでも最高の状態だった。
「姉さん、愛してるよ……」
 そう囁きながら可憐な唇に吸い付いていく。
「んんっ……んっ……んんぅっ……」
 不意にされた口付けに姉は少し抵抗を示したが、唇が擦れ舌が絡んでいくたびに力を抜いていった。
「んっ……んっ、んふぅっ……ああ、駄目……駄目よ……真、駄目ぇ……」
 ハァハァと荒い息を吐きながら否定の言葉を繰り返す。
「僕たちは姉弟だよ。こうして愛し合うのが当然なんだ。ずっと離れていた分を取り戻さなきゃ」
 本来なら当然ではない事を言いながら、真は姉の豊かな乳房を揉みしだいた。
 指が食い込む柔らかさと、すぐに押し返してくる弾力に心地良さを感じる。
「いやっ……止めて、あんっ……姉弟だから駄目なのよ、あっ……しちゃいけないの、ああんっ……」
 すでに屹立している桜色の乳首を口に含み、強く吸い上げると、姉はビクビクと体を震わせた。
「でもこうして触れ合っているから、僕たちはお互いを姉弟だって思えたんじゃないか……だったらもっと沢山して、姉弟として仲良くなろうよ……」
「そんな、あっ……そんなのおかしい、あんっ……間違ってるわ、やっ……」
 体中を舐めながら、少しずつ姉の体から衣服を脱がしていく。
「おかしくないよ。間違ってもいない……僕らは元々家族なんだから、愛し合って当然なんだよ」
「で、でも……こんな事は……」
「恋人や夫婦ならセックスするのに、どうして姉弟だと駄目なの? 僕はこうして姉さんを抱き締めているとすっごく嬉しいよ。姉さんが姉だって、家族なんだって思えてくる……」
 姉の体から全ての衣服を取り除いた真は、その美しい肉体に溜め息を付いた。
 見事なまでに整った顔。
 輝くばかりに真っ白な肌。
 ウェーブのかかった色素の薄い髪。
 形良く膨らんだ豊かな乳房。 
 キュッと締まった腰。
 太くも細くもないスラッとした脚。
 それら全てが理想だった。
 姉の体は、真が夢見た理想の女性像そのままだった。
「綺麗だよ……姉さん……」
 一瞬見とれた後、自分も服も脱ぎ去りゆっくりと体を重ねていく。
(う……き、気持ちいい……)
 肌が触れた瞬間、体全体にその素晴らしい肉体の感触が伝わってくる。
 それは痺れる様な快感をもたらし、もう二度と離れたくなくなる様な心地良さを感じさせた。
「ああ……真……」
 姉も同じ快感を得ているのか、体を微妙に震わせて甘い吐息を漏らしている。
 ギュッと強く抱き締め、肌を擦り合わせる様に動かしてその細い首筋に吸い付いていく。
「あっ……やっ……はぁんっ……」
 甘い声が鼓膜に響き、それと共に擦れる肌からたまらない気持ちの良さが体全体に伝わり、ゾクゾクする様な快感を感じさせた。
 姉の体は最高だった。
 先ほど肉棒を押し込んだ時にも感じたが、こうして肌と肌を擦り合わせているとさらに気持ちの良さが増していくのだ。
(もっと……もっと姉さんを感じたい……)
 豊満な乳房の中に顔をうずめ、多量の肉に埋もれる快感を味わいつつ、頬を擦り付けてピンク色の乳首を口に含む。
「はぁんっ……やんっ、まことぉ……」
 甘ったるい声を漏らしながら姉が潤んだ瞳でこちらを見つめてくる。
「姉さん……姉さん愛してるよっ……」
 興奮のままに姉の体へキスの雨を降らしていく。
「あっ……やっ、はぁんっ……あっ、ああっ……」
 激しい愛撫に姉がピクピクと体を震わせ、甘い吐息を漏らした。
 唇に吸い付き、続けて耳、首筋、そして乳房、さらには腹から太もも、足の指まで舐めた後、ゆっくり起き上がり、すでにギンギンに硬くなっている肉棒を秘所に向ける。
「ああ……はぁ……あ……まことぉ……」
 快感で朦朧としている姉を愛おしく見つめる。
「姉さん……また入れるよ……」
 微笑みかけながら亀頭の先を膣穴へと押し込んでいく。
「あぅっ……あっ……だ、だめぇ……」
