ダイヤモンドの涙粒
 

まだまだあどけない小さな少女が

ピアノを弾きながらポロポロと涙をながしている

白い鍵盤の上には透明な涙粒がいっぱい

ぽたぽたと落ちてくる

きっときっと思い通りに弾けなくて

悔しくて仕方がないんだろうな〜

優しい言葉の一つもかけてやりたい

でも、ここで一言、発したら・・

一生懸命闘っている心が

崩れてしまうかもしれない

負けるな

負けるな

横に座っている私の手は

ぎゅっとこぶしを握っている

負けるな負けるな

もう一息

もう一息

涙で鍵盤が見えていないかも

それでも

それでも

私は言葉をかけない・・・・


終わった!

弾けたよ〜弾けたよ〜

涙の粒がキラキラ輝いていた

がんばったよっ

がんばったよっ

ひとりでがんばったよ〜

彼女をぎゅっと抱きしめた

熱い熱い身体だった


BGM(エリーゼのために〜ベートーベン)

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