 意識がぼんやりとしながらも否定してくる事に少し悲しみを感じながら、これから何度かすれば姉も喜ぶ様になるはずだと思い腰を進めていく。
「ああっ、あっ……あぅっ……いやぁっ……」
 ズブズブと肉棒が入り込んでいくと、そのたびに姉の体が仰け反り、甘い声が部屋に響いた。
(うぅ……やっぱりいいぃ……)
 ヌメヌメとした襞に肉棒が絡みつかれ、奥へ奥へと引き込まれるのにたまらない気持ちの良さを感じる。
 まるで肉棒を逃すまいとするかの様にガッチリ掴んでくるその蠢きは、姉が自分を受け入れてくれている様に思えて真は嬉しくなった。
 湧き起こってくる快感に鼻息を荒くしながら腰を動かしていく。
「あんっ、あんっ、ああんっ……真、ああっ……駄目、あっ……駄目よぉ……」
 先ほどは痛みしか感じていなかった様だったが、どうやら快感を得始めた様で、姉は甘い声を漏らしている。
 その事に嬉しさを感じつつ、真はさらに腰の動きを早めていった。
 何しろ快楽は愛情を高めるものだ。
 自分とのセックスを否定している姉にしても、快楽を感じ続ければ考えが変わるに違いない。
 これまでの経験から真はそう思った。
「あっ、あっ、ああっ……駄目っ、いやっ、ああんっ……そんな、はぅっ……そんなの、ああっ……そんなの駄目ぇっ……」
 激しくなった突き込みに、姉が頭の方へ逃げる様に体を動かす。
 それをグイと引き寄せ、体全体で肉棒を強く押し込むのを繰り返すと、さらに逃げる様に、だが快感を感じているとも思える様子で姉は体を仰け反らせた。
「あっ……はっ、やっ……はぐっ、あっ……やぁっ……」
 肉棒が擦れ、快感が走るたびに姉の可愛らしい声が耳に響く。
 真はそれを心地良く聞きつつ、まるでその一突き一突きが姉への愛情を示しているかの様に腰を強く叩きつけていった。
「あんっ、あっ、ああっ……やっ、やっ、やぁんっ……」
 頭を左右に振り、ウェーブのかかった色素の薄い髪を乱しながら姉は激しく悶えた。
 それに合わせて膣内がキュッキュッと締まり、真の耐久力を奪っていく。
 愛する姉と繋がっているという興奮に加え、そんな締め付けをされてはたまらなかった。
「くぅっ……また出そうだっ……出ちゃう、姉さん出すよっ……姉さんの中にぃっ……」
 その言葉に姉がハッと顔をこわばらせた。
「駄目っ、駄目よっ……中は、中は止めてぇっ……いやっ、やっ、やぁんっ……妊娠しちゃう、あぅっ……妊娠、あっ……駄目なのぉっ……」
「大丈夫だよっ……妊娠しても、うっ……僕がちゃんと面倒見るから、くっ……結婚はできないけどっ……姉さんと子供を一生っ……」
 真の言葉に姉は驚愕の表情を浮かべている。
 当然だろう、普通は妊娠させるなど大事であるにも関わらず、真は平然としているからだ。
「真……あなた……」
 姉は呆然とこちらを見つめてくる。
「僕はね姉さんっ……それくらい姉さんが好きなんだっ……姉さんとずっと一緒にいられるならっ……何もいらないっ……こうして姉さんが抱けるならっ……どうなってもいいっ!」
 それは偽らざる真の本音だった。
 思えば初めて会った時から、真は姉に狂ってしまったのかも知れない。
「それにねっ……姉さんとの子供ができたらっ……僕、凄く嬉しいよっ……だから欲しいんだっ……姉さんとの子供っ……欲しいんだよぉっ!」
 その願いを込めるかの様に腰を激しく突き動かしていく。
「あんっ、あんっ、ああんっ……そんな、ああっ……真、あぅっ……そんなぁっ……あっ、あっ、ああっ……」
 姉は真の言葉に恐怖を覚えている様だったが、それ以上に押し寄せてくる快感に甘い声を上げ続けた。
「あぅっ、あっ、ああっ……こんな、やっ……こんなの、あんっ……こんなのぉっ……はぐっ、はっ、はぁんっ……」
 真の腰が回転する様に動き、それによって発生した新たな刺激に姉は左右に激しく頭を振り、ギュッと抱き付いてきながら悶えた。
 膣内も同じく強烈に肉棒を締め上げてきたため、真の耐久力は限界に達した。
「イくよっ……姉さんイくっ……姉さんの中にぃっ……」
「いやぁっ、駄目、ああっ……中は駄目よ、あんっ……妊娠しちゃうっ……あっ、あっ、ああっ……いや、あっ……いやぁっ……あっ、あっ、あぁあああああああっ!」
「姉さんっ!」
 姉の絶頂に合わせて精を放つ。
 ドクドクドクドクと弟の精液が姉の膣へと勢い良く注がれていく。
「あ……ああ……だめぇ……」
 許されざる相手の精を受けている事に恐怖しているのか、姉の表情はこわばっていたが、快楽の色がそれに混じっているせいか凄まじい色気を感じさせた。
 その様子に興奮を高めつつ、真は何度も何度も姉の中に精を放っていった。


「あぅっ、あっ、ああっ……やっ、やぁっ、やぁんっ……」
 四つんばいになった姉が頭を仰け反らせて悶えている。
 こうして背後から貫いていると、姉を支配している様に思えて気持ちが良かった。
 あれから真は嫌がる姉を何度も犯していた。
 姉はもう抵抗する事を諦めたのか、言いなりになって抱かれている。
「くっ……また出すよっ……姉さんっ……姉さんの中にぃっ!」
 射精感が高まり、一気に放出しようと腰の動きを早める。
「駄目、あっ……中は駄目よぉっ、あぅっ……中は駄目なのぉっ……あんっ、あんっ、ああんっ……いやっ、いやっ、いやぁっ……!」
 もう何度も膣内に放っているにも関わらず、姉は射精の前には必ず否定の言葉を吐いた。
 だがそれは真の興奮を高める効果しか生んでいなかった。
 何故だか分からないが、そういった姉の悲しげな表情を見るたびに肉欲が増すのだ。
 嫌がられているのを無理やりしているというのが興奮を誘っているのかも知れない。
 無論本当に嫌われてしまったら悲しいだろうが、姉は決して本気で真を罵ったりはしないのだ。
 それが内心喜んでいるのではないかと思わせ、姉を抱く事を止められない理由になっていた。
「あんっ、あんっ、ああんっ……やっ、やっ、やぁんっ……駄目、あっ……抜いて、ああっ……抜いて真、あんっ……抜くのぉっ……あっ、あっ、あぁあああああああんっ!」
「姉さんっ!」
 姉の言葉に逆らい、抜かずに精を放つ。
 ドピュドピュドクドクドクドク……。
 多量の精液が姉の膣に注がれていく。
「ああ……だめ……あ……中は、だめぇ……」
 虚ろな声で姉が呟いているのが聞こえる。
 それを心地良く聞きながら、真は突き込む様に腰を動かし、精を放ち続けた。
 しばらくして最後の射精を終えると、ゆっくり姉の背中に体重を預ける。
 姉が体を崩したため、そのまま二人は床に倒れた。
 ハァハァと姉弟の荒い呼吸が部屋に響き、真は姉を自分の物とした満足感に浸った。
 背後から抱き締め、その美しい頬に口付ける。
 姉のうつろな、快楽に染まった表情を見ているとすぐさま肉棒が硬く大きくなってくる。
 真は起き上がると、今度は正面向きに体を移動させ、再び姉の中に肉棒を押し込んでいった。
「ああぅ……まこと……もうやめて……」
 姉が悲しげに訴えてくる。
「無理だよ……僕、姉さんに夢中なんだ……いや狂ってる……だから止められない……」
 真自身、己がどうしてここまでおかしくなっているのか不思議だった。
 初めは姉への思慕ゆえに一つになりたかった。
 だが今では、肉棒を押し込まずにはいられない、落ち着かない衝動に突き動かされているのだ。
「ああ、やはりあなたも……一族の血に支配されてしまうのね……」
「血……?」
 姉の言葉に首をかしげる。
 一族の血とはどういう意味だろう。
「私たちの一族は性欲がとても強いの……だから普通の人よりも激しく異性の肉体を求めてしまう……でもただセックスをしても満足できないの……肉親と交わらないと満足できないのよ……肉体的にも、精神的にもね……」
「……」
 それは何とも凄まじい話だった。
 だが思い当たる事はあった。
 母や妹と肉体関係を持つに至ったのは、二人から誘惑されたためであったし、今自分も姉を求めずにはいられないでいる。
 もし今自分が姉に対して感じている、この抑えられない衝動を母や妹も感じていたのだとしたら、それはまさに血が原因と言えるのではないだろうか。
 さらには自分に抱かれるまでの母の事を考えると理解は強まった。
 母は多くの男に抱かれていたが、いつも満たされず、精神的にも肉体的にも愛される事を求めている様に見えた。
 そして息子である自分に抱かれた時、母は初めて満足し、幸せに包まれている様に思えたのだ。
 それはまさに、本当に愛し愛される人間と一つになれた幸福感だったのだろう。
「私は真が好き……好きで好きでたまらないわ……初めて会った時からよ……『ああ、弟が私の下へ戻ってきた。もう離さない、真に抱かれたい』って思ったの……」
 その告白に嬉しさが込み上げてくる。
 姉も自分を愛してくれているのだ。
 これほど嬉しい事は無いだろう。
「でもそれは世間では許されない事……私はそれを断ち切りたかった……だからあなたに抱かれたくなかったの……」
「ど、どうしてさ……?」
 愛しているのなら抱かれたいと思って当然ではないか。
「肉親しか愛せない血の呪いを破りたかったのよ……」
「呪いって……」
 それほど恐ろしい事だろうか。
 確かに肉親しか愛せないのは大変だが、それで幸せになれるのなら良いではないか。
「真……あなた、自分の父親が誰なのか知っている?」
「え?……名前は聞いたけど……どういう人なのかは知らない……」
 長い間家族と離れて暮らしていた真は、すでに死んでしまった父親の事をあまり知らなかった。
「お父様はね、お母様のお兄様なのよ……」
「え……?」
 あまりの事に固まってしまう。
 父親が母の兄という事は、つまり自分は兄妹の間にできた子供だというのか。
 いや、姉にとっても同じ両親なのだから、自分たちはそうした近親相姦の結果として産まれた子供だという事になる。
「結婚はできないから、戸籍上お父様は伯父という事になっているけど……でも血縁的には確かにそうなの……うちの一族は代々そうして子孫を残してきたのよ……」
「そ、そんな……」
「肉親以外愛せない私たちは、家族以外と結婚しても駄目になってしまう……いくらセックスをしても満足できず、愛情を感じられず、精神的におかしくなってしまうの……」
 確かに母が男に狂い、自分に暴力を振るっていた理由を、肉親とセックスしていないゆえの不安定な精神状態からと考えれば納得ができた。
 だが果たしてそんな事があるのだろうか。
「私もそうだったの……中学に上がる頃からかしら……体が疼きだして、おかしくなりそうだった……見た事もないあなたを思い浮かべて……一人で慰めたりしたの……」
(!……)
 美しい姉が、自分の姿を思い浮かべて自慰をしていたというのは衝撃的だった。
 だがその事が本当ならば、姉は自分を求めてくれているという事になるではないか。
 真は嬉しさで一杯になった。
「私はそんな自分が嫌だった……肉親しか愛せないなんておかしいもの……それに自分の子供も同じ思いをするのかと考えたら悲しくて……だからあなたには抱かれたくなかった……子供も作りたくはないの……」
 姉は悲しそうに呟いている。
 それはつまり、体や心は真を求めていても、頭が拒否しているという事だろうか。
 肉体的、精神的欲求として真を求めていても、倫理的、道徳的にそれを許されない事と考えているのか。
「私たちの様な歪んだ一族は滅びるべきなのよ……もう男はあなたしかいない……真が誰とも子供を作らなければ終わらせることができるの……だからお願い……もうしないで……」
 姉が胎内に射精される事をあれほど嫌がった理由が分かった。
 だがそうは言っても、すでに真は母や妹ともセックスをし、その体の中に精を何度も放っている。
 彼女たちが妊娠してしまえば姉の恐れる子供が産まれるのだ。
 いくら姉だけが自分との行為を否定しても、母や妹が否定しない限り、自分たちの血筋は続いていくのである。
 だったらここで姉だけを抱かない理由など無かった。
(そうだよ。僕は姉さんをもっと抱きたいんだっ)
 真は否定の意思を示す様に大きく腰を突き込んだ。
「あんっ……真どうして、どうして分かってくれないの?」
 姉が悲しげに見上げてくる。
「だってしょうがないじゃないか。僕は姉さんが好きで好きでたまらないんだよ。こうして繋がっていると姉さんが姉だって思えて嬉しいし、愛してもらえてると思えて温かい気持ちになれる……こんな、こんなに心も体も気持ちのいい事を、止めるなんてできないよっ」
 そう言いながら腰を激しく動かし始める。
「あっ、あっ、ああっ……駄目よ分かって、あぅっ……私はあなたとは、あっ……こんな事を、ああんっ……」
「でも姉さん、僕はお母さんや結衣奈ちゃんともセックスしてるよっ……」
「そ、そんな……」
 すでに母や妹とセックスしている事を告げると、姉は驚きの表情を浮かべた。
「もちろん中に射精してるっ……だからいつかは子供ができるんだっ……そしたら姉さんを相手にしてもしなくても同じでしょっ?……だったらしたいっ……僕は姉さんとしたいよっ……こんなっ……こんなに気持ちのいい姉さんとっ……」
 ズンズンと力強く突き込む。
「ああぅっ、あっ、ああんっ……そんな、あっ……やっぱりあなたは、あぅっ……血に支配されて、ああっ……」
「確かに僕は姉さんを抱きたくてしょうがないけどっ……でもそれは愛してるからだよっ……愛してるからっ……だから一つになりたいっ……中に射精したいっ……子供だって欲しいんだっ……」
 これまで胎内に精を放つのが妊娠に繋がるという事を全く意識していなかったが、確かにこのままでは家族を妊娠させてしまうだろう。
 それは本来恐ろしい事だったが、今の真にとっては喜びとなっていた。
 肉親しか愛せない自分たち。
 それを悲しい運命と捉えることもできるだろうが、逆に世界一愛し合っている家族として考えることもできるではないか。
 家族のみを愛し、家族のみとセックスし、家族のみで子を生す。
 それは素晴らしい家族愛なのではないのかと真は思った。
 たとえそれが血の呪いによって引き起こされているのだとしても構わない。
 何故なら母や妹、そして姉に囲まれ、それぞれと子供を作り暮らしていく自分の姿を想像した時、これ以上ない幸福感に包まれたからである。
 確かに世間的には許されない関係かも知れない。
 だがそれがどうしたというのだ。
 自分たちが幸せならばそれで良いではないか。
 姉は悲しんでいるが、それもいつか自分が幸せにしてみせる。
 今は受け入れがたくとも、こうして抱いていけば誠意が伝わり、理解してくれるはずだ。
 何しろ肉体の繋がりこそが、愛を確かめ合う一番の方法なのだから。
「あんっ、あんっ、ああんっ……やっ、やっ、やぁんっ……」
 激しく腰を動かすと、姉が雪の様に白い喉をこちらに見せて仰け反った。
 芸術品とも言える唇からは涎が糸の様に垂れ、美しさに不似合いなその様子に、真は凄まじいいやらしさを感じた。
 姉の体は歓喜に満ちて自分を受け入れている。
 膣がギュッと肉棒を締め付け、奥へ奥へと誘う蠢きによってそれが分かるのだ。
 肉体の快楽は愛情の証であり、これほど気持ち良くよがり、また逆に快感を与えてくれているのは、姉の自分に対する愛情の強さゆえであろう。
 肉棒を通じて姉の愛情が伝わってくる。
 姉は自分を愛している。
 心も体も愛してくれているのに、ただ頭だけが、世間の常識などというモノに縛られて愛を見失っているのだ。
 だったら自分が、弟である自分が、愛情を込めて快楽を与えるしかないではないか。
 そうすればやがて頭すらも快楽に満ち、弟の自分を愛し受け入れる様になるに違いない。
 自分は母や妹ともそうして家族となり、愛し合っているのだ。
 姉だけがそうならないはずがなかった。
(そうだよ……僕は……姉さんを説得するんだ……この体で……)
 真はそう決意すると、それまで以上に姉を愛おしく想いながら体全体を擦り付ける様にし、激しく腰を動かしていった。
「あっ、あっ、ああっ……やっ、やっ、やぁんっ……」
 可愛らしい姉の声が部屋中に響き、真の肉体を受け入れていく。
「駄目っ、ああっ、駄目なの、あぅっ……駄目よぉっ……あっ、あっ、ああんっ……」
 快楽が姉の思考を蕩けさせたのか、否定の言葉を吐きつつも腕を背中に回し、脚を腰に絡みつかせてギュッと強く抱き締めてきた。
 腰も自ら求める様に揺れ動いている。
「姉さんっ……愛してるっ……愛してるよっ……」
 その可憐な唇に吸い付き、舌を激しく絡ませる。
「んんっ……んっ……んふぅっ……」
 すると驚いた事に、姉が真の頭を抱える様に持ちながら、左右に顔を動かして強く唇を擦り付けてきた。
 その事に興奮した真は、腰を強く叩きつける様にして動かしていく。
「んっ……んふぁっ……ああっ、真ぉっ……あんっ、あんっ、ああんっ……駄目、あっ……駄目なの、あぅっ……駄目なのにぃ、ああっ……」
 言葉では否定しつつも肉体は激しく真を求めてくる。
 その相反する状態は、姉に対して己が与えている快楽の強さの様に思え、真は嬉しくなった。
「僕は姉さんを愛してるっ……姉さんとの子供が欲しいっ……だからっ……だから出すよっ……また姉さんの中にっ……姉さんの中にぃっ……」
 強く肉棒を出し入れし、姉の気持ちのいい粘膜と擦り合わせる事で快感を高めつつ、射精しようと力を入れていく。
「いやぁっ……あっ、あっ、ああっ……駄目よ、いやっ、ああんっ……真いやよぉっ……ああっ、あっ、あぅんっ……でも、あっ……嫌なのに、あぅっ……嫌なのにぃっ……」
 姉はまるで逃がすまいとするかの様に真を強く抱き締めてきた。
 膣内もキュウッと肉棒を締め付け、まさに体全体で姉に捕えられている状態となる。
「駄目、あっ……もう、もう誤魔化せない、やぁっ……私、私は、あんっ……真を愛してるっ、愛してるのぉっ……真、あっ……真ぉ、あんっ……愛してるわぁっ……愛してるのぉっ……愛してるのよぉっ!」
 姉の愛の告白。
 それはたまらなく真を興奮と歓喜の渦に引き込んだ。
「だから抱いて、ああっ……もっと、あっ……もっと激しく、あんっ……もっと激しく抱き締めてぇっ……あっ、あっ、やぁっ……貫くほどに強く、ああっ……強く突き込んでぇっ……」
 姉の肉欲の告白。
 真は心も体も、そして思考すらも愛情で包み込み、姉を自分の物とする事に成功した。
 もう何も心配はない。
 全てをさらけ出した姉は、二度と自分を受け入れぬ事はないだろう。
 愛する姉が自分の物となった。
 それは震えるほどの喜びとなり、真は愛する姉の中に精を放とうと腰を激しく振りまくった。
「姉さんっ……出すよっ……僕っ……姉さんの中にっ……姉さんの中に出すよぉっ……!」
「ああんっ、あっ、やぁっ……いいわ、あぅっ……いいの、あっ……出して、ああんっ……真の熱いの、あんっ……白くてドロドロしたのを、やぁっ……私の中にぃっ……私の中に出してぇっ……」
 もうすでに姉は快楽の虜だった。
 いや真への、弟への愛情に満ち溢れ、全てを受け入れる幸福の中にいるに違いなかった。
 真も姉の中に精を放とうとしている今、苦しいほどの幸福感に包まれており、姉もきっと同じ状態だろうと思ったのだ。
「あんっ、あんっ、ああんっ……やっ、やっ、やぁっ……もう駄目、ああっ……もう駄目よ、あんっ……もう駄目なのぉっ……あっ、あっ、ああっ……イっちゃう、あっ……イっちゃうわ、ああっ……イっちゃうぅっ……やっ、やっ、やぁああああああああんっ!」
「姉さぁんっ!」
 激しい勢いで精が放たれていく。
 もう何度も放っているはずであるのに、信じられないほどの多量の精液が姉の胎内に注がれていった。
「ああ……あ……はぁ……」
 姉の甘く、蕩ける様な溜め息が聞こえる。
 それはまるで、これまで否定していた精を初めて受け入れられた喜びの様に感じられた。
 真は姉の穏やかな、そして幸せそうな様子に何とも言えない嬉しさを感じながら、何度も何度も精を放っていった。
 やがて射精を終えた真は、ゆっくりと姉の柔らかな肉体に身を預けた。
 姉弟の荒い呼吸が部屋に響く。
「真……私の……私の可愛い弟……愛しているわ……」
 姉はそう言いながら自ら唇を重ねてきた。
 その事に驚きと歓喜を覚えつつ、真は姉の体を抱き締め、舌を絡ませていった。
「愛してるよ姉さん……僕の……僕の姉さん……」
 一旦唇を離し、姉への愛の言葉を述べながら、再びその愛らしい唇に吸い付いていく。
 姉弟は求める様に腕と脚を互いの体に絡みつかせ、激しいキスを繰り返していった。
 そうしていると愛情と肉欲が高まり、自然と再び硬く大きくなった肉棒を感じた真は、ゆっくりと腰を動かし始めた。
「あっ……真ぉ、ああっ……真ぉっ……」
「姉さんっ……うぅっ……姉さんっ……くっ……」
 部屋には粘膜の擦れ合う音と、姉の甘い吐息、そして真の荒い呼吸音が響いていく。
 姉弟は、まるでそうしていないと死んでしまうかの様な勢いでお互いの肉体を貪り、快楽と共に愛情を高めていくのだった。












あとがき

 今回は、「嫌がりつつも流されてしまう」というのをメインにやってみました。
「頭ではいけない事だと考えても、相手を愛するがゆえに『いいのではないか?』と思いつつ、『それでもやはりいけない』と抵抗するけれど、結局快楽に飲まれて受け入れてしまう」という感じですか。
 こういうのって好きなんですよね。
 近親相姦の醍醐味と言うか。
 誘惑されるのもいいですが、それってあまり現実的じゃないですからねぇ。
 やはり息子や兄、弟の方が肉欲に我満しきれず思わず襲っちゃって、それに抵抗しつつも家族ゆえに受け入れてしまうというか。
 ま、それもありえないでしょうけど、セックスに至るまでの過程として現実性が高いということで(笑)

 この作品を書くにあたって思い出したのが、私が近親相姦小説を買い始めた頃に読んだ作品でした。
 姉との絡みの描写が凄く良かったんですよ。
 姉に甘える様に抱き付き、そのまま自然とそうなった様にキスをし、「キスくらいならいいか」と姉に妥協させ、そのまま胸を揉んだり、やがては股間に手を伸ばしたりと、まあ、弟への甘さ、快楽に流される部分を利用してヤってしまうという話でした。
 とにかく姉の描写が凄く良くて、私は未だにこれに勝るものを読んだ事が無いんですよねぇ。
 あの徐々に姉を受け入れさせるのが最高でしたわ。
 ま、今読んだらまた別の感想があるかも知れませんけど、当時は凄く良かったんですよ。
 そこら辺を意識して書いてみたのですが、いかがだったでしょう。

 それから今回は、中出しに抵抗するのや妊娠に恐怖するのも入れてみました。
 某サイトさんで、中出し&妊娠にこだわってるのを見た時に何か興奮したんですよね。
 気に入ったのでこれからも出るかも知れません。
 強姦した場合は、そういう部分を入れた方が興奮しますしね。
 やはり男ってのは種付けを欲する動物なのかも知れませんな(笑)
(2005.11.23)



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